説明

ガスタービン翼の修正方法

【課題】タービン翼の修正、補修時に、タービン翼の冷却機能をより好適にし、かつ外形寸法の変化によるガスタービン性能の低下を抑制したガスタービン翼の修正方法を提供することにある。
【解決手段】ガスタービンの作動流体が流入する側となる前縁と、前記作動流体が流出する側となる後縁と、前記前縁から前記後縁まで延びる背側部分および腹側部分の翼壁とで形成された翼形部を備えたガスタービン翼の修正方法であって、前記翼形部の前記後縁側近傍の前記被膜層の厚さを増加させる工程と、前記ガスタービンに取り付けられた際の隣接する2翼間の最少距離であるスロート幅の修正前後の変化量が小さくなるように、前記翼壁の一部を除去する工程とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン翼の修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特許文献1には、セラミック断熱皮膜を再施工する際に高圧タービンブレードの被覆翼形部外形寸法をほぼエンジン運転使用前の被覆外形寸法に復元する方法が記載されている。具体的には、減肉したベース金属基体の部分を補償するようにセラミック断熱皮膜厚さを変化させることで被覆翼形部外形寸法を、ほぼエンジン運転使用前の被覆外形寸法に復元している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−194623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスタービン翼は、ガスタービン運転中に高温高圧な燃焼ガスに晒される。高温高圧という過酷な環境下において、ガスタービン翼には割れなどの劣化、損傷が生じる場合がある。経済性や環境性の観点から、割れが生じたタービン翼はその都度新品に交換されるのではなく、補修、修正されて再利用される場合がある。
【0005】
このとき、運転使用中に劣化、損傷を示した部分などの冷却機能が好適でない部分が存在する場合や、ガスタービンの仕様変更などにより冷却機能が好適でなくなった場合は、タービン冷却翼の冷却機能を改良しなければ、損傷が発生、もしくは再発する恐れがある。したがって、例えば、冷却機能改善のためにセラミック断熱被膜を好適な冷却機能が得られる厚さにまで厚くできることが望ましい。
【0006】
特許文献1の方法では、セラミック断熱被膜の厚さは、復元すべき外形寸法によって決定されるため、冷却上好適な厚さとすることができない場合がある。
【0007】
また、ガスタービン翼は、その補修過程や、劣化、損傷により外形寸法が変化する場合がある。また、ガスタービンの仕様変更や大気条件などにより、好適とされる外形寸法が変化する場合もある。好適ではないガスタービン翼の外形寸法はガスタービンの熱効率を低下させる場合もあるため、避けるべきである。
【0008】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、タービン翼の修正、補修時に、タービン翼の冷却機能をより好適にすると共に、外形寸法の変化によるガスタービン性能の低下を抑制したガスタービン翼の修正方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願発明は、ガスタービンの作動流体が流入する側である前縁9と、前記作動流体が流出する側である後縁と、前記前縁9から前記後縁まで延びる背側部分および腹側部分の翼壁とで形成された翼形部を備えたガスタービン翼の修正方法であって、前記翼形部の前記後縁側近傍の前記被膜層の厚さを増加させる工程と、前記ガスタービンに取り付けられた際に前記ガスタービンの周方向に隣接する2翼間の最少距離であるスロート幅の修正前後の変化量が小さくなるように、前記翼壁の一部を除去する工程とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タービン翼の修正、補修時に、タービン翼の冷却機能をより好適にすると共に、外形寸法の変化によるガスタービン性能の低下を抑制したガスタービン翼の修正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】タービン冷却翼の横断面図の例である。
【図2】タービン冷却翼の側面図の例である。
【図3】本発明による実施方法の例である。
【図4】本発明による実施方法の例である。
【図5】本発明による実施方法の例である。
【図6】本発明による実施方法の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1に、本実施例に係るタービン冷却翼1の翼形部(羽根部)10の横断面図を示す。また、図2に、本実施例に係るタービン冷却翼1の側面図を示す。このタービン冷却翼1は、定置形や航空機ガスタービンで使用され、高温ガスを作動媒体として運転される。このタービン冷却翼1は隣接するタービン冷却翼1とスロート幅41の間隔を隔て環状に配置される。また、タービン冷却翼1は外周側エンドウォール14aと内周側エンドウォール14bによって支持される。
【0014】
翼形部10は、ガスタービンに取り付けられた際に作動媒体が流入する側となる前縁(入口縁)9と、ガスタービンの作動媒体が流出する側となる後縁(出口縁)13と、前縁9から後縁13まで延びる背側部分11および腹側部分12の翼壁とで形成されている。また、翼形部10の内部には、冷却流路21が設けられており、冷却流路21は後縁冷却流路22と繋がっている。作動媒体である高温ガスより低温の冷却空気を、冷却流路21へ供給することにより、背側部分11および腹側部分12は冷却される。この冷却空気は、後縁冷却流路22を通過する際、背側部分11および腹側部分12の後縁側を主に冷却した後、後縁13より作動媒体中へ噴出される。
【0015】
タービン冷却翼1は、ガスタービン運転中に高温高圧な燃焼ガスに晒される。高温高圧な過酷な環境下において、タービン冷却翼1には割れなどの劣化、損傷が生じる場合があるが、特に翼形部10の厚みが減少する後縁13近傍で部材の割れが発生しやすい。このような割れは、ガスタービンの起動、停止に伴いタービン冷却翼1のメタル温度が変化するが、その際に生じる熱応力などに起因する。タービン冷却翼に割れなどの損傷が発生した場合、その都度新品の翼と交換するのではなく、補修して再利用することが経済性の観点から望ましい。
【0016】
タービン冷却翼1の補修は、セラミック断熱被膜31を有する場合は、まず、セラミック断熱被膜31を除去してタービン冷却翼1のメタルを露出させる。次いで損傷個所が切削除去され、最後に翼材料と同種材料の肉盛り溶接により、同一形状に復元することで行われる。しかし、運転使用前と同一形状に補修しただけでは、次の一定期間の運転により同種の損傷、劣化が生じてしまうため、補修時にタービン冷却翼1の冷却機能を強化することが望ましい。
【0017】
そこで、本実施例における補修方法では、タービン冷却翼1の背側部分11と腹側部分12の後縁13側表面のセラミック断熱被膜31の厚さを増加させる。厚さの増加量は、損傷、劣化の予防に必要とされる冷却機能の増強量と、信頼性などの観点から決まるセラミック断熱被膜の施工可能最大厚さによって決定することができる。
【0018】
このようにセラミック断熱被膜31の厚さを増加させることで、ガスタービン冷却翼1の後縁13近傍への作動媒体からの入熱量が減少する。そのため、メタル温度の上昇を抑制することができ、温度上昇による材料強度の低下を抑制することができ、ガスタービン運転中の損傷・劣化を抑制することができる。また、セラミック断熱被膜31を後縁13近傍のみに限定することで、セラミック断熱被膜31の施工コストを低減できるとともに、次回補修時のセラミック断熱被膜31の除去コストを低減することが可能となる。
【0019】
しかし、セラミック断熱被膜31をただ厚くしただけでは、ガスタービンに取り付けられた際に、ガスタービンの周方向に隣接する2翼間の最少距離であるスロート幅41が、補修前に比べて小さくなる。そのため、スロート幅と前記外周側エンドウォール14aから前記外周側エンドウォール14bまでの距離とによって決まるスロート断面積が変化し、ガスタービン性能が低下する恐れがある。
【0020】
図3には、本実施例に係る補修前後のタービン冷却翼1の後縁13の形状が横断面図を用いて示されている。本実施例による補修方法では、ガスタービン性能の低下を抑制するために、タービン冷却翼1の翼壁のうち後縁13部分を除去し、スロート幅41が補修前とほぼ等しくなるようにしている。このように補修することで、セラミック断熱被膜31の厚さ増加によるスロート幅41の減少を補うことができるため、ガスタービン性能を補修前と同等に保つことができる。
【0021】
また、セラミック断熱被膜31の厚さ増加領域を後縁13近傍(本実施例では前縁から後縁に延びる翼壁のうち、後縁側の約30%の領域)に限定することで、セラミック断熱被膜31によるスロート幅41の減少を、全面の厚みを増加させた場合に比べ小さくすることができるため、後縁13部分の除去量を最小限に留めることができる。このように少ない加工ですむため、加工コストも低く抑えることができる。
【実施例2】
【0022】
図4には、本実施例に係るタービン冷却翼1の補修方法が横断面図を用いて示されている。このタービン冷却翼1は、基本的には実施例1に記載のタービン冷却翼と同じであり、実施例1と異なる部分のみ以下に詳細に説明する。
【0023】
本実施例による補修方法では、タービン冷却翼1の翼壁のうち背側部分11の一部を除去し、スロート幅41が補修前とほぼ等しくなるようにしている。このようにすることで、セラミック断熱被膜31の厚さ増加によるスロート幅41の減少を補うことができるため、ガスタービン性能を補修前と同等に保つことができる。
【0024】
なお、本実施例では、背側部分11を直線的に除去しているが、除去後の翼形状はタービン冷却翼1の空力性能や構造強度の低下が許容できる範囲内で任意の形状とすることができる。
【0025】
また、背側部分11を除去することにより、タービン冷却翼1のメタル厚さが補修前より薄くなり、構造強度は低下する。しかし、セラミック断熱被膜31の厚さ増加領域を後縁13近傍に限定することで、セラミック断熱被膜31によるスロート幅41の減少を、全面の厚みを増加させた場合に比べ小さくすることができるため、背側部分11の除去量を最小限に留めることができる。したがって、加工コストを低く抑えることができるとともに、信頼性の低下も最小限に止めることができる。
【実施例3】
【0026】
図5には、本実施例に係るタービン冷却翼1の補修方法が横断面図を用いて示されている。このタービン冷却翼1は、基本的には実施例1に記載のタービン冷却翼1と同じであり、実施例1と異なる部分のみ以下に詳細に説明する。
【0027】
本実施例による補修方法では、補修前にスロート部分上流側に設けられていたフィルム冷却孔23をスロート部分下流側に移設することにより、セラミック断熱被膜31の厚さの増加によりスロート幅41が変化したことによるガスタービン性能低下を抑制し、ガスタービン性能を補修前と同等に保つことを可能とする。
【0028】
フィルム冷却孔23は冷却流路21と連通しており、冷却流路21内に供給された冷却空気の一部はフィルム冷却孔23を通過し作動媒体中へ噴出される。作動媒体中噴出された冷却空気は、タービン冷却翼1表面近傍の作動媒体の温度を低下させ、タービン冷却翼1への入熱を抑制する。
【0029】
このようなフィルム冷却孔23の移設は、割れの補修と同様の手法によって行われる。例えば、フィルム冷却孔23の肉盛り溶接による閉止と、放電加工やレーザー加工による貫通孔加工によって行う。
【0030】
隣接するタービン冷却翼1の間を流れる作動媒体はフィルム冷却孔23や後縁13などの冷却空気の噴出孔を通過するに従い増加する。作動媒体に噴出した冷却空気が合流するからである。そこで、本実施例に係る補修方法では、フィルム冷却孔23をタービン冷却翼1のスロート前からスロート後に移設することで、補修前にスロート前で混入していたフィルム冷却空気を補修後ではスロート後に混入させている。これにより、スロート部を流れる作動媒体量が減るため、スロート断面における単位面積あたりの流量が減少し、空力特性上、スロート幅41を増加させたのと同等の効果を示す。
【0031】
また、本実施例では構造部材の除去を行っていないため、構造強度の低下を抑制することができるため、より信頼性を高めることができる。
【0032】
なお、本実施例では、翼面上のフィルム冷却孔23を移設しているが、エンドウォール14に設けられたフィルム冷却孔23を移設しても構わない。また、フィルム冷却孔23の全数を移設しているが、一部の移設でも良い。更に、移設ではなく、新たにスロート位置下流側のフィルム冷却孔23の数を増やす補修によっても、スロート位置上流から噴出する冷却空気の割合が減少するため、ガスタービン性能の低下を抑制する効果が得られる。
【実施例4】
【0033】
図6には、本実施例に係るタービン冷却翼1の補修方法が側面図を用いて示されている。このタービン冷却翼1は、基本的には実施例1に記載のタービン冷却翼と同じであり、実施例1と異なる部分のみ以下に詳細に説明する。
【0034】
本実施例に係る補修方法では、タービン冷却翼1を支持する外周側エンドウォール14aと内周側エンドウォール14bの一部を除去し、外周側エンドウォール14aから内周側エンドウォール14bまでの距離であるエンドウォール間距離42とスロート幅41とによって決まるスロート断面積を補修前とほぼ等しくなるようにしている。このようにすることで、セラミック断熱被膜31の厚さ増加によるスロート幅41の減少を補うことができるため、ガスタービン性能を補修前と同等に保つことができる。
【0035】
なお、本実施例では、エンドウォール14を直線的に除去しているが、除去後のエンドウォール14の形状はタービン冷却翼1の空力性能やエンドウォール14の構造強度の低下が許容できる範囲内で任意の形状とすることができる。また、本実施例では、外周側エンドウォール14aと内周側エンドウォール14bの両について、その一部を除去しているが、どちらか一方の一部を除去することとしてもよい。また、タービン冷却翼1周りに生じる2次流れによる損失を抑制するために、エンドウォールに凹凸を設ける技術が公知となっているが、それらと組み合わせてもよい。
【0036】
また、エンドウォール14の一部を除去することにより、メタル厚さが補修前より薄くなり、構造強度が低下するが、セラミック断熱被膜31の厚さ増加領域を後縁13近傍に限定することで、セラミック断熱被膜31によるスロート幅41の減少を、全面の厚みを増加させた場合に比べ小さくすることができるため、エンドウォール14の除去量を最小限に留めることができる。このように少ない加工ですむため、加工コストを低く抑えることができる。
【0037】
なお、本発明は上記した実施例1−4の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも実施例に記載した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0038】
例えば、翼後縁腹側部分の除去と翼背側部分の除去と、フィルム冷却孔23の移動とエンドウォール14の除去を任意に組み合わせることで、スロート断面積の単位面積あたりを流下する作動媒体の流量が補修前と同等になるように設定しても良い。同時に実施する施策数を増やすことで、各施策による除去量などを小さくすることができ、構造強度の低下を抑制することができるため、より信頼性を高めることができる。一方で、施策数を増やすと加工コストが増加するため、加工コストと信頼性の両者のバランスを見ながら施工方法を決定することが望ましい。
【0039】
また、補修前のタービン冷却翼1はセラミック断熱被膜31を有していなくともよく、補修後に補修前より厚いセラミック断熱被膜が施工されていればよい。
【0040】
また、セラミック断熱被膜31の許容施工可能な最大厚さは耐剥離性など信頼性の観点から制限を受ける。この、最大施工厚さを厚くすることができるような施工方法や技術が年々開発されている。補修は、例えば2年毎など一定期間ごとに行われるが、その間に開発された技術を補修時に適用し、より高い冷却機能を翼に付与することができれば、損傷の補修と予防とともに、冷却空気量を削減しガスタービンの性能を向上させ、熱効率を高めることもできる。このように本補修方法は、運転期間中に開発された新たな技術を既存のタービン翼へ付与する場合にも適用可能である。
【0041】
また、上記実施例では、一定期間の運転使用後の補修時について説明したが、運転使用前のタービン冷却翼に適用しても構わない。
【0042】
ガスタービンの仕様の見直しや、運転環境によって好適とされるスロート幅や、必要とされる冷却機能が変化する場合もある。タービン冷却翼を新たに再設計・再製作すると、非常にコストがかかるため、このようなときに本実施の修正方法を適用することで、より高いガスタービン性能を、より低コストで得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 タービン冷却翼
9 前縁(入口縁)
10 翼形部(羽根部)
11 背側部分
12 腹側部分
13 後縁(出口縁)
14a 外周側エンドウォール
14b 内周側エンドウォール
21 冷却流路
22 後縁冷却流路
23 フィルム冷却孔
31 被覆層
41 スロート幅
42 エンドウォール間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの作動流体が流入する側となる前縁と、前記作動流体が流出する側となる後縁と、前記前縁から前記後縁まで延びる背側部分および腹側部分の翼壁とで形成された翼形部を備えたガスタービン翼の修正方法であって、
前記翼形部の前記後縁側近傍の被膜層の厚さを増加させる工程と、
前記ガスタービンに取り付けられた際に前記ガスタービンの周方向に隣接する2翼間の最少距離であるスロート幅の修正前後の変化量が小さくなるように、前記翼壁の一部を除去する工程とを含むことを特徴とするガスタービン翼の修正方法。
【請求項2】
請求項1に記載のガスタービン翼の修正方法において、前記翼壁の除去される部分が、前記腹側の前記後縁端であることを特徴とするガスタービン翼の修正方法。
【請求項3】
請求項1に記載のガスタービン翼の修正方法において、前記翼壁の除去される部分が、前記背側部分にあることを特徴とするガスタービン翼の修正方法。
【請求項4】
ガスタービンの作動流体が流入する側となる前縁と、前記作動流体が流出する側となる後縁と、前記前縁から前記後縁まで延びる背側部分および腹側部分の翼壁とで形成された翼形部と、前記翼形部に前記作動媒体よりも低温の冷却空気を流下させるための中空部と、前記翼形部を支持するエンドウォールと、前記翼形部または前記エンドウォールの少なくとも一方に前記冷却空気を前記作動媒体中に噴出するためのフィルム冷却孔とを備えたガスタービン翼の修正方法であって、
前記翼形部の前記後縁側近傍の被膜層の厚さを増加させる工程と、
前記ガスタービンに取り付けられた際の隣接する2翼間の距離が最小となる位置であるスロート位置よりも前記後縁側において前記フィルム冷却孔の数を、修正前よりも増加させる工程とを含むことを特徴とするガスタービン翼の修正方法。
【請求項5】
請求項4に記載のガスタービン翼の修正方法において、
前記スロート位置よりも前記前縁側に配置された前記フィルム冷却孔の数を、修正前よりも減少させる工程を含むことを特徴とするガスタービン翼の修正方法。
【請求項6】
ガスタービンの作動流体が流入する側となる前縁と、前記作動流体が流出する側となる後縁と、前記前縁から前記後縁まで延びる背側部分および腹側部分の翼壁とで形成された翼形部と、前記翼形部を支持する内周側エンドウォールおよび外周側エンドウォールとを備えたガスタービン翼の修正方法であって、
前記翼形部の前記後縁側近傍の被膜層の厚さを増加させる工程と、
前記ガスタービンに取り付けられた際の隣接する2翼間の最少距離であるスロート幅と前記内周側エンドウォールから前記外周側エンドウォールまでの距離とによって決まるスロート断面積の修正前後の変化量が小さくなるように、前記内周側エンドウォールまたは前記外周側エンドウォールの少なくとも一部を除去する工程とを含むことを特徴とするガスタービン翼の修正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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