説明

カーテンウォールの乾式等圧給排気口構造

【課題】 カーテンウォールの給排気口にその室内側からの作業のみによってダクト連結のチャンバーボックスを設置固定できるようにする。
【解決手段】 カーテンウォールAの囲繞区画空間23を画する区画枠部25に外側の,チャンバーボックス4に内側の装着溝71をそれぞれ配置し,これら装着溝71に気密材7を設置して,チャンバーボックス4を室内側から囲繞区画空間23に挿入することによってチャンバーボックス4の外周を室内外2箇所の気密材7で2重封止するとともに区画枠部25とチャンバーボックス4の交差固定部44とを室内側操作によるボルトナット5締着固定乃至ネジ6止め固定する。屋外の作業がなくなり室内の乾式工法による設置が可能となる。室内外2重封止の気密材7間には等圧空間27を配置して室内への雨水浸入を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーテンウォールに関し,特にこれに給排気口を形成するカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造に関する。
【背景技術】
【0002】
中高層ビルの空調に際して,カーテンウォールに給排気口を形成して換気を行なうようにすることが行なわれ,このとき該給排気口の構造は,例えばチャンバーボックスの先端フランジにボルト止め,ネジ止め,クリップ止め等の固定を行うことによって囲繞区画空間より幾分小さめにして,長手方向中間位置に交差突片を備えたアルミ押出形材製の形材挿入部を形成し,該交差突片を囲繞区画空間の区画枠部,例えば上無目,中間無目,左右縦枠(又は方立)の室内面に対して突き当て状とするように上記形材挿入部をカーテンウォールの囲繞区画空間に室内側から挿入し,その交差突片をこれら上下左右の枠にネジ等によって固定する一方,該アルミ押出形材製の形材挿入部の外周と囲繞区画空間の内周間の空隙溝にシール剤を充填する等の湿式封止措置を施して該囲繞区画空間にチャンバーボックスを設置するようにしたものとされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この場合,チャンバーボックスに取付固定した形材挿入部を,その交差突片を区画枠部の室内面に突き当て状にして囲繞区画空間に挿入するものとされるから,その交差突片によって室内外が遮断され,形材挿入部と区画枠部間に形成されてシールを充填するべき空隙溝が室外側に向けて開口することによって,上記形材挿入部外周と区画枠部間における湿式封止措置のための作業は,これを室外側から行なう必要が生じ,例えば吊りゴンドラを用いて室外側,特にカーテンウォール壁面側から行なわざるを得ないことになる。またチャンバーボックスの先端フランジへの形材挿入部の設置作業,その交差突片の区画枠部に対する固定作業等の現場作業があり,またシール剤を用いた湿式封止措置を施すためにそのシール剤の養生期間も必要となり,給排気口形成作業が煩雑化してその作業性が悪いという問題点がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,可及的簡易な構造で囲繞区画空間に対するチャンバーボックスの確実な設置を可能とするとともに該チャンバーボックスの設置によって自ずと封止措置がなされて気密性と水密性を確保し得て,給排気口形成の作業性を良好に確保し得るようにしたカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に添って本発明は,室内側からチャンバーボックスの胴部を直接に囲繞区画空間に嵌め込み状に挿入して行うとともにこれらチャンバーボックスの挿入胴部と囲繞区画空間の区画枠部間を室内外2箇所の気密材によって室内外2重に封止する一方,その区画枠部に対する固定を挿入胴部の室内側に配置した交差固定部をボルトナット,ネジ等の固定金具によって室内側から固定し且つ上記室内外2重の封止によって封止性,即ち気密性と水密性を確保し得るようにするとともに気密材間に等圧空間を配置して該気密材使用による雨水浸入可能性を解消するようにし,乾式の室内側作業のみによって作業効率良好に給排気口の形成をなし得るようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,カーテンウォールの囲繞区画空間に給排気ダクト室外側のチャンバーボックスを設置した給排気口構造であって,上記囲繞区画空間に室内側から嵌め込み状に挿入したチャンバーボックスの挿入胴部室内側配置の交差固定部をボルトナット締着,ネジ止め等の固定金具によって室内側から囲繞区画空間の区画枠部に固定するとともに該チャンバーボックス挿入胴部外周の室内外方向2箇所において区画枠部との間に介設した気密材によって室内外に2重封止し且つ該室内外に2重封止した気密材間に等圧空間を配置してなることを特徴とするカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造としたものである。
【0006】
請求項2及び3に記載の発明は,上記に加えて,それぞれチャンバーボックスの固定を室内側からのボルトナット締着によって簡易且つ確実になし得る好ましい形態のものとするように,請求項2に記載の発明を,上記囲繞区画空間の全部又は一部の区画枠部に内向き開口のC字溝を配置し該C字溝にボルト頭を装着しその室内側に突出したボルト軸にチャンバーボックスの上記交差固定部を挿通し該ボルト軸に室内側からナットを締着することによってチャンバーボックスの固定をボルトナット締着により行ってなることを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造とし,また請求項3に記載の発明を,上記囲繞区画空間の上記全部又は一部の区画枠部における上記ボルトナット締着による固定とともに又はこれに代えて,該区画枠部にネジ受面を配置し該ネジ受面にチャンバーボックスの上記交差固定部をネジ止め固定してなることを特徴とする請求項2に記載のカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造としたものである。
【0007】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,室内外2重封止を容易に高度な封止性を確保し得る好ましい形態のものとするように,これを,上記チャンバーボックスの挿入胴部外周と囲繞区画空間の区画枠部との室内外に2重の封止を,区画枠部と挿入胴部の対向面の2箇所又は対向面及び室内面の2箇所において行なってなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造としたものである。
【0008】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,可及的簡易な構造で囲繞区画空間に対するチャンバーボックスの確実な設置を可能とするとともに該チャンバーボックスの設置によって自ずと封止措置がなされて気密性と水密性を確保し得て,給排気口形成の作業性を良好に確保し得るようにしたカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造を提供することができる。
【0010】
請求項2及び3に記載の発明は,上記に加えて,それぞれチャンバーボックスの固定を室内側からのボルトナット締着によって簡易且つ確実になし得る好ましい形態のものとすることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,室内外2重封止を容易に高度な封止性を確保し得る好ましい形態のものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1乃至図4において,Aはカーテンウォール,2はその給排気口であり,該給排気口2は,カーテンウォールAの囲繞区画空間23に給排気ダクト3室外側のチャンバーボックス4を設置した構造としてあり,このとき上記囲繞区画空間23に室内側から嵌め込み状に挿入したチャンバーボックス4の挿入胴部41室内側配置の交差固定部44をボルトナット5締着,ネジ6止め等の固定金具によって室内側から囲繞区画空間23の区画枠部25に固定するとともに該チャンバーボックス4挿入胴部41外周の室内外方向2箇所において区画枠部25との間に介設した気密材7によって室内外に2重封止し且つ該室内外に2重封止した気密材7間に等圧空間27を配置したものとしてある。
【0013】
カーテンウォールAは,例えばPCパネル等の外装パネル13と該外装パネル13間の,一部を開閉自在のサッシ戸とした嵌め殺しのガラスパネルとによって構成し,該ガラスパネル上方の横長の囲繞区画空間23に上記チャンバーボックス4を設置した給排気口2を備えて,中高層ビル1の上下階スラブ11間の外壁をなすようにしてあり,このとき囲繞区画空間23は区画枠部25によって区画したものとしてあり,本例にあって該区画枠部25は,上無目,サッシ枠をなす中間無目及びサッシ枠をなす左右縦枠(又は方立)を上下左右枠として囲繞区画空間23を囲繞するように区画したものとしてある。
【0014】
またチャンバーボックス4は,空調用のダクト3と囲繞区画空間23とを結ぶように,例えば中間で屈曲した断面矩形のステンレス等鋼製の筒体として形成され,その室外側をなす囲繞区画空間23側先端を切断端部とするように,フランジ等を備えない矩形の挿入筒部41とする一方,室内側をなすダクト3側には外方に張出し突出したフランジ43を形成具備し,該フランジ43をダクト3のフランジ31と対接してボルトナット5で締着固定することによってその室内側をダクト3に連結してあり,これによってダクト3に対してカーテンウォールAの給排気口2からの外気を流通し,中高層ビル1内の空調に際して給排気による換気をなし得るようにしてある。
【0015】
このときチャンバーボックス4は,挿入胴部41室内側に交差固定部44を備えてあり,該交差固定部44は,上記囲繞区画空間23の全部又は一部,本例にあっては下位の区画枠部25,即ち中間無目に内向き開口のC字溝29を配置し該C字溝29にボルト頭を装着しその室内側に突出したボルト軸にこれを挿通し該ボルト軸に室内側からナットを締着することによってチャンバーボックス4の固定をボルトナット5締着により行ったものとしてあり,またこのとき同じく全部又は一部,本例にあっては左右側位の区画枠部25にネジ受面を配置し該ネジ受面にその交差固定部44をネジ6止め固定したものとしてある。
【0016】
即ち本例の交差固定部44は,挿入胴部41室内側外周の,例えば下面及び左右側面に固定設置して配置した鋼製別体の折曲金具によるものとしてあり,その下面の交差固定部44を下位の区画枠部25に対してボルトナット5締着固定し,左右側面の交差固定部44を左右側位の区画枠部25にネジ6止め固定したものとしてあり,このとき区画枠部25をアルミ押出形材によって一体に押出成形することによって,上記C字溝29を長手方向,即ち横方向に備え,該C字溝29に装着した上記ボルト頭をスライドして位置合せして,チャンバーボックス4の挿入状態でその下面の交差固定部44の透孔にC字溝29から突出したボルト軸を受入れて室内側からナットを締着してチャンバーボックス4下位のボルトナット5による固定を行なう一方,同様にアルミ押出形材によって一体に成形することによって区画枠部25,即ち縦枠乃至方立の長手方向,即ち縦方向に備えたフィン状のネジ受面に左右の交差固定部44を対接して同じく室内側からネジ6を螺入してネジ止めしてその側位のネジ6による固定を行なったものとしてある。
【0017】
本例にあってチャンバーボックス4の上面は交差固定部44を設置することなく,後述の気密材7によって圧接するに止めることによって,上位の区画枠部25,即ち上無目との間で非固定の状態とし,該チャンバーボックス4は,これをその下面及び側面を上記囲繞区画空間23を画する区画枠部25の上位及び側位においてボルトナット5及びネジ6による固定金具を用いて固定するようにしてあり,これによって可及的簡易な室内側の作業によってその固定支持を可及的に安定且つ確実になし得るようにしてある。
【0018】
本例のチャンバーボックス4の区画枠部25に対する室内外の2重封止は,上記区画枠部25と挿入胴部41の対向面の2箇所又は対向面及び室内面の2箇所,特に後者の対向面及び室内面において行なったものとし,その間に上記等圧空間27を配置することによって雨水浸入の可能性を解消したものとしてある。
【0019】
即ち本例の区画枠部25は,その上位及び左右側位において幅方向及び室内側をL字状とするL字屈曲面を形成し,下位において幅方向に複数突条26を突設形成し,チャンバーボックス4挿入胴部44外周の上面及び側面と該L字屈曲面の幅方向室外側及び室内側の室内外方向2箇所に,またチャンバーボックス4挿入胴部41外周の下面と複数突条26の室内外方向2箇所にそれぞれ気密材7を介設してその上記2重封止を行ってある。
【0020】
このとき区画枠部25は,その室外側同一位置に一体に押出成形したC字状にして囲繞区画空間23側に向けて開口した気密材装着溝71を備え,該装着溝71に基部を嵌合固定することによって該区画枠部25の対向面側に気密材7を装着し,またチャンバーボックス4は,その挿入胴部41に固定設置した交差固定部44の,本例にあってはその折曲金具の挿入胴部41側付根部分の同一位置にコ字状にして室外側に向けて開口した気密材装着溝71を備え,該装着溝71に同様に基部を嵌合固定することによって該チャンバーボックス4の室外側に向けて気密材7を装着し,室外側において区画枠部25の気密材7とチャンバーボックス4の挿入胴部41間に,また上位及び左右側位の室内側において該挿入胴部41側付根部分と区画枠部25の気密材7との対接部をなす上記L字屈曲面の室内側面及び下位の複数突条26のうち同じく気密材7との対接部をなす室内側突条における室内側面との間に気密材7を介設し,囲繞区画空間23とチャンバーボックス4挿入胴部41との上下位及び左右側位の室内外方向に2重封止による封止措置を施して高度な気密性と水密性を確保するようにしてあり,該封止性の確保は,区画枠部25及び交差固定部44の各装着溝71に気密材7をそれぞれ予め装着し,該装着状態でチャンバーボックス4の挿入胴部41を室内側から囲繞区画空間23に対して挿入することによって自ずとなし得るようにしてある。なおこのときチャンバーボックス4下面における装着溝71に装着した気密材7は,これを下位の区画枠部25の上記室内側における突条のC字溝29上方に対接してその封止を行なうようにしてあり,チャンバーボックス4の上面及び左右側面の気密材7はそれぞれ上位及び左右側位の室内面に対してその対接を行なって室内側の上記同一位置の封止を行なうようにしてある。
【0021】
等圧空間27は,本例にあって上記複数突条26を突出形成した下位の区画枠部25の複数突条26間を連続する底部に所定間隔の水抜き孔28を透設することによって,該下位の区画枠部25に配置したものとしてあり,このとき該下位の区画枠部25とチャンバーボックス4との間は室内外2箇所の気密材7を介して封止され,長手方向,即ち横方向はチャンバーボックス4の挿入胴部41を囲むように空間が連続しており,従って例えば囲繞区画空間23から下位の区画枠部25における等圧空間27に雨水が浸入しても,これが外気と等圧であることによって雨水は水抜き孔28から外部に流下し,等圧空間27に雨水が滞留することがなく,雨水が室内側の気密材7を超えて室内に浸入する可能性が解消され,気密材7を用いて行った室内外方向に2重封止の封止性を高度に維持して好ましい気密性と水密性を確保することができる。
【0022】
図中14は外装パネル13に上位の区画枠部25を支持するように設置したファスナー,24は外装パネル13と区画枠部25の空隙閉鎖用の気密材,42はチャンバーボックス4を被覆するようにその外周側に設置した結露防止用の断熱材,21は,区画枠部25に対して嵌合し乃至ネジ止めすることによって囲繞区画空間23を通気可能に閉鎖して塵埃等の侵入を防止するように該囲繞区画空間23のチャンバーボックス4室外側に配置したグリル,エキスパンドメタル等による囲繞区画空間23のカバー,22は上位の区画枠部25に一側端部を引掛係止し且つ固定して囲繞区画空間23を覆って,雨水の吹き込みを防止するように給排気口2の正面側に突出するように配置したアルミ押出形材製の霧除け,8はチャンバーボックス4の室内側作業による設置後に天井の窓近傍を塞ぐように配置した同じくアルミ押出形材製のブラインドボックス,47は該ブラインドボックス8における一部の形材部材とチャンバーボックス4のダクト3側端部から垂下した吊りボルト46を支持するブラケットをそれぞれ示す。
【0023】
図5及び図6は他の例に係るカーテンウォールAの乾式等圧給排気口2の構造を示すもので,本例も上記例のものとその基本構成を同じとするところ,チャンバーボックス4の挿入胴部41室内側に備えた交差固定部44は,これをその上面及び下面に同様の折曲金具を固定設置したものとし,囲繞区画空間23のうち上下位の区画枠部25に配置した各内向き開口のC字溝29に装着したボルトを該交差固定部44に挿通して同様に室内側からナットを締着することによってボルトナット5の締着固定を行なってあり,このとき上下位のC字溝29位置を室内外方向にずらして設置したことによってそのナット締着位置を同じ室内側でずらしてこれに合せたものとしてある。また本例にあってチャンバーボックス4の左右側面には同様に別体の折曲金具による交差対接部45を設置し,該交差対接部45に対して気密材7を圧接することによって左右側位の区画枠部25,即ち方立との間で非固定の状態とし,該チャンバーボックス4を,その上下面を囲繞区画空間23の区画枠部25の上下位においてボルトナット5による固定金具を用いて固定して,同様に可及的簡易な室内側の作業によってその固定支持を可及的に安定且つ確実になし得るようにしてある。
【0024】
本例の室内外方向に2重の封止における室外側の気密材7の設置及びこれによる室外側の封止は上記例におけると同様としたが,室内側にあってその気密材7設置は,これを,上下位及び左右側位の区画枠部25に室内外同一位置とするようにそれぞれ気密材装着溝71を設置し,同様に該装着溝71に基部を嵌合固定することによって気密材7をチャンバーボックス4の下面において交差固定部44に,上位及び左右側位において交差対接部45に対接して,これらの間の気密材7介設とその室内側における封止を行なったものとしてある。
【0025】
即ち本例の上記気密材装着溝71は,下位の区画枠部25において上記内向き開口のC字溝29の上方にこれと平行に並列配置し,上位の区画枠部25においてその内向き開口のC字溝29の下方に,これより室外側にずらした下位の区画枠部25と同一位置に同じく該C字溝29と平行の段差状に配置し,左右側位の区画枠部25においては,該区画枠部25に,例えばネジ止めすることによって一体的に設置したアルミ押出形材製別体の付属部材に上記と同様な複数突条26を配置するとともにその室内側の突条に室内側に向けてそれぞれ上記と同一位置をなすようにこれを設置したものとしてある。
【0026】
従って囲繞区画開口23に基部を嵌合固定して装着した気密材7はその室内側に向けてあるから,これをチャンバーボックス4の上記交差固定部44又は交差対接部45に対接し,上記室外側の気密材7介設とともに室内側における気密材7介設を行なうことによってその2重封止を行ってあり,このときチャンバーボックス4の上面にあって交差固定部44と気密材装着溝71の設置位置がずれることによって,本例にあっては室内側に交差固定部44を,室外側に交差対接部45を配置するように,これらをU字状に一体に折曲形成した別体の折曲金具を用い,これをチャンバーボックス4に設置することによって単一の金具を共用してボルトナット7締着固定と室内側の封止をなし得るようにしてある。
【0027】
図中48はチャンバーボックス4内に設置した水返し,12は側位の区画枠部25,即ち方立の室外側に突出するように設置したカーテンウォールAの縦フィンをそれぞれ示す。その余は上記例と基本的に変らないから同一符合を付してその重複する説明を省略する。
【0028】
このように構成したカーテンウォールAにおける各給排気口2の構造は,可及的簡易な構造で囲繞区画空間23に対するチャンバーボックス4の確実な設置を可能とし,該チャンバーボックス4の設置によって自ずと封止措置がなされるとともに室内外2重封止によって容易に高度な封止性による気密性と水密性を確保することができ,その作業に際しての作業効率のよい乾式等圧のものとすることができる。
【0029】
図示した例は以上のとおりとしたが,チャンバーボックスの挿入胴部に室外側の気密材を設置してこれを囲繞区画空間の区画枠部に対接することによって室外側の封止を行なうようにすること,チャンバーボックスの全部の区画枠部に対して同様に室内側作業によるボルトナット締着乃至ネジ止めによって固定すること等を含めて,本発明の実施に当って,カーテンウォール,給排気口,囲繞区画空間,区画枠部,チャンバーボックス,これらの間の気密材,必要に応じて用いる内向き開口のC字溝,交差固定部乃至交差対接部等の各具体的形状,構造,材質,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】カーテンウォールの部分正面図である。
【図2】カーテンウォールの縦断面図である。
【図3】給排気口部分の縦断面図である。
【図4】給排気口部分の横断面図である。
【図5】他の例を示す給排気口部分の縦断面図である。
【図6】図5の例における給排気口部分の横断面図である。
【符号の説明】
【0031】
A カーテンウォール
2 給排気口
23 囲繞区画空間
25 区画枠部
27 等圧空間
29 C字溝
4 チャンバーボックス
41 挿入胴部
44 交差固定部
45 交差対接部
5 ボルトナット
6 ネジ
7 気密材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンウォールの囲繞区画空間に給排気ダクト室外側のチャンバーボックスを設置した給排気口構造であって,上記囲繞区画空間に室内側から嵌め込み状に挿入したチャンバーボックスの挿入胴部室内側配置の交差固定部をボルトナット締着,ネジ止め等の固定金具によって室内側から囲繞区画空間の区画枠部に固定するとともに該チャンバーボックス挿入胴部外周の室内外方向2箇所において区画枠部との間に介設した気密材によって室内外に2重封止し且つ該室内外に2重封止した気密材間に等圧空間を配置してなることを特徴とするカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造。
【請求項2】
上記囲繞区画空間の全部又は一部の区画枠部に内向き開口のC字溝を配置し該C字溝にボルト頭を装着しその室内側に突出したボルト軸にチャンバーボックスの上記交差固定部を挿通し該ボルト軸に室内側からナットを締着することによってチャンバーボックスの固定をボルトナット締着により行ってなることを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造。
【請求項3】
上記囲繞区画空間の上記全部又は一部の区画枠部における上記ボルトナット締着による固定とともに又はこれに代えて,該区画枠部にネジ受面を配置し該ネジ受面にチャンバーボックスの上記交差固定部をネジ止め固定してなることを特徴とする請求項2に記載のカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造。
【請求項4】
上記チャンバーボックスの挿入胴部外周と囲繞区画空間の区画枠部との室内外に2重の封止を,区画枠部と挿入胴部の対向面の2箇所又は対向面及び室内面の2箇所において行なってなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のカーテンウォールの乾式等圧給排気口構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−45936(P2006−45936A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229269(P2004−229269)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(302045705)トステム株式会社 (949)
【Fターム(参考)】