ガイドワイヤと適合性のあるポートおよびこのポートを挿入する方法
【課題】カテーテルをアクセスポートに取り付けられたまま患者の体内に配置することができるアクセスポート組立体を提供する。
【解決手段】取付け式のカテーテルを有するアクセスポート組立体はカテーテルがアクセスポート組立体に取付けられたままで一体的なカテーテルの配置を補助するために、ガイドワイヤをカテーテルに挿入できるようにする。カテーテルに挿入されたガイドワイヤを使用してカテーテルに固く取付けられたアクセスポートを患者内に配置する方法を開示する。
【解決手段】取付け式のカテーテルを有するアクセスポート組立体はカテーテルがアクセスポート組立体に取付けられたままで一体的なカテーテルの配置を補助するために、ガイドワイヤをカテーテルに挿入できるようにする。カテーテルに挿入されたガイドワイヤを使用してカテーテルに固く取付けられたアクセスポートを患者内に配置する方法を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取付け式のカテーテルを有するインプラント可能なアクセスポート組立体に関する。さらに本発明はガイドワイヤ用の入口領域を有するユニットとしてガイドワイヤを使用して患者に挿入され、取付け式のカテーテルと共に使用できるアクセスポートに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルに接続されるアクセスポートは流体を患者内の奥に離れた領域に簡単に投入したりその領域から抽出したりできるように、簡単にアクセス可能な領域を提供するために使用される。アクセスポートおよびカテーテルを配置するために、カテーテルが静脈、動脈、既存の管腔、敢えて形成した管腔、または患者内の別の位置に差し込まれる。まず、カテーテルを患者内で位置決めしやすくするためにガイドワイヤが使用される。カテーテルを配置するのにガイドワイヤを使用するかどうかはカテーテルの特徴、アクセス地点における患者の解剖学上の組織構造、カテーテルの通路の狭窄具合等により決定される。カテーテルの配置を補助するのにガイドワイヤを使用する場合、ガイドワイヤはまず患者に挿入されて意図した位置まで進められる。ガイドワイヤが所定の位置に配置されると、カテーテルがガイドワイヤに通され、ガイドワイヤ上の所望の位置に配置され、次いでガイドワイヤが抜き取られ、次いでアクセスポートがカテーテルに取付けられて、アクセス領域で患者内の”外科的ポケット”に挿入される。しかしながら、患者への挿入中においては、カテーテルおよびアクセスポートはその性質上滑りやすいのでカテーテルにアクセスポートを取付けることは困難である。さらに、カテーテルの末端部が特定の位置に配置され、且つカテーテルの基端部が外科ポケット内へカテーテルとアクセスポートとを最適に配置できる長さに切断されているので、医師はカテーテルを十分に取り扱うことができない。したがって、医師はカテーテルにアクセスポートを取付けている時、カテーテルの取り扱いに注意を払わなければならない。
【0003】
さらに、これに関連して、インプラントが終わった後にカテーテルがアクセスポートから外れてしまい、これにより流体が意図した位置に到達しなくなってしまうことがある。また、カテーテルを配置するのにガイドワイヤを必要とする場合にはアクセスポートとカテーテルとを一体にしたものを使用することができなかった。なぜなら、カテーテル・アクセスポートの基端が閉じており、このためカテーテルが所定の位置に配置された時にガイドワイヤを引き抜くことが妨げられてしまうからである。使用されるアクセスポートは大抵、特許文献1に示されているように固いボディで作製される。アクセスポートはチタン、アセタル樹脂、ポリスルホン等のような材料で形成され、経皮的にアクセスすることができる自己シール式のシリコーンアクセス隔壁を有し、流体をアクセスポートのリザーバに注入したりリザーバから抜き取ったりするためにシリコーンアクセス隔壁を介してニードルが挿入される。このとき、まずアクセス領域で皮膚を触診することによりアクセスポートの位置を捜し出さなければならない。固いボディのアクセスポートを触診により探し出すのは容易であるが、固いボディにより組織の圧縮、それを覆っている層の侵食、不快感等の障害をまねく恐れがある。アクセス隔壁はアクセスポートの大きさに対して小さい。アクセス隔壁が小さければ小さいほど、より小さい領域に非常に集中してニードルを穿刺することになり、これにより患者が苦痛を感じ、アクセスポートを覆う組織の壊死をまねいてしまうことになる。さらに、アクセス隔壁が小さければ小さいほど、隔壁にアクセスしようとする時に隔壁の”目標”からさらに頻繁にそれてしまう。
【0004】
公知の一つの柔らかいアクセスポートはシリコーンで形成され、このシリコーンはその外形を維持するのを補助するためのワイヤメッシュ支持部周りに形成される。この構成の一つの問題はワイヤメッシュがガイドワイヤの挿入に干渉することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,613,945号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、本発明は関連技術における制限および不利益による実質的に一つ以上の問題を未然に防ぐ取付け式のカテーテルを備えたアクセスポートに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的に従ってこれら利点および別の利点を達成するために、本発明は例示的であって概略的に記載すると、自己シール式のアクセス隔壁およびリザーバを備える中央本体部分と、カテーテルを中央本体に固定されるように取付けるための出口と、ガイドワイヤまたはスタイレットをリザーバおよびカテーテルに挿入するために中央本体に配置される第二の隔壁であるような自己シール式の領域とを有するアクセスポート装置を有する。
【0008】
一つの好適な実施例によれば、本発明は自己シール式のアクセス隔壁と、アクセスポートに一体的に取付けられるカテーテルと、体内でカテーテルを案内するためにガイドワイヤまたはスタイレットを受容するように形成された一つ以上の管腔とを有するアクセスポート組立体を有する。
【0009】
本発明の別の実施例によれば、本発明はアクセスポート本体を有する柔らかいアクセスポートと、リザーバの底部に配置されたニードル停止部とをさらに有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】公知のアクセスポートと取付け式のカテーテルとを示す。
【図2】本発明の第一の実施例のアクセスポートの平面図である。
【図3】図1のアクセスポートの後面図である。
【図4】図1のアクセスポートの断面図である。
【図5】図1のアクセスポートの断面図である。
【図6】図2のアクセスポートの別の断面図であり、ニードルおよびガイドワイヤがアクセスポートを通ってカテーテルに挿入されている。
【図7】本発明の第二の実施例のアクセスポートの平面図である。
【図8】図7のアクセスポートの後面図である。
【図9】図7のアクセスポートの分解組立図である。
【図10】本発明の第三の実施例のアクセスポートの断面図である。
【図11】図10のアクセスポートの部分的に切断された後面図である。
【図12】本発明の第四の実施例のアクセスポートの断面図である。
【図13】図12のアクセスポートの部分的に切断された後面図のである。
【図14】図12のアクセスポートの断面図である。
【図15】本発明の第五の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図16】図15のカテーテルの断面図である。
【図17】本発明の第六の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図18】図17のカテーテルの断面図である。
【図19】図17のカテーテルの一部の底面図である。
【図20】本発明の第七の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図21】図20のカテーテルの断面図である。
【図22】図20のカテーテルの一部の底面図である。
【図23】本発明の第八の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図24】図23のアクセスポートの後面図である。
【図25】本発明の第九の実施例のアクセスポートとカテーテルとの断面図である。
【図26】図25のアクセスポートの底面図である。
【図27】図25のアクセスポートの横断面図であり、底部プレートが取り外され、ガイドワイヤまたはスタイレットが挿入される。
【図28】本発明の第十の実施例のアクセスポートとカテーテルとの横断面図である。
【図29】図28のアクセスポートの後面図である。
【図30】本発明の第十一の実施例のアクセスポートとカテーテルとの横断面図である。
【図31】図30のアクセスポートの後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、また本発明の幾つかの実施例を示しており、明細書の説明と共に本発明の原理を説明するのに使用するものである。
【0012】
本発明の別の特徴や利点を以下に説明するが、その一部は以下の説明から明らかであり、或いは本発明の慣例から理解することもできる。本発明のこれら特徴または他の利点は以下の説明と特許請求の範囲と添付の図面とに特に示したアクセスポートおよび/またはカテーテルにより実現され、得られる。
【0013】
本発明の実施例と添付の図面に示した例とを詳細に参照する。可能なところには、図を通して同一部分または類似部分を参照するのに同様な参照番号を使用した。開示した実施例は本発明を例示するためのみのものであり、様々な形態で実施してもよい。したがって、ここに開示する詳細は限定として説明するものではなく、特許請求の範囲の基礎として、そして本発明を製造および/または使用する方法を当業者に教示する基礎としてのみ説明するものである。
【0014】
本発明は従来のアクセスポートおよびアクセスポート・カテーテル組立体の改良である。本発明の一つの実施例は取付け式のカテーテルを備えたアクセスポートを有し、このアクセスポートはアクセスポートを患者内のポケットに挿入する前にカテーテルの設置を補助するためにガイドワイヤまたはスタイレットをカテーテルを通して挿入されることができるようになっている。本発明の別の実施例はカテーテルを取付けられたアクセスポートと、ガイドワイヤまたはスタイレットをアクセスポートに挿入し、或いは取付けられたカテーテルにアクセスポートを介して挿入するためのアクセスポート内の自己シール式の第二の隔壁とを有する。
【0015】
図2から図6に本発明の取付け式のカテーテル12を備えるアクセスポート10の第一の実施例を示す。図2に頂部から見たアクセスポート10を示し、アクセスポート10はニードル(図示せず)を自己シール式のアクセス隔壁16(図4参照)に挿入するための目標領域14を有する。アクセスポート10は患者内での長い滞留時間に耐えられる様々な材料で形成される。これら材料にはチタン、アセタール樹脂、ポリスルホンを含むが、これらに限定されない。アクセスポート10はこのアクセスポート10を患者の外科ポケット(図示せず)内に固定するための複数の縫合部位18を有する。好ましくは、複数の縫合部位18は、組織の増殖を最小化し、簡単に取り外せるように縫合部位18を固形シリコーンで補強するように設計される。アクセス隔壁16の下方にリザーバ17が位置し、アクセス隔壁16を通ってリザーバ17内にニードル(図示せず)が挿入され、流体をリザーバ17に注入したりリザーバ17から抽出したりできるようになる。アクセスポート10の後側には自己シール式の第二の隔壁20が設けられ、この第二の隔壁20によりガイドワイヤ21(図6参照)を図6に示したようにアクセスポート10に挿入し、リザーバ17を通し、アクセスポート10の出口24から出し、そしてカテーテル12に入れることができるようになる。自己シール式の第二の隔壁20を通してガイドワイヤを容易に挿入するために、適切な大きさの隔壁を非切除型のニードル26が第二の隔壁20を通る通路を作るのに使用される。第二の隔壁20を通る入口を作り出すのに、第二の隔壁20を通って押し込まれる特別に形成されたカニューレや十分な剛性を有するガイドワイヤのような別の手段を使用することも可能である。
【0016】
カテーテル12は出口チューブ28でアクセスポート本体10に固定されるように取付けられる。カテーテル12とアクセスポート10の出口チューブ28との接続は漏れがなく、且つアクセスポート10が簡単にカテーテル12から外れてしまうことがないように固定されるようになっている。カテーテル12はカテーテル12を出口チューブ28に接着したり、カテーテル12をアクセスポート本体10と一体的に形成したり、またはネジコネクタ、引くと作動するコネクタ、”干渉鉤り”コネクタのようなコネクタ、或いは別のタイプのコネクタを使用することによりアクセスポート10に取付けられてもよい。加えて、図示していないが、カテーテル12はアクセスポート10に近接して厚壁部分を有してもよいし、出口チューブ28でカテーテルのよじれを防止するように補強されてもよい。カテーテルの補強はカテーテル壁内の補強組み紐、可変デュロメータカテーテル、接続部において応力を解放することができるカテーテル等を含むが、これらに限定されない。厚壁のカテーテルが使用された時は、カテーテル12はアクセスポート10から下流に行くに従って、通常のカテーテル壁の厚さに対して徐々に細くなっていてもよい。
【0017】
アクセスポート10およびカテーテル12の挿入は以下のようにして行われる。例えばセルディンガー法(Seldinger method)を用いる他のカテーテルの挿入と同様にして患者の血管にカテーテルを挿入する。次いで、計測用ガイドワイヤ(図示せず)を例えば心臓の上大静脈のような所望の終端地点まで進める。挿入地点から上大静脈のような所望の地点までの距離を決定し、カテーテル12を対応する長さに切り取る。カテーテルは例えばアクセスポートの接続部の種類に応じて両端部で切り取られる。アクセスポート10を受容するために、皮膚下の入口地点にポケットを形成する。図6に示したように、例えばニードル26を使用して自己シール式の第二の隔壁20を介してアクセスポート本体へアクセスし、ガイドワイヤ21を非切除型のニードル26を介してリザーバ17内へ挿入し、さらに出口を介してカテーテル12内へ挿入する。そしてアクセスポート・カテーテル組立体をガイドワイヤ21上で滑らせつつ、ガイドワイヤ21の末端部を患者に挿入し、所望の位置(例えば上大静脈)まで進める。そして、カテーテル12の先端がガイドワイヤ21に沿って所望の位置に配置されるまでカテーテル・アクセスポート組立体12、10をガイドワイヤ21上で進める。次いで、ガイドワイヤ21と非切除型のニードル26とを自己シール式の第二の隔壁20から取り外す。アクセスポート10のリザーバ17に非切除型のニードル(図示せず)によりアクセス隔壁16を介してアクセスし、適切な機能を確実にするためにリザーバ17を洗浄する。縫合領域18を使用してアクセスポート10を所定の位置に縫合する。次いで、ポケットを形成するために使用した切開口を閉じ、アクセスポート10を隠す。なお、ガイドワイヤ21を患者に挿入し、次いでアクセスポート・カテーテル組立体をカテーテル上で摺動させてもよい。
【0018】
本発明の第二の実施例を図7〜図9に示す。これら図に示したように、アクセスポート40は上方本体42と、目標領域44と、複数の縫合領域48と、孔46とを有し、この孔46は第一の実施例のようにニードル(図示せず)とガイドワイヤ(図示せず)とをアクセスポート40内に挿入し、ガイドワイヤをアクセスポート40を介してカテーテル12内に挿入するための孔である。図9に示したように、アクセスポート40は三つの部分、すなわち上方本体42と、下方本体50と、自己シール式のアクセス隔壁52とから形成される。自己シール式のアクセス隔壁52は好ましくは上方本体42にぴったりと嵌まり、アクセス隔壁52と下方本体50との間にリザーバ領域54を形成する。第一の実施例のように、カテーテル12は出口ポート56で下方本体50に取付けられる。図示していないが、第一の実施例で説明したように剛性を有するガイドワイヤまたは非切除型のニードルを上方本体42の孔46(図8)に挿入し、自己シール式のアクセス隔壁52を通し、これによりアクセスポート40内と出口ポート56とを介したカテーテル12へのガイドワイヤ(図示せず)のための通路が提供される。第一の実施例のように、アクセスポート本体42および50はアセタール樹脂、チタンまたはポリスルホンのような比較的硬いまたは固い生体適合性材料で作られる。アクセスポート40はアクセスポート10に関して上述した方法と同様な方法で患者内へ挿入される。
【0019】
本発明の第三の実施例を図10および図11に示す。この第三の実施例のアクセスポート60は柔らかいポートであり、例えば自己シールという特徴と長期滞留という特徴とを提供するシリコーンまたは別の適切な材料で形成される。アクセスポート60は概して図2〜図7に示した第一の実施例のような形状であり、流体をリザーバ領域64に注入し、或いは流体をリザーバ領域64から抜き取るためにニードルを挿入する目標領域62を有する。さらに、アクセスポート60は固いインサート66を有し、このインサート66はリザーバ領域64の下方とその周りに延在し、開いた状態のガイドワイヤアクセス孔68を有し、浅皿またはトレイを形成する側部を有する。固いインサート66をチタンまたは他の固い材料で作ることにより、ニードルがリザーバ領域64に到達し、流体を必要なだけ注入したり取り出したりできること(ニードルストップ)をニードルをアクセスポート60に挿入している人が認識することできる。アクセスポート60のような柔らかいアクセスポートの利点は、ニードルが固いニードルストップ66に当ったときに人がニードルの先端がリザーバ内にあることを認識することである。固いアクセスポートでは、ニードルがアクセスシステムからそれてしまう可能性や、出くわした固い面が固いアクセスポートの外面である可能性がある。したがって、柔らかいアクセスポートによればリザーバ64の位置を捜し出すことに関する不確実さが取り除かれる。
【0020】
部分断面図11に示したように、固いインサート66は本発明の最初の二つの実施例のように、ガイドワイヤをカテーテル12内に挿入するのを補助するためにニードルおよび/またはガイドワイヤへアクセスできるようにする孔68を有する。出口領域70はガイドワイヤをカテーテル12に案内する形状である。図示していないが、固いインサート66は出口24の下方で止まっていてもよい。
孔68の位置を表示するために円形の盛り上がり領域、複数同心円または別の構成をアクセスポート60の背後側に作ってもよい。或いは、ガイドワイヤおよび/またはニードルを予め挿入しておき、それにより医師が孔68または出口24からそらしてしまう可能性を減少させてもよい。
【0021】
図23および図24は隔壁133を通ってアクセスする角度が大きくなるように、柔らかいアクセスポート60の固いインサート130が傾斜側部131および132を有する本発明の実施例を示す。上述した第三の実施例のように、固いインサート130は皿またはトレイを形成するように側部を有し、インサート130の後面131にはガイドワイヤまたはニードルの適切な心合わせを容易にするために孔135および目標表示部(図示せず)が提供される。
【0022】
アクセスポート60をガイドワイヤアクセス孔68と取付け済のカテーテル12と共に使用する必要はなく、取外し可能なカテーテルと出口72におけるカテーテルコネクタ(図示せず)と共に使用してもよく、これによりアクセス孔68の必要性がなくなる。他のタイプのアクセスポートを使用するのに対して固いインサートを有する柔らかいアクセスポート60を使用する一つの利点はニードルが固いインサートに接触した時にニードルが上述したリザーバ領域64内にあるかという疑問がほとんどなくなることにある。さらに、柔らかい本体部分により皮下組織の圧縮が減少し、この層の侵食が減少する。
【0023】
本発明の第四の実施例を図12および図13に示す。アクセスポート80は図10および図11に示した実施例とほぼ同様である。しかしながら、リザーバ領域83の後側において固いインサート82が上方にあまり延びておらず、或いは図11に示した自己シール式のアクセス孔68を有していない。したがってむしろ、ガイドワイヤを備えたニードルまたは固いガイドワイヤを図14に示したように領域84のどこにでも挿入することができる。挿入されたニードル・ガイドワイヤは図13に示した尖鋭領域86により概してカテーテル12に向けられ、カテーテル12の管腔へと案内される。或いは、ニードル・ガイドワイヤを挿入するのに適切な領域を表示するために尖鋭領域86の反対側のアクセスポート80の背後側で複数同心円または他のマークを使用してもよい。このようなマークはリザーバ83の背後側で固い本体82の高さを表示するために、アクセスポート80の背後側に沿った平行なラインであってもよい。
【0024】
ガイドワイヤをアクセスポートおよびカテーテルと共に使用することができる本発明の別の実施例を図15〜図22に示す。上述したように、従来技術ではまずガイドワイヤを患者に挿入し、次いでガイドワイヤ上でカテーテルを滑動させてカテーテルを配置し、そしてアクセスポートをカテーテルに取付ける前にガイドワイヤを取り外していた。本発明の上述した実施例では、ガイドワイヤはアクセスポートがすでに所定位置に取付けられた状態で図15〜図22に示したカテーテルの管腔に直接挿入され、次いでカテーテルが所定の位置に配置されると同じ方法で引き抜かれる。本実施例では、カテーテルの管腔に直接ガイドワイヤが通されることにより、ガイドワイヤがアクセスポートを通って組立体に入らないので如何なるアクセスポートをもカテーテルに取付けることができる。
【0025】
本発明の実施例を図25〜図27に示す。この実施例では柔らかい隔壁141を有するアクセスポート140がリザーバ144に開放状態でアクセスすることができるように取外し可能なパネル143を備える。図27に示したように、アクセスポート140の底部からパネル143を取外すことによりリザーバ144が開かれ、これによりガイドワイヤ145をリザーバ144を介して開口147内に挿入し、そしてカテーテル12の管腔内に挿入することができるようになる。
【0026】
図28〜図31に本発明の更なる実施例を示す。この実施例ではアクセスポート150は固い本体158に配置された柔らかい隔壁152を有し、アクセスポート150のリザーバ151へは通路153を通ってアクセスすることができ、この通路153はアクセスポートの後方側部156で孔155内にネジボルト54をねじ込むことにより閉じられる。ネジボルト154を取外すことにより、ガイドワイヤまたはスタイレット(図示せず)をリザーバ151を介してカテーテル12内に直線的に挿入することができるようになる。図30および図31は孔155内で溝付きの止めネジまたはプラグ157の別の使用例を示す。
【0027】
図15〜図16に示したように、カテーテル100はアクセスポート102に固定されるように取付けられ、カテーテル100の下方に配置された切頭管腔104を有する。図15〜図16では切頭管腔104をカテーテル100の下方に示したが、カテーテル100の周囲であれば、側方であれ頂部であれ、どこに配置してもよい。先の実施例のように計測ワイヤまたはガイドワイヤを使用して挿入地点から例えば上大静脈のような配置地点までの正確な長さを決定し、カテーテル100がその長さに切断される。カテーテル100を適切な長さに切断した後、ガイドワイヤが開口106を介して切頭開口管腔104内に挿入される。次いで、ガイドワイヤ(図示せず)は挿入地点で患者に挿入され、患者内の所望の位置まで進められる。アクセスポート102とカテーテル100とはガイドワイヤ上をガイドワイヤに沿って滑動し、上述したように患者に挿入される。同様に、初めにガイドワイヤを患者に挿入し、そして挿入されたガイドワイヤを介してカテーテルを滑動せしめてもよい。使用形態および使用位置に応じて、管腔104の長さを非常に短い状態からカテーテルの全長までの間で変えてもよい。管腔104の長さをカテーテル100の長さより短くする場合には、カテーテルに沿った管腔104の位置を切断の種類や挿入の方法等に応じて変えることもできる。
【0028】
図17〜図19にアクセスポート102に取付けられた(再度繰り返すが如何なるアクセスポートでも受容できる)別の多管腔のカテーテル110を示す。先の実施例のような切頭開口管腔104ではなく、多管腔カテーテル110はガイドワイヤ(図示せず)が第二の管腔114内にアクセスできるようにするための削除部分112を有する。アクセスポート102とカテーテル110との結合体は上述した先の実施例とほぼ同様な方法で患者に挿入されて固定される。削除部分112または開口はカテーテルの長さに沿ってアクセスポート102とカテーテルの末端部との間のどこに配置されてもよい。さらに、第二の管腔114はカテーテル110の周囲ならどこに配置されてもよい。
【0029】
アクセスポート・カテーテル組立体を挿入するための別の方法ではあるが関連した方法では管腔を一つだけ有するカテーテルでガイドワイヤを使用する。ガイドワイヤは第二の管腔を有するカテーテルではなくではなく、管腔を一つだけ有するカテーテルの側壁に挿入される。好ましくは、カテーテルを再シール可能な材料から作れば、(ニードルの有無に関わらず)ガイドワイヤをカテーテルの長さに沿った如何なる位置にも挿入することができ、さらにこのガイドワイヤを実質的に漏れなしで抜き取ることができる。或いは、カテーテルはガイドワイヤを再シールすることができる解放可能な予め定められた領域、帯域、または部分を有してもよい。ガイドワイヤがカテーテルに挿入された後、ガイドワイヤが所望の位置まで進められ、カテーテルが同じ位置までガイドワイヤ上を進められる。挿入地点がアクセスポートに近接していれば、医師はガイドワイヤ・ニードルが抜き取られた後にカテーテルを確実に再シールすることができる。一方、ガイドワイヤ用のアクセス地点がカテーテルの末端部に近接していれば、孔が目標領域に近いのでカテーテルの再シール特性は重要ではなくなる。
【0030】
アクセスポート102とカテーテル120とを有する本発明の別の実施例を図20〜図22に示す。それぞれ図15および図17に示した先の二つの実施例の切頭開口管腔104または削除部分112を備える多管腔カテーテル110ではなく、本実施例では第二の管腔124にカテーテル120の下方に沿って狭いスリット122が設けられる。なお、スリット122はカテーテル120周りのどこに配置されてもよい。スリット122の側部は第二の管腔124からガイドワイヤが滑り抜けるのを防止するように互いに近接している。幾つかの例では、スリット122の弾性側部はスリットを閉じるために実際に接触していてもよい。医師はガイドワイヤ(図示せず)を幾つかの方法の中の一つの方法で挿入することができる。第一の方法では、医師はカテーテル120の適切な長さを決定した後で、カテーテル120の末端部のところでガイドワイヤを挿入し、ガイドワイヤが開口126のところでカテーテル120から出るまでガイドワイヤを第二の管腔124に送り続ける。或いは、医師はガイドワイヤをスリット122を介して適切に切断されたカテーテル120の全長に沿って第二の管腔124に押し込んでもよい。カテーテルが患者に挿入されて配置されると、ガイドワイヤをスリット122または開口126を通して摺動することによりガイドワイヤは取り外される。医師が遭遇する形状に応じて、必要によりガイドワイヤをスリット122に沿った幾つかの点で第二の管腔124の外へ出すこともできる。
【0031】
本発明の装置及び方法において本発明の精神を逸脱することなく様々な修正と変更ができることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明は特許請求の範囲内で本発明の修正と変更を包含するものである。
【符号の説明】
【0032】
10 アクセスポート
12 カテーテル
14 目標領域
16 アクセス隔壁
17 リザーバ
18 縫合部位
20 第二の隔壁
21 ガイドワイヤ
26 ニードル
28 出口チューブ
【技術分野】
【0001】
本発明は取付け式のカテーテルを有するインプラント可能なアクセスポート組立体に関する。さらに本発明はガイドワイヤ用の入口領域を有するユニットとしてガイドワイヤを使用して患者に挿入され、取付け式のカテーテルと共に使用できるアクセスポートに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルに接続されるアクセスポートは流体を患者内の奥に離れた領域に簡単に投入したりその領域から抽出したりできるように、簡単にアクセス可能な領域を提供するために使用される。アクセスポートおよびカテーテルを配置するために、カテーテルが静脈、動脈、既存の管腔、敢えて形成した管腔、または患者内の別の位置に差し込まれる。まず、カテーテルを患者内で位置決めしやすくするためにガイドワイヤが使用される。カテーテルを配置するのにガイドワイヤを使用するかどうかはカテーテルの特徴、アクセス地点における患者の解剖学上の組織構造、カテーテルの通路の狭窄具合等により決定される。カテーテルの配置を補助するのにガイドワイヤを使用する場合、ガイドワイヤはまず患者に挿入されて意図した位置まで進められる。ガイドワイヤが所定の位置に配置されると、カテーテルがガイドワイヤに通され、ガイドワイヤ上の所望の位置に配置され、次いでガイドワイヤが抜き取られ、次いでアクセスポートがカテーテルに取付けられて、アクセス領域で患者内の”外科的ポケット”に挿入される。しかしながら、患者への挿入中においては、カテーテルおよびアクセスポートはその性質上滑りやすいのでカテーテルにアクセスポートを取付けることは困難である。さらに、カテーテルの末端部が特定の位置に配置され、且つカテーテルの基端部が外科ポケット内へカテーテルとアクセスポートとを最適に配置できる長さに切断されているので、医師はカテーテルを十分に取り扱うことができない。したがって、医師はカテーテルにアクセスポートを取付けている時、カテーテルの取り扱いに注意を払わなければならない。
【0003】
さらに、これに関連して、インプラントが終わった後にカテーテルがアクセスポートから外れてしまい、これにより流体が意図した位置に到達しなくなってしまうことがある。また、カテーテルを配置するのにガイドワイヤを必要とする場合にはアクセスポートとカテーテルとを一体にしたものを使用することができなかった。なぜなら、カテーテル・アクセスポートの基端が閉じており、このためカテーテルが所定の位置に配置された時にガイドワイヤを引き抜くことが妨げられてしまうからである。使用されるアクセスポートは大抵、特許文献1に示されているように固いボディで作製される。アクセスポートはチタン、アセタル樹脂、ポリスルホン等のような材料で形成され、経皮的にアクセスすることができる自己シール式のシリコーンアクセス隔壁を有し、流体をアクセスポートのリザーバに注入したりリザーバから抜き取ったりするためにシリコーンアクセス隔壁を介してニードルが挿入される。このとき、まずアクセス領域で皮膚を触診することによりアクセスポートの位置を捜し出さなければならない。固いボディのアクセスポートを触診により探し出すのは容易であるが、固いボディにより組織の圧縮、それを覆っている層の侵食、不快感等の障害をまねく恐れがある。アクセス隔壁はアクセスポートの大きさに対して小さい。アクセス隔壁が小さければ小さいほど、より小さい領域に非常に集中してニードルを穿刺することになり、これにより患者が苦痛を感じ、アクセスポートを覆う組織の壊死をまねいてしまうことになる。さらに、アクセス隔壁が小さければ小さいほど、隔壁にアクセスしようとする時に隔壁の”目標”からさらに頻繁にそれてしまう。
【0004】
公知の一つの柔らかいアクセスポートはシリコーンで形成され、このシリコーンはその外形を維持するのを補助するためのワイヤメッシュ支持部周りに形成される。この構成の一つの問題はワイヤメッシュがガイドワイヤの挿入に干渉することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,613,945号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、本発明は関連技術における制限および不利益による実質的に一つ以上の問題を未然に防ぐ取付け式のカテーテルを備えたアクセスポートに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的に従ってこれら利点および別の利点を達成するために、本発明は例示的であって概略的に記載すると、自己シール式のアクセス隔壁およびリザーバを備える中央本体部分と、カテーテルを中央本体に固定されるように取付けるための出口と、ガイドワイヤまたはスタイレットをリザーバおよびカテーテルに挿入するために中央本体に配置される第二の隔壁であるような自己シール式の領域とを有するアクセスポート装置を有する。
【0008】
一つの好適な実施例によれば、本発明は自己シール式のアクセス隔壁と、アクセスポートに一体的に取付けられるカテーテルと、体内でカテーテルを案内するためにガイドワイヤまたはスタイレットを受容するように形成された一つ以上の管腔とを有するアクセスポート組立体を有する。
【0009】
本発明の別の実施例によれば、本発明はアクセスポート本体を有する柔らかいアクセスポートと、リザーバの底部に配置されたニードル停止部とをさらに有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】公知のアクセスポートと取付け式のカテーテルとを示す。
【図2】本発明の第一の実施例のアクセスポートの平面図である。
【図3】図1のアクセスポートの後面図である。
【図4】図1のアクセスポートの断面図である。
【図5】図1のアクセスポートの断面図である。
【図6】図2のアクセスポートの別の断面図であり、ニードルおよびガイドワイヤがアクセスポートを通ってカテーテルに挿入されている。
【図7】本発明の第二の実施例のアクセスポートの平面図である。
【図8】図7のアクセスポートの後面図である。
【図9】図7のアクセスポートの分解組立図である。
【図10】本発明の第三の実施例のアクセスポートの断面図である。
【図11】図10のアクセスポートの部分的に切断された後面図である。
【図12】本発明の第四の実施例のアクセスポートの断面図である。
【図13】図12のアクセスポートの部分的に切断された後面図のである。
【図14】図12のアクセスポートの断面図である。
【図15】本発明の第五の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図16】図15のカテーテルの断面図である。
【図17】本発明の第六の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図18】図17のカテーテルの断面図である。
【図19】図17のカテーテルの一部の底面図である。
【図20】本発明の第七の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図21】図20のカテーテルの断面図である。
【図22】図20のカテーテルの一部の底面図である。
【図23】本発明の第八の実施例のアクセスポートとカテーテルとの側面図である。
【図24】図23のアクセスポートの後面図である。
【図25】本発明の第九の実施例のアクセスポートとカテーテルとの断面図である。
【図26】図25のアクセスポートの底面図である。
【図27】図25のアクセスポートの横断面図であり、底部プレートが取り外され、ガイドワイヤまたはスタイレットが挿入される。
【図28】本発明の第十の実施例のアクセスポートとカテーテルとの横断面図である。
【図29】図28のアクセスポートの後面図である。
【図30】本発明の第十一の実施例のアクセスポートとカテーテルとの横断面図である。
【図31】図30のアクセスポートの後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、また本発明の幾つかの実施例を示しており、明細書の説明と共に本発明の原理を説明するのに使用するものである。
【0012】
本発明の別の特徴や利点を以下に説明するが、その一部は以下の説明から明らかであり、或いは本発明の慣例から理解することもできる。本発明のこれら特徴または他の利点は以下の説明と特許請求の範囲と添付の図面とに特に示したアクセスポートおよび/またはカテーテルにより実現され、得られる。
【0013】
本発明の実施例と添付の図面に示した例とを詳細に参照する。可能なところには、図を通して同一部分または類似部分を参照するのに同様な参照番号を使用した。開示した実施例は本発明を例示するためのみのものであり、様々な形態で実施してもよい。したがって、ここに開示する詳細は限定として説明するものではなく、特許請求の範囲の基礎として、そして本発明を製造および/または使用する方法を当業者に教示する基礎としてのみ説明するものである。
【0014】
本発明は従来のアクセスポートおよびアクセスポート・カテーテル組立体の改良である。本発明の一つの実施例は取付け式のカテーテルを備えたアクセスポートを有し、このアクセスポートはアクセスポートを患者内のポケットに挿入する前にカテーテルの設置を補助するためにガイドワイヤまたはスタイレットをカテーテルを通して挿入されることができるようになっている。本発明の別の実施例はカテーテルを取付けられたアクセスポートと、ガイドワイヤまたはスタイレットをアクセスポートに挿入し、或いは取付けられたカテーテルにアクセスポートを介して挿入するためのアクセスポート内の自己シール式の第二の隔壁とを有する。
【0015】
図2から図6に本発明の取付け式のカテーテル12を備えるアクセスポート10の第一の実施例を示す。図2に頂部から見たアクセスポート10を示し、アクセスポート10はニードル(図示せず)を自己シール式のアクセス隔壁16(図4参照)に挿入するための目標領域14を有する。アクセスポート10は患者内での長い滞留時間に耐えられる様々な材料で形成される。これら材料にはチタン、アセタール樹脂、ポリスルホンを含むが、これらに限定されない。アクセスポート10はこのアクセスポート10を患者の外科ポケット(図示せず)内に固定するための複数の縫合部位18を有する。好ましくは、複数の縫合部位18は、組織の増殖を最小化し、簡単に取り外せるように縫合部位18を固形シリコーンで補強するように設計される。アクセス隔壁16の下方にリザーバ17が位置し、アクセス隔壁16を通ってリザーバ17内にニードル(図示せず)が挿入され、流体をリザーバ17に注入したりリザーバ17から抽出したりできるようになる。アクセスポート10の後側には自己シール式の第二の隔壁20が設けられ、この第二の隔壁20によりガイドワイヤ21(図6参照)を図6に示したようにアクセスポート10に挿入し、リザーバ17を通し、アクセスポート10の出口24から出し、そしてカテーテル12に入れることができるようになる。自己シール式の第二の隔壁20を通してガイドワイヤを容易に挿入するために、適切な大きさの隔壁を非切除型のニードル26が第二の隔壁20を通る通路を作るのに使用される。第二の隔壁20を通る入口を作り出すのに、第二の隔壁20を通って押し込まれる特別に形成されたカニューレや十分な剛性を有するガイドワイヤのような別の手段を使用することも可能である。
【0016】
カテーテル12は出口チューブ28でアクセスポート本体10に固定されるように取付けられる。カテーテル12とアクセスポート10の出口チューブ28との接続は漏れがなく、且つアクセスポート10が簡単にカテーテル12から外れてしまうことがないように固定されるようになっている。カテーテル12はカテーテル12を出口チューブ28に接着したり、カテーテル12をアクセスポート本体10と一体的に形成したり、またはネジコネクタ、引くと作動するコネクタ、”干渉鉤り”コネクタのようなコネクタ、或いは別のタイプのコネクタを使用することによりアクセスポート10に取付けられてもよい。加えて、図示していないが、カテーテル12はアクセスポート10に近接して厚壁部分を有してもよいし、出口チューブ28でカテーテルのよじれを防止するように補強されてもよい。カテーテルの補強はカテーテル壁内の補強組み紐、可変デュロメータカテーテル、接続部において応力を解放することができるカテーテル等を含むが、これらに限定されない。厚壁のカテーテルが使用された時は、カテーテル12はアクセスポート10から下流に行くに従って、通常のカテーテル壁の厚さに対して徐々に細くなっていてもよい。
【0017】
アクセスポート10およびカテーテル12の挿入は以下のようにして行われる。例えばセルディンガー法(Seldinger method)を用いる他のカテーテルの挿入と同様にして患者の血管にカテーテルを挿入する。次いで、計測用ガイドワイヤ(図示せず)を例えば心臓の上大静脈のような所望の終端地点まで進める。挿入地点から上大静脈のような所望の地点までの距離を決定し、カテーテル12を対応する長さに切り取る。カテーテルは例えばアクセスポートの接続部の種類に応じて両端部で切り取られる。アクセスポート10を受容するために、皮膚下の入口地点にポケットを形成する。図6に示したように、例えばニードル26を使用して自己シール式の第二の隔壁20を介してアクセスポート本体へアクセスし、ガイドワイヤ21を非切除型のニードル26を介してリザーバ17内へ挿入し、さらに出口を介してカテーテル12内へ挿入する。そしてアクセスポート・カテーテル組立体をガイドワイヤ21上で滑らせつつ、ガイドワイヤ21の末端部を患者に挿入し、所望の位置(例えば上大静脈)まで進める。そして、カテーテル12の先端がガイドワイヤ21に沿って所望の位置に配置されるまでカテーテル・アクセスポート組立体12、10をガイドワイヤ21上で進める。次いで、ガイドワイヤ21と非切除型のニードル26とを自己シール式の第二の隔壁20から取り外す。アクセスポート10のリザーバ17に非切除型のニードル(図示せず)によりアクセス隔壁16を介してアクセスし、適切な機能を確実にするためにリザーバ17を洗浄する。縫合領域18を使用してアクセスポート10を所定の位置に縫合する。次いで、ポケットを形成するために使用した切開口を閉じ、アクセスポート10を隠す。なお、ガイドワイヤ21を患者に挿入し、次いでアクセスポート・カテーテル組立体をカテーテル上で摺動させてもよい。
【0018】
本発明の第二の実施例を図7〜図9に示す。これら図に示したように、アクセスポート40は上方本体42と、目標領域44と、複数の縫合領域48と、孔46とを有し、この孔46は第一の実施例のようにニードル(図示せず)とガイドワイヤ(図示せず)とをアクセスポート40内に挿入し、ガイドワイヤをアクセスポート40を介してカテーテル12内に挿入するための孔である。図9に示したように、アクセスポート40は三つの部分、すなわち上方本体42と、下方本体50と、自己シール式のアクセス隔壁52とから形成される。自己シール式のアクセス隔壁52は好ましくは上方本体42にぴったりと嵌まり、アクセス隔壁52と下方本体50との間にリザーバ領域54を形成する。第一の実施例のように、カテーテル12は出口ポート56で下方本体50に取付けられる。図示していないが、第一の実施例で説明したように剛性を有するガイドワイヤまたは非切除型のニードルを上方本体42の孔46(図8)に挿入し、自己シール式のアクセス隔壁52を通し、これによりアクセスポート40内と出口ポート56とを介したカテーテル12へのガイドワイヤ(図示せず)のための通路が提供される。第一の実施例のように、アクセスポート本体42および50はアセタール樹脂、チタンまたはポリスルホンのような比較的硬いまたは固い生体適合性材料で作られる。アクセスポート40はアクセスポート10に関して上述した方法と同様な方法で患者内へ挿入される。
【0019】
本発明の第三の実施例を図10および図11に示す。この第三の実施例のアクセスポート60は柔らかいポートであり、例えば自己シールという特徴と長期滞留という特徴とを提供するシリコーンまたは別の適切な材料で形成される。アクセスポート60は概して図2〜図7に示した第一の実施例のような形状であり、流体をリザーバ領域64に注入し、或いは流体をリザーバ領域64から抜き取るためにニードルを挿入する目標領域62を有する。さらに、アクセスポート60は固いインサート66を有し、このインサート66はリザーバ領域64の下方とその周りに延在し、開いた状態のガイドワイヤアクセス孔68を有し、浅皿またはトレイを形成する側部を有する。固いインサート66をチタンまたは他の固い材料で作ることにより、ニードルがリザーバ領域64に到達し、流体を必要なだけ注入したり取り出したりできること(ニードルストップ)をニードルをアクセスポート60に挿入している人が認識することできる。アクセスポート60のような柔らかいアクセスポートの利点は、ニードルが固いニードルストップ66に当ったときに人がニードルの先端がリザーバ内にあることを認識することである。固いアクセスポートでは、ニードルがアクセスシステムからそれてしまう可能性や、出くわした固い面が固いアクセスポートの外面である可能性がある。したがって、柔らかいアクセスポートによればリザーバ64の位置を捜し出すことに関する不確実さが取り除かれる。
【0020】
部分断面図11に示したように、固いインサート66は本発明の最初の二つの実施例のように、ガイドワイヤをカテーテル12内に挿入するのを補助するためにニードルおよび/またはガイドワイヤへアクセスできるようにする孔68を有する。出口領域70はガイドワイヤをカテーテル12に案内する形状である。図示していないが、固いインサート66は出口24の下方で止まっていてもよい。
孔68の位置を表示するために円形の盛り上がり領域、複数同心円または別の構成をアクセスポート60の背後側に作ってもよい。或いは、ガイドワイヤおよび/またはニードルを予め挿入しておき、それにより医師が孔68または出口24からそらしてしまう可能性を減少させてもよい。
【0021】
図23および図24は隔壁133を通ってアクセスする角度が大きくなるように、柔らかいアクセスポート60の固いインサート130が傾斜側部131および132を有する本発明の実施例を示す。上述した第三の実施例のように、固いインサート130は皿またはトレイを形成するように側部を有し、インサート130の後面131にはガイドワイヤまたはニードルの適切な心合わせを容易にするために孔135および目標表示部(図示せず)が提供される。
【0022】
アクセスポート60をガイドワイヤアクセス孔68と取付け済のカテーテル12と共に使用する必要はなく、取外し可能なカテーテルと出口72におけるカテーテルコネクタ(図示せず)と共に使用してもよく、これによりアクセス孔68の必要性がなくなる。他のタイプのアクセスポートを使用するのに対して固いインサートを有する柔らかいアクセスポート60を使用する一つの利点はニードルが固いインサートに接触した時にニードルが上述したリザーバ領域64内にあるかという疑問がほとんどなくなることにある。さらに、柔らかい本体部分により皮下組織の圧縮が減少し、この層の侵食が減少する。
【0023】
本発明の第四の実施例を図12および図13に示す。アクセスポート80は図10および図11に示した実施例とほぼ同様である。しかしながら、リザーバ領域83の後側において固いインサート82が上方にあまり延びておらず、或いは図11に示した自己シール式のアクセス孔68を有していない。したがってむしろ、ガイドワイヤを備えたニードルまたは固いガイドワイヤを図14に示したように領域84のどこにでも挿入することができる。挿入されたニードル・ガイドワイヤは図13に示した尖鋭領域86により概してカテーテル12に向けられ、カテーテル12の管腔へと案内される。或いは、ニードル・ガイドワイヤを挿入するのに適切な領域を表示するために尖鋭領域86の反対側のアクセスポート80の背後側で複数同心円または他のマークを使用してもよい。このようなマークはリザーバ83の背後側で固い本体82の高さを表示するために、アクセスポート80の背後側に沿った平行なラインであってもよい。
【0024】
ガイドワイヤをアクセスポートおよびカテーテルと共に使用することができる本発明の別の実施例を図15〜図22に示す。上述したように、従来技術ではまずガイドワイヤを患者に挿入し、次いでガイドワイヤ上でカテーテルを滑動させてカテーテルを配置し、そしてアクセスポートをカテーテルに取付ける前にガイドワイヤを取り外していた。本発明の上述した実施例では、ガイドワイヤはアクセスポートがすでに所定位置に取付けられた状態で図15〜図22に示したカテーテルの管腔に直接挿入され、次いでカテーテルが所定の位置に配置されると同じ方法で引き抜かれる。本実施例では、カテーテルの管腔に直接ガイドワイヤが通されることにより、ガイドワイヤがアクセスポートを通って組立体に入らないので如何なるアクセスポートをもカテーテルに取付けることができる。
【0025】
本発明の実施例を図25〜図27に示す。この実施例では柔らかい隔壁141を有するアクセスポート140がリザーバ144に開放状態でアクセスすることができるように取外し可能なパネル143を備える。図27に示したように、アクセスポート140の底部からパネル143を取外すことによりリザーバ144が開かれ、これによりガイドワイヤ145をリザーバ144を介して開口147内に挿入し、そしてカテーテル12の管腔内に挿入することができるようになる。
【0026】
図28〜図31に本発明の更なる実施例を示す。この実施例ではアクセスポート150は固い本体158に配置された柔らかい隔壁152を有し、アクセスポート150のリザーバ151へは通路153を通ってアクセスすることができ、この通路153はアクセスポートの後方側部156で孔155内にネジボルト54をねじ込むことにより閉じられる。ネジボルト154を取外すことにより、ガイドワイヤまたはスタイレット(図示せず)をリザーバ151を介してカテーテル12内に直線的に挿入することができるようになる。図30および図31は孔155内で溝付きの止めネジまたはプラグ157の別の使用例を示す。
【0027】
図15〜図16に示したように、カテーテル100はアクセスポート102に固定されるように取付けられ、カテーテル100の下方に配置された切頭管腔104を有する。図15〜図16では切頭管腔104をカテーテル100の下方に示したが、カテーテル100の周囲であれば、側方であれ頂部であれ、どこに配置してもよい。先の実施例のように計測ワイヤまたはガイドワイヤを使用して挿入地点から例えば上大静脈のような配置地点までの正確な長さを決定し、カテーテル100がその長さに切断される。カテーテル100を適切な長さに切断した後、ガイドワイヤが開口106を介して切頭開口管腔104内に挿入される。次いで、ガイドワイヤ(図示せず)は挿入地点で患者に挿入され、患者内の所望の位置まで進められる。アクセスポート102とカテーテル100とはガイドワイヤ上をガイドワイヤに沿って滑動し、上述したように患者に挿入される。同様に、初めにガイドワイヤを患者に挿入し、そして挿入されたガイドワイヤを介してカテーテルを滑動せしめてもよい。使用形態および使用位置に応じて、管腔104の長さを非常に短い状態からカテーテルの全長までの間で変えてもよい。管腔104の長さをカテーテル100の長さより短くする場合には、カテーテルに沿った管腔104の位置を切断の種類や挿入の方法等に応じて変えることもできる。
【0028】
図17〜図19にアクセスポート102に取付けられた(再度繰り返すが如何なるアクセスポートでも受容できる)別の多管腔のカテーテル110を示す。先の実施例のような切頭開口管腔104ではなく、多管腔カテーテル110はガイドワイヤ(図示せず)が第二の管腔114内にアクセスできるようにするための削除部分112を有する。アクセスポート102とカテーテル110との結合体は上述した先の実施例とほぼ同様な方法で患者に挿入されて固定される。削除部分112または開口はカテーテルの長さに沿ってアクセスポート102とカテーテルの末端部との間のどこに配置されてもよい。さらに、第二の管腔114はカテーテル110の周囲ならどこに配置されてもよい。
【0029】
アクセスポート・カテーテル組立体を挿入するための別の方法ではあるが関連した方法では管腔を一つだけ有するカテーテルでガイドワイヤを使用する。ガイドワイヤは第二の管腔を有するカテーテルではなくではなく、管腔を一つだけ有するカテーテルの側壁に挿入される。好ましくは、カテーテルを再シール可能な材料から作れば、(ニードルの有無に関わらず)ガイドワイヤをカテーテルの長さに沿った如何なる位置にも挿入することができ、さらにこのガイドワイヤを実質的に漏れなしで抜き取ることができる。或いは、カテーテルはガイドワイヤを再シールすることができる解放可能な予め定められた領域、帯域、または部分を有してもよい。ガイドワイヤがカテーテルに挿入された後、ガイドワイヤが所望の位置まで進められ、カテーテルが同じ位置までガイドワイヤ上を進められる。挿入地点がアクセスポートに近接していれば、医師はガイドワイヤ・ニードルが抜き取られた後にカテーテルを確実に再シールすることができる。一方、ガイドワイヤ用のアクセス地点がカテーテルの末端部に近接していれば、孔が目標領域に近いのでカテーテルの再シール特性は重要ではなくなる。
【0030】
アクセスポート102とカテーテル120とを有する本発明の別の実施例を図20〜図22に示す。それぞれ図15および図17に示した先の二つの実施例の切頭開口管腔104または削除部分112を備える多管腔カテーテル110ではなく、本実施例では第二の管腔124にカテーテル120の下方に沿って狭いスリット122が設けられる。なお、スリット122はカテーテル120周りのどこに配置されてもよい。スリット122の側部は第二の管腔124からガイドワイヤが滑り抜けるのを防止するように互いに近接している。幾つかの例では、スリット122の弾性側部はスリットを閉じるために実際に接触していてもよい。医師はガイドワイヤ(図示せず)を幾つかの方法の中の一つの方法で挿入することができる。第一の方法では、医師はカテーテル120の適切な長さを決定した後で、カテーテル120の末端部のところでガイドワイヤを挿入し、ガイドワイヤが開口126のところでカテーテル120から出るまでガイドワイヤを第二の管腔124に送り続ける。或いは、医師はガイドワイヤをスリット122を介して適切に切断されたカテーテル120の全長に沿って第二の管腔124に押し込んでもよい。カテーテルが患者に挿入されて配置されると、ガイドワイヤをスリット122または開口126を通して摺動することによりガイドワイヤは取り外される。医師が遭遇する形状に応じて、必要によりガイドワイヤをスリット122に沿った幾つかの点で第二の管腔124の外へ出すこともできる。
【0031】
本発明の装置及び方法において本発明の精神を逸脱することなく様々な修正と変更ができることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明は特許請求の範囲内で本発明の修正と変更を包含するものである。
【符号の説明】
【0032】
10 アクセスポート
12 カテーテル
14 目標領域
16 アクセス隔壁
17 リザーバ
18 縫合部位
20 第二の隔壁
21 ガイドワイヤ
26 ニードル
28 出口チューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体的なアクセスポート組立体であって、
自己シール式の隔壁を有するアクセスポートと取付け式のカテーテルとを具備し、
当該アクセスポート組立体は該アクセスポート組立体内に配置される一つ以上のシール可能な入口領域を有し、該入口領域の少なくとも一つはガイドワイヤまたはスタイレットを受容し、且つ引き抜き、さらにガイドワイヤまたはスタイレットをカテーテルに向けるのに適するガイドワイヤ入口領域を具備し、これによりカテーテルの設置が容易になるアクセスポート組立体。
【請求項2】
前記ガイドワイヤ入口領域は前記自己シール式の隔壁の一部である請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項3】
前記アクセスポートはカテーテルの第一の管腔と流体的に接続されたリザーバを有する請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項4】
前記ガイドワイヤ入口領域は前記アクセスポートの第二の自己シール式の隔壁である請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項5】
前記ガイドワイヤ入口領域は前記アクセスポートの予め定められた領域である請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項6】
前記ガイドワイヤ入口領域はカテーテルに配置される請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項7】
前記カテーテルは該カテーテルの一部に沿って延びる第二の管腔を有し、前記ガイドワイヤ入口領域は該第二の管腔への開口を具備する請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項8】
前記開口は前記取付けられたアクセスポートとカテーテルの末端部との中間にある請求項7に記載のアクセスポート組立体。
【請求項9】
前記カテーテルは前記アクセスポートに近接して被補強部分を有する請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項10】
上方本体と、該上方本体に取付け可能な下方本体と、前記上方本体と前記下方本体との間の自己シール式の隔壁とを有する本体部分と、
カテーテルを前記本体部分に固定されるように取付けるための出口と、
ガイドワイヤを前記隔壁を通して前記出口に挿入するために前記上方本体に配置されたガイドワイヤ入口領域とを具備するアクセスポート装置。
【請求項11】
前記下方本体にリザーバが形成され、カテーテルが前記出口を介して該リザーバと流体的に接続される請求項10に記載のアクセスポート。
【請求項12】
前記上方本体は前記ガイドワイヤ入口領域に加えて前記上方本体に配置されたアクセス領域を有する請求項10に記載のアクセスポート。
【請求項13】
リザーバを有する本体を具備し、該リザーバは前記本体の頂部に配置された自己シール式の第一の隔壁を有し、
前記リザーバに流体的に接続するようにカテーテルを前記本体に固定されるように取付けるための出口と、
ガイドワイヤを前記リザーバを通して前記出口に挿入するために前記本体に配置された自己シール式の第二の隔壁とを具備するアクセスポート装置。
【請求項14】
前記出口は該出口を通る軸線を有し、前記第二の隔壁は前記出口軸線に沿って前記出口の反対側に配置される請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項15】
前記カテーテルは前記アクセスポートに近接して被補強部分を有する請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項16】
自己シール式のアクセス隔壁を有するアクセスポートと、
該アクセスポートに固定するように取付け可能なカテーテルとを具備し、前記カテーテルは前記アクセスポートに取付けられた時に前記アクセスポートと流体的に接続される第一の管腔と第二の管腔とを有し、該第二の管腔が該第二の管腔内にガイドワイヤを受容するのに適する入口領域を有するアクセスポート組立体。
【請求項17】
前記入口領域は前記アクセスポートとカテーテルの末端部との間の開口である請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項18】
前記カテーテルは前記アクセスポートに近接して被補強部分を有する請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項19】
前記入口領域はカテーテル内のスリットであり、該スリットは実質的にカテーテルの長さ方向に延びる請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項20】
前記スリットは前記ガイドワイヤより幅が狭い請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項21】
リザーバを有するアクセスポート本体と、
前記アクセスポート本体をカテーテルに接続するために前記リザーバと流体的に接続される出口と、
前記リザーバの底部に配置された固いインサートとを具備するアクセスポート。
【請求項22】
前記固いインサートは前記出口へと延びる請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項23】
前記リザーバは周面を有し、前記固いインサートは該周面周りへと上方に延びる請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項24】
前記固いインサートは上方への延長部分にガイドワイヤを通すことができるような開口を有する請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項25】
前記固いインサートは前記出口付近に尖鋭領域を有する請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項26】
カテーテルに固定するように取付けられるアクセスポートを具備するアクセスポート組立体を患者内に挿入する方法であって、
アクセスポート組立体の入口領域にガイドワイヤを挿入して、該ガイドワイヤをカテーテルに通すよう向ける工程と、
ガイドワイヤを患者に挿入する工程と、
アクセスポート組立体を挿入されたガイドワイヤ上で操作し、カテーテルの末端部を患者の所望の位置に配置する工程と、
前記入口領域を通ってアクセスポート組立体および患者からガイドワイヤを取り外す工程と、
患者内にアクセスポート組立体を固定する工程とを具備する方法。
【請求項27】
前記ガイドワイヤ入口領域はカテーテル内にある請求項26に記載の方法。
【請求項28】
実質的に貫通可能な自己シール式の材料から作られる本体と、該本体内に配置されたリザーバに流体的に接続されるようにカテーテルを固定されるように取付けるための出口とを有し、前記リザーバは少なくともその底部に沿って配置された固いインサートを有するアクセスポート。
【請求項29】
前記固いインサートは前記カテーテル用出口を収容する前記リザーバの側と、前記カテーテル用出口の反対側の前記リザーバの側とで上方に延びる請求項28に記載のアクセスポート。
【請求項30】
前記固いインサートは前記リザーバの全ての側部で上方に延び、トレイ形を形成する請求項28に記載のアクセスポート。
【請求項31】
前記カテーテル用出口の反対側で延びる前記固いインサートの前記側部はその中にシール可能なアクセスホールを有する請求項29に記載のアクセスポート。
【請求項32】
前記カテーテル用出口の反対側で延びる前記固いインサートの前記側部はその中にシール可能なアクセスホールを有する請求項30に記載のアクセスポート。
【請求項33】
前記インサートの前記側部延長部分は下方に向かって内側に傾いており、前記カテーテル用出口の反対の前記側部延長部分はシール可能なアクセス孔を有する請求項29に記載のアクセスポート。
【請求項34】
前記インサートの前記側部延長部分は下方に向かって内側に傾いており、前記カテーテル用出口の反対の前記側部延長部分はシール可能なアクセス孔を有する請求項30に記載のアクセスポート。
【請求項35】
固くて貫通可能でない材料から形成される本体を有し、該本体は当該本体に配置されたリザーバに流体的に接続されるカテーテルを固く取付けるための出口を有し、前記本体はその上方部分に配置された貫通可能な自己シール式の隔壁と、前記リザーバにアクセスするために底部に配置された取外し可能なアクセスパネルとを有するアクセスポート。
【請求項36】
固くて貫通可能でない材料から形成される本体を有し、該本体は当該本体に配置されたリザーバに流体的に接続されるカテーテルを固く取付けるための出口を有し、前記本体はその上方部分に配置された貫通可能な自己シール式の隔壁を有し、且つ前記リザーバへの外側の入口を提供するために前記カテーテル用出口の反対側に且つ実質的にこれと整列した閉鎖可能なポートを前記本体に有するアクセスポート。
【請求項37】
前記ポートはネジ状のボルトまたはネジで閉じられる請求項36に記載のアクセスポート。
【請求項1】
一体的なアクセスポート組立体であって、
自己シール式の隔壁を有するアクセスポートと取付け式のカテーテルとを具備し、
当該アクセスポート組立体は該アクセスポート組立体内に配置される一つ以上のシール可能な入口領域を有し、該入口領域の少なくとも一つはガイドワイヤまたはスタイレットを受容し、且つ引き抜き、さらにガイドワイヤまたはスタイレットをカテーテルに向けるのに適するガイドワイヤ入口領域を具備し、これによりカテーテルの設置が容易になるアクセスポート組立体。
【請求項2】
前記ガイドワイヤ入口領域は前記自己シール式の隔壁の一部である請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項3】
前記アクセスポートはカテーテルの第一の管腔と流体的に接続されたリザーバを有する請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項4】
前記ガイドワイヤ入口領域は前記アクセスポートの第二の自己シール式の隔壁である請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項5】
前記ガイドワイヤ入口領域は前記アクセスポートの予め定められた領域である請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項6】
前記ガイドワイヤ入口領域はカテーテルに配置される請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項7】
前記カテーテルは該カテーテルの一部に沿って延びる第二の管腔を有し、前記ガイドワイヤ入口領域は該第二の管腔への開口を具備する請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項8】
前記開口は前記取付けられたアクセスポートとカテーテルの末端部との中間にある請求項7に記載のアクセスポート組立体。
【請求項9】
前記カテーテルは前記アクセスポートに近接して被補強部分を有する請求項1に記載のアクセスポート組立体。
【請求項10】
上方本体と、該上方本体に取付け可能な下方本体と、前記上方本体と前記下方本体との間の自己シール式の隔壁とを有する本体部分と、
カテーテルを前記本体部分に固定されるように取付けるための出口と、
ガイドワイヤを前記隔壁を通して前記出口に挿入するために前記上方本体に配置されたガイドワイヤ入口領域とを具備するアクセスポート装置。
【請求項11】
前記下方本体にリザーバが形成され、カテーテルが前記出口を介して該リザーバと流体的に接続される請求項10に記載のアクセスポート。
【請求項12】
前記上方本体は前記ガイドワイヤ入口領域に加えて前記上方本体に配置されたアクセス領域を有する請求項10に記載のアクセスポート。
【請求項13】
リザーバを有する本体を具備し、該リザーバは前記本体の頂部に配置された自己シール式の第一の隔壁を有し、
前記リザーバに流体的に接続するようにカテーテルを前記本体に固定されるように取付けるための出口と、
ガイドワイヤを前記リザーバを通して前記出口に挿入するために前記本体に配置された自己シール式の第二の隔壁とを具備するアクセスポート装置。
【請求項14】
前記出口は該出口を通る軸線を有し、前記第二の隔壁は前記出口軸線に沿って前記出口の反対側に配置される請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項15】
前記カテーテルは前記アクセスポートに近接して被補強部分を有する請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項16】
自己シール式のアクセス隔壁を有するアクセスポートと、
該アクセスポートに固定するように取付け可能なカテーテルとを具備し、前記カテーテルは前記アクセスポートに取付けられた時に前記アクセスポートと流体的に接続される第一の管腔と第二の管腔とを有し、該第二の管腔が該第二の管腔内にガイドワイヤを受容するのに適する入口領域を有するアクセスポート組立体。
【請求項17】
前記入口領域は前記アクセスポートとカテーテルの末端部との間の開口である請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項18】
前記カテーテルは前記アクセスポートに近接して被補強部分を有する請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項19】
前記入口領域はカテーテル内のスリットであり、該スリットは実質的にカテーテルの長さ方向に延びる請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項20】
前記スリットは前記ガイドワイヤより幅が狭い請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項21】
リザーバを有するアクセスポート本体と、
前記アクセスポート本体をカテーテルに接続するために前記リザーバと流体的に接続される出口と、
前記リザーバの底部に配置された固いインサートとを具備するアクセスポート。
【請求項22】
前記固いインサートは前記出口へと延びる請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項23】
前記リザーバは周面を有し、前記固いインサートは該周面周りへと上方に延びる請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項24】
前記固いインサートは上方への延長部分にガイドワイヤを通すことができるような開口を有する請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項25】
前記固いインサートは前記出口付近に尖鋭領域を有する請求項21に記載のアクセスポート。
【請求項26】
カテーテルに固定するように取付けられるアクセスポートを具備するアクセスポート組立体を患者内に挿入する方法であって、
アクセスポート組立体の入口領域にガイドワイヤを挿入して、該ガイドワイヤをカテーテルに通すよう向ける工程と、
ガイドワイヤを患者に挿入する工程と、
アクセスポート組立体を挿入されたガイドワイヤ上で操作し、カテーテルの末端部を患者の所望の位置に配置する工程と、
前記入口領域を通ってアクセスポート組立体および患者からガイドワイヤを取り外す工程と、
患者内にアクセスポート組立体を固定する工程とを具備する方法。
【請求項27】
前記ガイドワイヤ入口領域はカテーテル内にある請求項26に記載の方法。
【請求項28】
実質的に貫通可能な自己シール式の材料から作られる本体と、該本体内に配置されたリザーバに流体的に接続されるようにカテーテルを固定されるように取付けるための出口とを有し、前記リザーバは少なくともその底部に沿って配置された固いインサートを有するアクセスポート。
【請求項29】
前記固いインサートは前記カテーテル用出口を収容する前記リザーバの側と、前記カテーテル用出口の反対側の前記リザーバの側とで上方に延びる請求項28に記載のアクセスポート。
【請求項30】
前記固いインサートは前記リザーバの全ての側部で上方に延び、トレイ形を形成する請求項28に記載のアクセスポート。
【請求項31】
前記カテーテル用出口の反対側で延びる前記固いインサートの前記側部はその中にシール可能なアクセスホールを有する請求項29に記載のアクセスポート。
【請求項32】
前記カテーテル用出口の反対側で延びる前記固いインサートの前記側部はその中にシール可能なアクセスホールを有する請求項30に記載のアクセスポート。
【請求項33】
前記インサートの前記側部延長部分は下方に向かって内側に傾いており、前記カテーテル用出口の反対の前記側部延長部分はシール可能なアクセス孔を有する請求項29に記載のアクセスポート。
【請求項34】
前記インサートの前記側部延長部分は下方に向かって内側に傾いており、前記カテーテル用出口の反対の前記側部延長部分はシール可能なアクセス孔を有する請求項30に記載のアクセスポート。
【請求項35】
固くて貫通可能でない材料から形成される本体を有し、該本体は当該本体に配置されたリザーバに流体的に接続されるカテーテルを固く取付けるための出口を有し、前記本体はその上方部分に配置された貫通可能な自己シール式の隔壁と、前記リザーバにアクセスするために底部に配置された取外し可能なアクセスパネルとを有するアクセスポート。
【請求項36】
固くて貫通可能でない材料から形成される本体を有し、該本体は当該本体に配置されたリザーバに流体的に接続されるカテーテルを固く取付けるための出口を有し、前記本体はその上方部分に配置された貫通可能な自己シール式の隔壁を有し、且つ前記リザーバへの外側の入口を提供するために前記カテーテル用出口の反対側に且つ実質的にこれと整列した閉鎖可能なポートを前記本体に有するアクセスポート。
【請求項37】
前記ポートはネジ状のボルトまたはネジで閉じられる請求項36に記載のアクセスポート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2012−125598(P2012−125598A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−51776(P2012−51776)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2008−21573(P2008−21573)の分割
【原出願日】平成10年10月1日(1998.10.1)
【出願人】(512060002)ナビリスト メディカル,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2008−21573(P2008−21573)の分割
【原出願日】平成10年10月1日(1998.10.1)
【出願人】(512060002)ナビリスト メディカル,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
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