説明

カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法

【課題】カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体を効率よく且つ簡便に製造する方法の提供。
【解決手段】エポキシ基含有ノルボルネン系単量体のホモモノマー、もしくは他のノルボルネン系単量体とのコモノマーの付加重合体もしくは開環重合体を、ハロゲン化リチウムの存在下、二酸化炭素と反応させ、カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体を得ることを特徴とするカーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート系樹脂は、従来から、自動車部品、照明機器、電気部品など透明性が要求される成形品の材料として、広く用いられている樹脂である。
【0003】
カーボネート基含有化合物は、該ポリカーボネート系樹脂の原料であり、そのモノマーとしての有用性から、種々のカーボネート基含有化合物が合成されている。
一方、ノルボルネン化合物は、付加重合体、開環重合体のモノマーとして知られており、重合に際して分子量の制御が簡便なモノマーであるという利点がある。
【0004】
そのような、カーボネート基含有ノルボルネン化合物としては、下記式(1)
【0005】
【化1】

【0006】
で表されるカーボネート基含有ノルボルネン化合物が知られている。
当該カーボネート基含有ノルボルネン化合物の製造方法としては、1,3−シクロペンタジエンと下記式(2)
【0007】
【化2】

【0008】
で表されるカーボネート化合物とを反応させる製造方法が既に知られている(特許文献1)。しかし、当該製造方法は、高圧条件、165℃の高温、反応時間48時間を必要とするという効率上の大きな問題があった。
【特許文献1】US 6,380,447 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体を効率よく且つ簡便に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法について鋭意研究を行ったところ、意外にも、エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体と二酸化炭素とを反応させることにより、効率よく且つ簡便にカーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体を製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体と二酸化炭素とを反応させることを特徴とするカーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体を効率かつ簡便に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について説明する。
【0014】
本発明において、「(共)重合体」とは、ホモポリマー及びコポリマーをいい、付加重合体、付加共重合体、開環重合体、開環共重合体が好ましい。
本発明において、「エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体」は、エポキシ基を含有するノルボルネン化合物の重合体又は共重合体をいい、ノルボルネン構造部分が付加(共)重合又は開環(共)重合した繰り返し単位を有し、当該繰り返し単位にエポキシ基が置換していればよいが、下記式(3)
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシリル基、アシルオキシ基、トリアルキルシロキシシリル基及びトリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた原子もしくは基、またはエポキシ基を含む置換基を示し、A1からA4の少なくとも一つはエポキシ基を含む置換基を示す。また、mは0または1の整数を示す。)で表される環状オレフィン化合物を単量体として重合又は共重合したものが好ましい。
【0017】
そのような(共)重合体としては、繰り返し単位として下記式(4)又は(5)を有するものが好ましい。
【0018】
【化4】

【0019】
(式中、A1〜A4及びmは前記と同じ。)
【0020】
炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。トリアルキルシリル基としては、トリC1−C6アルキルシリル基、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシロキシシリル基としては、トリC1−C6アルキルシロキシシリル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のC1−C10アルコキシカルボニル基が挙げられる。アシルオキシ基としては、ベンゾイルオキシ基等のアロイルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアルカノイルオキシ基が挙げられる。トリアルキルシロキシカルボニル基としては、トリC1−C6アルキルシロキシカルボニル基等が挙げられる。
エポキシ基を含む置換基としては、例えば、エポキシ基、エポキシアルキル基、脂環式エポキシ基、グリシジル基等が挙げられるが、エポキシ基が好ましい。
【0021】
また、エポキシ基含有ノルボルネン系共重合体において、エポキシ基含有ノルボルネン化合物以外の他のモノマー単位としては、環状オレフィン構造を有する化合物が挙げられ、その中でも、ノルボルネン構造を有した化合物が好ましく、下記式(6)
【0022】
【化5】

【0023】
(式中、B1〜B4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、シリル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシシリル基及びトリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた原子もしくは基を示す。また、mは0または1の整数を示す。)で表される環状オレフィン化合物を単量体とするモノマー単位が好ましい。
ここで、B1〜B4で示される置換基の好ましいものとしては、前記A1〜A4で示したものと同じものが挙げられる。
【0024】
このうち、下記式(7)及び(8)で表わされるモノマー単位がより好ましい。また、これらはそれぞれ単独で、または二種以上を組み合わせて、エポキシ基含有ノルボルネン化合物との共重合モノマーとして用いることができる。
【0025】
【化6】

【0026】
(式中、B1〜B4及びmは前記と同じ。)
【0027】
すなわち、エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体としては、具体的には、繰り返し単位(4)又は(5)の単独重合体、繰り返し単位(4)と(7)又は(5)と(8)からなる共重合体が挙げられ、その繰り返し単位の含有比率として(4):(7)又は(5):(8)のモル比率が100:0〜1:99が好ましく、100:0〜10:90がより好ましく、100:0〜25:75がさらに好ましい。
エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体は、公知の方法、例えば、特許文献(特表2004−503614)記載の方法により製造できる。
【0028】
本反応において、二酸化炭素の使用量は、反応時間の遅延や反応速度の低下が起こらない量を適宜選択すればよいが、エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体に対して、1〜3000当量、好ましくは10〜300当量、さらに好ましくは20〜40当量用いるのが好ましい。
【0029】
エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体と二酸化炭素との反応は、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム又はハロゲン化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物、あるいはハロゲン化テトラブチルアンモニウム等のアルカリ四級アミンハロゲン化物の存在下で行うのが好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては、円滑なエポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体と二酸化炭素との反応の点から、ハロゲン化リチウムがより好ましく、臭化リチウムと塩化リチウムがさらに好ましく、臭化リチウムが特に好ましい。
また、二酸化炭素は、二酸化炭素ガスを系中に導入してもよいが、反応系中で二酸化炭素を発生させて反応させてもよい。
【0030】
上記反応は、溶媒存在下、溶媒非存在下いずれでも行うことができるが、円滑エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体と二酸化炭素との反応の点から、溶媒存在下で行うことが好ましい。
溶媒は、特に限定されないが、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ニトロメタン等の極性溶媒が好ましく、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドがより好ましく、N−メチルピロリドンが特に好ましい。また、エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体の溶媒への溶解性を改善させるために、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、シクロペンタン、シクロヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素等の非極性溶媒などを、上述の極性溶媒へ加えることが有効である。
【0031】
上記反応の反応時間は、30分〜240時間が好ましく、3時間〜168時間がより好ましく、16時間〜90時間が特に好ましい。上記反応の反応温度は、−20℃〜170℃が好ましく、0℃〜160℃がより好ましく、25℃〜125℃が特に好ましい。
【0032】
斯くして、本発明の製造方法によれば、カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体を、効率よく、簡便に製造できる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1 エポキシ側鎖の環状カーボネートへの変換:開環メタセシス重合(ROMP)で得られる2 -Bicyclo[2.2.1]hept-5-en-2-yl oxirane(以下、化合物Aともいう。)/5−ブチル−2−ノルボルネン(C4NB)(=50/50)共重合体の高分子反応
N-メチルピロリドン(NMP)は、水素化カルシウムを加えて窒素下で一晩攪拌した後、減圧蒸留したものを使用した。
ジムロートを装着した50 mlのナスフラスコに、 7.1 mg(0.08 mmol;基質ポリマーのエポキシ基に対して34 unit-mol%)のリチウムブロミド:LiBrを入れ、容器内を真空下、ヒートガンによる加熱によって乾燥させた。その後、二酸化炭素を容器内に充填し、さらに真空条件にする操作を二回繰り返した。容器内を二酸化炭素気流によって二酸化炭素を充填した後、ROMPで合成したポリマー69.4 mg(0.48 mmol、組成比;ブチル基/エポキシ基 = 50/50、分子量(GPC、溶媒:クロロホルムより算出、ポリスチレン換算);Mn = 11000、Mw = 31000)、蒸留したNMP 3 mlを反応容器にすばやく加えた後、二酸化炭素大気下、油浴で80℃に加熱し、内容物が溶けるまで攪拌した。さらに100℃に加熱し、二晩攪拌して反応を行った。反応後、反応容器を真空条件にして、溶媒を減圧留去し、残渣を攪拌中のメタノール(50 ml)へ滴下して、褐色固体の分散液(褐色がかった白濁液)を得た。分散液をろ過して褐色の固体を取り出し、真空乾燥(約40℃)して生成物34.4 mgを得た。1H-NMR測定によって、ブチル基のメチル基由来のシグナル(0.9 ppm)と環状カーボネート由来のブロードなシグナル(4.0-4.8 ppm)を確認。IR測定により、環状カーボネートのC=O伸縮振動由来の吸収バンド(1801 cm-1)を確認し、さらに、エポキシ由来の振動バンド(874 cm-1)が反応以前と比べて大きく減少していることを確認した。NMRスペクトルから、生成物の組成比(ブチル基/環状カーボネート/エポキシ基 = 50/41/9)およびエポキシ基の環状カーボネートへの転換率を算出(82%)した。
GPC(溶媒:クロロホルム)測定により分子量を算出したところ、Mn = 2600、Mw = 4700(ポリスチレン換算)であった。
スペクトルデータ:IR (neat) νmax 2922, 2855 (each C-H, stretching), 1801 (C=O, stretching), 1165, 1063 (each C-O, stretching), 966 (C=C, twisting), 874(epoxy-C-O) cm-11H-NMR (CDCl3) δ 5.60-5.10 (m, broadening, 2H; 2H of polyene), 4.80-4.00 (m, broadening, 1.23H(3 x 0.41); 3H of cyclic-carbonate), 3.20-0.80 ppm (m, broadening; main chain and epoxy-H including CH3 broadening singlet signal (3 x 0.5 H) at 0.9 ppm).
【0035】
実施例2 エポキシ側鎖の環状カーボネートへの変換(2):付加重合で得られる化合物A/C4NB(=50/50)共重合体の高分子反応
N-メチルピロリドン(NMP)は、水素化カルシウムを加えて窒素下で一晩攪拌した後、減圧蒸留したものを使用した。またトルエンは、水素化カルシウムを加えて一時間還流した後、常圧蒸留したものを使用した。
ジムロートを装着した50 mlのナスフラスコに、7.4 mg(0.085 mmol;基質ポリマーのエポキシ基に対して28 unit-mol%)のLiBrを入れ、反応容器内を真空下、ヒートガンによる加熱によって乾燥させた。その後、二酸化炭素を容器内に充填し、さらに真空条件にする操作を二回繰り返した。容器内を二酸化炭素気流によって二酸化炭素を充填した後、付加重合で得たポリマー89.9 mg(0.63mmol、組成比;ブチル基/エポキシ基 = 51/49、分子量(GPC、溶媒:クロロホルムより算出、ポリスチレン換算); Mn = 139000、Mw = 441000)、トルエン1.5 mlを反応容器にすばやく加えた後、二酸化炭素大気下、油浴で55℃に加熱し、内容物が溶けるまで攪拌した。さらに蒸留したNMP 1 mlをすばやく加え、再び二酸化炭素大気下で100℃に加熱し、三日間攪拌して反応を行った。反応後、反応溶液が冷めないうちにすばやく攪拌中のメタノール(25 ml)へ滴下して、黄色固体の分散液(黄色がかった白濁液)を得た。分散液をろ過して黄白色の固体を取り出し、真空乾燥(約40℃)して生成物69.9 mgを得た。重水素化されたテトラヒドロフラン(THF-d6)溶液中での1H-NMR測定によって、ブチル基のメチル基由来のシグナル(0.9 ppm)と環状カーボネート由来のブロードなシグナル(3.8-5.0 ppm)を確認。IR測定により、環状カーボネートのC=O伸縮振動由来の吸収バンド(1801 cm-1)を確認し、さらに、エポキシ由来の振動バンド(893 cm-1)が反応以前と比べて大きく減少していることを確認した。NMRスペクトルから、生成物の組成比(ブチル基/環状カーボネート/エポキシ基 = 51/24/25)およびエポキシ基の環状カーボネートへの転換率を算出(49%)した。
GPC(溶媒:テトラヒドロフラン)測定により数平均分子量Mn = 21500、重量平均分子量Mw = 56800(いずれもポリスチレン換算)であった。
スペクトルデータ:IR (neat) νmax 2951, 2927, 2869 (each C-H, stretching), 1805 (C=O, stretching), 1162, 1069 (each C-O, stretching), 894 (epoxy-C-O) cm-11H-NMR (THF-d8) δ 5.00-3.80 (d, broadening, 1.23H(3 x 0.48); 3H of cyclic-carbonate), 3.20-0.80 ppm (m, broadening; main chain and epoxy-H including DMSO signal at 3.1 ppm and CH3 broadening singlet signal (3 x 0.26 H) at 0.9 ppm).
【0036】
実施例3 エポキシ側鎖の環状カーボネートへの変換(3):付加重合で得られる化合物A/C4NB(=28/72)共重合体の高分子反応
N-メチルピロリドン(NMP)は、水素化カルシウムを加えて窒素下で一晩攪拌した後、減圧蒸留したものを使用した。またトルエンは、水素化カルシウムを加えて一時間還流した後、常圧蒸留したものを使用した。
ジムロートを装着した50 mlのナスフラスコに、7.0 mg(0.08 mmol;基質ポリマーのエポキシ基に対して30 unit-mol%)のLiBrを入れ、反応容器内を真空下、ヒートガンによる加熱によって乾燥させた。その後、二酸化炭素を容器内に充填し、さらに真空条件にする操作を二回繰り返した。容器内を二酸化炭素気流によって二酸化炭素を充填した後、付加重合で得たポリマー54.5 mg(0.38 mmol、組成比;ブチル基/エポキシ基 = 26/74、分子量(GPC、溶媒:クロロホルムより算出、ポリスチレン換算);Mn = 38000、Mw = 129000)、トルエン1.5 mlを反応容器にすばやく加えた後、二酸化炭素大気下、油浴で70℃に加熱し、内容物が溶けるまで攪拌した。さらに蒸留したNMP 1 mlをすばやく加え、再び二酸化炭素大気下で100℃に加熱し、三日間攪拌して反応を行った。反応後、反応溶液を少量のクロロホルムとNMPで希釈しながら攪拌中のメタノール(30 ml)へ滴下して、黄色固体の分散液(黄色がかった白濁液)を得た。分散液をろ過して黄白色の固体を取り出し、真空乾燥(約40℃)して生成物41.6 mgを得た。
重水素化されたジメチルスルホキシド(DMSO-d6)溶液中での1H-NMR測定によって、ブチル基のメチル基由来のシグナル(0.9 ppm)と環状カーボネート由来のブロードなシグナル(3.8-5.0 ppm)を確認。IR測定により、環状カーボネートのC=O伸縮振動由来の吸収バンド(1801 cm-1)を確認し、さらに、エポキシ由来の振動バンド(893 cm-1)が反応以前と比べて大きく減少していることを確認した。NMRスペクトルから、生成物の組成比(ブチル基/環状カーボネート/エポキシ基 = 26/48/26)およびエポキシ基の環状カーボネートへの転換率を算出(65%)した。
スペクトルデータ:IR (neat) νmax 2946, 2917, 2863 (each C-H, stretching), 1801 (C=O, stretching), 1163, 1063 (each C-O, stretching), 893(epoxy-C-O) cm-11H-NMR (DMSO-d6) δ 5.00-3.80 (d, broadening, 1.23H(3 x 0.48); 3H of cyclic-carbonate), 3.20-0.80 ppm (m, broadening; main chain and epoxy-H including DMSO signal at 3.1 ppm and CH3 broadening singlet signal (3 x 0.26 H) at 0.9 ppm).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体と二酸化炭素とを反応させることを特徴とするカーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法。
【請求項2】
エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体が、付加重合体、付加共重合体、開環重合体又は開環共重合体である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
エポキシ基含有ノルボルネン系(共)重合体が、下記式(3)
【化1】

(式中、A1からA4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシリル基、アシルオキシ基、トリアルキルシロキシシリル基及びトリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた原子もしくは基、またはエポキシ基を含む有機基を示し、A1からA4の少なくとも一つはエポキシ基を含む有機基を示す。また、mは0または1の整数を示す。)
で表される環状オレフィン化合物を単量体として重合又は共重合したものである請求項1又は2に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−235331(P2009−235331A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86573(P2008−86573)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】