説明

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

【課題】高明度かつ耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れたカラーフィルタ用着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタの提供。
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、酸性染料と塩基性染料との造塩化合物を少なくとも2種含む色素、もしくは酸性染料と塩基性染料との造塩化合物および顔料を含む色素を含むカラーフィルタ用着色組成物、および基板上に、前記着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、およびこれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタには、分光透過率、色調など色表示に関する性能、 耐光性、平滑性などパネル構成に要する特性、そして耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などパネル組立の上で必要とされる特性など、多岐にわたる特性が要求される。これに対し、 染料、顔料などの色素、金属薄膜、及びカラーフィルタ製造法(染色法、顔料分散法、電着法、印刷法、蒸着法など) に関する開発研究が進められてきている。
顔料分散法は、顔料を均一に感光性樹脂組成物に分散させた着色感光性組成物を用いてフォトリソグラフィー法によってカラーフィルタを製造する方法である。顔料分散法は、着色に用いられる色素として顔料を用いるため耐薬品性および耐熱性に優れ、カラーフィルタの製造に広く一般に使用される製造法である反面、顔料を樹脂の中へ均一に分散させることが困難であり、通常、分散のための分散剤を添加しなければならない。
【0003】
その点、染料は、樹脂組成物を溶解させる溶剤に溶解するために、容易に均一な色を得ることができ、その結果として透明性に優れた、高明度のカラーフィルタの製造が可能になると期待されている。この理由から、塩基性染料(特許文献1、特許文献2)や酸性染料(特許文献3)を用いたものが報告されている。しかし、染料は本質的に溶剤に対して溶出しやすく、また、その溶出は樹脂に対する染料の含有率が大きいほど顕著になるために、明度の低下や分光特性そのものが変化するという問題を抱えていた。
上記問題を改善するため、例えばハイドロサルト類の層間に染料をインターカレーションして染料を顔料化する方法(特許文献4)や、染料の溶剤への溶出を回避するために染料の染着点となる単量体を有する共重合体を使用する方法(特許文献5)の提案がなされている。しかし、前者の方法では製造工程が複雑になるという問題があり、また後者の方法では染料濃度に対する単量体の組成比に制限がかかるため、明度および分光特性と、現像性との両立が困難であるといった問題を抱えていた。
【0004】
また、酸性染料の溶解性改良、すなわち有機溶剤への溶解性付与や、耐熱性及び耐光性の改良を行うために、酸性染料と含窒素化合物との塩を形成する方法(特許文献6)が提案されている。しかしながら、染料として極性を有したままの化合物を用いた場合、アルカリ現像の際に過現像が生じるだけでなく、カラーレジストの製造において原料物質が混在する溶液中に内在するカウンターカチオン成分と新たな塩を形成し、これが不純物となってレジスト膜の光透過時の散乱による明度の低下を引き起こす可能性がある。
一方、この問題の発生の可能性を回避する手段の一つとして、酸性染料と含窒素化合物との塩形成後に塩の置換基を非極性化する方法が特許文献6にて開示されているが、この手法によってカラーフィルタを製造した場合、酸性染料本来の分光特性および色純度に由来する明度と分光特性が発現するものに留まるものに他ならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2895291号公報
【特許文献2】特開2001−305521号公報
【特許文献3】特開2000−235598号公報
【特許文献4】特許第3904096号公報
【特許文献5】特開2000−352819号公報
【特許文献6】特開2008−058643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高明度かつ耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れたカラーフィルタ用着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、酸性染料と塩基性染料との造塩化合物を少なくとも2種含む色素、もしくは酸性染料と塩基性染料との造塩化合物および顔料を含む色素を含むことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物において、酸性染料はフタロシアニン系染料であり、塩基性染料がトリアリールメタン系染料であることが好ましい。また、フタロシアニン系染料は、C.I.ダイレクトブルー86、87、C.I.アシッドブルー249からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、トリアリールメタン系染料がC.I.ベーシックブルー1、5、7、8、11、15、18、21、24、C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、4、13、14、23、C.I.ベーシックグリーン1、4からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸性染料と塩基性染料の造塩化合物からなる色素を用いているため、高明度かつ耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れ、それを用いたカラーフィルタは高明度と薄膜化の両立を図れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、酸性染料と塩基性染料との造塩化合物からなる色素を含むことを特徴とする。
<酸性染料と塩基性染料との造塩化合物からなる色素>
酸性染料と塩基性染料との造塩化合物とは、酸性染料と塩基性染料とを溶媒中で反応させて析出した物質であり、アニオンとしての酸性染料の化学構造と、カチオンとしての塩基性染料の化学構造とを具備する造塩化合物のことである。造塩化合物は、カラーフィルタ用着色組成物の製造時の安定性および分光特性を考慮した場合、電気的に中性であることが好ましい。
【0010】
酸性染料と塩基性染料との造塩化合物は、酸性染料と塩基性染料を反応させて得られる化合物であり、原料物質である酸性染料および塩基性染料の双方が優れた分光特性と色純度を有するために、高い透明性を有している。また、造塩化合物としての分光調整を、酸性染料と塩基性染料の組み合わせによって行うことができるという長所を有する。
さらに、酸性染料と塩基性染料との造塩化合物は、酸性染料の誘導体であるスルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等のアミド化合物とは異なり、染料イオンがアニオン性である酸性染料と、染料イオンがカチオン性である塩基性染料との化学(造塩)反応により得られる化合物であるため、極めて剛直な構造を取り、化学的に安定性である。
【0011】
そのため、酸性染料と塩基性染料との造塩化合物からなる色素をカラーフィルタ用着色組成物に用いた場合、染料同士の混合物を用いる場合とは異なり、化学的に安定な化合物として機能するため、酸性染料と塩基性染料の各々が持つ優れた分光特性と色純度が損なわれる事がなく、高い明度が得られる。また、構造的に安定であるために耐熱性・耐光性に優れた分光特性を示す。加えて、造塩反応の出発物質である酸性染料と塩基性染料が、それぞれ優れた分光特性と色純度を有するため、造塩反応の出発物質の組み合わせを変える事で任意の分光調整が可能である。さらに、造塩化合物となることによって耐水性と油溶性が付与されるため、溶剤中への分散性に優れたものになる。さらには、樹脂、顔料との相溶性にも優れるものである。
【0012】
造塩化合物を構成する酸性染料および塩基性染料は、後述の有機溶剤や現像処理に用いる現像液に対する溶解性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とする性能の全てを考慮して選択される。
酸性染料とは、色素の分子中にスルホン酸基・カルボキシル基などの酸性の基、あるいはその塩の構造を有する水溶性染料であり、羊毛・絹・ナイロンなどのたんぱく質系の繊維や皮革・紙・インク・食用色素として広く使用されるものである。
酸性染料の中には直接染料と分類されるものがあり、直接染料は、特にセルロース系繊維の染色性において優れたものの総称であるが、酸性染料の中でも分子量が大きく平面構造を有し、直接染料と塩基性染料との造塩化合物は特に耐熱性が優れたものであるため、本発明の着色組成物において好ましく使用できる。
【0013】
直接染料としては、アゾ系染料、チアゾール系染料、アントラキノン系染料、オキサジン系染料、フタロシアニン系染料等を用いることができる。以下に、使用可能な染料をカラーインデックス(C.I.)番号で例示する。
アゾ系染料としては、例えば、C.I. ダイレクトイエロー2,33,34,35,39,50,69,70,71,86,93,94,95,98,102,109,129,136,141;
C.I. ダイレクトオレンジ41,46,56,61,64,70,96,97,106,107;
C.I. ダイレクトレッド79,82,83,84,97,98,99,106,107,172,173,176,177,179,181,182,204,207,211,213,218,221,222,232,233,243,246,250;
C.I. ダイレクトバイオレット47,52,54,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
C.I. ダイレクトブルー51,57,71,81,84,85,90,93,94,95,98,100,101,113,149,150,153,160,162,163,164,166,167,170,172,188,192,193,194,196,198,200,207,209,210,212,213,214,222,228,229,237,238,242,243,244,245,247,248,250,251,252,256,257,259,260,268,274,275;
C.I. ダイレクトグリーン27,34,37,65,67,68,69,72,77,79,82などが挙げられる。チアゾール系染料としては、C.I. ダイレクトイエロー54が挙げられる。
【0014】
オキサジン系染料としては、C.I. ダイレクトブルー97,99,106,107,108,109,190,293などが挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. ダイレクトブルー77が挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、C.I. ダイレクトブルー86,87, 189,199などが挙げられる。
その他の直接染料としては、C.I. ダイレクトイエロー38,43,47,58,68,108,138;C.I. ダイレクトオレンジ34,39,50,52,57,65,68;C.I. ダイレクトレッド91,92,96,105,184,220,234,241;C.I. ダイレクトバイオレット59;C.I. ダイレクトブルー80,114,115,117,119,137,155,156,158,159,161,171,173;C.I. ダイレクトグリーン25,31,32,63,66などが挙げられる。
【0015】
直接染料以外の酸性染料としては、アゾ系染料、キサンテン系染料、フタロシアニン系染料、アントラアキノン系染料、キノリン系染料、アジン系染料、インジゴイド系染料等を用いることができる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
【0016】
キサンテン系染料としては、C.I. アシッドレッド50、51、52、87などが挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、C.I. アシッドブルー249が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. アシッドレッド82、92;C.I. アシッドバイオレット41、42、43;C.I. アシッドブルー14、22、25、40、45、78、80、127:1、129、145、167、230;C.I. アシッドグリーン25、27等が挙げられる。
キノリン系染料としては、C.I. アシッドイエロー3が挙げられる。
アジン系染料としては、C.I. アシッドブルー59,102などが挙げられる。
インジゴイド系染料としては、C.I. アシッドブルー74が挙げられる。
【0017】
その他の染料としては、C.I. アシッドバイオレット49;C.I. アシッドブラウン 19;C.I. アシッドブルー7、9、74、112、126、167;C.I. アシッドグリーン9;C.I.フードグリーン3等が挙げられる。
酸性染料の中で特に好ましいものはフタロシアニン系染料であり、この染料は共役系が広い平面構造を有し、また分子構造が剛直であるため、塩基性染料との造塩化合物を形成した場合の耐熱性、耐光性、耐溶剤性が特に優れたものである。
フタロシアニン系染料としては、特に、C.I. ダイレクトブルー86、87、C.I. アシッドブルー249からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
また、塩基性染料とは、分子中にアミノ基やイミノ基などのなどの塩基性の基、あるいはその塩の構造を有し、水溶液中でカチオンとなる染料であり、絹・毛などの動物性繊維には直接染着し、木綿などには媒染するという特徴をもつ。
【0018】
塩基性染料としては、アゾ系染料、キサンテン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、メチン系染料、チアゾール系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、アントラキノン系染料、ローダミン系染料、トリアリールメタン系染料等を用いることができる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.ベーシックレッド17、22、23、25、29、30、38、39、46、46:1、82;C.I. ベーシックオレンジ2、24、25;C.I. ベーシックバイオレット18;C.I. ベーシックイエロー15、24、25、32、36、41、73、80;C.I. ベーシックブラウン1;C.I. ベーシックブルー41、54、64、66、67、129などが挙げられる。
【0019】
キサンテン系染料としては、C.I. ベーシックレッド1、2;C.I. ベーシックバイオレット10、11などが挙げられる。
アジン系染料としては、C.I. ベーシックレッド12、27などが挙げられる。
アクリジン系染料としては、C.I. ベーシックオレンジ14などが挙げられる。
メチン系染料としては、C.I. ベーシックレッド13、14;C.I. ベーシックオレンジ21;C.I. ベーシックバイオレット16、39;C.I. ベーシックイエロー11,13, 21, 23,28などが挙げられる。
チアゾール系染料としては、C.I. ベーシックイエロー1が挙げられる。
チアジン系染料としては、C.I. ベーシックブルー9が挙げられる。
【0020】
オキサジン系染料としては、C.I. ベーシックブルー3が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、C.I. ベーシックブルー22, 35, 45, 47などが挙げられる。
ローダミン系染料としては、C.I. ベーシックバイオレット10が挙げられる。
トリアリールメタン系染料としては、C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、4、13、14、23;C.I. ベーシックブルー1、5、7、8、11、15、18、21、24、26;C.I. ベーシックグリーン1、4;などが挙げられる。
その他の染料としては、C.I. ベーシックイエロー2;C.I. ベーシックブルー1, 67等が挙げられる。
【0021】
塩基性染料の中で好ましいものは、酸性染料との反応安定性を考慮すると、ローダミン系染料、トリアリールメタン系染料であり、トリアリールメタン系染料が特に好ましい。トリアリールメタン系染料は、共役系が広くカチオン電荷の非局在化する構造を有するため、造塩化合物の生成反応において立体障害等の反応阻害を受けにくく、反応性が特に優れている。トリアリールメタン系染料としては、C.I.ベーシックブルー1、5、7、8、11、15、18、21、24、C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、4、13、14、23、C.I.ベーシックグリーン1、4からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0022】
中でも、フタロシアニン系染料とトリアリールメタン系染料との造塩化合物からなる色素、特にC.I.ダイレクトブルー86とC.I.ベーシックブルー7との造塩化合物からなる色素は、青色またはシアン色のフィルタセグメントの色素として好ましい。
C.I.ダイレクトブルー86とC.I.ベーシックブルー7との造塩化合物は、以下の様な電気的に中性の構造となっている。
【0023】
【化1】

【0024】
造塩化合物の製造方法としては、例えば特開平8−333517号公報に記載された周知の方法を適用することが可能である。
造塩化合物は、例えば、下記の方法によって合成されるが、下記の製法に限定されるものではない。
(酸性染料溶液の調製)
酸性染料を水温40〜80℃の温水に溶解して1〜20重量%の液を得、これをpH7程度に調製しろ過を行なう。
(塩基性染料溶液の調製)
塩基性染料溶液をアルコールに溶解させ、次に水温40〜80℃の温水を加え、溶解液を作製する。
(造塩反応)
塩基性染料溶液を撹拌しながら酸性染料溶液を滴下ロート等によりゆっくりと時間を掛けながら滴下した後、析出物の濾過回収を行ない、60〜70℃で乾燥し、結晶形状の造塩化合物を得る。
【0025】
直接染料と塩基性染料との造塩化合物からなる色素は、単独でも使用可能であるが、特定の分光特性を発現させるために、2種類以上の造塩化合物からなる色素を組合せて使用しても構わない。また、直接染料と塩基性染料との造塩化合物からなる色素と有機または無機の顔料を組み合わせて使用しても構わない。
<顔料>
造塩化合物からなる色素と併用可能な顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
【0026】
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料等の青色顔料、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等を用いることができる。また、キサンテン系顔料、アントラキノン系顔料、トリアリールメタン系顔料、アゾ系顔料、オキサジン系顔料、キナクリドン系顔料等の紫色顔料を用いることができる。紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
【0027】
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、アゾ系顔料、キサンテン系顔料、インドリン系顔料、インジゴイド系顔料、イドインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料等の赤色顔料を用いることできる。赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272等が挙げられる。また、補色として、黄色顔料やオレンジ色顔料を用いることができる。オレンジ色顔料としては、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、メチン系顔料、アミノケトン系顔料、具体的にはC.I.ピグメントオレンジ36、38、43、51、55、59、61、71等が挙げられる。
【0028】
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の緑色顔料を用いることができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等が挙げられる。また、補色として、黄色顔料を用いることができる。
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物には、黄色顔料を用いることができる。
【0029】
赤色、緑色、イエロー色の着色組成物に用いることができる黄色顔料としては、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、チアゾール系顔料、メチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キノリン系顔料、イソインドリン系顔料、アジン系顔料、ベンズイミダゾール系顔料、フェナジン系顔料等が挙げられる。具体的には、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等が挙げられる。
【0030】
オレンジ色フィルタセグメントを形成するためのオレンジ色着色組成物には、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、メチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等のオレンジ色顔料を用いることができる。オレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71等が挙げられる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、フタロシアニン系顔料、コバルト系顔料等の青色顔料を用いることができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等が挙げられる。
【0031】
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、キサンテン系顔料、インジゴイド系顔料等の紫色顔料、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、19を用いることができる。また、アゾ系顔料、キサンテン系顔料、アントラキノン系顔料等の赤色顔料、例えばC.I.ピグメントレッド144、146、177、169、81等を用いることができる。また、黄色顔料としてイエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物と同様の黄色顔料を用いることができる。
本発明で用いる造塩化合物からなる色素がフタロシアニン系の酸性染料とトリアリールメタン系の塩基性染料との造塩化合物からなる色素である場合は、青色顔料または紫色顔料と併用することが好ましい。この場合、造塩化合物からなる色素100重量部に対し、顔料を10〜500重量部の範囲で用いることが好ましい。
さらに好ましい形態は、フタロシアニン系顔料と併用することであり、特に、フタロシアニン系の構造を有する造塩化合物からなる色素と、フタロシアニン系顔料との併用は、着色組成物製造時の相溶性が高いため、極めて高明度な分光特性が得られる。
【0032】
顔料は、ソルトミリング処理を行い、微細化して使用することが好ましい。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料の一次粒子径が異なる。
【0033】
加熱により結晶成長を促進するには、加熱温度が40〜150℃であることが好ましい。加熱温度が40℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料粒子の形状が無定形に近くなるため好ましくない。一方、加熱温度が150℃を越える場合は、結晶成長が進みすぎ、顔料の一次粒子径が大きくなるため、カラーフィルタ用着色組成物の着色料としては好ましくない。また、ソルトミリング処理の混練時間は、ソルトミリング処理顔料の一次粒子の粒度分布とソルトミリング処理に要する費用のバランスの点から2〜24時間であることが好ましい。
本発明の着色組成物の全不揮発成分中において、好ましい色素成分(造塩化合物からなる色素と顔料を併用する場合には、顔料を色素成分に含む。以下、同じ。)の濃度は、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%であり、より好ましくは15〜80重量%であり、最も好ましくは20〜70重量%である。色素成分の濃度が10重量%未満になると十分な色再現性を得ることができず、90重量%を超えると色素担体の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪くなる。
【0034】
<顔料分散剤>
造塩化合物からなる色素と併用する顔料を分散する際には、適宜、顔料誘導体や、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の顔料分散剤を用いることができる。顔料分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。顔料分散剤は、顔料100重量部に対して、0.1〜30重量部の量で用いることができる。
顔料分散剤として使用する顔料誘導体は、下記一般式(ア)で示される化合物であり、塩基性置換基を有するものと酸性置換基を有するものとがある。
【0035】
X−Y 式(ア)
X:有機顔料残基
Y:塩基性置換基または酸性置換基
顔料誘導体としては、例えば特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。顔料誘導体の配合量は、最も好ましくは、顔料100重量部に対して0.5〜25重量部である。顔料全量に対し色素性誘導体の配合量が、0.1重量部未満であると分散性が悪くなる場合があり、30重量部を超えると耐熱性、耐光性が悪くなる場合がある。
【0036】
式(ア)中、Xの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
【0037】
顔料分散剤として使用する樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
顔料分散剤として使用する界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸モノエタノールアミン、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
<色素担体>
本発明の着色組成物に含まれる顔料を分散させる色素担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ「アクリロイル又はメタクリロイル」、「アクリル又はメタクリル」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリレート又はメタクリレート」を表す。
【0040】
本発明の着色組成物に用いる色素担体は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光重合性樹脂が含まれ、その前駆体には、光照射により硬化して透明樹脂を生成する光重合性モノマー若しくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。色素担体は、色素成分の全重量を基準(100重量%)として、30〜500重量%の量で用いることができる。30重量%未満では、成膜性及び諸耐性が不十分となり、500重量%より多いと色素濃度が低く、色特性の発現が困難となる。
【0041】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物を後述するアルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合は、(メタ)アクリル酸共重合体樹脂(アルカリ可溶性アクリル樹脂)等の酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂を使用する。
【0042】
光重合性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、又はエポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、又はスチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0043】
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0044】
<有機溶剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、色素を充分に色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
【0045】
<光重合開始剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射等により硬化したり、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤を使用する際の配合量は、色素の全量を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
【0046】
光重合開始剤としては、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤;
ボレート系光重合開始剤;カルバゾール系光重合開始剤;イミダゾール系光重合開始剤;オキシムエステル系光重合開始剤等が用いられる。
【0047】
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤を基準(100重量%)として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
【0048】
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として0.003〜0.5重量%である。
レベリング剤には、顔料分散剤として例示したものと同様のアニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。
【0049】
<その他の成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の色素の全量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
【0050】
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の色素の全量を基準(100重量%)として、10.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の量で用いることができる。
【0051】
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、色素、透明樹脂、溶剤、および必要に応じて顔料、顔料分散剤を混合したものを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて分散し、光重合性モノマー、光重合開始剤等を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含むカラーフィルタ用着色組成物は、各色素を別々に、透明樹脂および溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0052】
<カラーフィルタ>
つぎに、本発明カラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備するものであり、例えば、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントまたはイエロー色、マゼンタ色、シアン色のフィルタセグメントを備えることができる。前記フィルタセグメントは、スピンコート方式あるいはダイコート方式によって本発明の着色組成物を塗布することにより、基板上に形成される。
カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
【0053】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、着色組成物を基板上に塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0054】
基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
【0055】
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
【実施例】
【0056】
以下に,実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」とは「重量部」、「%」とは、「重量%」を表す。
[造塩化合物1の製造例]
下記の(1)〜(3)の手順にて造塩化合物1を合成した。
(1)酸性染料溶液(A)の調製
C.I.ダイレクトブルー86:73.4g(0.1mol)を水温60℃の水に溶解し、3%の溶液を得た。これをpH7に調製しろ過した。
(2)塩基性染料溶液(B)の調整
C.I.ベーシックブルー7:128.6g(0.25mol)をメタノール600gに溶解させ、次に70℃の湯1200gを加え、溶解液を作製した。
(3)造塩化合物の合成
C.I.ベーシックブルー7の溶解液(B)を撹拌しながらC.I.ダイレクトブルー86の溶解液(A)を滴下ロート により60分間で滴下した後、析出物の濾過回収を行い、60〜70℃で乾燥し、C.I.ダイレクトブルー86とC.I.ベーシックブルー7とからなる造塩化合物1の結晶127.0gを得た。
【0057】
[造塩化合物2〜造塩化合物10の製造例]
表1に示す種類および量の酸性染料、塩基性染料を用い、上記(1)〜(3)と同様の手順によって、造塩化合物2〜10の結晶を得た。
【0058】
表1.造塩化合物の処方
【表1】

【0059】
[アクリル樹脂溶液の製造]
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、スチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部およびアゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40,000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2重量部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、測定結果に基づき、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
(分散剤溶液の調製)
市販の分散剤BYK−2025(BYK Chemie(株)製)に、不揮発分が50%になるようにシクロヘキサノンを添加して分散剤溶液を調製した。
【0060】
[参考例1]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で2時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色色素分散体を作製した。
造塩化合物1 10.0部
アクリル樹脂溶液 30.0部
シクロヘキサノン 60.0部
ついで、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色カラーフィルタ用着色組成物を得た。
青色色素分散体 42.0部
アクリル樹脂溶液 10.0部
光重合性モノマー(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)5.6部
(トリメチロールプロパントリアクリレート)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
(4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)
シクロヘキサノン 40.2部
【0061】
[実施例1〜6、比較例1〜7]
色素、誘導体、分散剤、アクリル樹脂溶液、および溶剤を表2に示す割合(重量比)で配合して青色顔料分散体を作製し、参考例1と同様にして青色カラーフィルタ用着色組成物を得た。
【0062】
表2.青色色素分散体の処方
【表2】

【0063】
表2に記載した溶剤の種類を以下に示す。
溶剤1: プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤2: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤3:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(塗膜の作製)
得られた青色カラーフィルタ着色組成物を100mm×100mm、1.3mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、実施例1および比較例1、2については色度座標x=0.141、y=0.153近傍、上記以外の実施例と比較例についてはx=0.161、y=0.153近傍になるような膜厚に塗布した。次に、塗布膜を70℃で20分間乾燥した。この塗膜にテストマスクを通して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJの紫外線露光を行い、次いで0.2%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液を用いたスプレー現像により未露光部分を除去後、イオン交換水で洗浄した。更にこの基板を加熱オーブンにて230℃で1時間加熱して放冷後、顕微分光光度計(オリンパス光学株式会社製「OSP−SP100」)を用いて、得られた塗膜のC光源での明度(Y)を求めた。明度の良否判定は以下の5段階で実施した(表3)。評価結果を表7に示す。
【0064】
表3 塗膜の明度の判定基準
【表3】

【0065】
(耐熱性試験)
前記塗膜基板を加熱オーブンで250℃の環境下に1時間放置し、その前後での塗膜の明度(L*)、色度座標(a*,b*)を顕微分光光度計(オリンパス光学株式会社製「OSP−SP100」)を用いて測定し、色差(ΔEab*)を算出した。色差は数値が小さいもの程良好であり、良好なものから順に◎、○、△、×、××の5段階で評価した(表4)。評価結果を表7に示す。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
ここで、
(L*(1),a*(1),b*(1)):加熱前の分光特性。
(L*(2),a*(2),b*(2)):加熱後の分光特性
【0066】
表4.耐熱性試験の判定基準
【表4】

【0067】
(耐光性試験)
前記硬化塗膜基板を卓上型キセノン促進暴露装置(ATLAS社製「サンテクストCPS+」)にて放射強度470(W/cm2)で100時間照射を行い、その前後での塗膜の明度(L*)、色度座標(a*,b*)を顕微分光光度計(オリンパス光学株式会社製「OSP−SP100」)を用いて測定し、色差(ΔEab*)を算出した。色差は数値が小さいもの程良好であり、前記耐熱性試験と同様に、良好なものから順に◎、○、△、×、××の5段階で評価を行なった(表5)。評価結果を表7に示す。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
ここで、
(L*(1),a*(1),b*(1)):暴露前の分光特性。
(L*(2),a*(2),b*(2)):暴露後の分光特性。
【0068】
表5.耐光性試験の判定基準
【表5】

【0069】
(耐溶剤試験)
前記硬化塗膜基板を10mm×20mmのサイズに切断し、20ccのNMP溶液に0.5時間浸漬を行い、純水でリンス後乾燥させた。この試験前後での塗膜の明度(L*)、色度座標(a*,b*)を顕微分光光度計(オリンパス光学株式会社製「OSP−SP100」)を用いて測定し、色差(ΔEab*)を算出した。色差は数値が小さいもの程良好であり、前記耐熱性試験と同様に、良好なものから順に◎、○、△、×、××の5段階で評価を行った(表6)。評価結果を表7に示す。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
ここで、
(L*(1),a*(1),b*(1)):暴露前の分光特性。
(L*(2),a*(2),b*(2)):暴露後の分光特性
【0070】
表6.耐溶剤試験の判定基準
【表6】

【0071】
表7.評価結果
【表7】

【0072】
表7に示すように、実施例1〜6の着色組成物を用いて形成された塗膜は、酸性染料と塩基性染料とからなる造塩化合物が含まれているため、比較例1〜7の着色組成物を用いて形成された塗膜と比較すると、特に本発明において重要な評価項目である明度が良好で、さらに耐熱性、耐光性、耐溶剤性においても実用レベルに達していた。
また、実施例4の着色組成物を用いて形成された塗膜は、C.I.ダイレクトブルー86とC.I.ベーシックブルー7との造塩化合物からなる色素および紫色顔料が含まれているため、明度の評価結果が◎で、さらに他の評価項目も全て◎でありもっとも良好な結果であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、
酸性染料と塩基性染料との造塩化合物を少なくとも2種含む色素、もしくは
酸性染料と塩基性染料との造塩化合物および顔料を含む色素
を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項2】
塩基性染料が、アゾ系染料、キサンテン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、メチン系染料、チアゾール系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、アントラキノン系染料、ローダミン系染料、またはトリアリールメタン系染料であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項3】
基板上に、請求項1または2に記載の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。

【公開番号】特開2013−80232(P2013−80232A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253010(P2012−253010)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2009−37940(P2009−37940)の分割
【原出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】