説明

カード作成システム及びカード作成方法

【課題】IDカードの再作成処理時において、画像品質の良いIDカードの作成を可能にする。
【解決手段】顔画像を撮影しその顔画像データを出力する顔画像撮影手段、顔画像撮影手段からの顔画像データを記憶する第1記憶手段、この第1記憶手段に記憶された顔画像データを顔画像撮影手段から受信して記憶する第2記憶手段、及び、第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成するカード作成手段が共通のデータ伝送路に接続されて成るカード作成システム100において、カード作成手段は第1記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員証や各種免許証等のIDカードを作成するIDカード作成システム及びIDカード作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社員証、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、会員証、医療カード及び学生証等のIDカードが普及している。これらのIDカードの表面には、ID番号(識別情報)、本人(申請人)の顔画像の他、氏名、住所等の個人情報が印字されるようになっている。このようなIDカードを作成するシステムとして、本人の顔画像を撮影装置で撮影することで得られた顔画像データと、ID番号及び個人情報とに基づいて、IDカードを作成するシステムが知られている。
【0003】
また、最近では、申請人の顔画像や個人情報のデータを、撮影装置やファイルサーバ等に記憶しておき、その記憶されたデータをIDカード作成装置(プリンタ)に送信することにより、IDカードの再作成や更新等の手続きを行うIDカード作成システムが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−89272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のIDカード作成システムでは、IDカードの再作成処理時にファイルサーバに記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成すると、良好なIDカードが作成されない場合があるという問題があった。これは、以下のような理由による。撮影装置からファイルサーバ及びIDカード作成装置へ至る共通の伝送経路に何らかのトラブルが発生した場合、撮影装置からファイルサーバへ顔画像データを送信する過程で顔画像データが劣化し、ファイルサーバに劣化された顔画像データが記憶されることになる。従って、IDカードの再作成処理時に、ファイルサーバに記憶されている顔画像データを利用しようとしても、記憶されている顔画像データが不良であるために、良好な画像を得ることができないことによる。
【0005】
本発明の課題は、IDカードの再作成処理時に、画像品質の良いIDカードの作成を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、顔画像を撮影しその顔画像データを出力する顔画像撮影手段、当該顔画像撮影手段からの顔画像データを記憶する第1記憶手段、この第1記憶手段に記憶された顔画像データを顔画像撮影手段から受信して記憶する第2記憶手段、及び、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成するカード作成手段が共通のデータ伝送路に接続されて成るカード作成システムにおいて、前記カード作成手段は前記第1記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカード作成システムにおいて、前記第2記憶手段における顔画像データの記憶期間は、前記第1記憶手段における顔画像データの記憶期間より長いことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカード作成システムにおいて、前記第1記憶手段に記憶された顔画像データは非圧縮データであり、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データは圧縮データであることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載のカード作成システムにおいて、前記カード作成手段は、IDカードの再作成処理時、前記第1記憶手段に顔画像データが存在しない場合、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、撮影手段により撮影された顔画像を第1記憶手段に記憶させ、前記第1記憶手段に記憶された顔画像データを顔画像撮影手段から共通のデータ伝送路を介して第2記憶手段に送信して記憶させ、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてカード作成手段によりIDカードを作成するカード作成方法において、前記カード作成手段は前記第1記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカード作成方法において、前記第2記憶手段における顔画像データの記憶期間は、前記第1記憶手段における顔画像データの記憶期間より長いことを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のカード作成方法において、前記第2記憶手段における顔画像データの記憶期間は、前記第1記憶手段における顔画像データの記憶期間より長いことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5から7の何れか一項に記載のカード作成方法において、前記カード作成手段は、IDカードの再作成処理時、前記第1記憶手段に顔画像データが存在しない場合、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、IDカードの再作成処理時に、IDカードに使用するための顔画像を撮影する撮影装置に設けられた第1記憶手段に記憶された顔画像データを用いることにより、画像品質の良いIDカードを作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
以下の実施形態のIDカード作成システムにおいては、主に、会社等の団体に所属する社員のIDカード(在職(社員)証明カード等)を作成する場合を想定してIDカード作成システムを説明するが、それに限らず、所定資格を管理・統括する団体が有するものであってもよい。
【0017】
まず、本発明の実施形態における構成について説明する。図1に、実施形態に係るIDカード作成システム100の構成を示す。IDカード作成システム100は、図1に示すように、ホストコンピュータ1、撮影装置2、IDカード作成装置3、ファイルサーバ4により構成され、IDカード作成システム100を構成する各装置は通信ネットワークNにより接続される。通信ネットワークNは、図1に示すように、撮影装置2からIDカード作成装置3及びファイルサーバ4へ至る共通の伝送経路N1を含む。なお、1台のホストコンピュータ1に通信ネットワークNを介して接続される撮影装置2、IDカード作成装置3、ファイルサーバ4の台数は特に限定されない。
【0018】
ここで、通信ネットワークNは、例えば、公衆回線、電話回線、ISDN回線、無線通信回線、専用線、CATV回線等のネットワークである。この通信ネットワークNは、任意な時に接続が可能であればよく、常時接続されている必要はない。また、通信ネットワークNは、情報管理の信頼性の観点から、特定のユーザのみアクセス可能なセキュリティを確保していることが望ましい。或いは、IDカード作成システム100は、通過する情報を制限するファイアウォール機能を有するプロキシサーバ等を備える構成であってもよい。
【0019】
ホストコンピュータ1は、例えば、PC(Personal Computer)等により構成され、HDD(ハードディスク)等のDB(データベース)格納手段1aを備えている。DB格納手段1aは、各社員のID番号(識別情報)、個人情報(氏名、住所、所属、生年月日等)のデータを対応付けて格納している。このDB格納手段1aには、常に最新の個人情報がID番号に対応付けて格納されている。ホストコンピュータ1は、DB格納手段1aに格納される情報の更新や読み出しを制御する。
【0020】
図2に、撮影装置2の主要部構成を示す。撮影装置2は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶部23、通信部25、入力部26、表示部27、カメラ28、光源29等により構成される。
【0021】
CPU21は、記憶部23に記憶された各種プログラムに従って、撮影装置2を構成する各部の動作を制御する。例えば、CPU21は、入力部26から、IDカードの再作成を申請する申請人のID番号が入力されると、当該ID番号に対応付けられた顔画像のデータが記憶部23の第1記憶手段24に記憶されているか否かを判定する。CPU21は、該当する顔画像データが第1記憶手段24に記憶されていると判定した場合、当該顔画像データを用いたIDカードの作成を、IDカード作成装置3に依頼するための制御を行う。一方、該当する顔画像データが記憶部23の第1記憶手段24に記憶されていないと判定した場合、該当する顔画像データがファイルサーバ4の第2記憶手段421(後述)に記憶されているか否かをファイルサーバ4へ問い合わせるための制御を行う(図4参照)。
【0022】
RAM22は、CPU21によって実行される各種プログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM22は、各種プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。例えば、RAM22は、カメラ28により撮影され生成された顔画像データを一時的に記憶する。
【0023】
記憶部23は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体は、記憶部23に固定的に設けられるもの若しくは着脱自在に装着するものであり、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータを記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取可能なプログラムコードの形態で格納され、当該プログラムコードに従った動作がCPU21の制御下にて逐次実行される。なお、記憶部23が記憶するプログラム又はデータは、その一部又は全部を他の機器から通信ネットワークNを介して受信して記憶するような構成にしてもよい。
【0024】
この記憶部23は、IDカードの作成に関するデータとして、IDカードの作成を申請する各申請人のID番号と、顔画像、個人情報の各データを対応付けて記憶した第1記憶手段24を設けている。この第1記憶手段24には、ID番号毎に、顔画像及び個人情報のデータがID番号に対応付けてIDカード作成装置3に送信済みであるか否かを示す送信完了フラグ(ON:送信済み、OFF:未送信)が設定されている。第1記憶手段24に記憶されたデータは、記憶後、所定期間(例えば、1週間)記憶され、所定期間を過ぎたデータは自動的に消去される。また、第1記憶手段24に格納されている顔画像データは、非圧縮画像データである。
【0025】
通信部25は、撮影装置2を通信ネットワークNに接続するためのインターフェースであり、通信ネットワークNを介して外部機器と通信を行うための制御を行う。
【0026】
入力部26は、撮影ボタン、承認ボタン、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キーを備え、ボタン又はキーの押下操作に対応する操作信号をCPU21に出力する。
【0027】
表示部27は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を備え、CPU21から入力される表示制御信号に従って、顔画像等の各種データを表示する。
【0028】
カメラ28は、ガラス又はプラスチックからなる光学レンズ及びCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光学センサからなり、光学レンズを介して入力される画像を光学センサで電気信号に変換して画像データを生成する。
【0029】
光源29は、蛍光灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等により構成され、撮影の際に、椅子に着座した被撮影者(申請人)に対して光を照射する。
【0030】
図1において、IDカード作成装置3は、撮影装置2又はファイルサーバ4から、IDカードの作成に必要な印刷データ(ID番号、顔画像、個人情報のデータ)を受信して、IDカードの表面に印刷データの印字を行ってIDカードを作成する。このIDカード作成装置3は、各種機能キーを有する入力部、操作パネル、記憶部(何れも図示略)等を備えている。
【0031】
図3に、ファイルサーバ4の主要部構成を示す。ファイルサーバ4は、図3に示すように、CPU40、RAM41、記憶部42、通信部43等により構成される。
【0032】
CPU40は、記憶部42に記憶された各種プログラムに従って、ファイルサーバ4を構成する各部の動作を制御する。
【0033】
RAM41は、CPU40によって実行される各種プログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM41は、各種プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。
【0034】
記憶部42は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体は、記憶部42に固定的に設けられるもの若しくは着脱自在に装着するものであり、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取可能なプログラムコードの形態で格納され、当該プログラムコードに従った動作がCPU40の制御下にて逐次実行される。なお、記憶部42が記憶するプログラム又はデータは、その一部又は全部を他の機器から通信ネットワークNを介して受信して記憶するような構成にしてもよい。
【0035】
このファイルサーバ4は、DB(データベース)格納手段4aを備えている。このDB格納手段4aには、IDカードの作成を申請する各申請人のID番号と、顔画像、個人情報のデータを対応付けて記憶した第2記憶手段421として機能する記憶領域が設けられている。以下、この領域を第2記憶手段421とする。この第2記憶手段421に格納されている顔画像データは、所定の圧縮方式で圧縮された画像データである。また、第2記憶手段421の顔画像データの記憶期間は、撮影装置2に設けられた第1記憶手段24の記憶期間よりも長い。従って、IDカードの再作成処理時において第1記憶手段24に該当する顔画像データが存在しない場合、第2記憶手段421に記憶された顔画像データに基づいてIDカードが作成される。また、ファイルサーバ4に格納された第2記憶手段421には、ID番号毎に、顔画像及び個人情報のデータがID番号に対応付けてIDカード作成装置3に送信済みであるか否かを示す送信完了フラグ(ON:送信済み、OFF:未送信)が設定されている。さらに、ファイルサーバ4は、ホストコンピュータ1のDB格納手段1aがダウンした場合の予備のデータベースとしての機能を有している。
【0036】
なお、第1記憶手段24に記憶された顔画像データは、記憶期間終了前に第2記憶手段421に転送され格納される。これにより、第2記憶手段421に記憶される顔画像データの品質を高品質に維持することができるので、第1記憶手段24の記憶期間終了後、顔画像データが消去された後においても、画像品質の良いIDカードを作成することが可能である。
【0037】
次に、本発明の実施形態における動作について説明する。
【0038】
まず、図4(a)のフローチャートを参照して、撮影装置2において実行される処理について説明する。
【0039】
まず、入力部26の操作により、IDカードの申請人のID番号が入力されると(ステップS1)、その入力されたID番号に対応する顔画像データが第1記憶手段24に記憶されているか否かが判定される(ステップS2)。
【0040】
ステップS2において、ステップS1で入力されたID番号に対応する顔画像データが第1記憶手段24に記憶されていると判定された場合(ステップS2;YES)、表示部27にID番号と、当該ID番号に対応する顔画像が表示される(ステップS5)。
【0041】
ステップS2において、ステップS1で入力されたID番号に対応する顔画像データが第1記憶手段24に記憶されていないと判定された場合(ステップS2;NO)、即ち、該当する顔画像データが、当該顔画像データの記憶期間が過ぎて消去された場合、入力されたID番号のデータをファイルサーバ4に送信することにより、該当する顔画像データがファイルサーバ4の第2記憶手段421に記憶されているか否かの問い合わせが行われる(ステップS3)。
【0042】
ステップS3において、送信されたID番号に対応する顔画像データが第2記憶手段421に記憶されているか否かが判定された結果がファイルサーバ4より送信されると、表示部27に判定結果としての顔画像データの有無情報が表示される(ステップS4)。
【0043】
ステップS5において、表示部27にステップS1で入力されたID番号に対応する顔画像が表示されると、該当する顔画像に対応するID番号のデータがホストコンピュータ1に送信され、当該ID番号に対応する最新の個人情報がホストコンピュータ1から取得される(ステップS6)。
【0044】
ホストコンピュータ1から個人情報が取得されると、当該個人情報がID番号対応付けられて第1記憶手段24に記憶される(ステップS7)。なお、ステップS5において、表示部27に顔画像が表示された後、ステップS6及びS7の処理に移行するとともに、ステップS1に戻り、次のID番号の入力待ち状態となる。
【0045】
次に、図4(b)のフローチャートを参照して、図4(a)のフローチャートに示した処理と並行して撮影装置2において行われる処理について説明する。
【0046】
撮影装置2では、常時、送信完了フラグがOFFのID番号に対応付けられた顔画像及び個人情報のデータが第1記憶手段24に記憶されているかが判定されている(ステップS8)。ステップS8において、第1記憶手段24に、該当するID番号に対応付けられた顔画像及び個人情報のデータが記憶されていると判定された場合(ステップS8;YES)、当該個人情報及び顔画像のデータがID番号のデータに対応付けられてIDカード作成装置3及びファイルサーバ4に送信される(ステップS9)。ステップS9での送信処理後、第1記憶手段24において、当該送信されたデータに対応する送信完了フラグがONに設定され(ステップS10)、再度、ステップS8〜S10の処理が繰り返される。
【0047】
次に、図5のフローチャートを参照して、撮影装置2からIDカードの作成指示を受け付けるときにIDカード作成装置3において実行される処理について説明する。
【0048】
撮影装置2から、ID番号と、それに対応付けられた顔画像及び個人情報のデータが受信され、IDカード作成指示が受け付けられると(ステップP1)、その作成指示で指示されたID番号に対応付けられた顔画像及び個人情報のデータを用いてIDカードが作成される(ステップP2)。IDカードが作成されると、IDカードの作成が完了したことを示すIDカード作成完了情報がID番号に対応付けられて撮影装置2に送信される(ステップP3)。
【0049】
次に、図6(a)のフローチャートを参照して、撮影装置2よりID番号が送信されたときにファイルサーバ4において実行される処理について説明する。
【0050】
まず、撮影装置2からID番号が受信されると(ステップF1)、当該ID番号に対応付けられた顔画像データが、第2記憶手段421に記憶されているか否かが判定される(ステップF2)。
【0051】
ステップF2において、第2記憶手段421に、撮影装置2から送信されたID番号に対応する顔画像データが記憶されていないと判定された場合(ステップF2;NO)、第2記憶手段421に該当する顔画像データが存在しないことを通知するデータが撮影装置2に送信される(ステップF3)。
【0052】
ステップF2において、第2記憶手段421に、撮影装置2から送信されたID番号に対応する顔画像データが記憶されていると判定された場合(ステップF2;YES)、第2記憶手段421に該当する顔画像データが存在する旨を通知するデータが撮影装置2に送信されるとともに(ステップF4)、該当する顔画像に対応するID番号のデータがホストコンピュータ1に送信され、当該ID番号に対応する最新の個人情報がホストコンピュータ1から取得される(ステップF5)。ホストコンピュータ1から個人情報が取得されると、当該個人情報がID番号に対応付けられてDB格納手段4aに格納された第2記憶手段421に記憶される(ステップF6)。
【0053】
次に、図6(b)のフローチャートを参照して、図6(a)のフローチャートに示した処理と並行してファイルサーバ4において行われる処理について説明する。
【0054】
ファイルサーバ4では、ステップF1において撮影装置2からID番号が送信され、送信完了フラグがOFFのID番号に対応付けられた顔画像及び個人情報のデータが第2記憶手段421に記憶されているかが判定されている(ステップF7)。ステップF7において、第2記憶手段421に該当するID番号に対応付けられた顔画像及び個人情報のデータが記憶されていると判定された場合(ステップF7;YES)、当該個人情報及び顔画像のデータがID番号のデータに対応付けられてIDカード作成装置3に送信される(ステップF8)。ステップF8での送信処理後、第2記憶手段421において、当該送信されたデータに対応する送信完了フラグがONに設定され(ステップF9)、再度、ステップF7〜F9の処理が繰り返される。
【0055】
次に、図7のフローチャートを参照して、ファイルサーバ4からIDカード作成指示を受け付けるときにIDカード作成装置3において実行される処理について説明する。
【0056】
ファイルサーバ4から、ID番号と、それに対応付けられた顔画像及び個人情報のデータが受信され、IDカードの作成指示が受け付けられると(ステップP20)、その作成指示で指定されたID番号に対応付けられた顔画像及び個人情報のデータを用いてIDカードが作成される(ステップP21)。IDカードが作成されると、IDカードの作成が完了したことを示すIDカード作成完了情報がID番号に対応付けられてファイルサーバ4に送信される(ステップP22)。
【0057】
以上のように、本実施形態のIDカード作成システム100によれば、IDカードの再作成処理時において、撮影装置2に設けられた第1記憶手段24に申請人のID番号に対応付けられた顔画像データが記憶されている場合は、第1記憶手段24に記憶された顔画像データを用いてIDカードが作成される。撮影装置2に設けられた第1記憶手段24に記憶された顔画像データは、非圧縮データであるため、画像品質の良いIDカードを作成することが可能である。
【0058】
一方、IDカードの再作成処理時において、撮影装置2に設けられた第1記憶手段24に申請人のID番号に対応付けられた顔画像データが記憶されていない場合、即ち、該当する顔画像データが、当該顔画像データの記憶期間が過ぎて消去された場合、ファイルサーバ4のDB格納手段4aに格納された第2記憶手段421に記憶された顔画像データを用いてIDカードが作成される。第2記憶手段421に記憶された顔画像データは、所定の圧縮方式により圧縮された画像データである。そのため、第2記憶手段421は非圧縮データを記憶する第1記憶手段24よりも長い期間、顔画像データを記憶しておくことが可能である。従って、再作成処理時において顔画像の取り直しを減らすことができ、効率よく再作成処理を行うことが可能である。
【0059】
なお、上述の実施形態では、第1記憶手段24を撮影装置2の内部に設ける構成としたが、撮影装置2の外部に別体として設ける構成としても同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態に係るIDカード作成システムの構成を示す図である。
【図2】図1のIDカード作成システムを構成する撮影装置の主要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1のIDカード作成システムを構成するファイルサーバの主要部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の撮影装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態において、撮影装置からIDカード作成指示を受け付けるときにカード作成装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態のファイルサーバにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態において、ファイルサーバからIDカード作成指示を受け付けるときにIDカード作成装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 ホストコンピュータ
1a DB(データベース)格納手段
2 撮影装置
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
24 第1記憶手段
25 通信部
26 入力部
27 表示部
28 カメラ
3 IDカード作成装置
4 ファイルサーバ
4a DB(データベース)格納手段
41 CPU
42 記憶部
43 通信部
421 第2記憶手段
100 IDカード作成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔画像を撮影しその顔画像データを出力する顔画像撮影手段、当該顔画像撮影手段からの顔画像データを記憶する第1記憶手段、この第1記憶手段に記憶された顔画像データを顔画像撮影手段から受信して記憶する第2記憶手段、及び、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成するカード作成手段が共通のデータ伝送路に接続されて成るカード作成システムにおいて、
前記カード作成手段は前記第1記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴とするカード作成システム。
【請求項2】
前記第2記憶手段における顔画像データの記憶期間は、前記第1記憶手段における顔画像データの記憶期間より長いことを特徴とする請求項1に記載のカード作成システム。
【請求項3】
前記第1記憶手段に記憶された顔画像データは非圧縮データであり、
前記第2記憶手段に記憶された顔画像データは圧縮データであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカード作成システム。
【請求項4】
前記カード作成手段は、IDカードの再作成処理時、前記第1記憶手段に顔画像データが存在しない場合、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のカード作成システム。
【請求項5】
顔画像撮影手段により撮影された顔画像データを第1記憶手段に記憶させ、前記第1記憶手段に記憶された顔画像データを顔画像撮影手段から共通のデータ伝送路を介して第2記憶手段に送信して記憶させ、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてカード作成手段によりIDカードを作成するカード作成方法において、
前記カード作成手段は前記第1記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴とするカード作成方法。
【請求項6】
前記第2記憶手段における顔画像データの記憶期間は、前記第1記憶手段における顔画像データの記憶期間より長いことを特徴とする請求項5に記載のカード作成方法。
【請求項7】
前記第1記憶手段に記憶された顔画像データは非圧縮データであり、
前記第2記憶手段に記憶された顔画像データは圧縮データであることを特徴とする請求項5又は6に記載のカード作成方法。
【請求項8】
前記カード作成手段は、IDカードの再作成処理時、前記第1記憶手段に顔画像データが存在しない場合、前記第2記憶手段に記憶された顔画像データを用いてIDカードを作成することを特徴とする請求項5から7の何れか一項に記載のカード作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−159567(P2006−159567A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−352935(P2004−352935)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】