説明

カード処理端末及び商品販売データ処理用のコンピュータプログラム

【課題】 カード決済も可能としながら、商品販売データ処理を実行するための機器の占有スペースを減少させ、当該機器を手軽に各所に持ち運んで商品販売データ処理を実行できるようにする。
【解決手段】 各種処理を実行するプロセッサと、クレジットカード等からカード情報を読み取る情報読取部4とを備え、読み取ったカード情報に基づいてプロセッサに決済処理を実行させることを基本とし、これに加えて、入力された商品コードに基づいて商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理用の周辺機器101、201、301を複数台同時に接続可能にする外部機器接続用のインターフェース(例えば、USB)を備え、更に、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムを記憶部に記憶保存することで、インターフェースを介して接続された周辺機器101、201、301を必要に応じて利用しながら商品販売データ処理を実行できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードやデビットカードなどの決済可能なカードから決済に必要なカード情報を読み取って決済処理を実行するカード処理端末、及びこのカード処理端末にインストールされる商品販売データ処理用のコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客が購入しようとする商品の商品コードを読み取り、読み取った商品コードに基づく商品販売データ処理を実行する機器としては、従来、ECRやPOS端末が広く用いられている。このようなECRやPOS端末は、一般的に、ドロワや自動釣銭機の上に設置されて使用され、機種にもよるが、機器自体がある程度大きく、占有スペースも広い。このため、狭い店舗などでは設置スペースをとることができなかったり、有効スペースを狭めてしまったりするという問題がある。また、店舗内の空間デザインが重視されるような店舗では、たとえ設置スペースはあっても、ECRやPOS端末等の商品販売データ処理装置が当該店舗の空間デザインに溶け込まないようなことも珍しくない。
【0003】
これに対して、商品販売データ処理装置、とりわけPOS端末は、汎用的なオペレーティングシステム上で動作する商品販売データ処理用のソフトウェアがインストールされて構成されていることも多い。そこで、分散型POS端末と呼ばれる機器では、一般的なパーソナルコンピュータにバーコードスキャナやドロワ等のようなPOS周辺機器を接続してPOS端末を構築するようなことも従来から行われている(特許文献1参照)。このような分散型POS端末によれば、各部が個々に分散されているので、レイアウト上の自由度が高く、広い設置スペースを確保することができない店舗や空間デザインが重視される店舗等で広く受け入れられている。
【0004】
【特許文献1】特開平02−217999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散型のPOS端末であっても、パーソナルコンピュータ本体の設置スペースが必要であり、また、ディスプレイやキーボード等を接続する関係上、完全なレイアウト上の自由度を得るということは不可能である。
【0006】
また、従来から広く普及しているクレジットカードや近年急速に普及し始めたデビットカード等での決済を可能とするために、POS周辺機器として、クレジットカードやデビットカード等での決済を可能にするカード処理端末が用意されることも多い。このようなカード処理端末は、顧客の面前でカードの読み取り操作をすることが望ましいこともあり、例えばチェックアウトカウンタ等のような顧客の近傍位置に配置される。このため、カード処理端末との接続が必要であるPOS端末も、必然的にカード処理端末の近傍に設置せざるを得ない。したがって、カード処理端末を用いる場合には、例えば分散型のPOS端末であっても、レイアウト上の制限がより厳しくなる。
【0007】
さらに、ECRやPOS端末等の商品販売データ処理装置は、例えばチェックアウトカウンタ等のような決済コーナーに設置され、決済は決済コーナーで行われるのが一般的である。これに対して、通常の決済コーナーではない場所、例えば特設会場や屋外等で販売促進のための催し物を行うというような場合、催し物を行う場所で決済を行うことができれば便利である。従来のECRやPOS端末等の商品販売データ処理装置は、手軽に持ち運べるようには構成されていないため、決済コーナー以外の場所に持ち運んで使用するというようなことが殆ど不可能である。
【0008】
本発明の目的は、カード決済も可能としながら、商品販売データ処理を実行するための機器の占有スペースを減少させることである。
【0009】
本発明の目的は、商品販売データ処理を実行するための機器を手軽に各所に持ち運び、持ち運んだ場所で商品販売データ処理を実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカード処理端末は、各部を収納保持するハウジングと、情報を入力する入力装置(例えば、キーボード、タッチパネル等)と、各種処理を実行するプロセッサ(例えば、CPU)と、決済に必要なカード情報を記録するカードから前記カード情報を読み取る情報読取部と、前記情報読取部が読み取ったカード情報に基づいて前記プロセッサに決済処理を実行させる手段と、入力された商品コードに基づく商品販売データ処理の実行を支援するための商品販売データ処理用の周辺機器(例えば、ドロワ、データコードスキャナ、ディスプレイ等)を複数台同時に接続可能にする外部機器接続用のインターフェース(例えば、USB)と、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムを記憶保存する記憶部(例えば、フラッシュROM)と、を備え、前記コンピュータプログラムは、前記インターフェースを介して接続された前記周辺機器を必要に応じて利用して、商品コードの入力機能と、前記入力装置の操作に応じて一取引の終了宣言をする宣言機能と、入力された商品コードに基づく決済金額の算出機能と、一取引の終了宣言に応じて算出した決済金額を決済する決済機能と、を含む商品販売データ処理機能を前記プロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カード処理端末は小型であることから、決済方法としてカード決済を可能とする商品販売データ処理を実行するための機器の占有スペースを減少させることができ、また、カード処理端末は軽量であることから、手軽に各所に持ち運んで持ち運んだ場所で商品販売データ処理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態のカード処理端末は、クレジットカード、デビットカードとして使用されるキャッシュカード等、現金の代わりとして機能するカードでの決済に際して使用され、カード決済を可能にする。そのために、本実施の形態のカード処理端末は、通信回線を介して決済機関としての金融機関の決済機関コンピュータに接続可能である。これが、本実施の形態のカード処理端末の基本機能である。このような基本機能の他、本実施の形態のカード処理端末は、商品販売データ処理をも実行する。
【0013】
本実施の形態のカード処理端末で使用されるカードとしては、共に磁気カードであるクレジットカード及びデビットカードである。これらのカードは、決済に必要なカード情報を磁気ストライプに記録している。カード情報として、クレジットカードの場合には、そのカードの固有情報であるカード番号、キャッシュカードの場合には、そのカードの固有情報であるカード番号及び予め定められている暗証番号等がある。
【0014】
図1は、カード処理端末1及びその一使用態様を示す外観斜視図である。図1に示すように、カード処理端末1には、そのハウジング2の操作者側から見て右側に位置させて、図示しないカードの磁気ストライプを挿入させて操作者側に引き抜くことができるようなスリット状の読取溝3を備えた情報読取部4が設けられている。この情報読取部4には、カードの磁気ストライプに記録されたデータの読み取りを行うための磁気カードリーダ5(図4参照)が内蔵されている。
【0015】
ハウジング2の上面には、カード処理端末1の操作者側(カード引抜方向下流側)から奥側(カード引抜方向上流側)に向って、キーボード6、伝票発行口7、及びタッチパネル付きディスプレイ8が順に配列されている。キーボード6は、入力装置として機能し、「0」から「9」までの置数キー6a、ファンクションキー6b等の各種のキーをブロック毎に配列した外観構造を有している。タッチパネル付きディスプレイ8は、LCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ8aの上面にタッチパネル8bが配置された薄型扁平形状のものであって、ディスプレイ8aの部分に取引内容や操作案内等を表示し、タッチパネル8bによるデータ入力を可能とする。したがって、タッチパネル8bは、キーボード6と同様に、入力装置として機能する。このようなタッチパネル付きディスプレイ8は、ハウジング2に対して開閉自在である。ハウジング2は、タッチパネル付きディスプレイ8の開放位置に図示しない用紙収納部を備え、この用紙収納部にはロール状に巻回された伝票用紙が収納されている。伝票発行口7は、ハウジング2に内蔵されたプリンタ9(図4参照)によって伝票用紙に印字され、カットされて発行された伝票(図示せず)を発行する発行口となる。
【0016】
ハウジング2の側部には、カード処理端末1の電源のオンオフを行うための電源スイッチ10が設けられている。電源スイッチ10がオンされると、カード処理端末1の各部に電力が供給される。
【0017】
カード処理端末1は、図1にその一使用態様を示すように、例えば、ドロワ101に接続されて使用される。
【0018】
図2は、カード処理端末1及びその別の使用態様を示す外観斜視図である。カード処理端末1は、図2に別の使用態様を示すように、例えば、商品コードを光学的に読み取るデータコードスキャナとしてのバーコードスキャナ201に接続されて使用される。
【0019】
図3は、カード処理端末1及びその更に別の使用態様を示す外観斜視図である。カード処理端末1は、図3に更に別の使用態様を示すように、例えば、ドロワ101、バーコードスキャナ201、及び商品販売データ処理に際して顧客に提供する情報を表示出力するディスプレイ301に、USBハブ401を介して接続されて使用される。
【0020】
図4は、カード処理端末1及びこれにUSB接続される周辺機器が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。カード処理端末1は、制御ボード11にマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)12を搭載する。マイコン12は、前述した磁気カードリーダ5、キーボード6、タッチパネル付きディスプレイ8、及びプリンタ9等の各部をバスライン13と各種制御回路(図示せず)とを介して駆動制御する。このようなマイコン12は、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)14に、バスライン13を介して、コンピュータプログラム(起動プログラムや制御プログラム)等の固定的データを格納するROM(Read Only Memory)15と、各種可変データを書き換え自在に格納してワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)16と、記憶部としてのフラッシュROM17とを接続することにより構成されている。
【0021】
ROM15に格納されているコンピュータプログラムは、カード処理端末1に、磁気カードリーダ5によって読み取ったカード情報に基づく決済処理をプロセッサであるCPU14に実行させる。つまり、当該コンピュータプログラムは、カード処理端末1に本来的な処理を実行させるわけである。このようなコンピュータプログラムを記憶する媒体として、本実施の形態ではROM15が選択されており、当該コンピュータプログラムはいわゆるファームウェア構成とされているが、これに限定するわけではない。
【0022】
ここで、決済処理、一例として、クレジット決済の場合の決済処理について説明する。カードの磁気ストライプから読み取ったカード情報(カード番号)と入力された取引金額データとに基づいてクレジットデータ(問合せデータ)を作成し、作成したクレジットデータを決済機関コンピュータ501へ送信する。決済機関コンピュータ501では、送信されたクレジットデータに対して信用チェックや金額承認等の信用照会処理を行った後に、その照会結果データをカード処理端末1に送信する。照会結果が決済を承認する旨である場合には、カード処理端末1は、この照会結果データに従って、プリンタ9に印字データを送信し、プリンタ9からクレジット用の伝票を発行させる。店員は、発行されたクレジット伝票に顧客のサインを記入させる。
【0023】
これに対して、フラッシュROM17には、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムが記憶保存されている。このコンピュータプログラムにより実行される商品販売データ処理については、後述する。
【0024】
マイコン12には、バスライン13を介して、メモリーカードスロット18、通信I/F19、ネットワークカード20、I/O21、及びUSB(Universal Serial Bus)22が接続されている。
【0025】
メモリーカードスロット18は、メモリーカード18a(図6参照)を抜き差し自在とし、メモリーカード18aに記録されているデータを入力する。
【0026】
通信I/F19は、通信回線である公衆回線網、CAFIS(Credit And Finance Information Switching System)等の中継センター等から構成される外部通信網1001を介して、クレジット会社や銀行等が備える決済機関コンピュータ501(図5、図6参照)にカード処理端末1を接続し、決済機関コンピュータ501との間でデータ通信を可能とする。
【0027】
ネットワークカード20は、カード処理端末1をLAN等のネットワーク2001に接続させる。ネットワーク2001には、例えばストアコントローラや各種サーバ等の上位機601が接続されており、カード処理端末1は上位機601とネットワーク2001を介して通信可能である。
【0028】
I/O21にはピンパット23が接続されている。ピンパット23は、磁気カードリーダ5によってデビットカードを読み取り、デビット決済を実行するに際して、デビットカードの所持者である顧客に暗証番号を入力してもらうに際して使用される。
【0029】
USB22は、カード処理端末1に各種の周辺機器との接続を提供する。図1ないし図3に例示したドロワ101、バーコードスキャナ201、及びディスプレイ301との接続は、全てUSB22を利用して実現している。USB22を利用して接続されるドロワ101、バーコードスキャナ201、及びディスプレイ301について説明する。
【0030】
ドロワ101は、引出102を開閉自在に有する。引出102は、図示しない圧縮コイルバネによって引き出し方向に付勢されており、その付勢による引き出し方向への移動を図示しないラッチ機構によってラッチしている。ラッチ機構は、ソレノイド103(図4参照)を有し、ソレノイド103の動作に応じて引出102のラッチを開放する。このようなドロワ101は、インターフェースとしてUSB104を備え、ソレノイド103を制御する制御部105を備える。そして、USB104を介してカード処理端末1から開放信号を受信し、これに応じて制御部105がソレノイド103を駆動し、引出102のラッチを開放する。
【0031】
バーコードスキャナ201は、発光部202(図4参照)の発光により図示しないバーコードに照射された光の反射光をCCD203(図4参照)により受光し、CCD203の出力に基づいてバーコード含まれている商品コードをデコーダ204(図4参照)によって解析する構造である。このような各部の制御は、制御部205が司る。また、バーコードスキャナ201も、インターフェースとしてUSB206を備え、デコーダ204によって解析した商品コードをUSB206によってカード処理端末1に向けて送信出力する。
【0032】
ディスプレイ301は、LCD(Liquid Crystal Display)、つまり液晶表示パネル302を備え、液晶表示パネル302に必要な情報、ここでは商品販売データ処理に際して顧客に提供する情報を表示する。液晶表示パネル302は、制御部303に制御されるドライバ回路304によって駆動され、必要情報の表示を実行する。このようなディスプレイ301も、インターフェースとしてUSB305を備え、カード処理端末1から表示データを受信する。制御部303は、カード処理端末1から送信された表示データに基づいてドライバ回路304を制御する。
【0033】
前述したように、フラッシュROM17には、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムが記憶保存、つまりインストールされている。このコンピュータプログラムは、ダウンロード(図5参照)やメモリーカード18aの読み取り(図6参照)等によってフラッシュROM17に記憶保存することができる。
【0034】
図5は、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムをダウンロードしてフラッシュROM17にインストールする場合のデータ処理を例示する模式図である。サーバ等の上位機601は、カード処理端末1に商品販売データ処理を実行させるためのコンピュータプログラムを保持している。当該コンピュータプログラムは、ネットワーク2001を介してカード処理端末1にダウンロード可能である。ダウンロードされたコンピュータプログラムは、ネットワークカード20により、バスライン13を介してフラッシュROM17にインストールすることが可能である。
【0035】
図6は、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムをメモリーカード18aの読み取りによってフラッシュROM17にインストールする場合のデータ処理を例示する模式図である。メモリーカード18aは、カード処理端末1に商品販売データ処理を実行させるためのコンピュータプログラムを記憶している。そこで、メモリーカード18aをメモリーカードスロット18に挿入することで、CPU14は、メモリーカード18aが記憶する商品販売データ処理用のコンピュータプログラムを取り込み、バスライン13を介してフラッシュROM17にインストールすることが可能である。
【0036】
フラッシュROM17にインストールされた商品販売データ処理用のコンピュータプログラムに従いCPU14が実行する処理を次に説明する。商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、CPU14に、商品販売データ処理機能を実行させる。つまり、当該コンピュータプログラムは、USB22を介して接続された周辺機器、例えば、ドロワ101、バーコードスキャナ201、ディスプレイ301等を必要に応じて利用して、商品コードの入力機能と、入力装置(キーボード6又はタッチパネル8b)の操作に応じて一取引の終了宣言をする宣言機能と、入力された商品コードに基づく決済金額の算出機能と、一取引の終了宣言に応じて算出した決済金額を決済する決済機能と、をCPU14に実行させる。
【0037】
商品コードの入力機能は、一例として、キーボード6の置数キー6aの押下入力、あるいはタッチパネル8bのタッチ入力に基づいて行われる。この場合、置数キー6aは商品コードそのものを入力する。タッチパネル8bによる商品コードの入力は、各種の手法により実行し得る。例えば、タッチパネル付きディスプレイ8のディスプレイ8aにテンキーを表示して商品コードそのものをタッチパネル8bでタッチ入力する方式であっても、あるいは、ディスプレイ8aに商品名や部門名を表示してそれらの商品名や部門名をタッチパネル8bでタッチ入力する方式であってよい。いずれにしても、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、ディスプレイ8aの表示とタッチパネル8bのタッチ入力とを同期させる。商品コードの入力機能は、別の一例として、バーコードスキャナ201によって実行される。この場合、図2又は図3に例示するように、バーコードスキャナ201がカード処理端末1にUSB接続されていることが前提となる。
【0038】
一取引の終了宣言をする宣言機能は、一例として、キーボード6のファンクションキー6bの押下入力、あるいはタッチパネル8bのタッチ入力に基づいて行われる。一取引の終了宣言は、一取引を終了すべきことと、決済方法との指定を伴う。そこで、ファンクションキー6bの押下入力による一取引の終了宣言を実行する場合、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、ファンクションキー6bの一つを締めキーとして割り当てる。現金で決済する場合と、クレジットカードで決済する場合と、デビットカードで決済する場合とで、それぞれ別のファンクションキー6bが割り当てられる。また、タッチパネル8bのタッチ入力による一取引の終了宣言を実行する場合、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、ディスプレイ8aに締めキー表示を行い、このようなディスプレイ8aの表示とタッチパネル8bのタッチ入力とを同期させる。この場合にも、現金で決済する場合と、クレジットカードで決済する場合と、デビットカードで決済する場合とで、それぞれ別の締めキー表示がなされ、各締めキーは、タッチパネル8bのタッチ入力によって選択可能となる。
【0039】
入力された商品コードに基づく決済金額の算出機能として、入力された商品コードに基づいてPLUファイル(図示せず)を検索し、当該商品コードによって特定される商品の単価を得るという処理が実行される。PLUファイルは、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムと共にフラッシュROM17に記憶保存しておいてもよいし、ネットワーク2001を介してアクセス可能な図示しない外部記憶装置に記憶保存しておいてもよいし、ネットワーク2001を介してアクセス可能な上位機601あるいは上位機601がアクセス可能な外部記憶装置に記憶保存しておいてもよい。カード処理端末1のCPU14は、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムに従い、PLUファイルにアクセスして入力された商品コードに対応する商品の単価を獲得し、一取引での購入金額を必要な消費税等と共に算出する。そして、一取引の終了宣言に先立って、現金による一取引の終了宣言がなされた場合には、預かり金額の入力処理及び釣銭金額の算出処理も併せて実行される。預かり金額の入力処理は、キーボード6の置数キー6aの押下入力、あるいはタッチパネル8bのタッチ入力に基づいて行われる。この場合、置数キー6aは預かり金額そのものを入力する。タッチパネル8bによる商品コードの入力は、タッチパネル付きディスプレイ8のディスプレイ8aにテンキーを表示して預かり金額そのものをタッチパネル8bでタッチ入力する方式によって実行される。
【0040】
一取引の終了宣言に応じて算出した決済金額を決済する決済機能は、現金で決済する場合と、クレジットカードで決済する場合と、デビットカードで決済する場合とで、それぞれ異なる処理を実行する。これに対して、決済方法の相違にも拘らず共通する処理として、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、例えばRAM16に、売上データを仮保存する処理をCPU14に実行させる。仮保存した売上データは、一日の終了等のようなタイミングで、売上ファイルを有する上位機601に送信される。
【0041】
一取引の終了宣言に際して、クレジット決済又はデビットカード決済が選択された場合、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、CPU14に、ROM15に格納されている決済処理用のコンピュータプログラムに従った処理を実行させる。図2に示すように、ドロワ101がカード処理端末1にUSB接続されていない場合には、専ら、クレジット決済又はデビットカード決済によることが望ましい。そこで、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、CPU14に、ドロワ101がカード処理端末1にUSB接続されているかどうかを判定させ、USB接続されていない場合には、一取引の終了宣言をする宣言機能として、クレジット決済又はデビットカード決済のみの選択が可能であり、現金決済を選択し得ないように制御させるようにしてもよい。
【0042】
一取引の終了宣言に際して、現金決済が選択された場合、商品販売データ処理用のコンピュータプログラムは、CPU14に、ドロワ101に向けて開放信号を出力する機能を実行させる。これにより、開放信号を受信したドロワ101では、制御部105がソレノイド103を駆動し、引出102のラッチを開放させる。これにより、引出102が引き出される。なお、この処理は、図1及び図3に示すように、ドロワ101がカード処理端末1にUSB接続されていることを前提とする。
【0043】
加えて、本実施の形態のカード処理端末1は、図3に示すように、ディスプレイ301をUSB接続することができる。そこで、このディスプレイ301に、商品販売データ処理に際して顧客に提供する情報、例えば、商品コードが入力された商品の品名や単価、購入金額、消費税等の情報を表示することが可能である。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、カード処理端末1にPOS端末機能を持たせることができる。したがって、小型で軽量であるというカード処理端末1の持ち味を活かし、商品販売データ処理を実行するための機器の占有スペースを減少させることができる。このため、狭小店舗等での利用価値が極めて高い。あるいは、店舗内の空間デザインが重視されるような店舗でも、POS端末を設置した場合に比べて圧迫感を低減することができ、抵抗感なく受け入れられ易くなる。
【0045】
カード処理端末1のもう一つの持ち味である軽量さは、商品販売データ処理の実行場所の制限を緩和する。つまり、カード処理端末1は、軽量であるが故に手軽に各所に持ち運び、持ち運んだ場所で商品販売データ処理を実行することができる。一例として、特設会場や屋外等で販売促進のための催し物を行うような場合を想定すると、小型で軽量であるカード処理端末1は、そのような催し物会場に気軽に持ち運ぶことができ、その場で商品販売データ処理を実行することができる。したがって、商品販売データ処理を実行する機器として、極めて機動性が高い機器を得ることができる。
【0046】
しかも、カード処理端末1は、耐タンパ性を有している等、高いセキュリティ機能を標準で装備していることから、商品販売データ処理に際しても、高いセキュリティを維持することができる。
【0047】
また、本実施の形態のカード処理端末1は、入力装置としてタッチパネル8bを用いることで、入力装置としてのキーボード6が置数キー6aを主体として構成されているが故に入力項目の選択数が限られているカード処理端末1であっても、商品コード入力や各種のファンクション入力に際して、入力項目を豊富にすることができる。
【0048】
加えて、本実施の形態のカード処理端末1は、商品販売データ処理用の周辺機器を複数台同時に接続可能にする外部機器接続用のインターフェース、本実施の形態ではUSBを備えているので、ドロワ101、バーコードスキャナ201、ディスプレイ301等を接続し、商品販売データ処理機能の実行に際して、それらの周辺機器を必要に応じて利用することができる。つまり、拡張性及び柔軟性が極めて高く、個々の店舗に即したシステム構成を容易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】カード処理端末及びその一使用態様を示す外観斜視図である。
【図2】カード処理端末及びその別の使用態様を示す外観斜視図である。
【図3】カード処理端末及びその更に別の使用態様を示す外観斜視図である。
【図4】カード処理端末及びこれにUSB接続される周辺機器が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図5】商品販売データ処理用のコンピュータプログラムをダウンロードして記憶部(フラッシュROM)にインストールするデータ処理を例示する模式図である。
【図6】商品販売データ処理用のコンピュータプログラムをメモリーカードの読み取りによって記憶部(フラッシュROM)にインストールするデータ処理を例示する模式図である。
【符号の説明】
【0050】
2…ハウジング,4…情報読取部,6…入力装置(キーボード),8…タッチパネル付きディスプレイ,8b…入力装置(タッチパネル),14…プロセッサ(CPU),17…記憶部(フラッシュROM),22…インターフェース、USB,101…周辺機器、ドロワ,201…周辺機器、データコードスキャナ(バーコードスキャナ),301…周辺機器、ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部を収納保持するハウジングと、
情報を入力する入力装置と、
各種処理を実行するプロセッサと、
決済に必要なカード情報を記録するカードから前記カード情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部が読み取ったカード情報に基づいて前記プロセッサに決済処理を実行させる手段と、
入力された商品コードに基づく商品販売データ処理の実行を支援するための商品販売データ処理用の周辺機器を複数台同時に接続可能にする外部機器接続用のインターフェースと、
商品販売データ処理用のコンピュータプログラムを記憶保存する記憶部と、
を備え、前記コンピュータプログラムは、前記インターフェースを介して接続された前記周辺機器を必要に応じて利用して、商品コードの入力機能と、前記入力装置の操作に応じて一取引の終了宣言をする宣言機能と、入力された商品コードに基づく決済金額の算出機能と、一取引の終了宣言に応じて算出した決済金額を決済する決済機能と、を含む商品販売データ処理機能を前記プロセッサに実行させる、
カード処理端末。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記入力装置としてのタッチパネル付きディスプレイを備え、
前記コンピュータプログラムは、商品販売データ処理に必要な情報の前記タッチパネル付きディスプレイによる入力表示機能を前記プロセッサに実行させる、
請求項1記載のカード処理端末。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに、前記インターフェースを介して接続されたデータコードスキャナから得た商品コードに基づいて前記商品コードの入力機能を実行させる、請求項1又は2記載のカード処理端末。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに、前記インターフェースを介して接続されたドロワに向けて、一取引の終了宣言に応じて開放信号を出力する機能を実行させる、請求項1ないし3のいずれか一記載のカード処理端末。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに、前記インターフェースを介して接続されたディスプレイに向けて、商品販売データ処理に際して顧客に提供する情報を表示出力させる、請求項1ないし4のいずれか一記載のカード処理端末。
【請求項6】
各部を収納保持するハウジングと、
情報を入力する入力装置と、
各種処理を実行するプロセッサと、
決済に必要なカード情報を記録するカードから前記カード情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部が読み取ったカード情報に基づいて前記プロセッサに決済処理を実行させる手段と、
入力された商品コードに基づく商品販売データ処理の実行を支援するための商品販売データ処理用の周辺機器を複数台同時に接続可能にする外部機器接続用のインターフェースと、
商品販売データ処理用のコンピュータプログラムを記憶保存する記憶部と、
を備えるカード処理端末の前記記憶部にインストールされ、前記プロセッサに、前記インターフェースを介して接続された前記周辺機器を必要に応じて利用する、
商品コードの入力機能と、
前記入力装置の操作に応じて一取引の終了宣言をする宣言機能と、
入力された商品コードに基づく決済金額の算出機能と、
一取引の終了宣言に応じて算出した決済金額を決済する決済機能と、
を実行させる、商品販売データ処理用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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