説明

カラーフィルタ欠陥修正用の修正液

【課題】マイクロディスペンサの吐出口に目詰まりを起こさず、また、被膜(修正膜)が体積収縮を起こさないカラーフィルタ欠陥修正用の修正液を提供すること。
【解決手段】アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマー及び着色剤を主成分とし、硬化、定着した被膜において蒸発せずに残存する固形分が90重量%以上、残部溶剤であること。アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマーの重量配分比が〔1:2〕〜〔5:1〕の範囲であること。着色剤の含有量が修正液100重量%に対して15〜35重量%の範囲であること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタの欠陥修正に用いる修正液に関するものであり、特に、マイクロディスペンサを用いた修正を行う際に、吐出口に目詰まりを起こさず、また、被膜(修正膜)が体積収縮を起こさない欠陥修正用の修正液に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、カラー表示、反射率の低減、コントラストの改善、分光特性制御などの目的にカラーフィルタを用いることは、有用な手段となっている。
この表示装置に用いるカラーフィルタは、多くの場合、カラーフィルタは画素として形成されて使用される。この表示装置に用いるカラーフィルタの画素を形成する方法としては、フォトリソグラフィ法が広く用いられている。
【0003】
図5は、液晶表示装置に用いるカラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。また、図6は、図5に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
図5、及び図6に示すように、液晶表示装置に用いるカラーフィルタは、ガラス基板(40)上にブラックマトリックス(41)、着色画素(42)、及び透明導電膜(43)が順次に形成されたものである。
図5、及び図6はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(42)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角17インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
【0004】
液晶表示装置の多くに用いられている、上記構造のカラーフィルタの製造方法としては、先ず、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次に、このブラックマトリックスのパターンに位置合わせして着色画素を形成し、更に透明導電膜を位置合わせして形成するといった方法が広く用いられている。
ブラックマトリックス(41)は、遮光性を有するマトリックス状のものであり、着色画素(42)は、例えば、赤色、緑色、青色のフィルタ機能を有するものであり、透明導電膜(43)は、透明な電極として設けられたものである。
【0005】
ブラックマトリックス(41)は、着色画素(42)間のマトリックス部(41A)と、着色画素(42)が形成された領域(表示部)の周辺部を囲む額縁部(41B)とで構成されている。ブラックマトリックスは、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
【0006】
ガラス基板上へのブラックマトリックスの形成は、例えば、ガラス基板(40)上に、ブラックマトリックス形成用の黒色フォトレジストを用いて塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によってブラックマトリックス(41)を形成するといった方法がとられている。
【0007】
また、着色画素(42)の形成は、このブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、例えば、顔料などの色素を分散させたネガ型の着色フォトレジストを用いて塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によって着色画素を形成するといった方法がとられている。また、透明導電膜(43)の形成は、ブラックマトリックス、着色画素が形成されたガラス基板上に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いスパッタ法によって透明導電膜を形成するといった方法がとられている。
すなわち、一例として示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタにおいては、透明導電膜を除きフォトリソグラフィ法によって画素(パターン)として形成されている。
【0008】
上記ブラックマトリックス(41)或いは着色画素(42)を形成する際に、画素(パターン)には欠陥が生じることがある。画素(パターン)欠陥は、主として、画素の一部が欠落した白欠陥と異物の付着などによる黒欠陥に分類される。
白欠陥は、例えば、ガラス基板表面のフォトレジストの弾き、フォトレジスト中の気泡、画素上の異物の脱落に伴う膜剥がれなどにより生じる画素の欠落部、すなわち、ピンホールである。ピンホールのあるカラーフィルタが液晶表示装置に組み込まれると、白点として光って観視されるので表示品質を損ねる。
【0009】
また、黒欠陥は、工程中で発生するパーティクル、作業場に浮遊する塵埃などが付着したものであり、画素上では突起となることが多い。この突起の高さが液晶表示装置の対向基板に接触するような高さであると、短絡を起こし表示品質を損ねる。
従って、ブラックマトリックス(41)或いは着色画素(42)を形成する際に発生した白欠陥や黒欠陥などの画素(パターン)欠陥に対しては修正が施される。
【0010】
図1(a)〜(d)は、白欠陥(ピンホール)を修正する方法の一例の説明図である。この修正方法は、修正針を用いて白欠陥部に修正液を付与し、白欠陥を修正する修正方法である。
図1(a)は、ガラス基板(40)上にブラックマトリックス(41)、着色画素(42)が順次に形成された段階で、着色画素(42)に白欠陥(D1)が発生した状態を表したものである。着色画素(42)の大きさ(a×b)は、300μm×100μm程度であり、膜厚は1.0μm程度である。白欠陥(D1)は、20μm〜70μm程度の大きさ(c)のものが修正の対象となる。
【0011】
図1(b)は、着色画素(42)の白欠陥(D1)の部分に修正口(S1)が形成された段階を表したものである。白欠陥(D1)の平面形状は不定型であるので、修正を容易にするために単純な形状、例えば、図1(b)に示すように、正方形の形状に白欠陥(D1)の周囲の着色画素を除去したものである。この着色画素の除去には、例えば、レーザーを用い当該部分を揮散させる。
【0012】
図1(c)は、着色画素(42)内の修正口(S1)に対して修正が施され、修正膜(45)が形成された段階を表したものである。また、図1(d)は、図1(c)におけるX−X線での断面図である。修正口(S1)に対しては、先端部を偏平に加工した修正針の先端に修正液を付着させ修正口(S1)、すなわち、修正口(S1)から露出しているガラス基板表面に修正液を被着させる。
ガラス基板表面の修正液の被膜には、修正液の組成に準じ、例えば、UV照射による硬化、或いは加熱処理による硬化を行い、修正膜(45)となし、白欠陥(ピンホール)の修正を完了する。
【0013】
しかし、このような修正針を用いた白欠陥の修正方法では、図1(c)、(d)に示すように、修正を施した修正口(S1)の周囲、すなわち、修正を施す必要のない正常な着色画素(42)上にも修正液が被着されてしまい、修正口(S1)の周囲には修正液による突起(44)が形成されてしまうことがある。
修正口(S1)が大きくなると、この大きさに準じて突起(44)の大きさ(g)は大きくなり、着色画素(42)には突起(44)の大きさ(g)の色ムラが観視されてしまうことになる。
【0014】
従って、このような修正によってもたらされる色ムラを回避するために、修正の対象と
なる白欠陥(D1)の大きさ(c)には、自ずから制約が伴うといった問題がある。
【0015】
また、この修正口(S1)の周囲に突起(44)が形成されたカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、この突起が液晶の配向に支障をきたすことがある。
或いは、この突起の高さが液晶表示装置の対向基板に接触するような高さであると、短絡を起こし表示品質を損ねるといった問題がある。
また、この修正針を用いた白欠陥の修正方法では、例えば、1枚のカラーフィルタ内に複数箇所の白欠陥が存在する際、或いは、隣接する着色画素にまたがる白欠陥が存在する際などには、修正には相応の時間を要することになる。
【0016】
尚、上記は、修正針を用いた白欠陥(D1)の修正方法を説明したものであるが、黒欠陥の修正方法も同様である。黒欠陥の場合には、黒欠陥(図示せず)及びその周囲の着色画素をレーザーにより揮散して、単純な形状の修正口を設け修正液を被着し、硬化させる。
【0017】
一方、上述した、修正針を用いた画素の欠陥の修正方法における問題点を解決した修正方法、及び修正用インキに関するものとして、例えば、特開2004−67777号公報には修正針に代わりディスペンサを用いる欠陥の修正方法が開示されている。
この修正方法は、ガラス製のディスペンサに修正液を充填し、空気による加圧で修正液を吐出させ、修正口に修正液を被着させるといった修正方法である。本体内径1mmφ程度、先端の吐出口内径5〜10μmφ程度のマイクロディスペンサと称する小型のディスペンサを用いるものであるが、先端の吐出口から吐出される修正液の吐出量を調節できることを特徴としている。
【0018】
例えば、修正口(S1)の容積は、着色画素の膜厚1.5μm、修正口(S1)の面積50μm□とすると、4pl程度となるが、マイクロディスペンサの吐出量の調節は4pl/sec〜400pl/secの範囲であり精密な調節が可能なものである。
【0019】
このような、修正液の吐出量を精密に調節できるマイクロディスペンサを用いることによって、前記修正針を用いた際の問題点、例えば、修正を施す必要のない正常な着色画素(42)上にも修正液が被着されてしまい、色ムラが観視されてしまうといった問題点は解消される。
これにより、従来よりも大きな白欠陥(D1)の修正も可能となり、修正の対象となる白欠陥(D1)の大きさは拡大された。
【0020】
また、前記修正針を用いた際の問題点、例えば、修正口(S1)の周囲には修正液による突起(44)が形成され液晶の配向に支障をきたすといった問題点は解消される。
加えて、マイクロディスペンサによる修正方法は、その所要時間が修正針による修正方法に比較して短いものなので、1枚のカラーフィルタ内に複数箇所の白欠陥が存在する際、或いは、隣接する着色画素にまたがる白欠陥が存在する際などでも、修正に要する相応の時間は短縮される。
【0021】
しかしながら、このマイクロディスペンサを用いた修正方法では、例えば、前記特開2004−67777号公報に記載されるように、修正用インキの成分中に高分子樹脂及び溶剤を含んでおり、この修正用インキを使用した際にはマイクロディスペンサの吐出口に目詰まりを起こしやすく、作業に支障をきたすといった難点がある。また、修正用インキを被着させ、被膜を乾燥、硬化させる際に被膜(修正膜)が体積収縮を起こすので、正確な修正には難点がある。
【0022】
このマイクロディスペンサの吐出口の目詰まり、及び被膜(修正膜)の体積収縮の発生
は、修正用インキの成分中の溶剤が全体の25重量%〜70重量%といった高い含有率であることに起因するものと推量されている。
【特許文献1】特開2004−67777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ガラス基板上にブラックマトリックス、着色画素が順次に形成されたカラーフィルタの白欠陥や黒欠陥などの画素(パターン)欠陥の修正に、マイクロディスペンサを用いた修正を行う際の修正液であって、マイクロディスペンサの吐出口に目詰まりを起こさず、また、被膜(修正膜)が体積収縮を起こすことのないカラーフィルタ欠陥修正用の修正液を提供すること課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、マイクロディスペンサを用いたカラーフィルタ欠陥修正用の修正液であって、アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマー及び着色剤を主成分とし、硬化、定着した被膜において蒸発せずに残存する固形分が90重量%以上、残部溶剤であることを特徴とするカラーフィルタ欠陥修正用の修正液である。
【0025】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液において、前記アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマーの重量配分比が、〔1:2〕〜〔5:1〕の範囲であることを特徴とするカラーフィルタ欠陥修正用の修正液である。
【0026】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液において、前記着色剤の含有量が、修正液100重量%に対して15〜35重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ欠陥修正用の修正液である。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマー及び着色剤を主成分とし、硬化、定着した被膜において蒸発せずに残存する固形分が90重量%以上、残部溶剤であるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液であるので、着色画素が順次に形成されたカラーフィルタの白欠陥や黒欠陥などの画素(パターン)欠陥の修正にマイクロディスペンサを用いた修正を行っても、マイクロディスペンサの吐出口に目詰まりを起こさず、また、被膜(修正膜)が体積収縮を起こすことのないカラーフィルタの欠陥修正用修正液となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液は、マイクロディスペンサの吐出口に発生する目詰まりを解消し、また、被膜(修正膜)を乾燥、硬化させる際に発生する体積収縮を解消するために、官能モニマーとしてアクリレート系多官能モニマーを用い、且つ溶剤を極力少なくすることを特徴としている。
【0029】
また、修正液の主成分であるアクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマーの重量配分比が、〔1:2〕〜〔5:1〕の範囲であると、マイクロディスペンサの目詰まり、及び被膜の体積収縮の解消が良好なものとなる。
また、修正口に修正液を被着させる際の作業性が良好で、且つ硬化、定着した被膜(修正膜)の膜厚及び分光透過率を正常な着色画素の部分と同一なもとするためには、着色剤の
含有量が、修正液100重量%に対して15〜35重量%の範囲であることが好ましい。
【0030】
本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液に用いられる単官能及び多官能モニマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性アクリレート、ジペンタエリスリトール、カプロラクトン等の各種アクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0031】
本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液に用いられる光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が挙げられる。
【0032】
本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液に用いられる着色剤の具体例をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。
【0033】
・Pigment Blue:(C.I.)1,1:2,1:x,9:x,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,22,24,24:x,56,60,61,62,80
・Pigment Violet:(C.I.)1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50
・Pigment Green:(C.I.)1,1:x,2,2:x,4,7,10,36,37
・Pigment Orange:(C.I.)2,5,13,16,17:1,31
,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73
・Pigment Red:(C.I.)1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3,81:x,83,88,90,97,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,180,184,185,187,188,190,192,200,202,206,207,208,209,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,272,279
・Pigment Yellow:(C.I.)1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,114,146,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214
また、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度等を確保するために、無機顔料を組み合わせて用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を添加することもできる。
【0034】
本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液の組成を表1に示す。また、表2には、表1に示す組成における、修正液に対する固形分などの配合割合を示す。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

尚、本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液は、UV硬化型の修正液であるので、画素欠陥の修正に用いる修正装置においては、修正を施すカラーフィルタを照明する透過照明及び反射照明へのUVカットフィルタの装着、また、修正を行う作業場の照明にはUVカットをした安全光の採用などの配慮が必要である。また、修正液を調製する作業場の照明、及び運搬、保管用の容器についても同様な配慮が必要である。
【0037】
図2(a)〜(c)は、本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液を用い、黒欠陥を修正する方法の一例の説明図である。この修正方法は、マイクロディスペンサを用いて修正口に修正液を付与し、黒欠陥を修正する修正方法である。図2に示す黒欠陥(D2)は、1色目の着色画素(42−1)と隣接する2色目の着色画素(42−2)にまたがる位置に、大きさ(h)70μm程度の黒欠陥が発生した例である。従って、修正する部分は、ブラックマトリックス(41)、1色目の着色画素(42−1)、及び2色目の着色画素(42−2)となり、修正作業は3ステップとなる。
【0038】
図2は、ブラックマトリックスを修正する第1ステップの説明図である。図2(a)は、ガラス基板(40)上にブラックマトリックス(41)、着色画素(42−1、2)が
順次に形成された段階で、1色目の着色画素(42−1)と隣接する2色目の着色画素(42−2)にまたがって黒欠陥(D2)が発生した状態を表したものである。着色画素(42−1、2)の大きさ(a×b)は、300μm×100μm程度であり、膜厚は1.0μm程度である。黒欠陥(D2)の大きさ(h)は、図中Y方向70μm程度のものである。
【0039】
図2(b)は、ブラックマトリックス(41)の黒欠陥(D2)の部分に修正口(S2)が形成された段階を表したものである。
1色目の着色画素(42−1)と2色目の着色画素(42−2)は、ブラックマトリックス(41)の幅方向の両端上に、着色画素の周縁部が重なるように形成されており、ブラックマトリックス(41)の幅は、図2(b)に点線で示すように、符号(i)で表わされる幅である。
【0040】
ブラックマトリックス(41)を修正する際には、ブラックマトリックスを修正する修正口(S2)として、図2(b)中のY方向の符号(i)で示すブラックマトリックス(41)の幅に等しい幅(i)の矩形状の修正口(S2)を設ける。この修正口(S2)の形成では、当該領域にある黒欠陥(D2)の部分、1色目の着色画素(42−1)の部分、2色目の着色画素(42−2)の部分、及びブラックマトリックス(41)の部分が除去されることになる。
【0041】
図2(c)は、修正口(S2)に対して修正が施され、ブラックマトリックスの修正膜(45−2)が形成された段階を表したものである。修正口(S2)に対しては、本発明による黒色の修正液を用い、マイクロディスペンサの先端の吐出口から黒色の修正液を修正口(S2)、すなわち、修正口(S2)から露出しているガラス基板表面に修正液を被着させる。
ガラス基板表面の修正液の被膜には、UV照射による硬化に続き加熱処理による定着を行い、修正膜(45−2)となし、ブラックマトリックス(41)に対する修正、すなわち、第1ステップの修正を完了する。
【0042】
このような、マイクロディスペンサを用いたブラックマトリックスの修正方法では、マイクロディスペンサの吐出量の調節が精密に行われるのために、修正を施した修正口(S2)の周囲、すなわち、修正を施す必要のない着色画素(42−1、2)上には修正液が被着されず、修正口(S2)の周囲には修正液による突起(44)が形成されることはない。また、形成された修正膜(45−2)が体積収縮を起こすことはない。
【0043】
図3は、次に行われる、1色目の着色画素(42−1)の修正である第2ステップの説明図である。図3(a)は、1色目の着色画素(42−1)上の黒欠陥(D2)及びその周囲の部分に修正口(S3)が形成された段階を表したものである。黒欠陥(D2)の平面形状は不定型であるので、修正を容易にするために単純な形状である矩形状に黒欠陥(D2)及びその周囲の着色画素を除去したものである。この着色画素の除去には、例えば、レーザーを用い当該部分を揮散させる。
【0044】
図3(b)は、1色目の着色画素(42−1)内の修正口(S3)に対して修正が施され、修正膜(45−3)が形成された段階を表したものである。また、修正口(S3)に対しては、本発明による1色目の修正液を用い、マイクロディスペンサの先端の吐出口から修正液を修正口(S3)、すなわち、修正口(S3)から露出しているガラス基板表面に修正液を被着させる。
ガラス基板表面の修正液の被膜には、黒色の修正液の場合と同様に、UV照射による硬化に続き加熱処理による定着を行い、修正膜(45−3)となし、1色目の着色画素(42−1)に対する修正、すなわち、第2ステップの修正を完了する。
【0045】
このような、マイクロディスペンサを用いた黒欠陥の修正方法では、マイクロディスペンサの吐出量の調節が精密に行われるのために、修正を施した修正口(S3)の周囲、すなわち、修正を施す必要のない着色画素(42−1)上には修正液が被着されず、修正口(S3)の周囲には修正液による突起が形成されることはない。また、形成された修正膜(45−3)が体積収縮を起こすことはない。
【0046】
図4は、次に行われる、2色目の着色画素(42−2)の修正である第3ステップの説明図である。1色目の着色画素(42−1)の修正と同様な修正が施される。修正を施した修正口(S4)の周囲、すなわち、修正を施す必要のない着色画素(42−2)上には修正液が被着されず、修正口(S4)の周囲には修正液による突起が形成されることはない。また、形成された修正膜(45−4)が体積収縮を起こすことはない。
【0047】
上記のように、本発明においては、修正液の吐出量を精密に調節できるマイクロディスペンサを用いることによって、修正を施す必要のない正常な着色画素上にも修正液が被着されてしまい、色ムラが観視されてしまうといった問題点、及び修正口の周囲には修正液による突起が形成され液晶の配向に支障をきたすといった問題点は解消され、さらに、マイクロディスペンサ用として好適な本発明による修正液を用いるので、被膜(修正膜)が体積収縮を起さずに正確な修正が、吐出口に目詰まりを起こさずに効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】

【図1】(a)〜(d)は、白欠陥(ピンホール)を修正する方法の一例の説明図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明によるカラーフィルタ欠陥修正用の修正液を用い、黒欠陥を修正する方法の一例の説明図である。
【図3】1色目の着色画素の修正である第2ステップの説明図である。
【図4】2色目の着色画素の修正である第3ステップの説明図である。
【図5】液晶表示装置に用いるカラーフィルタの一例を模式的に示した平面図である。
【図6】図5に示すカラーフィルタのX−X’線における断面図である。
【符号の説明】
【0049】
40・・・ガラス基板
41・・・ブラックマトリックス
42・・・着色画素
42−1・・・1色目の着色画素
42−2・・・2色目の着色画素
43・・・透明導電膜
44・・・突起
45、45−2、45−3、45−4・・・修正膜
D1・・・白欠陥
D2・・・黒欠陥
S1、S2、S3、S4・・・修正口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロディスペンサを用いたカラーフィルタ欠陥修正用の修正液であって、アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマー及び着色剤を主成分とし、硬化、定着した被膜において蒸発せずに残存する固形分が90重量%以上、残部溶剤であることを特徴とするカラーフィルタ欠陥修正用の修正液。
【請求項2】
前記アクリレート系単官能モニマーとアクリレート系多官能モニマーの重量配分比が、〔1:2〕〜〔5:1〕の範囲であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ欠陥修正用の修正液。
【請求項3】
前記着色剤の含有量が、修正液100重量%に対して15〜35重量%の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ欠陥修正用の修正液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−264186(P2007−264186A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87455(P2006−87455)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】