説明

カリチェアミシン誘導体−キャリアコンジュゲート

【課題】コンジュゲーションの低い画分(LCF)は、カリチェアミシン−キャリアコンジュゲートと標的細胞について競合し、細胞傷害薬の薬効を結果として低下させる可能性がある。それゆえに、コンジュゲートの物理的性質を有意に変えることなく、LCFが有意に低い水準となり、凝集が許容できる水準にあるような改良した結合法を提供する。
【解決手段】以前の報告よりも有意に高い薬物負荷で、凝集およびコンジュゲーションの低い画分(LCF)を減らした単量体細胞傷害性ドラッグ−キャリアコンジュゲートの調製法を開示する。細胞傷害性ドラッグ誘導体−抗体コンジュゲート、そのコンジュゲートからなる組成物およびそのコンジュゲートの使用。単量体カリチェアミシン誘導体−抗CD22抗体コンジュゲート、そのコンジュゲートからなる組成物およびそのコンジュゲートの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高薬物負荷および実質的にコンジュゲーションの低い画分(LCF)の減少した単量体細胞傷害薬−キャリアコンジュゲート(以降「コンジュゲート」と呼ぶ)の生成法に関する。特に本発明は抗CD22抗体単量体カリチェアミシンコンジュゲートに関する。本発明はまた、本発明のコンジュゲート、コンジュゲートの精製法、コンジュゲートを含む医薬組成物、およびコンジュゲートの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
全身薬物療法のために開発された薬剤コンジュゲートは、標的特異的細胞傷害試薬である。その概念は治療薬を限定された標的細胞群に対して特異性を有するキャリア分子に結合させることを含む。抗原に対して高い親和性を持つ抗体は、標的とする部分として当然の選択である。高い親和性を持つモノクローナル抗体は有効であるので、抗体ターゲッティング療法の展望は有望になってきている。モノクローナル抗体に抱合される有毒物質には、毒素、低分子量細胞傷害薬、生物学的反応修飾物および放射性核種を含む。抗体およびメトトレキサートならびにアドリアマイシンのような低分子量薬剤とからなる免疫コンジュゲートが化学免疫コンジュゲートと呼ばれるのに対して、抗体毒素コンジュゲートはしばしば抗毒素と呼ばれる。免疫調節剤には、リンフォカイン、成長因子および補体活性化コブラ毒素因子(CVF)のような調節機能を持つことが知られている生物学的反応修飾物を含む。放射性免疫コンジュゲートは、放射線によって細胞を殺す治療法としてまたは画像化のために用いられるような、放射性同位体からなる。細胞傷害薬の腫瘍細胞への抗体の媒介する特異的な輸送には、抗腫瘍効力の増大だけでなく、正常細胞による標的外の取り込みも防ぎ、従ってその治療指数は向上すると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ターゲッティングの媒介物としての抗体からなり、細胞傷害薬に結合した悪性腫瘍細胞の表面にある抗原決定基に対して特異性を持つ免疫コンジュゲートに関する。本発明は、抗体がB細胞悪性腫瘍、リンパ組織増殖性疾患、慢性炎症性疾患(の細胞上)にある抗原決定基に対して特異性を持つような、細胞傷害薬抗体コンジュゲートに関する。本発明はまた、免疫コンジュゲートの生成法およびそれらの治療への利用に関する。
癌および関節リウマチを含む多様な疾患を治療するためのいくつかの抗体を基礎とする治療法は、非ホジキンリンパ腫のようなB細胞悪性腫瘍を含めた多様な悪性腫瘍に対して、すでに臨床応用が認可されているかまたは臨床試験が行われているところである。一つのそのような抗体を基礎とする治療法が、非標識のキメラヒトγ1(+mγ1V領域)抗体であるリツキシマブ(リツキサン(登録商標))であり、B細胞に発現している細胞表面抗原CD20に対して特異的である。これらの抗体を基礎とする治療法は、B細胞に対する補体媒介性細胞傷害(CDCC)または抗体依存性細胞傷害(ADCC)、または131Iや90Yの様な放射性核種に頼るものであり、このことが臨床医および患者にとっての(この薬剤の)調製および利用における問題に関係している。その結果、非ホジキンリンパ腫(NHL)のような造血系の悪性腫瘍を含めた多様な悪性腫瘍を治療するための、現在の抗体を基礎とする治療法の短所を克服でき、容易かつ効率的に生成でき、免疫応答を誘導せずに繰り返し使用できるような免疫コンジュゲートを生み出すことが必要である。
【0004】
集合的にカリチェアミシンまたはLL−E33288コンジュゲート(米国特許第4970198号参照)として知られている抗菌薬および抗腫瘍薬の有力な集団の構成員からなる免疫コンジュゲートは、骨髄腫の治療への利用のために開発された。カリチェアミシンのうち最も強力なものをγ1と呼び、本明細書では単にγと呼ぶ。これらの化合物はメチルトリスルフィドを含み、それは適切なチオールと反応してジスルフィドを形成し、同時にヒドラジドまたはカリチェアミシン誘導体をキャリアに結合させるのに有用な他の官能基のような官能基を導入する(米国特許第5053394号参照)。キャリアに結合しているカリチェアミシン誘導体(すなわち薬物負荷)が増加するとタンパクの凝集体が形成されることになるという結合方法論だけでなく、特異的標的試薬(キャリア)が有効であることによっても、多種多様な癌に対する治療法を発達させる上で単量体カリチェアミシン誘導体−キャリアコンジュゲートを用いることは制限されてきた。高薬物負荷にするとコンジュゲートの本来の薬効が向上するので、キャリアタンパクの親和性を堅実に保持できる限りの多くの薬剤をキャリアに結合させることが望ましい。非特異的な毒性および免疫原性を持ち、それゆえに治療への適用から除外されるべき凝集タンパクが存在すると、これらのコンジュゲートの生成量を増加させる過程がより困難となり、生成物の収率は減少する。キャリアタンパクに結合させるカリチェアミシンの量(薬物負荷)、結合反応の際に形成される凝集体の量、および得られる精製した単量体のコンジュゲートの最終的な収率は全て相関している。それゆえに結合反応に加えられる反応性のカリチェアミシン誘導体の量を調節することによって、高薬物負荷および最終的な単量体の収率の中間で妥協せざるを得ない。
【0005】
細胞傷害薬コンジュゲート、特にカリチェアミシンコンジュゲートの凝集しやすい傾向は、米国特許第5877296号と米国特許第5773001号(その内容を本明細書の一部とする)に記述されているリンカーを用いて結合反応を行うときに特に問題となる。この場合、生成する大多数のコンジュゲートは凝集体の中にあり、元来の方法(CMA法)によって作られるコンジュゲートを薬用として精製することは極めて困難である。いくつかのキャリアタンパクにおいては、小規模なもの以外は、適度の負荷のコンジュゲートを作ることでさえ事実上不可能である。その結果、凝集量を最小限とし、それによって妥当な収率の生成物とともにできるだけ高薬物負荷を見込めるようなキャリアに、カリチェアミシンのような細胞傷害薬を結合させる方法を改良していくことが決定的に必要となる。
【0006】
以前に、高薬物負荷、高収率かつ凝集量を減らした単量体カリチェアミシン誘導体/キャリアを調整する結合方法が開示された(米国特許第5712374号と米国特許第5714586号参照、その内容を本明細書の一部とする)。これらの方法は十分に凝集量を減らしたコンジュゲート調製法となったけれども、後にこの方法は、望ましくない高い水準の(45−65% HPLC 面積%)、大部分が結合していない抗体からなるコンジュゲーションの低い画分(LCF)を含むコンジュゲートを生成することが発見された。LCFは細胞傷害薬を含まず、生成物中にLCFが存在すると、抗体の利用が非能率的となる。LCFはまたカリチェアミシン−キャリアコンジュゲートと標的細胞について競合し、潜在的に後者の目標を定める能力を低下させて細胞傷害薬の薬効を結果として低下させる可能性がある。それゆえに、コンジュゲートの物理的性質を有意に変えることなく、LCFが有意に低い水準となり、凝集が許容できる水準にあるような改良した結合法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の開示)
本発明は、高薬物負荷およびコンジュゲーションの低い画分(low conjugate fraction(LCF))の実質的に減少した単量体細胞傷害薬−キャリアコンジュゲート(「コンジュゲート」)の生成法に関する。特に、本発明は単量体カリチェアミシン誘導体/キャリアコンジュゲートの生成、そのコンジュゲート、その組成物、コンジュゲートの精製法、およびコンジュゲートの使用に関する。さらに特に、本発明は単量体カリチェアミシン誘導体−抗CD22抗体コンジュゲート(CMC−544)の生成法に関する。
【0008】
一つの具体例として、本発明は、何らかの有意な物理的または化学的性質の変化なしに、有意に低い水準のLCF(10パーセント以下)となるような、コンジュゲートの生成についての改良した結合法を開示する。本発明はまた、LCFの水準の有意に低下させるだけでなく、以前に開示された方法より有意に凝集体が少なくなり、十分に薬物負荷を増加させるような結合法についてのさらなる改良を開示する。本発明のコンジュゲートは、式:
Pr(−X−W)m
[式中:
Prはタンパク質のキャリアであり;
Xはタンパク質のキャリアと反応できる何らかの反応基を有する生成物からなるリンカーであり;
Wは細胞傷害薬であり;
mは、細胞傷害薬が重量でコンジュゲートの7〜9%を構成するように精製したコンジュゲーション生成物についての平均の負荷である;
(−X−W)mは細胞傷害薬の誘導体である]
を有する。
【0009】
本発明のコンジュゲートは、一つの具体例として、各工程:
(1)細胞傷害薬誘導体が重量でタンパク質キャリアの4.5〜11%となるように、細胞傷害薬誘導体をタンパク質キャリアに加え;
(2)細胞傷害薬誘導体およびタンパク質キャリアを、pHが約7から9の範囲で非求核性でタンパク融和性の緩衝液で処理された溶液中でインキュベートし、単量体細胞傷害薬−キャリアコンジュゲートを生成した。その溶液はさらに(a)有機共溶媒および(b)少なくとも一つのC−C18カルボン酸またはその塩を含む添加剤を含んでおり、インキュベーションは約30℃から35℃までの範囲の温度で約15分から24時間までの範囲の期間行われ;
(3)工程(2)で生成したコンジュゲートをクロマトグラフィーによる分離法にかけて、重量で4〜10%の範囲の細胞傷害薬の負荷で、コンジュゲーションの低い画分(LCF)が10%未満である単量体細胞傷害薬誘導体−タンパク質キャリアコンジュゲートを、結合していないタンパク質キャリア、細胞傷害薬誘導体、および凝集したコンジュゲートから分離する
工程を含む本発明の方法によって生成される。
【0010】
本発明の一つの側面として、コンジュゲートのタンパク質のキャリアは、ホルモン、成長因子、抗体、抗体の断片、抗体の模擬物、およびそれらを遺伝子的または酵素的に処理したものからなる群から選ばれる。
一つの具体例としては、タンパク質のキャリアは抗体である。好ましい具体例としては、抗体がモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、一本鎖の抗体、Fab断片およびF(ab)2断片からなる群から選ばれる。
【0011】
他の具体例としては、ヒト化抗体は細胞表面抗原CD22に対するものである。
好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体はCDRを移植した抗体であり、軽鎖の可変部5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖の可変部5/44−gH7(配列番号:27)を含む。
他の好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、配列番号:28に示す配列を持った軽鎖からなる、CDRを移植した抗体である。
さらに他の好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、配列番号:30に示す配列を持った重鎖からなる、CDRを移植した抗体である。
【0012】
他の好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、配列番号:28に示す配列を持った軽鎖および、配列番号:30に示す配列を持った重鎖を含む、CDRを移植した抗体である。
他の具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、親和性成熟プロトコールによって得られる変異した抗体であり、ヒトCD22に対する特異性を高めたCDR移植抗体である。
他の側面として、本発明の単量体細胞傷害薬−キャリアコンジュゲートを生成するために用いられる細胞傷害薬は、チューブリン重合の阻害剤、DNAに結合して分裂させるアルキル化剤、タンパク質合成阻害剤、またはチロシンキナーゼ阻害剤のいずれかである。
【0013】
一つの具体例としては、細胞傷害薬は、カリチェアミシン、チオテパ、タキサン類、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エスペラミシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリンまたはマイタンシノイドから選ばれる。
好ましい具体例としては、細胞傷害薬はカリチェアミシンである。特に好ましい具体例としては、そのカリチェアミシンはγカリチェアミシンまたはN−アセチルγカリチェアミシン誘導体である。
【0014】
さらに他の側面としては、細胞傷害薬は、3−メルカプト−3−メチルブタノイルヒドラジドによって機能化し、標的細胞と結合してその中に入った後にコンジュゲートから細胞傷害薬を放出することのできる加水分解が可能なリンカーを介して、タンパク質のキャリアと結合する。
この側面の好ましい具体例としては、その加水分解可能なリンカーは、4−(4−アセチルフェノキシ)酪酸(AcBut)である。
【0015】
本発明のさらに他の側面として、オクタン酸またはその塩、あるいはデカン酸またはその塩は、結合過程の間凝集を減らして薬物負荷を増加させるために添加剤として用いられる。
本発明のさらに他の側面として、本発明のコンジュゲートは、クロマトグラフィー分離法によって精製される。
一つの具体例として、単量体薬剤誘導体−キャリアコンジュゲートを分離するために用いられるクロマトグラフィー分離法は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)である。
他の具体例としては、単量体薬剤誘導体−キャリアコンジュゲートを分離するために用いられるクロマトグラフィー分離法は、HPLC、FPLCまたはSephacrylS−200クロマトグラフィーである。
【0016】
好ましい具体例としては、単量体薬剤誘導体−キャリアコンジュゲートを分離するために用いられるクロマトグラフィー分離法は、疎水的相互作用クロマトグラフィー(HIC)である。特に好ましい具体例としては、HICは、フェニルセファロース6ファーストフロー(Fast Flow)クロマトグラフィー媒体、ブチルセファロース4ファーストフロークロマトグラフィー媒体、オクチルセファロース4ファーストフロークロマトグラフィー媒体、トヨパールエーテル−650Mクロマトグラフィー媒体、マクロプレップ(Macro-Prep)メチルHIC媒体またはマクロプレップt−ブチルHIC媒体を用いて行われる。より特に好ましい具体例としては、HICは、ブチルセファロース4ファーストフロークロマトグラフィー媒体を用いて行われる。
他の側面としては、本発明は、本発明の方法によって生成する単量体細胞傷害薬剤誘導体−キャリアコンジュゲートに焦点が当てられている。この側面の好ましい具体例としては、用いられる細胞傷害薬はカリチェアミシンであって、用いられるキャリアは抗体である。
【0017】
他の好ましい具体例としては、抗体はモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、一本鎖の抗体、Fab断片およびF(ab)2断片からなる群から選ばれる。より特に好ましい側面としては、細胞表面抗原CD22に対するヒト化抗体が用いられる。
一つの具体例としては、ヒト化抗CD22抗体はCDRを移植した抗体であり、軽鎖の可変部5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖の可変部5/44−gH7(配列番号:27)を含む。
他の具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、配列番号:28に示す配列を持った軽鎖を含む、CDRを移植した抗体である。
【0018】
好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、配列番号:30に示す配列を持った重鎖からなる、CDRを移植した抗体である。
他の好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、配列番号:28に示す配列を持った軽鎖および、配列番号:30に示す配列を持った重鎖からなる、CDRを移植した抗体である。
さらに他の具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、親和性成熟プロトコールによって得られる変異した抗体であり、ヒトCD22に対する特異性を高めたCDR移植抗体である。
好ましい具体例としては、カリチェアミシンはγカリチェアミシンまたはN−アセチルγカリチェアミシンである。
一つの具体例としては、カリチェアミシン誘導体は3−メルカプト−3−メチルブタノイルヒドラジドによって機能化される。
他の具体例としては、薬剤をキャリアに結合させるために用いられるリンカーは、標的細胞と結合してその中に入った後にコンジュゲートから細胞傷害薬を放出することのできる加水分解が可能なリンカーである。好ましい具体例としては、加水分解が可能なリンカーは4−(4−アセチルフェノキシ)酪酸(AcBut)である。
【0019】
本発明の他の側面は、式:
Pr(−X−S−S−W)m
[式中:
Prは抗CD22抗体であり;
Xは抗体と反応できる反応基を有する生成物からなる加水分解が可能なリンカーであり;
Wはカリチェアミシンラジカルであり;
mは、カリチェアミシンが重量でコンジュゲートの4〜10%を構成するように精製したコンジュゲーション生成物についての平均の負荷であり;
(−X−S−S−W)mは本発明の方法によって生成したカリチェアミシンの誘導体である]
を有する単量体カリチェアミシン誘導体−抗CD22抗体コンジュゲートに焦点が当てられている。
【0020】
この側面についての一つの具体例としては、抗体はモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、一本鎖の抗体、Fab断片およびF(ab)2断片からなる群から選ばれる。
好ましい具体例としては、抗体はヒトCD22に対する特異性を持ち、且つCDR−H1については図1中でH1(配列番号:1)として、CDR−H2については図1でH2(配列番号:2)またはH’2(配列番号:13)またはH”2(配列番号:15)またはH”’2(配列番号:16)として、あるいはCDR−H3については図1中でH3(配列番号:3)として与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような重鎖およびCDR−L1については図1中でL1(配列番号:4)として、CDR−L2については図1中でL2(配列番号:5)として、あるいはCDR−L3については図1中でL3(配列番号:6)として与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような軽鎖とからなるような抗CD22抗体である。
【0021】
他の好ましい具体例としては、抗CD22抗体は、CDR−H1については配列番号:1中で、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16中で、あるいはCDR−H3については配列番号:3中で与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような重鎖および、CDR−L1については配列番号:4中で、CDR−L2については配列番号:5中で、あるいはCDR−L3については配列番号:6中で与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような軽鎖からなる。
【0022】
さらに他の好ましい具体例としては、抗CD22抗体は、CDR−H1については配列番号:1、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16、あるいはCDR−H3については配列番号:3、CDR−L1については配列番号:4、CDR−L2については配列番号:5、およびCDR−L3については配列番号:6からなる。
【0023】
他の具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、CDRを移植した抗CD22抗体であり、ヒトアクセプターフレームワーク部およびヒト以外のドナーのCDRからなる可変領域からなっている。
他の具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、抗体の重鎖の可変部の領域がヒトサブグループI共通配列を基にしているヒトアクセプターフレームワークを持ち、1、28、48、71、および93位にヒト以外のドナー残基を含む。他の具体例としては、ヒト化抗体はさらに67位と69位にヒト以外のドナー残基を含む。
【0024】
一つの好ましい具体例としては、CDRを移植したヒト化抗体は、ヒトサブグループI共通配列を基にしているヒトアクセプターフレームワーク領域からなり、さらに2、4、37、38、45および60位でヒト以外のドナー残基を含むような軽鎖の可変部を含む。他の具体例としては、CDRを移植した抗体は、さらに3位にヒト以外のドナー残基を含む。
さらに他の具体例としては、CDRを移植した抗体は、軽鎖可変領域5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖可変領域5/44−gH7(配列番号:27)からなる。
【0025】
他の具体例としては、CDRを移植した抗体は、配列番号:28に示すような配列を持つ軽鎖および配列番号:30に示すような配列を持つ重鎖からなる。
さらに他の具体例としては、CDRを移植した抗体は、配列番号:28に示すような配列を持つ軽鎖および配列番号:30に示すような配列を持つ重鎖からなる。
一つの具体例としては、抗CD22CDR移植抗体は、親和性成熟プロトコールによって得られる変異した抗体であり、ヒトCD22に対する特異性が高まっている。
【0026】
他の具体例としては、抗CD22抗体は、それぞれ配列番号:7および配列番号:8に示すモノクローナル抗体の軽鎖および重鎖の可変領域の配列を含むキメラ抗体である。
さらに他の具体例としては、抗CD22抗体は、ドナーCDRの欠けた部分が異なった配列で置換され、機能的CDRを形成するような切断されたドナーCDRをもつハイブリッドCDRを含む。
特に好ましい具体例としては、細胞傷害薬誘導体が、γカリチェアミシンまたはN−アセチルγカリチェアミシン誘導体である。
【0027】
他の側面としては、本発明は、単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートの安定な凍結乾燥した組成物の調製法に焦点が当てられている。好ましい具体例としては、単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートの安定な凍結乾燥した組成物を、
(a)単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートを、重量で1.5%〜5%の濃度の凍結防止剤、重量で0.5%〜1.5%の濃度のポリマー充填剤、0.01M〜0.1Mの濃度の電解質、重量で0.005%〜0.05%の濃度の溶解促進剤、溶液の最終pHが7.8〜8.2になるような5〜50mMの濃度の緩衝液および水からなる溶液中に溶解して、0.5〜2mg/mlの最終濃度とし、
(b)上の溶液を+5℃〜+10℃の温度でガラス瓶に分配し、
(c)その溶液を−35℃〜−50℃の温度で凍結させ、
(d)その凍結した溶液を、20〜80ミクロンの一次乾燥圧で、棚の温度が−10℃〜−40℃で、24〜78時間最初の凍結乾燥工程にかけ、
(e)工程(d)の凍結乾燥生成物を、20〜80ミクロンの乾燥圧で、棚の温度が+10℃〜+35℃で、15〜30時間第二次凍結乾燥工程にかける
ことによって、調製する。
【0028】
一つの具体例としては、細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートの凍結乾燥に用いられる凍結防止剤が、アルジトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ポリエチレングリコール、アルドン酸、ウロン酸、アルダン酸、アルドース類、ケトース類、アミノ糖類、アルジトール類、イノシトール類、グリセルアルデヒド類、アラビノース、リキソース、ペントース、リボース、キシロース、ガラクトース、グルコース、ヘキソース、イドース、マンノース、タロース、ヘプトース、グルコース、フルクトース、グルコン酸、ソルビトール、ラクトース、マンニトール、メチルα−グルコピラノシド、マルトース、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、ラクトン、ソルボース、グルカル酸、エリトロース、トレオース、アラビノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、タガトース、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、スクロース、トレハロース、ノイラミン酸、アラビナン類、フルクタン類、フカン類、ガラクタン類、ガラクツロナン類、グルカン類、マンナン類、キシラン類、レバン、フコイダン、カラゲーニン、ガラクトカロロース、ペクチン類、ペクチン酸、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、デキストラン、プスツラン、キチン、アガロース、ケラチン、コンドロイチン、デルマタン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キサンゴム、澱粉、スクロース、グルコース、ラクトース、トレハロース、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロールまたはペンタエリトリロールから選ばれる。
【0029】
好ましい具体例としては、凍結防止剤が、重量で1.5%の濃度で存在するようなスクロースである。
一つの具体例としては、凍結乾燥工程の間に用いられるポリマー充填剤が、デキストラン40またはヒドロキシエチル澱粉40から選ばれ、重量で0.9%の濃度である。
他の具体例としては、凍結乾燥溶液中に用いられる電解質が、0.05Mの濃度で存在しているような塩化ナトリウムである。
好ましい具体例としては、溶解促進剤は凍結乾燥工程の間に用いられる。好ましくは、この溶解促進剤は界面活性剤である。特に好ましい具体例としては、その界面活性剤は、重量で0.01%の濃度で存在しているポリソルベート80である。
【0030】
一つの具体例として、用いられている緩衝剤は、0.02Mの濃度で存在しているトロメタミンである。溶液のpHは凍結乾燥工程の開始時点において8.0であることが好ましい。細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートを含む溶液を、凍結乾燥工程の開始より前に+5℃の温度でガラス瓶に分配する。
好ましい具体例としては、ガラス瓶中の溶液を−45℃で冷凍し;冷凍した溶液を60ミクロンの一次乾燥圧で、棚の温度が−30℃で、60時間最初の凍結乾燥工程にかけ;、凍結乾燥生成物を、60ミクロンの乾燥圧で、棚の温度が+25℃で、24時間第二次凍結乾燥工程にかける。
【0031】
本発明の他の側面は、本発明の方法によって調製した治療上有効量の単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートに焦点が当てられている。
一つの具体例としては、単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲート中のキャリアは、ホルモン、成長因子、抗体、および抗体の模擬物から選ばれるようなタンパク質のキャリアである。
好ましい具体例としては、タンパク質のキャリアが、ヒトモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、またはヒト化抗体である。
好ましい具体例としては、ヒト化抗体は、細胞表面抗原CD22に対するものである。
【0032】
特に好ましくは、本発明のこの側面についての具体例は、抗CD22抗体はヒトCD22に対する特異性を持ち、且つCDR−H1については図1中でH1(配列番号:1)として、CDR−H2については図1でH2(配列番号:2)またはH2’(配列番号:13)またはH2’’(配列番号:15)またはH2’’’(配列番号:16)として、あるいはCDR−H3については図1中でH3(配列番号:3)として与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変領域に含むような重鎖および、CDR−L1については図1中でL1(配列番号:4)として、CDR−L2については図1中でL2(配列番号:5)として、あるいはCDR−L3については図1中でL3(配列番号:6)として与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変領域に含むような軽鎖からなる。
【0033】
他の好ましい具体例としては、抗CD22抗体は、CDR−H1については配列番号:1中で、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16中で、あるいはCDR−H3については配列番号:3中で与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変領域に含むような重鎖および、CDR−L1については配列番号:4中で、CDR−L2については配列番号:5中で、あるいはCDR−L3については配列番号:6中で与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変領域に含むような軽鎖を持つ。
【0034】
さらに他の好ましい具体例としては、抗CD22抗体は、CDR−H1については配列番号:1、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16、あるいはCDR−H3については配列番号:3、CDR−L1については配列番号:4、CDR−L2については配列番号:5、およびCDR−L3については配列番号:6からなる。
特に好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、CDRを移植したヒト化抗CD22抗体であり、軽鎖可変領域5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖可変領域5/44−gH7(配列番号:27)を含む。
【0035】
他の特に好ましい具体例としては、ヒト化抗CD22抗体は、ヒトCD22に対する特異性を持ったCDR移植抗体であり、配列番号:28に示すような配列を持つ軽鎖および、配列番号:30に示すような配列を持つ重鎖からなる。
一つの具体例としては、CDR移植抗体は、ヒトCD22に対する特異性を高めた変異した抗体であり、その抗体は親和性成熟プロトコールによって得られる。
一つの具体例としては、単量体細胞傷害薬はカリチェアミシンであり、好ましくはγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンである。
一つの具体例としては、組成物は所望により追加の生物活性試薬を含んでいてよい。そのような生物活性のある試薬は、細胞傷害薬、成長因子またはホルモンであってよい。
【0036】
本発明のさらに他の側面としては、治療上有効量の本発明の組成物を患者に投与することによって、増殖性疾患の患者を治療する方法に焦点が当てられている。その組成物への投薬は、皮下でも、腹膜内でも、静脈内でも、動脈内でも、脊髄内でも、鞘内でも、経皮的でも、皮膚を介してでも、鼻腔内でも、局所的でも、経腸でも、経膣的でも、舌下でも、または経直腸でもよい。好ましい具体例としては、本発明の組成物は、静脈内投与される。
一つの具体例として、組成物は癌のような増殖性疾患に罹患している人間の患者に投与する。好ましい具体例としては、癌はB細胞悪性腫瘍である。B細胞悪性腫瘍は、細胞表面抗原CD22を発現するような白血病またはリンパ腫でよい。
さらに他の具体例としては、癌は癌腫または肉腫でよい。
【0037】
本発明の他の側面は、治療上有効量の本発明の細胞傷害薬抗CD22抗体コンジュゲートからなる組成物を、悪性腫瘍の患者に投薬することによって、B細胞悪性腫瘍の治療法に焦点が当てられている。好ましい具体例としては、B細胞悪性腫瘍は、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫である。
一つの具体例としては、本発明のコンジュゲートを調製するのに用いられる細胞傷害薬剤はカリチェアミシン、チオテパ、タキサン類、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリン、マイタンシノイドおよびエスペラミシンからなる群より選ばれる。
好ましい具体例としては、細胞傷害薬はγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンである。
【0038】
他の具体例としては、本治療法は、抗体、成長因子、ホルモン、サイトカイン、抗ホルモン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンおよび細胞傷害薬から選ばれる一つまたはそれ以上の生物活性試薬とともに、本発明の細胞傷害薬コンジュゲートを投薬することからなる。
好ましい具体例としては、生物活性試薬は抗体であり、B細胞悪性腫瘍上に発現する細胞表面抗原に対するものである。さらに好ましい具体例としては、B細胞悪性腫瘍上に発現する細胞表面抗原に対する抗体は、抗CD19、抗CD20および抗CD33抗体からなる群から選ばれる。そのような抗体には抗CD20抗体であるリツキシマブ(リツキサン(登録商標))を含める。
【0039】
他の具体例としては、生物活性試薬はサイトカインまたは成長因子であり、インターロイキン2(IL−2)、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFを含むが、これらに限定されるものではない。
他の具体例としては、生物活性試薬はホルモンであり、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチンおよびコルチコステロイドを含める。
さらに他の具体例としては、生物活性試薬は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシン、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリン、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソール、タクソール類似物またはマイトマイシンから選ばれる細胞傷害薬である。
【0040】
好ましい具体例としては、細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬と組み合わせて投与することであり、細胞傷害性試薬の組み合わせは:CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン);CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン);ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン);ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン);MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン);MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン);ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン);MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)をABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交替で;MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)をABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交替で;ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン);IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド);MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド);DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン);ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン);CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン);CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン);またはCVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)から選ばれる。
【0041】
好ましい具体例としては、細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、上記の細胞傷害薬を一つまたはそれ以上を組み合わせて投与するのに先立って投与することである。他の好ましい具体例としては、細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として上記の細胞傷害薬を一つまたはそれ以上を組み合わせて投与した後に投与することである。

本発明の他の側面は、前述の治療法の必要性のある患者に対して、治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートの組成物を一つまたはそれ以上の生物活性試薬と共に投与することを含む、浸潤性のリンパ腫の治療法に焦点が当てられている。
本発明のさらなる他の側面は、癌のような増殖性疾患の患者の治療に際して、本発明の組成物を利用することに焦点が当てられている。特に、細胞表面にCD22抗原を発現するB細胞悪性腫瘍である。特に、B細胞悪性腫瘍は白血病かまたはリンパ腫のどちらかである。一つの具体例としては、癌は癌腫または白血病である。
【0042】
一つの具体例としては、治療上有効量の組成物は、皮下、腹膜内、静脈内、動脈内、脊髄内、鞘内、経皮的、皮膚を介して、鼻腔内、局所的、経腸、経膣的、舌下、または経直腸で投与する。
好ましい具体例としては、本発明の医薬組成物の治療上有効量を静脈内に投与する。
【0043】
本発明の他の側面は、非ホジキンリンパ腫のようなB細胞悪性腫瘍の患者の治療への利用のために、本発明の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートの組成物を使用することに焦点が当てられている。一つの具体例としては、本発明の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートを一つまたはそれ以上の生物活性試薬と共に投与することである。
一つの具体例としては、生物活性試薬は、抗体、成長因子、ホルモン、サイトカイン、抗ホルモン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンおよび細胞傷害薬からなるグループより選ばれる。
好ましい具体例としては、生物活性試薬は、抗CD19、抗CD20および抗CD33抗体のような、B細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面の抗原に対する抗体である。好ましい具体例としては、抗CD20抗体はリツキシマブ(リツキサン(登録商標))である。
他の具体例としては、生物活性試薬には、サイトカイン、またはインターロイキン2(IL−2)、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFのような成長因子、またはエストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチンおよびコルチコステロイドを含めたホルモンを含める。
【0044】
他の具体例としては、生物活性試薬は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシン、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリン、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソール、タクソール類似物およびマイトマイシンから選ばれる細胞傷害薬である。
【0045】
好ましい具体例としては、治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートを、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬と組み合わせて投与することであり、細胞傷害性試薬の組み合わせは:CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン);CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン);ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン);ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン);MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン);MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン);ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン);MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)をABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびビンブラスチン)と交替で;MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)をABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交替で;ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド);MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド);DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン);ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン);CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン);CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン);CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン);ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン);EPOCH(エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンを96時間シクロホスファミドの丸薬投与、およびブレドニゾン経口投与、)、ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)、CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)、CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)CEPP−B(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジンおよびブレオマイシン)およびP/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドまたはプレドニゾン)から選ばれる。
【0046】
一つの好ましい具体例としては、単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートを、細胞傷害薬を治療養生法の一部として一つまたはそれ以上を組み合わせて投与するのに先立って投与することである。
他の好ましい具体例としては、治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートを、治療養生法の一部として細胞傷害薬を一つまたはそれ以上を組み合わせて投与した次に投与することである。
さらに他の好ましい具体例としては、治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートを、所望により治療養生法の一部として一つまたはそれ以上を組み合わせ他細胞傷害薬も含めて、B細胞悪性腫瘍上の細胞表面抗原に対する抗体と共に投薬することである。
他の側面としては、本発明は、増殖性疾患の治療のための医薬品の製造に本発明の単量体カリチェアミシン誘導体抗CD22抗体コンジュゲートを利用することに焦点が当てられている。そのような医薬品は、B細胞増殖性疾患を治療するために、単独かまたは他の生物活性試薬と組み合わせて用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、マウスのモノクローナル抗体5/44のCDRのアミノ酸配列(配列番号:1から6)を示す。
【図2】図2は、マウスのモノクローナル抗体5/44の軽鎖可変領域(V)のDNAおよびタンパク質の配列を示す。
【図3】図3は、マウスのモノクローナル抗体5/44の重鎖可変領域(V)の完全配列を示す。
【図4】図4は、CDR−H2における、グリコシル化部位および反応性リシンの除去の計画を示す。
【図5】図5は、5/44軽鎖配列の移植設計を示す。DPK−9はヒト生殖細胞系細胞のアクセプターフレームワーク配列である。縦の線はマウスおよびヒトの残基の間の違いを示す。下線を引いた配列は、移植時に確保されたドナー残基を示す。CDRはイタリック文字で際だたせて示されている(DPK−9についてはそのように示されていない)。移植断片gL1は6ドナーフレームワーク残基を持ち、gL2は7ドナーフレームワーク残基を持つ。
【0048】
【図6】図6は、5/44重鎖配列の移植設計を示す;DP7はヒト生殖細胞系細胞のアクセプターフレームワーク配列である。縦の線はマウスおよびヒトの残基の間の違いを示す。下線を引いた配列は、移植時に確保されたドナー残基を示す。CDRは、際だたせた文字、イタリック体で示されている(DP7についてはそのように示されていない)。移植断片gH4およびgH6は6ドナーフレームワーク残基を持ち、gH5およびgH7は4ドナーフレームワーク残基を持つ。
【図7】図7はベクターpMRR14の遺伝子地図を示す。
【図8】図8はベクターpMRR10.1の遺伝子地図を示す
【図9】図9はキメラ5/44変異体のバイアコア(Biacore)アッセイの結果を示す。
【図10】図10は5/44gH1およびgL1遺伝子群のオリゴヌクレオチドを示す。
【図11】図11は、媒介ベクターpCR2.1(544gH1)のプラスミドマップを示す。
【図12】図12は、媒介ベクターpCR2.1(544gL1)のプラスミドマップを示す。
【図13】図13は、さらなる移植を行うために用いるオリゴヌクレオチドカセットを示す。
【図14】図14は、蛍光標識したマウス5/44抗体および移植した変異体の間の競合アッセイを示すグラフである。
【0049】
【図15】図15は、蛍光標識したマウス5/44抗体および移植した変異体の間の競合アッセイを示すグラフである。
【図16】図16は、移植した重鎖と軽鎖の完全DNAおよびタンパク質配列を示す。
【図17】図17は、抗体−NAc−γカリチェアミシンDMHコンジュゲートを図解で表したものである。
【図18】図18は、RAMOS−B細胞リンパ腫の成長に対するCMC−544の効果を示すグラフである。
【図19】図19は、ヌードマウスの生体内異種移植モデルの大B細胞リンパ腫に対するCMC−544の効果を示すグラフである。
【図20】図20は、RLリンパ腫の成長について、CMA−676結合工程で作られたCMC−544およびCMC−544結合工程で作られたものの効果を比較するグラフである。
【図21】図21は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))で治療した大RLリンパ腫がCMC−544治療に敏感であることを示すグラフである。
【図22】図22は、CMC−544の細胞傷害効果におけるリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の効果を示すグラフである。
【0050】
【図23】図23は、散在性の早期RAMOS−B細胞リンパ腫を持つ生存したSCIDマウスについての、CMC−544、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびCMC676の効果を示すグラフである。
【図24】図24は、散在性の末期RAMOS−B細胞リンパ腫を持つ生存したSCIDマウスについての、CMC−544、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびCMC676の効果を示すグラフである。
【図25】図25は、散在性の末期RAMOS−B細胞リンパ腫を持つ生存したSCIDマウスについての、CMC−544、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびCMC676の効果を示すグラフである。
【図26】図26は、散在性の末期RAMOS−B細胞リンパ腫を持つ生存したSCIDマウスについての、CMC−544、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびCMC676の効果を示すグラフである。
【図27】図27は、散在性の末期RAMOS−B細胞リンパ腫を持つ生存したSCIDマウスについての、CMC−544、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびCMC676の効果を示すグラフである。
【図28】図28は、RL非ホジキンリンパ腫についての、CMC−544のリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と併用したときおよび併用しなかったときの抗腫瘍活性を示すグラフである。
【図29】図29は、RL非ホジキンリンパ腫についての、CMC−544およびCHOPの抗腫瘍活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(発明の詳細な記載)
本発明のコンジュゲートには、タンパク質キャリアと反応して細胞傷害薬誘導体−タンパク質のキャリアコンジュゲートを形成するような、反応基を含むリンカーで誘導される細胞傷害薬を含める。特に、本発明のコンジュゲートには、タンパク質キャリアとして用いられる抗体と反応して細胞傷害薬誘導体−抗体コンジュゲートを形成するような、反応基を含むリンカーで誘導される細胞傷害薬を含める。特に、その抗体は、B細胞悪性腫瘍上の細胞表面抗原に対する抗体と反応する。そのようなコンジュゲートを調製し、精製する改良した方法を以下に記述する。分離過程と共に、特定の共溶媒、添加剤、および特定の反応条件を用いると、LCFを有意に減少させた上で、単量体細胞傷害薬誘導体−抗体コンジュゲートを形成することになる。凝集体にならない単量体形成には、重要な治療上の価値があり、LCFを最小限にして十分に凝集を減少させると、LCFの形成がより高結合の画分(HCF)と競合するのを阻害する治療上有意義な方法で、抗体の出発物質を利用できることになる。
【0052】
1.キャリア
本発明のキャリア/標的試薬は、好ましくはタンパク質のキャリア/標的試薬である。以下で単独あるいは官能基として「キャリア」と呼ばれるような、ホルモン、成長因子、抗体、抗体の断片、抗体の模擬物、およびそれらを遺伝子的または酵素的に処理したものがキャリア/標的試薬として含まれる。キャリアにとって不可欠の性質は、抗原または、望ましくない細胞に結合するアクセプターを認識して結合し、続いてそれを内在化する能力である。本発明に適用できるキャリアの例が米国特許第5053394号(出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている。本発明の利用における好ましいキャリアは、抗体および抗体の模擬物である。
【0053】
いくつかの非免疫グロブリンタンパク質の骨格は、ある抗体に特異性を持つ抗原のエピトープに結合する抗体の模擬物を生成するために用いられてきた(PCT出版 ナンバーWO00/34784)。例えば、免疫グロブリンの折りたたみに関係する、「小体」骨格は、モノクローナル抗体の重鎖可変領域から3つのβらせんを除くことによって作られてきた(Tramontanoら,J.Mol.Recognit.7:9,1994)。このタンパク質は、61残基を含み、二個の超可変ループをもたらすのに用いられ得る。これら二個のループは無作為に作られ、抗原の結合によって選別される生成物であったが、今までのところはフレームワーク部は、溶解度の問題のために、その実用が幾分制限されてきたように思われる。ループを明らかにするために用いられる他のフレームワークはテンダミスタットであり、哺乳類のαアミラーゼを特異的に阻害し、二個のジスルフィド結合によって結合した6本鎖βシートの積み重ねの、74残基のタンパクである(McConnellおよびHoess、J.Mol.Biol.250:460、1995年)。この骨格は、三個のループを持つが、現在のところ、三個のループのうち二個のみがランダム化ポテンシャルについて試験されてきた。
【0054】
他のタンパク質はフレームワークとして試験され、αらせん表面上のランダム化残基(Nordら、Nat.Biotechnol.15:772、1997;Nordら、Protein Eng 8:601、1995)、αらせんの束の間のループ(KuおよびSchultz、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6552、1995)、および小さいプロテアーゼ阻害薬のもののようなジスルフィド架橋によって束縛されたループ(Marklandら、Biochemistry 35:8045、1996;Marklandら、Biochemistry 35:8058、1996;RottgenおよびColins、Gene 164;243、1995;Wangら、J.Biol.Chem.270:12250、1995)を明らかにしてきた。
【0055】
本発明で用いられている抗体キャリアの例には、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体およびそれらの生物活性断片を含める。好ましくは、そのような抗体は、標的細胞および/もしくは癌のような増殖性疾患の組織に発現している細胞表面抗原に対するものである。標的細胞上の細胞表面抗原に対する特異的抗体の例は、ほとんどのB細胞悪性腫瘍で過剰発現するCD22抗原に対する抗体;G5/44、ネズミの抗CD22モノクローナル抗体のヒト化型;ある種のヒトの骨髄腫瘍、特に急性骨髄性白血病に多くみられる細胞表面抗原CD33に対する抗体;hP67.6、抗CD33ネズミ抗体のヒト化型(米国特許第5773001号参照);mp67.6で指定される上皮由来の多くの腫瘍でみられるPEM抗原に対する抗体(I.D.Bemsteinら、J.Clin.Invest.79:1153(1987)およびI.D.Bemsteinら、J.Immunol.1228:867−881(1992)参照);およびhu3S193で指定される多くの固形腫瘍で過剰発現しているLewisY炭水化物抗原に対するヒト化抗体(米国特許第6310185号B1)を包含するが、限定されるものではない。加えて、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))のようないくつかの市販で入手できる抗体もあり、それらもまたキャリア/標的試薬として用いられている。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、多様なB細胞リンパ腫の治療に用いられる抗CD20キメラ抗体であり、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))は、乳癌の治療に用いられるヒト化抗Her2抗体である。
【0056】
本発明においてキャリアとしての利用のために本明細書で例示しているのは、G5/44で指定される細胞表面抗原CD22に対するCDR移植ヒト化抗体分子である。この抗体は、ある種のヒトのリンパ腫でみられる細胞表面抗原CD22に対するネズミの抗CD22モノクローナル抗体をヒト化したものである。本明細書で用いられる「CDR移植抗体分子」という用語は、重鎖および/または軽鎖が一つあるいはそれ以上の相補性決定領域(CDR)を含むような抗体分子のことを指し、必要であれば、ドナー抗体(例えばネズミのモノクローナル抗体)由来の修飾されたCDR(以下CDRと呼ぶ)をアクセプターの抗体(例えばヒト抗体)の重鎖および/または軽鎖可変領域のフレームワーク部に移植したものも含める。好ましくは、そのようなCDR移植抗体は、上記の一つあるいはそれ以上のドナーCDRと同様に、ヒトアクセプターフレームワーク部も含む可変ドメインを持っている。
CDRを移植する場合、マウス、霊長類およびヒトのフレームワーク領域を含め、CDRを誘導するドナー抗体の種/型に関心のある適当なアクセプターの可変領域フレームワーク配列を用いてもよい。本発明で用いられ得るヒトのフレームワークの例は、KOL、NEWM、REI、EU、TUR、TEI、LAYおよびPOM(Kabatら Seq.of Proteins of immunol.Interest,1:310−334(1994))である。例えば、KOLおよびNEWMは重鎖に対して用いられ、REIは軽鎖に対して用いられ、EU、LAYおよびPOMは重鎖と軽鎖両方に対して用いられ得る。
【0057】
本発明のCDR移植抗体において、ドナー抗体の鎖と相同の鎖を持つものがアクセプター抗体として用いられるのが好ましい。アクセプターの重鎖と軽鎖は必ずしも同一の抗体に由来しなくてもよく、必要であれば、異なる鎖に由来するフレームワーク領域を持つ複合鎖を含んでもよい。
本発明のCDR移植抗体においてはまた、フレームワーク領域はそのアクセプター抗体と正確に同一である必要はない。例えば、珍しい残基は、アクセプター鎖のクラスまたはタイプとしてより頻繁に生じる残基へと変換される可能性がある。あるいは、アクセプターフレームワーク中の選ばれた残基は、変換された結果ドナー抗体の同じ位置にみられる残基またはドナー抗体の同じ位置にみられる残基に対する伝統的な置換基であるような残基と一致している可能性がある。そのような変換は、ドナー抗体の親和性を回復する必要が最小限になるようにとどめるべきである。変換する必要のあるアクセプターフレームワーク領域で残基を選ぶためのプロトコールは、PCT Publication No.WO91/09967(その内容を本明細書の一部とする)に示す。
ドナー残基は、ドナー抗体、すなわち元来CDRの由来となる抗体由来の残基である。
【0058】
本発明の抗体は、可変ドメインが、CDR−H2(Kabatら(前掲)によって定義される)として、抗原に対する抗体の親和性を高めるために潜在的なグリコシル化部の配列を除いたものであるようなH2’を含むような、重鎖を含んでもよい。
あるいは、または加えて、本発明の抗体は、可変ドメインが、CDR−H2(Kabatら(前掲)によって定義される)として、リシン残基は60位にあるようなH2’’を含むような、重鎖を含んでもよい。CDR−H2中の露出した位置に局在し、潜在的に結合試薬と反応して抗原の結合親和性を低下させる能力を持つと考えられているようなリシン残基は、他のアミノ酸で置換されている。
加えて、本発明の抗体は、可変ドメインが、CDR−H2(Kabatら(前掲)によって定義される)として、潜在的なグリコシル化部の配列と60位のリシン残基が共に他のアミノ酸で置換されているようなH2’’’を含むような、重鎖を含んでいてもよい。
本発明の抗体は、重鎖と軽鎖の全長を持つ完全な抗体;Fab、修飾されたFab、Fab’、F(ab’)、またはFv断片のようなそれらの生物活性を持つような断片;軽鎖または重鎖の単量体または二量体;あるいは、例えば重鎖と軽鎖の可変ドメインがペプチドリンカーによって結合しているような一本鎖Fvのような、一本鎖抗体、からなっていてもよい。同様に、重鎖と軽鎖の可変領域は適切に他の抗体のドメインに結合している。
【0059】
本発明の抗体はまた、修飾がその重鎖C末端への作動体またはアクセプター分子の結合を考慮した一つまたはそれ以上の付加であるような修飾されたFabも含める。好ましくは、アミノ酸の付加が、作動体またはアクセプター分子の結合している一つまたは二つのシステインを含む修飾されたヒンジ領域を形成する。
本発明の抗体の定常部ドメインは、存在するならば、抗体の提示された機能、特に要求される可能性も要求されない可能性もあるような作動体機能に関心を持って選んでよい。例えば、定常部ドメインはヒトIgA、IgD、IgE、IgGまたはIgMドメインであってよい。抗体が治療への利用を意図しており、抗体作動体機能が必要な場合は、特に、ヒトIgG定常部ドメイン、特にIgG1およびIgG3アイソトープのものが用いられてもよい。あるいは、抗体が治療への利用を意図しており、抗体作動体機能が必要でないまたは望まれない場合は、IgG2およびIgG4アイソトープを用いるかまたはIgG1Fc領域を変異させて作動体機能を排除してもよい。
本発明の抗体は、少なくとも5×10−8M、好ましくは少なくとも1×10−9M、より好ましくは少なくとも0.75×10−10M、最も好ましくは少なくとも0.5×10−10Mの結合親和性を持つ。
【0060】
一つの具体例として、本発明は抗毒素コンジュゲートに関し、これらのコンジュゲートを抗体変異体または抗体の模擬物を用いて合成する方法に関する。好ましい具体例としては、本発明の抗体の変異体はCD22に対するものであり、CD22に対して強い親和性を示す。そのような変異体は、CDRの変異(Yangら、J.Mol.Biol.、254、392−403、1995)、鎖の組換え(Marksら、Bio/Technology、10、779−783、1992)、イー・コリ(E.coli)の突然変異誘発菌株の利用(Lowら、J.Mol.Biol.、250、359−368、1996)、DNAの組換え(Pattenら、Curr.Opin.Biotechnol.、8、724−733、1997)、ファージディスプレイ(Thompsonら、J.Mol.Biol.、256、77−88、1996)およびセクシャルPCR(Crameriら、Nature、391、288−291、1998)を含めたいくつかの親和性成熟プロトコールによって得られる。
あらゆる適当な宿主細胞/ベクター系は、本発明の抗体を含めたキャリアを暗号化したDNA配列の発現のために用いられる。例えばイー・コリのような細菌および他の微生物系は、FabおよびF(ab’)断片のような抗体断片、特にFv断片、および例えば一本鎖Fvsのような一本鎖抗体断片の発現のために幾分用いられてよい。例えば哺乳類のような真核生物の宿主細胞発現系は、完全な抗体分子を含めた大きな抗体の生成のために用いられてよい。適当な哺乳類の宿主細胞には、CHO、骨髄腫、酵母菌細胞、昆虫細胞、ハイブリドーマ細胞、NSO、VERO、またはPERC6細胞を含む。適当な発現系にはまた、トランスジェニック動物および植物も含む。
【0061】
2.治療薬
本発明における利用に適した治療薬は、チューブリンの重合を阻害したりまたは分離させる細胞傷害薬、DNAに結合して分離させるアルキル化剤、およびタンパク質合成を阻害したりまたはタンパク質キナーゼ、酵素およびサイクリンのような必要不可欠な細胞タンパク質を阻害する試薬である。そのような細胞傷害薬には、それだけには限らないが、チオテパ、タキサン類、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリン、カリチェアミシン、エスペラミシン、およびマンタンシノイドを含む。好ましい細胞傷害性試薬はカリチェアミシンであり、メチルトリスルフィド抗腫瘍抗生物質の例である。本発明における利用に適したカリチェアミシンの例は、例えば米国特許第4671958号;米国特許第4970198号;米国特許第5053394号;米国特許第5037651号;および米国特許第5079233号(その内容を本明細書の一部とする)に開示されている。好ましいカリチェアミシンは、γカリチェアミシン誘導体またはN−アセチルγカリチェアミシン誘導体である。
【0062】
3.細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲート
本発明のコンジュゲートは式:
Pr(−X−W)m
[式中;
Prはタンパク質のキャリアであり;
Xはタンパク質のキャリアと反応できる何らかの反応基を有する生成物からなるリンカーであり;
Wは細胞傷害薬であり;
mは、カリチェアミシンがコンジュゲートの4〜10重量%を構成するように精製したコンジュゲーション生成物についての平均の負荷である;
(−X−W)mは細胞傷害薬である]
を有する。
【0063】
好ましくは、Xは式:
(CO−Alk−Sp−Ar−Sp−Alk−C(Z)=Q−Sp)
[式中;
AlkおよびAlkは、独立に、結合手または分枝したあるいは分枝していないアルキレン鎖であり;
Spは結合、−S−、−O−、−CONH−、−NHCO−、−NR−、−N(CHCHN−、または−X−Ar−Y−(CH)n−Zであり、−X−Ar−Y−(CH)n−Z中のX、YおよびZは、独立にて、結合手、−NR’−、−S−または−O−である;ただし、n=0ならばYおよびZのうち少なくとも一つは結合手でなければならず、Arは所望により一個、二個または三個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−CONHR、−(CH)nCOOR、−S(CH)nCOOR、−O(CH)nCONHRまたは−S(CH)nCONHRで置換される1,2−、1,3−または1,4−フェニレンであり、Alkが結合手であるとき、Spは結合手であり;
nは0から5までの整数であり;
は、所望により一個または二個の−OH、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、(C−C)ジアルキルアミノ、またはAが塩を完成させる医薬上許容される陰イオンであるような(C−C)トリアルキルアンモニウム−A基によって置換されてもよい分枝したまたは分枝していない(C−C)鎖である。
【0064】
Arは、所望により一個、二個または三個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−CONHR、−O(CH)nCOOR、−S(CH)nCOOR、−O(CH)nCONHRまたは−S(CH)nCONHRで置換される1,2−、1,3−または1,4−フェニレンであり、その式中でnおよびRは本明細書上文で定義したとおりであるか、またはArは1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,3−、2,6−または2,7−ナフチリジンまたは
【化1】

であり、それぞれのナフチリジンまたはフェノチアジンは、所望により一個、二個、三個または四個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−CONHR、−O(CH)nCOOR、−S(CH)nCOORまたは−S(CH)nCONHRで置換されており、式中のnおよびRは上で定義されたとおりである;ただし、ArがフェノチアジンであるときはSpは窒素と結合するだけの結合手であり;
Spは結合手、−S−または−O−である;ただし、Alkが結合手であるとき、Spは結合手であり;
【0065】
は、所望により一個、二個または三個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−ONHR、−O(CH)nCOOR、−S(CH)nCOOR、−O(CH)nCONHRまたは−S(CH)nCONHRで置換されるH、(C−C)アルキルまたはフェニルであり、式中でnおよびRは上で定義したとおりであり;
Spは、直鎖または分枝鎖の二価または三価の(C−C18)基、二価または三価のアリールまたはヘテロアリール基、二価または三価の(C−C18)シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基、二価または三価のアリールまたはヘテロアリール−アリール(C−C18)基、二価または三価のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル−アルキル(C−C18)基あるいは二価または三価の(C−C18)不飽和アルキル基であり、式中でヘテロアリールは好ましくはフリル、チエニル、N−メチルピローリル、ピリジニル、N−メチルイミダゾーリニル、オキサゾーリル、ピリミジニル、キノリル、イソキノリル、N−メチルカルバゾイル、アミノクマリニルまたはフェナジニルであり、式中でSpが三価の基ならば、Spはさらに低級(C−C)ジアルキルアミノ、低級(C−C)アルコキシ、ヒドロキシまたは低級(C−C)アルキルチオ基によって置換され得る;
Qは=NHNCO−、=NHNCS−、=NHNCONH−、=NHNCSNH−または=NHO−である。
【0066】
好ましくは、Alkは直鎖または分枝鎖の(C1−C10)アルキレン鎖であり;Spは結合手、−S−、−O−、−CONH−、−NHCO−、−NRであり、式中でRは本明細書上文で定義したとおりである;ただしAlkが結合手であるとき、Spは結合手であり;
Arは、所望により一個、二個または三個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−CONHR、−O(CH)nCOOR、−S(CH)nCOOR、−O(CH)nCONHRまたは−S(CH)nCONHRで置換される1,2−、1,3−または1,4−フェニレンであり、その式中でnおよびRは本明細書上文で定義したとおりであるか、またはArは1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,3−、2,6−または2,7−ナフチリジンであり、それぞれ所望により一個、二個、三個または四個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−CONHR、−O(CH)nCOOR、−S(CH)nCOOR、−O(CH)nCONHRまたは−S(CH)nCONHRで置換されていてもよく;
は、所望により一個、二個または三個の(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)チオアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、−COOR、−CONHR、−O(CH)nCOOR、−S(CH)nCOOR、−O(CH)nCONHRまたは−S(CH)nCONHRで置換されていてもよい(C−C)アルキルまたはフェニルであり;
AlkおよびSpは共に単結合であり;
SpおよびQは、まさに上で定義した通りである]
を有する。
【0067】
米国特許第5773001号(出典明示により本明細書の一部とする)は、求核性誘導体、特にヒドラジドおよびカリチェアミシンから調製される関連求核試薬と共に用いられ得るリンカーを開示する。これらのリンカーは、薬剤とリンカーの間に形成される結合が加水分解され得る時により高い活性が得られるような場合に特に有用である。これらのリンカーは二つの官能基を含む。一つの基は典型的にはキャリアと反応するのに利用するカルボン酸である。酸官能基は、適切に活性化すれば、例えば抗体または他のタンパク質キャリアの側鎖のリシンのアミンのような、キャリアの自由アミン基とアミド結合を形成し得る。他方の官能基は一般にはカルボニル基、すなわちアルデヒドまたはケトンであり、適当に修飾した治療薬と反応することを想定している。カルボニル基は、ヒドラゾン結合を形成するような薬剤のヒドラジド基と反応し得る。この結合は、標的細胞に結合した後コンジュゲートから治療薬を放出するのを考慮して、加水分解できる。
【0068】
本発明に利用するための最も好ましい二官能性のリンカーは4−(4−アセチルフェノキシ)酪酸(AcBut)であり、それは好ましい生成物をもたらし、ここに、コンジュゲートは、3−メルカプト−3−メチルブタノイルヒドラジドと反応させることによって機能化されたβ−カリチェアミシン、γ−カリチェアミシンまたはN−アセチルγ−カリチェアミシン、AcButリンカー、およびヒトまたはヒト化IgG抗体標的キャリアを含む。
【0069】
4.単量体コンジュゲート
カリチェアミシンを含めた多くの細胞傷害薬本来の疎水性によって、治療への適用に必要である十分な薬剤負荷と妥当な収率での、単量体薬剤コンジュゲートの調製が困難になる。米国特許第5773001号に開示されているAcButリンカーのようなリンカーによって形成された結合の疎水性が高まることは、治療薬をキャリア(抗体)から解離させる共有結合距離が大きくなることと共に、こうした問題を悪化させる。
高薬物負荷での細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートの凝集は、その薬剤の疎水性によって起こる。薬物負荷は、しばしば妥当な量の単量体生成物を得るために制限しなければならない。米国特許第5877296号記載のコンジュゲートを用いたような、いくつかの事例では、しばしば過度の凝集のために、米国特許第5053394号に開示されているような反応条件を用いて治療への適用に有用な負荷で有用な収率のコンジュゲートを合成することが難しい。これらの反応条件では、結合反応における共溶媒としてDMFを利用していた。それゆえに、凝集および原料の固有の損失なく、高薬物負荷/高収率を考慮した方法が必要となる。
【0070】
凝集を減少させるための改良法は、米国特許第5712374号および5714586号(出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている。それらの特許出願に開示されていることは、それだけには限定されないが、細胞傷害性治療薬を標的とするために用いられているヒトまたはヒト化抗体のようなタンパク質を含めたタンパク質キャリアであり、その細胞傷害性治療薬は例えばhP67.6および他の特許出願内で開示されているヒト化抗体である。それらの特許出願内で、(1)共溶媒としてのプロピレングリコールおよび(2)少なくとも一つのC−C18カルボン酸を含む添加剤を含む、非求核性、タンパク質融和性の、緩衝溶液を利用することによって、一般に、高薬物負荷/高収率で凝集が減少して非常によい活性を持った、単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートが生成することが分かった。それらの特許出願内で記述されている好ましい酸は、炭素数7ないし12の酸であり、最も好ましい酸は(カプリル酸のような)オクタン酸またはその塩であった。N−ヒドロキシコハク酸イミド(OSu)エステルまたは他の類似した活性化したエステルから作られたコンジュゲートに対する好ましい緩衝溶液は、リン酸塩緩衝塩類(PBS)または2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES緩衝液)であった。それらの結合反応に用いられる緩衝溶液は、遊離アミンまたは求核基を含むことはできない。他のタイプのコンジュゲートについては、許容される緩衝液はすぐに決定し得る。あるいは、追加の添加剤を用いないt−ブタノールを含む、非求核性、タンパク質融和性の、緩衝溶液を利用することによってもまた、高薬物負荷/高収率で凝集の減少した、単量体カリチェアミシン誘導体−キャリアコンジュゲートが生成することが分かった。
【0071】
単量体コンジュゲートを形成するために必要となる共溶媒の量は、タンパク質によって幾分異なり、過度の実験なしに当業者によって決定され得る。単量体コンジュゲートを効果的に形成するために必要となる添加剤の量はまた、抗体によっても異なる。この量もまた、過度の実験なしに当業者によって決定され得る。米国特許第5712374号および第5714586号において、体積で全溶液の10%から60%までの範囲の、好ましくは10%から40%までの、最も好ましくは約30%の量のプロピレングリコールの添加剤、および少なくとも一つのC−C18カルボン酸またはその塩、好ましくはカプリル酸またはその塩を、20mMから100mMまで範囲の量、好ましくは40mMから90mMまで、最も好ましくは約60mMから90mMまでの量結合反応系に加え、高薬物負荷/高収率で凝集を減らした上で単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートを生成した。プロピレングリコール以外の、エチレングリコール、エタノール、DMF、DMSOその他のような、他のタンパク質融和性有機共溶媒もまた、用いられ得た。その有機共溶媒の一部または全ては、 コンジュゲート混合物に薬物を移すために用いられた。
【0072】
あるいは、それらの特許出願において、C−C18カルボン酸またはその塩の濃度は、150ないし300mMまで増加でき、共溶媒は1ないし10%まで減少できた。一つの具体例としては、カルボン酸は、オクタン酸またはその塩であった。好ましい具体例としては、カルボン酸は、デカン酸またはその塩であった。他の好ましい具体例としては、カルボン酸は、カプリル酸またはその塩であり、5%のプロピレングリコールまたはエタノールと共に200mMの濃度のカプリル酸が存在していた。
特許出願における他のもう一つの具体例としては、全溶液の10容量%から25%までの範囲の、好ましくは15%の濃度のt−ブタノールを、結合反応系に加えて、高薬物負荷/高収率で凝集を減らした上で単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートを生成することができた。
【0073】
これらの確立された結合条件は、現在、ミロターグ(登録商標)として市販されているCMA−676(ゲムツズマブ オゾガマイシン)の形成に適用された。この治療法を急性骨髄性白血病(AML)に対して導入されて以来、イオン交換クロマトグラフィーの利用を通して、カリチェアミシンは抗体上に同一の様式で配置されているのではないということが分かってきた。ほとんどのカリチェアミシンはおよそ半分の抗体の上に存在し、一方残りの半分は少量のカリチェアミシンしか含まないLCFに存在している。結果として、カリチェアミシンのような細胞傷害薬は、凝集量を最小限にしてコンジュゲーション生成物の収率を有意に改良した上で一様な高薬物負荷を考慮したようなキャリアに結合する方法を改良する重大な必要性がある。
明確な例は、G5/44−NAc−γ−カリチェアミシンDMH−AcButコンジュゲートであり、CMCと呼ばれ、一般名で図17に示されている。LCFの量を全抗体の10%未満に減少させることは、CMC−545の開発にあたり望まれたことであり、LCFの量を減少させるための様々な選択肢が考慮されてきた。抗原結合および細胞傷害性のような免疫コンジュゲートの他の特性については、最終的な溶液によって影響されてはならない。考慮された選択肢として、抗体の遺伝的または物理的修飾、クロマトグラフィー分離技術または反応条件の修飾が挙げられる。
【0074】
旧反応条件(CMA−676工程条件)を用いてG5/44抗体をNAc−γ−カリチェアミシンDMHAcButOSuと反応させると、CMA−676に類似した物理的特性(薬物負荷、LCFおよび凝集)を持つ生成物が得られる。しかしながら、結合後に存在する高濃度(50−60%)のLCFは好ましくないものと考えられた。最適の反応条件は、温度、pH、カリチェアミシン誘導体投与量および添加剤の濃度のような、鍵となる反応の変数を評価した統計的実験計画方法論によって決定された。これらの実験の分析によって、カリチェアミシン投与量および添加剤の濃度はコンジュゲーションの低い画分(LCF)および凝集の形成量に最も重大な影響を持ち、一方温度およびpHは小さな影響しか与えないということが明らかになった。追加の実験において、タンパク質のキャリア(抗体)および共溶媒(エタノール)の濃度は、LCFおよび凝集量を抑制する上での重要性は同様に低い(カリチェアミシン投与量および添加剤の濃度と比較して)ということもまた示された。LCFを10%未満に減少させるために、カリチェアミシン誘導体投与量は、反応系の抗体の量と比較して3%から8.5%(重量比)まで増加させた。添加剤は、200mMの濃度のオクタン酸またはその塩(CMA−676工程)から、37.5mMの濃度のデカン酸またはその塩に変更した。結合反応は僅かに高くした温度(30−35℃)およびpH(8.2−8.7)でよりよく進行した。これらの変更点を組み込んだ反応条件で、LCFが10パーセント以下にまで低下し、一方カリチェアミシンの負荷は増加し、本明細書にてCMC−544工程条件または「新」工程条件と称される。CMC−676およびCMC−544工程条件で得られた結果を比較したものを表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
カリチェアミシン投与量の増加は、薬物負荷を2.5−3.0重量パーセントから7.0−9.0(最も典型的には7.5−8.5)重量パーセントまで増加させ、反応中のタンパク質凝集は増加させない。凝集およびLCFが減少するので、CMC−544工程条件は、より均質な生成物を与えた。CMC−544はマルチグラム抗体重量計での新しい結合手順によって、再現して調製できた。
前述の反応によって、抗体の濃度は1から15mg/mlの範囲で変化でき、例えばN−アセチルγ−カリチェアミシンDMHAcButOSuエステル(図17に示すコンジュゲートを作るのに用いられる)のような、カリチェアミシン誘導体は重量で抗体の約4.5−11%の範囲で変化する。共溶媒は、6から11.4%(体積基準)の濃度の範囲でよい結果が実証された、エタノールであった。反応は、PBS、HEPES、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)または他の融和性のpH8ないし9の緩衝剤中で、30℃から約35℃までの範囲の温度で、15分から24時間までの範囲の時間実行された。当業者は、他のタイプのコンジュゲートについての許容できるpH範囲をすぐに決定できる。様々な抗体において、前述の添加剤の組み合わせを僅かに変化させて使用することによって、薬物負荷および単量体コンジュゲート収率が改善する事が分かってきており、あらゆる特定のタンパク質のキャリアは、最前の結果を達成するために、厳密な条件または添加剤の選択にいくつかの小さな変化を必要とする可能性があることが分かった。
【0077】
5.コンジュゲートの精製および分離
結合反応に続いて、単量体コンジュゲートを、例えばサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)またはクロマトフォーカシングのような慣例的な方法によって、(タンパク質キャリアおよび遊離細胞傷害薬/カリチェアミシンのような)非結合反応物および/またはコンジュゲートの凝集体から分離してもよい。精製したコンジュゲートは単量体であり、通常4から10重量%までの細胞傷害薬/カリチェアミシンを含む。好ましい具体例としては、コンジュゲートは疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を用いて精製する。細胞傷害薬/カリチェアミシン−抗体コンジュゲート(CMC−676工程)の生成物の大規模製造に以前用いられていた工程において、使用された唯一の結合後の分離過程は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)であった。この工程は、凝集コンジュゲートの除去および調製における緩衝剤交換の達成に極めて効果的であるが、LCF含有量を減少させるのには効果がない。結果として、SECを基盤とした工程は、結合反応系の化学反応が最終生成物におけるLCF含有量を抑制することに完全に依存している。SECの他の不利な点は、カラムに注ぐ結合反応混合物の体積についての制限である(典型的には工程のカラム床体積の5%を越えない)。これは、所定の生成スペースに維持できる一回分の量(およびそれゆえに生成物容量)を厳しく制限する。最後に、SEC精製工程はまた、結合溶液を有意に希釈することになり、調製を達成可能にするために依存しているタンパク質の濃度に制約を与える。
【0078】
カリチェアミシン誘導体のように、細胞傷害薬が高い疎水性を持ち、コンジュゲートに用いられる場合、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、結合した抗体および結合していない抗体の効果的な分離を行うための好ましい候補である。HICはSECよりも三つの重要な利点をもたらす:(1)凝集と同様にLCF含有量も効果的に減少させることができる;(2)HICのカラム負荷容量は非常に高い;(3)HICは生成物の過度な希釈を防止する。
ブチル、フェニルおよびオクチルセファロース4ファーストフロー(Amersham Bioscienses,Piscataway,NJ)のような、大規模製造への利用に適したいくつかの高容量HIC媒体は、結合工程の後、単量体結合成分から効果的に非結合成分およびコンジュゲートの凝集体を分離することができる。
【0079】
6.組成物および処方
本発明はまた、本発明の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートを医薬上許容される賦形剤、希釈剤またはキャリアと共に混合することからなる、治療上または診断上の組成物/処方の調製法も提供する。
単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートは、治療上または診断上の組成物/処方において唯一の活性を持つ構成成分であってもよいし、または、例えば抗CD19、抗CD20、抗CD33、抗T細胞、抗IFNγまたは抗LPS抗体のような他の抗体成分、またはサイトカイン、成長因子、ホルモン、抗ホルモン、細胞傷害薬およびキサンチンのような非抗体成分を含めた他の活性を持つ構成成分が共に存在していてもよい。
癌のような増殖性疾患の治療に用いられ、本発明の細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートと共に用いてよいサイトカインおよび成長因子には、インターフェロン、インターロイキン2(IL−2)のようなインターロイキン類、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFを含む。
【0080】
癌のような増殖性疾患の治療に通例用いられ、本発明の細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートと共に用いてよいホルモンには、ジエチルスチルベストロールおよびエストラジオールのようなエストロゲン、テストステロンおよびハロテスチンのようなアンドロゲン、メガースおよびプロベラのようなプロゲスチン、およびプレドニゾン、デキサメタゾンおよびヒドロコルチゾンのようなコルチコステロイドを含む。
アンチエストロゲンすなわちタモキシフェン、アンチアンドロゲンすなわちフルタミド、および抗副腎試薬のような抗ホルモンは、癌のような増殖性疾患の治療に通例用いられ、本発明の細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートと共に用いてよい。
癌のような増殖性疾患の治療に通例用いられ、本発明の細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートと共に用いてよい化学療法薬/抗新生物薬は、それだけには限定しないが、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラスチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、メトトレキサート、ドキソルビシン、フルオロウラシル、エトポシド、タクソールおよびその様々な類似物、およびマイトマイシンを含む。
【0081】
組成物は、好ましくは、治療上有効量の本発明のコンジュゲートを含むべきである。本明細書で用いる「治療上有効量」という用語は、標的とする疾患または不調を治療、改善、予防するか、または検出可能な治療効果または予防効果を示すのに必要となる治療薬の量のことを指す。あらゆるコンジュゲートにおいて、治療上有効な用量は、最初は細胞培養アッセイまたは動物モデル、通常は齧歯類、ウサギ、犬、豚または霊長類のどちらかによって評価する。動物モデルはまた、投薬の適切な濃度の範囲および経路を決定するのにも用いてもよい。それからそのような情報は、ヒトにおける投薬の有用な用量および経路を決定するのに用いられ得る。
人間の患者に対する正確な有効量は、その病期の重篤さ、患者の全身の健康状態、年齢、患者の体重および性別、食事、投薬の時間および頻度、薬剤の組み合わせ、反応感受性および治療に対する耐性/応答に依存する。この量は日常的な試行によって決定でき、臨床医の判断の範疇である。一般に、有効用量は0.1mg/mから50mg/mまでであり、好ましくは0.4mg/mから30mg/mまで、より好ましくは2mg/mから9mg/mまでであり、用量はタンパク質のキャリアを基準として計算される。
組成物は、患者に単独で投薬してもよく、または他の試薬、薬剤またはホルモンと組み合わせて投薬してもよい。本発明の細胞傷害薬誘導体/抗体コンジュゲートを投与する用量は、治療する病気の性質、悪性リンパ腫または白血病、およびコンジュゲートが予防に用いられるかもしくは既存の病気の治療に用いられるかに依存する。
【0082】
投薬の頻度は、コンジュゲートの半減期および薬効の持続時間に依存するであろう。コンジュゲートが短い半減期(例えば2ないし10時間)を持つならば、一日一回またはそれ以上の投薬が必要となる可能性がある。あるいは、コンジュゲート分子が長い半減期(例えば2ないし15時間)を持つならば、一日一回、一週間に一回あるいは1または2ヶ月に一回しか投薬する必要がない可能性すらある。
組成物は、抗体コンジュゲートの投薬に対する医薬上許容されるキャリアもまた含んでいてもよい。キャリアは、抗体の生成物を、組成物を投薬された人間にとって有害なものに誘導するべきではなく、毒であるべきでない。適当なキャリアはタンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、アミノ酸重合体、アミノ酸共重合体および不活性ウイルス粒子のように大きく、ゆっくりと代謝される高分子であってよい。
医薬上許容される塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩および硫酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩および安息香酸塩のような有機酸塩が用いられ得る。
【0083】
これらの組成物中の医薬上許容されたキャリアは、さらに水、食塩水、グリセロールおよびエタノールのような液体を含んでいてもよい。加えて、湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝物質のような補助物質が、そのような組成物に存在していてもよい。そのようなキャリアによって、組成物が患者による経口摂取のために、錠剤、丸薬、ドラジェ、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリーまたは懸濁液として処方することができる。
好ましい投薬の形態には、例えば注射または輸液、例えばボーラス注射または継続的輸液のような非経口的投薬に適した形態も含める。生成物が注射または輸液のためのものである場合、油性または水性の溶媒中の懸濁液、溶液または乳液の形態で服用してよく、懸濁剤、保存剤、安定剤および/または分散剤のような処方薬を含んでいてもよい。
【0084】
緩衝液処理したコンジュゲートの安定性は、短期の安定には十分であるけれども、長期の安定性は乏しい。コンジュゲートの安定性を高め、貯蔵寿命を増加させるために、抗体−薬剤コンジュゲートは冷凍乾燥して、使用前に適当な無菌の液体を用いて復元するための乾燥した形態としてもよい。タンパク質溶液の冷凍乾燥に関連した問題は、十分に立証されている。二次構造、三次構造、四次構造の損害は凍結および乾燥工程中に起こり得る。結果として、凍結防止剤は、コンジュゲートの不定形の安定剤として作用し、冷凍凍結工程中にタンパク質の構造の健全さを維持することを包含していなくてはならない可能性がある。一つの具体例として、本発明に有用な凍結防止剤は、アルジトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ポリエチレングリコールおよびそれらの組み合わせのような糖アルコールである。他の具体例として、凍結防止剤は、アルドン酸、ウロン酸、アルダン酸およびそれらの組み合わせを含めた糖酸である。
【0085】
本発明の凍結防止剤はまた、炭水化物であってもよい。適当な炭水化物は、二個またはそれ以上のヒドロキシル基を含むアルデヒドまたはケトン組成物である。炭水化物は環状または鎖状であってもよく、例えば、アルドース、ケトース、アミノ糖、アルジトール、イノシトール、アルドン酸、ウロン酸またはアルダン酸またはそれらの組み合わせを含める。炭水化物はまた、例えば二糖類または多糖類のような、モノ、ジまたはポリ炭水化物であってもよい。適当な炭水化物には、例えば、グリセルアルデヒド、アラビノース、リキソース、ペントース、リボース、キシロース、ガラクトース、グルコース、ヘキソース、イドース、マンノース、タロース、ヘプトース、グルコース、フルクトース、グルコン酸、ソルビトール、ラクトース、マンニトール、メチルα−グルコピラノシド、マルトース、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、ラクトン、ソルボース、グルカル酸、エリトロース、トレオース、アラビノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、タガトース、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、スクロース、トレハロースまたはノイラミン酸、またはそれらの誘導体を含む。適当なポリ炭水化物には、例えば、アラビナン、フルクタン、フカン、ガラクタンガラクツロナン、グルカン、マンナン、(例えばイヌリンのような)キシラン、レバン、フコイダン、カラゲーニン、ガラクトカロロース、ペクチン、ペクチン酸、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、デキストラン、プスツラン、キチン、アガロース、ケラチン、コンドロイチン、デルマタン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キサンゴムまたは澱粉を含める。特に有用な炭水化物はスクロース、グルコース、ラクトース、トレハロースおよびそれらの組み合わせである。スクロースは特に有用な凍結防止剤である。
【0086】
好ましくは、本発明の凍結防止剤は炭水化物または糖アルコールであり、それらは多価のアルコールであってよい。多価の組成物は、一つ以上のヒドロキシル基を含む組成物である。好ましくは、多価の組成物は鎖状である。適当な組成物には、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなグリコール、グリセロールまたはペンタエリトリトール;またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの好ましい具体例としては、凍結防止剤はスクロース、トレハロース、マンニトールまたはソルビトールである。
一旦処方されると、本発明の組成物は、直接患者に投薬できる。治療される患者は動物であってもよい。しかしながら、組成物はヒトの患者への投薬に適していることが好ましい。
【0087】
本発明の組成物は、それだけには限定されないが、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、脊髄内、鞘内、心室内、経皮、皮膚を介する(PCT出版No.WO98/20734参照)、皮下、腹膜内、鼻腔内、腸内、局所、舌下、膣内または直腸内経路を含めたいくつかの経路によって、投薬してよい。ハイポスプレーはまた、本発明の組成物を投薬するのに用いてもよい。典型的には、組成物は、液状の溶液または懸濁液のいずれかであるような、注射可能物質として調製してよい。注射に先立って液状の溶媒に溶解または懸濁するのに適した固体もまた調製してよい。
組成物の直接輸送は、一般に注射、皮下、腹膜内、静脈内または筋肉内によって達成されるか、または組織の間質空間に輸送される。組成物はまた、病変に投薬する事もできる。投薬療法は、一回投与日程または複数回投与日程でもよい。
本組成物中で活性のある構成成分が細胞傷害薬/タンパク質キャリアコンジュゲートであることは高く評価されるだろう。それ自体は、腸管内で劣化を受けやすいであろう。よって組成物を腸管を用いる経路で投薬したいならば、組成物はコンジュゲートを劣化から保護する試薬を含むが、一旦腸管から吸収されるとコンジュゲートを放出する必要があるであろう。
【0088】
医薬上許容されるキャリアについての徹底的な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company,N.J.1991)で得られる。
本発明は、表面にCD22抗原を発現している細胞によって特徴づけられる増殖性疾患の治療のために、特に単量体カリチェアミシン誘導体/ヒト化抗CD22抗体(G5/44)、CMC−544を提供する。
本発明は、CD22を発現している細胞によって特徴づけられる増殖性疾患の治療のための組成物または医薬の製造におけるCMC−544の使用をさらに提供する。
CMC−544はまた、本明細書で開示している組成物または医薬で治療される患者に存在している、CD22を発現する細胞の量を減少させることが望まれるあらゆる治療法において、利用されてもよい。特に、組成物または医薬は、細胞表面にCD22抗原を発現している増殖性疾患、すなわちリンパ腫および白血病の人間または動物の治療のために用いてもよい。これらのCD22発現細胞は、体内を循環していてもよく、または体内の特定の部位に望ましくないほど体内に局在して存在してもよい。
【0089】
CMC−544はまた、好ましくは、リンパ腫および白血病を含めたBリンパ細胞系統の悪性腫瘍の治療に対して、最も好ましくは、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、多発性骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)および慢性リンパ性白血病(CLL)の治療に対して用いられてよい。CMC−544は単独で用いられるか、またはB細胞悪性腫瘍に罹患している患者を治療するための他の生物活性試薬と組み合わせて用いられる可能性がある。
【0090】
通常用いられる生物活性試薬には、成長因子、サイトカインおよび細胞傷害薬を含む。癌のような増殖性疾患の治療のために通常用いられ、CMC−544と共に用いてよい生物活性試薬には、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシンのようなアントラサイクリンを三日間まで;およびシタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリジン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリンのようなピリミジンまたはプリンヌクレオシドを含める。CMC−544と共に組み合わせて投薬してもよい他の化学療法薬/抗新生物薬には、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソールおよびその様々な類似物およびマイトマイシンを含む。CMC−544は、一つまたはそれ以上のこれらの治療薬と同時に投薬してよい。あるいは、CMC−544は、一つまたはそれ以上のこれらの治療薬に続いて投薬してよい。
【0091】
CMC−544はまた単独で、成長因子、サイトカイン、ステロイド、抗CD20抗体であるリツキシマブ(リツキサン(登録商標))のような抗体のような他の生物活性試薬、および治療養生法の一部として化学療法薬の組み合わせと同時に、あるいはそれに続いて投薬してもよい。悪性のリンパ組織増殖性疾患の治療に対して確立された治療養生法には、CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)、ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)、ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)、MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)、MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)、ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)、MOPPをABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびビンブラスチン)と交替で、MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)をABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交替で、およびChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)を含む。治療法は、誘導療法段階、合同療法段階および維持療法段階からなっていてもよい。CMC−544はまた単独で、誘導療法段階、合同療法段階および維持療法段階の一部として上で同定したあらゆる治療養生法と同時に、またはそれに続いて投薬してよい。
【0092】
本発明のコンジュゲートはまた、再発した浸潤性のリンパ腫の治療に対する組み合わせ化学治療養生法の一部として、他の生物活性試薬および化学治療薬と共に投薬してよい。そのような治療養生法には、IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)、MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)、DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)、ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)、EPOCH(エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンを96時間シクロホスファミドの丸薬投与、およびブレドニゾン経口投与)、CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)、CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)、CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)、CEPP−B(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジンおよびブレオマイシン)およびP/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)を含む。浸潤性のリンパ腫の治療に対するさらなる治療養生法には、段階1にCHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)−リツキシマブ(リツキサン(登録商標))−CMC544での治療を第1線に、続いて段階2および段階3にCHOP−リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、CHOP−CMC−544またはCHOP−リツキシマブ(リツキサン(登録商標))−CMC544での治療を含む。あるいは、段階1は、COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)−リツキシマブ(リツキサン(登録商標))−CMC−544での治療を第1線に持ち、続いて段階2および段階3にCOP−リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、COP−CMC−544またはCOP−リツキシマブ(リツキサン(登録商標))−CMC−544を持つ。さらなる具体例としては、浸潤性のリンパ腫の治療は、段階1に抗体薬物コンジュゲートCMC−544での治療を第1線または第2線に、続いて段階2および段階3にCMC−544およびCHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、CMC−544および、COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、CMC−544をリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と共に、またはリツキシマブ(リツキサン(登録商標))単独での治療を含む。さらに他の具体例としては、浸潤性のリンパ腫の治療には、抗体薬物コンジュゲートCMC−544での治療を第1線に、続いて段階2および段階3にCMC−544単独または、それだけには限定しないが、ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)、EPOCH(エトポシド、ビンクリスチン、ドキソルビシンを96時間シクロホスファミドの丸薬投与、およびブレドニゾン経口投与)、IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)、ASHAP(アドリアマイシン、ソルメドロール、Ara−C、およびシスプラチン)、MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)およびICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)を含めた他の治療養生法との組み合わせでの治療を含む。この出願に記載の化学療法養生法、投薬その他を含めた悪性腫瘍の化学療法に用いられる様々な細胞傷害薬の詳細は、Cancer PrincipleおよびPractice of Oncology、Eds.Vincent T.DeVita、Samuelo Hellmann、Steven A.Rosenberg、6thEdition、Publishers:Lippincott、WilliamおよびWilkins(2001)、およびPhysician’s Cancer Chemotherapy Drug Mannual、Eds.Edward ChuおよびVincent T.Devita、Publishers:JonesおよびBartlett(2002)にみられる。
【0093】
本発明はまた、CD22を発現している細胞で特徴づけられる増殖性疾患に罹患しているもしくはその危険性があるヒトまたは動物の患者を治療する方法、すなわち有効量の本発明のCMC−544を患者に投薬することを含む方法を提供する。
本発明は、さらに特に有効な例について以下で記述しているが、本発明の範疇を限定することなく本発明をさらに記述することを意図している。
【実施例】
【0094】
実施例1
候補の抗体の生成
CD22に対する抗体の試料は、次の選択基準:ダウディ細胞への結合、ダウディ細胞への取り込み、末梢血単核細胞(PBMC)への結合、PBMCへの取り込み、親和性(10−9Mより高い)、マウスγ1および生成速度を用いて、ハイブリドーマから選ばれた。5/44が好ましい抗体として選ばれた。
【0095】
I.遺伝子クローニングおよびキメラ5/44抗体分子の発現
a)5/44ハイブリドーマ細胞の調製およびそれからのRNAの調製
ハイブリドーマ5/44は、ヒトCD22タンパクによるマウスの免疫化に続いて、従来のハイブリドーマ技術によって生成した。RNAは、5/44ハイブリドーマ細胞からRNEasyキット(Qiagen、Crawley、イギリス;カタログナンバー74106)を用いて調製した。得られたRNAは、以下に記述したようにしてcDNAに逆転写した。
【0096】
b)NHL腫瘍中でのCD22の分布
5/44抗CD22モノクローナル抗体を用いて染色の有無および分布を検査するために、免疫組織化学研究に着手した。対照群の抗CD20および抗CD79a抗体は、腫瘍のB細胞領域を確認するために、研究に加えた。
総数50の腫瘍が研究され、これらをワーキングフォーミュレーションおよびREAL分類体系を用いて次のように分類した。
・7個 Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫(高悪性度/I)
・4個 B細胞/小リンパ球性リンパ腫(低悪性度/A)
・3個 リンパ形質細胞腫/免疫細胞腫(低悪性度/A)
・1個 マントル細胞(中悪性度/F)
・14個 濾胞中心リンパ腫(低〜中悪性度/D)
・13個 瀰漫性大細胞型リンパ腫(中〜高悪性度/G、H)
・6個 分類不能(K)
・2個 T細胞リンパ腫
40個のB細胞リンパ腫は、0.1μg/mlの5/44抗体を用いて、CD22抗原陽性であり、濃度を0.5μg/mlまで増加させると、さらに6個が陽性となった。残りの0.1μg/mlで陰性の2個のB細胞腫瘍については、より高濃度で検査するために十分な組織が残っていなかった。しかしながら、6/13と呼ばれ、5/44より強く染色する他の抗CD22抗体で検査した対照群は、48個のB細胞リンパ腫全てがCD22染色陽性となった。
従って、CD22抗原はB細胞リンパ腫に広範に発現し、それゆえにNHLにおける免疫療法についての適当な標的を提供すると結論できる。
【0097】
c)5/44VおよびVのPCRクローニング
5/44重鎖および軽鎖の可変領域を指定するcDNA配列は、完全RNA中に存在するmRNAの一本鎖cDNAコピーを生成するための逆転写酵素を用いて合成した。それからこれは、特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってネズミのV領域配列を増幅するための鋳型として用いられる。
【0098】
i)cDNA合成
cDNAは、次のような試薬:50mMTris−HClpH8.3、75mMKCl、10mMジチオトレイトール、3mMMgCl、0.5mMのdATP、dTTP、dCTPおよびdGTP、20単位のRNAsin、75ng無作為ヘキサヌクレオチドプライマー、2μg5/44RNAおよび200単位マロニーネズミ白血病ウイルス逆転写酵素を含んだ20μlの反応体積で合成した。42℃で60分間インキュベートした後、95℃で5分間加熱して反応を終結させた。
【0099】
ii)PCR
等分したcDNAを、重鎖および軽鎖に特異的なプライマーの組み合わせを用いて、PCRにかけた。保存された一本鎖ペプチドの配列とアニールする予定の変性したプライマープールは、先頭部のプライマーとして用いられた。これらの配列は全て、順番に、5’末端から始まる7ヌクレオチドである制限部位(VSful;VHindIII)、生じたmRNAを最善の形で翻訳させる配列GCCGCCACC(配列番号:50)、開始コドンおよび既知のマウス抗体(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest 第5版、1991、アメリカ 保険・福祉省、公衆衛生局、国立衛生研究所)の先頭ペプチド配列を基にした20−30ヌクレオチドを含む。
3’プライマーは、抗体のフレームワーク部の4個のJ−C結合を連結する事を企図しており、VPCR断片のクローニングを促進する酵素BsiWlに対する制限部位を含む。重鎖3’プライマーは、抗体のJ−C結合を連結する事を企図した混合物である。3’プライマーは、クローニングを促進するApal制限部位を含む。プライマーの3’領域は、既知のマウス抗体(Kabatら、1991、上記)にみられる配列を基にした混合配列を含む。
【0100】
上記のプライマーを組み合わせることによって、VおよびVについてのPCR生成物を、キメラ(マウス−ヒト)重鎖および軽鎖を生成するための適切な発現ベクター(下文参照)に直接クローニングでき、これらの遺伝子を哺乳類の細胞で発現して望ましいアイソタイプのキメラ抗体を生成できる。
PCRの培養(100μl)は、次のように計画した。それぞれの反応系は、10mMのTris−HClpH8.3 、1.5mMのMgCl、50mMのKCl、0.01%(重量/体積)のゼラチン、0.25mMのdATP、dTTP、dCTPおよびdGTP、10ピコモルの5’プライマー混合物、10ピコモルの3’プライマー、1μlのcDNAおよび1単位のTaqポリメラーゼを含む。反応系を95℃で5分間インキュベートし、その後94℃で1分、55℃で1分および72℃で1分のインキュベートを繰り返した。30回繰り返した後、等分した各反応系をアガロースゲルでの電気泳動によって分析した。
【0101】
重鎖V領域について、増幅したDNA生成物は、フレームワークIの開始部の範囲にアニールしているプライマープールがシグナルペプチドプライマーと置き換わった時にのみ、得られた。断片は、DNA配列決定ベクターにクローニングした。DNA配列を決定し、翻訳してアミノ酸配列を推定した。推定したアミノ酸配列を、実験に基づいて決定したN末端のタンパク質配列と照合することによって検証した。図1は、マウスモノクローナル抗体5/44のCDRのアミノ酸配列を示す。図2および図3は、それぞれマウスモノクローナル抗体5/44の、成熟した軽鎖および重鎖V領域のDNA/タンパク質配列を示す。
【0102】
iii)PCR断片の分子クローニング
ネズミのV領域配列を、その後発現ベクターpMRR10.1およびpMRR14(図7および8)にクローニングした。これらは、ヒトκ軽鎖およびヒトγ−4重鎖の定常部をコードするDNAを含んだ軽鎖および重鎖を発現するためのベクターである。V領域を、SfulおよびBsiWl制限部位を用いて、配列決定ベクターから制限消化および連結によって発現ベクターにサブクローンして、プラスミドpMRR10(544cL)(図8)を創作した。クローニング戦略−異なった集団内のハイブリドーマ(162と呼ばれる)由来のマウス重鎖抗体先頭部を用いた−では得られなかったので、重鎖DNAを5’プライマーを用いてPCRで増幅し、シグナルペプチドを導入した。5’プライマーは、次の配列:5’GCGCGCAAGCTTGCCGCCACCATGGACTTGGATTCTCTCTCGTGTTCCTGGCACTCATTCTCAAGGGAGTGCAGTGTGAGGTGCAGCTCGTCGAGTCTGG3’(配列番号:51)を持つ。
反対のプライマーは、元のV遺伝子クローニングに用いられるものと同一であった。生じたPCR生成物を酵素HindIIIおよびApalで消化し、サブクローニングし、そのDNA配列を確認し、プラスミドpMRR14(544cH)(図7)を創作した。両発現ベクターをCHO細胞に瞬間的に共感染させることによって、キメラc5/44抗体を生成した。これは、製造業者のプロトコール(InVitrogen:Life Technology、Groningen、オランダ カタログナンバー11668−027)に従って、リポフェクタミン試薬を用いて達成される。
【0103】
II.グリコシル化部位および反応性リシン
潜在的なN−結合グリコシル化部位は、アミノ酸配列N−Y−T(図3)を持つCDR−H2にみられる。5/44のゲルおよびその断片(Fabを含む)の、SDS−PAGE、ウエスタンブロッティングおよび炭水化物染色によって、この部位が実際にグリコシル化されていることが示された(図は示していない)。それに加えて、リシン残基は、抗体が結合する可能性がある試薬と結合するための追加の部位を提供することによって、抗体の結合親和性を低下させる可能性のある、CDR−H2の中の露出した部位にみられた。
PCR戦略は、図4に示すように、グリコシル化部位および/または反応性リシンを除去することを試みて、CDR−H2にアミノ酸置換基を導入するために用いられた。変異体N55Q、T57AまたはT57Vをコードする先頭部のプライマーはグリコシル化部位(図4)を除くために用いられ、置換基K60Rを含む先頭から4番目のプライマーは、反応性リシン残基の除去を起こした。フレームワーク4反対側プライマーは、これらそれぞれのPCR増幅に用いられた。PCR生成物を酵素XbalおよびApalで消化し、これらの変異体をコードする発現プラスミドを生成するためにpMRR(544cH)に挿入した(XbalおよびApalによる開裂も)。N55Q、T57AおよびT57V変異体は、グリコシル化部位を、アミノ酸を変化させて共通配列N−X−T/Sを解離させることによって除去し、一方K60R変異体は、潜在的な反応性リシンを同様の陽電荷を持つアルギニンに置き換える。生じたcH変異プラスミドは、cLプラスミドと共感染して発現したキメラ抗体変異体を生成した。
【0104】
III.キメラ遺伝子の活性の評価
キメラ遺伝子の活性は、CHO細胞への瞬間的感染およびバイアコア分析による親和性定数の決定に従って評価した。
グリコシル化部位または反応性リシンを除去した、キメラ5/44またはその変異体の親和性を、CD22−mFc構造との結合についてBIAを用いて調査した。結果を図9に示す。全ての結合の測定を、商標バイアコア2000機器(Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、スウェーデン)で実行した。このアッセイは、固定した抗マウスFcを介してCD22mFcを補足することにより実行した。抗体は可溶層に存在した。試料、標準細胞、対照群(50μl)に、固定した抗マウスFc、続いて可溶層に存在する抗体を、繰り返し注入した。各周期の後、30μl/分で50μlの40mMHClを加えて表面を再生した。運動性分析は、BIA評価3.1ソフトウェア(Pharmacia)を用いて行った。
【0105】
構造体T57A中のグリコシル化部位を除去することによって、キメラ5/44と比較して僅かに速い活性化速度および著しく遅い不活化速度となり、親和性が約5倍に向上した。N55Q変異は親和性に影響を与えなかった。この結果は、炭水化物自体の除去が(N55Qの変化と同じように)結合に影響を与えないであろうということを示唆し、予期しないものであった。親和性の向上は、T57Aの変化によってのみみられる。一つの可能性のある説明としては、炭水化物の存在に関わらず、57位のトレオニンはトレオニンからアラニンへの変化で除去される結合に負の影響を与えるということである。アラニンの大きさが小さいことが重要であり、トレオニンによる負の影響はその大きさに関係しているという仮説は、T57変異体を用いて得られた結果:57位をバリンで置換することは有益でない、によって支持される(結果は示していない)。
K60R変異体によってリシン残基を除去すると、親和性に中立的影響を与える、すなわちアルギニン残基を導入すると、親和性を損なうことなく潜在的反応部位が除去される。
グリコシル化部位の除去および潜在的反応性リシン残基の除去についての変異は、それゆえに共にヒト化計画に含まれる。
【0106】
実施例2
5/44のCDR移植
5/44抗体の重鎖および軽鎖の可変領域に関する遺伝子の分子クローニング、およびキメラ(マウス/ヒト)5/44抗体を生成するためのその使用は、上で記述してきた。マウス5/44VおよびV領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、それぞれ図2および図3に示す(配列番号:7および8)。この実施例では、Adairらの方法(PCT公開番号WO91/09967)に従った、ヒトにおける潜在的な免疫原性を低下させるための、ヒトのフレームワークへの5/44抗体のCDR移植を記載する。
【0107】
I.5/44軽鎖のCDR移植
ヒトのサブグループIκ軽鎖V領域の共通配列と提携しているタンパク質配列は、64%の配列の同一性を示した。結果として、CDR移植軽鎖の構成について、選ばれるアクセプターフレームワーク領域は、ヒトVKサブグループI生殖細胞系O12、DPK9配列のものに一致していた。フレームワーク4アクセプター配列は、ヒトJ領域生殖細胞系配列JK1に由来した。
ネズミ5/44のフレームワーク領域のアミノ酸配列およびアクセプター配列の比較を図5に記載し、ドナーおよびアクセプター鎖の間に27の相違点が存在することを示す。それぞれの位置について、ネズミ残基の抗原結合に寄与する潜在的能力が、直接的または間接的に、パッキングまたはV/V相互作用領域に影響を与えるという分析がなされた。ネズミ残基が重要でヒトの残基と大きさ、極性または電荷の点で十分に異なっていると考えられたならば、そのネズミの残基は保持された。この分析に基づいて、配列番号:19および配列番号:20(図5)で与えられる配列を持つCDR移植軽鎖の二つの型が、構築された。
【0108】
II.5/44重鎖のCDR移植
5/44重鎖のCDR移植は、軽鎖に対して記述したのと同じ戦略を用いることでなされた。5/44重鎖のV領域は、サブグループIに所属するヒトの重鎖と相同であることが判明し(70%の配列が同一)、それゆえに、ヒトサブグループI生殖細胞系フレームワークVH1−3、DP7がアクセプターフレームワークとして用いられた。フレームワーク4アクセプター配列は、ヒトJ領域生殖細胞系配列JH4に由来した。
5/44重鎖のフレームワークとの比較を図6に示したが、そこから5/44重鎖はアクセプター配列と22位において異なるということが分かる。これらがなし得る抗原結合に対する寄与を分析することによって、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26および配列番号:27で与えられる配列を持った、5つの型のCDR移植重鎖が構築された(図6)。
【0109】
III.移植配列についての遺伝子の構築
遺伝子は移植した配列gH1およびgL1をコードするように設計され、一連の一部重複したオリゴヌクレオチドが設計、構築された(図10)。PCR組み立て技術は、CDR移植V領域遺伝子を構築するのに用いられた。100μlの反応体積には、10mMのTris−pH8.3、1.5mMのMgCl、50mMのKCl、0.001%ゼラチン、0.25mMのdATP、dTTP、dCTPおよびdGTP、1ピコモルの各「内部」プライマー(T1、T2、T3、B1、B2、B3)、10ピコモルの各「外部」プライマー(F1、R1)および1単位のTaqポリメラーゼ(AmpliTaq、Applied BioSystem、カタログナンバーN808−0171)を含むようにした。PCR周期のパラメーターは、94℃で一分、55℃で一分および72℃で一分を30周期であった。その後反応生成物を1.5%アガロースゲル上に流し込み、QIAGENスピンカラム(QIA急速ゲル抽出キット、カタログナンバー28706)を用いて、抽出して回収した。DNAは体積にして30μlが抽出された。その後gH1およびgL1DNAを等分したもの(1μl)を、製造業者の指示に従って、InVitrogen TOPO TAクローニングベクターpCR2.1TOPO(カタログナンバーK4500−01)にクローニングした。この非発現ベクターは、大量のクローンの配列の決定を容易にするクローニング中間生成物として有用であった。ベクター特異的プライマーを用いたDNA配列決定は、gH1およびgL1を含めた、pCR2.1(544gH1)およびpCR2.1(544gL1)プラスミドを創作する正確なクローンを同定するのに利用された(図11および12)。
【0110】
オリゴヌクレオチドカセット置換法は、ヒト化移植gH4、5、6および7、およびgL2を創作するのに用いられた。図13はオリゴヌクレオチドカセットの設計図を示す。各変異体を構築するために、pCR2.1(544gH1)またはpCR2.1(544gL1)を、示した制限酵素によって切断した(重鎖のXmal/Sacll、軽鎖のXmal/Bstll)。大きいベクター断片は、アガロースでゲル精製し、オリゴヌクレオチドカセットとの連結に用いられた。これらのカセットは、二つの相補的なオリゴヌクレオチドから構成されていて(図13に示す)、12.5mMのTris−HClpH7.5、2.5mMのMgCl、25mMのNaCl、0.25mMジチオエリトリトール体積200μlに0.5ピコモル/μlの濃度で混合される。アニーリングは、水浴(体積500μl)中で95℃まで3分間加熱し、その後反応系が室温までゆっくり冷却されるようにすることによってなされた。アニーリングしたオリゴヌクレオチドカセットを、その後適切に切断ベクターと連結する前に水に10倍に希釈した。DNA配列決定は、pCR2.1(544gH1)およびpCR2.1(544gL1)プラスミドを創作する、正確な配列を確認するために用いられた。実証された移植配列を、その後、発現ベクターpMRR14(重鎖)およびpMR10.1(軽鎖)にサブクローニングした。
【0111】
IV.CDR移植配列のCD22結合活性
移植した変異体をコードするベクターは、元々のキメラ抗体鎖と共に、様々な組み合わせでCHO細胞に共感染した。結合活性は、競合アッセイにおいて比較され、元々のマウス5/44抗体の結合をラモス細胞(ATTCから得られる、表面CD22を発現するバーキットリンパ腫のリンパ芽球ヒト細胞系)に対する結合について競合させた。このアッセイは、細胞表面のCD22を結合する能力について、移植片を比較する最善の方法と考えられた。結果は図14および図15に示す。見て分かるように、全ての移植片の間には非常にわずかな違いしかなく、それらは全てネズミの親に対する競合において、キメラよりも効果的に作用した。3つの追加のヒト残基をCDR−H3の末端に導入しても(gH5およびgH7)、結合に影響は与えないようであった。
【0112】
最小数のネズミの残基を組み合わせた移植片gL1gH7が選ばれた。軽鎖移植片gL1は、6個のドナー残基を持つ。残基V2、V4、L37およびQ45は、潜在的に重要なパッキング残基である。残基H38は、V/V相互作用領域にある。残基D60は、CDR−L2に近接した表面残基であり、直接抗原結合に寄与する可能性がある。これらの残基のうち、V2、L37、Q45およびD60は、他のサブグループのヒトκ遺伝子の生殖細胞系の配列に見られる。重鎖移植片gH7は4個のドナーフレームワーク残基を持つ(残基R28はCDR移植に用いられる構造定義の下でCDR−H1の一部と考えられる(Adairら、(1991)、PCT出願第WO91/09967号参照))。残基E1およびA71はCDRに近接した表面残基である。残基I48は潜在的なパッキング残基である。残基T93はV/V相互作用領域に存在する。これらの残基のうち、E1およびA71はヒトのサブグループIの他の生殖細胞系の遺伝子に見られる。残基I48は、ヒトの生殖細胞系サブグループ4に見られ、T73はヒトの生殖細胞系サブグループ3に見られる。
【0113】
ベクターによって提供される定常部遺伝子の中にあるイントロンのおおよその位置を含めた、軽鎖および重鎖の両方の完全なDNAおよびタンパク質配列は図16に示され、軽鎖についてはそれぞれ配列番号:29および配列番号:28で与えられ、重鎖についてはそれぞれ配列番号:31および配列番号:30で与えられる。
これら軽鎖および重鎖の遺伝子をコードするDNAは、これらのベクターから削除された。重鎖DNAは5’HindIII部位で消化され、その後イー・コリ(大腸菌)DNAポリメラーゼIのKlenow断片で処理され、5’平滑末端を形成した。3’EcoRI部位での開裂によって、精製されてアガロースゲルから重鎖断片が生じた。同様にして、5’Sful部位で平滑で、3’EcoRI部位を持つ軽鎖が生成した。両フラグメントは、発現ベクターに基づいたDHFRにクローニングされ、CHO細胞中の安定した細胞系を生成するのに用いられた。
【0114】
実施例3
NAc−γカリチェアミシンDMHACBUTのヒト化抗CD22抗体(G5/44)への結合
典型的な結合反応において、ヒト化抗CD22抗体(G5/44)は、NAc−γカリチェアミシンDMHAcButOSu(カリチェアミシン誘導体)に結合し(図17参照)、その目標タンパク質濃度は7.5mg/mlであり、目標カリチェアミシン誘導体負荷は重量でタンパク質の8.5%であった。目標反応pHは8.5±0.2であり、他の反応組成物の目標濃度は次の通りであった:50mMのN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、37.5mMデカン酸ナトリウム、および体積比9%の完全なエタノール。反応は33±2℃で1時間行った。精製に先立ったこの典型的な反応の分析の結果は次の通りだった:タンパク質:7.34mg/ml;カリチェアミシン負荷:82.7μg/mg;凝集:93.25%;および非結合タンパク質(LCF):1.07%(UV Area%HPLCによる)
様々な界面活性剤添加剤の効果および生成物の収率および純度に対するそれらの濃度を検査して、コンジュゲート単量体の生成に対するそれらの影響を決定した(表2参照)。反応は、添加剤とその濃度を除いて全てが一定に保たれて行われた。これらの反応から生成されるコンジュゲートを、タンパク質濃度、カリチェアミシン負荷、凝集量およびLCFについて分析した。C(ヘキサン酸塩)からC12(ドデカン酸塩)までの範囲の全てのn−カルボン酸は許容できる結果が得られたけれども、全てにおいて最高の結果(低LCF、低凝集および単量体コンジュゲートの高回収率)は、30mMから50mMまでの範囲の濃度のデカン酸によって得られた。
【0115】
【表2】

【0116】
実施例4
クロマトグラフィー精製工程
I.クロマトグラフィー分離工程
ブチルセファロース4ファーストフローは、最高のHICの媒質として認められたけれども、許容できる結果は、オクチルセファロース4ファーストフロー、PPG−600C(Tosoh Biosep)、Fractogel EMDプロピル(EM Processing)およびSource15ISO(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)のような他の樹脂を用いたクロマトグラフィー条件でも、わずかに修正を加えて、得ることができる。
精製の出発物質は、カリチェアミシン誘導体負荷が83μg/mgで、凝集量が10.1%(エリアパーセント HPLCによる)およびLCF含有量が5.6%(エリアパーセント HPLCによる)である7.2mg/mLのタンパク質を含む結合反応混合物であった。
結合反応が完結した後、反応混合物はリン酸カリウム溶液を加えて4倍に希釈され、最終的な燐酸濃度が0.7Mとなった(pH8.2)。混合した後、この溶液を0.45ミクロンフィルターによって濾過した。希釈した溶液をブチルセファロース4ファーストフローカラムに負荷した。カラムに負荷したタンパク質の総量はml床体積あたり29mgであった。0.7Mのリン酸カリウムで洗浄した後、カラムを、pH8.2、0.7Mから4mMまでのリン酸カリウムの段階勾配を用いて溶出された。段階勾配で溶出されたフラクションをさらなる工程のために蓄え、そのプールは、それぞれの凝集体およびLCFが1エリアパーセント未満である単量体コンジュゲートからなる。このプールをセファデックスG−25(Amersham Biosciences)に負荷し、処方に適した、pH8.0で20mMTris−Clおよび100mM塩化ナトリウムからなる緩衝液に交換するためにカラムを脱塩した。精製し、緩衝液を交換したCMC−544調製物は、次のような特性を有した:カリチェアミシン負荷:81μg/mg;凝集:0.4%(エリアパーセント HPLCによる)LCF:0.8%エリアパーセント HPLCによる)。
【0117】
実施例5
Nac−γカリチェアミシンDMHAcBut−G5/44免疫コンジュゲート(CMC−544)の結合分析
上の結合工程によって生成したヒト化抗CD22抗体(G5/44)のカリチェアミシンとの免疫コンジュゲート(CMC−544)を、改良された工程を用いて生成したコンジュゲートが抗原結合に何らかの不都合な影響を及ぼすかを決定するための結合研究において、分析した。表3は、結合工程が抗体の抗原結合親和性に何ら影響しないことを示す。古いまたは新しい結合工程のいずれかによって作られたCMC−544免疫コンジュゲートは、標的抗原に同様の親和性で結合し、非結合抗体G5/44と違いはなかった。
【0118】
【表3】

【0119】
バイオセンサー分析は、BIAcore2000(BIAcore AB、Uppsala、スウェーデン)を用いて行われた。CD22mFcは、およそ2000共鳴単位のタンパク質密度で、標準アミン結合化学を用いて、N−ヒドロキシコハク酸イミドで活性化されたカルボキシメチルデキストラン被覆バイオセンサーチップ(CM5)上に、共有結合で固定された。CMC−544またはG5/44の試料を、HBS緩衝剤(150mMのNaCl、3mMのEDTAおよび体積比0.005%のポリソルベートを含む10mMのHEPES、pH7.4)で希釈し、1から100nMの範囲の濃度で、30μl/分の流速で結合のために3分間、CD22mFc被覆バイオセンサーチップ表面に注ぎ込んだ。結合段階の後、15分以上HBS緩衝剤をチップで洗浄する事によって、結合した抗体が解離するのを、モニターした。抗原表面は、30秒間15μlの再生緩衝剤(10mMのNaOHおよび200mMのNaCl)でバイオセンサーチップを洗浄することによって再生し、続いて次の周期の前に2分間の安定時間をおく。運動定数を、1:1ラングミュア結合曲線適合モデルおよびBIA評価プログラム(バージョン3.0 Biacore)を用いた、非線形最小二乗回帰分析によって、算出した。CMC−544の抗原結合を、バイオセンサーチップ上に共有結合で固定されたCD22mFcを用いて、表面プラスモン共鳴分析によって評価した。CMC−544およびG5/44のCD22mFcに対する結合の運動分析の結果は、大量移転の代償として包括的に1:1ラングミュア結合モデルに適合させた後、CMC−544および非結合G544両方を同様の親和性でCD22に結合させたことを示す(CMC−544:CD22 K=200pM;G5/44:CD22 K=235pM)。カリチェアミシンに対する結合は、CD22mFcに効果的に結合するG5/44の能力に影響を与えなかった。
【0120】
Bリンパ腫細胞の表面に発現されるCD22に対するCMC−544およびG5/44の結合はまた、フローサイトメトリーによって検査された。抗CD33mAbであるゲムツズマブ(hp67.6)およびそのカリチェアミシンコンジュゲートであるCMC−676(ゲムツズマブオゾガマイシン)は、この評価法においてアイソタイプ適合対照群として用いられた。キメラヒトIgG1抗ヒトCD20mAbであるリツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、陽性対照群として用いられた。精製したヒトポリクローナルIgG1およびIgG4もまた、陰性対照群として用いられた。RamosまたはRLBCL上のCD22に対するCMC−544およびG5/44の結合は類似しており、ヒトポリクローナルIgG4との結合と区別できた。RLBCLはRamosBCLよりも低いCD22の表面発現を呈した。対照的に、CMA−676またはgL1gH7のどちらかのBCLに対する結合は、CD33の発現がないことと一致して、ヒトポリクローナルIgG4との結合と類似していた(データは示していない)。同じ細胞が、抗CD20リツキシマブ(リツキサン(登録商標))には、強い結合を呈した。hP67.6およびCMA−676とは異なり、CMC−544もG5/44も、CD22CD33HL−60白血病細胞に対して全く結合を呈さなかった(データは示していない)。これらの結果は、G5/44のカリチェアミシンとの結合はその抗原特異性に影響を与えないことを示唆している。CMC−544は、ヒトB細胞上のCD22を特異的に認識するが、ネズミ、ラット、イヌ、ブタまたは霊長類(カニクイザルおよびアカゲザル)B細胞上のCD22は認識しない(データは示していない)。
【0121】
実施例6
CMC−544の試験管内および生体内効果の分析
I.試験管内細胞傷害性
CMA−676およびCMC−544工程を用いて作られたCMC−544の、CD22B細胞リンパ腫細胞系、RL、Daudi、RajiおよびRamosの試験管内腫瘍に対する効果を比較した。ヒトCD33を標的とするアイソタイプ適合カリチェアミシンコンジュゲート(CMA−676)は、コンジュゲートの抗原非特異的効果を反映するために用いられた。この評価法における非結合N−AcγカリチェアミシンDMH(酸加水分解でコンジュゲートから解離した薬剤)は、用いられたこれらの細胞系のそれぞれがカリチェアミシンの致死効果に感受性であることを示唆している。表4は、カリチェアミシン相当量を基にしたこれらの評価の結果を示し、表5は、結合した抗体タンパク質の濃度として表されるこれらの結果を示す。CD22細胞へのカリチェアミシンのCD22媒介輸送は、標的細胞を殺す上で、非結合薬剤そのままよりも少なくとも10倍有効であった。アイソタイプ適合対照群コンジュゲート(CMA−676)は、非結合カリチェアミシン誘導体より低いかまたは同じくらいの細胞傷害性を示した。CMC−544結合工程を用いて作られたコンジュゲートは、CMA−676結合工程によって作られたコンジュゲートよりも低い抗体濃度で同等の細胞傷害効果を生むということは、表4から明らかである。
【0122】
【表4】

*ND;測定せず
【0123】
【表5】

*ND;測定せず
【0124】
生体内細胞傷害性。CMC−544工程で作られたCMC−544を、B細胞リンパ腫異種移植片においてさらに評価した。この研究において、二つのB細胞リンパ腫腫瘍である、RAMOSおよびRLが用いられた。RLリンパ腫は、非バーキットリンパ腫の非ホジキンリンパ腫由来の細胞系であるが、RAMOSは元々バーキットリンパ腫に由来した。図18に示す代表的な実験において、CMC−544およびそのネズミ抗体の場合のものは、RAMOSB細胞リンパ腫の成長を、用量依存的に抑制するのに有効であることを示した。
ヒト化抗体のコンジュゲートは、ネズミ抗体のコンジュゲートより強力であることが示された。この研究で、リンパ腫の成長の抑制を有意に起こすことのできる最小のカリチェアミシンコンジュゲートの用量は、結合したNAc−γカリチェアミシンDMH10μg/kgであった。対照的に、コンジュゲートと同様の日程で10mg/Kgを腹膜投与されていた非結合抗体であるG5/44は、腫瘍の成長に何も影響を与えなかった。
【0125】
類似した研究がRLリンパ腫モデルを用いて行われた。表6は、CMC−544の抗腫瘍作用を、ヌードマウスの大きさが300−400mgの段階であるRLNHL腫瘍において評価した、三つの独立した実験の分析を組み合わせたものを示す。CMC−544は、用量依存的に、3週間という時間枠以上の腫瘍の退縮を引き起こした。RLリンパ腫モデルにおけるCMC−544の最小有効量は、これらの研究の統計的分析から、カリチェアミシン含有量を基にして20μg/kgと確立された。これら三つの実験のいずれにおいても死ぬものはなかった。CMC−544を高用量(60−320μg/kg)投与すると、RLリンパ腫はほぼ完全に退縮した。要約すると、二つのB細胞リンパ腫モデルから得られた結果は、明瞭に、CMC−544が腫瘍の退縮を起こすことができるということを実証している。
【0126】
【表6】

【0127】
新しい工程によって作られたCMC−544が、RAMOSおよびRLリンパ腫モデルの両方を用いた、大きな確立されたB細胞リンパ腫異種移植片の成長を抑制することができることもまた調査された。CMC−544またはアイソタイプ適合陰性対照群コンジュゲート(CMA−676)を、結合したカリチェアミシンが160μg/Kgの投与量で腹腔内投与し、最初の投薬日程を1日、5日および9日維持した後、腫瘍が成長できるようにして1.5または2gの腫瘍塊の段階とした。同様の投薬日程で、小さい段階の腫瘍は長く持続する退縮がより簡単に起こった(表6参照)。図19に示すように、CMC−544を大きいRAMOSリンパ腫を持つマウスに投薬すると、前から存在しているリンパ腫塊は緩やかに退縮し、20日目までに4匹の腫瘍を持つマウスのうち3匹が、腫瘍が消失した。これらの腫瘍が消失したマウスを50日目までモニターしたが、退縮したRAMOSリンパ腫は全く再発を示さなかった。対照的に、アイソタイプ適合対照群であるCMA−676は、腫瘍の成長に影響しなかった。5匹のCMA−676で治療された大きな腫瘍を持つマウスのうち4匹が、その腫瘍の負荷量が体重の15%近くに達したために、15日目より前に犠牲となった。
【0128】
CMC−544を用いた類似した実験をRLリンパ腫モデルにおいて行った。前に記述したのと同様の日程で160μg/kgの用量のCMC−544を腹膜内に投与すると、30日以内に90%より多くの存在していたRLリンパ腫塊の退縮が起こった。しかしながら45日目までに、リンパ腫が退縮したこのグループのうち二匹のマウスが、腫瘍の再増殖を示した。これらの結果は、CMC−544が、大きく確立されたリンパ腫と同様に、小さいリンパ腫の退縮も起こすことができることを示唆している。本明細書に示していない少数の研究においては、最初のCMC−544で退縮が引き起こされた後、散発的に増殖したRLリンパ腫を、CMC−544で再び治療した。これらの研究は、RL腫瘍が第2クールのCMC−544による治療にもなお反応し、再び退縮することを示した。従って、CMC−544による治療は、反復的な治療が可能であり、B細胞リンパ腫の大きい塊および小さい塊両方に対して有効である可能性がある。
【0129】
II.CMA−676およびCMC−544結合工程によって作られたコンジュゲートの生体内での比較
図20は、作為的に作ったRLリンパ腫を持つマウスが、CMA−676結合工程およびCMC−544結合工程を用いて作られたCMC−544を、標準的な投薬日程で、二つの異なった用量(80および320μg/kgの結合したカリチェアミシン)で与えられるような、代表的な実験の結果を示す。観察された抗腫瘍効果は、予期されたとおり用量依存的であり、二つのCMC−544調整法のどちらにおいても薬効に違いはなかった。対照的に、160μg/kgで腹膜内投与された非結合N−アセチルγカリチェアミシンDMHは不活性であった。しかしながら、結合したカリチェアミシンの各用量において、コンジュゲートの形で投薬された抗体タンパク質の量は、CMC−544で作られたCMC−544に対して、CMA−676で作られたCMC−544の方が4倍多いということは強調すべきである。標的とされたコンジュゲートのカリチェアミシン含有量が主に起こし得る抗腫瘍作用を規定するので、新しい工程によって作ったコンジュゲートを介して、遙かに少量の標的抗体を用いて必要量のカリチェアミシンを輸送することは可能である。CMC−544工程によって作られたコンジュゲートの負荷量が増加したのは、事実上、コンジュゲーションの低い画分(LCF)の量を有意に減少させたためである。
【0130】
III.リツキシマブ(リツキサン(登録商標))抵抗性の腫瘍の治療
次の調査すべき問題は、市販されている抗CD22リツキシマブ(リツキサン(登録商標))治療を停止した後に成長したB細胞リンパ腫は、依然としてCMC−544治療に感受性であるのかであった。このため、成長中の(人為的でない)RLリンパ腫を3週間リツキシマブ(リツキサン(登録商標))で治療した。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))療法を継続している間は、RLリンパ腫の成長は抑制された。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))療法を中止すると、RLリンパ腫は急速に成長し、CMC−544の160μg/Kgの腹膜内投与によって治療され始め、約1gの大きさの塊となった。図21および図22で示すように、これらのRLリンパ腫は、60日目までに腫瘍が消失したマウスの80%で、依然としてCMC−544に感受性であった。従って、CMC−544は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))連続投与によって抑制され得る3回の投与で、B細胞リンパ腫の退縮を引き起こすことができる。
【0131】
実施例8
CMC−544の試験管中および試験管中効果
I.結合および毒性研究
CMC−544をCD22に対する結合について評価し、また試験管中および生体内モデルにおけるその活性についても評価した。CMC−544はまた、AcBut結合カリチェアミシンを持つhP67.6(IgG4)のアイソタイプ適合対照群コンジュゲートであるCMA−676、およびキメラIgG1抗CD20mAbであり(IDEC Pharmceuticals、サンディエゴ、中央アメリカ)、市販で入手できてメドワールド製薬(Chestnut Ridge、NY)から購入したリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と比較した。次の抗体はG5/44結合領域研究に用いられた:BU12(Celltech、Slough、イギリス);BLCAM、HD239(Santa Cruz Biotech、Santa Cruz、中央アメリカ);RFB−4(Ancell Corp、Bayport、MN);SHCL−1、Leu14(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ);4KB128およびTo15(Dako Corp、Carpinteria、中央アメリカ);M6/13およびM5/44(Celltech、Slough、イギリス)。バーキットリンパ腫細胞系Ramos(CRL−1923)および非ホジキンリンパ腫(NHL)細胞系RL(CRL−2261)を含めた研究用の細胞系が、アメリカンタイプカルチャーコレクションから全て得られた。細胞系は、ポリメラーゼ連鎖反応マイコプラズマ検出アッセイ(ATCC、Manassas、VA)によって、マイコプラズマがいないことが確定された。細胞系は、10%FBS、10mMHEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、0.2%グルコース、ペニシリンG塩100U/ml、およびストレプトマイシン硫酸塩を加えたRPMI媒体中に懸濁培養液として維持された。
【0132】
G5/44が、CD22に対する特異性が知られているネズミのmAbsの結合を抑制できるか否かを、BiacoreCM5チップに固定したFc−CD22を用いたBiacore分析によって、評価した。事前に固定したFc−CD22をG5/44で飽和させて、あるいは飽和させないで得られた表面プラスモン共鳴単位(RU)を比較した。生体分子相互作用分析をBIACORE2000を用いて行われた。抗体は、空の対照群の表面(フローセル1、何のタンパク質も結合しておらず、対照群をつとめる)、およびCM5センサーチップに固定されたFc−CD22(フローセル2)の試験表面に、アミン結合化学反応を介して、9042単位の濃度まで与えた。生じたセンサーグラムは、フローセル1の反応(RU)を差し引いたフローセル2の反応(RU)であった。第二センサーグラムは、以前結合を特徴づけていたCD22に対してネズミのmAbを導入する前に、フローセルをG5/44(100μg/ml)で最初に飽和させることによって得られた。G5/44反応を測定すると直ちに、ネズミの抗CD22mAbを、G544を除去せずに個別に灌流した。ネズミの抗CD22mAbのG5/44被覆CD22に対する結合によって生成した二次結合反応もまた記録した。ネズミの抗体がG5/44で占められる部位と関連しない部位で結合するならば、その結合反応は相加的であろう。G5/44のCD22に対する結合が第2の抗体の結合を干渉するかまたは妨げるならば、その結合反応は相加的ではないであろう。各第二の結合の測定を、G5/44:CD22相互作用の不活化速度について補正した。
【0133】
G5/44は、CD22のエピトープA/Ig様領域1に結合する抗体のみに対する結合を妨げ、G5/44はまたCD22のこの領域内に結合するということを示唆した。
CD22のエピトープB/Ig様領域3(RFB−4)、CD22のエピトープC/Ig様領域4(To15)、およびCD22のIg様領域2(4KB128)に結合する抗体は、G5/44によって結合が妨げられない。これらの結果はCD22上のG5/44結合部位は、CD22の最初のIg様領域(エピトープA)を認識する抗CD22mAbの結合を阻害するので、最初のIg様領域に局在していることを示唆している。未知の副特異性を持つ他の抗CD22抗体、M6/13(Celltech、Slough、イギリス)もまたG5/44によって結合が妨げられ、従ってM6/13のCD22のエピトープA/Ig様領域1に対する結合部位を地図に位置づけた。G5/44と同様の特異性を持つネズミの原種のG5/44である、抗体M5/44は、G5/44の結合を阻害し、陽性対照群として働く。抗CD19抗体BU12は、これらの評価法において陰性対照群として働く。結果を表7に要約した。
【0134】
【表7】

【0135】
個々の領域のCD22に対する結合特異性が知られているネズミのmAbを用いて、B細胞に対する抗体の結合を妨げるG5/44の能力は調査された。加えて、B細胞に対するG5/44の結合を妨げるmAbの能力もまた調査された。これらの研究について、1×10Ramos細胞を、G5/44(10μg/ml)にその細胞を曝露するのに先立って、ネズミ抗CD22抗体(10μg/mlのヒト化G5/44またはマウスモノクローナル抗CD22)に、4℃で1時間まず曝露した。細胞はさらに4℃で1時間インキュベートした。抗体処理の後、B細胞を球状にして、PBS−1%BSAで洗浄し、適切な二次抗体(FITC−ヤギ抗ヒト(重鎖および軽鎖)またはFITC−ヤギ抗マウス(重鎖および軽鎖))を、100μlのPBS1%BSAの1:100の希釈液に加え、4℃で30分間おいた。細胞を再び球状にして洗浄し、PBS−1%BSA中に再び懸濁し、PBS−1%ホルムアルデヒド250μlを含む管に加えた。細胞と関連した蛍光強度を、BDFACSortフローサイトメーターを用いて、フローサイトメトリーによって測定した。
【0136】
その結果は、事前にCD22陽性B細胞に対してG5/44に曝露すると、その後の抗CD22mAbであるM5/44およびM6/13の結合を有意に抑制するということを示した。対照的に、抗CD22mAbであるRFB4、To15、HD239および4KBのB細胞に対する結合は、G5/44によって阻害されなかった。特にBiacore分析はG5/44がHD239のCD22への結合を阻害し得ることが示唆したので、フローサイトメトリーによる検出でG5/44によってHD239のB細胞への結合の有意な阻害が見られなかったのは、予期しないことであった。G5/44によってHD239のB細胞への結合に対して強い阻害が見られなかったことは、それらのCD22に対する相対的親和性における違いに基づくと説明される可能性がある。上記のネズミの抗CD22mAbをCD22陽性B細胞に対するG5/44の結合を阻害する能力を調査すると、SHCL1およびM6/13は、他の抗CD22mAbではみられないが、G5/44の結合を阻害した。HD239およびSHCL1の結合エピトープは、CD22の最初のIg様領域に位置づけられた。しかしながら、M6/13またはM5/44によって認識されるエピトープは、位置づけられなかった。上で詳述した阻害研究は、上記の抗体は、集合的にエピトープAとして知られている、CD22の最初のIg様領域に局在しているエピトープを認識することを示唆している。
【0137】
2万個のRamos細胞を、様々な用量のCMC−544をリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と共にまたはリツキシマブ(リツキサン(登録商標))なしで加えて、96時間インキュベートした。96時間後、細胞生存能力をフローサイトメトリーで分析したプロピジウムヨウ化物排除によって測定した。3ないし6ウェルの平均生存能力を算出し、細胞生存能力の用量反応性抑制を様々な治療法について算出した。細胞生存能力のバックグラウンドの反応抑制を濃度0のCMC−544から算出した。ロジスティック回帰分析は、CMC−544が0.01から3ng/mlの範囲のカリチェアミシンDMHで統計的に有意な用量依存性のRamos細胞の成長抑制を起こすか検査するために用いられた。ロジスティック回帰分析はまた、CMC−544のリツキシマブ(リツキサン(登録商標))との相互作用が統計的に重要であるかを決定するためにも用いられた。50%阻害濃度(IC50)もまた算出し、それぞれの治療法のCMC−544単独治療と比較した有効性を記録した。統計的分析は、SAS第8版におけるPROBIT法を用いて行った。
【0138】
研究の結果は、CMC−544が0.01から3ng/mlの範囲のカリチェアミシンDMHで用量依存性のRamos細胞の成長抑制を起こすことを示した。CMC−544単独での50%阻害濃度(IC50)は0.029ng/mlであった。CMC−544の細胞傷害活性とリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の相互作用が統計的に重要であるかを決定するために、2,20および200μg/mlのリツキシマブ(リツキサン(登録商標))を、CMC−544で治療した細胞に加えた。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、CMC−544を加えずに20および20μg/ml加えても、それだけでは細胞成長に何ら有意な影響を与えなかった(それぞれ111.7%および94.0%の培地の増量)。CMC−544と組み合わせると、三つ全ての濃度の(リツキサン(登録商標))で、統計的に有意な(p<0.05)CMC−544用量反応曲線の傾斜および切片の左方移動が起こった。2および200μg/mlのリツキシマブを組み合わせで、用量反応曲線の最も大きな移動が起こった。これら二つの曲線は互いには統計的に違いはないが、20μg/mlの用量の組み合わせとは有意差があった(p<0.05)。二次的な研究が(結果は報告されていない)、最初の研究でみられた結果を確証した。CMC−544を加えた2,20および200μg/mlのリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の組み合わせについての50%阻害濃度は、それぞれ0.0072、0.0081および0.0072ng/mlであった。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))を加えたCMC−544の50%阻害濃度は、CMC−544単独の50%阻害濃度より約4倍強力である。
【0139】
II.生体内抗腫瘍活性皮下異種移植片およびスキッドマウスにおける体系的散在性B細胞リンパ腫
メスの無胸腺のヌードマウス18−22gを全身放射線照射した(400rad)。腫瘍の発生を促進するために、さらなる放射線照射によって、マウスの免疫系を抑制した。放射線照射の3日後、マウスにマトリゲル(Collaborative Biomedical Product Belford、MA、RPMI中に1:1で希釈)中の107RL細胞で、背側の側腹部に皮下注射した。腫瘍が適当な大きさまで達したら(0.3g、典型的には21日後)、CMC−544、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))またはCHOP療法(以下参照)を、無菌の塩で、マウスあたり0.2ml投薬した。投薬の最初の日を第1日とみなした。二回の追加投与を5日目および9日目に行った(治療=q4Dx3)。CHOP療法は、シクロホスファミド(C)40mg/kg静注(商標シトキサン、Bristol−Meyers Squibb Co.、Princeton、NJ);ドキソルビシンHCl(H)3.3mg/kg静注(Sigma−Aldrich、Co.、St Louis、MO);ビンクリスチン(O)0.5mg/kg静注(GensiaSicor Pharmaceuticals、Irvine、CA);およびプレドニゾン0.2mg/kg経口投与(Roxane Labs.、Columbia、OH)からなる。CHOは、CMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))療法と同様の投薬日程に従って投薬し(q4Dx3)、一方プレドニゾンは、経口的に隔日で5回投与した(q2Dx5)。腫瘍を、少なくとも1週間に1回測定し、腫瘍質量=0.5(腫瘍の幅/2)(腫瘍の長さ)で計算した。グループ平均、SEMを算出して媒質処理グループと多変量t検定を用いて統計的有意性について比較した。グループ平均は、50日まで、またはマウスが死ぬまで(グループ平均を乱す)または腫瘍が大きく成長しすぎるまで(>3.5g)およびマウスを安楽死させなければならなくなるまで記録した。この後、腫瘍質量は、全ての治療グループ中の個々のマウスそれぞれについてのみ報告された。それぞれの治療グループに対する各研究の最後に腫瘍の消失していたマウスの数もまた記録された。
【0140】
CMC−544単独または他の散在性リンパ腫に対する生物活性試薬と組み合わせた効果を決定するために、スキッドマウスモデルが用いられた。オスのスキッドマウス(CB17SCID)体重20〜25gに、尾の静脈から106Ramos細胞を注射した。細胞注射の3または9日後、マウスに媒質、コンジュゲート(CMC−544またはCMC−676)、またはリツキシマブ(リツキサン(登録商標))を静注で合計3回投与した。3日治療日程については、マウスに3、7、および11日に投薬した。9日治療日程については、マウスに9、13、および17日に投薬した。9日治療日程において、CMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の組み合わせはまた、以下に記述するように与えられた。マウスは、殺された時に後肢の麻痺が出現するのを、毎日モニターした。グループ平均生存時間(±SD)、中央値、最小および最大生存時間を全て算出した。グループ間の生存時間の分布における違いは、ノンパラメトリック対数順位検定を用いて決定され、0.05の有意水準で報告された。生存曲線をカプラン−マイヤー法を用いて作図した。
【0141】
最初の研究は、散在性のリンパ腫のSCIDマウスの生存時間に対する、二つの異なる投薬日程の影響を検査した。一つ目の研究では、腫瘍細胞を静脈内に注射した3日後(進行したモデル)の反応開始剤の投与を考察し、一方二つ目の研究では、腫瘍細胞注射後9日まで、薬剤の投与を遅らせた(安定したモデル)。各研究において、CMC−544(160μg/kg)、CMA−676(160μg/kg)またはリツキシマブ(リツキサン(登録商標))(20mg/kg)を、静注で3回、4日おきに投与した。進行したモデルでは、媒質処理マウスは平均生存時間が27日であった(図23、表8)。CMA−676は、CMC−544に対するアイソタイプ適合対照群であるが、生存時間は有意に増加しなかった(p>0.05)。CMC−544は、生存時間が41日まで有意に増加したが、一方リツキシマブは重大な効果を持ち、生存時間が125日より長くなるまで増加した(有意にCMC−544より効果が大きい)。腫瘍細胞が循環し(ホーミングし)、標的組織に集積するまで(安定したモデル)投薬を遅らせると、CMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))に対する結果が変化した。CMA−676この場合もまた生存時間に有意な影響を与えなかった(図24、表8)。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、平均生存時間を62.6日まで増加させ、一方CMC−544は、平均生存時間を83.5日まで改善した。安定したモデルにおいては、CMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の効果の間に、有意差はなかった。
【0142】
【表8】

【0143】
予備研究は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、CMC−544の生存反応に、促進的または抑制的に、何らかの影響を与えるのかを決定するために行った。CMC−544は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))(20mg/kg、高用量薬剤組み合わせ(HD)と名付けた)と共におよびリツキシマブを加えないで、投薬した。加えて、低用量のCMC−544(80μg/kg)は、低用量のリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と共に投薬した。研究におけるマウスの数が限られているために、組成物は80μg/kgまたは10mg/kgの用量それぞれに個別で与えられなかった。この組み合わせ、CMC−544(80μg/kg)およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))(10mg/kg)を、中用量薬剤組み合わせ(MD)と名付け、スキッドマウスの生存がより低用量の薬剤の組み合わせで可能であるかを決定するために用いた。CMC−544(160μg/kg)およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))(20mg/kg)は、単独で投与すると、安定したモデルにおいて報告されたとおりに作用した。それぞれの平均生存時間は、それぞれ58.5および50.5日まで延長した(図25、表9)。組み合わせると、高用量薬剤組み合わせ(HD)については、平均生存時間は、わずかに(統計的に有意ではないけれども p>0.05)64.4日まで改善した。80μg/kgのCMC−544および10mg/kgのリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の中用量薬剤組み合わせでは、生存時間が有意に平均92.4日まで改善した(媒質処理グループに対してp<0.05)。これらの結果は、より低用量のCMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の組み合わせが正当化されたことを示唆した。
【0144】
【表9】

CMC MD=CMC544中用量;80 μg/kg
CMC HD=CMC-544高用量;160 μg/kg
Ritux MD=リツキシマブ中用量;10 mg/kg
Ritux HD=リツキシマブ高用量;20 mg/kg
【0145】
CMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))についてのさらなる組み合わせの研究が行われた。次の治療グループを用いた:CMC−544を40、80および160μg/kg;リツキシマブ(リツキサン(登録商標))を5、10および20mg/kg;およびCMC−544を40μg/kgに加えてリツキシマブ(リツキサン(登録商標))を5mg/kg、CMC−544を80μg/kgに加えてリツキシマブ(リツキサン(登録商標))を10mg/kg、およびCMC−544を160μg/kgに加えてリツキシマブ(リツキサン(登録商標))を20mg/kg。全てのリツキシマブ(リツキサン(登録商標))投与によって、平均生存時間がわずかに改善し、33−40日の範囲となった(媒質処理グループの平均生存時間25.8日と比較して全ての用量でp<0.05、図26、表10)。160μg/kgのCMC−544高用量投与は、先の二つの研究で報告された結果と一致して、平均生存時間を85日まで改善した。CMC−544をリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と組み合わせても、生存時間は有意に改善しなかった(図27、表10)。二つの低用量CMC−544(80および40μg/kg)は、それぞれ有意に平均生存時間を高用量CMC−544よりも高く改善した(p<0.05)。40および80μg/kgの用量のCMC−544において、それぞれ90%および80%のマウスが、125日目で依然として生存していた。両方の薬剤の組み合わせのグループは、100%のマウスを125日目まで生存させた。低用量CMC−544は高用量160μg/kgよりも有効である。
【0146】
リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、CMC−544と組み合わせると、試験済み(上文参照)の用量でスキッドマウスの散在性B細胞モデルにおけるCMC−544活性に明らかな影響は示さない。CMC−544をリツキシマブ(リツキサン(登録商標))と共に投与すると抗腫瘍活性を向上または抑制するかもまた、Balb/cヌードマウスの皮下RLBリンパ腫異種移植片モデルを用いて評価した。皮下Bリンパ腫モデルにおいて、研究中の二つの治療薬を静脈注射で投与した後、腫瘍は平均腫瘍質量300mgの段階となった。CMC−544は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))(20mg/kg Q4D×3)と共にまたはリツキシマブを加えないで、20または80μg/kgQ4D×3用いられた。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))の共投与は、CMC−544の治療効果を有意に(p>0.05)向上も抑制もしない(図28)。リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、単独で投与すると、低用量CMC−544でみられるのと同様に、この研究中でRLBリンパ腫の成長を抑制した(20日目に腫瘍の成長を57%抑制、媒質処理グループに対してp<0.05)。
【0147】
組み合わせ化学療法養生法CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)は、非ホジキンリンパ腫患者に対する最も一般に用いられている治療法である。CHOPの抗腫瘍効果を、確立したRLBリンパ腫異種移植片におけるCMC−544の抗腫瘍効果と比較した。CHOP療法の個々の組成物は、ヌードマウスで評価したそれぞれの最大許容投与量で用いられ、次の通りであった:シクロホスファミド(C)40mg/kg静注;ドキソルビシン(H)3.3mg/kg静注;ビンクリスチン(O)0.5mg/kg静注;およびプレドニゾン0.2mg/kg経口投与。CHOは、Q4D×3投与し、PはQ2D×5経口投与した。CMC−544はカリチェアミシン相当量160μg/kgの投与量でQ4D×3静注で投与した。CHOP治療は、最初はRLBリンパ腫の成長の有意な抑制を引き起こした(図29)。しかしながら、3週間後、腫瘍は媒質処理グループと同様の成長速度で再び増殖した。対照的に、CMC−544の抗腫瘍効果は完全であり、実験時間の間持続した。これらの結果は、CMC−544は、ヌードマウスにおける非致死量の最大より有意に低い用量で、CHOP組み合わせ療法より効果的であった。
【0148】
これらの研究は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))をCMC−544に加えると、RamosBリンパ腫細胞でみられるCMC−544の細胞傷害性活性の有意な増加が起こった。Ramos細胞中でのリツキシマブ(リツキサン(登録商標))およびグルココルチコイドの相乗的相互作用もまた最近報告されている。加えて、八つの追加の細胞系のうち四つで相乗的成長抑制は、10μMのデキサメタゾンと組み合わせて与えられたリツキシマブ(リツキサン(登録商標))でみられた。
【0149】
リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、単独で0.4ないし10μg/mlで、有意ではあるがわずかな(最大18%)Ramos細胞の成長抑制を引き起こすことが報告された。加えて、10μg/mlでインキュベートしたとき(48時間インキュベート)、それは八つのB細胞非ホジキンリンパ腫細胞系のうち六つで活性があった。Ghetieらは、Ramos細胞を用いて、24時間インキュベート後、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))が6.2%アポトーシスを増加させる(媒質処理細胞の3.5%に対して)ことを示した。現在の研究では、単独で投与すると、20および200μg/mlの用量でRamos細胞の成長に何ら影響を与えなかった。マウスでは、散在モデルでもまたは皮下異種移植片モデルでも、CMC−544およびリツキシマブ(リツキサン(登録商標))の間の何らかの相互作用の証拠はなかった。検査された薬剤の組み合わせは、互いの効果を抑制したりまたは向上させることはなかった。散在モデルにおいて各薬剤の投与量を減少させることでこの実験結果が変わるかどうかは、決定する必要がある。
【0150】
Ramos細胞を用いた散在性B細胞リンパ腫モデルは、Flavellらによって記述されてきた。媒質処理マウスの生存時間の中央値は、34−36日と報告された。マウスは後肢麻痺になり、進行して瀕死になり、その後まもなく死亡した。臓器の組織学的分析によって、最も一般に関連している臓器は、副腎、脾臓およびくも膜下腔であることが明らかになった。くも膜下腔は浸潤し、しばしば脳まで拡大する。散在性のスキッドマウスにおいて病期の早い段階で投薬すれば、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))はよく機能するが(図23)、そのモデルの9日目の安定期に投薬すると、リツキシマブは印象的な効果を示さなかった(図24)。IgG1アイソタイプである、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))はマウスの宿主エフェクター機構によって最も機能しやすい。この機構には、スキッドマウス中に存在するナチュラルキラー細胞の漸増による、補体媒介性細胞傷害、および/または抗体依存性細胞傷害を含む。注射したRamos腫瘍細胞は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))によって活性化される宿主の免疫機構に対して、おそらく腫瘍細胞が作用した臓器に浸潤する機会を得る前に、早期から敏感である。非結合G5/44抗体(CMC−544中の標的分子)は、スキッドマウスの散在性腫瘍モデルでまだ検査されていなかったが、皮下異種移植片に対する投薬では効果がなかった。G5/44は、IgG4アイソタイプであるので、宿主エフェクター機構を活性化することは予期されないであろうし、それゆえに抗腫瘍活性も発揮しないであろう。
【0151】
カリチェアミシン結合G5/44は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))とは反対の様式で振る舞い、病気の安定期に投薬すると、よい結果が得られた。CMC−544が安定期によく機能する理由は明らかではないが、安定期はより臨床的な状況を厳密に表している。CMA−676は、アイソタイプ適合非結合対照群のコンジュゲートであり、平均生存時間に何らかの有意な影響を与えなかった。散在性スキッドマウスにおける結果は、CMC−544の用量を減らして最大有効量(MED)を決定する必要があるということを明らかに示唆している。160μg/kgの用量は、より低用量の80および40μg/kgより有効でなかった。なぜそのようになるのかは明らかでないが、160μg/kgの用量は十分MEDを越えていると言ってよい。この問題に取り組むためにさらなる研究が計画された。
【0152】
Mohammadらは、瀰漫性大細胞型リンパ腫の細胞系DLCLを持つ皮下異種移植片モデルにおいて、CHOP療法(シクロホスファミド(C)40mg/kg静注;ドキソルビシン(H)3.3mg/kg静注;ビンクリスチン(O)0.5mg/kg静注;およびプレドニゾン0.2mg/kg経口投与)を用いた。CHOP療法について用いられる用量は、その最大許容量になるように決定した。治療法、静注および経口投与で一回投与するCHO、5日間毎日投与するCHOは、「有効」と評価され、25.8%のT/Cを生成した。腫瘍の治癒は記録されなかった。Mohammadらにとって記述されるそのモデルの結果は、本明細書で記述したRLモデルにおけるCHOP療法(静注で投与、Q4D×3)でみられた結果に類似しているように思われる。CMC−544と異なり、CHOPはどの研究でも長期間の治癒がみられなかった。
【0153】
【表10】

【0154】
実施例9
CMC−544の安定な処方
CMC−544の生体内投与のための安定な処方は、希釈剤、賦形剤、キャリアおよび安定剤によって調製した。HICクロマトグラフィーに続いて、クロマトグラフィー断片をSEC−HPLCおよび多波長UV分析によってアッセイする。凝集量、タンパク質濃度およびカリチェアミシン負荷量についての情報を提供する上記の分析を基にして、適切な断片をプールするために選択した。賦形剤、安定剤、体積増加薬剤および緩衝剤を、溶液を安定させるために加えた。CMC−544はいくつかの分解経路を介して分解を受ける可能性があるので、処方の開発において物理的不安定性は考慮される必要がある。処方の開発において熟考すべき一つが抗体からのカリチェアミシンの加水分解速度を最小限にしなければならないが、一方抗CD22抗体の物理的および化学的性質の完全性を維持しなければならないということである。加えて、カリチェアミシン抗体コンジュゲートの析出は、特定のpHおよび濃度条件下で起こり得るが、最小限にする必要がある。
【0155】
単量体カリチェアミシン誘導体−抗体コンジュゲートの処方を開発する上で、処方のpHは分解および物理的不安定性を最小にするので、決定的である。カリチェアミシンの加水分解を最小にし、コンジュゲートの適当な安定性を維持するために8.0のpHが選ばれた。SDS−PAGEおよび抗原結合ELISAを用いて得られた追加のデータは、重要な構造の完全性および抗体の特異性が8.0のpHで維持されることを示している。結果として、トロメタミンがpH8.0を維持するための緩衝剤として選ばれた。代替の緩衝剤には二塩基性の塩またはリン酸カリウムを含めることができた。緩衝剤の濃度の範囲は5ないし50mMであってよい。好ましいPH範囲の7.5ないし8.5は、最適の安定性/可溶性として示唆された。最終生成物における現在のpHの明細は7.0−9.0である。
【0156】
緩衝剤処理したコンジュゲート溶液の安定性は短時間には適しているけれども、長期間の安定性は乏しい。冷結乾燥はコンジュゲートの棚の温度を改善するために用いられる。タンパク質溶液の冷結乾燥に関する問題はよく立証され、二次、三次および四次構造の損失が凍結および乾燥工程中に起こり得る。コンジュゲートの不定形の安定剤として作用し、凍結および乾燥中抗体の完全な構造を維持するために、スクロースを処方に含めた。加えてデキストラン40またはヒドロキシエチル澱粉のようなポリマー充填剤は、重量で0.5−1.5%の濃度で冷結乾燥したケーキの外見および物理的剛性を高めるために組み込んでもよい。これらの原料は、相対的に低濃度で冷結乾燥したケーキを形成し、冷結乾燥した処方の全固体量を最小にしてより急速な冷結乾燥を可能にするために用いられ得る。処方研究は重量で0.9%のデキストラン40濃度を用いた。
【0157】
ポリソルベート80は、コンジュゲートの可溶性を高めるために処方に含める。好ましい0.01%の濃度は、0.005−0.05%の可能範囲で用いられる。ツゥイーンもまた、重量で0.91−0.05%の濃度で処方に加える。
電解質もまた処方中に存在してよく、最後の精製工程の効率を向上させるために用いてもよい。塩化ナトリウムは典型的には0.01Mないし0.1Mの濃度で用いられる。硫化ナトリウムのような追加の電解質は、容易に冷結乾燥されるため、塩化ナトリウムの代わりに用いてもよい。最適であるのは、最終的なCMC−544溶液は、1.5%スクロース(重量で)、0.9%デキストラン40(重量で)、0.01%ツゥイーン80、50mM塩化ナトリウム、0.01%ポリソルベート80(重量で)および20mMトロメタミンからなることである。
【0158】
冷結乾燥前の溶液の代表的な処方は以下で提示される:CMC−5440.5mg/ml、スクロースを重量で1.5%、デキストラン40を重量で0.9%、塩化ナトリウム0.05M、ツゥイーンを重量で0.01−0.05%、ポリソルベート80を重量で0.01%、トロメタミン0.02M、pH8.0および水。溶液をコハクの薬瓶に+5℃ないし10℃の温度で懸濁し(最適は+5℃);溶液を−35℃ないし−50℃の冷結温度で冷結し(最適は−45℃);冷結した溶液を20ないし80ミクロンの一次乾燥圧で最初の冷結乾燥工程にかけ(最適は60ミクロン);冷結乾燥した生成物を棚の温度−10℃ないし−40℃で(最適は−30℃)24ないし72時間保存し(最適は60時間);最後に冷結乾燥した生成物を20−80ミクロンの乾燥圧で(最適は60ミクロン)、棚の温度が+10℃ないし+35℃で(最適は+25℃)、15ないし30時間(最適は24時間)二次乾燥工程にかける。圧力上昇試験は、一次乾燥の終結を決定するために用いられる。冷結乾燥周期が終結すると、薬瓶を窒素で埋め戻し、栓をした。
【0159】
表11は、CMC−544に用いられる処方およびCMA−676に用いられる処方の違いを示す。CMA−676処方とCMC−544に用いられる処方の間の有意な違いには、新しい処方におけるタンパク質濃度の減少(0.5mg/ml)、緩衝剤としてのトロメタミンの利用および0.01%ツゥイーン80の存在を含む。これによって、復元したCMA−676処方にみられる濁りとは対照的に、新しい処方における復元したCMC−544は透明となる(表12および13を参照のこと)。
【0160】
【表11】

【0161】
【表12】

【0162】
【表13】

【0163】
上で引用した全ての参考文献および特許出願を本明細書の参考文献の項にて示す。本発明の非常に多くの修飾および変異は、上で同定した明細書に含まれており、当業者にとって自明であると考える。結合工程、その工程によって作られたコンジュゲート、およびコンジュゲートを含む組成物/処方についてのそのような修飾および変化は、本請求書の範疇の中に包含されると考える。
【0164】
参考文献一覧
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンジュゲーションの低い画分(LCF)の少ない、式:
Pr(−X−W)m
[式中;
Prはタンパク質キャリアであり;
Xはタンパク質キャリアと反応できる何らかの反応基の生成物を含むリンカーであり;
Wは細胞傷害薬であり;
mは細胞傷害薬がコンジュゲートの7〜9重量%を構成するように精製したコンジュゲーション生成物についての平均の負荷であり;
(−X−W)mは細胞傷害薬誘導体である]
で示される単量体細胞傷害薬/キャリアコンジュゲートの調製方法であって、
(1)細胞傷害薬誘導体がタンパク質キャリアの4.5〜11重量%となるように、細胞傷害薬誘導体をタンパク質キャリアに加え;
(2)細胞傷害薬誘導体およびタンパク質キャリアを、pHが約7から9の範囲で非求核性でタンパク融和性の緩衝溶液中でインキュベートし、単量体細胞傷害薬−キャリアコンジュゲートを生成する;ここでその溶液はさらに(a)有機共溶媒および(b)少なくとも一つのC−C18カルボン酸またはその塩を含む添加剤を含み、このインキュベーションを約30℃から35℃までの範囲の温度で約15分から24時間までの範囲の期間行い;および
(3)工程(2)で生成したコンジュゲートをクロマトグラフィーによる分離法に付して、4〜10重量%の範囲の細胞傷害薬の負荷で、コンジュゲーションの低い画分(LCF)が10%未満である単量体細胞傷害薬誘導体/タンパク質キャリアコンジュゲートを、コンジュゲートしていないタンパク質キャリア、細胞傷害薬誘導体、および凝集したコンジュゲートから分離する工程を含む方法。
【請求項2】
タンパク質キャリアがホルモン、成長因子、抗体、抗体の断片、抗体の模擬物、およびそれらを遺伝子操作または酵素的に処理した等価物からなる群から選ばれるところの請求項1記載の方法。
【請求項3】
タンパク質キャリアが抗体であるところの請求項1記載の方法。
【請求項4】
抗体がモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、一本鎖の抗体、Fab断片およびF(ab)2断片からなる群から選ばれるところの請求項3記載の方法。
【請求項5】
ヒト化抗体が細胞表面抗原CD22に対するものであるところの請求項4記載の方法。
【請求項6】
ヒト化抗CD22抗体がCDR移植抗体であり、軽鎖の可変領域5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖の可変領域5/44−gH7(配列番号:27)を含むところの請求項5記載の方法。
【請求項7】
ヒト化抗CD22抗体が配列番号:28に示す配列を持った軽鎖を含むCDR移植抗体であるところの請求項5記載の方法。
【請求項8】
ヒト化抗CD22抗体が配列番号:30に示す配列を持った重鎖を含むCDR移植抗体であるところの請求項5記載の方法。
【請求項9】
ヒト化抗CD22抗体が配列番号:28に示す配列を持った軽鎖および配列番号:30に示す配列を持った重鎖を含むCDR移植抗体であるところの請求項5記載の方法。
【請求項10】
ヒト化抗CD22抗体が、親和性成熟プロトコールによって得られる変異した抗体であり、ヒトCD22に対する特異性を高めたCDR移植抗体であるところの請求項5記載の方法。
【請求項11】
細胞傷害薬がチューブリン重合の阻害剤であるところの請求項1記載の方法。
【請求項12】
細胞傷害薬が、DNAに結合して分裂させるアルキル化剤であるところの請求項1記載の方法。
【請求項13】
細胞傷害薬がタンパク質合成を阻害するところの請求項1記載の方法。
【請求項14】
細胞傷害薬がチロシンキナーゼ阻害剤であるところの請求項1記載の方法。
【請求項15】
細胞傷害薬が、カリチェアミシン、チオテパ、タキサン、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エスペラミシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリンおよびマイタンシノイドから選ばれるところの請求項1記載の方法。
【請求項16】
細胞傷害薬がカリチェアミシンであるところの請求項1記載の方法。
【請求項17】
カリチェアミシンがγカリチェアミシンまたはN−アセチルγカリチェアミシンであるところの請求項16記載の方法。
【請求項18】
細胞傷害薬を3−メルカプト−3−メチルブタノイルヒドラジドを用いて機能化するところの請求項1記載の方法。
【請求項19】
標的細胞と結合して細胞内に入った後にリンカーがコンジュゲートから細胞傷害薬を放出することのできる加水分解可能なリンカーであるところの請求項1記載の方法。
【請求項20】
加水分解可能なリンカーが、4−(4−アセチルフェノキシ)酪酸(AcBut)であるところの請求項19記載の方法。
【請求項21】
工程(2)(b)の添加剤がオクタン酸またはその塩であるところの請求項1記載の方法。
【請求項22】
工程(2)(b)の添加剤がデカン酸またはその塩であるところの請求項1記載の方法。
【請求項23】
工程(3)のクロマトグラフィー分離法がサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)であるところの請求項1記載の方法。
【請求項24】
工程(3)のクロマトグラフィー分離法がHPLC、FPLCまたはSephacrylS−200クロマトグラフィーであるところの請求項1記載の方法una6記載の方法。
【請求項25】
工程(3)のクロマトグラフィー分離法が疎水的相互作用クロマトグラフィー(HIC)であるところの請求項1記載の方法。
【請求項26】
疎水的相互作用クロマトグラフィー(HIC)が、フェニルセファロース6高流速クロマトグラフィー媒体、ブチルセファロース4高流速クロマトグラフィー媒体、オクチルセファロース4高流速クロマトグラフィー媒体、トヨパールエーテル−650Mクロマトグラフィー媒体、マクロプレップメチルHIC媒体またはマクロプレップt−ブチルHIC媒体を用いて行われるところの請求項25記載の方法。
【請求項27】
疎水的相互作用クロマトグラフィー(HIC)が、ブチルセファロース4高流速クロマトグラフィー媒体を用いて行われるところの請求項25記載の方法。
【請求項28】
請求項1記載の方法によって生成される単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項29】
細胞傷害薬がカリチェアミシンであるところの請求項28記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項30】
キャリアが抗体であるところの、請求項28記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項31】
抗体がモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、一本鎖の抗体、Fab断片およびF(ab)2断片からなる群から選ばれるところの請求項30記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項32】
ヒト化抗体が細胞表面抗原CD22に対するものであるところの請求項31記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項33】
ヒト化抗CD22抗体がCDR移植抗体であり、軽鎖の可変領域5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖の可変領域5/44−gH7(配列番号:27)を含むところの請求項32記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項34】
ヒト化抗CD22抗体が配列番号:28に示す配列を持った軽鎖を含むCDR移植抗体であるところの請求項32記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項35】
ヒト化抗CD22抗体が配列番号:30に示す配列を持った重鎖を含むCDR移植抗体であるところの請求項32記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項36】
ヒト化抗CD22抗体が配列番号:28に示す配列を持った軽鎖および配列番号:30に示す配列を持った重鎖を含むCDR移植抗体であるところの請求項32記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項37】
ヒト化抗CD22抗体が、親和性成熟プロトコールによって得られる変異した抗体であり、ヒトCD22に対する特異性を高めたCDR移植抗体であるところの請求項32記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項38】
細胞傷害薬誘導体がカリチェアミシンであるところの請求項32記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項39】
カリチェアミシンがγカリチェアミシンまたはN−アセチルγカリチェアミシンであるところの請求項38記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項40】
カリチェアミシン誘導体が3−メルカプト−3−メチルブタノイルヒドラジドを用いて機能化されているところの請求項38または39記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項41】
標的細胞と結合してその細胞中に入った後にリンカーがコンジュゲートから細胞傷害薬を放出することのできる加水分解可能なリンカーであるところの請求項38記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項42】
加水分解可能なリンカーが4−(4−アセチルフェノキシ)酪酸(AcBut)であるところの請求項41記載の単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲート。
【請求項43】
式:
Pr(−X−S−S−W)m
[式中:
Prは抗CD22抗体であり;
Xは抗体と反応できるいずれかの反応基の生成物を含む加水分解可能なリンカーであり;
Wはカリチェアミシンラジカルであり;
mは、カリチェアミシンがコンジュゲートの4〜10重量%を構成するように精製したコンジュゲーション生成物についての平均の負荷であり;
および(−X−S−S−W)mはカリチェアミシンの誘導体である]
を有する単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項44】
抗体がモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、一本鎖の抗体、Fab断片およびF(ab)2断片からなる群から選ばれるところの請求項43記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項45】
抗CD22抗体が、ヒトCD22に対する特異性を持ち、且つCDR−H1については図1中でH1(配列番号:1)として、CDR−H2については図1でH2(配列番号:2)またはH2’(配列番号:13)またはH2”(配列番号:15)またはH2”’(配列番号:16)として、あるいはCDR−H3については図1中でH3(配列番号:3)として与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような重鎖、およびCDR−L1については図1中でL1(配列番号:4)として、CDR−L2については図1中でL2(配列番号:5)として、あるいはCDR−L3については図1中でL3(配列番号:6)として与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような軽鎖を含むところの請求項44記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項46】
抗体が、CDR−H1については配列番号:1中で、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16中で、あるいはCDR−H3については配列番号:3中で与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含む重鎖、およびCDR−L1については配列番号:4中で、CDR−L2については配列番号:5中で、あるいはCDR−L3については配列番号:6中で与えられる配列のうち少なくとも一つ持つCDRをその可変領域に含むような軽鎖を含むところの請求項44記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項47】
抗体分子が、CDR−H1については配列番号:1、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16、あるいはCDR−H3については配列番号:3、CDR−L1については配列番号:4、CDR−L2については配列番号:5、およびCDR−L3については配列番号:6を含むところの請求項44記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項48】
ヒト化抗体が、CDR移植の抗CD22抗体であるところの、請求項44記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項49】
抗体が、ヒトアクセプターアクセプターフレームワーク領域およびヒト以外のドナーのCDRからなる可変部からなるところの、請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項50】
抗体の重鎖の可変部のヒトアクセプターアクセプターフレームワーク領域がヒトサブグループI共通配列を基にしており、1、28、48、71および93位にヒト以外のドナー残基を含むところの請求項49記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項51】
抗体がさらに67位および69位にヒト以外のドナー残基を含むところの請求項50記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項52】
CDR移植抗体がヒトサブグループI共通配列を基にしているヒトアクセプターアクセプターフレームワーク領域を含み、さらに2、4、37、38、45および60位でヒト以外のドナー残基を含む軽鎖の可変部を含むところの請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項53】
CDR移植抗体が、さらに3位にヒト以外のドナー残基を含むところの請求項52記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項54】
CDR移植抗体が、軽鎖可変領域5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖可変領域5/44−gH7(配列番号:27)を含むところの請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項55】
CDR移植抗体が、配列番号:28に示すような配列を持つ軽鎖を含むところの請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項56】
CDR移植抗体が、配列番号:30に示すような配列を持つ重鎖を含むところの請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項57】
CDR移植抗体が、配列番号:28に示すような配列を持つ軽鎖および、配列番号:30に示すような配列を持つ重鎖を含むところの請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項58】
CDR移植抗体が、親和性成熟プロトコールによって得られる変異した抗体であり、ヒトCD22に対して高い特異性を有するところの請求項48記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項59】
抗CD22抗体が、それぞれ配列番号:7および配列番号:8に示すモノクローナル抗体の軽鎖および重鎖の可変部の配列を含むキメラ抗体であるところの請求項44記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項60】
抗CD22抗体が、ドナーCDRの欠けた部分が異なった配列で置換され、機能的CDRを形成するような切断されたドナーCDRをもつハイブリッドCDRを含むところの請求項44記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項61】
カリチェアミシン誘導体が、γカリチェアミシンまたはN−アセチルγカリチェアミシン誘導体であるところの請求項43記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項62】
カリチェアミシン誘導体が、3−メルカプト−3−メチルブタノイルヒドラジドによって機能化されるところの請求項61記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項63】
加水分解可能なリンカーが、標的細胞と結合してその中に入った後にコンジュゲートからカリチェアミシン誘導体を放出することのできる二機能を有するリンカーであるところの請求項43記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項64】
二機能を有するリンカーが、4−(4−アセチルフェノキシ)酪酸(AcBut)であるところの請求項63記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲート。
【請求項65】
単量体細胞障害薬誘導体/キャリアコンジュゲートの安定して凍結乾燥した組成物の調製方法であって、
(a)単量体細胞傷害薬誘導体/キャリアコンジュゲートを、1.5重量%〜5重量%の濃度の凍結防止剤、0.5重量%〜1.5重量%の濃度のポリマー充填剤、0.01M〜0.1Mの濃度の電解質、0.005重量%〜0.05重量%の濃度の溶解促進剤、溶液の最終pHが7.8〜8.2になるような5〜50mMの濃度の緩衝液および水を含む溶液中に溶解して、0.5〜2mg/mlの最終濃度とし;
(b)上の溶液を+5℃〜+10℃の温度でガラス瓶に分配し;
(c)その溶液を−35℃〜−50℃の凍結温度で凍結させ;
(d)その凍結した溶液を、20〜80ミクロンの一次乾燥圧で、棚の温度が−10℃〜−40℃で、24〜78時間最初の凍結乾燥工程に付し;
(e)工程(d)の凍結乾燥生成物を、20〜80ミクロンの乾燥圧で、棚の温度が+10℃〜+35℃で、15〜30時間第二次凍結乾燥工程に付す
ことを含む、方法。
【請求項66】
細胞傷害薬誘導体がチューブリン重合の阻害剤であるところの請求項65記載の方法。
【請求項67】
細胞傷害薬誘導体がDNAに結合して分裂させるアルキル化剤であるところの請求項65記載の方法。
【請求項68】
細胞傷害薬誘導体がタンパク質合成阻害剤であるところの請求項65記載の方法。
【請求項69】
細胞傷害薬誘導体がチロシンキナーゼ阻害剤であるところの請求項65記載の方法。
【請求項70】
細胞傷害薬誘導体がカリチェアミシン、チオテパ、タキサン、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリンおよびマイタンシノイドから選ばれるところの請求項65記載の方法。
【請求項71】
細胞傷害薬誘導体がカリチェアミシンであるところの請求項65記載の方法。
【請求項72】
細胞傷害薬誘導体がγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンであるところの請求項65記載の方法。
【請求項73】
さらに治療上有効濃度の生物活性試薬を含んでいてもよい請求項65記載の方法。
【請求項74】
生物活性試薬が細胞傷害薬であるところの請求項73記載の方法。
【請求項75】
生物活性試薬が成長因子であるところの請求項73記載の方法。
【請求項76】
生物活性試薬がホルモンであるところの請求項73記載の方法。
【請求項77】
凍結防止剤が、アルジトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ポリエチレングリコール、アルドン酸、ウロン酸、アルダン酸、アルドース類、ケトース類、アミノ糖類、アルジトール類、イノシトール類、グリセルアルデヒド類、アラビノース、リキソース、ペントース、リボース、キシロース、ガラクトース、グルコース、ヘキソース、イドース、マンノース、タロース、ヘプトース、グルコース、フルクトース、グルコン酸、ソルビトール、ラクトース、マンニトール、メチルα−グルコピラノシド、マルトース、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、ラクトン、ソルボース、グルカル酸、エリトロース、トレオース、アラビノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、タガトース、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、スクロース、トレハロース、ノイラミン酸、アラビナン類、フルクタン類、フカン類、ガラクタン類、ガラクツロナン類、グルカン類、マンナン類、キシラン類、レバン、フコイダン、カラゲーニン、ガラクトカロロース、ペクチン類、ペクチン酸、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、デキストラン、プスツラン、キチン、アガロース、ケラチン、コンドロイチン、デルマタン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キサンガム、澱粉、スクロース、グルコース、ラクトース、トレハロース、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロールおよびペンタエリトリトールからなる群から選ばれるところの請求項73記載の方法。
【請求項78】
凍結防止剤がスクロースであるところの請求項65記載の方法。
【請求項79】
スクロースが1.5重量%の濃度で存在するところの請求項78記載の方法。
【請求項80】
ポリマー充填剤がデキストラン40であり、0.9重量%の濃度であるところの請求項65記載の方法。
【請求項81】
ポリマー充填剤がヒドロキシエチル澱粉40であり、0.9重量%の濃度であるところの請求項65記載の方法。
【請求項82】
電解質が塩化ナトリウムであり、0.05Mの濃度で存在しているところの請求項65記載の方法。
【請求項83】
溶解促進剤が界面活性剤であるところの請求項65記載の方法。
【請求項84】
界面活性剤がポリソルベート80であり、0.01重量%の濃度で存在しているところの請求項83記載の方法。
【請求項85】
緩衝剤がトロメタミンであり、0.02Mの濃度で存在しているところの請求項65記載の方法。
【請求項86】
工程(a)の溶液のpHが8.0であるところの請求項65記載の方法。
【請求項87】
工程(b)の溶液を+5℃の温度でガラス瓶に分配するところの請求項65記載の方法。
【請求項88】
工程(c)においてガラス瓶中の溶液の冷凍を冷凍温度−45℃で行うところの請求項65記載の方法。
【請求項89】
工程(d)において、冷凍した溶液を60ミクロンの一次乾燥圧で、棚の温度が−30℃で、60時間最初の凍結乾燥工程に付すところの請求項65記載の方法。
【請求項90】
工程(e)において、工程(d)の凍結乾燥生成物を、60ミクロンの乾燥圧で、棚の温度が+25℃で、24時間第二次凍結乾燥工程に付すところの請求項65記載の方法。
【請求項91】
請求項65記載の方法によって調製された治療上有効量の単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲートを含む組成物。
【請求項92】
単量体細胞傷害薬誘導体−キャリアコンジュゲート中のキャリアが、タンパク質のキャリアであるところの請求項91記載の組成物。
【請求項93】
タンパク質のキャリアが、ホルモン、成長因子、抗体および抗体の模擬物からなる群から選ばれるところの請求項92記載の組成物。
【請求項94】
抗体がヒトモノクローナル抗体であるところの請求項93記載の組成物。
【請求項95】
抗体がキメラ抗体であるところの請求項93記載の組成物。
【請求項96】
抗体がヒト抗体であるところの請求項93記載の組成物。
【請求項97】
抗体がヒト化抗体であるところの請求項93記載の組成物。
【請求項98】
ヒト化抗体が細胞表面抗原CD22に対するものであるところの請求項97記載の組成物。
【請求項99】
抗CD22抗体がヒトCD22に対する特異性を持ち、且つCDR−H1については図1中でH1(配列番号:1)として、CDR−H2については図1でH2(配列番号:2)またはH2’(配列番号:13)またはH2”(配列番号:15)またはH2”’(配列番号:16)として、あるいはCDR−H3については図1中でH3(配列番号:3)として与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変部に含むような重鎖ならびにCDR−L1については図1中でL1(配列番号:4)として、CDR−L2については図1中でL2(配列番号:5)として、あるいはCDR−L3については図1中でL3(配列番号:6)として与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変部に含むような軽鎖を含むところの請求項98記載の組成物。
【請求項100】
抗体がCDR−H1については配列番号:1中で、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16中で、あるいはCDR−H3については配列番号:3中で与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変部に含むような重鎖およびCDR−L1については配列番号:4中で、CDR−L2については配列番号:5中で、あるいはCDR−L3については配列番号:6中で与えられる配列のうち少なくとも一つを持つCDRをその可変部に含むような軽鎖を持つところの請求項98記載の組成物。
【請求項101】
抗体が、CDR−H1については配列番号:1、CDR−H2については配列番号:2または配列番号:13または配列番号:15または配列番号:16、あるいはCDR−H3については配列番号:3、CDR−L1については配列番号:4、CDR−L2については配列番号:5、およびCDR−L3については配列番号:6を含むところの請求項98記載の組成物。
【請求項102】
ヒト化抗CD22抗体がCDR移植ヒト化抗CD22抗体であり、軽鎖可変領域5/44−gL1(配列番号:19)および重鎖可変領域5/44−gH7(配列番号:27)を含むところの請求項98記載の組成物。
【請求項103】
ヒト化抗CD22抗体がヒトCD22に対する特異性を持ったCDR移植抗体であり、配列番号:28に示される配列を持つ軽鎖を含むところの請求項98記載の組成物。
【請求項104】
ヒト化抗CD22抗体がヒトCD22に対する特異性を持ったCDR移植抗体であり、配列番号:30に示される配列を持つ重鎖を含むところの請求項98記載の組成物。
【請求項105】
ヒト化抗CD22抗体がヒトCD22に対する特異性を持ったCDR移植抗体であり、配列番号:28に示される配列を持つ軽鎖および、配列番号:30に示される配列を持つ重鎖を含むところの請求項98記載の組成物。
【請求項106】
ヒト化抗CD22抗体がヒトCD22に対して高い特異性を有する変異抗体であり、その変異抗体が親和性成熟プロトコールによって得られるところの請求項98記載の組成物。
【請求項107】
細胞傷害薬がカリチェアミシンであるところの請求項91記載の組成物。
【請求項108】
カリチェアミシンがγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンであるところの請求項107記載の組成物。
【請求項109】
さらに生物活性試薬を含んでいてもよいところの請求項91記載の組成物。
【請求項110】
生物活性試薬が細胞傷害薬であるところの請求項109記載の組成物。
【請求項111】
生物活性試薬が成長因子であるところの請求項109記載の組成物。
【請求項112】
生物活性試薬がホルモンであるところの請求項109記載の組成物。
【請求項113】
増殖性障害の対象を治療する方法であり、治療上有効量の請求項91記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項114】
治療上有効量の組成物を皮下、腹膜内、静脈内、動脈内、脊髄内、鞘内、経皮的、皮膚を介して、鼻腔内、局所的、経腸、経膣的、舌下、または経直腸で投与するところの請求項113記載の方法。
【請求項115】
治療上有効量の組成物を静脈内投与するところの請求項113記載の方法。
【請求項116】
対象がヒトであり、増殖性障害が癌であるところの請求項113記載の方法。
【請求項117】
癌がB細胞悪性腫瘍であるところの請求項116記載の方法。
【請求項118】
B細胞悪性腫瘍が白血病であるところの請求項117記載の方法。
【請求項119】
白血病が細胞表面抗原CD22を発現するところの請求項118記載の方法。
【請求項120】
B細胞悪性腫瘍がリンパ腫であるところの請求項117記載の方法。
【請求項121】
リンパ腫が細胞表面抗原CD22を発現するところの請求項120記載の方法。
【請求項122】
癌が癌腫であるところの請求項116記載の方法。
【請求項123】
癌が肉腫であるところの請求項116記載の方法。
【請求項124】
B細胞悪性腫瘍の治療法であり、治療上有効な細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートを含む組成物を、当該治療を必要とする患者に投薬することを含む方法。
【請求項125】
B細胞悪性腫瘍がリンパ腫であるところの請求項124記載の方法。
【請求項126】
B細胞悪性腫瘍が非ホジキンリンパ腫であるところの請求項125記載の方法。
【請求項127】
一つまたはそれ以上の生物活性試薬と共に、治療上有効な細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートを投薬することを含むところの請求項124記載の方法。
【請求項128】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲート中の細胞傷害薬がカリチェアミシン、チオテパ、タキサン類、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリン、マイタンシノイドおよびエスペラミシンからなる群より選ばれるところの請求項124記載の方法。
【請求項129】
細胞傷害薬がカリチェアミシンであるところの請求項124記載の方法。
【請求項130】
カリチェアミシンがγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンであるところの請求項126記載の方法。
【請求項131】
一つまたはそれ以上の生物活性試薬が、抗体、成長因子、ホルモン、サイトカイン、抗ホルモン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンおよび細胞傷害薬からなる群から選ばれるところの請求項127記載の方法。
【請求項132】
生物活性試薬が抗体であるところの請求項131記載の方法。
【請求項133】
抗体がB細胞悪性腫瘍上に発現する細胞表面抗原に対するものであるところの請求項132記載の方法。
【請求項134】
B細胞悪性腫瘍上に発現する細胞表面抗原に対する抗体は、抗CD19、抗CD20、および抗CD33抗体からなる群から選ばれるところの請求項133記載の方法。
【請求項135】
抗CD20抗体がリツキシマブであるところの請求項134記載の方法。
【請求項136】
サイトカインまたは成長因子が、インターロイキン2(IL−2)、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFからなる群から選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項137】
ホルモンがステロイドホルモンであり、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチンおよびコルチコステロイドから選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項138】
細胞傷害薬が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシン、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリン、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソール、タクソール類似物およびマイトマイシンからなる群から選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項139】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬と組み合わせて共に投与する方法であり、細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項140】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬を組み合わせて投与するのに先立って投与する方法であり、細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)

M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項141】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬を組み合わせて投与した後に投与する方法であり、生物活性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)

M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項142】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物をB細胞悪性腫瘍の細胞表面抗原に対する抗体と共に投与する方法であり、治療養生法の一部として、一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬の組み合わせを含んでいてもよく、その細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)

M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項131記載の方法。
【請求項143】
治療の必要のある患者に対して、治療上有効な単量体カリチェアミシン誘導体−抗CD22抗体コンジュゲートの組成物を、一つまたはそれ以上の生物活性試薬と共に投与することを含むところの浸潤性のリンパ腫の治療法。
【請求項144】
単量体カリチェアミシン誘導体−抗CD22抗体コンジュゲートがCMC−544であるところの請求項143記載の方法。
【請求項145】
増殖性疾患の対象の治療に際して、治療上有効量の組成物を投薬することを含む、請求項91記載の組成物の使用。
【請求項146】
治療上有効量の組成物を、皮下、腹膜内、静脈内、動脈内、脊髄内、鞘内、経皮的、皮膚を介して、鼻腔内、局所的、経腸、経膣的、舌下、または経直腸で投与するところの請求項145記載の使用。
【請求項147】
治療上有効量の本発明の医薬組成物を静脈内に投与するところの請求項145記載の使用。
【請求項148】
対象がヒトであり、増殖性疾患が癌であるところの請求項145記載の使用。
【請求項149】
癌がB細胞悪性腫瘍であるところの請求項148記載の使用。
【請求項150】
B細胞悪性腫瘍が白血病であるところの請求項149記載の使用。
【請求項151】
白血病が細胞表面抗原CD22を発現するところの請求項150記載の使用。
【請求項152】
B細胞悪性腫瘍がリンパ腫であるところの請求項149記載の使用。
【請求項153】
リンパ腫が細胞表面抗原CD22を発現するところの請求項152記載の使用。
【請求項154】
癌が癌腫であるところの請求項148記載の使用。
【請求項155】
癌が肉腫であるところの請求項148記載の使用。
【請求項156】
治療上有効量の細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートを含む組成物を治療を必要とする患者に対して投薬することを含む、B細胞悪性腫瘍を治療するための細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートを含む組成物の使用。
【請求項157】
B細胞悪性腫瘍がリンパ腫であるところの請求項156記載の使用。
【請求項158】
B細胞悪性腫瘍が非ホジキンリンパ腫であるところの請求項157記載の使用。
【請求項159】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、一つまたはそれ以上の生物活性試薬と共に投薬することからなる、請求項156記載の使用。
【請求項160】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲート中の細胞傷害薬が、カリチェアミシン、チオテパ、タキサン類、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、タモキシフェン、イダルビシン、ドラスタチン/アウリスタチン、ヘミアスタリン、マイタンシノイド、およびエスペラミシンからなる群より選ばれるところの請求項156記載の使用。
【請求項161】
細胞傷害薬がカリチェアミシンであるところの請求項156記載の使用。
【請求項162】
カリチェアミシンがγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンであるところの請求項161記載の使用。
【請求項163】
生物活性試薬が、抗体、成長因子、ホルモン、サイトカイン、抗ホルモン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンおよび細胞傷害薬からなる群より選ばれるところの請求項159記載の使用。
【請求項164】
生物活性試薬が抗体であるところの請求項163記載の使用。
【請求項165】
抗体がB細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面抗原に対するものであるところの請求項164記載の使用。
【請求項166】
B細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面抗原に対するものであるような抗体が、抗CD19、抗CD20および抗CD33抗体からなる群から選ばれるところの請求項165記載の使用。
【請求項167】
抗CD20抗体がリツキシマブであるところの請求項166記載の使用。
【請求項168】
サイトカインまたは成長因子が、インターロイキン2(IL−2)、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFからなる群から選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項169】
ホルモンがステロイドホルモンであり、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチンまたはコルチコステロイドから選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項170】
細胞傷害薬が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシン、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリン、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソール、タクソール類似物およびマイトマイシンからなる群から選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項171】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害薬と組み合わせて共に投与する使用であり、細胞傷害薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項172】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害薬を組み合わせて投与するのに先立って、投与する使用であり、細胞傷害薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項173】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物を、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬を組み合わせて投与した後に投与する使用であり、生物活性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項174】
細胞傷害薬−抗CD22抗体コンジュゲートの治療上有効な組成物をB細胞悪性腫瘍の細胞表面抗原に対する抗体と共に投与する方法であり、治療養生法の一部として、一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬の組み合わせを含んでいてもよく、その細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項163記載の使用。
【請求項175】
治療上有効量のコンジュゲートを、治療を必要とする患者に対して投薬することを含む、B細胞悪性腫瘍の対象の治療における、請求項43記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲートの使用。
【請求項176】
対象がB細胞悪性腫瘍に罹患しているところの請求項175記載の使用。
【請求項177】
B細胞悪性腫瘍がリンパ腫であるところの請求項176記載の使用。
【請求項178】
B細胞悪性腫瘍が非ホジキンリンパ腫であるところの請求項177記載の使用。
【請求項179】
コンジュゲートを一つまたはそれ以上の生物活性試薬と一緒に投薬するところの請求項175記載の使用。
【請求項180】
カリチェアミシン誘導体がγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシン誘導体であるところの請求項175記載の使用。
【請求項181】
生物活性試薬が、抗体、成長因子、ホルモン、サイトカイン、抗ホルモン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンおよび細胞傷害薬からなる群より選ばれるところの請求項179記載の使用。
【請求項182】
生物活性試薬が抗体であるところの請求項181記載の使用。
【請求項183】
抗体がB細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面抗原に対するものであるところの請求項182記載の使用。
【請求項184】
B細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面抗原に対するものであるような抗体が、抗CD19、抗CD20および抗CD33抗体からなる群から選ばれるところの請求項183記載の使用。
【請求項185】
抗CD20抗体がリツキシマブであるところの請求項184記載の使用。
【請求項186】
サイトカインまたは成長因子が、インターロイキン2(IL−2)、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFからなる群から選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項187】
ホルモンがステロイドホルモンであり、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチン、またはコルチコステロイドから選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項188】
細胞傷害薬が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシン、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリン、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソール、タクソール類似物およびマイトマイシンからなる群から選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項189】
治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲートを、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬の組み合わせと共に投与する使用であり、細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項190】
治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲートを、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬を組み合わせて投与するのに先立って、投与する使用であり、細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項191】
治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲートを、治療養生法の一部として一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬を組み合わせて投与した後に投与する使用であり、生物活性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項192】
治療上有効量の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲートをB細胞悪性腫瘍の細胞表面抗原に対する抗体と共に投与する方法であり、治療養生法の一部として、一つまたはそれ以上の細胞傷害性試薬の組み合わせを含んでいてもよく、その細胞傷害性試薬の組み合わせが:
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれるところの請求項181記載の使用。
【請求項193】
増殖性疾患の治療に対する医薬の製造における、請求項43記載の単量体カリチェアミシン誘導体/抗CD22抗体コンジュゲートの使用。
【請求項194】
カリチェアミシンがγカリチェアミシンまたはN−アセチルカリチェアミシンであるところの請求項193記載の使用。
【請求項195】
増殖性疾患がB細胞悪性腫瘍であるところの請求項193記載の使用。
【請求項196】
B細胞悪性腫瘍が非ホジキンリンパ腫であるところの請求項195記載の使用。
【請求項197】
医薬が一つまたはそれ以上の生物活性試薬を含んでいてもよいところの請求項193記載の使用。
【請求項198】
生物活性試薬が、抗体、成長因子、ホルモン、サイトカイン、抗ホルモン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンおよび細胞傷害薬からなる群より選ばれるところの請求項197記載の使用。
【請求項199】
生物活性試薬が抗体であるところの請求項198記載の使用。
【請求項200】
抗体がB細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面抗原に対するものであるところの請求項199記載の使用。
【請求項201】
B細胞悪性腫瘍で発現する細胞表面抗原に対するものである抗体が、抗CD19、抗CD20および抗CD33抗体からなる群から選ばれるところの請求項200記載の使用。
【請求項202】
抗CD20抗体がリツキシマブであるところの請求項201記載の使用。
【請求項203】
サイトカインまたは成長因子が、インターロイキン2(IL−2)、TNF、CSF、GM−CSFおよびG−CSFからなる群から選ばれるところの請求項198記載の使用。
【請求項204】
ホルモンがステロイドホルモンであり、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチンまたはコルチコステロイドから選ばれるところの請求項198記載の使用。
【請求項205】
細胞傷害薬が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、ミトザントロン、エピルビシン、カルビシン、ノガラマイシン、メノガリル、ピタルビシン、バルビシン、シタラビン、ゲムシタビン、トリフルリジン、アンシタビン、エノシタビン、アザシチジン、ドキシフルリジン、ペントスタチン、ブロクスリジン、カペシタビン、クラドリビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゴウゲロチン、ピューロマイシン、テガフール、チアゾフリン、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダカーバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトザントロン、ブレオマイシン、メクロレタミン、ブレドニゾン、プロカルバジン、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド、タクソール、タクソール類似物およびマイトマイシンからなる群から選ばれるところの請求項198記載の使用。
【請求項206】
細胞傷害薬が、
A.CHOPP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
B.CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
C.COP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
D.CAP−BOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)
E.m−BACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾンおよびロイコボリン)
F.ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
G.ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、ロイコボリン、シタラビン、ブレオマシンおよびビンクリスチン)
H.MACOP−B(メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ブレオマイシンおよびロイコボリン)
I.MOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
J.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)
K.ABV(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシンおよびとビンブラスチン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
L.ABVD(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカーバジン)と交互に用いるMOPP(メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびプロカルバジン)
M.ChlVPP(クロラムブチル、ビンブラスチン、プロカルバジンおよびプレドニゾン)
N.IMVP−16(イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
O.MIME(メチルグリコサミノグリカン、イホスファミド、メトトレキサートおよびエトポシド)
P.DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
Q.ESHAP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビンおよびシスプラチン)
R.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
S.CAMP(ロムスチン、ミトザントロン、シタラビンおよびプレドニゾン)
T.CVP−1(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
U.ESHOP(エトポシド、メチルプレジソロン、高用量シタラビン、ビンクリスチンおよびシスプラチン)
V.EPOCH(丸薬用量のシクロホスファミドおよび経口プレドニゾンと一緒に96時間に及ぶエトポシド、ビンクリスチンおよびドキソルビシン)
W.ICE(イホシファミド、シクロホスファミドおよびエトポシド)
X.CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)
Y.CHOP−B(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびブレオマイシン)および
Z.P/DOCE(エピルビシンまたはドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミドおよびプレドニゾン)
から選ばれる組み合わせであるところの請求項198記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図16−4】
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【図16−5】
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【図16−6】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−51900(P2012−51900A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−215042(P2011−215042)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【分割の表示】特願2004−500808(P2004−500808)の分割
【原出願日】平成15年5月2日(2003.5.2)
【出願人】(591000791)ワイス・ホールディングズ・コーポレイション (43)
【Fターム(参考)】