ガスタービン用燃料噴射装置
【課題】液体燃料以外に、必要に応じてガス燃料等やNOX 低減のための水蒸気等を供給できるガスタービン用燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】ガスタービンの燃焼筒3に設けられた液体燃料噴射手段6は、液体燃料を微粒化する機能を備えた第1〜第3スワラ10,21,23と、一番外側のスワラ10よりも内方に配置されて液体燃料を噴射するノズル部16を備えており、供給された燃料を空気と混合して燃焼に供する。この液体燃料噴射手段に着脱可能なアタッチメント7を取り付けると、ガス燃料等を燃料経路35でスワラ10の上流に供給できるので、燃焼筒3内でのガス燃料の飛散が抑制され、ガス燃料の良好な燃焼が可能となる。
【解決手段】ガスタービンの燃焼筒3に設けられた液体燃料噴射手段6は、液体燃料を微粒化する機能を備えた第1〜第3スワラ10,21,23と、一番外側のスワラ10よりも内方に配置されて液体燃料を噴射するノズル部16を備えており、供給された燃料を空気と混合して燃焼に供する。この液体燃料噴射手段に着脱可能なアタッチメント7を取り付けると、ガス燃料等を燃料経路35でスワラ10の上流に供給できるので、燃焼筒3内でのガス燃料の飛散が抑制され、ガス燃料の良好な燃焼が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を燃焼させて得た高温高圧のガスでタービンを回転駆動するガスタービンにおいて、燃焼器に燃料を供給するために用いられる燃料噴射装置に係り、特に液体燃料を噴射する機能を維持しつつ、必要に応じて液体燃料以外の各種燃料の供給や蒸気噴射にも対応できるガスタービン用燃料噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンでは、燃料噴射装置によって燃焼器内に燃料を噴射し、この燃料を燃焼させて高温高圧のガスを生成し、このガスでタービンを回転駆動させて動力を得ている。そして、ガスタービンの燃料噴射装置には、液体燃料、ガス燃料、微粉固体燃料といった使用される燃料の種類乃至仕様によって、それぞれに適した構造を備えた専用の装置が使用されている。
【0003】
図10は、ガスタービンに用いられている液体燃料専用の燃料噴射装置の一例を示す断面図である。この燃料噴射装置は、圧力噴射ノズルであるパイロットノズル100を中心に配置するとともに、前記パイロットノズル100の外側に旋回流式のエアブラストノズルであるメインノズル101を設けたハイブリッド方式の燃料噴射装置である。前記パイロットノズル100と前記メインノズル101の間には、接線方向に連通する空気流通孔から空気の供給を受けて旋回流を生成する周状の内側空気通路102が設けられている。また、前記メインノズル101の外側には周状の外側空気通路103が設けられ、ここには旋回流を生成して燃料を微粒化するためのスワラ104が設けられている。さらに、この燃料噴射装置の外側には、図示しない燃焼筒内に気流を生成して火炎を保持するためのスワラ105が設けられている。
【0004】
ところで、昨今の燃料事情や地球温暖化の問題から、燃料仕様の変更、例えば液体燃料からガス燃料への変更があった場合には、燃料噴射ノズルも交換する必要があるが、その作業は大掛かりであり、相応の時間と費用を要するものとなってしまう。
【0005】
そこで、2種類以上の燃料に対応可能であり、例えば2種類の燃料を同時に燃焼させたり、2種類の燃料を切り替えて使用したりすることが可能な所謂デュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置が提案され、実際に一部で使用されている。
【0006】
図11は、このようなデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置の一例を示す断面図である。その構造において、図10に示した液体燃料専用の燃料噴射装置と共通な部分については図10中に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。このガスタービン用燃料噴射装置では、もっとも外側にある保炎用のスワラ105の上流にガスノズル106を配置し、保炎用のスワラ105によってガス燃料を空気と混合して燃焼に供するものとしている。
【0007】
図12は、デュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置の他の一例を示す断面図である。その構造において、図10に示した液体燃料専用の燃料噴射装置と共通な部分については図10中に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。このガスタービン用燃料噴射装置では、もっとも外側にある保炎用のスワラ105を大型化し、このスワラ105と、ガスタービン用燃料噴射装置との間にガスノズル106を配置し、ガス燃料を保炎用のスワラ105の内側に供給して燃焼に供するものとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置によれば、液体燃料とガス燃料の両方に対応できるようにするために、液体燃料とガス燃料の少なくともいずれか一方について燃焼性能が悪化するという犠牲を払っている場合があった。
【0009】
例えば、図11に示したデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置によれば、ガス燃料は最も外側にある保炎用のスワラ105の上流に供給されるので、同図中矢印で示すようにガス燃料はスワラ105による空気の旋回流に乗って外側に運ばれてしまうため、ガス燃料のみで駆動している場合には燃料分布が外側に偏ってしまい、逆に中心部が燃料希薄になって保炎性に悪影響が生じるという問題がある。
【0010】
また例えば、図12に示したデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置によれば、同図中矢印で示すようにガス燃料の流れを中心部に寄せるために外側にある保炎用の大型のスワラ105をさらに外側に移動させているので、特に液体燃料のみで駆動している場合には中心部で空気が薄く燃料分布がリッチになるため、スモークが排出されたり、ノズルにカーボンが付着するという問題が発生する。
【0011】
本発明は、以上の課題を解決するものであり、液体燃料噴射という基本的機能を達成するための構造は維持しつつ、必要に応じて液体燃料以外の燃料やNOX 低減のための水蒸気等を供給することができ、いずれの燃料についても燃焼性能の悪化を来さないガスタービン用燃料噴射装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、
液体燃料を微粒化する機能を備えた少なくとも一つの周状のスワラと、前記スワラよりも内方に配置されて前記液体燃料を噴射する液体燃料噴射手段を備え、ガスタービンの燃焼器に設けられて供給された燃料を空気と混合して前記燃焼器内での燃焼に供するガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料噴射手段に対して着脱可能であり、装着時に前記液体燃料以外の前記燃料を前記スワラの上流に供給する燃料経路を備えたアタッチメントを有することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項1記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記燃焼器は、圧縮された空気が供給されるケーシングと、前記ケーシングの内部に収納された燃焼筒とを有しており、
前記液体燃料噴射手段は、その一部分が前記ケーシングの特定箇所から外側に突出した状態で前記燃焼筒に取り付けられており、
前記アタッチメントは、前記ケーシングの外側に突出した前記液体燃料噴射手段の前記一部分に装着され、
前記アタッチメントが装着された時、前記アタッチメントの前記燃料経路は、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された貫通孔から前記ケーシング内に挿入され、前記燃料を吐出する開口が前記スワラの上流に配置されるように構成されたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項2記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
液体燃料のみを使用する場合には、前記アタッチメントを装着せずに、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された前記貫通孔を閉止部材で閉止することができることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項3記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料噴射手段は、
前記スワラの中心に配置されたパイロットノズルと、
燃料が所定の向きで旋回するように供給される環状の燃料通路と、前記燃料通路の接線方向に沿って前記燃料通路に燃料を供給する供給通路と、前記燃料通路に供給された燃料を噴射する環状のノズル部と、前記燃料通路に供給された燃料を前記ノズル部に導くために前記燃料通路において燃料が旋回する向きに対して鋭角をもって交差するように前記燃料通路と前記ノズル部を周方向の複数箇所で連通する複数の供給孔とを備えたメインノズルと、
を有していることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項4記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記メインノズルの前記ノズル部が、ノズルを構成する所定寸法の隙間をおいて同心円状に配置された一対の周状のフィルマー部材から構成されたことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項1乃至5に記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料以外の前記燃料が、ガス燃料と微粉固体燃料からなる群から任意に選択された1以上の燃料であることを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項6に記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記アタッチメントの前記燃料経路には蒸気を供給することができることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、着脱自在のアタッチメントを液体燃料噴射手段に取り付けることにより、アタッチメントの燃料経路によって液体燃料以外の燃料を液体燃料噴射手段のスワラの上流に供給することができるので、液体燃料を良好な状態で燃焼するべく設定された液体燃料噴射手段の構造に特に変更を加えることなく、燃料仕様の変更に柔軟に対応することができる。特に、燃料経路にガス燃料を供給すれば、燃焼器内でのガス燃料の飛散が抑制され、ガス燃料の良好な燃焼が可能となる。また、燃料経路に微粉固体燃料を供給すれば、液体燃料噴射手段のスワラからの旋回流によって微粉固体燃料は燃焼器内に円滑に供給されて効率よく分散される。また、燃料経路に蒸気を供給すれば、燃焼器内の火炎温度が低下し、発生するNOX 量の低減が図れ、高出力化が期待でき、また出力を一定に保つのであれば低燃費化が期待できる。
【0020】
請求項2に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、アタッチメントをケーシングの外側に突出した液体燃料噴射手段の一部分に装着するだけで、アタッチメントの燃料経路はケーシングの貫通孔から挿入されてその開口がスワラの上流に配置され、請求項1記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果を得ることができる。
【0021】
請求項3に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項2記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果において、さらに液体燃料のみを使用する場合にはアタッチメントを装着せず、ケーシングの特定箇所に閉止部材を設けることで貫通孔を閉止することができ、液体燃料専用の噴射装置として利用することができる。
【0022】
請求項4に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項3記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果において、
前記液体燃料噴射手段をスワラの中心に配置されたパイロットノズルと、その周囲に設けた周状のメインノズルとによって構成したので、メインノズルによる燃焼時には、燃料は、供給通路から環状の燃料通路内に接線方向に沿って供給され、燃料通路内で周方向に旋回することにより周方向に均一な分布となる。そして、燃料は、旋回方向に対して鋭角で交差する複数の供給孔によってさらに均一化されながら環状のノズル部に導かれ、ノズル部から噴射されて均一な液膜を形成し、スワラによって微粒化される。このため、燃料の完全燃焼が促進され、燃焼効率が向上する。
【0023】
請求項5に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項4記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果において、メインノズルのノズル部が同心円状に配置された一対の周状のフィルマー部材から構成されているので、ノズル部から噴射されて均一な液膜を形成する作用及びスワラによる燃料の微粒化が円滑・確実に行なわれ、燃料の完全燃焼による燃焼効率向上の効果が一層確実に達成される。
【0024】
請求項6に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、液体燃料とガス燃料の組合せと、液体燃料と微粉固体燃料の組合せと、液体燃料とガス燃料と微粉固体燃料の組合において、請求項1乃至5に記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果を得ることができる。すなわち、燃料の種々の組合せにおいて、各燃料を選択的に又は同時に燃焼に供することができる。
【0025】
請求項7に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項6に記載のガスタービン用燃料噴射装置において、アタッチメントの燃料経路には蒸気を供給することにより、燃焼器内の火炎温度を低下させ、発生するNOX 量を低減させることにより、高出力化が期待でき、また出力を一定に保つのであれば低燃費化が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明の最良の実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図9は本発明の実施形態を示し、図1は本実施形態の燃料噴射装置を備えたガスタービン燃焼器の縦断面図、図2は本実施形態の燃料噴射装置の斜視図、図3は図2のA部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図、図4は図2のB部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図、図5(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す平面図、図5(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す縦断面図、図6(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止部材を装着していない状態を示す平面図、図6(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止部材を装着していない状態を示す縦断面図、図7(a)は液体燃料専用の燃料噴射装置の平面図、図7(b)は液体燃料専用の燃料噴射装置の縦断面図、図8(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す平面図、図8(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す縦断面図、図9(a)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの平面図、図9(b)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの正面図である。
【0027】
本実施形態の燃料噴射装置は、ガスタービン燃焼器に取り付けられている。まず、このガスタービン燃焼器1の構造を説明する。
図1において、2は略円筒形状のケーシングである。その内部には、図示しないコンプレッサからの圧縮空気が下方から上方向けて供給される。このケーシング2の内部には略円筒形状の燃焼筒3が設置されている。そして、ケーシング2の上端部及び燃焼筒3の上端部には燃料噴射装置4が取り付けられており、ケーシング2の外から供給した燃料を、燃焼筒3の内部に噴射できるようになっている。また、図1、図2及び図4に示すように、燃焼筒3の上端部には、燃料噴射装置4の外側の位置に、燃焼筒3内に気流を生成して火炎を保持するためのスワラ5が設けられている。
【0028】
図1〜図5に示すように、この燃料噴射装置4は、ガスタービン燃焼器1に固定されている液体燃料噴射手段6と、この液体燃料噴射手段6に対して着脱自在であり、液体燃料以外の燃料等を噴射するためのアタッチメント7を有している。ここで液体燃料以外の燃料等とは、例えばガス燃料や微粉固体燃料の他、NOx 低減のための蒸気も含む。すなわち、本例の燃料噴射装置4は、液体燃料を噴射して燃焼に供するための基本構造を備えており、かつその機能乃至構造を維持しつつ、必要に応じてアタッチメント7を装着することにより液体燃料以外の燃料等も燃焼筒3内に噴射できるようにすることができるものである。
【0029】
図1〜図5に示した本例の燃料噴射装置4の構造を、液体燃料噴射手段6及び液体燃料を微粒化する機能を備えたスワラの部分と、この液体燃料噴射手段6に対して着脱自在とされたアタッチメント7の部分とに分けて説明する。
まず、液体燃料噴射手段6等の構造を、主として液体燃料噴射手段6等のみを示す図6と、液体燃料噴射手段6等にアタッチメント7を装着した状態である図2〜図4の斜視図を参照して説明する。
【0030】
液体燃料噴射手段6は、図2、図3及び図6に示すようにケーシング2の頂部に取り付けられたフランジ8を貫通して固定されることにより、図2及び図4に示すように、燃料を噴射するノズル部分が、燃焼筒3の頂部の開口に設けられた火炎保持用のスワラ5の内側に取り付けられている。この火炎保持用のスワラ5の内側に取り付けられている部分は、全体として円筒状で同心円構造の各種部材等から構成されており、その最も外側の位置(火炎保持用のスワラ5の内側)には、下端部が内方に窄められた最も大径の第1環状部材9が設けられている。
【0031】
図6等に示すように、第1環状部材9の内側には、噴射された燃料を微粒化する円周状の第1スワラ10が設けられている。
【0032】
図6等に示すように、第1スワラ10の内側には、第2環状部材であるメインノズル11が設けられている。このメインノズル11の上部には、環状の空洞である燃料通路12が形成されており、ここに供給された燃料が所定の向きで旋回して周方向に適宜分散されるようになっている。
【0033】
図6等に示すように、この燃料通路12には、その周形状の接線方向に沿って燃料が送り込まれる供給通路13が形成されており、この供給通路13には上下方向に延設された燃料配管14が接続されている。この燃料配管14は、前記ケーシング2の頂部に取り付けられているフランジ8に設けられた貫通孔8aを介して、フランジ8の上面に取り付けられた接続ブシュ15に接続連通している。この接続ブシュ15は、ケーシング2の外にある図示しない燃料供給元と接続され、燃料が送り込まれるようになっている。
【0034】
図6等に示すように、メインノズル11の下部には、環状に連続したノズル部16が形成されている。このノズル部16は、外側のフィルマー部材17と、内側のプレフィルマー部材18によって形成されている。フィルマー部材17は、外側に配置されて下端部が内方に窄められた周状大径の部材である。プレフィルマー部材18は、フィルマー部材17よりも所定間隔をおいて内側に配置された周状小径の部材であり、その上下方向の寸法はフィルマー部材17よりも短く、その下端部はフィルマー部材17の下端部よりも上方に位置している。フィルマー部材17とプレフィルマー部材18の隙間及び形状は、噴射された燃料が均一な円錐状の液膜を形成するのに適した所定寸法に設定されている。
【0035】
図6乃至特に図4に示すように、メインノズル11の内部において、燃料通路12とノズル部16とは、複数の供給孔20によって連通されている。これら供給孔20は、上方にある燃料通路12に供給された燃料を下方にあるノズル部16に導くための孔であって、燃料通路12において燃料が旋回する向きに対して鋭角をもって交差するように、上側の燃料通路12とその真下にあるノズル部16を周方向の複数箇所で斜めに連通している。
【0036】
すなわち、これらの供給孔20は、平面視においては概ね燃料通路12及びノズル部16の周方向(接線方向)に沿って全周にわたり等間隔で設けられ、上方の燃料通路12とその真下にあるノズル部16を斜めに連通しており、これによって燃料通路12内で均一に分布した燃料を、周方向について旋回速度を与えてノズル部16に送り込み、燃料をさらに分散した状態としてノズル部16から吐出するように構成されている。
【0037】
図6等に示すように、メインノズル11の内側には、噴射された燃料を微粒化する円周状の第2スワラ21が設けられている。第2スワラ21の旋回方向は第1スワラ10と反対向きである。
【0038】
図6等に示すように、第2スワラ21の内側には第3環状部材22が設けられている。第3環状部材22は、下端部が内方に窄められた周状の部材であり、メインノズル11のプレフィルマーよりも上下方向の寸法が短く、その下端部はプレフィルマー部材18の下端部よりも上方に位置している。
【0039】
図6等に示すように、第3環状部材22の内側には、噴射された燃料を微粒化する円周状の第3スワラ23が設けられている。第3スワラ23の旋回方向は第2スワラ21と反対向き、すなわち第1スワラ10と同じ向きとなっている。
【0040】
図6等に示すように、第3スワラ23の内部である本液体燃料噴射手段6の中心位置には、下端部が半球形状であり、全体として円柱形のパイロットノズル25が設けられている。パイロットノズル25の半球形状の下端部は、内側に窄められた第3環状部材22の下端部の内面と略平行な位置関係にあり、第3環状部材22の下端部よりもやや下方に突出している。パイロットノズル25の上端部は、前記ケーシング2の頂部の開口を閉止しているフランジ8の中心を貫通して固定されており、その上端部の接続部26には、ケーシング2の外にある図示しない燃料供給元が接続連通できるよう構成されている。
【0041】
従って、図6等に示すように、フランジ8の上面では、パイロットノズル25に液体燃料を導く中心に配置された接続部26と、メインノズル11に液体燃料を導く偏芯した位置にある接続ブシュ15とが、近接して並んでいる。後述するように、液体燃料以外の燃料等を供給するためのアタッチメント7は、フランジ8の上面に突出した液体燃料噴射手段6の一部分である前記接続部26及び前記接続ブシュ15を外挿して取り付けられるものであり、液体燃料以外の燃料等を供給する燃料経路をケーシング2の内部に挿入するために、前記フランジ8には周方向に等角度間隔で複数箇所に貫通孔27が形成されている。本例では、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の半径と同一の半径でフランジ8の上面に想定した円に沿って、周方向に45度間隔で前記接続ブシュ15を除く7箇所の位置に貫通孔27が形成されている。
【0042】
なお、以上説明した図6等に示す液体燃料噴射手段6の構造は、図7に示す本願発明者が提案している液体燃料専用の液体燃料噴射手段6aと、フランジ8に前記貫通孔27が形成されている点のみが異なり、その他の構造は同一である。また、以上説明した図6等に示す液体燃料噴射手段6の構成では、フランジ8に貫通孔27が形成されており、そのままでは貫通孔27から空気が漏れてしまうので、アタッチメント7を装着せずに液体燃料のみによって駆動する場合には、図8に示すように、接続ブシュ15及び接続部26を挿通して干渉を回避するために平面視馬蹄形状乃至C字形に形成された閉止部材30をフランジ8に取り付けて貫通孔27を閉止する必要がある。
【0043】
次に、液体燃料噴射手段6に着脱されるアタッチメント7の構造を、主としてアタッチメント7のみを示す図9と、液体燃料噴射手段6にアタッチメント7を装着した状態である図2〜図4の斜視図を参照して説明する。
【0044】
図9等に示すように、アタッチメント7は、液体燃料噴射手段6に取り付けるための取り付けフランジ31を備えている。この取り付けフランジ31は、ケーシング2のフランジ8と同一外径であり、ケーシング2のフランジ8の上に重ねて載置される。この取り付けフランジ31の中心には液体燃料噴射手段6のパイロットノズル25の接続部26よりも大径である円形の第1挿入孔32が形成されている。また、この取り付けフランジ31には、第1挿入孔32に連続して略三角形状の第2挿入孔33が形成されており、図9(a)に示すように2つの挿入孔は全体として平面視で略鍵穴形状を呈している。
【0045】
図9等に示すように、取り付けフランジ31の上面には、平面視において円環の一部を切り欠いたような略馬蹄形乃至C型を呈する空洞状の燃料受容部34が設けられている。すなわち、この燃料受容部34の形状・構造は、換言すればドーナツ型の中空円筒体の一部の壁体を密封構造で切り欠いて除去したようなものである。そして、この燃料受容部34は、その略馬蹄形乃至C型の中心と、取り付けフランジ31の中心とを一致させて、第1挿入孔32の周囲及び第2挿入孔33の一部の近傍に沿って設けられている。
【0046】
従って、図1〜図3及び図5に示したように、取り付けフランジ31をケーシング2のフランジ8に重ねて装着すると、パイロットノズル25の接続部26は、取り付けフランジ31の第1挿入孔32及び燃料受容部34の中央部を挿通して上方に突出し、またメインノズル11の接続ブシュ15は、取り付けフランジ31の第2挿入孔33及び燃料受容部34の切欠き部を挿通して上方に突出し、それぞれアタッチメント7との干渉が避けられるようになっている。
【0047】
図9等に示すように、燃料受容部34の外周面には、液体燃料以外の燃料等の供給管37が接続連通されており、ケーシング2の外部にある図示しない供給元と供給管37を接続連通することにより、燃料受容部34に液体燃料以外の燃料等を供給することができる。燃料受容部34の内部空間に供給された燃料等は、周方向に均等に分散され、後述する燃料経路を介して前記液体燃料噴射手段6に送られるようになっている。
【0048】
図9等に示すように、取り付けフランジ31の下面側には、取り付けフランジ31を貫通して燃料受容部34に連通する7本の燃料経路35が設けられている。これら燃料経路35は、取り付けフランジ31に略直交する上下方向に延設されており、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の半径と同一の半径で取り付けフランジ31の上面に想定した円に沿って、周方向に45度間隔で燃料受容部34が存在しない切欠き部を除く7箇所の位置に配置されている。
【0049】
なお、この燃料経路35は、液体燃料以外の燃料等、例えばガス燃料や微粉固体燃料を搬送・供給するための管であるため、その内径は、微粒化のために相対的に高圧を加える必要がある液体燃料を搬送・供給する燃料配管14の内径よりも大きく設定することができる。特に、燃料経路35によって微粉固体燃料を搬送・供給する場合には、液体燃料の燃料配管14よりも内径を大きく設定する必要がある。
【0050】
従って、図1〜図5に示したように、アタッチメント7を液体燃料噴射手段6に装着すると、アタッチメント7側の7本の燃料経路35は、ケーシング2のフランジ8に形成された7個の貫通孔27にそれぞれ挿通されてケーシング2内に挿入され、液体燃料噴射手段6の燃料配管14と干渉することなく、その下端に開口した開口35aを、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の真上(上流)に臨ませることができる。そして、パイロットノズル25の接続部26とメインノズル11の接続ブシュ15は、アタッチメント7の取り付けフランジ31の第1及び第2挿入孔32,33を挿通して上方に突出するので、アタッチメント7を液体燃料噴射手段6に対して一体に組み合わせることができ、ボルト等の締結手段36によって両者を確実に固定することができる。
【0051】
次に、本実施形態のガスタービン燃焼器1におけるガスタービン用燃料噴射装置4の作用効果について説明する。
まず、液体燃料によって始動し、その後にガス燃料又は微粉固体燃料に切り替えて駆動する場合について説明する。
本例のガスタービン燃焼器1の運転始動時には、図示しないターボ圧縮機から圧縮空気がケーシング2内に送り込まれ、燃焼筒3の頂部に設けられた液体燃料噴射手段6の第1乃至第3スワラ10,21,23、液体燃料噴射手段6の外側に設けられた火炎保持用のスワラ5、そして燃焼筒3の周壁に形成された多数の吸気孔3aから圧縮空気が燃焼筒3内に供給される。起動時には液体燃料噴射手段6のパイロットノズル25から燃料が噴射されて空気と混合され、この混合気に図示しない点火装置が点火して燃焼が始まり、さらにメインノズル11による液体燃料の燃焼に移行する。
【0052】
メインノズル11の燃料通路12では、燃料が供給通路13から接線方向に沿って送り込まれるので、燃料は燃料通路12内の周方向に均一に分布する。さらに燃料は、燃料通路12の周方向に均一な分布で形成された供給孔20を通ることにより、所要の旋回速度を与えられてノズル部16内に送られ、さらに均一な分布となって環状のノズル部16からフィルマー部材17及びプレフィルマー部材18を経て吹き出され、筋のない円錐状の均一な液膜を形成する。そして、環状のノズル部16は内側及び外側が周状の第1乃至第3スワラ10,21,23に囲まれているので、ノズル部16から均一に吹き出された燃料は、第1乃至第3スワラ10,21,23からの空気流により微細化されて均一な混合気となり、燃焼筒3内に吹き出される。このため、燃料の完全燃焼が促進され、燃焼効率が向上する。
【0053】
液体燃料から、ガス燃料又は微粉固体燃料に切り替えた場合には、アタッチメント7によるガス燃料又は微粉固定燃料の供給及び燃焼が開始され、液体燃料噴射手段6による液体燃料の噴射及び燃焼が停止される。
【0054】
アタッチメント7によるガス燃料又は微粉固体燃料の供給にあたっては、図3及び図4中に矢印にて示すように、外部の供給元から送られたガス燃料等は、供給管37から燃料受容部34に入り、燃料受容部34の内部空間で周方向に均等に分散され、周方向に略均等に並んだ7本の燃料経路35を介して、ケーシング2内にある液体燃料を微粒化するための第1スワラ10の上流に周方向について一様に供給される。そしてガス燃料等は圧縮空気とともに第1スワラ10で適正な配分でバランスよく混合され、均一な混合気となって燃焼筒3内に吹き出される。このため、液体燃料の燃焼の場合と同様、ガス燃料等の完全燃焼が促進され、液体燃料の燃焼に引き続いて高い燃焼効率が得られる。
【0055】
一般に比重の重い低カロリーガスを少なくとも一部に含むガス燃料の場合、燃焼効率を上げるためにはガス燃料と空気の良好なミキシングが必要不可欠である。なぜなら低カロリーガスは、通常のガス(例えば都市ガス)に比べてCO2 やN2 がより多く含まれるために比重が相対的に大きく、空気と混合しにくいからである。ところが、本実施形態によれば、アタッチメント7によって供給されたガス燃料を、液体燃料を微粒化するための第1スワラ10の上流から導入するので、燃焼領域に入る以前にガスと空気を燃焼に適した良好な状態に混合することができ、低カロリーガスの燃焼を良好に行なわせることができる。すなわち、本実施形態のガスタービン用燃料噴射装置4によれば、低カロリーガスからなるガス燃料又は低カロリーガスを一部に含むガス燃料を有効利用し、高い燃焼効率で燃焼させることができる。
【0056】
以上説明した作用では、まず液体燃料によって始動し、その後にガス燃料又は微粉固体燃料に切り替えて燃焼させる場合について説明したが、液体燃料を含む複数種類の燃料の仕様乃至種類と、その使用方法・使用態様は別にこれに限るものではなく、ユーザーの任意でかまわない。例えば、液体燃料で始動した後、液体燃料に加えてガス燃料と微粉固体燃料の少なくとも一方を併用して燃焼を継続させてもよい。また、液体燃料は使用せず、始めからガス燃料と微粉固体燃料の一方又は双方を用いて始動・燃焼させてもよい。また、液体燃料と、ガス燃料と、微粉固体燃料を用いて始動し、そのまま同燃料で燃焼を継続させてもよい。また、アタッチメント7の燃料経路35に蒸気を供給し、燃焼筒3内の火炎温度を低下させ、発生するNOX 量を低減させてさらなる高出力化を達成してもよいし、この状態で出力は一定に保ちつつ低燃費化を達成することとしてもよい。
【0057】
以上説明した実施形態では、アタッチメント7を装着した場合、ケーシング2内に挿入されたアタッチメント7の燃料経路35は、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の上流に開口35aが配置されるように構成されていた。しかし、アタッチメント7を経由して供給された液体燃料以外の燃料等を空気と良好に混合した状態で燃焼筒3内に噴射して燃焼に供するためには、液体燃料以外の燃料等は、液体燃料を微粒化する機能を備えた第2又は第3スワラ21,23の上流に供給するものとしてもよい。
【0058】
また、本実施形態ではガス燃料等のアタッチメント7は着脱式であるため、液体燃料専用に使用したい場合にはアタッチメント7を取り外し、ケーシング2のフランジ8に閉止部材30を取り付けてフランジ8の貫通孔27を塞ぐだけでよい。
【0059】
このように、本実施形態のガスタービン用燃料噴射装置4によれば、液体燃料を良好な状態で燃焼するべく設定された液体燃料噴射手段6の構造に特に大きな変更を加えることなく、燃料仕様の変更に柔軟に対応することができる。特に、燃料経路35にガス燃料を供給すれば、燃焼筒3内でのガス燃料の飛散が抑制され、ガス燃料の良好な燃焼が可能となる。また、燃料経路35に微粉固体燃料を供給すれば、液体燃料噴射手段6のスワラからの旋回流によって微粉固体燃料は燃焼器内に円滑に供給されて効率よく分散される。また、燃料経路35に蒸気を供給すれば、燃焼筒3内の火炎温度が低下し、発生するNOX 量の低減が図れ、高出力化が期待でき、また出力を一定に保つのであれば低燃費化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は本実施形態の燃料噴射装置を備えたガスタービン燃焼器の縦断面図である。
【図2】図2は本実施形態の燃料噴射装置の斜視図である。
【図3】図3は図2のA部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図である。
【図4】図4は図2のB部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図である。
【図5】図5(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す平面図、図5(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す縦断面図である。
【図6】図6(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止 部材を装着していない状態を示す平面図、図6(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止部材を装着していない状態を示す縦断面図である。
【図7】図7(a)は液体燃料専用の燃料噴射装置の平面図、図7(b)は液体燃料専用の燃料噴射装置の縦断面図である。
【図8】図8(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す平面図、図8(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す縦断面図である。
【図9】図9(a)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの平面図、図9(b)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの正面図である。
【図10】図10は、ガスタービンに用いられている従来の液体燃料専用の燃料噴射装置の一例を示す断面図である。
【図11】図11は、デュアル燃料対応の従来のガスタービン用燃料噴射装置の一例を示す断面図である。
【図12】図12は、デュアル燃料対応の従来のガスタービン用燃料噴射装置の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1…ガスタービン燃焼器
2…ケーシング
3…燃焼筒
4…燃料噴射装置
5…保炎用のスワラ
6…液体燃料噴射手段
7…アタッチメント
8…ケーシングのフランジ
9…第1環状部材
10…第1スワラ
11…メインノズル
12…燃料通路
13…供給通路
16…ノズル部
17…フィルマー部材
18…プレフィルマー部材
20…供給孔
21…第2スワラ
23…第3スワラ
25…パイロットノズル
30…閉止部材
34…燃料受容部
35…燃料経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料を燃焼させて得た高温高圧のガスでタービンを回転駆動するガスタービンにおいて、燃焼器に燃料を供給するために用いられる燃料噴射装置に係り、特に液体燃料を噴射する機能を維持しつつ、必要に応じて液体燃料以外の各種燃料の供給や蒸気噴射にも対応できるガスタービン用燃料噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンでは、燃料噴射装置によって燃焼器内に燃料を噴射し、この燃料を燃焼させて高温高圧のガスを生成し、このガスでタービンを回転駆動させて動力を得ている。そして、ガスタービンの燃料噴射装置には、液体燃料、ガス燃料、微粉固体燃料といった使用される燃料の種類乃至仕様によって、それぞれに適した構造を備えた専用の装置が使用されている。
【0003】
図10は、ガスタービンに用いられている液体燃料専用の燃料噴射装置の一例を示す断面図である。この燃料噴射装置は、圧力噴射ノズルであるパイロットノズル100を中心に配置するとともに、前記パイロットノズル100の外側に旋回流式のエアブラストノズルであるメインノズル101を設けたハイブリッド方式の燃料噴射装置である。前記パイロットノズル100と前記メインノズル101の間には、接線方向に連通する空気流通孔から空気の供給を受けて旋回流を生成する周状の内側空気通路102が設けられている。また、前記メインノズル101の外側には周状の外側空気通路103が設けられ、ここには旋回流を生成して燃料を微粒化するためのスワラ104が設けられている。さらに、この燃料噴射装置の外側には、図示しない燃焼筒内に気流を生成して火炎を保持するためのスワラ105が設けられている。
【0004】
ところで、昨今の燃料事情や地球温暖化の問題から、燃料仕様の変更、例えば液体燃料からガス燃料への変更があった場合には、燃料噴射ノズルも交換する必要があるが、その作業は大掛かりであり、相応の時間と費用を要するものとなってしまう。
【0005】
そこで、2種類以上の燃料に対応可能であり、例えば2種類の燃料を同時に燃焼させたり、2種類の燃料を切り替えて使用したりすることが可能な所謂デュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置が提案され、実際に一部で使用されている。
【0006】
図11は、このようなデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置の一例を示す断面図である。その構造において、図10に示した液体燃料専用の燃料噴射装置と共通な部分については図10中に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。このガスタービン用燃料噴射装置では、もっとも外側にある保炎用のスワラ105の上流にガスノズル106を配置し、保炎用のスワラ105によってガス燃料を空気と混合して燃焼に供するものとしている。
【0007】
図12は、デュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置の他の一例を示す断面図である。その構造において、図10に示した液体燃料専用の燃料噴射装置と共通な部分については図10中に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。このガスタービン用燃料噴射装置では、もっとも外側にある保炎用のスワラ105を大型化し、このスワラ105と、ガスタービン用燃料噴射装置との間にガスノズル106を配置し、ガス燃料を保炎用のスワラ105の内側に供給して燃焼に供するものとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置によれば、液体燃料とガス燃料の両方に対応できるようにするために、液体燃料とガス燃料の少なくともいずれか一方について燃焼性能が悪化するという犠牲を払っている場合があった。
【0009】
例えば、図11に示したデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置によれば、ガス燃料は最も外側にある保炎用のスワラ105の上流に供給されるので、同図中矢印で示すようにガス燃料はスワラ105による空気の旋回流に乗って外側に運ばれてしまうため、ガス燃料のみで駆動している場合には燃料分布が外側に偏ってしまい、逆に中心部が燃料希薄になって保炎性に悪影響が生じるという問題がある。
【0010】
また例えば、図12に示したデュアル燃料対応のガスタービン用燃料噴射装置によれば、同図中矢印で示すようにガス燃料の流れを中心部に寄せるために外側にある保炎用の大型のスワラ105をさらに外側に移動させているので、特に液体燃料のみで駆動している場合には中心部で空気が薄く燃料分布がリッチになるため、スモークが排出されたり、ノズルにカーボンが付着するという問題が発生する。
【0011】
本発明は、以上の課題を解決するものであり、液体燃料噴射という基本的機能を達成するための構造は維持しつつ、必要に応じて液体燃料以外の燃料やNOX 低減のための水蒸気等を供給することができ、いずれの燃料についても燃焼性能の悪化を来さないガスタービン用燃料噴射装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、
液体燃料を微粒化する機能を備えた少なくとも一つの周状のスワラと、前記スワラよりも内方に配置されて前記液体燃料を噴射する液体燃料噴射手段を備え、ガスタービンの燃焼器に設けられて供給された燃料を空気と混合して前記燃焼器内での燃焼に供するガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料噴射手段に対して着脱可能であり、装着時に前記液体燃料以外の前記燃料を前記スワラの上流に供給する燃料経路を備えたアタッチメントを有することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項1記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記燃焼器は、圧縮された空気が供給されるケーシングと、前記ケーシングの内部に収納された燃焼筒とを有しており、
前記液体燃料噴射手段は、その一部分が前記ケーシングの特定箇所から外側に突出した状態で前記燃焼筒に取り付けられており、
前記アタッチメントは、前記ケーシングの外側に突出した前記液体燃料噴射手段の前記一部分に装着され、
前記アタッチメントが装着された時、前記アタッチメントの前記燃料経路は、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された貫通孔から前記ケーシング内に挿入され、前記燃料を吐出する開口が前記スワラの上流に配置されるように構成されたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項2記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
液体燃料のみを使用する場合には、前記アタッチメントを装着せずに、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された前記貫通孔を閉止部材で閉止することができることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項3記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料噴射手段は、
前記スワラの中心に配置されたパイロットノズルと、
燃料が所定の向きで旋回するように供給される環状の燃料通路と、前記燃料通路の接線方向に沿って前記燃料通路に燃料を供給する供給通路と、前記燃料通路に供給された燃料を噴射する環状のノズル部と、前記燃料通路に供給された燃料を前記ノズル部に導くために前記燃料通路において燃料が旋回する向きに対して鋭角をもって交差するように前記燃料通路と前記ノズル部を周方向の複数箇所で連通する複数の供給孔とを備えたメインノズルと、
を有していることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項4記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記メインノズルの前記ノズル部が、ノズルを構成する所定寸法の隙間をおいて同心円状に配置された一対の周状のフィルマー部材から構成されたことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項1乃至5に記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料以外の前記燃料が、ガス燃料と微粉固体燃料からなる群から任意に選択された1以上の燃料であることを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載されたガスタービン用燃料噴射装置は、請求項6に記載のガスタービン用燃料噴射装置において、
前記アタッチメントの前記燃料経路には蒸気を供給することができることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、着脱自在のアタッチメントを液体燃料噴射手段に取り付けることにより、アタッチメントの燃料経路によって液体燃料以外の燃料を液体燃料噴射手段のスワラの上流に供給することができるので、液体燃料を良好な状態で燃焼するべく設定された液体燃料噴射手段の構造に特に変更を加えることなく、燃料仕様の変更に柔軟に対応することができる。特に、燃料経路にガス燃料を供給すれば、燃焼器内でのガス燃料の飛散が抑制され、ガス燃料の良好な燃焼が可能となる。また、燃料経路に微粉固体燃料を供給すれば、液体燃料噴射手段のスワラからの旋回流によって微粉固体燃料は燃焼器内に円滑に供給されて効率よく分散される。また、燃料経路に蒸気を供給すれば、燃焼器内の火炎温度が低下し、発生するNOX 量の低減が図れ、高出力化が期待でき、また出力を一定に保つのであれば低燃費化が期待できる。
【0020】
請求項2に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、アタッチメントをケーシングの外側に突出した液体燃料噴射手段の一部分に装着するだけで、アタッチメントの燃料経路はケーシングの貫通孔から挿入されてその開口がスワラの上流に配置され、請求項1記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果を得ることができる。
【0021】
請求項3に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項2記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果において、さらに液体燃料のみを使用する場合にはアタッチメントを装着せず、ケーシングの特定箇所に閉止部材を設けることで貫通孔を閉止することができ、液体燃料専用の噴射装置として利用することができる。
【0022】
請求項4に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項3記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果において、
前記液体燃料噴射手段をスワラの中心に配置されたパイロットノズルと、その周囲に設けた周状のメインノズルとによって構成したので、メインノズルによる燃焼時には、燃料は、供給通路から環状の燃料通路内に接線方向に沿って供給され、燃料通路内で周方向に旋回することにより周方向に均一な分布となる。そして、燃料は、旋回方向に対して鋭角で交差する複数の供給孔によってさらに均一化されながら環状のノズル部に導かれ、ノズル部から噴射されて均一な液膜を形成し、スワラによって微粒化される。このため、燃料の完全燃焼が促進され、燃焼効率が向上する。
【0023】
請求項5に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項4記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果において、メインノズルのノズル部が同心円状に配置された一対の周状のフィルマー部材から構成されているので、ノズル部から噴射されて均一な液膜を形成する作用及びスワラによる燃料の微粒化が円滑・確実に行なわれ、燃料の完全燃焼による燃焼効率向上の効果が一層確実に達成される。
【0024】
請求項6に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、液体燃料とガス燃料の組合せと、液体燃料と微粉固体燃料の組合せと、液体燃料とガス燃料と微粉固体燃料の組合において、請求項1乃至5に記載のガスタービン用燃料噴射装置による効果を得ることができる。すなわち、燃料の種々の組合せにおいて、各燃料を選択的に又は同時に燃焼に供することができる。
【0025】
請求項7に記載されたガスタービン用燃料噴射装置によれば、請求項6に記載のガスタービン用燃料噴射装置において、アタッチメントの燃料経路には蒸気を供給することにより、燃焼器内の火炎温度を低下させ、発生するNOX 量を低減させることにより、高出力化が期待でき、また出力を一定に保つのであれば低燃費化が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明の最良の実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図9は本発明の実施形態を示し、図1は本実施形態の燃料噴射装置を備えたガスタービン燃焼器の縦断面図、図2は本実施形態の燃料噴射装置の斜視図、図3は図2のA部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図、図4は図2のB部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図、図5(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す平面図、図5(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す縦断面図、図6(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止部材を装着していない状態を示す平面図、図6(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止部材を装着していない状態を示す縦断面図、図7(a)は液体燃料専用の燃料噴射装置の平面図、図7(b)は液体燃料専用の燃料噴射装置の縦断面図、図8(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す平面図、図8(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す縦断面図、図9(a)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの平面図、図9(b)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの正面図である。
【0027】
本実施形態の燃料噴射装置は、ガスタービン燃焼器に取り付けられている。まず、このガスタービン燃焼器1の構造を説明する。
図1において、2は略円筒形状のケーシングである。その内部には、図示しないコンプレッサからの圧縮空気が下方から上方向けて供給される。このケーシング2の内部には略円筒形状の燃焼筒3が設置されている。そして、ケーシング2の上端部及び燃焼筒3の上端部には燃料噴射装置4が取り付けられており、ケーシング2の外から供給した燃料を、燃焼筒3の内部に噴射できるようになっている。また、図1、図2及び図4に示すように、燃焼筒3の上端部には、燃料噴射装置4の外側の位置に、燃焼筒3内に気流を生成して火炎を保持するためのスワラ5が設けられている。
【0028】
図1〜図5に示すように、この燃料噴射装置4は、ガスタービン燃焼器1に固定されている液体燃料噴射手段6と、この液体燃料噴射手段6に対して着脱自在であり、液体燃料以外の燃料等を噴射するためのアタッチメント7を有している。ここで液体燃料以外の燃料等とは、例えばガス燃料や微粉固体燃料の他、NOx 低減のための蒸気も含む。すなわち、本例の燃料噴射装置4は、液体燃料を噴射して燃焼に供するための基本構造を備えており、かつその機能乃至構造を維持しつつ、必要に応じてアタッチメント7を装着することにより液体燃料以外の燃料等も燃焼筒3内に噴射できるようにすることができるものである。
【0029】
図1〜図5に示した本例の燃料噴射装置4の構造を、液体燃料噴射手段6及び液体燃料を微粒化する機能を備えたスワラの部分と、この液体燃料噴射手段6に対して着脱自在とされたアタッチメント7の部分とに分けて説明する。
まず、液体燃料噴射手段6等の構造を、主として液体燃料噴射手段6等のみを示す図6と、液体燃料噴射手段6等にアタッチメント7を装着した状態である図2〜図4の斜視図を参照して説明する。
【0030】
液体燃料噴射手段6は、図2、図3及び図6に示すようにケーシング2の頂部に取り付けられたフランジ8を貫通して固定されることにより、図2及び図4に示すように、燃料を噴射するノズル部分が、燃焼筒3の頂部の開口に設けられた火炎保持用のスワラ5の内側に取り付けられている。この火炎保持用のスワラ5の内側に取り付けられている部分は、全体として円筒状で同心円構造の各種部材等から構成されており、その最も外側の位置(火炎保持用のスワラ5の内側)には、下端部が内方に窄められた最も大径の第1環状部材9が設けられている。
【0031】
図6等に示すように、第1環状部材9の内側には、噴射された燃料を微粒化する円周状の第1スワラ10が設けられている。
【0032】
図6等に示すように、第1スワラ10の内側には、第2環状部材であるメインノズル11が設けられている。このメインノズル11の上部には、環状の空洞である燃料通路12が形成されており、ここに供給された燃料が所定の向きで旋回して周方向に適宜分散されるようになっている。
【0033】
図6等に示すように、この燃料通路12には、その周形状の接線方向に沿って燃料が送り込まれる供給通路13が形成されており、この供給通路13には上下方向に延設された燃料配管14が接続されている。この燃料配管14は、前記ケーシング2の頂部に取り付けられているフランジ8に設けられた貫通孔8aを介して、フランジ8の上面に取り付けられた接続ブシュ15に接続連通している。この接続ブシュ15は、ケーシング2の外にある図示しない燃料供給元と接続され、燃料が送り込まれるようになっている。
【0034】
図6等に示すように、メインノズル11の下部には、環状に連続したノズル部16が形成されている。このノズル部16は、外側のフィルマー部材17と、内側のプレフィルマー部材18によって形成されている。フィルマー部材17は、外側に配置されて下端部が内方に窄められた周状大径の部材である。プレフィルマー部材18は、フィルマー部材17よりも所定間隔をおいて内側に配置された周状小径の部材であり、その上下方向の寸法はフィルマー部材17よりも短く、その下端部はフィルマー部材17の下端部よりも上方に位置している。フィルマー部材17とプレフィルマー部材18の隙間及び形状は、噴射された燃料が均一な円錐状の液膜を形成するのに適した所定寸法に設定されている。
【0035】
図6乃至特に図4に示すように、メインノズル11の内部において、燃料通路12とノズル部16とは、複数の供給孔20によって連通されている。これら供給孔20は、上方にある燃料通路12に供給された燃料を下方にあるノズル部16に導くための孔であって、燃料通路12において燃料が旋回する向きに対して鋭角をもって交差するように、上側の燃料通路12とその真下にあるノズル部16を周方向の複数箇所で斜めに連通している。
【0036】
すなわち、これらの供給孔20は、平面視においては概ね燃料通路12及びノズル部16の周方向(接線方向)に沿って全周にわたり等間隔で設けられ、上方の燃料通路12とその真下にあるノズル部16を斜めに連通しており、これによって燃料通路12内で均一に分布した燃料を、周方向について旋回速度を与えてノズル部16に送り込み、燃料をさらに分散した状態としてノズル部16から吐出するように構成されている。
【0037】
図6等に示すように、メインノズル11の内側には、噴射された燃料を微粒化する円周状の第2スワラ21が設けられている。第2スワラ21の旋回方向は第1スワラ10と反対向きである。
【0038】
図6等に示すように、第2スワラ21の内側には第3環状部材22が設けられている。第3環状部材22は、下端部が内方に窄められた周状の部材であり、メインノズル11のプレフィルマーよりも上下方向の寸法が短く、その下端部はプレフィルマー部材18の下端部よりも上方に位置している。
【0039】
図6等に示すように、第3環状部材22の内側には、噴射された燃料を微粒化する円周状の第3スワラ23が設けられている。第3スワラ23の旋回方向は第2スワラ21と反対向き、すなわち第1スワラ10と同じ向きとなっている。
【0040】
図6等に示すように、第3スワラ23の内部である本液体燃料噴射手段6の中心位置には、下端部が半球形状であり、全体として円柱形のパイロットノズル25が設けられている。パイロットノズル25の半球形状の下端部は、内側に窄められた第3環状部材22の下端部の内面と略平行な位置関係にあり、第3環状部材22の下端部よりもやや下方に突出している。パイロットノズル25の上端部は、前記ケーシング2の頂部の開口を閉止しているフランジ8の中心を貫通して固定されており、その上端部の接続部26には、ケーシング2の外にある図示しない燃料供給元が接続連通できるよう構成されている。
【0041】
従って、図6等に示すように、フランジ8の上面では、パイロットノズル25に液体燃料を導く中心に配置された接続部26と、メインノズル11に液体燃料を導く偏芯した位置にある接続ブシュ15とが、近接して並んでいる。後述するように、液体燃料以外の燃料等を供給するためのアタッチメント7は、フランジ8の上面に突出した液体燃料噴射手段6の一部分である前記接続部26及び前記接続ブシュ15を外挿して取り付けられるものであり、液体燃料以外の燃料等を供給する燃料経路をケーシング2の内部に挿入するために、前記フランジ8には周方向に等角度間隔で複数箇所に貫通孔27が形成されている。本例では、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の半径と同一の半径でフランジ8の上面に想定した円に沿って、周方向に45度間隔で前記接続ブシュ15を除く7箇所の位置に貫通孔27が形成されている。
【0042】
なお、以上説明した図6等に示す液体燃料噴射手段6の構造は、図7に示す本願発明者が提案している液体燃料専用の液体燃料噴射手段6aと、フランジ8に前記貫通孔27が形成されている点のみが異なり、その他の構造は同一である。また、以上説明した図6等に示す液体燃料噴射手段6の構成では、フランジ8に貫通孔27が形成されており、そのままでは貫通孔27から空気が漏れてしまうので、アタッチメント7を装着せずに液体燃料のみによって駆動する場合には、図8に示すように、接続ブシュ15及び接続部26を挿通して干渉を回避するために平面視馬蹄形状乃至C字形に形成された閉止部材30をフランジ8に取り付けて貫通孔27を閉止する必要がある。
【0043】
次に、液体燃料噴射手段6に着脱されるアタッチメント7の構造を、主としてアタッチメント7のみを示す図9と、液体燃料噴射手段6にアタッチメント7を装着した状態である図2〜図4の斜視図を参照して説明する。
【0044】
図9等に示すように、アタッチメント7は、液体燃料噴射手段6に取り付けるための取り付けフランジ31を備えている。この取り付けフランジ31は、ケーシング2のフランジ8と同一外径であり、ケーシング2のフランジ8の上に重ねて載置される。この取り付けフランジ31の中心には液体燃料噴射手段6のパイロットノズル25の接続部26よりも大径である円形の第1挿入孔32が形成されている。また、この取り付けフランジ31には、第1挿入孔32に連続して略三角形状の第2挿入孔33が形成されており、図9(a)に示すように2つの挿入孔は全体として平面視で略鍵穴形状を呈している。
【0045】
図9等に示すように、取り付けフランジ31の上面には、平面視において円環の一部を切り欠いたような略馬蹄形乃至C型を呈する空洞状の燃料受容部34が設けられている。すなわち、この燃料受容部34の形状・構造は、換言すればドーナツ型の中空円筒体の一部の壁体を密封構造で切り欠いて除去したようなものである。そして、この燃料受容部34は、その略馬蹄形乃至C型の中心と、取り付けフランジ31の中心とを一致させて、第1挿入孔32の周囲及び第2挿入孔33の一部の近傍に沿って設けられている。
【0046】
従って、図1〜図3及び図5に示したように、取り付けフランジ31をケーシング2のフランジ8に重ねて装着すると、パイロットノズル25の接続部26は、取り付けフランジ31の第1挿入孔32及び燃料受容部34の中央部を挿通して上方に突出し、またメインノズル11の接続ブシュ15は、取り付けフランジ31の第2挿入孔33及び燃料受容部34の切欠き部を挿通して上方に突出し、それぞれアタッチメント7との干渉が避けられるようになっている。
【0047】
図9等に示すように、燃料受容部34の外周面には、液体燃料以外の燃料等の供給管37が接続連通されており、ケーシング2の外部にある図示しない供給元と供給管37を接続連通することにより、燃料受容部34に液体燃料以外の燃料等を供給することができる。燃料受容部34の内部空間に供給された燃料等は、周方向に均等に分散され、後述する燃料経路を介して前記液体燃料噴射手段6に送られるようになっている。
【0048】
図9等に示すように、取り付けフランジ31の下面側には、取り付けフランジ31を貫通して燃料受容部34に連通する7本の燃料経路35が設けられている。これら燃料経路35は、取り付けフランジ31に略直交する上下方向に延設されており、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の半径と同一の半径で取り付けフランジ31の上面に想定した円に沿って、周方向に45度間隔で燃料受容部34が存在しない切欠き部を除く7箇所の位置に配置されている。
【0049】
なお、この燃料経路35は、液体燃料以外の燃料等、例えばガス燃料や微粉固体燃料を搬送・供給するための管であるため、その内径は、微粒化のために相対的に高圧を加える必要がある液体燃料を搬送・供給する燃料配管14の内径よりも大きく設定することができる。特に、燃料経路35によって微粉固体燃料を搬送・供給する場合には、液体燃料の燃料配管14よりも内径を大きく設定する必要がある。
【0050】
従って、図1〜図5に示したように、アタッチメント7を液体燃料噴射手段6に装着すると、アタッチメント7側の7本の燃料経路35は、ケーシング2のフランジ8に形成された7個の貫通孔27にそれぞれ挿通されてケーシング2内に挿入され、液体燃料噴射手段6の燃料配管14と干渉することなく、その下端に開口した開口35aを、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の真上(上流)に臨ませることができる。そして、パイロットノズル25の接続部26とメインノズル11の接続ブシュ15は、アタッチメント7の取り付けフランジ31の第1及び第2挿入孔32,33を挿通して上方に突出するので、アタッチメント7を液体燃料噴射手段6に対して一体に組み合わせることができ、ボルト等の締結手段36によって両者を確実に固定することができる。
【0051】
次に、本実施形態のガスタービン燃焼器1におけるガスタービン用燃料噴射装置4の作用効果について説明する。
まず、液体燃料によって始動し、その後にガス燃料又は微粉固体燃料に切り替えて駆動する場合について説明する。
本例のガスタービン燃焼器1の運転始動時には、図示しないターボ圧縮機から圧縮空気がケーシング2内に送り込まれ、燃焼筒3の頂部に設けられた液体燃料噴射手段6の第1乃至第3スワラ10,21,23、液体燃料噴射手段6の外側に設けられた火炎保持用のスワラ5、そして燃焼筒3の周壁に形成された多数の吸気孔3aから圧縮空気が燃焼筒3内に供給される。起動時には液体燃料噴射手段6のパイロットノズル25から燃料が噴射されて空気と混合され、この混合気に図示しない点火装置が点火して燃焼が始まり、さらにメインノズル11による液体燃料の燃焼に移行する。
【0052】
メインノズル11の燃料通路12では、燃料が供給通路13から接線方向に沿って送り込まれるので、燃料は燃料通路12内の周方向に均一に分布する。さらに燃料は、燃料通路12の周方向に均一な分布で形成された供給孔20を通ることにより、所要の旋回速度を与えられてノズル部16内に送られ、さらに均一な分布となって環状のノズル部16からフィルマー部材17及びプレフィルマー部材18を経て吹き出され、筋のない円錐状の均一な液膜を形成する。そして、環状のノズル部16は内側及び外側が周状の第1乃至第3スワラ10,21,23に囲まれているので、ノズル部16から均一に吹き出された燃料は、第1乃至第3スワラ10,21,23からの空気流により微細化されて均一な混合気となり、燃焼筒3内に吹き出される。このため、燃料の完全燃焼が促進され、燃焼効率が向上する。
【0053】
液体燃料から、ガス燃料又は微粉固体燃料に切り替えた場合には、アタッチメント7によるガス燃料又は微粉固定燃料の供給及び燃焼が開始され、液体燃料噴射手段6による液体燃料の噴射及び燃焼が停止される。
【0054】
アタッチメント7によるガス燃料又は微粉固体燃料の供給にあたっては、図3及び図4中に矢印にて示すように、外部の供給元から送られたガス燃料等は、供給管37から燃料受容部34に入り、燃料受容部34の内部空間で周方向に均等に分散され、周方向に略均等に並んだ7本の燃料経路35を介して、ケーシング2内にある液体燃料を微粒化するための第1スワラ10の上流に周方向について一様に供給される。そしてガス燃料等は圧縮空気とともに第1スワラ10で適正な配分でバランスよく混合され、均一な混合気となって燃焼筒3内に吹き出される。このため、液体燃料の燃焼の場合と同様、ガス燃料等の完全燃焼が促進され、液体燃料の燃焼に引き続いて高い燃焼効率が得られる。
【0055】
一般に比重の重い低カロリーガスを少なくとも一部に含むガス燃料の場合、燃焼効率を上げるためにはガス燃料と空気の良好なミキシングが必要不可欠である。なぜなら低カロリーガスは、通常のガス(例えば都市ガス)に比べてCO2 やN2 がより多く含まれるために比重が相対的に大きく、空気と混合しにくいからである。ところが、本実施形態によれば、アタッチメント7によって供給されたガス燃料を、液体燃料を微粒化するための第1スワラ10の上流から導入するので、燃焼領域に入る以前にガスと空気を燃焼に適した良好な状態に混合することができ、低カロリーガスの燃焼を良好に行なわせることができる。すなわち、本実施形態のガスタービン用燃料噴射装置4によれば、低カロリーガスからなるガス燃料又は低カロリーガスを一部に含むガス燃料を有効利用し、高い燃焼効率で燃焼させることができる。
【0056】
以上説明した作用では、まず液体燃料によって始動し、その後にガス燃料又は微粉固体燃料に切り替えて燃焼させる場合について説明したが、液体燃料を含む複数種類の燃料の仕様乃至種類と、その使用方法・使用態様は別にこれに限るものではなく、ユーザーの任意でかまわない。例えば、液体燃料で始動した後、液体燃料に加えてガス燃料と微粉固体燃料の少なくとも一方を併用して燃焼を継続させてもよい。また、液体燃料は使用せず、始めからガス燃料と微粉固体燃料の一方又は双方を用いて始動・燃焼させてもよい。また、液体燃料と、ガス燃料と、微粉固体燃料を用いて始動し、そのまま同燃料で燃焼を継続させてもよい。また、アタッチメント7の燃料経路35に蒸気を供給し、燃焼筒3内の火炎温度を低下させ、発生するNOX 量を低減させてさらなる高出力化を達成してもよいし、この状態で出力は一定に保ちつつ低燃費化を達成することとしてもよい。
【0057】
以上説明した実施形態では、アタッチメント7を装着した場合、ケーシング2内に挿入されたアタッチメント7の燃料経路35は、液体燃料噴射手段6の第1スワラ10の上流に開口35aが配置されるように構成されていた。しかし、アタッチメント7を経由して供給された液体燃料以外の燃料等を空気と良好に混合した状態で燃焼筒3内に噴射して燃焼に供するためには、液体燃料以外の燃料等は、液体燃料を微粒化する機能を備えた第2又は第3スワラ21,23の上流に供給するものとしてもよい。
【0058】
また、本実施形態ではガス燃料等のアタッチメント7は着脱式であるため、液体燃料専用に使用したい場合にはアタッチメント7を取り外し、ケーシング2のフランジ8に閉止部材30を取り付けてフランジ8の貫通孔27を塞ぐだけでよい。
【0059】
このように、本実施形態のガスタービン用燃料噴射装置4によれば、液体燃料を良好な状態で燃焼するべく設定された液体燃料噴射手段6の構造に特に大きな変更を加えることなく、燃料仕様の変更に柔軟に対応することができる。特に、燃料経路35にガス燃料を供給すれば、燃焼筒3内でのガス燃料の飛散が抑制され、ガス燃料の良好な燃焼が可能となる。また、燃料経路35に微粉固体燃料を供給すれば、液体燃料噴射手段6のスワラからの旋回流によって微粉固体燃料は燃焼器内に円滑に供給されて効率よく分散される。また、燃料経路35に蒸気を供給すれば、燃焼筒3内の火炎温度が低下し、発生するNOX 量の低減が図れ、高出力化が期待でき、また出力を一定に保つのであれば低燃費化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は本実施形態の燃料噴射装置を備えたガスタービン燃焼器の縦断面図である。
【図2】図2は本実施形態の燃料噴射装置の斜視図である。
【図3】図3は図2のA部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図である。
【図4】図4は図2のB部を縦断面で切り欠いた拡大斜視図である。
【図5】図5(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す平面図、図5(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着した状態を示す縦断面図である。
【図6】図6(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止 部材を装着していない状態を示す平面図、図6(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメント及び閉止部材を装着していない状態を示す縦断面図である。
【図7】図7(a)は液体燃料専用の燃料噴射装置の平面図、図7(b)は液体燃料専用の燃料噴射装置の縦断面図である。
【図8】図8(a)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す平面図、図8(b)は本実施形態の燃料噴射装置においてアタッチメントを装着せずに閉止部材を装着している状態を示す縦断面図である。
【図9】図9(a)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの平面図、図9(b)は本実施形態の燃料噴射装置のアタッチメントの正面図である。
【図10】図10は、ガスタービンに用いられている従来の液体燃料専用の燃料噴射装置の一例を示す断面図である。
【図11】図11は、デュアル燃料対応の従来のガスタービン用燃料噴射装置の一例を示す断面図である。
【図12】図12は、デュアル燃料対応の従来のガスタービン用燃料噴射装置の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1…ガスタービン燃焼器
2…ケーシング
3…燃焼筒
4…燃料噴射装置
5…保炎用のスワラ
6…液体燃料噴射手段
7…アタッチメント
8…ケーシングのフランジ
9…第1環状部材
10…第1スワラ
11…メインノズル
12…燃料通路
13…供給通路
16…ノズル部
17…フィルマー部材
18…プレフィルマー部材
20…供給孔
21…第2スワラ
23…第3スワラ
25…パイロットノズル
30…閉止部材
34…燃料受容部
35…燃料経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を微粒化する機能を備えた少なくとも一つの周状のスワラと、前記スワラよりも内方に配置されて前記液体燃料を噴射する液体燃料噴射手段を備え、ガスタービンの燃焼器に設けられて供給された燃料を空気と混合して前記燃焼器内での燃焼に供するガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料噴射手段に対して着脱可能であり、装着時に前記液体燃料以外の前記燃料を前記スワラの上流に供給する燃料経路を備えたアタッチメントを有することを特徴とするガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項2】
前記燃焼器は、圧縮された空気が供給されるケーシングと、前記ケーシングの内部に収納された燃焼筒とを有しており、
前記液体燃料噴射手段は、その一部分が前記ケーシングの特定箇所から外側に突出した状態で前記燃焼筒に取り付けられており、
前記アタッチメントは、前記ケーシングの外側に突出した前記液体燃料噴射手段の前記一部分に装着され、
前記アタッチメントが装着された時、前記アタッチメントの前記燃料経路は、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された貫通孔から前記ケーシング内に挿入され、前記燃料を吐出する開口が前記スワラの上流に配置されるように構成されたことを特徴とする請求項1記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項3】
液体燃料のみを使用する場合には、前記アタッチメントを装着せずに、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された前記貫通孔を閉止部材で閉止することができることを特徴とする請求項2記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項4】
前記液体燃料噴射手段は、
前記スワラの中心に配置されたパイロットノズルと、
燃料が所定の向きで旋回するように供給される環状の燃料通路と、前記燃料通路の接線方向に沿って前記燃料通路に燃料を供給する供給通路と、前記燃料通路に供給された燃料を噴射する環状のノズル部と、前記燃料通路に供給された燃料を前記ノズル部に導くために前記燃料通路において燃料が旋回する向きに対して鋭角をもって交差するように前記燃料通路と前記ノズル部を周方向の複数箇所で連通する複数の供給孔とを備えたメインノズルと、
を有していることを特徴とする請求項3記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項5】
前記メインノズルの前記ノズル部が、ノズルを構成する所定寸法の隙間をおいて同心円状に配置された一対の周状のフィルマー部材から構成されたことを特徴とする請求項4記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項6】
前記液体燃料以外の前記燃料が、ガス燃料と微粉固体燃料からなる群から任意に選択された1以上の燃料であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項7】
前記アタッチメントの前記燃料経路には蒸気を供給することができることを特徴とする請求項6に記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項1】
液体燃料を微粒化する機能を備えた少なくとも一つの周状のスワラと、前記スワラよりも内方に配置されて前記液体燃料を噴射する液体燃料噴射手段を備え、ガスタービンの燃焼器に設けられて供給された燃料を空気と混合して前記燃焼器内での燃焼に供するガスタービン用燃料噴射装置において、
前記液体燃料噴射手段に対して着脱可能であり、装着時に前記液体燃料以外の前記燃料を前記スワラの上流に供給する燃料経路を備えたアタッチメントを有することを特徴とするガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項2】
前記燃焼器は、圧縮された空気が供給されるケーシングと、前記ケーシングの内部に収納された燃焼筒とを有しており、
前記液体燃料噴射手段は、その一部分が前記ケーシングの特定箇所から外側に突出した状態で前記燃焼筒に取り付けられており、
前記アタッチメントは、前記ケーシングの外側に突出した前記液体燃料噴射手段の前記一部分に装着され、
前記アタッチメントが装着された時、前記アタッチメントの前記燃料経路は、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された貫通孔から前記ケーシング内に挿入され、前記燃料を吐出する開口が前記スワラの上流に配置されるように構成されたことを特徴とする請求項1記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項3】
液体燃料のみを使用する場合には、前記アタッチメントを装着せずに、前記ケーシングの前記特定箇所に形成された前記貫通孔を閉止部材で閉止することができることを特徴とする請求項2記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項4】
前記液体燃料噴射手段は、
前記スワラの中心に配置されたパイロットノズルと、
燃料が所定の向きで旋回するように供給される環状の燃料通路と、前記燃料通路の接線方向に沿って前記燃料通路に燃料を供給する供給通路と、前記燃料通路に供給された燃料を噴射する環状のノズル部と、前記燃料通路に供給された燃料を前記ノズル部に導くために前記燃料通路において燃料が旋回する向きに対して鋭角をもって交差するように前記燃料通路と前記ノズル部を周方向の複数箇所で連通する複数の供給孔とを備えたメインノズルと、
を有していることを特徴とする請求項3記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項5】
前記メインノズルの前記ノズル部が、ノズルを構成する所定寸法の隙間をおいて同心円状に配置された一対の周状のフィルマー部材から構成されたことを特徴とする請求項4記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項6】
前記液体燃料以外の前記燃料が、ガス燃料と微粉固体燃料からなる群から任意に選択された1以上の燃料であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【請求項7】
前記アタッチメントの前記燃料経路には蒸気を供給することができることを特徴とする請求項6に記載のガスタービン用燃料噴射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−101540(P2010−101540A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272216(P2008−272216)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(503116899)新潟原動機株式会社 (61)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(503116899)新潟原動機株式会社 (61)
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