説明

ガスケット

【課題】 多層コーティング層を有するガスケットにおいて、表示用コーティング層のような剥がれの問題が生じるのを回避できて、内部側のコーティングが行われているか否かを容易に視覚又は触感等で確認できるガスケットを提供する。
【解決手段】 金属基板10に異なる種類の複数のコーティング層20、30を積層したガスケット1であって、表面側のコーティング層30において、内部側のコーティング層20に積層する部分の一部に、該内部側のコーティング層20の有無を確認するための内部層確認用非コーティング部31を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属基板に多重コーティングを行って製造するガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック(シリンダボディ)の接合面をシールする場合に、金属製のシリンダヘッドガスケットを間に挟持して燃焼ガスや冷却水や潤滑オイル等をシールしている。
【0003】
このシリンダヘッドガスケットは、エンジンの軽量化および製造コストの低減等の要請から、多数の金属基板を積層した積層タイプから、一枚や二枚の金属基板で形成する単純な構造のタイプに移行して来ている。そして、このタイプのシリンダヘッドガスケットでは、ガスケットを構成する金属基板が一枚や二枚となり、また、エンジンの軽量化の面から使用可能な材料も制限されてきている。そのため、シール手段の種類、個数も制限され、比較的単純化したシール手段を使用せざるを得なくなってきている。
【0004】
この金属基板の数が少ないガスケットでは、金属基板に塗布するコーティング層の役割が大きくなってきている。その一つに、金属基板の上にプライマを塗布し、その上にトップコートを塗布するガスケットがある。このプライマ塗布層はトップコート塗布層を金属基板に貼り付けるための接着剤の役割を果たし、また、トップコート塗布層は適当な硬度と弾力性を有して適切なシール面圧を発生するという役割を果たす。
【0005】
このガスケットでは、万一、プライマ層が塗布されずにトップコート層のみが塗布された場合には、トップコート層が金属基板への接着が不十分で剥がれやすくなっているため、実際にガスケットを使用した時に、エンジンの不凍液や潤滑油に浸って力が作用すると、適切なシール効果を奏することができない。そのため、このプライマ層の有無の確認は重要な事柄になっている。
【0006】
しかしながら、このプライマ層の有無の差は、外観や硬度では区別がつかず、製造工程で、プライマ層を塗布しない不良品が出たとしても、トップコート層が一旦塗布されてしまうと、その後の検査ではプライマ層の有無の確認が簡単にはできないという問題がある。
【0007】
この問題に対応するために、シリコンゴム、弗素ゴム等の軟質材をコーティングする際に、各コーティング層に対して、重ね塗りをせずに該当するコーティング層のみを塗布する部分、表示用コーティング層をそれぞれ離隔した状態で金属基板に設けて、この部分に塗布層があるか否かを目視や反射型のフォトセンサ等によって確認できるようにしたガスケット表面のコーティング方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
しかしながら、表面積の小さい表示用コーティング層では、コーティング作業中に剥がれてしまう恐れがある。特に、表面側のコーティング層を内部側のコーティング層を接着剤として金属基板に積層する場合には、表面側のコーティング層が金属基板に接着する力が弱いため、表示用コーティング層が他のコーティング層のコーティング作業や他の工程で剥がれてしまう恐れが大きくなる。
【0009】
この表示用コーティング層の剥がれの問題では、2層コーティングの構成では、表面側の第2コーティング層の表示用コーティング層が剥がれても、第2コーティング層が表面となっているので、第2コーティング層の有無を視認できるが、内部側の第1コーティング層の表示用コーティング層が剥がれた場合には、第1コーティング層が第2コーティング層に覆われて見えなくなっているので、第1コーティング層の有無を視認できない。
【0010】
特に、内部側の第1コーティング層を接着剤代わりとし、第2コーティング層を接着し、更に、表面側の第3コーティング層を設ける場合等では、第2コーティング層の表示用コーティング層が剥が易く、一旦剥がれてしまうと、第2コーティング層の有無を視認できなくなる。
【0011】
また、この構成においては、表面積の小さい表示用コーティング層を離隔した状態で設けるため、ある程度の面積が必要になるので、ボア孔や透孔の周縁部のみ等の比較的小面積のコーティング層を塗布する場合にその効果が大きく、各コーティング層がガスケットの金属基板の略全体に塗布される場合には、表示用コーティング層の場所の確保が問題となる。
【0012】
一方、この重ね塗りの内部層の有無の確認の問題ではないが、ビードの凹部内に耐熱性高分子材料をコートする際のコート位置のズレを、コートを行った後に確認するために、コート状態判別用の小孔を金属基板に設けて、この小孔とこの小孔の周囲にコートしたコートのズレから、コートとビードのズレを検出及び確認する金属ガスケットのコート状態判別構造が提案されてる(例えば、特許文献2参照。)。
【0013】
しかしながら、この構成においては、コート状態判別用の小孔はこの小孔の周囲に塗布されたコートとのズレを確認するためのものであり、積層状態を確認するものではなく、位置決め用の印を小孔としたに過ぎない。そのため、積層状態にある内部側のコーティング層の有無を確認することには使用できない。
【特許文献1】特開平8−178074号公報
【特許文献2】特開2002−81544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、多層コーティング層を有するガスケットにおいて、表示用コーティング層のような剥がれの問題が生じるのを回避できて、内部側のコーティングが行われているか否かを容易に視覚又は触感等で確認できるガスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するための本発明に係るガスケットは、金属基板に異なる種類の複数のコーティング層を積層したガスケットであって、表面側のコーティング層において、内部側のコーティング層に積層する部分の一部に、該内部側のコーティング層の有無を確認するための内部層確認用非コーティング部を設けて構成する。
【0016】
この異なる種類のコーティング層とは、材質の違いなどにより、色彩や明度や艶等により、視覚的(あるいは光学的に)に差異を認識できたり、触覚的に差異を認識できたりすることができるコーティング層のことを言い、隣接するコーティングの間で異なっていれば良く、同じコーティング層が別種類のコーティング層を挟んで積層されていてもよい。
【0017】
この内部層確認用非コーティング部は、表面側のコーティング層に設けられた内部側のコーティング層の一部分を覆わない部分であり、内部側のコーティング層の一部を露出させる部分である。この内部層確認用非コーティング部は、表面側のコーティング層を貫通する孔で形成したり、ガスケットを平面的な視野で見た場合に、表面側のコーティング層の端部を内部側のコーティング層の端部の一部分を覆わないようにしたずれ部分で形成したりすることできる。
【0018】
この構成によれば、表面側のコーティング層の全部が、内部側のコーティング層に積層され、接着しているので、剥がれる恐れが無い。そのため、多重コーティング工程を経て製造されるガスケットにおいて、表示用コーティング層のような剥がれの問題が生じるのを回避でき、内部側のコーティングが行われているか否かを、確実且つ容易に視覚又は触感等で確認できる。
【0019】
上記のガスケットにおいて、 前記コーティング層が3層以上の場合に、最も表面側のコーティング層の内部層確認用非コーティング部から、順次内部側に積層されている各コーティング層の一部をそれぞれ確認できるように、最も内側側のコーティング層を除いた各コーティング層の内部層確認用非コーティング部の形状と大きさと位置を設定する。
【0020】
この構成により、3層以上の多層のコーティング層であっても、各コーティング層全部の有無を容易に視覚又は触感等で確認できる。
【0021】
上記のガスケットにおいて、前記内部層確認用非コーティング部を、ガスケットの刻印を打つ場所の近傍に設けて構成する。この構成により、刻印を打つ時に、あるいは、刻印の検査や確認をするときに、見える範囲に内部層確認用非コーティング部があるので、刻印の検査と同時にコーティング層の有無を確認できる。
【0022】
また、この内部層確認用非コーティング部は、表面側のコーティング層が無くても、ガスケットのシール効果等に影響を及ぼさない部分に配置することが好ましい。この面からも、刻印を打つ場所は適した場所となる。
【0023】
また、内部側のコーティング層を露出させるのが好ましくない場合には、表面側のコーティング層とは異なった透明又は半透明のコーティング剤で、内部層確認用非コーティング部を覆い、内部側のコーティング層の露出を回避する。
【発明の効果】
【0024】
本発明のガスケットによれば、多重コーティング工程を経て製造されるガスケットにおいて、表示用コーティング層のような剥がれの問題が生じるのを回避でき、内部側のコーティングが行われているか否かを容易に視覚又は触感等で確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、図面を参照して本発明に係るガスケットの実施の形態について、エンジンで使用されるシリンダヘッドガスケットを例にして説明する。
【0026】
図1〜図6に示す本発明に係る実施の形態のシリンダヘッドガスケット1,1A,1B,1Cは、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック(シリンダボディ)との間に挟持されるメタルガスケットであって、シリンダボアの高温・高圧の燃焼ガス、及び、冷却水通路や冷却オイル通路等の冷却水やオイル等の液体をシールする。
【0027】
なお、図1〜図6は、模式的な説明図であり、金属積層型ガスケット1,1A,1B,1Cの断面における縦横比等を実際のものとは異ならせて、より理解し易いように表示している。
【0028】
先ず、シリンダヘッドガスケットについて説明する。図1に示すように、この実施の形態のシリンダヘッドガスケット1は、一枚の金属基板10で構成される。この金属基板10は、ステンレス焼鈍材(アニール材)や軟鋼板等で形成され、シリンダブロック等のエンジン部材の形状に合わせて製造される。
【0029】
この金属基板10には、シリンダボア用穴2、冷却水用の水穴3、エンジンオイルの循環のためのオイル穴4、締結ボルト用の締結ボルト穴5等が形成される。また、各シリンダボア用穴2の周りに、フルビードで形成されるビード11をシール手段としてそれぞれ設ける。このビード11は各シリンダボア用穴2をそれぞれ一周して設けられる。
【0030】
そして、第1の実施の形態においては、図1及び図2に示すように、シリンダヘッドガスケット1の金属基板10に第1コーティング層20が塗布され、更に、その表面側に第2コーティング層30が塗布される。つまり、金属基板10に異なる種類の複数のコーティング層20、30を積層する。
【0031】
この第1コーティング層20は、プライマ塗布層とも呼ばれ、エポキシ、フェノール、フェノキシ等の材料で、厚みが5μ〜10μ程度になるように積層され、表面ゴム層と金属間の接着的な機能を果たす。
【0032】
また、第2コーティング層30は、トップコート塗布層とも呼ばれ、フッ素、NBR、シリコン等の材料で、厚みが10μ〜20μ程度になるように積層され、エンジンツールマークにフィットしてガスケットのシール性能を高めるという機能を果たす。
【0033】
この第1コーティング層20と第2コーティング層30は、色彩、明度、艶、手触りなどが異なるため、視覚的(光学的)に、また、触感でも区別がつくものである。
【0034】
そして、表面側の第2コーティング層30に、内部側の第1コーティング層20の有無を確認するための内部層確認用非コーティング部31を設けて構成する。この内部層確認用非コーティング部31は、表面側の第2コーティング層30に設けられた内部側の第1コーティング層20の一部分を覆わない部分である。
【0035】
この内部層確認用非コーティング部31は、表面側の第2コーティング層30を貫通する貫通孔(覗き孔)31で形成する。この貫通孔31から内部側の第1コーティング層20の一部分22が覗き見することができるように形成する。通常は、内部層確認用非コーティング部31は、一カ所あれば、その作用効果を奏することができるが、複数個設けてもよい。
【0036】
この内部層確認用非コーティング部31を、ガスケット1の製造番号や製造年月日等の刻印を打つ場所12の近傍に設けると、刻印を打つ時に、あるいは、刻印の検査や確認をする時に、見える範囲に内部層確認用非コーティング部31があるので、刻印の検査と同時に内部側のコーティング層20の有無を確認できるようになる。
【0037】
次に3層以上の場合について、第2の実施の形態として説明する。図3に示すように、このガスケット1Aにおいては、金属基板10に第1コーティング層20Aが塗布され、その表面側に第2コーティング層30Aが塗布され、その表面側に第3コーティング層40Aが塗布される。つまり、金属基板10に異なる種類の複数のコーティング層20A、30A、40Aを積層する。
【0038】
これらの第1〜第3のコーティング層20A、30A、40Aは、色彩、明度、艶、手触りなどが異なるため、視覚的に、また、触感でも区別がつくものである。
【0039】
そして、このガスケット1Aにおいては、中間層の第2コーティング層30Aに、内部側の第1コーティング層20Aの有無を確認するための内部層確認用非コーティング部31Aを設けて構成する。この内部層確認用非コーティング部31Aは、中間層の第2コーティング層30Aに設けられた内部側の第1コーティング層20Aの一部分22Aを覆わない部分であり、中間層の第2コーティング層30Aを貫通する孔31Aで形成する。この貫通孔31Aから内部側の第1コーティング層20Aの一部分22Aが覗き見できるように形成する。
【0040】
この3層積層構造の場合は、更に、表面側の第3コーティング層40Aに、中間層の第2コーティング層30Aの有無を確認するための内部層確認用非コーティング部41Aを設けて構成する。この内部層確認用非コーティング部41Aは、表面側の第3コーティング層40Aに設けられた中間層の第2コーティング層30Aの一部分32Aを覆わない部分であり、表面側の第3コーティング層40Aを貫通する孔41Aで形成する。この貫通孔41Aから中間層の第2コーティング層20Aの一部分32Aと、貫通孔31Aの少なくとも一部分を覗き見ることができるように形成する。また、この貫通孔31Aの少なくとも一部分からは、第1コーティング層20Aの一部分22Aを覗き見ることができるように形成する。
【0041】
つまり、最も表面側のコーティング層40Aの内部層確認用非コーティング部41Aの開口面積(非コーティング面積)を最も広くし、順次内部側になるに従って、コーティング層40A、30Aの内部層確認用非コーティング部41A、31Aの開口面積を順次小さくなるように設ける。また、内部層確認用非コーティング部41A、31Aを同心円で設けると加工が容易となるが、必ずしも、円形とする必要もなく、また、開口面積の中心を一致させる必要もなく、内部側のコーティング層30A,20Aの一部32A,22Aがそれぞれ見えればよい。
【0042】
即ち、コーティング層40A,30A,20Aが3層以上の場合に、最も内側側のコーティング層20Aを除いた各コーティング層40A,30Aの内部層確認用非コーティング部41A,31Aの形状と大きさと位置を、最も表面側のコーティング層40Aの内部層確認用非コーティング部41Aから、順次内部側に積層されている各コーティング層30A,20Aの一部32A,22Aを確認できるように設ける。この構成により、3層以上の多層のコーティング層40A,30A,20Aであっても、内部側の各コーティング層30A,20Aの有無を確実且つ容易に視覚又は触感等で確認できる。
【0043】
また、これらの内部層確認用非コーティング部31A,41Aを、ガスケット1Aの製造番号や製造年月日等の刻印を打つ場所の近傍に設けると、刻印を打つ時に、あるいは、刻印の検査や確認をする時に、見える範囲に、部層確認用非コーティング部31A,41Aがあるので、刻印の検査と同時にコーティング層20A,30Aの有無を確認できるようになる。
【0044】
第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Bについて説明する。図4及び図5に示すように、このシリンダヘッドガスケット1Bにおいては、内部層確認用非コーティング部を第1の実施の形態の貫通孔31で形成する代わりに、表面側の第2コーティング層30Bの端部を内部側の第1コーティング層20Bの端部の一部分22Bを覆わないようにしたずれ部分33Bを設けて形成する。この内部層確認用非コーティング部33Bは、ガスケット1Bの製造番号や製造年月日等の刻印を打つ場所12の近傍に設けることが好ましい。
【0045】
このずれ部分33Bは第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1の貫通孔31と同様な機能を有し、同様な作用効果を奏することができる。
【0046】
第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Cについて説明する。図6に示すように、このシリンダヘッドガスケット1Cにおいては、内部層確認用非コーティング部を第2の実施の形態の貫通孔41A,31Aで形成する代わりに、第2コーティング層30Cの端部を内部側の第1コーティング層20Cの端部の一部分22Cを覆わないようにしたずれ部分33Cを設けて形成する。更に、表面側の第3コーティング層40CBの端部を内部側の第2コーティング層30Cの端部の一部分32Cを覆わないようにしたずれ部分43Cを設けて形成する。それと共に、このずれ部分43Cは、内部側の第1コーティング層20Cの端部の一部分22Cも覆わないように形成される。
【0047】
この第4の実施の形態においても、最も表面側のコーティング層40Cの内部層確認用非コーティング部43Cの非コーティング面積を最も広くし、順次内部側になるに従って、コーティング層40C、30Cの内部層確認用非コーティング部43C、33Cの非コーティング面積を順次小さくなるように設ける。また、内部層確認用非コーティング部43C、33Cは、内部側のコーティング層30C,20Cの一部32C,22Cが全部見えればよい。また、これらの内部層確認用非コーティング部33C,43Cを、ガスケット1Cの製造番号や製造年月日等の刻印を打つ場所の近傍に設けることが好ましい。
【0048】
これらのずれ部分43C,33Cは第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Aの貫通孔41A,31Aと同様な機能を有し、同様な作用効果を奏することができる。
【0049】
上記の第1〜第4の実施の形態のガスケット1(1A;1B;1C)の構成によれば、3層以上の多層のコーティング層であっても、表面側のコーティング層30(40A,30A;30B;40C,30C)は全部が内部側のコーティング層20(30A,20A;20B;30C,20C)に積層されているので、剥がれる恐れが無い。そのため、多重コーティング工程を経て製造されるガスケット1(1A;1B;1C)において、内部側のコーティング層20(30A,20A;20B;30C,20C)の塗布が行われているか否かを容易に視覚又は触感等で確認できる。
【0050】
また、内部層確認用非コーティング部31(31A,41A;33B;33C,43C)を、ガスケット1(1A;1B;1C)の刻印を打つ場所12の近傍に設けると、刻印を打つ時に、あるいは、刻印の検査や確認をする時に、見える範囲に内部層確認用非コーティング部31(31A,41A;33B;33C,43C)があるので、刻印の検査と同時にコーティング層20(30A,20A;20B;30C,20C)の有無を確認できる。
【0051】
なお、上記の実施の形態の説明では、単一の金属基板で形成される単一板金属製シリンダヘッドガスケットを例にして説明したが、本発明は複数枚の金属基板を積層した積層型金属製シリンダヘッドガスケット等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットの一部分を示す平面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の内部層確認用非コーティング部を示す部分断面を含む部分斜視図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の内部層確認用非コーティング部を示す部分断面を含む部分斜視図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケットの一部分を示す平面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施の形態の内部層確認用非コーティング部を示す部分斜視図である。
【図6】本発明に係る第4の実施の形態の内部層確認用非コーティング部を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1,1A,1B,1C シリンダヘッドガスケット
2 シリンダボア用穴
3 水穴
4 オイル穴
5 締結ボルト穴
10,10A,10B,10C 金属基板
11 ビード
12 刻印をする場所
20,20A,20B,20C 第1コーティング層
22,22A,22B,22C 第2コーティング層に覆われない部分
30,30A,30B,30C 第2コーティング層
31,31A 内部層確認用非コーティング部(貫通孔)
32A,32C 第2コーティング層に覆われない部分
33B,33C 内部層確認用非コーティング部(ずれ部分)
40A,40C 第3コーティング層
41A 内部層確認用非コーティング部(貫通孔)
43C 内部層確認用非コーティング部(ずれ部分)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板に異なる種類の複数のコーティング層を積層したガスケットであって、表面側のコーティング層において、内部側のコーティング層に積層する部分の一部に、該内部側のコーティング層の有無を確認するための内部層確認用非コーティング部を設けたことを特徴とするガスケット。
【請求項2】
前記内部層確認用非コーティング部を、ガスケットの刻印を打つ場所の近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載のガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−71240(P2007−71240A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255901(P2005−255901)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000198237)石川ガスケット株式会社 (57)
【Fターム(参考)】