説明

カラーホログラフィ表示装置

【課題】装置の規模が大きくならず、また、水平方向の視域を広く確保でき動画を表示することができるカラーホログラフィ表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】カラーホログラフィ表示装置1は、制御手段10の制御により空間光変調器4に表示される画像のホログラムに、読み出し光を照射して再生像を三次元像として表示するカラーホログラフィ表示装置において、前記ホログラムを表示する空間光変調器の画素ピッチに沿って対面して配置されるRGBの三原色を有する色フィルタ5を備え、前記色フィルタは、水平方向の画素に対応する色が、RGBの三原色のいずれか一色であり、かつ、水平方向の画素で示す色が、RGBの各色に対して垂直方向に同一周期で配置される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の三次元光学像をカラーのホログラフィ像により表示するカラーホログラフィ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カラーホログラフィ像を動画にて実現するため、空間光変調器を用いた従来技術は三つの空間光変調器を使用して再生像を形成する構成と、空間光変調器の同一表示面上の三原色を使用して再生像を形成する構成の2つに大別される。
【0003】
従来の装置の構成を図6ないし図9を参照して説明する。図6は、従来のホログラフィ表示装置を、空間光変調器を3つ用いて構成した状態を模式的に示す模式図、図7は、従来のカラーホログラフィ表示装置に使用される色フィルタの構成を模式的に示す正面図、図8は、従来のカラーホログラフィ表示装置に使用される色フィルタの他の構成を模式的に示す正面図、図9は、画素構造を持つ素子でホログラムを構成する場合の再生時の水平視域または垂直視域の状態を模式的に示す平面図である。
【0004】
図6に示すように、第1の構成の装置として、ホログラフィ表示装置100は、3原色のホログラムを異なる空間光変調器101,102,103で表示し、各空間光変調器101,102,103による被変調光を光学的に合成する手法を用いる装置である。
【0005】
すなわち、ホログラフィ表示装置100は、緑、赤、青の各色に対応する空間光変調器101,102,103と、この空間光変調器101,102,103に読み出し光を照射する照射レンズ105,106をそれぞれ備える光照射手段107A,107B,107Cと、空間光変調器102の光路および空間光変調器103の光路の交点に配置されるハーフミラー104Bと、このハーフミラー104Bの光路および空間光変調器101の光路の交点に配置されるハーフミラー104Aとを備えている。
【0006】
また、第2の構成の装置は、図7に示すように、カラーフィルタ120を空間光変調器に対面して配置し、カラー画像表示用と同様に、赤フィルタ121、緑フィルタ122および青フィルタ123のRGBを示す各色フィルタを縦ストライプ模様となるように配列して、3原色のホログラムをひとつの空間光変調器で表示し、白色光で再生する構成としている。(例えば、特許文献1、2参照)。
【0007】
さらに、図8に示すように、3原色のホログラムをひとつの空間光変調器で表示する他の構成として、カラーフィルタ130は、赤フィルタ131、緑フィルタ132、および青フィルタ133を市松模様となるように配列して、空間光変調器に対面して配置して使用している。
【特許文献1】特開平10−097174号公報
【特許文献2】特開平08−201630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のカラーホログラフィの技術では以下に示す問題点が存在した。
図6で示すホログラフィ表示装置100では、各色のホログラフィ像を独立に生成するため、装置の規模が大きくなってしまう。
また、図7および図8に示すカラーフィルタ120,130は、通常のカラー画像表示用と同様な縦ストライプ模様の配列や、あるいは、市松模様の配列であるため、同じ色が水平方向に連続しない構成である。
【0009】
そのため、図9に示すように、水平方向にサブサンプリングされる場合、特に、空間光変調器が液晶あるいはDMD等の動画に対応することができる表示手段であるとき、画素ピッチが大きくなってしまい視域が狭くなる。また、本来カラーホログラムで必要な画素ピッチより大きな状態でしか現在表示できない液晶あるいはDMD等の表示手段において、さらに画素ピッチが広がる結果になるサンプリングが行われると、再生像の再生にも悪影響を及ぼすことになってしまった。
【0010】
さらに、特許文献2に記載のカラーフィルタでは、緑色フィルタが水平向に連続するように配置された例が記載されている。しかし、赤色フィルタおよび青色フィルタが水平方向に連続する構成ではないため、緑色フィルタの視域が1である場合、赤色フィルタおよび青色フィルタの視域が1/2となり、水平方向の視域を広くとることが不可能である。
【0011】
本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、装置の規模が大きくならず、また、水平方向の視域を広く確保でき動画を表示することができるカラーホログラフィ表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るカラーホログラフィ表示装置は、前記目的を達成するため、以下に示すような構成とした。すなわち、カラーホログラフィ表示装置は、制御手段の制御により空間光変調器に表示される画像のホログラムに、読み出し光を照射して、再生像を三次元像として表示するカラーホログラフィ表示装置において、前記ホログラムを表示する空間光変調器の画素ピッチに沿って対面して配置されるRGBの三原色を有する色フィルタを備え、前記色フィルタは、水平方向の画素に対応する色が、RGBの三原色のいずれか一色であり、かつ、水平方向の画素で示す色が、RGBの各色に対して垂直方向に同一周期で配置される構成とした。
【0013】
このように構成したことにより、カラーホログラフィ表示装置は、水平方向の視域において、同じ色のフィルタである緑色フィルタ、赤色フィルタあるいは青色フィルタが配列された状態からサブサンプリングしても、水平方向に同じ色が連続していることと、垂直方向に同一周期でRGBが配置されることから、水平方向の視域を狭くすることを最小限としている。
【0014】
また、カラーホログラフィ表示装置は、制御手段の制御により空間光変調器に表示される画像のホログラムに、読み出し光を照射して、再生像を三次元像として表示するカラーホログラフィ表示装置において、前記ホログラムを表示する空間光変調器は、水平方向の画素に対応する色が、RGBの三原色のいずれか一色であり、かつ、水平方向の画素で示す色が、RGBの各色に対して垂直方向に同一周期で配置される構成とした。
【0015】
このように構成したことにより、カラーホログラフィ表示装置は、色フィルタの位置調整をする必要がなく、水平方向の視域において、同じ色の画素が配列しているとともに垂直方向においてもRGBが同一周期で配置されているため、水平方向の視域を狭くすることはない。
【0016】
また、前記カラーホログラフィ表示装置において、前記空間光変調器は、振幅変調または位相変調を行える光変調手段を有する構成とした。
このように構成したことで、カラーホログラフィ表示装置は、空間光変調器で表示する物体の干渉縞の明暗をよりはっきりさせることができる。なお、光変調手段は、画素を構成する電極にかかる電圧を調整することで実現できる。
【0017】
さらに、前記カラーホログラフィ表示装置において、前記制御手段は、その変調信号の空間周波数を垂直サブサンプリングに応じて、折り返し成分を除去する帯域制限フィルタを備える構成とした。
このように構成したことにより、カラーホログラフィ表示装置は、読み出し光により再生される再生映像をより鮮明に表示することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るカラーホログラフィ表示装置は、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
カラーホログラフィ装置は、RGB三原色のいずれかを水平方向に連続して配列しているため、装置を大きくすることなく、水平方向に広い視域を持つ立体像をカラーホログラム再生映像として動画で表示することが可能となる。
【0019】
カラーホログラフィ装置は、振幅変調または位相変調をおこなう光変調手段、あるいは、垂直方向のサブサンプリングに応じて、折り返し成分を除去する帯域制限フィルタを備えているため、より鮮明にカラーホログラム再生映像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、カラーホログラフィ表示装置の全体構成を模式的に示す斜視図、図2は、カラーホログラフィ表示装置の全体構成を模式的に示すブロック図、図3は、カラーホログラフィ装置に使用される色フィルタの構成を模式的に示す正面図である。
【0021】
図1および図2に示すように、カラーホログラフィ表示装置1は、光照射手段2と、この光照射手段2の光路中に配置されたレンズ系3と、このレンズ系3の光路中に配置された空間光変調器4および色フィルタ5と、空間光変調器4の制御手段10とを備えている。
【0022】
光照射手段2は、ホログラフィを読み出すための読み出し光(白色光)を照射するものであり、例えば、レーザー光を照射するレーザー照射装置を使用している。この光照射手段2は、白色、または、緑色、赤色、青色を混合した白色のレーザー光を照射するものである。
【0023】
レンズ系3は、光照射手段2からの読み出し光を平行光にするためのものである。ここでは、光源レンズ3aと、この光源レンズ3aからの拡散光を平行光にする照射レンズ3bとを備えている。このレンズ系3は、光照射手段2からの読み出し光を平行光にして出力できるように光源レンズ3aおよび照射レンズ3bが焦点距離、曲率等に基づいて配置されている。
【0024】
空間光変調器4は、ホログラムを干渉縞として表示すると共に、表示した干渉縞を適宜変化させることで、映像を動画で表示させるものである。この空間光変調器4は、電気駆動型液晶パネルが使用される。この電気駆動型液晶パネルは、高精細な液晶ディスプレイにより、干渉縞を表示し、光を回折させてホログラム表示を行うことができる。ここで示される空間光変調器4としての電気駆動型液晶パネルの画素ピッチは、一例として0.5〜5μmである。また、ここでは、空間光変調器4は、後記するように、振幅変調または位相変調を行うことができるように構成されている。
【0025】
色フィルタ5は、図3に示すように、空間光変調器4における水平方向の画素の一列に対応して緑色フィルタ5A、赤色フィルタ5B、および青色フィルタ5Cが順番に配列して構成されている。つまり、色フィルタ5は、緑色フィルタ5A、赤色フィルタ5B、および青色フィルタ5Cが水平のストライプになるように配列されている。この色フィルタ5は、空間光変調器4の各画素に対面する位置に緑色フィルタ部5a、赤色フィルタ部5b、青色フィルタ部5cのそれぞれが配置されるように形成されている。
【0026】
なお、色フィルタ5は、例えば、緑色フィルタ5A、赤色フィルタ5B、青色フィルタ5Cの垂直方向の間隔は、空間光変調器4の垂直方向の画素ピッチに対応するように形成されている。また、ここでは、色フィルタ5は、緑色フィルタ5A、赤色フィルタ5B、青色フィルタ5Cの三原色がその順番(同一周期)で垂直方向に連続するように配置されている。そのため、同一色の画素は、垂直方向にサブサンプリングされることで、垂直方向の視域をRGBとも同じにすることができる。
【0027】
なお、カラーホログラフィ表示装置1は、垂直方向のサブサンプリングに応じて、折返し成分を除去する帯域制限フィルタ6を備えている構成としてもよい。この帯域制限フィルタ6は、後記する計算機ホログラム作成手段12においてサブサンプリングするときに入力される信号のナイキスト周波数以上の成分を除去するようにしている。
【0028】
制御手段10は、あらかじめ作成された再生像を記憶して所定のタイミングで空間光変調器4に出力させる操作を行うものである。この制御手段10は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータの構成であり、キーボードやマウス等の入力手段10aと、この入力手段10aから入力された文字情報により映像を選択する映像選択手段10bと、この映像選択手段10bを介して選択されるホログラム(干渉縞)の映像を記憶する記憶手段10cと、この記憶手段10cに記憶されているホログラムの映像を所定タイミングで空間光変調器4に出力する出力制御手段10dとを備えている。
【0029】
なお、出力制御手段10dは、映像選択手段10bにより選択されたホログラムの映像を記憶手段10cから読み出して記憶する表示メモリ10eと、この表示メモリ10eに記憶されたホログラムの映像を、所定のタイミング(例えば、一秒間に30枚)で出力する出力手段10fとを有している。なお、ここでは、出力手段10fが、空間光変調器4の各画素の電極にかかる電圧を変化させることで、光変調手段の役割を担っている。ここでは、素子の特性により、電圧を変化させて印加することで濃淡(振幅、偏光板との組み合わせによる)を変化させる場合と、位相を変化させる場合とを行っている。
【0030】
また、位相を変化させる場合には、例えば、液晶分子を基板に平行には以降した構成のものを使用することとし、外部からの電圧が画素電極を介して液晶層に印加されることで、液晶分子を傾かせ、入力光の位相だけを2次元的に2πラジアン以上変調させることができる。
【0031】
なお、カラーホログラフィ表示装置1は、ホログラムの映像を読み込むときには、一例として、あらかじめ計算機ホログラムとして作成している。例えば、制御手段10にイメージを入力するイメージスキャナあるいはCCDカメラ等の画像入力手段11を接続すると共に、その画像入力手段11により入力された画像または物体からホログラムを作成する計算機ホログラム作成手段12を備える構成としている。
【0032】
また、計算機ホログラム作成手段12でホログラムを作成するときには、あらかじめ空間光変調器4の画素ピッチが分かっているため、ナイキスト周波数(サンプリング周波数)より高い周波数成分がある場合には、その高周波数成分による折返しひずみ(成分)を除去する帯域制限フィルタ6を介してホログラムの作成が行われるように構成されている。
【0033】
すなわち、制御手段10は、表示する物体のデータを画像入力手段11によりはじめに読み込み、あらかじめ設定された周波数を越える高周波信号が、入力されたデータから干渉縞を計算するときに算出されると、帯域制限フィルタ6により高周波数成分による折返しひずみを除去するように構成されている。
そのため、計算機ホログラム作成手段12では、計算機のメモリ内の2次元、あるいは、3次元の配列に入力した物体をあらかじめ決められた条件により数値として与え、このときに設定した周波数より高い高周波信号があるときには帯域制限フィルタ6により折返し成分を除去している。さらに、計算機ホログラム作成手段12は、物体からホログラム面に伝搬する光の場を、回折理論などを用いて計算して作製している。なお、計算されるホログラムは、動画であれば、その動画に必要な各フレーム画によって異なったものとなる。
【0034】
物体の一例として、フラッグがはためく映像のホログラムを形成する場合には、1秒間にフラッグがはためいた動画として必要なフレームの数に対応するホログラムを作成することになる。なお、計算により作成されるホログラムは、フーリエ変換型のホログラムの場合、計算時間が大幅に短縮できる高速フーリエ変換を使用してホログラム面上の光の振幅と位相を求めることができる。そして、計算によって作成したホログラムは、記憶手段に記憶されて使用される。
【0035】
つぎにカラーホログラフィ表示装置1の動作について説明する。
カラーホログラフィ表示装置1は、あらかじめ映像をホログラム(干渉縞)として記憶手段10cに記憶されている。
【0036】
そして、カラーホログラフィ表示装置1は、光照射手段2からレーザー光の白色光を読み出し光として出力して、光源レンズ3aおよび照射レンズ3bを介して平行光として色フィルタ5および空間光変調器4に照射する。このとき、空間光変調器4では、制御手段10の記憶手段10cから記憶されていた干渉縞が表示されている。
【0037】
干渉縞を表示している空間光変調器4は、色フィルタ5を介して制御手段10の出力制御手段10dの出力手段10fの制御により、例えば、一秒間に30枚の時間的に連続する干渉縞を表示できるように出力されると、読み出し光と、表示されている干渉縞により再生像がカラーホログラム再生映像hとして表示される。例えば、フラッグが風によりはためいている状態が表示される。
【0038】
また、帯域制限フィルタ6を使用していることで、変調信号の空間周波数を垂直サブサンプリングすることに応じて、折返し成分(折返しひずみ)を除去できているため、観察されるカラーホログラム再生映像hをよりはっきり再生表示することが可能となる。
【0039】
なお、空間光変調器4は、その表示面に色フィルタ5を対面して配置する構成として説明したが、空間光変調器4に色フィルタ5を一体に組み込んだ状態の構成としても構わない。空間光変調器4の他の構成を、図4を参照して説明する。図4(a)は、カラーホログラフィ表示装置における空間光変調器の他の構成を模式的に示す斜視図、(b)は空間光変調器の一部の断面図である。なお、図1および図2と同じ構成は同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
図4に示すように、空間光変調器24は、水平方向の画素が三原色の同じ一色を表示するように形成されている。この空間光変調器24は、表示側から偏向板24aを表面に設けた透光板24bと、この透光板24bの裏面側に設けた色フィルタ部24cと、この色フィルタ部24cの裏面側に設けた透明電極24dと、この透明電極の裏面側に所定間隔を空けて設けた配向膜24e,24hと、この配向膜24e,24hの間にスペーサとしてのビーズ24gを介して設けた液晶24fと、配向膜24hに色フィルタ部24cの画素ごとに対面するように設けた透明電極24jと、この透明電極24jの裏面側に設けた透光板24kと、この透光板24kの裏面側に設けた偏光板24mと、を備えている。
【0041】
そして、空間光変調器24は、色フィルタ部24cの構成として、水平方向に並列している画素列ごとに、緑色フィルタ部25a、赤色フィルタ部25b、青色フィルタ部25cとなるように構成されている。
【0042】
したがって、この空間光変調器24の後方あるいは側方からバックライトを照射して各画素により形成されるホログラムを表示し、読み出し光をその空間光変調器24の表面に照射することで、カラーホログラム再生映像hを表示することができる。もちろん、制御手段10により一秒間に所定のホログラムを表示することで、カラーホログラム再生映像hを動画として表示することもできる。
【0043】
以上説明したカラーホログラフィ表示装置1では、空間光変調器4は、電気的な駆動による構成として説明したが、さらに、振幅変調を行うディバイスとして、DMD素子を用いることもできる。DMD素子は、微小な回転ミラーのアレーで構成されており、回転ミラーを回転させることにより、光変調できるものである。
【0044】
また、カラーホログラムを図5に示す構成により作成しても構わない。図5は、カラーホログラフィ表示装置で再生するホログラムを撮影する状態を模式的に示す模式図である。図5に示すように、白色のレーザー光を照射するレーザー光照射手段16から光路にハーフミラー14を配置して、ハーフミラー14の透過光の光路に照明光用レンズ光学系13A(凸レンズ13a,13b)を配置し、ハーフミラー14の反射光の光路にミラー15を介して参照光用レンズ光学系(レンズ系と同じ構成)13B(凸レンズ13c,13d)を配置し、かつ、物体wに照射された照明光の物体光と、参照光とが照射される位置(空間光変調器4の位置)に、干渉縞を記憶するように撮像素子7を、色フィルタ5を介して配置する構成としている。
【0045】
したがって、物体Wがフラッグで風によりはためいている状態の干渉縞のパターンを、順次時間軸に沿って制御手段10の記憶手段10cに記憶することで、物体wのカラーホログラムを作成している。このように作成されたカラーホログラムは、すでに説明したようにして表示される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るカラーホログラフィ表示装置の全体構造を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係るカラーホログラフィ表示装置の全体構造を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明に係るカラーホログラフィ表示装置の色フィルタの構成を模式的に示す正面図である。
【図4】(a)は、本発明に係るカラーホログラフィ表示装置における空間光変調器の他の構成を模式的に示す斜視図、(b)は空間光変調器の一部の断面図である。
【図5】本発明に係るカラーホログラフィ表示装置で再生するホログラムを撮影する状態を模式的に示す模式図である。
【図6】従来のホログラフィ表示装置を、空間光変調器を3つ用いて構成した状態を模式的に示す模式図である。
【図7】従来のカラーホログラフィ表示装置に使用される色フィルタの構成を模式的に示す正面図である。
【図8】従来のカラーホログラフィ表示装置に使用される色フィルタの他の構成を模式的に示す正面図である。
【図9】画素構造を持つ素子でホログラムを構成する場合の再生時の水平視域または垂直視域の状態を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 カラーホログラフィ表示装置
2 光照射手段
3 レンズ系
3a 光源レンズ
3b 照射レンズ
4 空間光変調器
5 色フィルタ
5A 緑色フィルタ
5B 赤色フィルタ
5C 青色フィルタ
5a 緑色フィルタ部
5b 赤色フィルタ部
5c 青色フィルタ部
6 帯域制限フィルタ
7 撮像素子
10 制御手段
10a 入力手段
10b 映像選択手段
10c 記憶手段
10d 出力制御手段
10e 表示メモリ
10f 出力手段
11 画像入力手段
12 計算機ホログラム作成手段
24 空間光変調器
24a 偏向板
24b 透光板
24c 色フィルタ部
24d 透明電極
24e 配向膜
24f 液晶
24g ビーズ
24h 配向膜
24j 透明電極
24k 透光板
24m 偏光板
25a 緑色フィルタ部
25b 赤色フィルタ部
25c 青色フィルタ部
h カラーホログラム再生映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御手段の制御により空間光変調器に表示される画像のホログラムに、読み出し光を照射して、再生像を三次元像として表示するカラーホログラフィ表示装置において、
前記ホログラムを表示する空間光変調器の画素ピッチに沿って対面して配置されるRGBの三原色を有する色フィルタを備え、
前記色フィルタは、水平方向の画素に対応する色が、RGBの三原色のいずれか一色であり、かつ、水平方向の画素で示す色が、RGBの各色に対して垂直方向に同一周期で配置されることを特徴とするカラーホログラフィ表示装置。
【請求項2】
制御手段の制御により空間光変調器に表示される画像のホログラムに、読み出し光を照射して、再生像を三次元像として表示するカラーホログラフィ表示装置において、
前記ホログラムを表示する空間光変調器は、水平方向の画素に対応する色が、RGBの三原色のいずれか一色であり、かつ、水平方向の画素で示す色が、RGBの各色に対して垂直方向に同一周期で配置されることを特徴とするカラーホログラフィ表示装置。
【請求項3】
前記空間光変調器は、振幅変調または位相変調を行える光変調手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーホログフィ表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、その変調信号の空間周波数を垂直サブサンプリングに応じて、折り返し成分を除去する帯域制限フィルタを備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカラーホログラフィ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−281774(P2008−281774A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125889(P2007−125889)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】