カード脱着機構
【課題】 装置本体からのカードの飛び出しを確実に防止するとともに、カードが落下した際のカードの保護性能を向上させる。
【解決手段】 カード200の少なくとも一部を覆うカードカバー106を備え、カード200とイジェクタ部材104を互いに係わった状態で挿抜方向と異なる非挿抜方向へ相対的に移動自在に構成し、カードカバー106に突起128を設けるとともにイジェクタ部材104に突起128と係脱自在な穴部130を設け、カード200が装置本体300に挿入されてイジェクタ部材104が固定位置へ移動する際にイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向一方側へ移動して突起128と穴部130とが係合し、固定位置からカード200及びイジェクタ部材104が抜脱方向へ移動した状態でイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向他方側へ移動すると突起128と穴部130との係合が解除されるよう構成した。
【解決手段】 カード200の少なくとも一部を覆うカードカバー106を備え、カード200とイジェクタ部材104を互いに係わった状態で挿抜方向と異なる非挿抜方向へ相対的に移動自在に構成し、カードカバー106に突起128を設けるとともにイジェクタ部材104に突起128と係脱自在な穴部130を設け、カード200が装置本体300に挿入されてイジェクタ部材104が固定位置へ移動する際にイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向一方側へ移動して突起128と穴部130とが係合し、固定位置からカード200及びイジェクタ部材104が抜脱方向へ移動した状態でイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向他方側へ移動すると突起128と穴部130との係合が解除されるよう構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを装置本体へ挿抜自在に固定するためのカード脱着機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の電子機器装置には、記憶媒体としてICカード、メモリカード等のカードが用いられる。カードは挿抜自在に装置本体に固定され、所定のカードの固定位置にて情報の読み込み、書き込み等が行われる。
【0003】
装置本体には、カードの挿抜時にカードと係わってカードとともに挿抜方向へ移動するイジェクタ部材が備えられる。イジェクタ部材にはハートカム溝が形成され、装置本体にはハートカム溝の内部を移動するカムピンが配設される。イジェクタ部材はコイルばね等の付勢部材により抜脱方向へ付勢される。
【0004】
このカード脱着機構では、使用者がカードを装置本体へ挿入すると、まずイジェクタ部材とカードが係わる。そして、付勢部材の付勢力に抗してカードを装置本体の最深部まで挿入した後、付勢力によりカードが僅かに抜脱方向へ移動したところで、ハートカム溝とカムピンの動作によりイジェクタ部材は固定位置にロックされる。この状態から、使用者が固定位置からカードを再度挿入方向へ移動させると、付勢部材の付勢力によりカードが装置本体から所定量だけ排出された抜脱位置まで移動する。
【0005】
ここで、イジェクタ部材は付勢部材により抜脱方向に付勢されており、カードのロックを解除する際、固定位置から抜脱位置までイジェクタ部材及びカードが勢いよく移動すると、勢い余ってカードが飛び出してしまうという問題点がある。この問題点を解消するため、カードに切欠を形成しておき、イジェクタ部材に切欠に対応する突起を設けたものが提案されている。突起は傾斜面を有する山型に形成され、カードの脱着に支障をきたすことのないよう構成されている。
【特許文献1】特開2005−26016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記カード脱着機構では、カードの抜脱に支障をきたさずに突起が切欠部分を乗り越えるようになっているため、カードの飛び出しを十分に抑止することができない。ここで、カードの飛び出しを十分に抑止すべく突起を大型としたり矩形状に形成したりすると、突起が切欠に引っかかり易くなり、逆にカードの抜脱に支障をきたすこととなる。
【0007】
そして、前記カード脱着機構では、カードに何ら保護部材が設けられていないことから、カードの飛び出し等によりカードが落下すると、カードに直接衝撃が加わることになり、カードの保護に欠けるという課題も有している。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、装置本体からのカードの飛び出しを確実に防止するとともに、カードが落下した際のカードの保護性能を向上させたカード脱着機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明では、カードを挿抜自在に固定する装置本体に前記カードの挿抜方向へ移動自在となるよう設けられ、前記カードの挿抜時に前記カードと係わって前記カードとともに挿抜方向へ移動し、前記装置本体における所定の固定位置で前記カードとともに固定されるイジェクタ部材と、前記カードの少なくとも一部を覆うカードカバーと、を備え、前記カードと前記イジェクタ部材を、互いに係わった状態で、前記挿抜方向と異なる非挿抜方向へ相対的に移動自在に構成し、前記カードカバーに係合部を設けるとともに、前記イジェクタ部材に前記係合部と係脱自在な被係合部を設け、前記カードが前記装置本体に挿入されて前記イジェクタ部材が前記固定位置へ移動する際に、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向一方側へ移動して前記係合部と前記被係合部とが係合し、前記固定位置から前記カード及び前記イジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向他方側へ移動すると前記係合部と前記被係合部との係合が解除されるよう構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、カードに少なくとも一部を覆うカードカバーが装着され、このカードカバーにイジェクタ部材の被係合部と係脱自在の係合部が設けられる。そして、カードが装置本体に挿入されると、カードとイジェクタ部材が係わった状態で、イジェクタ部材が固定位置へ向かって移動する。そして、イジェクタ部材が固定位置へ移動する際に、カードがイジェクタ部材に対して非挿抜方向一方側へ移動して係合部と被係合部とが係合する。
【0011】
これにより、カード及びイジェクタ部材が固定位置から抜脱方向へ勢いよく移動したとしても、係合部と被係合部とが係合した状態であるので、カードがイジェクタ部材から離脱して慣性により装置本体から飛び出すことはない。この結果、カードの装置本体からの飛び出しを確実に防止することができる。
【0012】
そして、固定位置からカード及びイジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、カードがイジェクタ部材に対して非挿抜方向他方側へ移動すると係合部と被係合部の係合が解除され、カードがイジェクタ部材から離脱可能な状態となる。
【0013】
また、カードはカードカバーにより少なくとも一部が覆われるので、カードの本体部分へ直接的に外部からの力が作用し難く、落下等による衝撃が緩和されるし、カードの本体部分にまで損傷が及び難くなる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、カードカバーに係合部を設けるとともに、イジェクタ部材に被係合部を設けたので、これらの係合により装置本体からのカードの飛び出しを確実に防止することができる。また、カードがカードカバーにより少なくとも一部が覆われることから、カードが落下した際のカードの保護性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図面を参照しつつ、本発明によるカード脱着機構の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1から図10は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は装置本体からカードが外れた状態のカード脱着機構の斜視説明図、図2はモールド部と金属板の分解斜視図、図3はカードが固定位置へ到達した状態を示すカード脱着機構の斜視説明図、図4はイジェクタ部材の外観斜視図、図5はイジェクタ部材の外観斜視図、図6はカードカバーの外観斜視図、図7はモールド部の外観斜視図、図8はカード挿入時のカード脱着機構の縦断面図、図9はカードが固定位置へ到達した状態のカード脱着機構の縦断面図、図10は突起と穴部が係合した状態でカードが抜脱方向へ移動した状態のカード脱着機構の縦断面図である。以下、カード脱着機構について詳述するが、理解を容易とするため、カードの挿入方向を前方向、カードの抜脱方向を後方向として説明する。
【0016】
図1に示すように、このカード脱着機構は、カード200を装置本体300へ挿抜自在に固定するためのもので、装置本体300に設置されカード200を受容する上方が開放されたモールド部100と、このモールド部100の上部を閉塞する金属板102と、を備えている。
図2に示すように、カード脱着機構は、カード200を挿抜自在に固定する装置本体300にモールド部100を介して設けられるイジェクタ部材104を備えている。このイジェクタ部材104は、カード200の挿抜方向へ移動自在となるよう設けられており、カード200の挿抜時にカード200と係わってカード200とともに挿抜方向へ移動し、装置本体300における所定の固定位置でカード200とともに固定される。さらに、図1に示すように、カード脱着機構は、カード200の少なくとも一部を覆うカードカバー106を備えている。
【0017】
図2に示すように、モールド部100は、略矩形の平板状のベース部108と、ベース部108におけるカード200の挿入方向奥側に配されたコネクタ端子110とを有する。このコネクタ端子110は、例えば、ベース部108と一体に成形されたものであってもよいし、ベース部108に形成された穴に圧入されるものであってもよい。コネクタ端子110は装置本体300側に電気的に接続されており、図3に示すようにイジェクタ部材104及びカード200が前述の固定位置へ到達すると、カード200の記憶部と装置本体300側で情報の送受が可能な状態となる。また、コネクタ端子110はカード200の検出機能も有しており、カード200が固定位置へ到達すると、所定の信号を装置本体300側へ出力する。
【0018】
図2に示すように、ベース部108の前端及び左右両端には、上方へ延びる壁部112が形成される。そして、略矩形の平板状の金属板102が壁部112の上端と接続され、モールド部100及び金属板102により後部が開放されカード200を挿入可能な袋状部をなす。
【0019】
ベース部108の左側の壁部112は一部が欠けており、この欠けた部分にカムピン114が配置される。このカムピン114は、イジェクタ部材104の左側に形成されたハートカム溝116(図4参照)の内部を移動する。ハートカム溝116とカムピン114により、イジェクタ部材104及びカード200は固定位置でロックされ、固定位置から抜脱方向へ移動した状態でカード200のイジェクタ部材104からの離脱が許容される。
【0020】
図4に示すように、イジェクタ部材104の前端には、カード200の挿抜時にカード200の前端左側と当接する係止部118が形成される。イジェクタ部材104の後端側には、カード200の挿抜時にカード200の左側部に形成された切欠部202を保持する保持爪120が形成される。
【0021】
また、図2に示すように、イジェクタ部材104は付勢部材としてのコイルばね122により、常時、カード200の抜脱方向側へ付勢されている。図5に示すように、イジェクタ部材104の下側には、前後に延びる穴状のばね受容部124が形成されており、ばね受容部124内でコイルばね122は伸縮が可能となっている。コイルばね122の前端はモールド部100の前側の壁部112に係止し、コイルばね122の後端はイジェクタ部材104のばね受容部124の後端部分に形成されるばね受け部126に係止する。
【0022】
また、図4に示すように、イジェクタ部材104の上部には、カードカバー106に形成された突起128と係脱自在の穴部130が形成される。穴部130は上面視で略円形に形成されており、突起128を受容した状態で、カード200のイジェクタ部材104に対する水平方向の移動が阻止される。
【0023】
ここで、カードカバー106について説明する。
図1に示すように、カードカバー106は、上面視でカード200の後端及び左端に沿う略L字の平板状に形成されている。また、図6に示すように、カードカバー106の後部には、カード200後端の側部に沿うよう下方へ延びるフランジ部132が形成される。すなわち、カードカバー106は、カード200の後端側及び左端側を上側から覆うとともに、カード200後端の側部を覆う。
【0024】
カードカバー106の前端には、左方へ僅かに延びる延出部134が形成される。この延出部134の下面に前述の突起128が形成される。この突起128は上面視にて略円形に形成される。ここで、カード200の左端前側は切り欠かれていることから、上面視にて、カードカバー106の延出部134がカード200から突出した状態となっている。
【0025】
さらに、図4に示すように、イジェクタ部材104の前端下部には、前上がり傾斜した傾斜面136が形成されている。この傾斜面136は、イジェクタ部材104が挿入方向へ移動した際に、モールド部100のベース部108の左端前側に形成された摺接部138と摺接する。図7に示すように、摺接部138はベース部108から上方へ突出形成され、挿入方向奥側(前側)が略平坦に、挿入方向手前側(後側)が前上がりに傾斜して形成されている。これにより、イジェクタ部材104は、挿入方向へ移動すると摺接部138と摺接して上方へ移動する。
【0026】
ここで、イジェクタ部材104は、モールド部100及び金属板102の内部を上下に移動可能となっている。尚、図7に示すように、モールド部100のベース部108には、イジェクタ部材104が嵌り込む孔140が形成されており、イジェクタ部材104の上下ストロークが十分に確保されるとともに、カード脱着機構の薄型化が図られている。
【0027】
そして、カード200とイジェクタ部材104は、図8に示すように互いに係わった状態で、挿抜方向(前後方向)と異なる非挿抜方向(上下方向)へ相対的に移動自在となっている。カード200の前端がイジェクタ部材104の係止部118と係わった状態で、イジェクタ部材104がカード200に対して上方へ移動すると、係合部としての突起128と被係合部としての穴部130とが係合する(図9参照)。この逆に、カード200の前端がイジェクタ部材104の係止部118と係わった状態で、イジェクタ部材104がカード200に対して下方へ移動すると、突起128と穴部130との係合が解除される(図8参照)。
【0028】
以上のように構成されたカード脱着機構におけるカード挿入及び抜脱時の動作について説明する。
【0029】
カード200が装置本体300に挿入されると、図8に示すように、まずイジェクタ部材104とカード200が係わる。そして、カード200とイジェクタ部材104が係わった状態で、イジェクタ部材104はコイルばね122の付勢力に抗して挿入方向最深部へ移動する。このとき、図9に示すように、摺接部138との摺接によりイジェクタ部材104が上方へ移動することから、カードカバー106の突起128とイジェクタ部材104の穴部130とが係合する。
【0030】
イジェクタ部材104は、最深部へ移動した後に、コイルばね122の付勢力によりカード200が僅かに抜脱方向へ移動したところで、ハートカム溝116とカムピン114の動作により固定位置にロックされる。固定位置では、イジェクタ部材104が摺接部138と摺接した状態であり、イジェクタ部材104のベース部108に対する高さが維持されることから、突起128と穴部130との係合が維持される。
【0031】
そして、固定位置からカード200及びイジェクタ部材104が抜脱方向へ移動すると、イジェクタ部材104が摺接部138との摺接区間から抜け、イジェクタ部材104は自重によりベース部108の孔140に落ち込む。これにより、図8に示すように、イジェクタ部材104はカード200に対して下方へ移動し、突起128が穴部130から抜ける。このように、突起128と穴部130の係合が解除され、カード200がイジェクタ部材104から離脱可能な状態となる。
【0032】
ここで、カード200及びイジェクタ部材104が固定位置から抜脱方向へ勢いよく移動したとしても、イジェクタ部材104が下方へ移動しておらず、図10に示すように突起128と穴部130とが係合した状態であるので、カード200がイジェクタ部材104から離脱して慣性により装置本体300から飛び出すことはない。この結果、カード200の装置本体300からの飛び出しを確実に防止することができる。
【0033】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、カード200はカードカバー106により少なくとも一部が覆われるので、カード200の本体部分へ直接的に外部からの力が作用し難く、落下等による衝撃が緩和されるし、カード200の本体部分にまで損傷が及び難くなる。
【0034】
特に本実施形態においては、抜脱方向の先頭側となるカード200の後部を覆うようにしたので、カードが落下した際のカードの保護性能を効果的に向上させることができる。また、使用者はカードカバー106を把持してカード200を取り扱うことができ、実用に際して極めて便利である。
【0035】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、イジェクタ部材104が自重により下方へ移動するようにしたので、係合解除動作のための機構等を別途設ける必要がないので部品点数を少なくすることができるし、突起128と穴部130の係合解除動作を確実に行わせることができる。
【0036】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、装置本体300側に形成された摺接部138によりイジェクタ部材104を上方へ移動させるようにしたので、例えばリンク機構等を介在させてイジェクタ部材104の上昇若しくはカード200の下降を行うものに比べて、イジェクタ部材104とカード200との相対移動を確実に行わせることができる。
【0037】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、突起128と穴部130により係合部及び被係合部を構成したので、カードカバー106及びイジェクタ部材104の加工が簡単容易である。
【0038】
尚、前記実施形態においては、装置本体300にモールド部100及び金属板102を固定し、モールド部100を介してイジェクタ部材104が装置本体300に設けられたものを示したが、装置本体300にイジェクタ部材104が直接設けられたものであってもよい。
【0039】
また、前記実施形態においては、カードカバー106に突起128を形成し、イジェクタ部材104に穴部130を形成したものを示したが、イジェクタ部材104に突起128が形成され、カードカバー106に穴部130が形成されたものであってもよい。また、係合部と被係合部は突起と穴部の組み合わせに限定されず、例えば爪と切欠のような組み合わせであってもよく、互いに係脱自在であれば係合部と被係合部の形状、構造等は任意である。
【0040】
また、カード200とイジェクタ部材104が互いに相対移動自在な非挿抜方向を上下方向としたものを示したが、例えば左右方向や所定軸まわりの回転方向であってもよい。要は、固定位置へ移動する際にイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向一方側へ移動して係合部と被係合部が係合し、固定位置から抜脱方向へ移動した状態でイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向他方側へ移動して係合部と被係合部の係合が解除されるようにすればよい。
【0041】
また、例えば、図11に示すように、カードカバー106に対応して金属板102に切欠150を形成してもよい。すなわち、カードカバー106と金属板102が干渉しないように、カードカバー106の移動軌跡に切欠150を形成することにより、モールド部100と金属板102の袋状部を薄型に形成することができる。これにより、カードカバー106をカード200に設けて、カード200側全体として厚さが増したとしても、モールド部100及び金属板102からなる袋状部も厚くなることはない。
【0042】
また、前記実施形態においては、カードカバー106がカード200の左側及び後側を覆うものを示したが、他の部分を覆うものであってもよい。さらに、カードカバー106がカード200の一部を覆うものでなく、カードカバー106がカード200のほぼ全部を覆うようなものであってもよい。
【0043】
さらにまた、プッシュオン・プッシュオフタイプのハートカム機構を用いたカード脱着機構を示したが、例えば、レバーイジェクトタイプの脱着機構であっても本発明を適用可能なことは勿論であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態を示す装置本体からカードが外れた状態のカード脱着機構の斜視説明図である。
【図2】モールド部と金属板の分解斜視図である。
【図3】カードが固定位置へ到達した状態を示すカード脱着機構の斜視説明図である。
【図4】イジェクタ部材の外観斜視図である。
【図5】イジェクタ部材の外観斜視図である。
【図6】カードカバーの外観斜視図である。
【図7】モールド部の外観斜視図である。
【図8】カード挿入時のカード脱着機構の縦断面図である。
【図9】カードが固定位置へ到達した状態のカード脱着機構の縦断面図である。
【図10】突起と穴部が係合した状態でカードが抜脱方向へ移動した状態のカード脱着機構の縦断面図である。
【図11】変形例を示す装置本体からカードが外れた状態のカード脱着機構の斜視説明図である。
【符号の説明】
【0045】
100 モールド部
102 金属板
104 イジェクタ部材
106 カードカバー
108 ベース部
110 コネクタ端子
112 壁部
114 カムピン
116 ハートカム溝
118 係止部
120 保持爪
124 受容部
126 部
128 突起
130 穴部
132 フランジ部
134 延出部
136 傾斜面
138 摺接部
140 孔
150 切欠
200 カード
202 切欠部
300 装置本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードを装置本体へ挿抜自在に固定するためのカード脱着機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の電子機器装置には、記憶媒体としてICカード、メモリカード等のカードが用いられる。カードは挿抜自在に装置本体に固定され、所定のカードの固定位置にて情報の読み込み、書き込み等が行われる。
【0003】
装置本体には、カードの挿抜時にカードと係わってカードとともに挿抜方向へ移動するイジェクタ部材が備えられる。イジェクタ部材にはハートカム溝が形成され、装置本体にはハートカム溝の内部を移動するカムピンが配設される。イジェクタ部材はコイルばね等の付勢部材により抜脱方向へ付勢される。
【0004】
このカード脱着機構では、使用者がカードを装置本体へ挿入すると、まずイジェクタ部材とカードが係わる。そして、付勢部材の付勢力に抗してカードを装置本体の最深部まで挿入した後、付勢力によりカードが僅かに抜脱方向へ移動したところで、ハートカム溝とカムピンの動作によりイジェクタ部材は固定位置にロックされる。この状態から、使用者が固定位置からカードを再度挿入方向へ移動させると、付勢部材の付勢力によりカードが装置本体から所定量だけ排出された抜脱位置まで移動する。
【0005】
ここで、イジェクタ部材は付勢部材により抜脱方向に付勢されており、カードのロックを解除する際、固定位置から抜脱位置までイジェクタ部材及びカードが勢いよく移動すると、勢い余ってカードが飛び出してしまうという問題点がある。この問題点を解消するため、カードに切欠を形成しておき、イジェクタ部材に切欠に対応する突起を設けたものが提案されている。突起は傾斜面を有する山型に形成され、カードの脱着に支障をきたすことのないよう構成されている。
【特許文献1】特開2005−26016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記カード脱着機構では、カードの抜脱に支障をきたさずに突起が切欠部分を乗り越えるようになっているため、カードの飛び出しを十分に抑止することができない。ここで、カードの飛び出しを十分に抑止すべく突起を大型としたり矩形状に形成したりすると、突起が切欠に引っかかり易くなり、逆にカードの抜脱に支障をきたすこととなる。
【0007】
そして、前記カード脱着機構では、カードに何ら保護部材が設けられていないことから、カードの飛び出し等によりカードが落下すると、カードに直接衝撃が加わることになり、カードの保護に欠けるという課題も有している。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、装置本体からのカードの飛び出しを確実に防止するとともに、カードが落下した際のカードの保護性能を向上させたカード脱着機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明では、カードを挿抜自在に固定する装置本体に前記カードの挿抜方向へ移動自在となるよう設けられ、前記カードの挿抜時に前記カードと係わって前記カードとともに挿抜方向へ移動し、前記装置本体における所定の固定位置で前記カードとともに固定されるイジェクタ部材と、前記カードの少なくとも一部を覆うカードカバーと、を備え、前記カードと前記イジェクタ部材を、互いに係わった状態で、前記挿抜方向と異なる非挿抜方向へ相対的に移動自在に構成し、前記カードカバーに係合部を設けるとともに、前記イジェクタ部材に前記係合部と係脱自在な被係合部を設け、前記カードが前記装置本体に挿入されて前記イジェクタ部材が前記固定位置へ移動する際に、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向一方側へ移動して前記係合部と前記被係合部とが係合し、前記固定位置から前記カード及び前記イジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向他方側へ移動すると前記係合部と前記被係合部との係合が解除されるよう構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、カードに少なくとも一部を覆うカードカバーが装着され、このカードカバーにイジェクタ部材の被係合部と係脱自在の係合部が設けられる。そして、カードが装置本体に挿入されると、カードとイジェクタ部材が係わった状態で、イジェクタ部材が固定位置へ向かって移動する。そして、イジェクタ部材が固定位置へ移動する際に、カードがイジェクタ部材に対して非挿抜方向一方側へ移動して係合部と被係合部とが係合する。
【0011】
これにより、カード及びイジェクタ部材が固定位置から抜脱方向へ勢いよく移動したとしても、係合部と被係合部とが係合した状態であるので、カードがイジェクタ部材から離脱して慣性により装置本体から飛び出すことはない。この結果、カードの装置本体からの飛び出しを確実に防止することができる。
【0012】
そして、固定位置からカード及びイジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、カードがイジェクタ部材に対して非挿抜方向他方側へ移動すると係合部と被係合部の係合が解除され、カードがイジェクタ部材から離脱可能な状態となる。
【0013】
また、カードはカードカバーにより少なくとも一部が覆われるので、カードの本体部分へ直接的に外部からの力が作用し難く、落下等による衝撃が緩和されるし、カードの本体部分にまで損傷が及び難くなる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、カードカバーに係合部を設けるとともに、イジェクタ部材に被係合部を設けたので、これらの係合により装置本体からのカードの飛び出しを確実に防止することができる。また、カードがカードカバーにより少なくとも一部が覆われることから、カードが落下した際のカードの保護性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図面を参照しつつ、本発明によるカード脱着機構の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1から図10は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は装置本体からカードが外れた状態のカード脱着機構の斜視説明図、図2はモールド部と金属板の分解斜視図、図3はカードが固定位置へ到達した状態を示すカード脱着機構の斜視説明図、図4はイジェクタ部材の外観斜視図、図5はイジェクタ部材の外観斜視図、図6はカードカバーの外観斜視図、図7はモールド部の外観斜視図、図8はカード挿入時のカード脱着機構の縦断面図、図9はカードが固定位置へ到達した状態のカード脱着機構の縦断面図、図10は突起と穴部が係合した状態でカードが抜脱方向へ移動した状態のカード脱着機構の縦断面図である。以下、カード脱着機構について詳述するが、理解を容易とするため、カードの挿入方向を前方向、カードの抜脱方向を後方向として説明する。
【0016】
図1に示すように、このカード脱着機構は、カード200を装置本体300へ挿抜自在に固定するためのもので、装置本体300に設置されカード200を受容する上方が開放されたモールド部100と、このモールド部100の上部を閉塞する金属板102と、を備えている。
図2に示すように、カード脱着機構は、カード200を挿抜自在に固定する装置本体300にモールド部100を介して設けられるイジェクタ部材104を備えている。このイジェクタ部材104は、カード200の挿抜方向へ移動自在となるよう設けられており、カード200の挿抜時にカード200と係わってカード200とともに挿抜方向へ移動し、装置本体300における所定の固定位置でカード200とともに固定される。さらに、図1に示すように、カード脱着機構は、カード200の少なくとも一部を覆うカードカバー106を備えている。
【0017】
図2に示すように、モールド部100は、略矩形の平板状のベース部108と、ベース部108におけるカード200の挿入方向奥側に配されたコネクタ端子110とを有する。このコネクタ端子110は、例えば、ベース部108と一体に成形されたものであってもよいし、ベース部108に形成された穴に圧入されるものであってもよい。コネクタ端子110は装置本体300側に電気的に接続されており、図3に示すようにイジェクタ部材104及びカード200が前述の固定位置へ到達すると、カード200の記憶部と装置本体300側で情報の送受が可能な状態となる。また、コネクタ端子110はカード200の検出機能も有しており、カード200が固定位置へ到達すると、所定の信号を装置本体300側へ出力する。
【0018】
図2に示すように、ベース部108の前端及び左右両端には、上方へ延びる壁部112が形成される。そして、略矩形の平板状の金属板102が壁部112の上端と接続され、モールド部100及び金属板102により後部が開放されカード200を挿入可能な袋状部をなす。
【0019】
ベース部108の左側の壁部112は一部が欠けており、この欠けた部分にカムピン114が配置される。このカムピン114は、イジェクタ部材104の左側に形成されたハートカム溝116(図4参照)の内部を移動する。ハートカム溝116とカムピン114により、イジェクタ部材104及びカード200は固定位置でロックされ、固定位置から抜脱方向へ移動した状態でカード200のイジェクタ部材104からの離脱が許容される。
【0020】
図4に示すように、イジェクタ部材104の前端には、カード200の挿抜時にカード200の前端左側と当接する係止部118が形成される。イジェクタ部材104の後端側には、カード200の挿抜時にカード200の左側部に形成された切欠部202を保持する保持爪120が形成される。
【0021】
また、図2に示すように、イジェクタ部材104は付勢部材としてのコイルばね122により、常時、カード200の抜脱方向側へ付勢されている。図5に示すように、イジェクタ部材104の下側には、前後に延びる穴状のばね受容部124が形成されており、ばね受容部124内でコイルばね122は伸縮が可能となっている。コイルばね122の前端はモールド部100の前側の壁部112に係止し、コイルばね122の後端はイジェクタ部材104のばね受容部124の後端部分に形成されるばね受け部126に係止する。
【0022】
また、図4に示すように、イジェクタ部材104の上部には、カードカバー106に形成された突起128と係脱自在の穴部130が形成される。穴部130は上面視で略円形に形成されており、突起128を受容した状態で、カード200のイジェクタ部材104に対する水平方向の移動が阻止される。
【0023】
ここで、カードカバー106について説明する。
図1に示すように、カードカバー106は、上面視でカード200の後端及び左端に沿う略L字の平板状に形成されている。また、図6に示すように、カードカバー106の後部には、カード200後端の側部に沿うよう下方へ延びるフランジ部132が形成される。すなわち、カードカバー106は、カード200の後端側及び左端側を上側から覆うとともに、カード200後端の側部を覆う。
【0024】
カードカバー106の前端には、左方へ僅かに延びる延出部134が形成される。この延出部134の下面に前述の突起128が形成される。この突起128は上面視にて略円形に形成される。ここで、カード200の左端前側は切り欠かれていることから、上面視にて、カードカバー106の延出部134がカード200から突出した状態となっている。
【0025】
さらに、図4に示すように、イジェクタ部材104の前端下部には、前上がり傾斜した傾斜面136が形成されている。この傾斜面136は、イジェクタ部材104が挿入方向へ移動した際に、モールド部100のベース部108の左端前側に形成された摺接部138と摺接する。図7に示すように、摺接部138はベース部108から上方へ突出形成され、挿入方向奥側(前側)が略平坦に、挿入方向手前側(後側)が前上がりに傾斜して形成されている。これにより、イジェクタ部材104は、挿入方向へ移動すると摺接部138と摺接して上方へ移動する。
【0026】
ここで、イジェクタ部材104は、モールド部100及び金属板102の内部を上下に移動可能となっている。尚、図7に示すように、モールド部100のベース部108には、イジェクタ部材104が嵌り込む孔140が形成されており、イジェクタ部材104の上下ストロークが十分に確保されるとともに、カード脱着機構の薄型化が図られている。
【0027】
そして、カード200とイジェクタ部材104は、図8に示すように互いに係わった状態で、挿抜方向(前後方向)と異なる非挿抜方向(上下方向)へ相対的に移動自在となっている。カード200の前端がイジェクタ部材104の係止部118と係わった状態で、イジェクタ部材104がカード200に対して上方へ移動すると、係合部としての突起128と被係合部としての穴部130とが係合する(図9参照)。この逆に、カード200の前端がイジェクタ部材104の係止部118と係わった状態で、イジェクタ部材104がカード200に対して下方へ移動すると、突起128と穴部130との係合が解除される(図8参照)。
【0028】
以上のように構成されたカード脱着機構におけるカード挿入及び抜脱時の動作について説明する。
【0029】
カード200が装置本体300に挿入されると、図8に示すように、まずイジェクタ部材104とカード200が係わる。そして、カード200とイジェクタ部材104が係わった状態で、イジェクタ部材104はコイルばね122の付勢力に抗して挿入方向最深部へ移動する。このとき、図9に示すように、摺接部138との摺接によりイジェクタ部材104が上方へ移動することから、カードカバー106の突起128とイジェクタ部材104の穴部130とが係合する。
【0030】
イジェクタ部材104は、最深部へ移動した後に、コイルばね122の付勢力によりカード200が僅かに抜脱方向へ移動したところで、ハートカム溝116とカムピン114の動作により固定位置にロックされる。固定位置では、イジェクタ部材104が摺接部138と摺接した状態であり、イジェクタ部材104のベース部108に対する高さが維持されることから、突起128と穴部130との係合が維持される。
【0031】
そして、固定位置からカード200及びイジェクタ部材104が抜脱方向へ移動すると、イジェクタ部材104が摺接部138との摺接区間から抜け、イジェクタ部材104は自重によりベース部108の孔140に落ち込む。これにより、図8に示すように、イジェクタ部材104はカード200に対して下方へ移動し、突起128が穴部130から抜ける。このように、突起128と穴部130の係合が解除され、カード200がイジェクタ部材104から離脱可能な状態となる。
【0032】
ここで、カード200及びイジェクタ部材104が固定位置から抜脱方向へ勢いよく移動したとしても、イジェクタ部材104が下方へ移動しておらず、図10に示すように突起128と穴部130とが係合した状態であるので、カード200がイジェクタ部材104から離脱して慣性により装置本体300から飛び出すことはない。この結果、カード200の装置本体300からの飛び出しを確実に防止することができる。
【0033】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、カード200はカードカバー106により少なくとも一部が覆われるので、カード200の本体部分へ直接的に外部からの力が作用し難く、落下等による衝撃が緩和されるし、カード200の本体部分にまで損傷が及び難くなる。
【0034】
特に本実施形態においては、抜脱方向の先頭側となるカード200の後部を覆うようにしたので、カードが落下した際のカードの保護性能を効果的に向上させることができる。また、使用者はカードカバー106を把持してカード200を取り扱うことができ、実用に際して極めて便利である。
【0035】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、イジェクタ部材104が自重により下方へ移動するようにしたので、係合解除動作のための機構等を別途設ける必要がないので部品点数を少なくすることができるし、突起128と穴部130の係合解除動作を確実に行わせることができる。
【0036】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、装置本体300側に形成された摺接部138によりイジェクタ部材104を上方へ移動させるようにしたので、例えばリンク機構等を介在させてイジェクタ部材104の上昇若しくはカード200の下降を行うものに比べて、イジェクタ部材104とカード200との相対移動を確実に行わせることができる。
【0037】
また、本実施形態のカード脱着機構によれば、突起128と穴部130により係合部及び被係合部を構成したので、カードカバー106及びイジェクタ部材104の加工が簡単容易である。
【0038】
尚、前記実施形態においては、装置本体300にモールド部100及び金属板102を固定し、モールド部100を介してイジェクタ部材104が装置本体300に設けられたものを示したが、装置本体300にイジェクタ部材104が直接設けられたものであってもよい。
【0039】
また、前記実施形態においては、カードカバー106に突起128を形成し、イジェクタ部材104に穴部130を形成したものを示したが、イジェクタ部材104に突起128が形成され、カードカバー106に穴部130が形成されたものであってもよい。また、係合部と被係合部は突起と穴部の組み合わせに限定されず、例えば爪と切欠のような組み合わせであってもよく、互いに係脱自在であれば係合部と被係合部の形状、構造等は任意である。
【0040】
また、カード200とイジェクタ部材104が互いに相対移動自在な非挿抜方向を上下方向としたものを示したが、例えば左右方向や所定軸まわりの回転方向であってもよい。要は、固定位置へ移動する際にイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向一方側へ移動して係合部と被係合部が係合し、固定位置から抜脱方向へ移動した状態でイジェクタ部材104がカード200に対して非挿抜方向他方側へ移動して係合部と被係合部の係合が解除されるようにすればよい。
【0041】
また、例えば、図11に示すように、カードカバー106に対応して金属板102に切欠150を形成してもよい。すなわち、カードカバー106と金属板102が干渉しないように、カードカバー106の移動軌跡に切欠150を形成することにより、モールド部100と金属板102の袋状部を薄型に形成することができる。これにより、カードカバー106をカード200に設けて、カード200側全体として厚さが増したとしても、モールド部100及び金属板102からなる袋状部も厚くなることはない。
【0042】
また、前記実施形態においては、カードカバー106がカード200の左側及び後側を覆うものを示したが、他の部分を覆うものであってもよい。さらに、カードカバー106がカード200の一部を覆うものでなく、カードカバー106がカード200のほぼ全部を覆うようなものであってもよい。
【0043】
さらにまた、プッシュオン・プッシュオフタイプのハートカム機構を用いたカード脱着機構を示したが、例えば、レバーイジェクトタイプの脱着機構であっても本発明を適用可能なことは勿論であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態を示す装置本体からカードが外れた状態のカード脱着機構の斜視説明図である。
【図2】モールド部と金属板の分解斜視図である。
【図3】カードが固定位置へ到達した状態を示すカード脱着機構の斜視説明図である。
【図4】イジェクタ部材の外観斜視図である。
【図5】イジェクタ部材の外観斜視図である。
【図6】カードカバーの外観斜視図である。
【図7】モールド部の外観斜視図である。
【図8】カード挿入時のカード脱着機構の縦断面図である。
【図9】カードが固定位置へ到達した状態のカード脱着機構の縦断面図である。
【図10】突起と穴部が係合した状態でカードが抜脱方向へ移動した状態のカード脱着機構の縦断面図である。
【図11】変形例を示す装置本体からカードが外れた状態のカード脱着機構の斜視説明図である。
【符号の説明】
【0045】
100 モールド部
102 金属板
104 イジェクタ部材
106 カードカバー
108 ベース部
110 コネクタ端子
112 壁部
114 カムピン
116 ハートカム溝
118 係止部
120 保持爪
124 受容部
126 部
128 突起
130 穴部
132 フランジ部
134 延出部
136 傾斜面
138 摺接部
140 孔
150 切欠
200 カード
202 切欠部
300 装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを挿抜自在に固定する装置本体に前記カードの挿抜方向へ移動自在となるよう設けられ、前記カードの挿抜時に前記カードと係わって前記カードとともに挿抜方向へ移動し、前記装置本体における所定の固定位置で前記カードとともに固定されるイジェクタ部材と、
前記カードの少なくとも一部を覆うカードカバーと、を備え、
前記カードと前記イジェクタ部材を、互いに係わった状態で、前記挿抜方向と異なる非挿抜方向へ相対的に移動自在に構成し、
前記カードカバーに係合部を設けるとともに、前記イジェクタ部材に前記係合部と係脱自在な被係合部を設け、
前記カードが前記装置本体に挿入されて前記イジェクタ部材が前記固定位置へ移動する際に、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向一方側へ移動して前記係合部と前記被係合部とが係合し、
前記固定位置から前記カード及び前記イジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向他方側へ移動すると前記係合部と前記被係合部との係合が解除されるよう構成したことを特徴とするカード脱着機構。
【請求項2】
前記非挿抜方向は、略上下方向であり、
前記固定位置から前記カード及び前記イジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、前記イジェクタ部材が自重により下側へ移動することを特徴とする請求項1に記載のカード脱着機構。
【請求項3】
前記装置本体に形成され、前記イジェクタ部材と摺接して前記カードの挿入時に該イジェクタ部材を非挿抜方向一方側へ移動させる摺接部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のカード脱着機構。
【請求項4】
前記係合部と前記被係合部の一方は突起であり、
前記係合部と前記被係合部の他方は前記突起を受容する穴部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカード脱着機構。
【請求項5】
前記イジェクタ部材を前記カードの抜脱方向へ付勢する付勢部材と、
前記イジェクタ部材に形成されたハートカム溝と、
前記ハートカム溝の内部を移動するカムピンと、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のカード脱着機構。
【請求項1】
カードを挿抜自在に固定する装置本体に前記カードの挿抜方向へ移動自在となるよう設けられ、前記カードの挿抜時に前記カードと係わって前記カードとともに挿抜方向へ移動し、前記装置本体における所定の固定位置で前記カードとともに固定されるイジェクタ部材と、
前記カードの少なくとも一部を覆うカードカバーと、を備え、
前記カードと前記イジェクタ部材を、互いに係わった状態で、前記挿抜方向と異なる非挿抜方向へ相対的に移動自在に構成し、
前記カードカバーに係合部を設けるとともに、前記イジェクタ部材に前記係合部と係脱自在な被係合部を設け、
前記カードが前記装置本体に挿入されて前記イジェクタ部材が前記固定位置へ移動する際に、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向一方側へ移動して前記係合部と前記被係合部とが係合し、
前記固定位置から前記カード及び前記イジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、前記イジェクタ部材が前記カードに対して非挿抜方向他方側へ移動すると前記係合部と前記被係合部との係合が解除されるよう構成したことを特徴とするカード脱着機構。
【請求項2】
前記非挿抜方向は、略上下方向であり、
前記固定位置から前記カード及び前記イジェクタ部材が抜脱方向へ移動した状態で、前記イジェクタ部材が自重により下側へ移動することを特徴とする請求項1に記載のカード脱着機構。
【請求項3】
前記装置本体に形成され、前記イジェクタ部材と摺接して前記カードの挿入時に該イジェクタ部材を非挿抜方向一方側へ移動させる摺接部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のカード脱着機構。
【請求項4】
前記係合部と前記被係合部の一方は突起であり、
前記係合部と前記被係合部の他方は前記突起を受容する穴部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のカード脱着機構。
【請求項5】
前記イジェクタ部材を前記カードの抜脱方向へ付勢する付勢部材と、
前記イジェクタ部材に形成されたハートカム溝と、
前記ハートカム溝の内部を移動するカムピンと、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のカード脱着機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−310094(P2006−310094A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131353(P2005−131353)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]