説明

カーボンナノチューブフィルムの製造方法

【課題】カーボンナノチューブフィルム製造方法の提供。
【解決手段】製造方法は、基板12を提供する第一ステップと、前記基板12の一つの表面に、平行な二つの縁部142を有する触媒層14を形成する第二ステップと、前記触媒層14が形成された該基板12をアニーリングする第三ステップと、アニーリングされた基板12を反応炉に配置し、保護ガスで700℃〜1000℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して反応を行って、カーボンナノチューブアレイ10を成長させ、該カーボンナノチューブアレイ10は平行な二つの側面を含み、前記二つの側面は前記触媒層の二つの縁部142と対応する第四ステップと、前記カーボンナノチューブアレイ10の前記二つの側面に平行な方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイ10から離れるように少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き出して得る第五ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブフィルムの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は1991年に飯島によって発見され、21世紀において重要な新素材の1つであると期待されている。カーボンナノチューブは機械・電気・熱特性に優れていることから、エレクトロニクス、バイオ、エネルギー、複合材料等、広範な分野での応用が期待されている。非特許文献1に掲載されて以来、カーボンナノチューブをフィラーとした高分子基複合材料(カーボンナノチューブ/ポリマー複合材料)の機械、熱、電気特性の向上を目指し研究が盛んに行われている。カーボンナノチューブ/ポリマー複合材料には、電磁波遮蔽・吸収や帯電防止などの特徴がある。
【0003】
カーボンナノチューブフィルムは、電子放出源、光電子センサー、バイオセンサー、透明な導電体、バッテリ電極、吸収材料、浄水材料、発光材料などの基礎材料として利用可能であるので、カーボンナノチューブフィルムの製造方法は益々注目されてきている。現在、カーボンナノチューブフィルムは、一般的に直接成長法により製造されている。この他、カーボンナノチューブ粉末を利用して、溶剤乾燥法やL―B(Langmuir−Blodgett)製膜法、印刷法、電気泳動法、膜ろ過法などの方法により、カーボンナノチューブフィルムを製造することができる。しかし、上述の製膜方法は、工程が複雑であり、効率が低いという課題がある。また、上述の製膜方法によるカーボンナノチューブフィルムは、抗張力及び機械強度が低く、カーボンナノチューブフィルムの応用が困難である。
【0004】
特許文献1には、従来の一種のカーボンナノチューブフィルムの製造方法が開示されている。図1を参照すると、該カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、第一ステップでは、カーボンナノチューブアレイ12を提供する。該カーボンナノチューブアレイ12は、カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献2を参照)であり、該カーボンナノチューブアレイは、複数の相互に平行、基板に垂直なカーボンナノチューブを含み、前記複数のカーボンナノチューブが前記基板から離れた自由端を有する。第二ステップでは、前記カーボンナノチューブアレイ12から、少なくとも、一枚のカーボンナノチューブフィルム14を引き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第101239712号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Sumio Iijima、“Helical Microtubules of Graphitic Carbon”、Nature、1991年11月7日、第354巻、p.56‐58
【非特許文献2】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述の前記カーボンナノチューブアレイ12は、円柱形を有するので、前記カーボンナノチューブアレイ12の形状の影響を受けて、前記カーボンナノチューブアレイ12から引き出したカーボンナノチューブフィルム14の、幅が一致せず、形状が不規則であるので、前記カーボンナノチューブフィルム14の工業応用に不利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、前記課題を解決するために、本発明は幅が一致し、形状が規則的であるカーボンナノチューブフィルムの製造方法を提供する。
【0009】
本発明のカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、基板を提供する第一ステップと、前記基板の一つの表面に、平行な二つの縁部を有する触媒層を形成する第二ステップと、前記触媒層が形成された該基板をアニーリングする第三ステップと、アニーリングされた基板を反応炉に配置し、保護ガスで700℃〜1000℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して反応を行って、カーボンナノチューブアレイを成長させ、該カーボンナノチューブアレイは平行な二つの側面を含み、前記二つの側面は前記触媒層の二つの縁部と対応する第四ステップと、前記カーボンナノチューブアレイの前記二つの側面に平行な方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイから離れるように少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き出して得る第五ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比べて、本発明のカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、前記触媒層又は基板を処理することにより、形成されたカーボンナノチューブアレイは、平行な二つの側面を有するので、前記カーボンナノチューブアレイの前記二つの側面に平行な方向に、前記カーボンナノチューブアレイから離れるように少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き出して得るので、良好な均一性を有し、幅が一致し、形状が規則的であるカーボンナノチューブフィルムを得ることができる。該製造方法は、簡単であり、コストが低く、且つ該カーボンナノチューブフィルムを産業に直接応用することができ、産業で大規模に生産できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のカーボンナノチューブフィルム製造方法の製造工程を示す図である。
【図2】本発明のカーボンナノチューブフィルム製造方法の実施例1の製造工程のフローチャートである。
【図3】図2に示すカーボンナノチューブフィルムの製造工程を用いて製造したカーボンナノチューブアレイの側面図である。
【図4】図3に示すカーボンナノチューブアレイの上面図である。
【図5】本発明のカーボンナノチューブフィルム製造方法の実施例2の製造工程のフローチャートである。
【図6】図5に示すカーボンナノチューブフィルムの製造工程を用いたカーボンナノチューブアレイの製造過程に成長表面を有する基板の製造方法を示す図である。
【図7】図5に示すカーボンナノチューブフィルムの製造工程を用いたカーボンナノチューブアレイの製造過程に形成された一つの成長表面を有する基板を示す図である。
【図8】図5に示すカーボンナノチューブフィルムの製造工程を用いたカーボンナノチューブアレイの製造過程に形成されたもう一つの成長表面を有する基板を示す図である。
【図9】カーボンナノチューブフィルムを引き出す見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0013】
(実施例1)
図2、図3及び図4を参照すると、本実施例のカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、基板12を提供するステップ(S11)と、前記基板12の一つの表面122に、平行な二つの縁部142を有する触媒層14を形成するステップ(S12)と、前記触媒層14が形成された該基板12を高温でアニーリングするステップ(S13)と、アニーリングされた基板12を反応炉に置き、保護ガスで700℃〜1000℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して反応を行って、カーボンナノチューブアレイ10を成長させ、該カーボンナノチューブアレイ10は平行な二つの側面を含み、前記二つの側面は前記触媒層14の二つの縁部142と対応するステップ(S14)と、前記カーボンナノチューブアレイ10の前記二つの側面に平行な方向に、前記カーボンナノチューブアレイ10から離れるように少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き出して得るステップ(S15)と、を含む。
【0014】
前記ステップ(S11)では、平らな基板12を提供し、該基板12はP型のシリコン基板、N型のシリコン基板及び酸化層が形成されたシリコン基板のいずれか一種である。本実施例において、該基板12は4インチのシリコン基板からなることが好ましい。
【0015】
前記ステップ(S12)において、平行な二つの縁部142を有する触媒層14を形成する方法は、基板処理方法又は触媒層処理方法である。該基板処理方法は、前記基板12の前記表面122を処理して、前記表面122に平行な二つの縁を有する独立な成長表面を形成した後、前記成長表面に触媒層14を形成する。前記触媒層処理方法は、テンプレート・メソッド方法或はエッチング方法によって実行することができる。前記エッチング方法は、以下の階段を含む。第一階段で、前記基板12の前記表面122に触媒層14を形成し、前記触媒層14をエッチング処理して、前記触媒層14に平行な二つの縁部142を形成する。前記触媒層14は、平行な二つの縁部142を含む限りである。即ち、前記触媒層14の、前記平行な二つの縁部142の以外の縁部の形状に対して、制限がない。
【0016】
本実施例において、前記ステップ(S12)では、テンプレート・メソッド方法により、前記平行な二つの縁部142を有する触媒層14を形成することができる。前記テンプレート・メソッド方法は、平行な二つの縁部242を有する中空部24を有する一つのマスク20を提供するステップ(S121)と、前記マスク20の中空部24を完全的に前記基板12の上に対応するように、前記基板12の上方で、前記マスク20を前記基板12と間隔をおいて配置するステップ(S122)と、前記マスク20の前記基板12から離れる側から触媒剤を噴射して、前記マスク20の中空部24によって前記基板12に平行な二つの縁部142を有する触媒層14を形成するステップ(S123)と、前記マスク20を除去するステップ(S124)と、を含む。
【0017】
前記ステップ(S121)では、前記マスク20は、前記中空部24を囲む遮蔽部22を有する。前記中空部24の寸法は前記基板12の寸法より小さい。前記マスク20は、金属からなる。本実施例において、前記マスク20は、鉄からなり、前記中空部24の形状は、長方形である。
【0018】
前記ステップ(S122)では、前記マスク20の中空部24の投影が完全に前記基板12の上に投射されることを保証すると、前記触媒層14は全て前記基板12の上に形成されることができる。前記触媒層14の材料は、鉄、コバルト、ニッケル及びその2種以上の合金のいずれか一種である。前記マスク20と基板12との間の間隔は、0.1mm〜100mmであるが、0.1mm〜10mmであることが好ましい。本実施例において、前記触媒層14は、鉄からなり、前記マスク20と基板12との間の間隔は、2mmである。
【0019】
前記ステップ(S123)において、前記マスク20を利用して、前記基板12の上に形成された触媒層14の形状は、前記マスク20の中空部24の形状と対応している。即ち、前記触媒層14は、前記中空部24の平行な二つの縁部242に対応して平行な二つの縁部142を含んでいる。前記触媒層24の厚さは、2nm〜9nmである。前記触媒層14は、蒸着法、熱沈積法、電子ビーム蒸着法又はスパッタ法によって形成することができる。本実施例において、前記触媒層14の形状は長方形であり、その厚さは3nm〜6nmである。前記前記触媒層14は、蒸着法によって形成される。
【0020】
前記マスク20の中空部24の形状は、例えば“U”型であることができる。
【0021】
前記ステップ(S13)では、前記触媒層14が形成された該基板12を700℃〜900℃の空気で30分〜90分間アニーリングする。従って、前記触媒層14が酸化されて、前記基板12に複数のナノサイズの触媒粒子を含む触媒粒子層が形成される。前記複数の触媒粒子の直径が均一であり、且つ前記触媒粒子の直径は小さい。
【0022】
前記ステップ(S14)では、前記カーボンナノチューブアレイ10は、前記基板12の表面122と平行な頂面(図に示せず)と、前記頂面と前記表面122の間に位置する互いに平行な二つの側面102と、を有する。前記二つの側面102は、対向し、且つそれぞれ前記触媒層14の平行な二つの縁部142と対応する。前記保護ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンなどの不活性ガスである。前記カーボンを含むガスは、エチレン(C)、メタン(CH)、アセチレン(C)、エタン(C)及びその二種以上の混合物のいずれか一種である。本実施例において、前記保護ガスはアルゴンからなる。前記カーボンを含むガスは、Cであり、前記Cを反応炉に導入して、5分〜30分間反応を行う。前記カーボンナノチューブアレイ10の高さは、200μm〜400μmである。
【0023】
前記カーボンナノチューブアレイ10は、互いに平行し、前記基板12に垂直に成長した複数のカーボンナノチューブからなる。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径は1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5nm〜50nmに設定される。本実施形態において、前記カーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブである。成長の条件を制御することによって、前記カーボンナノチューブアレイ10は、例えば、アモルファスカーボン及び残存する触媒である金属粒子などの不純物を含まなくなる。本実施例において、前記カーボンナノチューブアレイ10は、前記二つの側面102の他に、更に対向し、互いに平行な二つの側面104を有する。即ち、前記カーボンナノチューブアレイ10は、直方体である。
【0024】
前記ステップ(S15)は、引き出し装置26を提供する第一階段と、前記引き出し装置26を、前記カーボンナノチューブアレイ10に接近させて、複数のカーボンナノチューブを前記引き出し装置26に接着させて接触面(図示せず)を形成する第二階段と、前記基板12と所定の角度を挟む方向に沿って、前記引き出し装置26を前記カーボンナノチューブアレイ10から離れるように移動させて、カーボンナノチューブフィルム28を形成する第三階段と、を含む。
【0025】
前記第一階段では、前記引き出し装置26の幅は、前記カーボンナノチューブアレイ10の前記二つの側面102の間の最短距離より大きく、又は同じである。本実施例において、前記引き出し装置26は、所定の幅を有する接着テープである。
【0026】
前記第二階段では、前記接触面は、それぞれ前記互いに平行な二つの側面102と垂直に交差する。
【0027】
前記第三階段では、前記引き出し装置26を引き伸ばす方向と前記基板12とがなす角度は、0°〜30°であるが、0°〜5°であることが好ましい。さらに、前記引き出し装置26を引き伸ばす方向は、前記互いに平行な二つの側面102と平行である。本実施例において、前記引き出し装置26を引き伸ばす方向と前記基板12とがなす角度は、5°である。
【0028】
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記基板12から脱離すると、複数のカーボンナノチューブセグメントが形成される(図9を参照)。前記カーボンナノチューブセグメントは、分子間力で端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブフィルム28に形成される。ここで、該カーボンナノチューブフィルム28は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムと定義されている。前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルム28におけるカーボンナノチューブは、前記引き出し装置26の移動方向とほぼ平行である。前記引き出し装置26の前記カーボンナノチューブアレイ10に接近されて形成する接触面は、前記互いに平行な二つの側面102に垂直に交差し、且つ前記引き出し装置26を引き伸ばす方向は、前記互いに平行な二つの側面102と平行であるので、前記カーボンナノチューブフィルム28の幅は、前記カーボンナノチューブアレイ10の形状によって決定される。即ち、前記カーボンナノチューブフィルム28の幅は、前記カーボンナノチューブアレイ10の互いに平行な二つの側面102によって決定される。前記カーボンナノチューブアレイ10の互いに平行な二つの側面102の間の距離は一定であるので、均一な幅及び規則的な形状を有するカーボンナノチューブフィルム28を得ることができる。
【0029】
(実施例2)
図5を参照すると、本実施例のカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、基板32を提供するステップ(S21)と、前記基板32の一つの表面322に、平行な二つの縁342を有する触媒層34を形成するステップ(S22)と、前記触媒層34が形成された該基板32を高温の空気でアニーリングするステップ(S23)と、アニーリングされた基板32を反応炉(図示せず)に置き、保護ガスで700℃〜1000℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して反応を行って、カーボンナノチューブアレイ30を成長させ、該カーボンナノチューブアレイ30は平行な二つの側面を含み、前記二つの側面は前記触媒層34の二つの縁342と対応するステップ(S24)と、前記カーボンナノチューブアレイ30の前記二つの側面に平行な方向に、前記カーボンナノチューブアレイ30から離れるように少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き出して得るステップ(S25)と、を含む。
【0030】
本実施例のカーボンナノチューブフィルムのステップ(S22)は、実施例1に係るカーボンナノチューブフィルムのステップ(S12)と異なる。即ち、前記ステップ(S22)では、平行な二つの縁342を有する触媒層34を形成することは、基板処理方法によって実行される。前記基板処理方法は、前記基板32の前記表面322を処理して、平行な二つの縁を有する独立な成長表面320を形成するステップ(S221)と、前記成長表面320の上に触媒層34を形成するステップ(S222)と、を含む。
【0031】
図6を参照すると、前記ステップ(S221)では、エッチング方法又はレーザー方法によって、前記基板32の前記表面322に、互いに平行な少なくとも二つの溝324を形成させる。前記互いに平行な二つの溝324の間の区域は、平行な二つの縁を有する独立な成長表面320である。前記成長表面320と前記基板32の残余区域326を、前記溝324によって分離する。本実施例において、前記成長表面320は、長方形である。即ち、前記成長表面320と前記基板32の残余区域326とを、一対の互いに平行な二つの溝324によって分離している。
【0032】
一つの例として、エッチング方法又はレーザー方法によって、前記基板32の部分の残余区域326を除去し、前記残余区域326の厚みを減少させて、前記基板32に、独立な成長表面320を形成する。図7を参照すると、前記方法によって形成した長方形の成長表面320は、前記残余区域326より突出している。
【0033】
もう一つの例として、エッチング方法又はレーザー方法によって、前記基板32の残余区域326を完全に除去して、前記基板32に、独立な成長表面320を形成する。図8を参照すると、前記方法によって形成した長方形の成長表面320は、直方体の前記基板32の1つの表面である。
【0034】
本実施例において、レーザー方法によって、前記基板32の残余区域326を完全に除去して、前記基板32に、独立な成長表面320を形成する。
【符号の説明】
【0035】
12、32 カーボンナノチューブフィルム
122、322 カーボンナノチューブセグメント
22 遮蔽部
242 中空部の縁
20 マスク
24 中空部
142、342 触媒層の縁
14、34 触媒層
102、302 側面
10、30 カーボンナノチューブアレイ
26 引き出し装置
28、38 カーボンナノチューブフィルム
324 溝
328 成長表面の縁
326 残余区域
320 成長表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を提供する第一ステップと、
前記基板の一つの表面に、平行な二つの縁部を有する触媒層を形成する第二ステップと、
前記触媒層が形成された該基板をアニーリングする第三ステップと、
アニーリングされた前記基板を反応炉に配置し、保護ガスで700℃〜1000℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して反応を行って、カーボンナノチューブアレイを成長させ、該カーボンナノチューブアレイは平行な二つの側面を含み、前記二つの側面は前記触媒層の二つの縁部と対応する第四ステップと、
前記カーボンナノチューブアレイの前記二つの側面に平行な方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイから離れるように少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き出して得る第五ステップと、
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブフィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−280559(P2010−280559A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125744(P2010−125744)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】