説明

カートリッジ及び試験片測定装置

【課題】様々な幅の免疫クロマト試験片に対応可能な試験片測定装置及びカートリッジを提供する。
【解決手段】免疫クロマト試験片Tに向けて第1及び第2の押え部材20,21が移動すると、第1及び第2の押え部材20,21に免疫クロマト試験片Tが押されながら、免疫クロマト試験片TのセンターラインSがカートリッジC1の位置合わせ予定ラインLに向かって移動し、最終的に、どのような幅の免疫クロマト試験片Tであっても、免疫クロマト試験片TのセンターラインSとカートリッジC1の位置合わせ予定ラインLとが常に一致することになる。平行運動手段22は、位置合わせ予定ラインLの延在方向に移動自在なスライダと、スライダS1の移動を第1及び第2の押え部材20,21の平行運動に変換する運動変換機構M1とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫クロマト試験片に測定光を照射し、免疫クロマト試験片から発する光を検出する試験片測定装置と、この試験片測定装置に利用されるカートリッジとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
免疫クロマト試験片には、検体中の抗原(または抗体)との間で抗原抗体反応を起こす抗体(または抗原)が免疫クロマト試験片の特定の位置に予め帯状に塗布されている。色素で標識された検体中の抗原(または抗体)が展開液により上記特定の位置まで展開されると、帯状に塗布された抗体(または抗原)との間で検体中の抗原(または抗体)が抗原抗体反応を起こしてトラップされ、上記特定の位置には色素により発色した呈色領域(例えば、呈色ライン)が形成される。このような免疫クロマト試験片においては、形成された呈色領域の呈色度を光学的に測定することで、検体中の抗原(または抗体)の量を定量的に分析することができる。このような免疫クロマト試験片の呈色度を測定する装置に適用される従来のカートリッジとして、特表2006−527780号公報がある。ここに開示されているカートリッジは、免疫クロマト試験片及びそれをケース内に収容した試薬カセット(免疫クロマト試験具)に対応するものであり、これらがカートリッジの窪みに装填される。
【0003】
【特許文献1】特表2006−527780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のカートリッジは、その両面を用いて、ある特定の免疫クロマト試験片毎(または免疫クロマト試験具毎)に対応して、測定対象である免疫クロマト試験片が測定の際に最適の位置となるように位置決めしているが、免疫クロマト試験片は、その大きさが様々であるために、測定する免疫クロマト試験片の種類の増加に伴い、カートリッジも同様に用意する必要があった。特に、免疫クロマト試験片の幅が異なる場合に、1種類のカートリッジで対応させることは困難であった。
【0005】
本発明は、様々な幅の免疫クロマト試験片に対応可能な試験片測定装置及びカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカートリッジは、平行な一対の長辺を有する長方形状の免疫クロマト試験片のセンターラインと位置合わせ予定ラインとの合致可能なカートリッジであって、
位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材と、
第1の押え部材に対して平行に延在すると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第2の押え部材と、
第1の押え部材と第2の押え部材との間の位置合わせ予定ラインに対して、第1の押え部材と第2の押え部材とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段とを備え、
平行運動手段は、
位置合わせ予定ラインの延在方向に移動自在なスライダと、
スライダの移動を第1及び第2の押え部材の平行運動に変換する運動変換機構とからなることを特徴とする。
【0007】
このカートリッジは、平行に延在する第1の押え部材と第2の押え部材は位置合わせ予定ラインに対して、等距離で離間及び接近が可能であるから、カートリッジの位置合わせ予定ラインに対して傾いて又は位置合わせ予定ラインから外れて、カートリッジ内に免疫クロマト試験片が配置された場合であっても、免疫クロマト試験片に向けて第1及び第2の押え部材が移動すると、第1及び第2の押え部材に免疫クロマト試験片が押されながら、免疫クロマト試験片のセンターラインがカートリッジの位置合わせ予定ラインに向かって移動し、最終的に、どのような幅の免疫クロマト試験片であっても、免疫クロマト試験片のセンターラインとカートリッジの位置合わせ予定ラインとが常に一致することになる。従って、作業性が良く、しかも免疫クロマト試験片の幅に関係なく、免疫クロマト試験片のセンターラインとカートリッジの位置合わせ予定ラインとを確実に一致させることができる。よって、カートリッジの位置合わせ予定ラインと試験片測定装置の測定光走査ラインとが一致するように、カートリッジを試験片測定装置上に配置させると、測定光走査ライン上に免疫クロマト試験片のセンターラインを常に配置させることができる。さらに、平行運動手段は、位置合わせ予定ラインの延在方向に移動自在なスライダと、スライダの移動を第1及び第2の押え部材の平行運動に変換する運動変換機構とからなる。従って、位置合わせ予定ラインの延在方向に移動自在なスライダを用いることで、カートリッジを薄型化することができる。
【0008】
また、運動変換機構は、
第1の押え部材に形成されて、スライダに設けられる第1の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
第1及び第2の押え部材とスライダとの間に配置されたベースの外縁に形成されて、第1の起立部が摺動すると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第1のガイド面と、
第1の押え部材に形成されて、ベースに設けられる第2の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第2のガイド溝と、
第2の押え部材に形成されて、スライダに設けられる第3の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第3のガイド溝と、
ベースの外縁に形成されて、第3の起立部が摺動すると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第2のガイド面と、
第2の押え部材に形成されて、ベースに設けられる第4の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第4のガイド溝とからなると好適である。
このような運動変換機構を採用することで、簡単な構成でカートリッジの薄型化を可能にする。
【0009】
また、運動変換機構は、
第1の押え部材に形成されて、スライダに設けられる第1の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
第1及び第2の押え部材とスライダとの間に配置されたベースに形成されて、第1の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第2のガイド溝と、
第1の押え部材に形成されて、ベースに設けられる第2の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第3のガイド溝と、
第2の押え部材に形成されて、スライダに設けられる第3の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第4のガイド溝と、
ベースに形成されて、第3の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第5のガイド溝と、
第2の押え部材に形成されて、ベースに設けられる第4の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第6のガイド溝とからなると好適である。
このような運動変換機構を採用することで、簡単な構成でカートリッジの薄型化を可能にする。
【0010】
また、運動変換機構は、
スライダに形成されて、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
第1のガイド溝に沿って摺動する第1のガイド片と、
第1及び第2の押え部材とスライダとの間に配置されたベースに形成されて、第1のガイド片と第1の押え部材とを連結する第1の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第2のガイド溝と、
スライダに形成されて、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第3のガイド溝と、
第3のガイド溝に沿って摺動する第2のガイド片と、
ベースに形成されて、第2のガイド片と第2の押え部材とを連結する第2の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第4のガイド溝とからなると好適である。
このような運動変換機構を採用することで、簡単な構成でカートリッジの薄型化を可能にする。
【0011】
また、運動変換機構は、
スライダを支持するベースに形成されて、位置合わせ予定ラインの方向に延在すると共に、スライダが摺動するスライダガイド溝と、
スライダに形成されて、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
第1の押え部材に設けられて、第1のガイド溝に沿って摺動する第1のガイド片と、
第1のガイド片から位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に突出する第2のガイド片と、
スライダに形成されて、位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第2のガイド溝と、
第2の押え部材に設けられて、第2のガイド溝に沿って摺動する第3のガイド片と、
第3のガイド片から位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に突出する第4のガイド片と、
ベースに固定された第1の蓋板に形成されて、位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に延在して第2のガイド片が摺動する第3のガイド溝と、
ベースに固定された第2の蓋板に形成されて、位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に延在して第4のガイド片が摺動する第4のガイド溝とからなると好適である。
このような運動変換機構を採用することで、簡単な構成でカートリッジの薄型化を可能にする。
【0012】
本発明に係るカートリッジは、平行な一対の長辺を有する長方形状の免疫クロマト試験片のセンターラインと位置合わせ予定ラインとの合致可能なカートリッジであって、
位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材と、
第1の押え部材に対して平行に延在すると共に、位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第2の押え部材と、
第1の押え部材と第2の押え部材との間の位置合わせ予定ラインに対して、第1の押え部材と第2の押え部材とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段とを備え、
平行運動手段は、
交差して、交点を中心に回動自在に支持された第1及び第2のリンクと、
第1及び第2のリンクと第1及び第2の押え部材との間に配置されたベースと、
第1の押え部材に形成されて、第1のリンクの一端に設けられる第1の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第1のガイド溝と、
第2の押え部材に形成されて、第1のリンクの他端に設けられる第2の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第2のガイド溝と、
第1の押え部材に形成されて、第2のリンクの一端に設けられる第3の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第3のガイド溝と、
第2の押え部材に形成されて、第2のリンクの他端に設けられる第4の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に延在する第4のガイド溝と、
ベースに形成されて、第1、第2、第3及び第4の起立部が挿入されると共に、各起立部の摺動を可能にする円弧状の第5、第6、第7及び第8のガイド溝と、
第1の押え部材に形成されて、ベースに設けられる第5の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に対して直交する方向に延在する第9のガイド溝と、
第2の押え部材に形成されて、ベースに設けられる第6の起立部が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインの方向に対して直交する方向に延在する第10のガイド溝とからなることを特徴とする。
【0013】
このカートリッジは、平行に延在する第1の押え部材と第2の押え部材は位置合わせ予定ラインに対して、等距離で離間及び接近が可能であるから、カートリッジの位置合わせ予定ラインに対して傾いて又は位置合わせ予定ラインから外れて、カートリッジ内に免疫クロマト試験片が配置された場合であっても、免疫クロマト試験片に向けて第1及び第2の押え部材が移動すると、第1及び第2の押え部材に免疫クロマト試験片が押されながら、免疫クロマト試験片のセンターラインがカートリッジの位置合わせ予定ラインに向かって移動し、最終的に、どのような幅の免疫クロマト試験片であっても、免疫クロマト試験片のセンターラインとカートリッジの位置合わせ予定ラインとが常に一致することになる。従って、作業性が良く、しかも免疫クロマト試験片の幅に関係なく、免疫クロマト試験片のセンターラインとカートリッジの位置合わせ予定ラインとを確実に一致させることができる。よって、カートリッジの位置合わせ予定ラインと試験片測定装置の測定光走査ラインとが一致するように、カートリッジを試験片測定装置上に配置させると、測定光走査ライン上に免疫クロマト試験片のセンターラインを常に配置させることができる。さらに、このような平行運動手段を採用することで、簡単な構成でカートリッジの薄型化を可能にする。
【0014】
本発明に係る試験片測定装置は、平行な一対の長辺を有する長方形状の免疫クロマト試験片を測定光走査ライン上で位置決めした後、免疫クロマト試験片に測定光を照射し、免疫クロマト試験片から発する光を検出する試験片測定装置であって、
測定光走査ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材と、
第1の押え部材に対して平行に延在すると共に、測定光走査ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第2の押え部材と、
第1の押え部材と第2の押え部材との間の測定光走査ラインに対して、第1の押え部材と第2の押え部材とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段とを備え、
平行運動手段は、
測定走査ラインの延在方向に移動自在なスライダと、
スライダの移動を第1及び第2の押え部材の平行運動に変換する運動変換機構とからなることを特徴とする。
【0015】
平行に延在する第1の押え部材と第2の押え部材は測定光走査ラインに対して、等距離で離間及び接近が可能であるから、測定光走査ラインに対して傾いて又は測定光走査ラインから外れて、所定の場所に免疫クロマト試験片が配置された場合であっても、免疫クロマト試験片に向けて第1及び第2の押え部材が移動すると、第1及び第2の押え部材に免疫クロマト試験片が押されながら、免疫クロマト試験片のセンターラインが測定光走査ラインに向かって移動し、最終的に、どのような幅の免疫クロマト試験片であっても、免疫クロマト試験片のセンターラインと測定光走査ラインとが常に一致することになる。従って、作業性が良く、しかも免疫クロマト試験片の幅に関係なく、免疫クロマト試験片のセンターラインと測定光走査ラインとを確実に一致させることができる。さらに、平行運動手段は、測定走査ラインの延在方向に移動自在なスライダと、スライダの移動を第1及び第2の押え部材の平行運動に変換する運動変換機構とからなる。従って、測定光走査ラインの延在方向に移動自在なスライダを用いることで、高さの低い平行運動手段の実現が可能になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、様々な幅の免疫クロマト試験片に対応させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る試験片測定装置及びカートリッジの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0018】
(試験片測定装置の第1の実施形態)
図1に示されるように、試験片測定装置1は、検体が滴下された免疫クロマト試験片Tの呈色度を測定する装置であり、この免疫クロマト試験片Tは、カートリッジC1に収容した状態で試験片測定装置1の載置プレート3上に位置決め部材によって位置決めされて配置される。この場合の位置決め部材としては、載置プレート3に設けられる位置決めピン5と、カートリッジC1の下側ベース36に設けられた位置決め孔36a(図2参照)とからなり、位置決めピン5を、位置決め孔36aに挿入させることで、載置プレート3上でカートリッジC1が位置決めされる。このとき、レーザ光の走査ラインPとカートリッジC1の位置合わせ予定ラインLとが位置合わせされる。
【0019】
さらに、試験片測定装置1は、水平方向に移動自在な光学ヘッド4を有し、この光学ヘッド4内には、真下に向けてレーザ光(測定光)を出射する半導体LED6と、レーザ光を集光する集光レンズ7と、半導体LED6と集光レンズ7との間に配置されて、レーザ光の光束を整形するためのスリットが設けられた光束整形プレート8が配置されている。さらに、光学ヘッド4内には、免疫クロマト試験片Tにレーザ光が照射されたときに、免疫クロマト試験片Tから発する光を検出する半導体受光素子9が収容されている。この半導体受光素子9の一例として、シリコン(Si)ホトダイオードがある。
【0020】
このように構成された光学ヘッド4は、走査機構10によって水平方向に直線的に移動する。この走査機構10は、水平方向で且つ走査方向に延在するガイドレール11と、ガイドレール11に沿って摺動するスライドブロック12と、スライドブロック12の駆動源をなすモータ13と、モータ13のジャフとに固定されたウォームギヤ14と、するスライドブロック12の側面に形成されたラック15と、ウォームギヤ14とラック15に噛合するピニオン16とを備えている。したがって、モータ13を駆動させることによって、光学ヘッド4をガイドレール11に沿って直線的に移動させることができ、光学ヘッド4から出射される測定光を直線的に移動させることができる。
【0021】
(カートリッジの第1の実施形態)
図2〜図7に示されるように、試験片測定装置1の載置プレート3上に配置されるカートリッジC1は、平行な一対の長辺2aを有する長方形状の免疫クロマト試験片TのセンターラインSをカートリッジC1の位置合わせ予定ラインL(図4参照)上で位置決め可能である。なお、この位置合わせ予定ラインLは、後述する第1の押え部材20と第2の押え部材21とが突き合わされたときの境界線と一致している。
【0022】
このカートリッジC1は、位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材20と、第1の押え部材20に対して平行に延在すると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第2の押え部材21と、位置合わせ予定ラインLに対して、第1の押え部材20と第2の押え部材21とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段22とを備えている。この平行運動手段22は、位置合わせ予定ラインLの延在方向に移動自在なスライダS1と、スライダS1の移動を第1及び第2の押え部材20,21の平行運動に変換する運動変換機構M1とからなる。従って、第1の押え部材20と第2の押え部材21との間に免疫クロマト試験片Tを配置させ、免疫クロマト試験片Tを、第1の押え部材20と第2の押え部材21とで挟み込む。このとき、第1及び第2の押え部材20,21の内側に設けられた、互いに平行に対面する突き当て面20a,21aと免疫クロマト試験片Tの長辺2aとが当接する。
【0023】
簡単な構成でカートリッジC1の薄型化を可能にする運動変換機構M1は、第1の押え部材20に形成されて、スライダS1に立設された第1の起立部(ピン)23が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第1のガイド溝24と、第1及び第2の押え部材20,21とスライダS1との間に配置された上側ベース26の外縁に形成されて、第1の起立部(ピン)23が摺動すると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第1のガイド面27と、第1の押え部材20に形成されて、上側ベース26に立設される第2の起立部(ネジ)28が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交して延在する第2のガイド溝29と、第2の押え部材21に形成されて、スライダS1に立設された第3の起立部(ピン)30が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第3のガイド溝31と、上側ベース26の外縁に形成されて、第3の起立部(ピン)30が摺動すると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第2のガイド面32と、第2の押え部材21に形成されて、上側ベース26に立設される第4の起立部(ネジ)33が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交して延在する第4のガイド溝34とからなる。
【0024】
このカートリッジC1では、スライダS1には、第1の起立部(ピン)23と第3の起立部(ピン)30がそれぞれ2本ずつ設けられ、これに対応して、第1の押え部材20の第1のガイド溝24と第2の押え部材21の第3のガイド溝31とがそれぞれ2本ずつ設けられている。また、上側ベース26には、第2の起立部(ネジ)28と第4の起立部(ネジ)33がそれぞれ1本ずつ設けられ、これに対応して、第1の押え部材20の第2のガイド溝29と第2の押え部材21の第4のガイド溝34がそれぞれ1本ずつ設けられている。
【0025】
更に、第1の押え部材20の第1のガイド溝24及び第2の押え部材21の第3のガイド溝31は、位置合わせ予定ラインLに対して等角度(例えば30度)に配置され、第1のガイド溝24と第3のガイド溝31とで「ハ」の字状になっている。このような配置によって、スライダS1の移動に伴って、位置合わせ予定ラインLに対して、第1の押え部材20と第2の押え部材21とは等距離で離間及び接近するような平行運動を行わせることができる。また、4本のネジ37によって連結された上側ベース26と下側ベース36とでスライダS1を挟み込み、上側ベース26と下側ベース36との間の隙間と、上側ベース26の第1及び第2のガイド面27,32とによって、スライダS1は位置合わせ予定ラインLに沿ってスムーズに移動できる。
【0026】
また、第1及び第2の押え部材20,21の突き当て面20a,21aには、それぞれコ字状の切り込み部20b,21bが形成されている。スライダS1には、L字状のレバー38a,38bが設けられ、これによって、スライダS1を位置合わせ予定ラインLの方向に容易に移動させることができる。切り込み部20b,21bを設ける効果として、測定対象領域から押え部材20,21を遠ざけることで、測定時の邪魔になったり、押え部材20,21の側壁での乱反射等を抑制し、測定精度が向上する。また、切り込み部20b,21bを目印として、免疫クロマト試験片Tの長手方向の位置決めにも役立ち、免疫クロマト試験片TをカートリッジC1に配置し易くなる。
【0027】
(カートリッジの第2の実施形態)
図8〜図10に示されるように、簡単な構成でカートリッジC2の薄型化を可能にする運動変換機構M2は、第1の押え部材40に形成されて、スライダS2に立設された第1の起立部(ピン)43が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第1のガイド溝44と、第1及び第2の押え部材40,41とスライダS2との間に配置された上側ベース46に形成されて、第1の起立部(ピン)43が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第2のガイド溝47と、第1の押え部材40に形成されて、上側ベース46に立設された第2の起立部(ピン)48が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交して延在する第3のガイド溝49と、第2の押え部材41に形成されて、スライダS2に立設された第3の起立部(ピン)50が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第4のガイド溝51と、上側ベース46に形成されて、第3の起立部(ピン)50が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第5のガイド溝52と、第2の押え部材41に形成されて、上側ベース46に立設された第4の起立部(ピン)53が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交して延在する第6のガイド溝54とからなる。
【0028】
このカートリッジC2では、スライダS2には、第1の起立部(ピン)43と第3の起立部(ピン)50がそれぞれ2本ずつ設けられ、これに対応して、第1の押え部材40の第1のガイド溝44と第2の押え部材41の第4のガイド溝51と上側ベース46の第2及び第5のガイド溝47,52がそれぞれ2本ずつ設けられている。また、上側ベース46には、第2の起立部(ピン)48と第4の起立部(ピン)53がそれぞれ1本ずつ設けられ、これに対応して、第1の押え部材40の第3のガイド溝49と第2の押え部材41の第6のガイド溝54がそれぞれ1本ずつ設けられている。
【0029】
更に、第1の押え部材40の第1のガイド溝44及び第2の押え部材41の第4のガイド溝51は、位置合わせ予定ラインLに対して等角度(例えば30度)に配置され、第1のガイド溝44と第4のガイド溝51とで「ハ」の字状になっている。このような配置によって、スライダS2の移動に伴って、位置合わせ予定ラインLに対して、第1の押え部材40と第2の押え部材41とは等距離で離間及び接近するような平行運動を行わせることができる。
【0030】
また、4本のネジ57によって上側ベース46と下側ベース56とでスライダS2を挟み込み、上側ベース46と下側ベース56との間の隙間と、上側ベース46の第2及び第5のガイド溝47,52とによって、スライダS2は位置合わせ予定ラインLに沿ってスムーズに移動できる。スライダS2には、L字状のレバー58a,58bが設けられ、これによって、スライダS2を位置合わせ予定ラインLの方向に容易に移動させることができる。
【0031】
(カートリッジの第3の実施形態)
図11〜図13に示されるように、カートリッジC3は、は前述したカートリッジC2とかなり近似した構成を有しており、カートリッジC2と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略し、相違点のみ詳述する。
【0032】
簡単な構成でカートリッジC3の薄型化を可能にする運動変換機構M3では、スライダS3には、第1の起立部(ピン)43と第3の起立部(ピン)50がそれぞれ1本ずつ設けられ、これに対応して、第1の押え部材60の第1のガイド溝44と第2の押え部材61の第4のガイド溝51と上側ベース66の第2及び第5のガイド溝47,52がそれぞれ1本ずつ設けられている。また、上側ベース66には、第2の起立部(ピン)48と第4の起立部(ピン)53がそれぞれ2本ずつ設けられ、これに対応して、第1の押え部材60の第3のガイド溝49と第2の押え部材61の第6のガイド溝54がそれぞれ2本ずつ設けられている。
【0033】
更に、第1の押え部材60の第1のガイド溝44及び第2の押え部材61の第4のガイド溝51は、位置合わせ予定ラインLに対して等角度(例えば30度)に配置され、第1のガイド溝44と第4のガイド溝51とで「ハ」の字状になっている。このような配置によって、スライダS3の移動に伴って、位置合わせ予定ラインLに対して、第1の押え部材60と第2の押え部材61とは等距離で離間及び接近するような平行運動を行わせることができる。
【0034】
また、4本のネジ57によって上側ベース66と下側ベース56とでスライダS3を挟み込み、上側ベース66と下側ベース56との間の隙間と、上側ベース66の第2及び第5のガイド溝47,52とによって、スライダS3は位置合わせ予定ラインLに沿ってスムーズに移動できる。スライダS3には、L字状のレバー58a,58bが設けられ、これによって、スライダS3を位置合わせ予定ラインLの方向に容易に移動させることができる。
【0035】
(カートリッジの第4の実施形態)
図14〜図16に示されるように、簡単な構成でカートリッジC4の薄型化を可能にする運動変換機構M4は、スライダS4に形成されて、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第1のガイド溝70と、第1のガイド溝70に沿って摺動する平行四辺形状の第1のガイド片71と、長尺状の第1及び第2の押え部材72,73とスライダS4との間に配置された上側ベース74に形成されて、第1のガイド片71と第1の押え部材72とを連結する第1の起立部76が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交して延在する第2のガイド溝77と、スライダS4に形成されて、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第3のガイド溝78と、第3のガイド溝78に沿って摺動する平行四辺形状の第2のガイド片79と、上側ベース74に形成されて、第2のガイド片79と第2の押え部材73とを連結する第2の起立部80が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLに対して直交して延在する第4のガイド溝81とからなる。この例では、第1及び第2の起立部76,80として雄ネジが利用されている。
【0036】
更に、スライダS4の第1のガイド溝70と第3のガイド溝78は、位置合わせ予定ラインLに対して等角度(例えば60度)に配置され、第1のガイド溝70と第3のガイド溝78とで「V」の字状になっている。このような配置によって、スライダS4の移動に伴って、位置合わせ予定ラインLに対して、第1の押え部材72と第2の押え部材73とは等距離で離間及び接近するような平行運動を行わせることができる。
【0037】
また、4本のネジ83によって連結された上側ベース74と下側ベース84とでスライダS4及びガイド片71,79を挟み込み、上側ベース74の下面に形成した凹溝74a内にスライダS4及びガイド片71,79を収容することで、スライダS4は位置合わせ予定ラインLに沿ってスムーズに移動できる。また、スライダS4には、L字状のレバー85a,85bが設けられ、これによって、スライダS4を位置合わせ予定ラインLの方向に容易に移動させることができる。
【0038】
(カートリッジの第5の実施形態)
図17〜図20に示されるように、簡単な構成でカートリッジC5の薄型化を可能にする運動変換機構M5は、スライダS5を支持するベース90に形成されて、位置合わせ予定ラインLの方向に延在すると共に、スライダS5が摺動するスライダガイド溝91と、スライダS5に形成されて、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第1のガイド溝92と、第1の押え部材93に一体的に形成されて、第1のガイド溝92に沿って摺動する第1のガイド片94と、第1のガイド片94から位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向に突出する第2のガイド片95と、スライダS5に形成されて、位置合わせ予定ラインLに対して傾けられて延在する第2のガイド溝96と、第2の押え部材97に一体的に形成されて、第2のガイド溝96に沿って摺動する第3のガイド片98と、第3のガイド片98から位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向に突出する第4のガイド片99と、ベース90に固定された第1の蓋板100に形成されて、位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向に延在して第2のガイド片95が摺動する第3のガイド溝100aと、ベース90に固定された第2の蓋板101に形成されて、位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向に延在して第4のガイド片99が摺動する第4のガイド溝101aとからなる。
【0039】
更に、スライダS5の第1のガイド溝92と第2のガイド溝96は、位置合わせ予定ラインLに対して等角度(例えば60度)に配置され、第1のガイド溝92と第2のガイド溝96とで「ハ」の字状になっている。このような配置によって、スライダS5の移動に伴って、位置合わせ予定ラインLに対して、第1の押え部材93と第2の押え部材97とは等距離で離間及び接近するような平行運動を行わせることができる。
【0040】
また、2本のネジ103によって第1の蓋板100とベース90とでスライダS5及び第1の押え部材93を挟み込み、2本のネジ104によって第2の蓋板101とベース90とでスライダS5及び第2の押え部材97を挟み込む。ベース90の上面に形成した凹溝90a内にスライダS5を収容することで、スライダS5は位置合わせ予定ラインLに沿ってスムーズに移動できる。また、スライダS5には、L字状のレバー105a,105bが設けられ、これによって、スライダS5を位置合わせ予定ラインLの方向に容易に移動させることができる。
【0041】
(カートリッジの第6の実施形態)
図21〜図23に示されるように、簡単な構成でカートリッジC6の薄型化を可能にする平行運動手段109は、交差して、交点に設けられる回動軸110を中心に回動自在に支持された第1及び第2のリンク111,112と、第1及び第2のリンク111,112と長尺状の第1及び第2の押え部材113,114との間に配置された上側ベース115と、第1の押え部材113に形成されて、第1のリンク111の一端に設けられる第1の起立部(ピン)116が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第1のガイド溝117と、第2の押え部材114に形成されて、第1のリンク111の他端に設けられる第2の起立部(ピン)118が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第2のガイド溝119と、第1の押え部材113に形成されて、第2のリンク112の一端に設けられる第3の起立部(ピン)120が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第3のガイド溝121と、第2の押え部材114に形成されて、第2のリンク112の他端に設けられる第4の起立部(ピン)122が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に延在する第4のガイド溝123と、上側ベース115に形成されて、第1、第2、第3及び第4の起立部(ピン)116,118,120,122が挿入されると共に、各起立部(ピン)116,118,120,122の摺動を可能にした円弧状の第5、第6、第7及び第8のガイド溝124,125,126,127と、第1の押え部材113に形成されて、上側ベース115に設けられる第5の起立部(ピン)128が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に対して直交する方向に延在する第9のガイド溝129と、第2の押え部材114に形成されて、上側ベース115に設けられる第6の起立部(ピン)130が挿入されると共に、位置合わせ予定ラインLの方向に対して直交する方向に延在する第10のガイド溝131とからなる。
【0042】
さらに、第1及び第2の押え部材113,114には、長手方向に延在するレバー部113a,114aが形成され、このレバー部113a,114aを指で操作すると、第1の押え部材113と第2の押え部材114とは等距離で離間及び接近するような平行運動を行う。また、4本のネジ132によって連結された上側ベース115と下側ベース133とで第1及び第2のリンク111,112を挟み込み、下側ベース133には回動軸110が固定されている。
【0043】
(カートリッジの作用効果)
このカートリッジC1〜C6は、平行に延在する第1の押え部材20,40,60,72,93,113と第2の押え部材21,41,61,73,97,114は位置合わせ予定ラインLに対して、等距離で離間及び接近が可能であるから、カートリッジC1〜C6の位置合わせ予定ラインLに対して傾いて又は位置合わせ予定ラインLから外れて、カートリッジC1〜C6内に免疫クロマト試験片Tが配置された場合であっても、免疫クロマト試験片Tに向けて第1及び第2の押え部材20,40,60,72,93,113,21,41,61,73,97,114が移動すると、第1及び第2の押え部材20,40,60,72,93,113,21,41,61,73,97,114に免疫クロマト試験片Tが押されながら、免疫クロマト試験片TのセンターラインSがカートリッジC1〜C6の位置合わせ予定ラインLに向かって移動し、最終的に、どのような幅の免疫クロマト試験片Tであっても、免疫クロマト試験片TのセンターラインSとカートリッジC1〜C6の位置合わせ予定ラインLとが常に一致することになる。従って、作業性が良く、しかも免疫クロマト試験片Tの幅に関係なく、免疫クロマト試験片TのセンターラインSとカートリッジC1〜C6の位置合わせ予定ラインLとを確実に一致させることができる。よって、カートリッジC1〜C6の位置合わせ予定ラインLと試験片測定装置1の測定光走査ラインPとが一致するように、カートリッジC1〜C6を試験片測定装置1上に配置させると、測定光走査ラインP上に免疫クロマト試験片TのセンターラインSを常に配置させることができる。
【0044】
(試験片測定装置の第2の実施形態)
図24に示されるように、試験片測定装置140は検体が滴下された免疫クロマト試験片Tの呈色度を測定する装置であり、前述した試験片測定装置1と主たる構成は同一であるが、この免疫クロマト試験片Tは、試験片保持機構141に載置される。この試験片保持機構141は、載置プレート3上に据え付けられており、カートリッジC1と基本的な構成は同じである。よって、この実施形態において、前述した試験片測定装置1と同一又は同等な構成部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、この試験片保持機構141には、前述したカートリッジC1〜C6の主たる構成が適用可能であり、この適用にあたって、「位置合わせ予定ラインL」は、「測定光走査ラインP」に読み替える。
【0045】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、カートリッジC1〜C6において、免疫クロマト試験片Tを、例えばプラスチックからなるケースに収容した免疫クロマト試験具として、このケースを第1の押え部材と第2の押え部材とで挟み込んでもよい。
【0046】
起立部(ピン)とガイド溝との協働によって押え部材を、位置合わせ予定ラインLに対して直交する方向にガイドさせる場合に限らず、ガイド板に沿って押え部材をガイドしてもよい。
【0047】
押え部材の開閉の目安のために、スライダとベース板との間にクリック機構を設けても良い。また、斜めに延在するガイド溝を途中で変化させると、角度を変化させた部分で係止が可能になり、未使用時のガタツキ等を抑制することができる。なた、押え部材は、免疫クロマト試験片を挟み込む方向にバネにより付勢されてもよい。これにより、押え部材間に免疫クロマト試験片を配置させた後に、手を離すと自動的に押え部材で免疫クロマト試験片が挟み込まれる。
【0048】
ガイド溝内に挿入される起立部は、ピンであってもネジであっても良く、ネジを使用する場合、ネジの頭が溝の外側に位置し、ネジの締め込みによって、押え部材の滑り抵抗の調整や、免疫クロマト試験片の固定状態を安定にすることが可能になる。また、光学ヘッド側が固定で、載置プレート側を動かしてもよい。また、載置プレートが無い試験片測定装置の場合、例えばカートリッジの側壁にラック形状を設けて、カートリッジをラック−ピニオンによって直線的にモータ駆動させてもよい。また、位置合わせ予定ラインLに対して斜めに延在するガイド溝は、溝の角度を変えることで、押え部材の移動量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る試験片測定装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るカートリッジの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図3】図2に示されたカートリッジの分解斜視図である。
【図4】図2に示されたカートリッジの平面図である。
【図5】図2に示されたカートリッジの正面図である。
【図6】図2に示されたカートリッジの側面図である。
【図7】(A)は押え部材の全閉状態を示す平面図であり、(B)は、押え部材の全開状態を示す平面図である。
【図8】本発明に係るカートリッジの第2の実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8に示されたカートリッジの分解斜視図である。
【図10】(A)は押え部材の全閉状態を示す平面図であり、(B)は、押え部材の全開状態を示す平面図である。
【図11】本発明に係るカートリッジの第3の実施形態を示す斜視図である。
【図12】図11に示されたカートリッジの分解斜視図である。
【図13】(A)は押え部材の全閉状態を示す平面図であり、(B)は、押え部材の全開状態を示す平面図である。
【図14】本発明に係るカートリッジの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図15】図14に示されたカートリッジの分解斜視図である。
【図16】(A)は押え部材の全閉状態を示す平面図であり、(B)は、押え部材の全開状態を示す平面図である。
【図17】本発明に係るカートリッジの第5の実施形態を示す斜視図である。
【図18】図17に示されたカートリッジの分解斜視図である。
【図19】図17に示されたカートリッジの蓋板を外した状態を示す斜視図である。
【図20】(A)は押え部材の全閉状態を示す平面図であり、(B)は、押え部材の全開状態を示す平面図である。
【図21】本発明に係るカートリッジの第6の実施形態を示す斜視図である。
【図22】図21に示されたカートリッジの分解斜視図である。
【図23】(A)は押え部材の全閉状態を示す平面図であり、(B)は、押え部材の全開状態を示す平面図である。
【図24】本発明に係る試験片測定装置の第2の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1,140…試験片測定装置、C1〜C6…カートリッジ、2a…免疫クロマト試験片の長辺、20,40,60,72,93,113…第1の押え部材、21,41,61,73,97,114…第2の押え部材、22,109…平行運動手段、23,43,76,116…第1の起立部(ピン)、24,44,70,92…第1のガイド溝、26,46,74,90,115…ベース、27…第1のガイド面、28…第2の起立部(ネジ)、48,80,118…第2の起立部(ピン)、29,47,77,96,119…第2のガイド溝、30,50,120…第3の起立部(ピン)、31,49,78,100a,121…第3のガイド溝、32…第2のガイド面、33…第4の起立部(ネジ)、53,122…第4の起立部(ピン)、34,51,81,101a,123…第4のガイド溝、52…第5のガイド溝、54…第6のガイド溝、71,94…第1のガイド片、79,95…第2のガイド片、91…スライダガイド溝、98…第3のガイド片、99…第4のガイド片、100…第1の蓋板、101…第2の蓋板、111…第1のリンク、112…第2のリンク、116…第5のガイド溝、118…第6のガイド溝、120…第7のガイド溝、122…第8のガイド溝、129…第9のガイド溝、128…第5の起立部(ピン)、130…第6の起立部(ピン)、131…第10のガイド溝、T…免疫クロマト試験片、L…位置合わせ予定ライン、P…測定光走査ライン、S1〜S5…スライダ、M1〜M5…運動変換機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な一対の長辺を有する長方形状の免疫クロマト試験片のセンターラインと位置合わせ予定ラインとの合致可能なカートリッジであって、
前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材と、
前記第1の押え部材に対して平行に延在すると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に前記平行運動する長尺状の第2の押え部材と、
前記第1の押え部材と前記第2の押え部材との間の前記位置合わせ予定ラインに対して、前記第1の押え部材と前記第2の押え部材とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段とを備え、
前記平行運動手段は、
前記位置合わせ予定ラインの延在方向に移動自在なスライダと、
前記スライダの移動を前記第1及び第2の押え部材の前記平行運動に変換する運動変換機構とからなることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記運動変換機構は、
前記第1の押え部材に形成されて、前記スライダに設けられる第1の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
前記第1及び第2の押え部材と前記スライダとの間に配置されたベースの外縁に形成されて、前記第1の起立部が摺動すると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第1のガイド面と、
前記第1の押え部材に形成されて、前記ベースに設けられる第2の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第2のガイド溝と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記スライダに設けられる第3の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第3のガイド溝と、
前記ベースの外縁に形成されて、前記第3の起立部が摺動すると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第2のガイド面と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記ベースに設けられる第4の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第4のガイド溝とからなることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記運動変換機構は、
前記第1の押え部材に形成されて、前記スライダに設けられる第1の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
前記第1及び第2の押え部材と前記スライダとの間に配置されたベースに形成されて、前記第1の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第2のガイド溝と、
前記第1の押え部材に形成されて、前記ベースに設けられる第2の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第3のガイド溝と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記スライダに設けられる第3の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第4のガイド溝と、
前記ベースに形成されて、前記第3の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第5のガイド溝と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記ベースに設けられる第4の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第6のガイド溝とからなることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記運動変換機構は、
前記スライダに形成されて、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
前記第1のガイド溝に沿って摺動する第1のガイド片と、
前記第1及び第2の押え部材と前記スライダとの間に配置されたベースに形成されて、前記第1のガイド片と前記第1の押え部材とを連結する第1の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第2のガイド溝と、
前記スライダに形成されて、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第3のガイド溝と、
前記第3のガイド溝に沿って摺動する第2のガイド片と、
前記ベースに形成されて、前記第2のガイド片と前記第2の押え部材とを連結する第2の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交して延在する第4のガイド溝とからなることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記運動変換機構は、
前記スライダを支持するベースに形成されて、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在すると共に、前記スライダが摺動するスライダガイド溝と、
前記スライダに形成されて、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第1のガイド溝と、
前記第1の押え部材に設けられて、前記第1のガイド溝に沿って摺動する第1のガイド片と、
前記第1のガイド片から前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に突出する第2のガイド片と、
前記スライダに形成されて、前記位置合わせ予定ラインに対して傾けられて延在する第2のガイド溝と、
前記第2の押え部材に設けられて、前記第2のガイド溝に沿って摺動する第3のガイド片と、
前記第3のガイド片から前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に突出する第4のガイド片と、
前記ベースに固定された第1の蓋板に形成されて、前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に延在して前記第2のガイド片が摺動する第3のガイド溝と、
前記ベースに固定された第2の蓋板に形成されて、前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に延在して前記第4のガイド片が摺動する第4のガイド溝とからなることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
平行な一対の長辺を有する長方形状の免疫クロマト試験片のセンターラインと位置合わせ予定ラインとの合致可能なカートリッジであって、
前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材と、
前記第1の押え部材に対して平行に延在すると共に、前記位置合わせ予定ラインに対して直交する方向に前記平行運動する長尺状の第2の押え部材と、
前記第1の押え部材と前記第2の押え部材との間の前記位置合わせ予定ラインに対して、前記第1の押え部材と前記第2の押え部材とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段とを備え、
前記平行運動手段は、
交差して、交点を中心に回動自在に支持された第1及び第2のリンクと、
第1及び第2のリンクと前記第1及び第2の押え部材との間に配置されたベースと、
前記第1の押え部材に形成されて、前記第1のリンクの一端に設けられる第1の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第1のガイド溝と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記第1のリンクの他端に設けられる第2の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第2のガイド溝と、
前記第1の押え部材に形成されて、前記第2のリンクの一端に設けられる第3の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第3のガイド溝と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記第2のリンクの他端に設けられる第4の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に延在する第4のガイド溝と、
前記ベースに形成されて、前記第1、第2、第3及び第4の起立部が挿入されると共に、前記各起立部の摺動を可能にする円弧状の第5、第6、第7及び第8のガイド溝と、
前記第1の押え部材に形成されて、前記ベースに設けられる第5の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に対して直交する方向に延在する第9のガイド溝と、
前記第2の押え部材に形成されて、前記ベースに設けられる第6の起立部が挿入されると共に、前記位置合わせ予定ラインの方向に対して直交する方向に延在する第10のガイド溝とからなることを特徴とするカートリッジ。
【請求項7】
平行な一対の長辺を有する長方形状の免疫クロマト試験片を測定光走査ライン上で位置決めした後、前記免疫クロマト試験片に測定光を照射し、前記免疫クロマト試験片から発する光を検出する試験片測定装置であって、
前記測定光走査ラインに対して直交する方向に平行運動する長尺状の第1の押え部材と、
前記第1の押え部材に対して平行に延在すると共に、前記測定光走査ラインに対して直交する方向に前記平行運動する長尺状の第2の押え部材と、
前記第1の押え部材と前記第2の押え部材との間の前記測定光走査ラインに対して、前記第1の押え部材と前記第2の押え部材とを等距離で離間及び接近を可能にする平行運動手段とを備え、
前記平行運動手段は、
前記測定走査ラインの延在方向に移動自在なスライダと、
前記スライダの移動を前記第1及び第2の押え部材の前記平行運動に変換する運動変換機構とからなることを特徴とする試験片測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−74865(P2009−74865A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242886(P2007−242886)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】