説明

カードプリンタ

【課題】 両面印刷モードを設ける場合における印刷時間の短縮による高速印刷の実現を図るとともに、印刷精度(印刷位置精度)を高め、かつカードプリンタ全体の小型化を図る。
【解決手段】 印刷処理部3の順方向手前に、搬送されたカードCを搬送方向Dfに対して斜め順方向に送り出す斜行ローラ機構6r及びこの斜行ローラ機構6rから搬送されたカードCに当接して位置及び角度を矯正するサイドガイド6sを有する第一矯正手段6と、反転処理部4の被反転部4rを搬送方向Dfの直角方向に対して所定角度Rs傾斜させた左右方向の支軸部4sを介して支持することにより、非反転時にカードCを搬送方向Dfに搬送し、かつ支軸部4sを支点とした反転時にカードCを搬送方向Dfに対して斜め逆方向Drsに送り出してサイドガイド6sの全部又は一部にカードCを当接させて位置及び角度を矯正可能に構成した第二矯正手段7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの表裏面を反転させてカードの両面に印刷を行う両面印刷モードを備えるカードプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カードの両面に対して印刷を行う両面印刷モードを備えたカードプリンタは知られており、この種のカードプリンタにおけるカードの搬送系には、カードの表裏面を反転させる反転処理部を備えている。
【0003】
従来、このような反転処理部としては、特許文献1で開示されるカード反転搬送装置が知られており、同文献1には、先にカード部材の一面に熱転写にて印字記録し、そのカードを反転させて、その他面に熱転写にて印字記録することを目的として、表面及び裏面の両面に印刷記録可能なカード部材と、このカード部材を載置可能な長方形状の反転板部と、この反転板部に取り付けられて、当該反転板部の長手方向に沿った軸中心に回転可能な回転部材と、を備え、表面に印字記録され、反転板部上に搬送されたカード部材は、回転部材の軸中心の回転により反転板部とともに反転し、裏面を印字記録するために外部に搬送するようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−252487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来のカード反転搬送装置を備えるカードプリンタは、次のような問題点があった。
【0006】
第一に、カードプリンタには、通常、カードの正確な位置に印刷を行う必要があるため、印刷部の手前に、カードの位置及び角度を矯正する斜行ローラ機構及びサイドガイドを有する矯正機構部を設けているが、カードの両面に印刷を行う両面印刷モードを備えるカードプリンタでは、裏面の印刷時に、反転したカードを矯正機構部の手前まで戻す必要がある。この場合、矯正機構部の手前には、積載したカードを収容するカードホッパ部(カード供給部)を配設するため、カードホッパ部と矯正機構部間には少なくともカード一枚分を許容する間隔を設定する必要があり、カードプリンタ全体の大型化を招きやすい。
【0007】
第二に、裏面の印刷時には、反転したカードを矯正機構部の手前まで戻す必要があることから、カードを搬送する全体の距離が長くなる傾向がある。このため、一枚当たりの印刷時間も長くなりやすく、印刷時間の短縮により高速印刷を実現するには限界があるとともに、カードの搬送距離が長くなることから、ICカード等の精密カードに無用な応力が付加されたりカードの印刷面が汚れやすい。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したカードプリンタの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、カードCを順方向(搬送方向)Df又は逆方向Drの全部区間又は一部区間に対して搬送可能な双方向搬送機構部2と、搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理部3と、この印刷処理部3により片面に印刷されたカードCの表裏面を反転させる反転処理部4と、印刷処理部3により印刷されたカードCを排出するカード排出部5とを備えるカードプリンタ1を構成するに際して、印刷処理部3の順方向手前に、搬送されたカードCを搬送方向Dfに対して斜め順方向Dfsに送り出す斜行ローラ機構6r及びこの斜行ローラ機構6rから搬送されたカードCに当接して位置及び角度を矯正するサイドガイド6sを有する第一矯正手段6と、反転処理部4の被反転部4rを搬送方向Dfの直角方向に対して所定角度Rs傾斜させた左右方向の支軸部4sを介して支持することにより、非反転時にカードCを搬送方向Dfに搬送し、かつ支軸部4sを支点とした反転時にカードCを搬送方向Dfに対して斜め逆方向Drsに送り出すことによりサイドガイド6sの全部又は一部にカードCを当接させて位置及び角度を矯正可能に構成した第二矯正手段7とを備えることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、反転処理部4には、カードCの反りを矯正するデカール機構4rd及びカードCを搬送する搬送機構4rtを兼ねる少なくとも前後に配した二つの搬送ローラ機構11,12を設けることができる。また、双方向搬送機構部2を制御してカードCを順方向Dfに搬送する順方向搬送処理,印刷処理部3を制御して搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理,反転処理部4を制御して片面の印刷されたカードCを反転させて逆方向Drに送り出す反転処理,双方向搬送機構部2を制御してカードCを逆方向Drに搬送する逆方向搬送処理,反転処理部4を制御して両面の印刷されたカードCをカード排出部5に送り出すカード排出処理,を行う制御部8を備えることができる。なお、印刷処理部3には、少なくともカードCの印刷面に対して印刷を行う熱転写印刷部3tを設けることができる。他方、第二矯正手段7には、反転時に被反転部4rから送り出されたカードCに当接して位置及び角度を矯正する補助サイドガイド13を設けることができるとともに、反転時に被反転部4rを支軸部4sの軸方向に所定ストロークLsだけオフセットさせる左右変位機構14を設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係るカードプリンタ1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 反転処理部4に斜行ローラの機能を兼用させることができるため、逆方向Drへの搬送時にカードCに対する矯正処理を行うことができる。したがって、カードCの逆方向Drへの搬送は、第一矯正手段6の途中、即ち、サイドガイド6sの途中位置までで足り、第一矯正手段6の手前まで戻す必要がなくなる。これにより、カードホッパ部(カード供給部)と第一矯正手段6間の間隔をより短くできるため、両面印刷モードを設ける場合であっても、印刷精度(印刷位置精度)を高めることができることに加え、カードプリンタ1全体の小型化を図ることができる。
【0013】
(2) カードCを搬送する全体の距離を短くすることができるため、全体の印刷時間を短くすることができる。したがって、印刷時間の短縮による高速印刷の実現に寄与できるとともに、カードCの搬送距離を短くできることから、ICカード等の精密カードに対して無用な応力が付加される不具合やカードCの印刷面を汚し易い不具合を低減することができる。
【0014】
(3) 好適な態様により、反転処理部4に、カードCの反りを矯正するデカール機構4rd及びカードCを搬送する搬送機構4rtを兼ねる少なくとも前後に配した二つの搬送ローラ機構11,12を設ければ、特に、カードCに反りを生じやすい熱転写印刷部3tを設ける場合であっても、デカール機構4rdを兼ねる反転処理部4により反りに対する矯正を行うことができるため、カードCに対する良好な品質を確保できる。
【0015】
(4) 好適な態様により、双方向搬送機構部2を制御してカードCを順方向に搬送する順方向搬送処理,印刷処理部3を制御して搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理,反転処理部4を制御して片面の印刷されたカードCを反転させて逆方向Drに送り出す反転処理,双方向搬送機構部2を制御してカードCを逆方向Drに搬送する逆方向搬送処理,反転処理部4を制御して印刷されたカードCをカード排出部5に送り出すカード排出処理,を行う制御部8を設ければ、両面印刷及び片面印刷の双方の機能を円滑に実行させることができる。
【0016】
(5) 好適な態様により、第二矯正手段7に、反転時に被反転部4rから送り出されたカードCに当接して位置及び角度を矯正する補助サイドガイド13を設ければ、第一矯正手段6のサイドガイド6sまで搬送される前に、補助サイドガイド13により予備的な矯正処理を行うことができるため、カードCに対して、より円滑かつ正確な位置及び角度の矯正を行うことができる。
【0017】
(6) 好適な態様により、第二矯正手段7に、反転時に被反転部4rを支軸部4sの軸方向に所定ストロークLsだけオフセットさせる左右変位機構14を設ければ、反転時にカードCを斜め逆方向Drsへ送り出す際の角度に加え、左右方向における位置を設定できるため、斜め逆方向Drsへ搬送する際の位置及び角度に対する更なる最適化を図ることができ、裏面印刷時における的確で良好な矯正処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の好適実施形態に係るカードプリンタの模式的平面構成図、
【図2】同カードプリンタの模式的側面構成図、
【図3】同カードプリンタにおける反転処理部の構成を示す平面図、
【図4】同カードプリンタにおける反転処理部の構成を原理的に示す側面図、
【図5】同カードプリンタの全体の動作を説明するためのフローチャート、
【図6】同カードプリンタの動作(機能)を説明するための部分的構成を示す模式的平面図、
【図7】同カードプリンタの他の動作(機能)を説明するための部分的構成を示す模式的平面図、
【図8】本発明の変更実施形態に係るカードプリンタにおける第二矯正手段の構成を示す模式的平面構成図、
【図9】本発明の他の変更実施形態に係るカードプリンタにおける反転処理部の構成を示す模式的一部断面を含む平面構成図、
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
まず、本実施形態に係るカードプリンタ1の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
【0021】
図1及び図2は、カードプリンタ1の全体構成を示す。カードプリンタ1は、主要構成として、カードCの供給側から、カード供給部21,印刷処理部3,反転処理部4,カード排出部5を備えるとともに、双方向搬送機構部2及びコントローラボックスUcを備える。また、印刷処理部3の搬送方向手前には第一矯正手段6を備える。例示のカードプリンタ1は熱転写プリンタを構成する。なお、印刷対象となるカードCには、一般的なクレジットカード等の各種カードをはじめ、クレジットカードに対して二倍程度の大きさとなる首等から吊下げて使用するネームプレート等の各種カード類を適用できる。
【0022】
この場合、カード供給部21は、主要部として、カードホッパ部22及びカード送出機構23を備える。カードホッパ部22は、平坦な基盤24の上面に配し、内部に複数のカードC…を積層状態に収容することができる。したがって、カードホッパ部22の上端22uは全面が開放されたカードC…の投入口となる。カードホッパ部22は、少なくとも印刷するカードC…の最大サイズを収容可能に構成し、左右の側板部は左右方向へスライド変位させ、印刷するカードCの最小サイズから最大サイズまで適応させることができる。また、カードホッパ部22の前部にはカード送出機構23を付設し、カードホッパ部22の下方に配した送出ローラ23rを回転させることにより、カードホッパ部2に収容されたカード群Coの最下部のカードを一枚ずつ印刷処理部3に送出することができる。その他、23gは一枚のカードCのみを通過可能にするゲート機構、22wはカード群Coの最上部のカードに載置するウェイトを有するウェイト機構、22sはカードホッパ部22に収容されたカード群Coにおける所定高さに位置するカードCよりも上方のカード群を保持して、下方に付加される荷重を低減(除去を含む)し、又はその保持を解除可能にする上カード群保持機構を示す。
【0023】
カード供給部21のカード送り方向前方(後段)には、搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理部3を配設する。印刷処理部3は、一次転写ユニット3trと二次転写ユニット3tsを備える熱転写印刷部3tにより構成する。一次転写ユニット3trは、フルカラーのインクリボン71を巻回したリボン供給リール72と、リボン供給リール72から繰出されるインクリボン71を巻取るリボン巻取リール73を有するリボンユニットを備え、このリボン巻取リール73はリボンユニット駆動部により回転駆動される。なお、このリボンユニットはカードプリンタ1の本体に対して着脱(交換)可能である。また、一次転写ユニット3trは、リボン供給リール72から繰出されるインクリボン71に当接して後述する転写シート76に印刷画像を一次転写させるサーマルヘッド75を備える。一方、二次転写ユニット3tsは、透明な転写シート76を繰出す転写シート供給リール77と、カードCの印刷面に転写シート76を所定の圧力及び温度により圧接させて転写シート76の印刷画像をカードCの印刷面に二次転写させる転写ローラ78と、この転写シート76を巻取る転写シート巻取リール79と、転写シート76をガイドする複数のガイドローラを備え、転写シート供給リール77又は転写シート巻取リール79は転写ユニット駆動部により回転駆動される。したがって、転写シート76は正方向(前方向)又は逆方向(後方向)へ選択的に移送可能である。なお、転写ローラ78はヒータを内蔵し、転写ローラ78の表面は所定の温度に加熱されるとともに、転写ローラ78の周面は下方に配したプラテンローラ80に当接する。
【0024】
双方向搬送機構部2は、カードCを順方向(搬送方向)Df又は逆方向Drの全部区間又は一部区間に対して搬送可能であり、適所に配設した搬送ローラ機構によりローラ搬送される。なお、52は、転写ローラ78と反転処理部4間に配設した搬送ローラ機構であり、上ローラ52uと下ローラ52dを備える。また、双方向搬送機構部2の最終段には、印刷処理部3により印刷されたカードCを排出するカード排出部5を配設する。カード排出部5は、反転処理部4の前方(後段)に配設し、一対の排出ローラ91u,91dを有する排出ローラ機構91を備えるとともに、排出ローラ機構91から排出されるカードCを受取る受取トレイ92を備える。
【0025】
一方、第一矯正手段6,反転処理部4及びコントローラボックスUcは、本発明の要部を構成するものであり、以下、具体的に説明する。
【0026】
第一矯正手段6は、図1に示すように、印刷処理部3の順方向手前となるカード供給部21と転写ローラ78間に配設し、この第一矯正手段6は、双方向搬送機構部2の一部を構成する。第一矯正手段6は、平坦な搬送プレート31を備え、この搬送プレート31には、カード供給部21から搬送されたカードCを搬送方向Dfに対して斜め順方向Dfsに送り出す斜行ローラ機構6rを配設するとともに、この斜行ローラ機構6rから送り出されたカードCに当接して当該カードCの位置及び角度を矯正するサイドガイド6sを配設する。この場合、サイドガイド6sは搬送プレート31の上面に起設し、搬送方向Dfに平行となる矯正面32及びこの矯正面32の前後に折曲形成した導入ガイド面32f,32rを有する。
【0027】
また、斜行ローラ機構6rは、搬送プレート31上に配した上ローラ6ruとこの上ローラ6ruの下方に配した下ローラ6rdを備える。したがって、搬送プレート31には下ローラ6rdの周面を搬送プレート31の上に露出させるための開口部が形成されている。さらに、サイドガイド6sの前方における搬送プレート31上には、矯正されたカードCを順方向Dfに搬送し、又は後述する反転処理部4から送り出されたカードCを逆方向Drに搬送する搬送ローラ機構51を配設する。この搬送ローラ機構51も上ローラ51uと下ローラ51dを備える。
【0028】
他方、反転処理部4は、図3に示すように、ユニット化された被反転部4rを備え、この被反転部4rは搬送方向Dfの直角方向に対して所定角度Rs傾斜させた左右方向の支軸部4sを介して支持される。この場合、支軸部4sは、被反転部4rの左側に設けた左軸41pと被反転部4rの右側に設けた右軸41qを備え、それぞれ左右一対のシャーシ42p,42qに設けた右軸受43p,左軸受43qにより回動自在に支持される。この際、右側41pと右軸41qの中心を通る軸線Kaは、搬送方向Dfに直角となる直角線Ksに対して所定角度Rs傾斜するように設定する。したがって、左軸41p,右軸41q,左軸受43p及び右軸受43qの各軸線は、軸線Ka上に一致するように傾斜させて配する。また、シャーシ42p側には反転用モータ44を配設し、反転用モータ44の回転シャフトと左軸41pは、無端タイミングベルト45bを用いた回転伝達機構45により接続する。これにより、反転用モータ44を駆動制御することにより、図4(a)に示す非反転位置Xsと、この非反転位置Xsから支軸部4sを支点に180〔゜〕回転させた図4(b)に示す反転位置Xcに選択的に位置させることができる。この際、所定角度Rsの大きさは僅かであり、具体的な設定は、被反転部4rを反転させたときに、カードCを搬送方向Dfに対して斜め逆方向Drsに送り出し、前述した第一矯正手段6に備えるサイドガイド6sの全部又は一部にカードCを当接させて位置及び角度を矯正可能となる大きさを選定する。
【0029】
さらに、被反転部4rは、平坦な搬送プレート部46を備え、この搬送プレート部46の上面46uは、図4(a)に示す非反転位置Xsにおいて軸線Kaの高さに一致させる。また、被反転部4rには、前後二つの搬送ローラ機構11,12を配設する。この場合、二つの搬送ローラ機構11,12は、カードCの反りを矯正するデカール機構4rdとカードCを搬送する搬送機構4rtを兼ねている。一方の搬送ローラ機構11は、非反転位置Xsにおいて、搬送プレート部46の後寄り、即ち、印刷処理部3側に配設し、搬送プレート部46上に配した上ローラ11uとこの上ローラ11uの下方に配した下ローラ11dを備えるとともに、他方の搬送ローラ機構12は、搬送プレート部46の前寄り、即ち、カード排出部5側に配設し、搬送プレート部46上に配した上ローラ12uとこの上ローラ12uの下方に配した下ローラ12dを備え、各ローラ11u,11d,12u及び12dの軸線は直角線Ksに平行となる。したがって、搬送プレート部46には下ローラ11d,12dの周面を搬送プレート部46の上に露出させるための開口部が形成されている。さらに、被反転部4rには、搬送用モータ47を配設し、搬送用モータ47の回転シャフトと上ローラ11uのシャフトは無端タイミングベルト48bを用いた回転伝達機構48により接続するとともに、上ローラ11uのシャフトと上ローラ12uのシャフトは、無端タイミングベルト49bを用いた回転伝達機構49により接続する。
【0030】
これにより、被反転部4rを図4(a)の非反転位置Xsにセットすれば、被反転部4rは、図3に示す実線位置となるため、搬送用モータ47の駆動制御により搬送ローラ機構11及び12を回転させれば、カードCを搬送方向Dfに搬送することができるとともに、反転用モータ44を駆動制御することにより、被反転部4rを非反転位置Xsから支軸部4sを支点に180〔゜〕回転させ、図4(b)に示す反転位置Xcにセットすれば、被反転部4rは、図3に示す仮想線位置となるため、搬送用モータ47の駆動制御により搬送ローラ機構11及び12を回転させれば、カードCを搬送方向Dfに対して斜め逆方向Drsに送り出し、サイドガイド6sの全部又は一部にカードCを当接させて位置及び角度を矯正可能となる。斜め逆方向Drsに送り出す角度(方向)は、逆方向Drに対して前述した所定角度Rsの二倍となる。したがって、サイドガイド6sと反転処理部4は第二矯正手段7を構成し、サイドガイド6sは、第一矯正手段6と第二矯正手段7に共用することになる。
【0031】
他方、コントローラボックスUcは、カードプリンタ1の全体に係わる制御機能を備える制御部8を内蔵する。制御部8は、少なくとも、双方向搬送機構部2を制御してカードCを順方向に搬送する順方向搬送処理,印刷処理部3を制御して搬送されるカードCに印刷を行う印刷処理,反転処理部4を制御して片面の印刷されたカードCを反転させて逆方向Drに送り出す反転処理,双方向搬送機構部2を制御してカードCを逆方向Drに搬送する逆方向搬送処理,反転処理部4を制御して印刷されたカードCをカード排出部5に送り出すカード排出処理,を行うことができる。特に、図1に示すように、制御部8には、反転処理部4に対する制御を行う反転処理部制御系8cを備えており、前述した反転用モータ44及び搬送用モータ47は反転処理部制御系8cの制御出力部に接続する。また、61,62は、搬送されたカードCを検出するカードセンサであり、各カードセンサ61,62は、反転処理部制御系8cのセンサ入力部に接続する。このような制御部8を設けることにより、両面印刷及び片面印刷の双方の機能を円滑に実行させることができる。
【0032】
制御部8(コントローラボックスUc)は、CPU,メモリ,電源ユニット等を含むコンピュータ機能を備え、反転処理部4における一連のシーケンス制御を実行するとともに、カードプリンタ1の全体の制御を実行する。このため、これらの制御を実現するための制御プログラムを格納する。さらに、コントローラボックスUcは、パソコン等の汎用コンピュータを利用した外部のコンピュータシステムに接続して使用する。これにより、外部のコンピュータシステムに備えるデータベースから、印刷を行うための各種印刷データ、例えば、ネームカードの場合には、氏名や写真等の各種印刷データが制御部8(コントローラボックスUc)に転送される。
【0033】
次に、本実施形態に係るカードプリンタ1の動作について、図6及び図7を参照しつつ図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0034】
まず、カードホッパ部22には所要数量(例えば、100〜200枚)のカードC…を収容する。これにより、カードホッパ部22に収容された複数のカードC…(カード群Co)は積層状態となる。次いで、オペレータがスタートボタンをONにすれば、印刷工程が開始する。なお、スタートボタンのONにより、最初に転写準備が行われる。転写準備では、印刷を行う文字データ及び画像(写真)データを含む印刷データがサーマルヘッド75に供給されるとともに、インクリボン71及び転写シート76が繰り出され、インクリボン71から転写シート76に対して印刷画像が一次転写される。この場合、インクリボン71には、異なる複数の色が順番に並んでいるため、使用する色に対応してインクリボン71が順次送出されるとともに、転写シート76は使用する色に対応する回数だけ往復移動する。そして、一次転写処理が終了したなら転写シート76は二次転写開始位置まで移動する。
【0035】
転写準備が終了すれば、送出ローラ23rが回転し、カードホッパ部22内の最下部に位置する一枚のカードCが送り出され、双方向搬送機構部2によりカードCが順方向Dfに搬送される順方向搬送処理が行われる(ステップS1)。最初に、カードCは、第一矯正手段6により矯正処理される。即ち、図6(a)に示すように、カードCは斜行ローラ機構6rに進入し、通過する際に斜め順方向Dfsに送り出される(ステップS2)。そして、斜行ローラ機構6rから送り出されたカードCは、サイドガイド6sに進入し、先端が矯正面32に当接するとともに、この矯正面32を通過する際にカードCの位置及び角度が矯正される(ステップS3,S4)。
【0036】
次いで、位置及び角度の矯正されたカードCは印刷処理部3に送られ、搬送されるカードCの表面に印刷を行う印刷処理が行われる(ステップS5)。即ち、熱転写印刷部3tによりカードCに対して印刷画像の転写処理が行われる。この場合、カードCが所定の印刷開始位置に到達すれば、この移動タイミングに合わせて転写シート76が送られ、カードCが転写ローラ78を通過する際に、転写シート76に一次転写されている印刷画像がカードCの印刷面に二次転写(熱転写)される。この際、転写ローラ78により、転写シート76はカードCの印刷面に対して所定の圧力及び温度により圧接する。
【0037】
この後は、カードプリンタ1の印刷モードが両面印刷モードに設定されているか片面印刷モードに設定されているかにより動作が異なる。今、片面印刷モードに設定(選択)されている場合を想定する。この場合、印刷されたカードCは、搬送ローラ機構52を通過し、図6(b)に示すように、非反転位置Xsにセットされている被反転部4rを通過する(ステップS6,S7)。即ち、印刷されたカードCをカード排出部5に送り出すカード排出処理が行われる。この際、カードCは、搬送機構4rtを構成する搬送ローラ機構11,12により搬送プレート部46上を搬送されるとともに、デカール機構4rdを構成(兼用)する搬送ローラ機構11,12によりカードCの反りが矯正される。このように、反転処理部4には、カードCの反りを矯正するデカール機構4rd及びカードCを搬送する搬送機構4rtを兼ねる少なくとも前後に配した二つの搬送ローラ機構11,12を備えるため、特に、カードCに反りを生じやすい熱転写印刷部3tを設ける場合であっても、デカール機構4rdを兼ねる反転処理部4により反りに対する矯正を行うことができ、カードCに対する良好な品質を確保できる。そして、被反転部4rを通過したカードCは、図7(f)及び図4(a)に示すように、カード排出部5に進入し、排出ローラ機構91を介して、受取トレイ92上に排出される(ステップS8,S9)。これにより、片面印刷モードによる一枚のカードCの印刷が完了し、以下、同様に、必要枚数の印刷処理が行われる。
【0038】
他方、カードプリンタ1の印刷モードが両面印刷モードに設定(選択)されている場合には、次のような動作が行われる。印刷処理部3により表面の印刷されたカードCが搬送ローラ機構52を通過し、図6(b)に示すように、非反転位置Xsにセットされている被反転部4rに進入するとともに、所定の前進停止位置に達すれば、カードセンサ61により検出され、カードCの搬送を停止する制御が行われる(ステップS6,S10)。この状態を図6(b)に示す。次いで、反転用モータ44が駆動制御され、被反転部4rが支軸部4sを支点に180〔゜〕回転し、被反転部4rの上下が反転することにより、図4(b)に示す反転位置Xcにセットされる(ステップS11)。この状態を図6(c)に示す。
【0039】
次いで、搬送用モータ47が駆動制御され、片面の印刷されたカードCが反転された状態で斜め逆方向Drsに送り出される反転処理が行われる(ステップS12)。この状態では、カードCを送り出す搬送ローラ機構12が搬送方向Dfの直角方向に対して所定角度(Rs×2)傾斜するため、反転されたカードCは、斜め逆方向Drsに送り出される。そして、搬送ローラ機構12から送り出されたカードCは、双方向搬送機構部2により逆方向Drに搬送される逆方向搬送処理が行われる。即ち、カードCは、搬送ローラ機構52及び搬送ローラ機構51により逆方向Drに搬送される。なお、プラテンローラ80は下方のリリース位置に変位し、カードCの通過が許容される。搬送ローラ機構51から送り出されたカードCは、図7(d)に示すように、サイドガイド6sに逆方向から進入する(ステップS13)。この際、カードCの先端がサイドガイド6sの導入ガイド面32r及び矯正面32に当接するとともに、通過する際にカードCの位置及び角度が矯正される(ステップS14)。即ち、第二矯正手段7によりカードCの位置及び角度の矯正処理が行われる。そして、所定の後退停止位置に達すれば、カードセンサ62により検出され、カードCの搬送を停止する制御が行われる(ステップS15)。この状態を図7(e)に示す。この場合、既に、第二矯正手段7による矯正処理が行われているため、従来のように、第一矯正手段6の手前、即ち、斜行ローラ機構6rの手前までカードCを戻す必要はない。
【0040】
このように、本実施形態に係るカードプリンタ1では、反転処理部4に斜行ローラの機能を兼用させることができるため、逆方向Drへの搬送時にカードCに対する矯正処理を行うことができる。したがって、カードCの逆方向Drへの搬送は、第一矯正手段6の途中、即ち、サイドガイド6sの途中位置までで足り、第一矯正手段6の手前まで戻す必要がなくなる。これにより、カードホッパ部22(カード供給部21)と第一矯正手段6間の間隔をより短くできるため、両面印刷モードを設ける場合であっても、印刷精度(印刷位置精度)を高めることができることに加え、カードプリンタ1全体の小型化を図ることができる。しかも、カードCを搬送する全体の距離を短くすることができるため、全体の印刷時間を短くすることができる。したがって、印刷時間の短縮による高速印刷の実現に寄与できるとともに、カードCの搬送距離を短くできることから、ICカード等の精密カードに対して無用な応力が付加される不具合やカードCの印刷面を汚し易い不具合を低減することができる。
【0041】
また、この時点では、反転用モータ44が駆動制御され、被反転部4rが支軸部4sを支点に180〔゜〕回転し、被反転部4rは、図4(a)に示す非反転位置Xsに復帰する(ステップS16)。さらに、裏面に対する転写準備が行われ、印刷を行う文字データ及び画像(写真)データを含む印刷データがサーマルヘッド75に供給されるとともに、インクリボン71及び転写シート76が繰り出され、インクリボン71から転写シート76に対して印刷画像が一次転写される。そして、一次転写処理が終了したなら転写シート76は二次転写開始位置まで移動する。
【0042】
転写準備が終了すれば、双方向搬送機構部2によりカードCが順方向に搬送される順方向搬送処理が行われる(ステップS17)。この際、カードCは位置及び角度が矯正されているため、そのまま印刷処理部3に送られ、搬送されるカードCの上面(裏面)に印刷を行う印刷処理が行われる(ステップS18)。即ち、熱転写印刷部3tによりカードCに対して印刷画像の転写処理が行われる。この場合、カードCが所定の印刷開始位置に到達すれば、この移動タイミングに合わせて転写シート76が送られ、カードCが転写ローラ78を通過する際に、転写シート76に一次転写されている印刷画像がカードCの印刷面に二次転写(熱転写)される。この際、転写ローラ78により、転写シート76はカードCの印刷面に対して所定の圧力及び温度により圧接する。
【0043】
この後、両面の印刷されたカードCは、搬送ローラ機構52を通過し、図6(b)に示すように、非反転位置Xsにセットされている被反転部4rを通過する(ステップS7)。即ち、印刷されたカードCをカード排出部5に送り出すカード排出処理が行われる。この際、搬送機構4rtを構成する搬送ローラ機構11,12により搬送プレート部46上を搬送されるとともに、デカール機構4rdを構成(兼用)する搬送ローラ機構11,12によりカードCの反りが矯正される。そして、被反転部4rを通過したカードCは、図7(f)及び図4(a)に示すように、カード排出部5に進入し、排出ローラ機構91を介して、受取トレイ92上に排出される(ステップS8,S9)。これにより、両面印刷モードによる一枚のカードCの印刷が完了し、以下、同様に、必要枚数の印刷処理が行われる。
【0044】
次に、本発明の変更実施形態に係るカードプリンタ1について、図8及び図9を参照して説明する。
【0045】
図8に示す変更実施形態は、第二矯正手段7に、補助サイドガイド13を追加したものである。即ち、被反転部4rの反転時に、当該被反転部4rから送り出されたカードCに当接して位置及び角度を矯正可能な補助サイドガイド13を、被反転部4rと搬送ローラ機構52間に配設したものである。補助サイドガイド13の形状は、基本的にサイドガイド6sと同様に形成可能であるが、補助的に用いることから搬送方向の長さは、サイドガイド6sよりも短く形成することができる。
【0046】
このような補助サイドガイド13を設ければ、カードCが第一矯正手段6のサイドガイド6sまで搬送される前に、補助サイドガイド13により予備的な矯正処理を行うことができるため、サイドガイド6sでは、カードCに対して、より円滑かつ正確な位置及び角度の矯正を行うことができる。
【0047】
図9に示す変更実施形態は、第二矯正手段7に、反転時に被反転部4rを支軸部4sの軸方向に所定ストロークLsだけオフセットさせる左右変位機構14を追加したものである。即ち、被反転部4rに設けた一方の右軸41qをシャーシ42qに取付けた右軸受43qにより回動自在に支持するに際し、右軸41qと右軸受43q間にスクリュ部14sを介在させ、右軸41qを180〔゜〕回転させた際に、右軸41qが所定ストロークLsだけオフセットするように構成した。このため、他方の左軸41pと被反転部4rは、左軸41pが被反転部4rに対して軸方向へ相対変位できるようにスプライン嵌合部14cを介して結合するとともに、右軸41qの先端と右軸受43q間にはガタ付きを防止するためのスプリング14xを介在させた。
【0048】
このような左右変位機構14を設ければ、反転時にカードCを斜め逆方向Drsへ送り出す際の角度に加え、左右方向における位置を設定できるため、斜め逆方向Drsへ搬送する際の位置及び角度に対する更なる最適化を図ることができ、裏面印刷時における的確で良好な矯正処理を実現できる。なお、図8と図9において、図1〜図4と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
【0049】
以上、好適実施形態及び変更実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、反転処理部4には、カードCの反りを矯正するデカール機構4rd及びカードCを搬送する搬送機構4rtを兼ねる少なくとも前後に配した二つの搬送ローラ機構11,12を設けた場合を示したが、デカール処理の必要がない厚いカードCに対する印刷を用途とする場合には、搬送ローラ機構は一つであってもよいし、三つ以上の搬送ローラ機構11…を設けてもよい。また、反転処理部4の構成は、例示の構成に限定されるものではなく、同一の機能(作用)を発揮する他の構成に置換できる。さらに、印刷部3として熱転写印刷部3tを例示したが印刷部3のタイプは任意である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るカードプリンタは、カードの表裏面を反転させてカードの両面に印刷を行う両面印刷モードを備える各種のカードプリンタに利用できる。カードは、大きさ,厚さ,材質を問わず、各種カード類を適用できるとともに、カードプリンタは単独のカードプリンタであるか他の機器に内蔵するカードプリンタであるかは問わない。
【符号の説明】
【0051】
1:カードプリンタ,2:双方向搬送機構部,3:印刷処理部,3t:熱転写印刷部,4:反転処理部,4r:被反転部,4s:支軸部,4rd:デカール機構,4rt:搬送機構,5:カード排出部,6:第一矯正手段,6r:斜行ローラ機構,6s:サイドガイド,7:第二矯正手段,8:制御部,11:搬送ローラ機構,12:搬送ローラ機構,13:補助サイドガイド,14:左右変位機構,C:カード,Df:順方向(搬送方向),Dr:逆方向,Drs:斜め逆方向,Rs:所定角度,Ls:所定ストローク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを順方向又は逆方向の全部区間又は一部区間に対して搬送可能な双方向搬送機構部と、搬送されるカードに印刷を行う印刷処理部と、この印刷処理部により片面に印刷されたカードの表裏面を反転させる反転処理部と、前記印刷処理部により印刷されたカードを排出するカード排出部とを備えるカードプリンタにおいて、前記印刷処理部の順方向手前に、搬送されたカードを搬送方向に対して斜め順方向に送り出す斜行ローラ機構及びこの斜行ローラ機構から搬送されたカードに当接して位置及び角度を矯正するサイドガイドを有する第一矯正手段と、前記反転処理部の被反転部を搬送方向の直角方向に対して所定角度傾斜させた左右方向の支軸部を介して支持することにより、非反転時にカードを搬送方向に搬送し、かつ前記支軸部を支点とした反転時にカードを搬送方向に対して斜め逆方向に送り出して前記サイドガイドの全部又は一部にカードを当接させて位置及び角度を矯正可能に構成した第二矯正手段とを備えることを特徴とするカードプリンタ。
【請求項2】
前記反転処理部には、カードの反りを矯正するデカール機構及びカードを排出方向に搬送する搬送機構を兼ねる少なくとも前後に配した二つの搬送ローラ機構を備えることを特徴とする請求項1記載のカードプリンタ。
【請求項3】
前記双方向搬送機構部を制御してカードを順方向に搬送する順方向搬送処理,前記印刷処理部を制御して搬送されるカードに印刷を行う印刷処理,前記反転処理部を制御して片面の印刷されたカードを反転させて逆方向に送り出す反転処理,前記双方向搬送機構部を制御してカードを逆方向に搬送する逆方向搬送処理,前記反転処理部を制御して印刷されたカードを前記カード排出部に送り出すカード排出処理,を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のカードプリンタ。
【請求項4】
前記印刷処理部は、少なくとも前記カードの印刷面に対して印刷を行う熱転写印刷部を備えることを特徴とする請求項1,2又は3記載のカードプリンタ。
【請求項5】
前記第二矯正手段は、反転時に前記被反転部から送り出されたカードに当接して位置及び角度を矯正する補助サイドガイドを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカードプリンタ。
【請求項6】
前記第二矯正手段は、反転時に前記被反転部を前記支軸部の軸方向に所定ストロークだけオフセットさせる左右変位機構を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカードプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−104935(P2011−104935A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264590(P2009−264590)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000214836)長野日本無線株式会社 (140)
【Fターム(参考)】