説明

カーボンナノチューブの構造を制御する方法

【課題】カーボンナノチューブ(CNT)の構造を制御する量産に適した方法を提供すること。
【解決手段】本方法は、CNT20の少なくとも一端が電極12,14に支持された構造を形成し、炭素C又は酸素Oを含む雰囲気中で、CNTの管状側面の一部に電場を印加し、前記管状側面の一部の形状を変化させる。CNT上の加工の施される部分に局所的に電場を印加することで、局所的に開口22を空ける又は塞ぐことができる。一態様では、電場は、原子間力顕微鏡用のプローブ16を用いて印加される。これにより、CNT上の任意の場所に局所的に電場を印加し、加工することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノカーボンを用いる微細加工の技術分野に関し、特にカーボンナノチューブの構造を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、非常に細いが強固に安定的であること、高低様々な導電性を備えることができること等の好都合な性質に起因して、今後のデバイス材料として特に注目されている。カーボンナノチューブは、概してグラファイトを丸めてつなぎ合わせたような筒状の構造を有する。つなぎ合わせ方を変化させることで、物理的及び化学的に異なる性質を帯びたカーボンナノチューブが得られる。例えば、筒状の巻き方(らせん度)を変えることで電気的特性を変えることができる。また、カーボンナノチューブの端部を開端することで開口を形成し(例えば、非特許文献1参照。)、その開口からフラーレンを導入し、ピーポッド構造を形成することもできる(例えば、特許文献1参照。)。カーボンナノチューブをデバイスに応用するには、このような所望の構造を有するカーボンナノチューブを電極間に思い通りに架橋させることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−227806号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】P.M.Ajayan and S.Iijima,Nature London 361,333(1993)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーボンナノチューブを架橋させることに関し、従来では、適切なパターニング技術を用いて1対の電極を有する構造が基板上に多数形成され、所望の構造を有するカーボンナノチューブを溶かした溶液にその基板が浸される。そして、カーボンナノチューブが1対の電極間で適切に架橋されている部分が取り出され、以後の評価等が行なわれる。しかしながら、このような手法は、適切に架橋されないものが多数形成されてしまうので、工業性又は量産性の観点からは不利である。
【0006】
一方、電極にカーボンナノチューブの種(seed)となる材料を設け、所定のプロセス条件の下に電極間でそれを成長させ、電極間をカーボンナノチューブで架橋すること自体は可能である。しかしながら、そのカーボンナノチューブの構造に変化を加えることは容易ではない。
【0007】
他方、チューブの先端部分が開端された開口を有するカーボンナノチューブを、炭素を含む雰囲気中で加熱することで、その開口を塞いで修復することは可能である。しかしながら、この手法では、約2000℃のような高温の熱処理を行なう必要があるので、修復されるカーボンナノチューブ以外の部分に与える熱の影響に配慮しなければならない。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、カーボンナノチューブの構造を制御する量産に適した方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施例による方法は、
カーボンナノチューブの少なくとも一端が電極に支持された構造を形成し、
前記カーボンナノチューブの内部に、非球形状のフラーレンを複数個導入し、加熱し、多層のカーボンナノチューブを作成するステップ
を有する、カーボンナノチューブの構造を制御する方法である。
【発明の効果】
【0010】
一実施例によれば、カーボンナノチューブの構造を量産に適した方法で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例によりカーボンナノチューブに開口を空ける様子を示す図。
【図2】本発明の一実施例によりカーボンナノチューブの開口を塞ぐ様子を示す図。
【図3】本発明の一実施例によりピーポッド等を形成する様子を示す図。
【図4】本発明の一実施例によりピーポッド等を形成する様子を示す図。
【図5】本発明の一実施例により、開口からカーボンナノチューブを再成長させる様子を示す図。
【図6】本発明の一実施例により、カーボンナノチューブに化学修飾を施す様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一態様では、酸素を含む雰囲気中で、前記カーボンナノチューブの管状側面の一部に電場を印加し、前記管状側面の一部に開口を形成する。本発明の一態様では、炭素を含む雰囲気中で、前記カーボンナノチューブの管状側面の一部に形成された開口に電場を印加し、前記開口を塞ぐ。
【0013】
カーボンナノチューブ上の加工の施される部分に局所的に電場を印加することで、局所的に開口を空ける又は塞ぐことができる。本発明の一態様では、電場は、原子間力顕微鏡又は走査型トンネル顕微鏡用のプローブを用いて印加される。これにより、カーボンナノチューブ上の任意の場所に局所的に電場を印加し、加工することができる。
【0014】
本発明の一態様によれば、管状側壁に形成された開口から、フラーレンがカーボンナノチューブ内に導入される。開口数や開口のサイズは任意に形成できるので、効率的にピーポッド構造を作成することができる。更に、熱処理を行なうことで、多層のカーボンナノチューブを形成することができる。
【0015】
本発明の一態様では、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含む雰囲気中で熱処理が行なわれ、管状側壁に形成された開口に、前記触媒粒子が設けられる。これにより、任意的に形成される開口からカーボンナノチューブを成長させ、カーボンナノチューブを任意の場所で分岐させることができる。
【0016】
本発明の一態様によれば、所定の分子を含む雰囲気中で熱処理が行なわれ、管状側壁に形成された開口に、所定の分子が設けられる。これにより、カーボンナノチューブの性質を物理的及び/又は化学的に幅広く変化させることができる。
【0017】
本発明の一態様では、カーボンナノチューブの内部に、非球形状のフラーレンを複数個導入し、加熱し、多層のカーボンナノチューブを作成する。非球形状のフラーレンの種類やサイズ及びカーボンナノチューブの直径等を調整することで、カイラリティを制御しながら多層のカーボンナノチューブを作成することができる。
【0018】
本発明の一態様では、カーボンナノチューブの管状側面の一部を露出させるマスクを、前記カーボンナノチューブに設け、酸素を含む雰囲気中で加熱し、前記マスクにより露出した部分に開口を形成する。マスクする領域を調整することで、任意数の開口を一度に形成できる。
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を、複数の図面を参照しながらいくつかの実施例に分けて説明する。各図を通じて、同様な参照番号は同様な要素を示す。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の一実施例により、カーボンナノチューブに開口を形成する様子を示す。図には、基板10と、基板10に形成された電極12,14と、プローブ又は探針16と、基板10及びプローブ16間に接続された電源18とが描かれている。電極12,14間には、カーボンナノチューブ20が架橋されている。
【0021】
先ず、周知のパターニング法を用いて、基板10上に電極12,14が適切にパターニングされる。その際、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のような金属触媒も電極の場所にパターニングされる。パターニング後の基板は、1000sccmのメタンガスと共に反応炉(図示せず)に導入され、900℃で10分間の熱処理が行なわれる。これにより、電極12,14間に架橋されたカーボンナノチューブ20が形成される。
【0022】
次に、酸素を含む雰囲気中で、カーボンナノチューブ20の側壁にプローブ16の先端を近づけ、側壁の一部に電場を印加する。図中、複数の「O」は、雰囲気中に酸素が含まれていることを模式的に示している。このプローブ16は、針状の導電体であり、本実施例では原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)用のプローブである。別の実施例では、プローブ16は、走査型トンネル顕微鏡の探針である。電場を作成するための電圧範囲は好ましくは1〜7ボルトであり、電圧の印加時間は好ましくは1〜20秒である。プローブ16の先端付近に生じる電場に起因して、電場にさらされるカーボンナノチューブ20の側壁部分の構造(炭素の結合構造)が不安定化する。その炭素原子がチューブから分離し、周囲雰囲気中の酸素と結合することで、カーボンナノチューブ20の側壁に開口が形成される。図示の例では、2つの開口22,24が既に形成されている。例えば、2ボルトの電圧を2秒印加することで、1乃至3nm程度の直径を有するカーボンナノチューブの筒状側面に、直径約1nmの開口を空けることができる。プローブ16にかける電圧の大きさや印加時間は、空けようとする開口のサイズ、AFM装置の種類その他の要因により適切に調整することができる。
【0023】
AFM用のプローブ16は、原子レベルで高精度に位置合わせをすることができるので、カーボンナノチューブ20の任意の場所に電場を印加することができる、即ち開口を形成することができる。開口部分の炭素原子は、局所的に印加された電場に起因して除去されるので、開口を個々に空けることができる。開口を形成する場所が、カーボンナノチューブ20の先端部分21に限定されていた従来技術に比べて、本実施例は、開口を形成する場所が任意に選べる点で有利である。
【実施例2】
【0024】
図2は、本発明の一実施例により、カーボンナノチューブの開口を塞ぐ様子を示す。簡単のため、基板及び電源に関する部分が図示されていない。本実施例では、酸素を含む雰囲気ではなく、炭素を含む雰囲気の中で、プローブ16による電場の印加が行なわれる。図中、複数の「C」は、雰囲気中に炭素が含まれることを示す。例えば、アセチレンやメタンガスのような炭素を含むガスとして反応炉内に供給することで、そのような雰囲気を作成することができる。
【0025】
本実施例では、プローブ16の先端から生じる電場に起因して、カーボンナノチューブ20の開口部付近の構造(炭素の結合構造)が不安定化し、周囲の炭素原子が取り込まれることで、開口が修復される。使用される電圧及び電圧印加時間は、実施例1と同様に、開口のサイズ等に起因して適宜調整可能である。しかし、開口を形成するよりも、開口を修復する方が長時間を要する傾向のあることに留意を要する。
【0026】
AFM用のプローブ16は、原子レベルで高精度に位置合わせをすることができるので、カーボンナノチューブ20の任意の場所に電場を印加することができる。開口がどこに存在していても、開口を個々に塞ぐことができる。なお、開口の形成された構造に対して、(例えば、2000℃のような)高温の熱処理を行なうことで、開口を塞ぐことも考えられる。しかし、そのような熱処理を行なう場合は、開口全てを一度に塞ぐことになり、個々に塞ぐことはできない。
【実施例3】
【0027】
図3は、本発明の一実施例により、ピーポッド構造を形成する様子を示す。ピーポッド構造とは、カーボンナノチューブの筒状の内部空間に、複数のフラーレンを含む構造である。
【0028】
本実施例では、実施例1で説明されたような方法で、カーボンナノチューブ20に開口22が設けられる。開口の数は、図示の例では1つであるが、複数でもよい。次に、フラーレンを供給する容器を550℃に加熱し、フラーレンを雰囲気中に飛散させる。これにより、一部のフラーレン32は開口22に到達し、カーボンナノチューブ20内に収容される。なお、カーボンナノチューブ20の直径、開口22の大きさ及びフラーレンの大きさは、適切に調整されている必要がある。カーボンナノチューブ20内にフラーレンを収容した後に、開口22を修復することで、ピーポッド構造が完成する。開口22の修復は、実施例2のように電場を印加してもよいし、従来例のように加熱してもよい。
【0029】
更に、ピーポッド構造のカーボンナノチューブを1100℃に加熱すると、個々のフラーレン同士が結合し、内外2層のカーボンナノチューブ又はダブルウオールナノチューブ(DWNT)を作成することができる。加熱する代わりに、例えば7ボルトの電圧をプローブ16で印加しながらチューブ上を走査しても、同様なダブルウオールナノチューブを作成することができる。
【0030】
本実施例によれば、カーボンナノチューブ20の側壁に形成された開口からフラーレンを内部に導入することで、ピーポッド構造やダブルウオールナノチューブが形成される。カーボンナノチューブ20の先端部を開端してフラーレンを入れていた従来例では、開口数は高々2つ(両端部)であり、開口の大きさもカーボンナノチューブ20の直径に制限されていた。本実施例によれば、開口の数や大きさは任意に設定できるので、例えばピーポッド構造等を効率的に作成することができる。
【実施例4】
【0031】
ところで、実施例3(図3)にて、開口22から挿入されるフラーレン32はの炭素原子数に制限はなく、任意のフラーレンを挿入することができる。但し、一般的には、炭素原子数が60である球形のフラーレン(C60)が使用されるであろう。従って、例えばフラーレン32は、楕円体のフラーレン(例えば、C70)でもよい。
【0032】
図4は、球形でないフラーレンを、実施例3に説明されたのと同様な手法でカーボンナノチューブ20内に導入した様子を示す。楕円体の長軸44及び短軸46並びにカーボンナノチューブ20の直径23の大きさに依存して、開口22を通じて収容されたフラーレン42の長軸及び短軸は、カーボンナノチューブ20の長さ方向に対して一定の角度で傾斜した位置関係で整列する。即ち、カーボンナノチューブ20の直径に応じて、フラーレンの向きが一定の方向に固定される。
【0033】
このようなピーポッド構造を有するカーボンナノチューブを加熱する或いは電場を印加しても、ダブルウオールナノチューブを作成することができる。但し、このようなピーポッド構造から作成された内側のカーボンナノチューブは、実施例3の球形フラーレンから作成されたものとは異なるチューブ構造を有する、即ちグラファイトの巻き方が異なる。一般に、カーボンナノチューブの巻き方には、ジグザグ型、アームチェア型及びそれらの中間のらせん型の3種類がある。本実施例によれば、外側のカーボンナノチューブ及び非球形フラーレンの寸法を調整することで、内側のカーボンナノチューブのらせん構造を制御することができる、即ちカイラリティを制御することができる。その結果、例えばカーボンナノチューブの導電性を従来よりも広範囲に制御することができる。
【0034】
本実施例では、非球形フラーレン42は、カーボンナノチューブ20の側壁に形成された開口22から導入されたが、チューブの先端部21を開端して形成された開口から導入されてもよい。
【実施例5】
【0035】
図5は、本発明の一実施例により、開口からカーボンナノチューブを再成長させる様子を示す図である。先ず、実施例1にて説明されたような方法で、カーボンナノチューブ20の側壁に開口が形成される。図示の例では、3つの開口22,24,26が形成されている。次に、炭素を含む雰囲気中で、触媒微粒子52を反応炉内に導入する。触媒微粒子52は、カーボンナノチューブの種(seed)となる粒子であり、例えば鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のような金属又は半導体である。このような粒子を含むターゲット材料を物理的にスパッタリングすることで、雰囲気中に触媒微粒子を飛散させ、開口に到達させることができる。この場合において、開口以外のカーボンナノチューブ20上に達した触媒微粒子52が移動して開口に捕らわれることが実現される程度に、雰囲気が加熱される(例えば、400℃)。但し、触媒微粒子52の大きさ及び開口22〜24の大きさは、適切に合わせられていることを要する。本実施例によれば、カーボンナノチューブ20の任意の場所に形成された開口から、別のカーボンナノチューブを成長させ、枝分かれさせることができる。
【実施例6】
【0036】
図6は、本発明の一実施例により、カーボンナノチューブに化学修飾を施す様子を示す図である。本実施例でも実施例5と同様に、実施例1にて説明されたような方法で、カーボンナノチューブ20の側壁に開口が形成される。図示の例では、3つの開口22,24,26が形成されている。本実施例では、実施例5とは異なり、触媒微粒子ではない所定の分子602,604,606が開口に結合される。そして、所定の分子構造を含む雰囲気中で熱処理が行なわれる。分子のサイズと開口のサイズは適切に調整されているものとする。所定の分子は、カーボンナノチューブに結合させることの可能な任意の分子である。例えば、特定のタンパク質に反応する酵素分子を開口に結合させることで、特定のタンパク質を検出するセンサを形成することができる。また、カーボンナノチューブは水溶性ではないが、カルボン酸やアミン等の有機官能基を開口に結合させると、水に溶けるようになる。開口の位置は、上述したように任意の場所に形成することができるので、本実施例によれば、所望の分子を所望の場所に結合させることが可能になる。これにより、カーボンナノチューブ20に関する物理的及び/又は化学的な性質を様々に変えることが可能になる。
【実施例7】
【0037】
実施例1では、酸素を含む雰囲気中で、開口を形成しようとする場所にローカルに電場を印加していた。しかしながら、カーボンナノチューブの管状側壁の一部に開口を形成する観点からは、電場を利用することに限られない。例えば、開口を形成しようとする部分のみを露出させ、他の部分を被覆するマスクをカーボンナノチューブに形成し、熱処理を施すことが考えられる。このマスクで被覆された部分の炭素は酸素と反応せず、露出した部分の炭素が雰囲気中の酸素と反応するようにする。
【0038】
そのようなマスクは例えばカーボンナノチューブの所望の位置にレジストの開口パターンを作成することにより形成できる。
【0039】
本実施例によれば、熱処理を利用するので、複数の開口を一度に形成することができる。マスクパターンを適切に形成することで、形成される開口数及び開口の寸法を任意に調整することができる。
【0040】
以下、本発明により教示される手段を例示的に列挙する。
(付記1)
カーボンナノチューブの少なくとも一端が電極に支持された構造を形成し、
炭素又は酸素を含む雰囲気中で、前記カーボンナノチューブの管状側面の一部に電場を印加し、前記管状側面の一部の形状を変化させる
ことを特徴とするカーボンナノチューブの構造を制御する方法。
(付記2)
酸素を含む雰囲気中で、前記カーボンナノチューブの管状側面の一部に電場を印加し、前記管状側面の一部に開口を形成する
ことを特徴とする付記1記載の方法。
(付記3)
炭素を含む雰囲気中で、前記カーボンナノチューブの管状側面の一部に形成された開口に電場を印加し、前記開口を塞ぐ
ことを特徴とする付記1記載の方法。
(付記4)
前記開口から、フラーレンをカーボンナノチューブ内に導入する
ことを特徴とする付記2記載の方法。
(付記5)
前記開口から、フラーレンをカーボンナノチューブ内に導入し、熱処理を行ない、多層のカーボンナノチューブを形成する
ことを特徴とする付記2記載の方法。
(付記6)
カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含む雰囲気中で熱処理を行ない、前記開口に、前記触媒粒子を設ける
ことを特徴とする付記2記載の方法。
(付記7)
所定の分子を含む雰囲気中で熱処理を行ない、前記開口に、所定の分子を設ける
ことを特徴とする付記2記載の方法。
(付記8)
カーボンナノチューブの少なくとも一端が電極に支持された構造を形成し、
前記カーボンナノチューブの内部に、非球形状のフラーレンを複数個導入し、加熱し、多層のカーボンナノチューブを作成する
ことを特徴とするカーボンナノチューブの構造を制御する方法。
(付記9)
カーボンナノチューブの管状側面の一部を露出させるマスクを、前記カーボンナノチューブに設け、
酸素を含む雰囲気中で加熱し、前記マスクにより露出した部分に開口を形成する
ことを特徴とするカーボンナノチューブの構造を制御する方法。
【符号の説明】
【0041】
10 基板;12,14 電極;16 プローブ;18 電源;
20 カーボンナノチューブ;21 先端部分; 22 開口;
32 フラーレン;
42 非球形フラーレン;
52 触媒微粒子;
62,64,66 分子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブの少なくとも一端が電極に支持された構造を形成し、
前記カーボンナノチューブの内部に、非球形状のフラーレンを複数個導入し、加熱し、多層のカーボンナノチューブを作成するステップ
を有する、カーボンナノチューブの構造を制御する方法。
【請求項2】
カーボンナノチューブの管状側面の一部を露出させるマスクを、前記カーボンナノチューブに設け、
酸素を含む雰囲気中で加熱し、前記マスクにより露出した部分に開口を形成するステップ
を有する、カーボンナノチューブの構造を制御する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−84466(P2011−84466A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269601(P2010−269601)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【分割の表示】特願2004−267235(P2004−267235)の分割
【原出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度、独立行政法人科学技術振興機構「カーボンナノチューブおよびピーポッドのデバイス応用」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】