説明

カロテノイドとポリフェノールとの相乗的組み合わせ

本発明は、1種以上のポリフェノールならびにルテイン、リコペンおよびβカロテンからなる群から選択される2種以上のカロテノイドを含む治療用組成物を提供する。本発明はまた、前記治療用組成物を哺乳類対象に投与することを含む、哺乳類対象におけるスーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGEの産生を阻害または減少させるための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフェノールとカロテノイドとの相乗的組み合わせを含む組成物に関する。より具体的には、本発明は、とりわけ種々の炎症性メディエーターの産生阻害に使用できる、前記化合物の相乗的組み合わせを含む組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
非特異的免疫系の重要な部分を形成する炎症プロセスは、微生物媒介物および有害な可能性のある他の環境因子に対する宿主防御に必須の一連の複雑な化学変化および細胞変化を特徴とする。しかし、多くの場合、炎症は、不適切に誘発される可能性があり、および/または宿主に対して有害となる程度まで持続する可能性がある。このような場合、特に非感染性炎症性疾患の場合には、炎症プロセスの1つ以上の態様の発現を阻害または防止することが必要な可能性がある。
【0003】
非常に多くのさまざまなケミカルメディエーターが、炎症プロセスの発現および制御に関与することが示された。多くのさまざまな研究施設による最近の研究は、各種の関節炎、胃腸疾患、中枢神経系の炎症性状態および特定の型の喘息を含む、種々の急性および慢性炎症性障害の重要なモジュレーターとして、一酸化窒素(NO)を関係づけた。その結果として、NO産生の阻害が、これらの炎症性障害の治療および/または管理に有用な治療メカニズムを提供できると提唱された。さらに、NO合成の阻害が、元来炎症性ではないいくつかの状態または状況において有用であることも示された。したがって、例えば、NO合成の阻害は、運動時における2型糖尿病患者の四肢組織へのグルコースの取り込みを減少させることが判明した。
【0004】
インビボにおけるNO産生は、リポ多糖類(LPS)、インターフェロンγおよびインターロイキン1(IL−1)を含む多くの異なる免疫刺激によって活性化される、誘導型一酸化窒素シンターゼ(I−NOS)を含む一酸化窒素シンターゼ(NOS)酵素群によって媒介される。
【0005】
NOSの阻害は、インビトロおよびインビボのいずれにおいても、L−N−モノメチルアルギニンシトレート(L−NMMA)の使用によって達成されることができる。さらに、若干の天然産物を含むいくつかの他の化合物もNO産生を阻害することが示された。後者の群は、ルテイン[Rafi M.M.ら Mol Nutr Food Res. 2007年3月、51(3)、333−40頁、Choi,J.S.Nutrition.2006年6月、22(6)、668−71頁]およびリコペン[Rafi,M.M.ら J Food Sci.2007年1月、72(1)、S069−74頁]などの化合物を含む。しかし、多くの天然産物NO阻害剤の有効性および効力は特に高くはないことが示された。したがって、天然起源の改善されたNO産生阻害組成物が必要である。
【0006】
別の非常に重要な炎症性メディエーターは、マクロファージ、好中球およびリンパ球を含む種々の細胞型によって産生されるサイトカインである腫瘍壊死因子−α(TNF−α)である。TNF−αは、炎症プロセスの初期段階において重要な位置を占め、核因子−κBなどの他の因子の産生を刺激する原因となり、産生された因子はさらには広範囲の炎症誘発性遺伝子の活性化を引き起こす。したがって、炎症誘発性において重要な役割を果たすことを考慮すると、TNF−αは、抗炎症薬の重要な潜在的治療標的であることは明白である。
【0007】
第3の重要な炎症性メディエーターは、エイコサノイド系調節分子のメンバーであるプロスタグランジンE(PGE)である。したがって、PGEは、炎症部位において相当量産生され、炎症部位において血管拡張物質として作用し、また、(ヒスタミンおよびブラジキニンなどの他のメディエーターと一緒になって)血管透過性を増加させ、その結果、炎症の古典的徴候のほとんどの原因となる。
【0008】
最後に、マクロファージおよび好中球などの炎症細胞によって遊離される別の炎症誘発性メディエーターは、スーパーオキシドイオンである。スーパーオキシドイオンは侵入微生物を死滅させるのに非常に効果的であるが、他の(特に非感染性の)炎症性状態においてはこれらのイオンは多大な宿主組織損傷を引き起こすおそれがある。したがって、スーパーオキシドイオンの産生は、炎症性状態の新しい制御手段を検討する場合に潜在的に有用な治療標的である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Rafi M.M.ら Mol Nutr Food Res. 2007年3月、51(3)、333−40頁
【非特許文献2】Choi,J.S. Nutrition.2006年6月、22(6)、668−71頁
【非特許文献3】Rafi,M.M.ら J Food Sci.2007年1月、72(1)、S069−74頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、スーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGEなどの1種以上の重要な炎症性メディエーターの産生を阻害するのに使用され得る組成物を、前記メディエーターが関与する病的状態およびプロセスを治療または管理する手段として提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、先行技術において報告された化合物および組成物よりも有効性および/または効力が大きい、前記炎症性メディエーターの産生を阻害できる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
今回、意外なことに、ポリフェノール化合物がいつかの炎症誘発性経路の阻害においてカロテノイドと相乗的に相互作用し得ることが、本発明者らによって見い出された。特に、今回、ポリフェノール化合物カルノシン酸が、炎症性メディエーターNO、TNF−αおよびPGEの産生に対する、リコペン、ルテインおよびβカロテンなどのいつかのカロテノイドの阻害効果の相乗的増強を引き起こすことが発見された。また、この相乗効果はカルノシン酸とリコペン、βカロテンまたはルテインとの二成分組み合わせにおいて見られるが、相乗作用は、カルノシン酸が2種の前記カロテノイドと組み合わされた場合に著しく大きい。前記の相乗的抗炎症効果は、カロテノイドがケルセチン、レスベラトロールおよび没食子酸などの他のポリフェノールと組み合わされて存在する場合にも見られる。
【0013】
したがって、本発明は第一に、1種以上のポリフェノールならびにルテイン、リコペンおよびβカロテンからなる群から選択される2種以上のカロテノイドを含む治療用組成物を対象とする。
【0014】
好ましい一実施形態において、本発明の組成物中に使用されるポリフェノールは、カルノシン酸、ケルセチン、レスベラトロール、没食子酸、チコリ酸、ジンゲロールおよびクルクミンからなる群から選択される。
【0015】
特に好ましい一実施形態において、本発明の組成物は、ポリフェノール化合物カルノシン酸を含む。
【0016】
別の特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ポリフェノール化合物ケルセチンを含む。
【0017】
別の特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ポリフェノール化合物レスベラトロールを含む。
【0018】
別の特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ポリフェノール化合物没食子酸を含む。
【0019】
一実施形態において、前記治療用組成物は、カルノシン酸、リコペンおよびルテインを含む。
【0020】
別の好ましい実施形態において、前記組成物はカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンを含む。
【0021】
さらに別の好ましい実施形態において、前記組成物はリコペン、βカロテンおよびカルノシン酸を含む。
【0022】
別の実施形態において、前記組成物はリコペン、ルテインおよびカルノシン酸から本質的になる。
【0023】
さらなる好ましい実施形態において、前記組成物はルテイン、βカロテンおよびカルノシン酸から本質的になる。
【0024】
さらに別の好ましい実施形態において、前記組成物はリコペン、βカロテンおよびカルノシン酸から本質的になる。
【0025】
本開示および添付した特許請求の範囲を通じて使用される用語「から本質的になる」は、本発明の組成物が、名前を挙げられた要素(すなわち、カルノシン酸とリコペンおよび/またはルテイン)に加えて、本発明の基本的および新規特性に実質的に影響を及ぼさない他の化合物、物質および作用剤を含むことができる状況を意味する。
【0026】
他の好ましい実施形態において、前記で開示された好ましい実施形態の組成物は、1種以上の追加カロテノイドをさらに含むことができる。特に好ましい一実施形態において、追加カロテノイドは、フィトエンおよびフィトフルエンからなる群から選択される。
【0027】
前記で開示された組成物の活性成分(すなわち、(1種以上の)ポリフェノールおよびカロテノイド)は、精製化合物、合成化合物でもよく、他の成分と混合された状態で、例えば、ローズマリーエキス(カルノシン酸の場合)、マリーゴールドエキス(ルテインの場合)またはトマトエキス(例えば、LycoRed、Be’er Sheva(Israel)から市販されているLyc−O−Mato−リコペンおよび他のカロテノイドの場合)などの植物エキス中に存在していてもよい。
【0028】
本開示中で使用される用語「ルテイン」は、全てのルテインエステルをその範囲内に含むと理解されるべきであることに留意されたい。さらに、用語「ルテイン」はまた、ルテインとゼアキサンチンとの混合物をその範囲内に含むと解釈されることができる。これは、最後に述べたカロテノイドがルテインと共に存在することが多いためである(ルテイン含有量の、場合によっては0.1%−15%、たいていは4%−6%を構成している)。
【0029】
別の態様において、本発明は、前記で開示された実施形態のいずれかによる治療用組成物を哺乳類対象に投与することを含む、哺乳類対象におけるスーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGEの産生を阻害または減少させるための方法を提供する。
【0030】
さらにまた、本発明は、前記で開示された実施形態のいずれかによる治療用組成物を哺乳類対象に投与することを含む、スーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGEが病的状態のモジュレーターまたはメディエーターとして作用している、治療が必要な哺乳類対象の病的状態の治療方法を提供する。この方法の好ましい一実施形態において、治療される状態は、急性炎症性状態、慢性炎症性状態、関節リウマチ、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、喘息、鼻炎、特発性肺線維症、腹膜炎、心血管炎症、心筋虚血、再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、敗血症、外傷、2型糖尿病、網膜症、乾癬、胃腸炎、肝硬変症、腹膜炎および炎症性腸疾患、ならびに例えばアルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患からなる群から選択される。
【0031】
前述の方法の特に好ましい実施形態において、哺乳類対象はヒト対象である。
【0032】
前記で開示された方法において治療用組成物は任意の簡便な手段で投与されることができるが、好ましい一実施形態において前記組成物は医薬剤形で投与される。また一方、別の好ましい実施形態において、治療用組成物は食品または飲料中に組み入れられている。
【0033】
別の態様において、本発明は、NO、TNF−αおよび/またはPGE産生の阻害に応答する状態の治療用医薬品の製造への、1種以上のポリフェノールとリコペン、βカロテンおよびルテインからなる群から選択された2種以上のカロテノイドとの組み合わせの使用を対象とする。
【0034】
本発明のこの態様の好ましい一実施形態において、前記の1種以上のポリフェノールは、カルノシン酸、ケルセチン、レスベラトロール、没食子酸、チコリ酸、ジンゲロールおよびクルクミンからなる群から選択される。
【0035】
本発明のこの態様の特に好ましい一実施形態において、ポリフェノールはカルノシン酸である。
【0036】
本発明のこの態様の別の特に好ましい実施形態において、ポリフェノールはケルセチンである。
【0037】
本発明のこの態様のさらに別の好ましい実施形態において、ポリフェノールはレスベラトロールである。
【0038】
本発明のこの態様のさらに別の好ましい実施形態において、ポリフェノールは没食子酸である。
【0039】
好ましい一実施形態において、治療される状態は炎症性状態である。
【0040】
前記で開示された使用の好ましい一実施形態において、治療される状態は、急性炎症性状態、慢性炎症性状態、関節リウマチ、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、喘息、鼻炎、特発性肺線維症、腹膜炎、心血管炎症、心筋虚血、再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、敗血症、外傷、2型糖尿病、網膜症、乾癬、胃腸炎、肝硬変症、腹膜炎および炎症性腸疾患、ならびに例えばアルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患からなる群から選択される。
【0041】
本発明のこの態様の特に好ましい一実施形態において、カルノシン酸は、リコペンおよびルテインの両者と組み合わせて使用される。
【0042】
本発明のこの態様の別の特に好ましい実施形態において、カルノシン酸は、リコペンおよびβカロテンの両者と組み合わせて使用される。
【0043】
本発明のこの態様のさらに別の特に好ましい実施形態において、カルノシン酸は、ルテインおよびβカロテンの両者と組み合わせて使用される。
【0044】
本発明の前記および他の特性および利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の例示的および非限定的な例からより深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】腹腔マクロファージによるNO産生の阻害における、カルノシン酸とリコペンとの相乗的相互作用を示すグラフである。上図は、精製リコペンによって得られた結果を示し、下図は、リコペン高含有トマトエキスによって得られた結果を示す。
【図2a】腹腔マクロファージによるNO産生の阻害における、カルノシン酸と精製リコペンとの相乗的相互作用(上部グラフ)およびカルノシン酸とリコペン高含有トマトエキスとの相乗的相互作用(下部グラフ)を示すグラフである。
【図2b】腹腔マクロファージによるNO産生の阻害における、リコペンとルテイン、カルノシン酸およびβカロテンの種々の組み合わせとの相乗的相互作用を示すグラフである。上部グラフは、精製リコペンによって得られた結果を示し、下部グラフは、リコペン高含有トマトエキスによって得られた結果を示す。
【図2c】腹腔マクロファージによるNO産生の阻害における、リコペンとルテイン、カルノシン酸およびβカロテンの種々の組み合わせとの相乗的相互作用をさらに示すグラフである。上部グラフは、精製リコペンによって得られた結果を示し、下部グラフは、リコペン高含有トマトエキスによって得られた結果を示す。
【図3】腹腔マクロファージによるTNF−α産生の阻害における、リコペンとルテイン、カルノシン酸およびβカロテンの種々の組み合わせとの相乗的相互作用を示すグラフである。上部グラフは、精製リコペンによって得られた結果を示し、下部グラフは、リコペン高含有トマトエキスによって得られた結果を示す。
【図4】腹腔マクロファージによるPGE産生の阻害における、リコペンとルテイン、カルノシン酸およびβカロテンの種々の組み合わせとの相乗的相互作用を、リコペンを含まない組み合わせの非相乗的効果と比較して示すグラフである。
【図5a】腹腔マクロファージによるPGE産生の阻害における、精製リコペンとルテイン、カルノシン酸およびβカロテンの異なる混合物の種々の組み合わせとの相乗的相互作用を示すグラフである。
【図5b】腹腔マクロファージによるPGE産生の阻害における、リコペン高含有トマトエキスとルテイン、カルノシン酸およびβカロテンの異なる混合物の種々の組み合わせとの相乗的相互作用を示すグラフである。
【図6】腹腔マクロファージによるLPS刺激NO産生の阻害における、ルテイン、βカロテン、カルノシン酸の相乗的相互作用を示すグラフである。
【図7】腹腔マクロファージによるLPS刺激TNFα産生の阻害における、ルテイン、βカロテン、カルノシン酸の相乗的相互作用を示すグラフである。
【図8】腹腔マクロファージによるLPS刺激NO産生の阻害における、リコペン、ルテインおよび種々のポリフェノールの相乗的相互作用を示すグラフである。図Aは、精製リコペンを用いた結果を示し、図Bは、リコペン含有トマトエキス(Lyc−O−Mato)を用いて得られた結果を示す。
【図9】マクロファージによるスーパーオキシド産生の阻害に対する、リコペン、ルテイン、βカロテンおよびカルノシン酸の相乗的相互作用を示すグラフである。図Aは、精製リコペンを用いた結果を示し、図Bは、リコペン含有トマトエキス(Lyc−O−Mato)を用いて得られた結果を示す。
【図10】LPSで10分間プレ温置後における、細胞核溶解物中のセリン536上のp65−NFkBホルホリル化の阻害に対する、リコペンまたはLyc−O−Matoとルテインおよびカルノシン酸との相乗的相互作用を示すグラフである。図の上部は、グラフデータを得た免疫ブロットの結果を示す。
【図11】総細胞溶解物中におけるLPS誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)およびシクロオキシゲナーゼ2(COX2)のタンパク質発現の阻害に対する、リコペンまたはLyc−O−Matoとルテインおよびカルノシン酸との相乗的相互作用を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(発明の詳細な記述)
前記で開示されるように、本発明は、1種以上のポリフェノールと1種以上のカロテノイドとの組み合わせを含む組成物を提供する。本発明の特に好ましい一実施形態において、組成物は、単独のポリフェノールとしてのカルノシン酸と、リコペン(精製リコペンまたはトマトエキス内に含まれるリコペン)、ルテインおよびβカロテンからなる群から選択される1種以上のカロテノイドとを含む。他の好ましい実施形態において、単独ポリフェノール成分は、ケルセチン、レスベラトロールおよび没食子酸からなる群から選択される。
【0047】
このような投与を必要とする対象に投与される組成物中に存在する各活性作用剤の好ましい1日量は以下の通りである。
【0048】
カルノシン酸 0.5から30mg
リコペン 0.5から30mg
ルテイン 0.5から30mg
βカロテン 0.5から30mg。
【0049】
より好ましくは、前記活性作用剤のそれぞれの1日量は1から5mgの範囲である。
【0050】
種々の活性成分のそれぞれの量は、それらの重量比が以下の広範囲に含まれるように選択されることができる。
【0051】
【表1】

【0052】
好ましい1つの組成物群において、活性成分は以下の重量比範囲で組み合わされること
ができる。
【0053】
【表2】

【0054】
好ましい一実施形態において、活性成分は以下の比で組み合わされることができる。
【0055】
【表3】

【0056】
別の好ましい実施形態において、活性成分は以下の比で組み合わされることができる。
【0057】
【表4】

【0058】
さらに別の好ましい実施形態において、活性成分は以下の比で組み合わされることができる。
【0059】
【表5】

【0060】
好ましい重量比の前述の例に従って製造された組成物は、列挙された4つの成分全ての存在が不可欠である必要はないことに注意すべきである。むしろ、組成物は、カルノシン酸(または別のポリフェノール)を前記カロテノイドの少なくとも2種と一緒に含めば十分であり、これらの成分のそれぞれの相対量は、直前に示した数値によって示される通りである。
【0061】
別の好ましい実施形態群において、活性成分は以下の重量比範囲で組み合わされることができる。
【0062】
【表6】

【0063】
より好ましくは、活性成分は以下の重量比範囲で組み合わされることができる。
【0064】
【表7】

【0065】
具体的な好ましい実施形態において、活性成分は以下の重量比範囲で組み合わされることができる。
【0066】
【表8】

【0067】
種々の活性成分は、全身的または局所的使用のために配合されることができる。全身投与の場合には、(1種以上の)ポリフェノールおよび(1種以上の)カロテノイドは、錠剤、カプレット剤、カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、液剤などのような経口剤形に組み入れられることができる。
【0068】
他の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、局所的に、例えば、皮膚または粘膜上に(例えば、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤などとして)投与されることができる。本発明のポリフェノールおよびカロテノイドを含有する組成物を種々の異なる剤形に組み入れるのに好適な方法の詳細は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science、Mack Publishing Co、Easton、Pa、USA(1980年)を含む、当業者に知られた任意の定評のある参考文献から入手されることができる。
【0069】
他の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、食品または飲料中に直接組み入れるのに好適な食品添加物として製造される。
【0070】
本発明の組成物の製造に使用されるカルノシン酸は、Alexis Biochemicals、Lausen、Switzerlandを含むいくつかの異なる供給業者から商業的に入手されることができる。カロテノイドは、LycoRed Ltd.、Be’er Sheve、Israelを含むいくつかの異なる供給業者から入手された。
【0071】
あるいは、前記組成物の成分の一部、例えば、リコペンは、リコペン高含有トマトエキスの形態で前記組成物中に組み入れられることができる。このようなトマトエキスの1種は、LycoRed Ltd.、Beer Sheva、Israelから商標名「Lyc−O−Mato(登録商標)」で市販されている(例えば、カプセル剤の形態で)。このようなエキスおよび同様なエキスの調製に好適な方法は、US5,837,311に記載されており、この特許の明細書全文を参照により本明細書中に組み込む。しかし、種々の植物源からカロテノイド含有組成物を得るために、多くの他の型の準備手順が使用され得ることが認識されるべきである。さらに、組成物は1種以上の合成カロテノイドからも製造されることができる。
【0072】
以下の実施例は、例示のためにならびに本発明のより詳細に説明および記載するために示される。しかし、本発明は、これらの実施例中に開示された個々の実施形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0073】
カルノシン酸、ルテイン、リコペンおよびβカロテンの種々の組み合わせによる、腹腔マクロファージ中におけるNO、TNF−αおよびPGEの産生の阻害
方法および材料
マクロファージの単離および細胞培養−収集の4日前に1.5mlのチオグリコレート培地(4%)が腹腔内注射された6−8週齢の雄ICRマウス(Harlan、Israel)の腹腔から、腹腔マクロファージを採取した。腹腔マクロファージをPBSで3回洗浄し、必要に応じて、赤血球の低張溶解(hypotonic lysis)を実施して、90−95%の純度を得た。FACS(Becton Dickinson、Mountain View、CA)上での流動微小蛍光測定(flow microfluorimetry)による、FITC結合ラット抗マウスF4/80(MCA497F)(Serotec、Oxford、England)を用いたFACS分析によって、マクロファージを同定した。各サンプルについて、10、000個の光散乱ゲートの生存細胞を分析した。腹腔マクロファージおよびマウスマクロファージ細胞株RAW264.7を、5%CO雰囲気中で37℃において96ウェルプレート中において10% FCS、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(Beit−Haemek、Israel)を含むRPMI1640培地中で培養した(細胞1×10個/ウェル)。カルノシン酸および/または1種もしくは複数の以下のカロテノイド:カルノシン酸、精製リコペン、リコペン高含有トマトエキス(Lyc−O−Mato(登録商標)、LycoRed Ltd.、Be’er Sheva、Israel)、ルテインおよびβカロテンの存在下または不存在下において、細胞をLPS(0.1−1μg/ml)で刺激した。
【0074】
カルノシン酸および種々のカロテノイドをDMSO中に溶解させた(5mMの最終濃度まで)。混合物をボルテックスし、37℃の水浴中で10分間(振盪しながら)温置し、次いで超音波処理浴中で各回15秒ずつ3回音波処理した。この原液を用いて、その適切な容量を温培地に加えることによって、所望の濃度を調製した。
【0075】
溶液中のリコペンの濃度は、抽出後に次のようにして測定した:イソプロパノール0.5ml+0.025%BHTを含むヘキサン/ジクロロメタン(1:5V/V)1.5を、予熱した培地中で20uMの濃度で新たに調製したリコペン溶液1mlに加えた。この溶液をボルテックスし、3000rpmで10分間遠心分離することによって相を分離させた。
【0076】
スペクトル分析を行い、リコペンの含有量を測定する(471nmに吸収ピーク)。
【0077】
適切な容量のDMSO(0.1−0.2%)を対照に加え、各試験管中のパーセント阻害率を、その対照に関して計算した。
【0078】
NO産生アッセイ−Green,L.C.、Wagner,D.A.、Glogowski,J.、Skipper,P.L.、Wishnok,J.S,およびTannenbaum,S.R.(1982年)Anal Biochem.126、131−138頁に記載されたようにして、Griess試薬および基準としての亜硝酸ナトリウムを用いて亜硝酸レベルをアッセイすることによって、細胞培養液の上清中のNOレベルを測定した。
【0079】
PGEの測定−静止細胞および刺激細胞の上清を採取し、直ちに−70℃で貯蔵した。前述のようにしてデキストランコーティング木炭を用いるラジオイムノアッセイプロトコールを用いることによって、PGEレベルを測定した(Dror N、Tveria L、Meniv I、Ben−Shmuel S、Filipovich T、Fleisher−Berkovich S.、Regul Pept.2008年 150、21−5)。
【0080】
簡潔に言えば、100μlのサンプルまたはPGE標準(Sigma Israel、Rehovot、Israel)を、500μlの抗PGE抗血清(Sigma Israel、Rehovot、Israel)の存在下で30分間温置した。[H]PGE(Amersham Biosciences、NJ、USA)を次に4℃において24時間加えた。24時間後、200μlのデキストランコーティング木炭冷懸濁液を各試験管に加え、氷上で10分間温置した。試験管を4℃において3500RPMで15分間遠心分離した。[H]PGE−抗PGE複合体を含む上清500μlを計数し(Packard Spectrometry 1900CA)、PGEの量を計算した。
【0081】
TNF−α産生アッセイ−ELISAキット(Biolegend Inc.、San Diego、CA)を用いて、TNF−αの濃度を定量化した。
【0082】
統計分析−データを、平均値±SEMとして示す。群間比較のための統計的有意性を、Student対応両側t検定(Student’s paired two−tailed t test)を用いて求めた。
【0083】
結果
図1
リコペンまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸との組み合わせによる、NO産生の用量依存的相乗的阻害。
【0084】
カルノシン酸または個々のカロテノイド単独を用いて得られた結果は次の通りである。1−5μMの範囲のリコペンまたはLyc−O−Matoは、NO産生の低レベルの阻害をもたらした。カルノシン酸(1および2μM)はそれぞれ、NO産生の12%および18%の阻害をもたらした。
【0085】
リコペンまたはLyc−O−Matoへのカルノシン酸の添加は、用量依存的な、NO産生の相乗的阻害をもたらした。カルノシン酸とLyc−O−Matoとの組み合わせは、カルノシン酸と精製リコペンとの組み合わせよりも効果的である。
【0086】
図1の結果は、それぞれ二重反復の10の独立した実験の平均値±SEMである。
【0087】
図2a
最適な低濃度の2成分の組み合わせ、リコペンまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの組み合わせによる、NO産生の阻害。
【0088】
1μMのリコペンまたはLyc−O−Matoと2μMのカルノシン酸との組み合わせは、NO産生の有意な相乗的阻害をもたらした。この阻害は、リコペンと比較してLyc−O−Matoの存在下でより効果的であった。
【0089】
1μMのリコペンもしくはLyc−O−Matoと1μMのルテインとの組み合わせまたは1μMのリコペンもしくはLyc−O−Matoと2μMのβカロテンとの組み合わせはそれぞれ、NO産生の相加的阻害または有意でない相乗的阻害をもたらした。
【0090】
リコペンまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸との組み合わせ(すなわち、カロテノイドとポリフェノールとの組み合わせ)は、2種のカルテノイド(cartenoids)の組み合わせよりも効果的である。
【0091】
図2b
最適の低濃度のリコペンまたはLyc−O−Matoと2種の他の成分との組み合わせによる、NO産生の阻害。
【0092】
リコペンもしくはLyc−O−Matoとカルノシン酸およびルテインとの組み合わせまたはリコペンもしくはLyc−O−Matoとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせ(濃度は、図2aに示した結果を生じさせるのに用いたのと同じである)は、NO産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらしたが、カルノシン酸を含まない組み合わせは相加的効果しかもたらさなかった(破線の楕円が示されている)。
【0093】
4種の成分の組み合わせ(すなわち、リコペンまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの組み合わせ)は、3種の成分の組み合わせを改善するものではなかった。
【0094】
図2c
カルノシン酸とリコペンまたはLyc−O−Matoを除いたカロテノイドとの組み合わせ。
【0095】
ルテインまたはβカロテンとカルノシン酸との組み合わせは、NO産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらした(リコペンとカルノシン酸との組み合わせとは同様であるが、Lyc−O−Matoとカルノシン酸との組み合わせによって見られるよりも低い)。ルテインとβカロテンとの組み合わせは、相加的(またはより低い)効果をもたらした。
【0096】
これらの結果は、最適の相乗効果を得るためには、(1種以上の)カルテノイドおよび(1種以上の)ポリフェノールがいずれも必要であることをさらに裏付けている。
【0097】
結果は、それぞれ二重反復の、3つの独立した実験の平均値±SEMである。
【0098】
図3
上部グラフ:最適な低濃度のリコペンとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンの種々の組み合わせによる、TNF−α産生の阻害。
【0099】
これらの作用剤は単独で用いられた(すなわち、他の作用剤と組み合わされない)場合には、いずれも検出可能なTNF−α産生阻害をもたらさなかったので、図2と同じ一連の実験におけるTNF−α産生はNO産生ほど感受性でなかった。
【0100】
リコペンとカルノシン酸との組み合わせまたはリコペンとβカロテンとの組み合わせはそれぞれ、TNF−α産生の10%および8%の低レベルの相乗的阻害をもたらした。
【0101】
NO産生に対する効果と同様に、リコペンとカルノシン酸およびルテインとの組み合わせまたはリコペンとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは、TNF−α産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらし、これは、カルノシン酸を含まない組み合わせによってもたらされる相乗的阻害よりも高かった。
【0102】
カルノシン酸と3種全てのカロテノイドとの組み合わせは、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの前記組み合わせによって得られる相乗的結果を改善するものではなかった。
下部グラフ:最適な低濃度のLyc−O−Matoとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの異なる組み合わせによる、TNF−α産生の阻害。
【0103】
TNF−α産生は、Lyc−O−Matoの存在下で阻害された(10%)(これに対して、リコペンの存在下においては検出可能な阻害がなかった)。Lyc−O−Matoと他のカロテノイドのそれぞれとの組み合わせは相乗的阻害をもたらし、この相乗的阻害はカルノシン酸の存在下でより高かった。
【0104】
NO産生に対する効果と同様に、Lyc−O−Matoとカルノシン酸およびルテインとの組み合わせまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは、TNF−α産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらしたが、カルノシン酸を含まない組み合わせはより小さい相乗的効果をもたらした。
【0105】
精製リコペンの場合と同様に、カルノシン酸と3種全てのカロテノイドとの組み合わせは、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの前記組み合わせによって得られた相乗的結果を改善するものではなかった。
【0106】
結果は、それぞれ二重反復で実施した3つの独立した実験の平均値±SEMである。
【0107】
Lyc−O−Matoを含む組み合わせは、精製リコペンを組み込んでいる組み合わせよりもTNF−α産生の阻害において効果的であることに留意すべきである。
【0108】
図4
最適な低濃度のリコペンとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの異なる組み合わせによる、PGE産生の阻害。
【0109】
図2において報告されたのと同じ一連の実験におけるPGE産生は、NO産生よりも、単独で使用された場合にカルノシン酸またはβカロテンに対して感受性であった(それぞれによって約20%の阻害)。リコペンとルテイン、カルノシン酸またはβカロテンとの組み合わせは、PGE産生の相乗的阻害をもたらした。
【0110】
Lyc−O−Matoとルテインおよびカルノシン酸との組み合わせによってのみ低レベルの相乗的阻害が検出されることができ、カルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは相加的効果しかもたらさなかった。ルテインおよびβカロテンとの組み合わせは、PGE産生の相加的阻害をもたらした。
【0111】
図4からも、4種の作用剤(カルノシン酸+3種のカロテノイド)の組み合わせがまたもや、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの組み合わせを改善するものではないことがわかる。
【0112】
図5a
最適な低濃度のリコペンとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの異なる組み合わせによる、PGE産生の阻害。
【0113】
図4に既に示されているのと同様に、図5aの上図は、カルノシン酸またはβカロテン(それぞれ別個に使用)はPGE産生の高レベルの阻害をもたらした(それぞれによって約20%阻害)ことを示している。リコペンとルテイン、カルノシン酸またはβカロテンのとの組み合わせは、PGE産生の相乗的阻害をもたらした。
【0114】
リコペンとルテインおよびカルノシン酸との組み合わせの場合にのみ低レベルの相乗的阻害が検出されることができ、リコペンとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは相加的効果のみをもたらした。ルテインおよびβカロテンを含む組み合わせはPGE産生の相加的阻害をもたらした。したがって、より低い濃度を検討した(図5aの下図に示され、以下に記載される通り)。
【0115】
4種全ての活性作用剤(すなわち、カルノシン酸+3種のカロテノイド)の組み合わせは、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの組み合わせを改善するものではなかった。
最適なより低濃度のカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンの異なる組み合わせによる、PGE産生の相乗的阻害(下図)。
【0116】
ルテイン(0.5μM)もβカロテン(1μM)も単独ではPGE産生に影響を及ぼさなかったが、カルノシン酸(1μM)は10%の阻害をもたらした。これらの条件において、リコペン1mMとより低濃度の2種の他の成分のいずれか一方との組み合わせは相乗的阻害をもたらした。
【0117】
4種全ての活性作用剤の組み合わせは、3種の組み合わせを改善するものではなかった。
【0118】
図5b
最適な低濃度のLyc−O−Matoとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの異なる組み合わせによる、PGE産生の阻害。
【0119】
上図は、PGE産生の阻害に対するLyc−O−Matoの効果は純粋なリコペンの効果と同様であること、およびリコペンについて示されたのと同様な組み合わせは同様な効果(図5aの上図)をもたらしたことを示している。
最適なより低濃度のカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンの異なる組み合わせによる、PGE産生の相乗的阻害(下図)。
【0120】
図5aの場合と同様に、ルテイン(0.5μM)もβカロテン(1μM)も単独ではPGE産生に影響を及ぼさなかったが、カルノシン酸(1μM)は10%の阻害をもたらした。Lyc−O−Matoとβカロテンとの組み合わせは相加的であったが、Lyc−O−Matoとルテインとの組み合わせまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸との組み合わせは相乗的であり、精製リコペンで得られた結果(図5a)よりはるかに高かった。Lyc−O−Matoとカルシノン酸およびルテインとの組み合わせまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは、PGE産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらした。ルテインおよびβカロテンの組み合わせ(カルノシン酸を含まない)は、低レベルの相乗的阻害をもたらした。これらの濃度において、Lyc−O−Matoとルテインおよびカルノシン酸との組み合わせは、精製リコペンとの組み合わせの使用によって得られた相乗効果よりもはるかに高い相乗効果をもたらした。
【0121】
4種全ての活性作用剤(すなわち、カルノシン酸+3種のカロテノイド)の組み合わせは、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの組み合わせを改善するものではなかった。
【0122】
図6
ルテイン、βカロテンおよびカルノシン酸の組み合わせによる、NO産生の相乗的阻害。
【0123】
上部の2つのグラフ(AおよびB)は、NO産生に対する試験組成物の3種の成分の相乗的相互作用を示している。βカロテンの最終濃度は0.5μMであった。同様に、より高濃度のβカロテン(1.0μM、グラフCおよびD)を含む組成物も、NO産生の相乗的阻害をもたらした。
【0124】
図6に示されている各グラフにおいて、3成分組成物に対応する棒中の横線は、前記成分のそれぞれの効果が相加的であった場合に予想されるであろうNO阻害のレベルを示している。認められた著しく増加した阻害レベル(「S」が付けられた、横線の上方の棒の面積)は、組成物の3つの成分が相乗的に作用することを示した。
【0125】
図7
ルテイン、βカロテンおよびカルノシン酸の組み合わせによる、TNFα産生の相乗的阻害。
【0126】
上部の2つのグラフ(AおよびB)は、TNFα産生に対する、試験組成物の3つの成分の相乗的相互作用を示している。βカロテンの最終濃度は0.5μMであった。同様に、より高濃度のβカロテン(1.0μM、グラフCおよびD)を含む組成物もまた、TNFα産生の相乗的阻害をもたらした。
【0127】
図7に示された各グラフにおいて、3成分組成物に対応する棒中の横線は、前記成分のそれぞれの効果が相加的であった場合に予想されるであろうTNFα阻害のレベルを示している。認められた著しく増加した阻害レベル(「S」が付けられた、横線の上方の棒の面積)は、組成物の3つの成分が相乗的に作用することを示した。
【実施例2】
【0128】
ルテイン、リコペンならびにカルノシン酸、没食子酸、レスベラトロールおよびケルセチンからなる群から選択されたポリフェノールの種々の組み合わせによる、腹腔マクロファージ中におけるLPS誘発NO産生の阻害
方法および材料
マクロファージの単離および細胞培養−前記実施例1に記載されたようにして、腹腔マクロファージを採取し、培養した。
試験作用剤の調製−リコペンおよびルテインをDMSO中に溶解させた(試験溶液中のDMSOの容量は0.04%を超えなかった)。混合物をボルテックスし、37℃において10分間振盪し、超音波処理浴中で各回15秒ずつ3回音波処理した。この原液から、その適切な容量を温培地に加えることによって、所望の濃度に到達させた。溶液中の濃度を、最高最終濃度(イソプロパノール0.5ml+0.025%BHTを含むヘキサン/ジクロロメタン(1:5V/V)1.5ml)の1mlまで計算した。この溶液をボルテックスし、3000rpmで10分間遠心分離することによって相を分離させた。スペクトル分析を行い、栄養剤のレベルを検出した。カルノシン酸、レスベラトロール、没食子酸またはケルセチンをエタノールに溶解させた(試験溶液中のエタノールの容量は0.0025%を超えなかった)。
【0129】
適切な容量のDMSOおよび/またはエタノールを対照に加え、各試験管のパーセント阻害率を、その対照管に関して計算した。
【0130】
NO産生アッセイ−実施例1において前述したようにして、Griess試薬および亜硝酸ナトリウムを用いて亜硝酸レベルをアッセイすることによって、細胞培養液の上清中のNOレベルを測定した。
【0131】
統計分析−データを、平均値±SEMとして示す。群間比較のための統計的有意性を、Student対応両側t検定を用いて求めた。
【0132】
結果
図8
A.低濃度のリコペン、ルテインおよび異なる各ポリフェノールの組み合わせによる、NO産生の相乗的阻害
マクロファージを、1μMのリコペン、1μMのルテインおよび2μMのカルノシン酸、2μMのレスベラトロール、2μMの没食子酸または2μMのケルセチンのいずれかならびにそれらの組み合わせと共に1時間温置してから、37℃で16時間LPSを添加した。NO産生を測定し、阻害率%を計算した。異なる実験では細胞の感受性が変化し得るので、各実験において3つの異なる濃度のLPSの効果を分析する。
【0133】
1μMリコペン、1μMのルテインおよび2μMのカルノシン酸、レスベラトロール、没食子酸またはケルセチンのいずれかの組み合わせは、NO産生の有意な相乗的阻害をもたらした(有意な相乗的阻害はグラフ中の文字「S」で示され、グラフ中で、相乗的組み合わせを表す棒のそれぞれを横切る横線は、相互作用が相加的であって相乗的でない場合に予想される結果を示している)。これらの種々の組み合わせのそれぞれの間に有意差はなかった、図中に示されるように、所与の濃度で試験されたカロテノイドまたはポリフェノールのそれぞれの効果は非常に低かった。各グラフ中の横線で示されるように、相乗的効果は、相加的効果より約3倍高かった。
【0134】
B.低濃度のLyc−O−Mato、ルテインおよび異なる各ポリフェノールの組み合わせによる、NO産生の相乗的阻害。
【0135】
マクロファージをAの場合と同様に処理したが、実験はリコペンの代わりにLyc−O−Matoを用いて行った。
【0136】
Lyc−O−Mato自体は、リコペンによってもたらされると同様なNO産生阻害をもたらしたが、Lyc−O−Matoとの組み合わせはより効果的であり、相加的効果に比較して約4倍のより高い相乗作用を生じさせた。
【0137】
図8に示される結果は、それぞれ三重反復で実施された3つの異なる実験の平均値±SEMとして示されている。
【実施例3】
【0138】
リコペンまたはLyc−O−Mato、ルテイン、βカロテンおよびカルシノン酸の種々の組み合わせによる、マクロファージ中におけるLPS誘発スーパーオキシド産生の阻害
方法および材料
マクロファージの単離−実施例1において前述されたようにして、腹腔マクロファージを単離し、処理した。
スーパーオキシドの産生−マクロファージによるスーパーオキシドアニオン(O)の産生を、先行技術において知られたマイクロタイタープレート法によって、スーパーオキシドジスムターゼで阻害され得る、フェリシトクロムcの減少として測定した。付着能アッセイに使用された放射標識マクロファージ(細胞5×10個/ウェル)のアリコートを取り、フェリシトクロムc(150mM)を含む100μlの培養培地中に懸濁させた。刺激は、PMA(50ng/ml)によって誘発した。フェリシトクロムcの減少に続いて、Thermomax Microplate Reader(Molecular Devices、Melno Park、Calif.、USA)上で2分間隔で30分間550nmにおける吸光度の変化が認められた。スーパーオキシドの最大産生速度を測定し、吸光係数E550=21mM−1cm−1を用いて、Oナノモル/細胞10個/10分として表した。
【0139】
結果
図9
上部グラフ(A)−最適な低濃度の精製リコペンとカルノシン酸、ルテインおよびβカロテンとの異なる組み合わせによる、スーパーオキシド産生の阻害。
【0140】
スーパーオキシド産生は、2μMβカロテンの存在下で阻害された(10%)。
【0141】
リコペンとカルノシン酸との組み合わせまたはリコペンとβカロテンとの組み合わせは、スーパーオキシド産生の低レベルの阻害をもたらし、この阻害はβカロテンの効果と有意差がなかった。
【0142】
NO産生に対する効果(前記実施例1を参照のこと)と同様に、リコペンとカルノシン酸およびルテインとの組み合わせまたはリコペンとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは、スーパーオキシド産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらした。この阻害は、カルノシン酸を含まない組み合わせによってもたらされる相乗的阻害よりも高かった。
【0143】
カルノシン酸と3種全てのカロテノイドとの組み合わせは、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの前記組み合わせによって得られる相乗的結果を改善するものではなかった。
下部グラフ(B)−最適な低濃度のLyc−O−Matoとカルノシン酸、ルテインまたはβカロテンとの異なる組み合わせによる、スーパーオキシド産生の阻害。
【0144】
スーパーオキシド産生は、Lyc−O−Matoの存在下で阻害された(7%)(これに対して、リコペンの存在下では検出可能な阻害が認められなかった)。Lyc−O−Matoと他の各カロテノイドとの組み合わせは、スーパーオキシド産生の低レベルの阻害をもたらし、この阻害はβカロテンまたはLyc−O−Matoの効果と有意差がなかった。
【0145】
NO産生に対する効果(前記実施例1を参照のこと)と同様に、Lyc−O−Matoとカルノシン酸およびルテインとの組み合わせまたはLyc−O−Matoとカルノシン酸およびβカロテンとの組み合わせは、スーパーオキシド産生の有意で同様な相乗的阻害をもたらしたが、カルノシン酸を含まない組み合わせはより少ない相乗的効果をもたらした。
【0146】
精製リコペンの場合と同様に、カルノシン酸と3種全てのカロテノイドとの組み合わせは、カルノシン酸と2種のカロテノイドとの前記組み合わせによって得られる相乗的結果を改善するものではなかった。
【0147】
結果は、それぞれ二重反復で行った3つの独立した実験の平均値±SEMである。
【実施例4】
【0148】
リコペンまたはLyc−O−Matoとルテインおよびカルノシン酸との種々の組み合わせによる、細胞核溶解物中のセリン536上のLPS誘導p65−NFkBホルホリル化の阻害、ならびにiNOSおよびCOX2上方調節の阻害
導入
炎症性サイトカインの発現、同様に酵素タンパク質の発現は、慢性炎症性疾患の発症のいくつかの態様に決定的に関与している転写因子である核因子−カッパB(NFκB)の活性化によって調節され得る。NFκBは、IκBキナーゼ(IKK)の活性化を介するIκBタンパク質のホスホリル化、ユビキチン化およびそれに続くタンパク質分解の結果として活性化される。遊離されたNFκBは核中に移動し、誘導型一酸化窒素シンテターゼ(iNOS)およびシクロオキシゲナーゼ2(COX2)、TNF−αならびにIL−1βなどの炎症誘発性遺伝子のプロモーター中のモチーフに結合し、それらのmRNAの発現を誘導する。ほとんどの抗炎症薬は、NFκB活性化経路を阻害することによってこれらの遺伝子の発現を抑制することが示された。したがって、NFκB阻害剤は、臨床的適用においてヒトの炎症関連疾患の調節に有力な治療薬として有用であり得る。
【0149】
p65 NFκB RelAは、Ser−276上のPKAによってまたはSer−536上のレドックス感受性メカニズムによってホホリル化(phophorylation)され得る。活性酸素種(ROS)は、NF−κB活性化および炎症性遺伝子発現において重要な役割を果たすことが示された。
【0150】
この研究の目的は、低濃度のリコペン/Lyc−O−Mato+ルテイン+カルノシン酸の組み合わせが、NFκB活性化の相乗的阻害をもたらし得るか否かを検討することであった。
【0151】
NFκB活性化を、その2つのホスホリル化型、PKA依存性Ser−276およびレドックス感受性Ser−536によって分析した。
【0152】
方法
マクロファージの単離−実施例1において前述されたようにして、腹腔マクロファージを単離し、処理した。
【0153】
NF−κB活性化を検出するために、細胞をLPSで10分間処理した。
核タンパク質抽出物の調製−細胞2×10個を、氷冷NP−40溶解用緩衝液(0.1% NP−40、10mM Tris−HCl、pH7.4、10mM NaCl、3mM MgCl、1mM EDTA、10μg/mlロイペプチン、10μg/mlアプロトニン(aprotonin)、および1mM PMSF)600μl中に懸濁させた。細胞を15秒間ボルテックスし、氷上に5分間保持し、4℃において300gで10分間遠心分離した。次に直ちに、得られたペレット(核含有画分)を電気泳動サンプル緩衝液中に可溶化させた。核の完全性を、光学顕微鏡法によって直接的に検証した。光学顕微鏡法はまた、核含有画分中にはインタクト細胞はまれにしか(<2%)観察されないことを示した。
総細胞溶解物−1% Triton X−100、50mM HEPES(pH7.5)、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM EGTA、10%グリセロール、25mM NaF、10μM ZnCl、1mM PMSFおよび100μMロイペプチンを用いて調製した。
免疫ブロット分析−溶解物タンパク質(35−50μg)を、7.5%ポリアクリルアミドSDSゲル上での電気泳動によって分離した。分離されたタンパク質を電気泳動的にニトロセルロースに移し、Ponsueレッドによって染色してタンパク質バンディングを検出し、次いでTBS(10mM Tris、135mM NaCl、pH7.4)中5%ミルク中でブロックした。免疫ブロット測定を前述のようにして(17)、一次抗体p−P65、COX−2およびiNOS(Cell Signaling Technology、Beverly、MA)を用いて4℃において温置時間を一晩として行いおよび二次抗体、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギまたは抗マウス(Amersham Biosciences、Buckinghamshire、United Kingdom)を用いて室温で1時間行い、高感度ケミルミネッセンス(ECL)検出系(Amersham Biosciences)を用いて現像した。
【0154】
P−65の免疫ブロット検出のために、細胞2×10個の核画分を直ちに電気泳動サンプル緩衝液中に可溶化させ、8%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)上で分離するために処理した。
【0155】
結果
図10に示されるように、代表的な免疫ブロット分析において、LPS添加(10分間)前における、1μMのリコペンまたは1μMのLyc−O−Matoと1μMのルテインおよび2μMのカルノシン酸との組み合わせの、腹腔マクロファージへの1時間添加は、細胞核溶解物中のSerine 536上のp65−NFκBホルホリル化の有意な相乗的阻害(約80%)をもたらしたが、各栄養剤は単独では全く効果がなかった。デンシトメトリーによる定量化後、各ホスホp−65−NFκBバンドの強度を各ラミンバンドの強度で割り、任意単位として表した。3つの独立した実験の平均値±SEMが示されている。
【0156】
免疫ブロットに示されるように、Serine 276上のp65−NFκBのホルホリル化はなかった。
【0157】
これらの結果は、試験されたカロテノイドポリフェノール組成物が、レドックス感受性メカニズムによって媒介されるSer−536のホルホリル化によって媒介されるNFκBの活性化の有意な相乗的阻害をもたらすことを示している。
【0158】
同じ条件下で、LPS添加(24時間)の1時間前の栄養剤の組み合わせ(前記で詳述した濃度)の添加は、総細胞溶解物中におけるiNOSおよびCOX2タンパク質発現の有意な阻害をもたらした(図11)。各栄養剤は単独では、iNOSまたはCOX2のいずれの誘導の阻害ももたらさなかった。
【0159】
デンシトメトリーによる定量化後、各タンパク質バンド(iNOSまたはCOX2)の強度を各β−アクチンバンドの強度で割り、任意単位として表した。3つの独立した実験の平均値±SEMが示されている。
【0160】
これらの結果は、iNOSおよびCOX−2についてそれぞれ約80%および約60%のレベルで両炎症性酵素の誘導の相乗的阻害を示し、前記で報告されたNO産生およびPGE放出の阻害ならびにそれに対する分子的解釈に対する裏付けを提供している。
【0161】
本発明の具体的実施形態は例示の目的で記載されたが、本発明の精神から逸脱することも特許請求の範囲を超えることもなく、本発明が当業者によって多くの変更形態、変形形態および適合形態を用いて実際に実施され得ることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のポリフェノールならびにルテイン、リコペンおよびβカロテンからなる群から選択される2種以上のカロテノイドを含む治療用組成物。
【請求項2】
1種以上のポリフェノールが、カルノシン酸、ケルセチン、レスベラトロール、没食子酸、チコリ酸、ジンゲロールおよびクルクミンからなる群から選択される、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項3】
ポリフェノールがカルノシン酸である、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項4】
ポリフェノールがケルセチンである、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項5】
ポリフェノールがレスベラトロールである、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項6】
ポリフェノールが没食子酸である、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項7】
リコペン、ルテインおよびカルノシン酸から本質的になる、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項8】
ルテイン、βカロテンおよびカルノシン酸から本質的になる、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項9】
リコペン、βカロテンおよびカルノシン酸から本質的になる、請求項2に記載の治療用組成物。
【請求項10】
フィトエンをさらに含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の治療用組成物。
【請求項11】
フィトフルエンをさらに含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の治療用組成物。
【請求項12】
フィトエンおよびフィトフルエンをさらに含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の治療用組成物。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の治療用組成物を哺乳類対象に投与することを含む、哺乳類対象におけるスーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGEの産生を阻害または減少させるための方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の治療用組成物を哺乳類対象に投与することを含む、スーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGEが病的状態のモジュレーターまたはメディエーターとして作用している、治療が必要な哺乳類対象の病的状態の治療方法。
【請求項15】
治療される状態が炎症性状態である、請求項14に記載の治療方法。
【請求項16】
治療される状態が、関節リウマチ、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、喘息、鼻炎、特発性肺線維症、腹膜炎、心血管炎症、心筋虚血、再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、敗血症、外傷、2型糖尿病、網膜症、乾癬、胃腸炎、肝硬変症、腹膜炎および炎症性腸疾患、ならびにアルツハイマー病を含む神経変性疾患からなる群から選択される、請求項14に記載の治療方法。
【請求項17】
哺乳類対象がヒト対象である、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
治療用組成物が医薬剤形で投与される、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
治療用組成物が、食品または飲料中に組み入れられている、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
スーパーオキシドイオン、NO、TNF−αおよび/またはPGE産生の阻害に応答する状態の治療用医薬品の製造における、1種以上のポリフェノールとルテイン、リコペンおよびβカロテンからなる群から選択された2種以上のカロテノイドとの組み合わせの使用。
【請求項21】
1種以上のポリフェノールが、カルノシン酸、ケルセチン、レスベラトロール、没食子酸、チコリ酸、ジンゲロールおよびクルクミンからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
ポリフェノールがカルノシン酸である、請求項20に記載の使用。
【請求項23】
ポリフェノールがケルセチンである、請求項20に記載の使用。
【請求項24】
ポリフェノールがレスベラトロールである、請求項20に記載の使用。
【請求項25】
ポリフェノールが没食子酸である、請求項20に記載の使用。
【請求項26】
状態が炎症性状態である、請求項20に記載の使用。
【請求項27】
治療される状態が、関節リウマチ、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、喘息、鼻炎、特発性肺線維症、腹膜炎、心血管炎症、心筋虚血、再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、敗血症、外傷、2型糖尿病、網膜症、乾癬、胃腸炎、肝硬変症、腹膜炎および炎症性腸疾患、ならびにアルツハイマー病を含む神経変性疾患からなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項28】
カルノシン酸がリコペンおよびルテインと組み合わせて使用される、請求項20に記載の使用。
【請求項29】
カルノシン酸がリコペンおよびβカロテンと組み合わせて使用される、請求項20に記載の使用。
【請求項30】
カルノシン酸がルテインおよびβカロテンと組み合わせて使用される、請求項20に記載の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−515198(P2012−515198A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545840(P2011−545840)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000045
【国際公開番号】WO2010/082205
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(507137232)ライコード・リミテツド (3)
【Fターム(参考)】