説明

カロテノイドとエピルテインとの組合せ

本発明は、多様な眼疾患を治療するためのカロテノイドとエピルテインとの組成物の調製および使用について記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年12月14日に出願された米国仮特許出願第61/286,054号に基づく優先権を主張し、これは2010年12月8日に出願された米国特許出願第12/962,720号に基づく優先権を主張する。該開示は、参照により本明細書にその全体が組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般には、ルテイン、ゼアキサンチンおよび関連組成物などのカロテノイドとのエピルテインの組合せに関する。
【背景技術】
【0003】
カロテノイドは、自然界に広く分布している黄色、赤色および橙色の色素である。特定のカロテノイドは、多様な果実および野菜、鳥類の羽毛、卵黄、家禽の皮膚、甲殻類および眼の黄斑領域において確認されているが、マリゴールドの花弁、トウモロコシおよび葉野菜の中に特に豊富である。食物由来のカロテノイドとヒトの血清および血漿中で見出されるカロテノイドとの間の相関関係により、選択された群のカロテノイドのみがヒトの血流に入ってそれらの作用を発揮することが示唆される。
【0004】
カロテノイドは、可視スペクトルの400〜500nm領域内の光を吸収する。この物理的な特性により、この色素に黄/赤色が付与される。カロテノイドは、イソプレン単位からなる結合された主鎖を含有し、これは通常、分子の中央で反転され、左右対称になっている。これらの二重結合付近の幾何的配置の変化により、多くのシス異性体およびトランス異性体が存在する結果となる。哺乳類は、カロテノイドを合成せず、したがって、果実、野菜および卵黄などの食物由来の供給源から得る必要がある。近年では、カロテノイドには、いくつかの健康の利点があると考えられており、これには、重篤な健康障害に対する予防およびまたは防御などが挙げられる。
【0005】
カロテノイドは、2つのサブクラス、すなわち、キサントフィルまたはオキシカロテノイドと呼ばれるより極性の化合物と、[ベータ]−カロテン、リコペンなどの無極性の炭化水素カロテンに分類される無極性化合物である。双方のサブクラスは、カロテノイドの特徴的な色の原因となる少なくとも9つの共役二重結合を有する。キサントフィルは、例えばヒドロキシル基またはケト基などの極性官能性を有する、共役二重結合鎖の末端の環構造を有する。キサントフィルの例としては、ルテイン、ゼアキサンチン、カプサンチン、カンタキサンチン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチンなどが挙げられる。天然の着色剤として、またヒトの健康におけるこれらの役割について、ルテインおよびゼアキサンチンを含むキサントフィルは、近年、生物医学、化学および栄養学の分野の科学者および研究者から再び注目を集めている。
【0006】
ルテインおよびゼアキサンチンは、それぞれ黄色および橙黄色に関与する。ルテインおよびゼアキサンチンは、(エステル化されていない)遊離型で、またエステルとしても、植物材料中に存在する。ルテインは、ホウレンソウ、ケールおよびブロッコリーなどの緑色の葉野菜、さらに、マンゴー、オレンジ、パパイヤ、赤パプリカなどの果実、藻類および黄色トウモロコシの中に遊離型で存在する。これらの供給源は、一般に、ルテインをそのエステルなどの形態で含有する。ルテインは、血流中および人体内の多様な組織内、ならびに特に眼の黄斑、水晶体および網膜にも存在する。
【0007】
基本的には、ルテインエステルおよび遊離型のルテインは、マリゴールドの花から得られる商業的に重要な栄養補助食品である。新鮮なマリゴールドの花では、ルテインエステルはトランス異性体型で存在するが、熱、光、酸素、酸などへの曝露により、トランスルテイン幾何異性体型からシスルテイン幾何異性体型への異性化が触媒される。栄養補助食品および食品添加物としては、対応するシス異性体型と比較してより良好な生物学的利用能およびより濃い黄色のために、ルテインのトランス異性体型が好ましい。
【0008】
多様なカロテノイドがヒトの血漿中に存在するが、キサントフィルのルテインおよびゼアキサンチンのみが、網膜内に多量に、特に中心窩の中央の黄色の点である黄斑内で高いレベルで、見出される。黄斑の領域内の網膜および網膜色素上皮の変性は、加齢黄斑変性(AMD)などの眼疾患を引き起こす。ルテインおよびゼアキサンチンは、ヒト黄斑内の主要なカロテノイドである。疫学的データにより、ルテインに富んだ食事の摂取を増やすことで、AMDおよび付随または関連する疾患のリスクを低下させることができることが示唆される。
【0009】
したがって、ヒトの血漿中、および特に黄斑内でのルテインおよび/またはゼアキサンチンなどのキサントフィルの取り込みを増加させる必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、カロテノイドとエピルテインとを含有する組成物およびin vivoでのカロテノイドの生物学的利用能を増加させる方法を提供する。
【0011】
本発明は、食品、飲料、および栄養補助食品における上記の組成物の使用も提供する。
【0012】
本発明は、加齢黄斑変性(AMD)、白内障の発症、黄斑変性、瞼裂斑などの眼の障害/状態/疾患を予防/治療/改善する方法をさらに提供する。
【0013】
本明細書に記載のエピルテインの組合せを用いて、等量のカロテノイドよりもエピルテインなしよりも高い生物学的利用能を達成することができる。試験データに基づいて、カロテノイドの存在下でのエピルテインの存在は、カロテノイドの血漿中濃度を高めることができると考えられる。
【0014】
複数の実施形態を開示しているが、本発明のさらに他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。明らなように、本発明は、すべて本発明の趣旨および範囲から逸脱することのない、多様な明らかな態様における修正が可能である。したがって、この詳細な説明は、事実上例示的なものであって制限的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】エピルテインあり/なしでのルテインの分解を示す図である。
【図2】エピルテインあり/なしでのゼアキサンチンの分解を示す図である。
【図3】本出願において調製した単離エピルテインのHPLCクロマトグラムを示す図である。
【図4】処置I後7日目に認められたルテインの血漿中レベル(n=5)を示す図である。
【図5】処置I後7日目に認められたルテインおよびエピルテインの血漿中レベル(n=5)を示す図である。
【図6】n=5の、処置IおよびIIの後に認められたルテインの比較の血漿中レベルを示す図である。
【図7】それぞれ処置IおよびIIの後の、ルテインおよびルテイン/エピルテインの合計の比較の血漿中レベルの結果を示す図である。
【図8】0.1mgルテイン/kg体重の用量について補正した、n=5の、該当する処置の7日目に認められたルテインの血漿中レベルを示す図である。
【図9】n=5の、7日目に認められた3’−オキソルテインの血漿中レベル(相対比較)を示す図である。
【図10】n=5の、7日目に認められたルテイン−ジエポキシド断片(5,6−エポキシ−3−ヒドロキシ−12’−β,ε−カロテン−12’−アール)の血漿中レベル(相対比較)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、エピルテインと、ルテインおよび/またはゼアキサンチンなどのカロテノイドとの組合せに関する。驚くべきことに、エピルテインは、血漿中の(1種または複数の)カロテノイドの取り込みおよび保持に対する作用を有することが見出されている。次に、カロテノイドは、黄斑組織への送達ではより生物学的利用能が高い。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む(comprising)」という用語は、制限のない用語であり、「....が挙げられるが、これらに限定されない」ことを意味すると解釈されるべきである。これらの用語は、より制限的な用語である「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を包含する。
【0018】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、単数形「1つの(a、an)」、および「該(the)」は、その文脈によって別途明確に示されていない限り、複数の指示被験者を含むことに注意しなければならない。同様に、「1つの(a)」(または「an」)、「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」という用語は、本明細書中で互換可能に使用されうる。「含む(comprising)」、「含む(including)」、「を特徴とする」および「有する」という用語も互換可能に使用されうることにも注意するべきである。
【0019】
他で定義されていない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中で特に言及しているすべての出版物および特許は、本発明と関連して使用されうる出版物中で報告されている化学製品、機器、統計的解析および方法論を記載および開示することを含むすべての目的のために、参照によりその全体が組み込まれている。本明細書中のすべての引用文献は、当技術分野における技術水準を示すものとしてみなされるべきである。先行発明によって本発明がこうした開示に先行する権利がないことを容認すると解釈されるものは本明細書中にない。
【0020】
カロテノイドは炭化水素の1つのクラス(カロテン)であり、対応する酸化誘導体はキサントフィルである。カロテノイドは、イソプレノイド単位の配置が分子の中心で反転され、その結果、中央の2個のメチル基が1,6−位になり、残りの非末端メチル基が1,5−位になるように結合された8個のイソプレノイド単位からなる。すべてのカロテノイドは、(I)水素化、(2)脱水素化、(3)環化、もしくは(4)酸化、またはこれらのプロセスの任意の組合せによって、共役二重結合の長い中央鎖を有する非環式C4056構造(I)(化合物I)から形式的に誘導されうる。このクラスには、中央の2個のメチル基が維持されているのであれば、その炭素骨格(I)(リコペン)の特定の転位または分解から生じる化合物も含まれる。
【0021】
【化1】

【0022】
約600種のカロテノイドが、天然の供給源から単離されている。これらのカロテノイドは、Key to Carotenoids(Pfander、1987)およびその分光学的特性および他の特性についての文献参照も含むAppendix of Carotenoids、第1A巻(Kull&Pfander 1995)の中で、その慣用名および半組織名を用いて列挙されている。多数のカロテノイドについては、その構造は、立体化学的帰属を含めて、依然として不明確である。構造が不明確である場合、分割と、それに続く最新の分光学的方法(高分解能核磁気共鳴(NMR)分光法を含む)を用いた構造解明が必要である。約370種の天然に存在するカロテノイドは、キラルであり、1から5個までの不斉炭素原子を有し、ほとんどの場合には、1種のカロテノイドは自然界において1つの立体配置で存在する。
【0023】
カロテノイドのすべての具体的名称は、語幹名カロテンに基づいており、これは、化合物II(カロテン)に示す構造および番号付けに対応している。
【0024】
【化2】

【0025】
特定の化合物の名称は、語幹名カロテンに接頭語として2つのギリシャ文字を付加することによって構成される(化合物断片III)。このギリシャ文字の接頭語は、化合物IIa中に示しているアルファベット順で引用される。
【0026】
【化3】

【0027】
酸化されたカロテノイド(キサントフィル)は、ヒドロキシ、メトキシ、カルボキシ、オキソ、およびエポキシ官能性を含むことが非常に多い。重要かつ特徴的なカロテノイド(化合物IIIからX)は、リコペン(ガンマ,ガンマ−カロテン)(I)、ベータ−カロテン(ベータ,ベータ−カロテン)(III)、アルファ−カロテン((6’R)−ベータ,イプシロン−カロテン)(IV)、ベータ−クリプトキサンチン((3R)−ベータ,ベータ−カロテン−3−オール)(V)、ゼアキサンチン((3R,3’R)−ベータ,ベータカロテン−3,3’−ジオール)(VI)、ルテイン(「キサントフィル」、(3R,3’R,6’R)−ベータ,イプシロン−カロテン−3,3’−ジオール)(VII)、ネオキサンチン((3S,5R,6R,3’S,5’R,6’S)−5’,6’−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−5,6,S’,6’−テトラヒドロ−ベータ,ベータ−カロテン−3,5,3’−トリオール)(VIII)、ビオラキサンチン((3S,5R,6R,3’S,5’R,6’S)−5,6,5’,6’−ジエポキシ−5,6,5’,6’−テトラヒドロ−ベータ,ベータ−カロテン−3,3’−ジオール)(IX)、フコキサンチン((3S,5R,6S,3’S,5’R,6’R)−5,6−エポキシ−3,3’,5’−トリヒドロキシ−6’,7’−ジデヒドロ−5,6,7,8,5’,6’−ヘキサヒドロ−ベータ,ベータ−カロテン−8−オン3’−アセタート)(X)、カンタキサンチン(ベータ,ベータ−カロテン−4,4’−ジオン)(XI)、アスタキサンチン((3S,3’S)−3,3’−ジヒドロキシ−ベータ,ベータ−カロテン−4,4’−ジオン)(XII)、ベータ−アポ−8’−カロテナール(8’−アポ−ベータ−カロテン−8’−アール)(XIII)およびペリジニン((3S,5R,6R,3’S,5’R,6’R)−エポキシ−3,5,3’−トリヒドロキシ−6,7−ジデヒドロ−5,6,5’,6’−テトラヒドロ−10,11,20−トリノル−ベータ,ベータ−カロテン−19’,11’−オリド3−アセタート)(XIV)である。
【0028】
【化4】

【0029】
【化5】

【0030】
通常、カロテノイドは、(all−E)異性体として自然界に存在する。いくつかのカロテノイドは、加工中にきわめて容易に異性化を受ける。加工のために、カロテノイドを溶液中に維持するときには(E/Z)異性化が生じうるということに留意しなくてはならない。(Z)異性体の割合は、通常は比較的低いが、高温では高くなる。
【0031】
ヒトおよび動物は、ルテインおよびゼアキサンチンなどのキサントフィルを合成できず、これを食事から供給しなくてはならない。黄斑内でのルテインおよびゼアキサンチンの存在は、特定の機能を有し、すなわち、紫外線から細胞および組織を保護し、白内障のリスクを低減させる。ルテインおよびゼアキサンチンは、黄斑色素を構成することが知られており、ルテインは、黄斑内でゼアキサンチンに異性化する。
【0032】
ルテインは、乳房、結腸、肺、皮膚、頸部および卵巣の癌に対する保護効果を有しうること、および心血管疾患の治療において有望である可能性があることを示唆している証拠がある。したがって、個体に、その食事に入れてまたは栄養補助食品として使用するためにルテインを提供することは、より良好なヒトの健康および健常視力を支援する。
【0033】
したがって、抗酸化剤、白内障および黄斑変性の予防として、肺癌予防剤として、日光からの有害な紫外線を吸収するための薬剤および光誘起フリーラジカルおよび反応性酸素種のクエンチャーなどとしての使用のために、多量のトランス(E)−ルテインおよび/またはゼアキサンチンを含有するキサントフィル結晶に対する必要性が高まっている。結果として、ヒトの血漿および組織中に多量のカロテノイド、例えばキサントフィルなどを供給する、または増加させる必要がある。
【0034】
3’−エピルテインとしても知られる、エピルテイン((3R,3’S,6’R)−ルテイン)は、3’ヒドロキシルのR配置からS配置へのエピマー化によって形成される。エピルテインは自然界に存在するが、Caltha palustris、数種類のバラおよびボタンなどのごく少数の植物、ならびにヒト体内のルテインの代謝産物においてきわめてわずかな量/微量で存在するのみである。したがって、約1mg/1グラム未満、より詳細には約0.1mg/グラム未満、最も詳細には約0.01mg/グラム未満のエピルテインが、天然に存在する状態の植物材料中に存在する。
【0035】
本明細書に記載の使用に好適な代替物質として、キサントフィルなどのカロテノイドと共に、エピルテイン類似体も含まれる。こうした類似体としては、エステル、アミド、エーテル、シリルエーテル、カーボネート、カルバメート、スルホネート、ホスフェート、スルホキシドおよびエピルテイン中に存在するヒドロキシル基などが挙げられる。例えば、分子内の反応性官能基に結合されたときに、その官能基の反応性を遮蔽、低減または阻止する一群の原子。典型的には、該基は、適切な条件下で選択的に除去されてもよい。好適な基の例は、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Chemistry、第3増補版、1999、John Wiley&Sons、NYならびにHarrisonら、Compendium of Synthetic Organic Methods、第1〜8巻、1971〜1996、John Wiley&Sons、NYの中で見出すことができる。代表的なヒドロキシル誘導体化としては、ベンジルおよびトリチルエーテル、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMS基またはTIPP基)、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールおよびプロピレングリコール誘導体など、ならびにアリルエーテルなどの、ヒドロキシル基がアシル化(エステル化)またはアルキル化されるものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
驚くべきことに、キサントフィル(例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、β,β−カロテン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、エステル等のこれらの誘導体、またはこれらの混合物)などのカロテノイドとのエピルテインの組合せは、そのカロテノイド、例えば、ルテインおよび/またはゼアキサンチンなどのキサントフィルの、血漿への取り込みを増加させることが見出されている。理論によって限定されるものではないが、エピルテインは、より多くのカロテノイドが血漿中に残るように、カロテノイドの分解を遅らせ、または阻止するのを補助することが可能である。結果として、増加した量のカロテノイドは、次いで、黄斑に効果的に送達されて、その組織の健康を支援するのを助けるとともに、可能性のあるAMDを治療または予防することができる。好適なエピルテイン物質は、既知の方法および本明細書中に含まれる実施例に記載の方法によって調製することができる。
【0037】
「キサントフィルエステル」という用語は、「遊離」キサントフィルのモノエステルまたはジエステルおよび、一般には、少なくとも1個の脂肪酸を含むことが意図される。典型的には、該植物供給源は、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノレン酸および/またはパルミチン酸などのモノ−またはジ−C12−C18長鎖脂肪酸としてエステル化型のキサントフィルを含有する。マリゴールド花中のルテイン、スイカズラ中のゼアキサンチンならびにコショウ科植物中のカプサンチンおよびカプソルビンは、キサントフィルジエステルとして存在する。遊離または非エステル化のキサントフィルは、ホウレンソウ、ブロッコリー、ケールおよびトウモロコシなどの他の植物中で見出すことができる。
【0038】
「遊離キサントフィル」(または遊離ルテインなど)という用語は、キサントフィルエステルの加水分解後に残っているヒドロキシル部分を有するカロテノイドを意味することが意図される。
【0039】
本発明において利用するカロテノイド含有量の純度は、一般には少なくとも90%、より詳細には95%、さらにより詳細には99%またはより良好には、例えば、99.5%である。
【0040】
本発明の精製キサントフィルは、本明細書の全体にわたって記載の疾患または状態の治療において利用することができる。これらは、一般に、栄養補助食品としても使用することができる。
【0041】
典型的には、キサントフィルは精製することができる。例えば、限外濾過を使用して、分画分子量によって望ましくない成分を除去することができる。この濾過の保持液は、液体として保存することができ、または、例えば、次いで、噴霧乾燥、凍結乾燥、気流乾燥、流動床乾燥、環式乾燥、棚式乾燥、真空乾燥、高周波乾燥もしくはマイクロ波乾燥によってさらに濃縮して粉末にすることができる。最終的に、この生成物は、少なくとも95重量%、特に約99%、より詳細には99.5%またはより良好なキサントフィル含有量を有するはずである。
【0042】
キサントフィルは、クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、結晶化、アフィニティークロマトグラフィー、分配クロマトグラフィーなどの当技術分野において知られている1つまたは複数の方法によってさらに精製することもできる。特定のキサントフィルの同定は、1H NMR、化学的分解、クロマトグラフィーおよび分光法、特に、単離したイソプレノイド化合物の特徴付けのための同種核および異種核の2次元NMR技術を含む、当業者に知られている方法によって達成することができる。
【0043】
「精製」または「単離」という用語は、上述のような1種または複数のキサントフィルの精製および/または単離に関して使用される。ここでも、当技術分野において知られている従来の方法を使用して、多様なキサントフィルを精製物質に分離することができる。本発明の一態様において、キサントフィルは、当技術分野において知られている技術によって実質的に精製および単離される。該精製化合物の純度は、一般には少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、最も好ましくは少なくとも約99重量%、さらにより好ましくは少なくとも約99.9重量%(例えば、約100重量%)である。
【0044】
したがって、本発明は、本明細書中に記載の多様な苦痛を治療するのに有用なエピルテインと組み合わせて本明細書に記載の生物が利用可能な単離キサントフィルをさらに提供する。(1種または複数の)キサントフィルおよびエピルテインは、以下に述べるような、多くの方法によって投与することができる。
【0045】
本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、多様な食品、飲料、スナック菓子などに組み込むことができる。一態様において、本組成物は、摂取前に食品にふりかけることができる。食品にふりかける場合には、デンプン、スクロースまたはラクトースなどの好適な担体を使用して、(1種または複数の)キサントフィルおよびエピルテインの濃度を分散させるのに役立てることができ、これによって食品に適用するのがより容易になる。
【0046】
本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、多様な調理済み食品において補助食品として提供することもできる。本出願の目的では、調理済み食品とは、本発明の組成物が添加されている、あらゆる自然食品、加工食品、ダイエット食品または非ダイエット食品を意味する。本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、ダイエットドリンク、ダイエットバーおよび調理済み冷凍食品などが挙げられるが、これらに限定されない多数の調理済みダイエット食品に直接組み込むことができる。さらに、本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、飴、チップスなどのスナック製品、調理済み肉製品、牛乳、チーズ、ヨーグルト、スポーツバー、スポーツドリンク、マヨネーズ、サラダドレッシング、パンおよび他の脂肪または油を含有するあらゆる食品などが挙げられるが、これらに限定されない、多数の調理済み非ダイエット食品に組み込むことができる。本明細書中で使用される場合、「食品」という用語は、ヒトまたは動物の摂取に適合する任意の物質を指す。
【0047】
本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、果実ジュース、ミルクセーキ、牛乳などの多様な飲料に添加することができる。
【0048】
好ましい投与方法は、経口である。本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、デンプン、スクロースまたはラクトースなどの好適な担体と共に、錠剤、カプセル剤、溶剤、シロップ剤および乳剤中に製剤化することができる。本発明の錠剤またはカプセル剤は、約6.0から7.0のpHで溶解する腸溶コーティングでコーティングすることもできる。小腸内で溶解するが胃内で溶解しない、好適な腸溶コーティングは、酢酸フタル酸セルロースである。
【0049】
本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物の、ソフトゲルカプセル剤中への製剤化は、当技術分野において知られている多数の方法によって達成することができる。製剤は、油などの許容される担体または他の懸濁剤もしくは乳化剤を含むことが多い。
【0050】
好適な任意選択の担体としては、例えば、限定されるものではないが、天然または合成の油、脂肪、蝋またはこれらの組合せを含む任意の供給源に由来していてよい、脂肪酸、そのエステルおよび塩などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、該脂肪酸は、限定されるものではないが、非硬化油、部分硬化油、完全硬化油またはこれらの組合せに由来するものであってもよい。脂肪酸(そのエステルおよび塩)の非限定的な例示的供給源としては、種子油、魚油または海産物油、キャノーラ油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、キンレンカ種子油、カラシナ種子油、オリブ油、胡麻油、大豆油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、米糠油、ババスナッツ油、パーム油、低エルカ菜種油、パーム核油、ルピナス油、ヤシ油、アマニ油、イブニングプリムローズ油、ホホバ油、小麦胚芽油、獣脂、牛脂、バター、鶏脂、豚脂、乳脂、シアバターまたはこれらの組合せなどが挙げられる。
【0051】
特定の非限定的な魚油または海産物油の例示的供給源としては、甲殻類油、マグロ油、サバ油、サケ油、メンハーデン、アンチョビ、ニシン、マス、イワシまたはこれらの組合せなどが挙げられる。特に、該脂肪酸の供給源は、魚油または海産物油(DHAまたはEPA)、大豆油またはアマニ油である。代替的に、または上記に特定した担体のうちの1種と組み合わせて、シリカ(二酸化ケイ素)などの懸濁剤だけでなく、蜜蝋も適切な担体として使用できる。
【0052】
本発明の製剤は、栄養補助食品であることも考えられる。「栄養補助食品」という用語は、当技術分野で認識され、疾患を予防することまたは望ましくない状態を改善することができる、食品中で見出される特定の化合物を記述することが意図される。
【0053】
本発明の製剤は、安定化に役立つ、または本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの有益な組成物の成分の生物学的利用能を促進するのに役立つ、もしくは個体の食事へのさらなる栄養として働く、種々の成分をさらに含んでいてもよい。適切な添加剤としては、ビタミンおよび生物学的に許容されるミネラルなどを挙げることができる。ビタミンの非限定的な例としては、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよび葉酸などが挙げられる。ミネラルの非限定的な例としては、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、銅、クロム、亜鉛、モリブデン、ヨウ素、ホウ素、セレン、マンガン、これらの誘導体またはこれらの組合せなどが挙げられる。これらのビタミンおよびミネラルは、限定されるものではなく、いかなる供給源または供給源の組合せからのものであってもよい。非限定的な例示的ビタミンB類としては、限定されるものではないが、チアミン、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、シアノコバラミン、ビオチン、パントテン酸またはこれらの組合せなどが挙げられる。
【0054】
多様な添加剤を、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの本組成物中に組み込むことができる。(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの本組成物の任意選択の添加剤としては、限定されるものではないが、ヒアルロン酸、リン脂質、デンプン、糖、脂肪、抗酸化剤、アミノ酸、タンパク質、香味剤、着色剤、(1種または複数の)加水分解デンプンおよびこれらの誘導体またはこれらの組合せなどが挙げられる。
【0055】
本明細書中で使用される場合、「抗酸化剤」という用語は、当技術分野で理解されており、化合物の酸化変質を予防するまたは遅延させる合成または天然の物質を指す。例示的な抗酸化剤としては、トコフェロール、フラボノイド、カテキン、スーパーオキシドジスムターゼ、レシチン、ガンマオリザノール;ビタミンA、C(アスコルビン酸)およびEなどのビタミンならびにベータ−カロテン;天然成分、例えば、ローズマリーおよびサンザシの抽出物中に見出されるカルノソール、カルノシン酸およびロスマノール、グレープシードまたは松樹皮の抽出物中に見出されるもののようなプロアントシアニジン、ならびに緑茶抽出物などが挙げられる。
【0056】
本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとを含有する組成物は、混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥の従来の加工の方法によって製造することができる。該組成物は、キサントフィルエピルテイン組成物を使用可能な製剤に加工するのを容易にする1種または複数の生理学的に許容される担体、希釈剤、添加剤または助剤を使用して従来の方法で製剤化することができる。
【0057】
本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、例えば経口、口内、全身、注射、経皮、直腸、経膣などを含む、実質的にいかなる投与様式にも好適な形態、または吸入もしくは吹送による投与に好適な形態をとりうる。
【0058】
全身製剤としては、注射、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内または腹膜内の注射による投与のために設計されたもの、ならびに経皮、経粘膜経口または経肺の投与のために設計されたものなどが挙げられる。
【0059】
有用な注射用製剤としては、水性または油性のビヒクル中の、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物の無菌懸濁液、溶液またはエマルジョンが挙げられる。(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物は、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの配合剤も含み得る。注射用の該製剤は、単位剤形で、例えば、アンプルに入れて、または多回用量の容器に入れて、提供することができ、添加された保存料を含んでいてもよい。
【0060】
代替的に、注射用製剤は、無菌の発熱物質不含水、緩衝液、デキストロース溶液などが挙げられるがこれらに限定されない適切なビヒクルを用いて使用前に再構成するための粉末の形態で提供することもできる。この目的のために、キサントフィルとエピルテインとの該組成物を、凍結乾燥などの当技術分野で知られている任意の技術によって乾燥させて、使用前に再構成することができる。
【0061】
経粘膜投与の場合、浸透させるバリアーに適切な浸透剤を該製剤中に使用する。こうした浸透剤は、当技術分野において知られている。
【0062】
経口投与の場合、本発明の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、バレイショデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される添加剤を用いて従来の方法によって調製される、例えば、トローチ剤、錠剤またはカプセル剤の形態をとりうる。該錠剤は、例えば、糖、フィルムまたは腸溶コーティングを用いて、当技術分野でよく知られている方法によってコーティングすることもできる。
【0063】
経口投与用の液体製剤は、例えば、エリキシル、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとることができ、または水または他の適切なビヒクルを用いて使用前に構成するための乾燥製品として提供することもできる。こうした液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビロールシロップ、セルロース誘導体または硬化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコールまたは分画された植物油)および保存剤(例えば、メチルまたはプロピルpヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤を用いて従来の方法によって調製することができる。該製剤は、必要に応じて、緩衝塩、保存剤、香味剤、着色剤および甘味剤を含んでいてもよい。
【0064】
経口投与用の製剤は、よく知られているように、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物の制御された放出が得られるように好適に製剤化することができる。
【0065】
口内投与の場合、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤またはトローチ剤の形態をとりうる。
【0066】
直腸および経膣経路の投与の場合、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物は、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含有する(保留浣腸のための)溶液坐剤または軟膏として製剤化することができる。
【0067】
鼻腔投与または吸入もしくは吹送による投与の場合、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物は、好都合には、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、フルオロカーボン、二酸化炭素または他の好適な気体などを使用して、加圧パックまたは噴霧器からエアゾールスプレーの形態で送達することができる。加圧エアゾールの場合には、用量単位は、測定されたある量を送達するためにバルブを設置することによって決定することができる。化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物を含有する、吸入または吹送において使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンからなるカプセルおよびカートリッジ)を製剤化することができる。
【0068】
長期送達の場合、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物を、インプラントまたは筋肉内注射によって投与するためのデポ製剤として製剤化することができる。(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物は、好適な高分子材料または疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)もしくはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として製剤化することができる。代替的に、経皮吸収のために(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物をゆっくりと放出する、粘着ディスクまたはパッチとして製造された経皮送達系を使用することもできる。この目的のために、浸透促進剤を用いて、該組成物の経皮的透過を促進することができる。好適な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,407,713号;米国特許第5,352,456号;米国特許第5,332,213号;米国特許第5,336,168号;米国特許第5,290,561号;米国特許第5,254,346号;米国特許第5,164,189号;米国特許第5,163,899号;米国特許第5,088,977号;米国特許第5,087,240号;米国特許第5,008,110号;および米国特許第4,921,475号に記載されている。
【0069】
代替的に、他の送達系を用いることもできる。リポソームおよびエマルジョンは、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物を送達するために使用できる、よく知られている送達ビヒクルの例である。ジメチルスルホキシド(DMSO)などの特定の有機溶媒も使用できるが、通常、代償として毒性が高くなる。
【0070】
本明細書に開示の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物は、必要に応じて、パックまたはディスペンサー装置に入れて提供することができ、これは、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物を含有する1つまたは複数の単位剤形を含んでいてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックのホイルを含んでいてもよい。パックまたはディスペンサー装置には、投与のための説明書を添付することができる。
【0071】
ソフトゲルカプセルまたはソフトゼラチンカプセルは、例えば、限定されるものではないが、適切なビヒクル(例えば、米糠油、および/または蜜蝋)中にその製剤を分散させて高粘度混合物を形成することによって調製することができる。この混合物は、次いで、ソフトゲル業界の人々に知られている技術および機械を使用して、ゼラチンをベースとした薄膜でカプセル化される。このようにして形成されたカプセルは、次いで、一定の重量まで乾燥される。典型的には、該カプセルの重量は、約100から約2500ミリグラムの間であり、特に、約1500と約1900ミリグラムとの間の重量であり、より詳細には、約1500と約2000ミリグラムとの間の重量とすることができる。
【0072】
例えば、ソフトゼラチンシェルを調製するときには、そのシェルは、約20から70パーセントの間のゼラチン、一般には可塑剤、および約5から約60重量%のソルビトールを含みうる。ソフトゼラチンカプセルの充填物は、液体(主に担体、例えば米糠油または小麦胚芽油および/または必要に応じて蜜蝋など)であり、キサントフィルとは別に、親水性マトリックスを含みうる。この親水性マトリックスは、存在する場合には、約200から1000までの平均分子量を有するポリエチレングリコールである。さらなる成分は、任意選択で増粘剤および/または(1種または複数の)乳化剤である。一実施形態において、親水性マトリックスは、約200から1000までの平均分子量を有するポリエチレングリコール、5から15%のグリセロール、および5から15重量%の水を含む。ポリエチレングリコールは、プロピレングリコールおよび/または炭酸プロピレンと混合されていてもよい。
【0073】
他の一実施形態において、ソフトゲルカプセルは、ゼラチン、グリセリン、水および多様な添加剤から調製される。典型的には、ゼラチンの(重量)百分率は、約30と約50重量パーセントとの間、特に、約35と約重量パーセントとの間、より詳細には、約42重量パーセントである。該製剤は、約15と約25重量パーセントとの間のグリセリン、より詳細には、約17と約23重量パーセントとの間、より詳細には、約20重量パーセントのグリセリンを含む。
【0074】
カプセルの残りの部分は、典型的には水である。その量は、約25重量パーセントと約40重量パーセントとの間、より詳細には、約30と約35重量パーセントとの間、より詳細には、約35重量パーセントで変化する。カプセルの残部は、一般に、(1種または複数の)香味剤、糖、(1種または複数の)着色剤などまたはこれらの組合せからなる、約2と約10重量パーセントとの間で変化しうる。カプセルが加工された後、最終的なカプセルの水含有量は、約5と約10重量パーセントとの間、より詳細には、7と約12重量パーセント、より詳細には、約9と約10重量パーセントとの間であることが多い。
【0075】
製造に関しては、ソフトシェル製品を調製するために標準的なソフトシェルゼラチンカプセル剤の製造技術を使用できることが予想される。有用な製造技術の例として、R.P.Schererによって最初に開発されたプレート法、ロータリーダイ法、Norton capsule機およびAccogel機を使用する方法およびLederleによって開発された方法がある。これらの各方法は、成熟した技術であり、ソフトゼラチンカプセル剤を調製しようとする人すべてに広く利用可能である。
【0076】
ソフトゼラチンカプセル剤中の成分を溶けやすくするのを補助するために、乳化剤を使用することができる。界面活性剤、乳化剤、または発泡剤の特定の例としては、D−ソルビトール、エタノール、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、グアーガム、グリセロール、グリセリン脂肪酸エステル、コレステロール、白蜜蝋、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸ポリオキシル40、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、タルク、トリオレイン酸ソルビタン、パラフィン、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペクチン、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、マクロゴール400、ミリスチン酸オクチルドデシル、メチルセルロース、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセロール、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ラウリルジメチルアミンオキシド液、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、乾燥炭酸ナトリウム、酒石酸、水酸化ナトリウム、精製大豆レシチン、大豆レシチン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、中鎖トリグリセリド、無水クエン酸、綿実油−大豆油混合物、および流動パラフィンなどが挙げられる。
【0077】
本発明は、本明細書に開示の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物と、(1つまたは複数の)適切な条件で該製品を使用するための説明書とをパッケージ化した製剤も提供する。通常、パッケージ化した製剤を、いかなる形であれ、それを必要とする個体に投与する。通常、この投薬の必要回数は、1日あたり約1から約4回の間の投薬である。
【0078】
本発明は、多様な状態の治療のための、ソフトゼラチンカプセル剤中の、本明細書に開示の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物の調製、使用、製造およびパッケージングについて記載しているが、ソフトゼラチンカプセル剤のみに限定されるとみなされるべきではない。本明細書に開示の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの経口摂取可能な組成物は、上記のように、従来の錠剤、丸剤、トローチ剤、エリキシル剤、エマルジョン、ハードカプセル剤、液体、懸濁剤などに入れて送達することができる。
【0079】
本明細書に開示の(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物は、通常、意図される結果を達成するのに有効な量で、例えば、治療している特定の関連状態を治療または予防するのに有効な量で使用される。本組成物は、治療の利益を得るために治療的に、または予防の利益を得るために予防的に投与することができる。治療の利益とは、治療している基礎障害を根絶もしくは改善することおよび/または基礎障害と関連した1つもしくは複数の症状を根絶もしくは改善し、その結果、患者が、基礎障害に依然として苦しみうるにもかかわらず、感覚または状態の改善を報告することを意味する。例えば、疼痛に苦しんでいる患者への(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物の投与は、基礎状態が根絶または改善される場合だけでなく、患者が、疼痛と関連した身体的な不快感の重症度または期間の低減を報告するときにも治療の利益をもたらす。
【0080】
予防的投与の場合、(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの該組成物を、先に記載した状態のうちの1つを発症するリスクのある患者に投与することができる。
【0081】
投与する(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物の量は、例えば、治療している特定の適応症、投与の様式、所望の利益が予防的なものであるか治療的なものであるか、治療している適応症の重症度ならびに患者の年齢および体重などを含む、多様な因子によって異なる。有効用量を決定することは、十分に当業者の能力の範囲内にある。
【0082】
(1種または複数の)キサントフィルとエピルテインとの組成物の総投与量は、典型的には、約0.0001または0.001または0.01mg/kg/日から約100mg/kg/日の範囲内にあるが、他の因子の中でも、成分の活性、その生物学的利用能、投与様式および上述の多様な因子に応じて、より高くも、またはより低くもなりうる。投与量および間隔は、治療的または予防的効果を維持するのに十分な、(1種または複数の)化合物の血漿レベルをもたらすように個別に調整することができる。例えば、該化合物は、とりわけ、投与様式、治療している特定の適応症および処方している医師の判断に応じて、週1回、週数回(例えば、1日おき)、1日1回または1日複数回投与することができる。当業者は、過度の実験を行うことなく、有効局所用量を最適化することができるであろう。
【0083】
1から14を通して連続的に列挙した以下の段落は、本発明の多様な態様のために提供する。一実施形態において、最初の段落(1)では、本発明は、
天然にカロテノイド物質中に存在する量を超える量のエピルテインおよびカロテノイドまたはそのエステル等のその誘導体を含む組成物を提供する。
【0084】
2. カロテノイドが、ルテイン、ゼアキサンチン、β,β−カロテン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、エステル等のこれらの誘導体、またはこれらの混合物である、段落1の組成物。
【0085】
3. 約5から約95重量パーセントまでのエピルテインおよび約95から約5重量パーセントまでのカロテノイドを含み、全重量百分率が100重量パーセントに等しい組成物。
【0086】
4. カロテノイドが、ルテイン、ゼアキサンチン、β,β−カロテン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、エステル等のこれらの誘導体、またはこれらの混合物である、段落3の組成物。
【0087】
5. 被験者の血漿中のカロテノイドの取り込みを増加させる方法であって、段落1から4の組成物のいずれかを被験者に提供することを含む方法。
【0088】
6. ヒト被験者の眼の黄斑内での黄斑色素の沈着を増加させることにより、前記被験者において加齢黄斑変性を治療または予防する方法であって、前記被験者における(1種または複数の)カロテノイドの血清中濃度を少なくとも0.5μg/mlまで上昇させ、上昇した血清中カロテノイド濃度を0.5μg/ml以上に少なくとも14日間、かつ少なくとも(1種または複数の)カロテノイドの黄斑内濃度が平衡に達するまで、維持するのに十分な量のエピルテインを前記被験者に経口投与することを含む方法。
【0089】
7. エピルテインの日用量が1日あたり少なくとも0.1mgである、段落6に記載の方法。
【0090】
8. エピルテインの日用量が1日あたり少なくとも約1.0mgである、段落7に記載の方法。
【0091】
9. 前記エピルテインの日用量が約0.017mg/kg体重である、段落8に記載の方法。
【0092】
10. 被験者の血漿中のカロテノイドの濃度を上昇させる方法であって、前記被験者の血漿中の(1種または複数の)カロテノイドの血清中濃度を少なくとも0.1μg/mlまで上昇させるのに十分な量のエピルテインを前記被験者に経口投与することを含む方法。
【0093】
11. 上昇した血清中カロテノイド濃度が0.1μg/ml以上に少なくとも14日間維持される、段落9の方法。
【0094】
12. エピルテインの日用量が1日あたり0.1から50mgまでである、段落10に記載の方法。
【0095】
13. エピルテインの日用量が1日あたり少なくとも約1.0mgである、段落10に記載の方法。
【0096】
14. 前記エピルテインの日用量が約0.017mg/kg体重である、段落6に記載の方法。
【0097】
本明細書の全体にわたり、本明細書に記載の1つまたは複数の成分は、所与の組成物から除外することができると理解されるべきである。
【0098】
以下の実施例は、限定することを意味するものではなく、本発明のためのさらなる情報および補助を提供するために示す。
【実施例】
【0099】
実施例1
試験計画:
この試験の前に14日間の休薬期間
被験者:各群3匹のウィスターラット
供給型:静脈内投与
供給用量:
群A:4mgルテイン/Kg体重
群B:(2mgルテイン+2mgエピルテイン)/Kg体重
群C:4mgゼアキサンチン/Kg体重
群D:(2mgゼアキサンチン+2mgエピルテイン)/Kg体重
血液試料採取:供給の15分、30分、60分、3時間および6時間後
【0100】
結果:
図1は、エピルテインあり/なしでのルテインの分解を示す。線Bは、エピルテインありのルテインであり、線Aは、エピルテインなしのルテインである。
【0101】
図2は、エピルテインあり/なしでのゼアキサンチンの分解を示す。線Dは、エピルテインありのゼアキサンチンであり、線Cは、エピルテインなしのゼアキサンチンである。
【0102】
以下に示す表1は、エピルテインあり/なしでのルテインおよびゼアキサンチンの薬物動態学的特徴を詳述する。
【0103】
【表1】

【0104】
このデータより、ルテインおよびゼアキサンチンの血漿中半減期は、エピルテインでの処置後に実質的に延長されたことが示された。
【0105】
エピルテインの調製:
窒素保護状態で、遊離型ルテインの50gの粉末(市販、UV=80%)および2.5LのTHFを、フラスコ内で撹拌しながらルテインが完全に溶解するまで混合した。この溶液に1.0LのH2SO4(2N)をゆっくりと添加して、反応混合物の温度を約25℃から約30℃の間に維持した。H2SO4(2N)の添加後、この反応混合物を25℃から約30℃の間で16時間撹拌した。
【0106】
得られた混合物を濾過して、濾液を3.3LのNaHCO3(5%)で中和した。中和した溶液に1.0Lのジクロロメタンを添加して、この混合物を10分間撹拌した。この溶液を層に分離にさせた。分離後、有機相を1.0Lの脱イオン水で洗浄して、続いて無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。
【0107】
濾過後、濾液を減圧下で濃縮して固体を得た。真空乾燥により、48gの暗赤色固体が得られた。この固体に、2.4Lのエタノール(95%)を添加して、混合物を30分間撹拌した。得られた混合物を濾過した。溶媒の除去および濾液の真空乾燥後、22.5gの暗赤色固体が生成された。エピルテインの含有量は、約48.7重量%であった。この物質を、米国特許第6,420,614号に記載されているようにしてさらに精製することもできる。さらに、エピルテインは、和光純薬工業株式会社から購入することもできる(純度98%)。
【0108】
HPLC条件
HPLC:UV検出および自動試料採取を備えたShimdazu 20ATシリーズ
移動相:A、ヘキサン:B、酢酸エチル=75:25
カラム:Prevailシリカ(100mm*4.0mm、3μm)
温度:30℃
UV−検出:450nm
流速:1ml/分
濃度:移動相中に0.5mg/mL
注入量:10ul
【0109】
UV条件
最適試料量は、約15mgであった。50mlメスフラスコ内で試料を正確に計量して、その量をWとして記録した。
【0110】
この試料を、20mlのTHF中に溶解した。その体積をエタノールで50mlにした。
【0111】
このTHF−エタノール溶液のうちの0.2mlを、25mlのエタノールで希釈した。
【0112】
この溶液を、よく混合して、標準試料としてエタノールを使用するUV測定のために石英セルに添加した。
【0113】
最適波長は、446nmであった。吸光度Aを記録した。
【0114】
計算:
UV%=(希釈率*446)/255/W*100%
式中、255ml/mgは吸光係数である。
【0115】
結果:
総カロテノイド量(UV%):68.6%
【0116】
【表2】

【0117】
【表3】

【0118】
結果 エピルテイン試験
試験系(実験動物)
【0119】
【表4】

【0120】
この用量選択を正当とする理由
公表されているラットおよびマウスにおける研究に基づき、選択した用量レベルは、動物にとって安全であると考えられ、定量の限界(Limit of Quantification:LOQ)を超える血漿中レベルを得られる可能性が高いであろう。
【0121】
この種を正当とする理由
このラットは、薬理学および毒性の試験用ならびに薬物動態学的試験用に一般的な標準の齧歯動物種である。
【0122】
【表5】

【0123】
試験計画:5匹のラットにおける処置Iの連続7日間の経口投与(胃管栄養法)、その後14日間の休薬期間、および処置IIの連続7日間の経口投与(胃管栄養法)
【0124】
血液試料採取:処置の7日目に、処置前ならびに処置の15分、1、3、6、9、12および24時間後。
【0125】
約400μlの血液を、EDTAが入っているバキュテーナーチューブに移した。全血試料を、所定の採取時間から可能な限り早く、1200gで約10分間遠心した。
【0126】
すべての血漿試料(少なくとも200μl)を、ドライアイス上で運ぶまで−30℃以下で深冷凍結して保存した。
【0127】
【表6】

【0128】
【表7】

【0129】
血漿分析:ルテイン、エピルテイン、ゼアキサンチンおよび酸化された代謝産物
【0130】
結果:
すべての試料においてゼアキサンチンの血漿中レベルは、測定の限界よりも低かった(<10ng/ml)。
【0131】
図4にある処置I(0.282mgルテイン/kg体重に相当する)の7日目に認められたルテインの血漿中レベルならびに図5にある処置II(0.147mgルテインおよび0.135mgエピルテイン/kg体重に相当する)の7日目に認められたルテインおよびエピルテインの血漿中レベルに注目されたい。
【0132】
図6は、それぞれ処置IまたはIIの7日目に認められた、ルテインの血漿中レベルを示す。処置IおよびIIは、それぞれ0.282および0.147mgルテイン/kg体重からなることを強調しなければならない。
【0133】
図7は、処置I後7日目に認められたルテインの血漿中レベルおよび処置II後7日目に認められたルテインとエピルテインとの合計の血漿中レベルを示す。処置Iは0.282mgルテイン/kg体重からなり、処置IIは0.147mgルテイン+0.135エピルテインmg/kg体重からなることを強調しなければならない。
【0134】
表2は、24時間の投与間隔(τ)に基づいた、(頻度が高い血液試料採取での範囲に対応している)処置後の最初の12時間の、ルテインおよびエピルテインについて認められる主要な薬物動態学的パラメータを示す。
【0135】
【表8】

【0136】
図8は、用量について補正し、0.1mgルテイン/kg体重に対する血漿反応を表す、双方の処置後に認められたルテインの血漿中レベルを示す。
【0137】
表3は、純粋な化合物(処置I)またはエピルテインと共に混合物(処置II)のいずれかとして投与した0.1mg/kg体重に相当する用量から導かれるルテインについての薬物動態学的パラメータを示す。
【0138】
【表9】

【0139】
結論:
経口投与した総計0.3mg/kg体重に達するルテイン/エピルテインの混合物(約1:1の比率)により、0.3mg/kg体重の用量での純粋なルテイン(図7)と比較したときに、実質的により高いルテインの血漿中レベルが得られた。
【0140】
対応して、ルテインおよびエピルテイン(処置II)と比較して、血漿中レベルに由来する、ルテイン(処置I)の薬物動態学的パラメータは、14%(時間間隔0〜24時間)または33%(時間間隔0〜12時間)増加する。後者の時間範囲は、試料採取間隔を表し、したがって、この試験ではより有効であると考えられる(表3)。
【0141】
ルテインおよびエピルテイン(処置II)と比較して、ルテイン(処置I)のピーク濃度は、32%増加することが示された(表2)。
【0142】
この2種の処置をルテイン含有量の相違のために(すなわち、単一化合物としてまたは約0.1mgエピルテイン/kg体重と混合してのいずれかで投与された0.1mgルテイン/kg体重に対する血漿反応に対して)補正すると、ルテインの血漿中レベルに対するエピルテインの顕著な作用が明確に認められる(図8)。高頻度の血液試料採取の間隔を表す時間間隔0〜12時間に基づき、薬物動態学的パラメータの約100%の上昇が認められた(表3)。
【0143】
酸化された代謝産物の分析:
図9および10は、それぞれ3’−オキソルテインおよびルテイン−ジエポキシドに典型的な断片の比較可能な血漿中レベルを示す。
【0144】
処置Iのための投与の前に認められる基礎レベルは、100に設定した。
【0145】
図9および10において認められるように、処置IIの後に血漿中で認められるルテインの酸化された生成物の量は、処置Iよりも実質的に少ない。処置II後のより少ない量の酸化された代謝産物により、エピルテインは、ルテインおよびエピルテイン(総キサントフィル)の量をより高いレベルで血漿中に維持する能力を有する、または血漿中のルテイン/エピルテインの酸化を防止することが示唆され、これは、ヒトの生理機能、例えば、眼の健康にきわめて有利である。
【0146】
当業者は、日常の実験のみを使用して、本明細書に詳細に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの等価形態を認識し、または確認することができるであろう。こうした等価形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然にカロテノイド物質中に存在する量を超える量のエピルテインまたはその類似体およびカロテノイドまたはそのエステル等のその誘導体を含む組成物。
【請求項2】
カロテノイドが、ルテイン、ゼアキサンチン、β,β−カロテン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、エステル等のこれらの誘導体、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約5から約95重量パーセントまでのエピルテインおよび約95から約5重量パーセントまでのカロテノイドを含み、全重量百分率が100重量パーセントに等しい組成物。
【請求項4】
カロテノイドが、ルテイン、ゼアキサンチン、β,β−カロテン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、エステル等のこれらの誘導体、またはこれらの混合物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
被験者の血漿中のカロテノイドの取り込みを増加させる方法であって、請求項1から4に記載の組成物のいずれかを被験者に提供することを含む方法。
【請求項6】
ヒト被験者の眼の黄斑内での黄斑色素の沈着を増加させることにより、前記被験者において加齢黄斑変性を治療または予防する方法であって、前記被験者における(1種または複数の)カロテノイドの血清中濃度を少なくとも0.5μg/mlまで上昇させ、上昇した血清中カロテノイド濃度を0.5μg/ml以上に少なくとも14日間、かつ少なくとも(1種または複数の)カロテノイドの黄斑内濃度が平衡に達するまで、維持するのに十分な量のエピルテインを前記被験者に経口投与することを含む方法。
【請求項7】
エピルテインの日用量が1日あたり少なくとも0.1mgである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エピルテインの日用量が1日あたり少なくとも約1.0mgである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記エピルテインの日用量が約0.017mg/kg体重である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
被験者の血漿中のカロテノイドの濃度を上昇させる方法であって、前記被験者の血漿中の(1種または複数の)カロテノイドの血清中濃度を少なくとも0.1μg/mlまで上昇させるのに十分な量のエピルテインを前記被験者に経口投与することを含む方法。
【請求項11】
上昇した血清中カロテノイド濃度が0.1μg/ml以上に少なくとも14日間維持される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
エピルテインの日用量が1日あたり0.1から50mgまでである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
エピルテインの日用量が1日あたり少なくとも約1.0mgである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記エピルテインの日用量が約0.017mg/kg体重である、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
エピルテインまたはその類似体と、その天然状態ではエピルテインを含有していない天然に存在するカロテノイド組成物との組合せを含む組成物。
【請求項16】
カロテノイドが、ルテイン、ゼアキサンチン、β,β−カロテン、ビオラキサンチン、ネオキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、エステル等のこれらの誘導体、またはこれらの混合物である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
被験者の血漿中のカロテノイドの取り込みを増加させる方法であって、請求項15から16に記載の組成物のいずれかを被験者に提供することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−513645(P2013−513645A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543694(P2012−543694)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069659
【国際公開番号】WO2011/073205
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512155168)グプロン ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】