説明

ガス供給集積ユニット

【課題】 安価で軽量なガス供給集積ユニットを提供すること。
【解決手段】複数の流体制御機器5を取付ボルト14を用いて取付板9に固定することにより作用ガスの供給ライン上に並設し、作用ガスの供給又は遮断を制御するガス供給集積ユニット1において、流体制御機器5の下面に開口するポートに接続する接続ポート34,35が上面に開設されるとともに、接続ポート34,35に連通する内部流路36が形成された流路ブロック10Bと、流路ブロック10A,10Bの外側に配設され、取付ボルト14を挿通されるネジブロック15とを設け、ネジブロック15に挿通した取付ボルト14を取付板に固定したときに、流路ブロック10Bを流体制御機器2〜8と取付板9との間で狭持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作用ガスの供給を制御するガス供給集積ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体製造工程において、ホトレジスト加工のエッチング等に腐食性ガスが使用されている。ホトレジスト加工(ホトレジスト塗布、露光、現像、エッチング)は、半導体製造工程において複数回繰り返されるため、実際の半導体製造工程では、腐食ガスを必要に応じて供給するガス供給集積ユニットが使用されている。ガス供給集積ユニットは、流量を正確に計測するためのマスフローコントローラや、マスフローコントローラの前後に設けられる入口開閉弁、出口開閉弁、及びパージ弁や、供給ガスのガス圧を調整するレギュレータや、供給ガスの圧力をモニタするための圧力計などの流体制御機器を構成要素としている。例えば、ホトレジスト工程では、10種類以上のガスを供給する場合があり、その場合には、ガス供給集積ユニットをガスの種類の数だけマニホールドに取り付ける。半導体製造装置は、スペースを小さくしたり、生産効率を向上させる観点より、コンパクト化に対する要求が強く、それに伴って、ガス供給集積ユニットの小型化が望まれている。
【0003】
図37は、従来のガス供給集積ユニット100の断面図である。図38は、従来のガス供給集積ユニットで使用されるマニホールドブロック109,109の連結構造を示す図である。
従来のガス供給集積ユニット100は、入力ブロック101や出口ブロック107、手動弁102、レギュレータ103、入口開閉弁104、マスフローコントローラ105、出口開閉弁106などの流体制御機器をマニホールドブロック108,109,110,111に上方からボルト114…で固定して、そのマニホールドブロック108,109,119,111を取付板112に取付ネジ113で固定している。マニホールドブロック108,109,110,111は、凸部108a,109a,111aを隣り合うマニホールドブロック109,110の段差部109b,110bに重ね合わされてネジ114で固定されている。マニホールドブロック108,109,111には、流路108c,109c,111cがそれぞれ形成されるとともに、ボルト110を挿通するためのボルト孔108d,109d,110d,111dがそれぞれ形成されている。かかるマニホールドブロック108〜111の構造によれば、マニホールドブロック108〜111の間に無駄な隙間がなく、ユニット全体をコンパクトにできる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6394138号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のガス供給集積ユニット100には、以下の問題があった。
(1)従来のガス供給ユニット100は、マニホールドブロック108,109,111に流路108c,109c、111cとボルト孔108d,109d,110d,111dを形成していたため、流路108c、109c、111cとボルト孔108d,109d,111dとの位置関係が一義的に決まってしまっていた。手動弁102、レギュレータ103、入口開閉弁104、マスフローコントローラ105、出口開閉弁106などの流体制御機器は、下面形状が異なるため、ガス供給ライン上に流体制御機器を並設するときには、搭載する流体制御機器の種類によってマニホールドブロック108〜111を使い分けなければならなった。流路は、使用目的に応じてまちまちであり、従来のガス供給集積ユニット100は、十何種類ものマニホールドブロック108〜111をストックしなければならず、管理費がかかっていた。また、各種マニホールドブロックを成形するための金型なども必要になり、製作費が高くなってしまっていた。
【0006】
(2)また、マニホールドブロック108〜111は、流路108c,109c,111cとボルト孔108d,109d,110d,111dを形成する部分以外にも肉付けされており、ユニット全体の重量が重くなってしまっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、安価で軽量なガス供給集積ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るガス供給集積ユニットは、次のような構成を有している。
(1)複数の流体制御機器を取付ボルトを用いて取付板に固定することにより作用ガスの供給ライン上に並設し、作用ガスの供給又は遮断を制御するガス供給集積ユニットにおいて、流体制御機器の下面に開口するポートに接続する接続ポートが上面に開設されるとともに、接続ポートに連通する内部流路が形成された流路ブロックと、流路ブロックの外側に配設され、取付ボルトを挿通されるネジブロックとを有し、流路ブロックが、ネジブロックに挿通した取付ボルトを取付板に固定したときに、流体制御機器と取付板との間で狭持されることを特徴とする。
【0009】
(2)(1)に記載の発明において、接続ポートと流体制御機器のポートとの間に配設されるガスケットが、流路ブロックと流体制御機器との間で全周が均一に押し潰されていることを特徴とする。
【0010】
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、流路ブロックが位置決め部材を下面に立設され、取付板が位置決め部材を挿通される位置決め孔を形成されていることを特徴とする。
【0011】
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載の発明において、流路ブロックが、2個の接続ポートを有し、一方の接続ポートを開設される第1凸部と、第1凸部を挟んで左右対称に設けられた一対の第2凸部と、第1凸部と反対向きに設けられて他方の接続ポートを開設される第3凸部と、を有することを特徴とする。
【0012】
(5)(4)に記載の発明において、流路ブロックは、第1凸部が正方形形状に設けられ、第3凸部が、第1凸部と同一の正方形形状に形成された第1流路ブロックと、第1凸部が第1流路ブロックの第1凸部と同一の正方形形状に設けられ、第3凸部が長方形形状に形成された第2流路ブロックとからなり、第2流路ブロックの接続ポート間の距離が、第1流路ブロックの接続ポート間の距離より長いことを特徴とする。
【0013】
(6)(1)乃至(5)の何れか1つに記載の発明において、ネジブロックが筒状をなし、流路ブロックの高さより短く形成され、取付板に取付ボルトを取り付けるためのボルト孔が形成されていることを特徴とする。
【0014】
(7)(1)乃至(5)の何れか1つに記載の発明において、ネジブロックが、取付ボルトを締結されるボルト孔を上面から形成されるとともに、下面にボルト部材が立設され、取付板がボルト部材を締結されるボルト孔を形成されていることを特徴とする。
【0015】
(8)複数の流体制御機器を取付レールに固定することにより作用ガスの供給ライン上に並設し、作用ガスの供給又は遮断を制御するガス供給集積ユニットにおいて、流体制御機器の下面に開口するポートに接続する接続ポートが上面に開設されるとともに、接続ポートに連通する内部流路が形成された流路ブロックと、取付レールに摺動可能に取り付けられ、流体制御機器に挿通した取付ボルトを締結されるボルト孔を上面に形成されたネジブロックと、流路ブロックとネジブロックと取付レールとに挿通される位置決め部材とを有し、流路ブロックが、取付ボルトをネジブロックに固定することにより、流体制御機器と取付レールとの間で狭持されることを特徴とする。
【0016】
(9)(8)に記載の発明において、流路ブロックが、2個の接続ポートを有し、正方形形状に形成されて一方の接続ポートを開設される第1凸部と、第1凸部を挟んで対称に設けられた一対の第2凸部と、第1凸部と反対向きに設けられて他方の接続ポートを開設される第3凸部とを有することを特徴とする。
【0017】
(10)(9)に記載の発明において、流路ブロックは、第3凸部が、第1凸部と同一の正方形形状に形成された第1流路ブロックと、第3凸部が、第1凸部より先端側への幅が大きい長方形形状に形成された第2流路ブロックとからなり、第2流路ブロックの接続ポート間の距離が、第1流路ブロックの接続ポート間の距離より長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記構成を有するガス供給集積ユニットの作用効果について説明する。
ガス供給集積ユニットは、取付板に流体制御機器を固定する場合には、例えば、取付板上に流路ブロックを載置し、その外側にネジブロックを載置して、流体制御機器のポートが流路ブロックの接続ポートに連通するように流体制御機器を流路ブロック上に載置する。そして、流体制御機器からネジブロックに挿通した取付ボルトを用いて流体制御機器を取付板に固定する。流路ブロックは、取付ボルトを取付板に固定したときに流体制御機器と取付板との間で狭持される。かかるガス供給集積ユニットは、流体制御機器の下面に開設されたポートの位置や流体制御機器の下面形状に合わせて流路ブロックやネジブロックの位置を個別に調整できるので、流路ブロックを数種類だけ設けて、それらを組み合わせて作用ガスの流路を任意に形成することが可能である。そして、流路だけを形成する流路ブロックと、取付ボルトを挿通するだけのネジブロックとを別個にしたため、従来のマニホールドブロックに比べて余分な肉を省くことが可能である。
よって、本発明のガス供給集積ユニットによれば、流路ブロックの種類が少ないため、流路ブロックを成形するときに用いる金型などの数を削減して製作費を安くしたり、また、流路ブロックのストック量を減らして管理費を安くすることが可能なので、安価にすることができる。また、流路ブロックとネジブロックには、従来のマニホールドブロックのように余分な肉がないので、ユニット全体を軽量化することができる。
【0019】
また、本発明のガス供給集積ユニットは、流路ブロックと流体制御機器との間でガスケットの全周を均一に押し潰すので、シール性能を確保することができる。
【0020】
また、本発明のガス供給集積ユニットは、流路ブロックの下面に立設した位置決め部材を取付板に形成した位置決め孔に挿通することにより、流路ブロックを取付板に対して位置決めし、取付ボルトを用いて流体制御機器を取付板に固定するときに、流路ブロックが位置ずれしないので、流体制御機器のポートと流路ブロックの接続ポートとの位置合わせを容易に行うことができ、作業性が良い。
【0021】
また、本発明のガス供給集積ユニットは、流路ブロックの第2凸部に流体制御機器を載せ、流路ブロックの十字部分で流体制御機器を支持するので、流体制御機器を水平に保持することができる。
【0022】
また、本発明のガス供給集積ユニットは、接続ポート間の長さが異なる第1流路ブロックと第2流路ブロックを備えるが、第1流路ブロックと第2流路ブロックの第1凸部と一対の第2凸部の形状が同じであるため、第1流路ブロックや第2流路ブロックの第1凸部を他の第1流路ブロックや第2流路ブロックの第1凸部と第2凸部に面接触させて組み合わせることにより、無駄なスペースを設けることなく接続ポートを1カ所に集めることができる。
【0023】
また、本発明のガス供給集積ユニットは、取付ボルトをネジブロックに挿通し、取付板のボルト孔に締結することにより、流体制御機器を取付板に固定するが、ネジブロックが流路ブロックより高さが低いため、流体制御機器のポートと流路ブロックの接続ポートとのシール力が弱いときに、取付ボルトを増し締めしてシール力をアップさせることができる。また、流体制御機器の下面がネジブロックに当接すると、取付ボルトをそれ以上ねじ込めなくなるため、締め過ぎを防止することができる。
【0024】
また、本発明のガス供給集積ユニットは、ネジブロックの下面に立設されたボルト部材を取付板に形成したボルト孔に締結することによりネジブロックを取付板に位置決め固定し、そのネジブロックに対して流体制御機器に挿通した取付ボルトを締結するため、流体制御機器がネジブロックを介して取付板に固定される。この場合、取付ボルトをネジブロックのボルト孔に深くねじ込むことができ、流体制御機器の取付強度を確保することができる。
【0025】
なお、流体制御機器を取付レールに取り付ける場合には、例えば、ネジブロックを摺動可能に取り付け、それらのネジブロックの間に流路ブロックを配置する。このとき、流路ブロックとネジブロックと取付レールとに位置決め部材を挿通して位置決めする。そして、流体制御機器のポートが流路ブロックの接続ポートに連通するように流体制御機器を流路ブロックに載置し、流体制御機器に挿通した取付ボルトをネジブロックのボルト孔に締結することにより、流体制御機器をネジブロックを介して取付レールに固定する。流路ブロックは、取付ボルトをネジブロックに締め付けるときに流体制御機器と取付レールとの間で狭持される。かかるガス供給集積ユニットは、流体制御機器のポートの位置や下面形状に合わせて流路ブロックの接続ポートやネジブロックのボルト孔の位置を個別に調整できるため、数種類の流路ブロックを組み合わせて作用ガスの流路を形成することが可能である。そして、流路だけを形成する流路ブロックと、ボルト孔だけを形成するネジブロックとを別個に設けたため、従来のマニホールドブロックに比べて余分な肉を省くことが可能である。
よって、本発明のガス供給集積ユニットによれば、流路ブロックの種類が少ないため、流路ブロックを成形するときに用いる金型などの数を削減して製作費を安くしたり、また、流路ブロックのストック量を減らして管理費を安くすることが可能なので、安価にすることができる。また、流路ブロックとネジブロックには、従来のマニホールドブロックのように余分な肉がないので、ユニット全体を軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施の形態)
次に、本発明に係るガス供給集積ユニットの一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、ガス供給集積ユニット1の断面図である。
ガス供給集積ユニット1は、作用ガスが入出力する供給ライン上に、手動弁2、レギュレータ3、圧力センサ4、入口開閉弁5、パージ弁6、マスフローコントローラ7、出口開閉弁8などの複数の流体制御機器を並べて取付板9に固定している。取付板9は、複数の流体制御機器2〜8などの重みに耐えるようように、厚いアルミ板(例えば10mm)を使用している。各流体制御機器2〜8と取付板9との間には、第1流路ブロック10Aと第2流路ブロック10Bが配設されて作用ガスの流路を形成するとともに、ベースプレート11が作用ガスの供給ラインに対して直交するように配設されてパージガス配管や出力配管を形成している。取付板9には、ロッドヒータ13が挿入され、ラインピッチや高さを変えることなくガス供給集積ユニット1を加温している。マスフローコントローラ7と取付板9との間には、スペーサ12が配設され、取付板13からマスフローコントローラ7に熱伝達されるようになっている。
【0027】
図2は、流体制御機器の固定構造を示す図である。
例えば、流体制御機器である入口開閉弁5は、取付板9に載置した第2流路ブロック10B上に載置され、入口開閉弁5に挿通した取付ボルト14を第2流路ブロック10Bの周りに配置したネジブロック15にそれぞれ貫き通し、取付ボルト14の先端部を取付板9に形成されたボルト孔16にねじ込むことにより、取付板9に固定されている。第2流路ブロック10Bは、位置決めピン(「位置決め部材」に相当。)17によって取付板9に位置決めされた状態で入口開閉弁5と取付板9との間で狭持されている。
【0028】
次に、ガス供給集積ユニット1の流路を構成する第1,第2流路ブロックについて説明する。第1,第2流路ブロック10A,10Bは、SUSなどの金属を十字型に形成したものであり、同一の高さを有するブロック形状をなす。第1流路ブロック10Aは、全長が第2流路ブロック10Bより短く、第2流路ブロック10Bと形状が異なっている。
【0029】
図3は、第1流路ブロック10Aの平面図である。図4は、第1流路ブロック10Aの縦断面図である。図5は、第1流路ブロック10Aの右側面図である。図6は、第1流路ブロック10Aの下面図である。
第1流路ブロック10Aは、第1凸部21と一対の第2凸部22,22と第3凸部23とを備える十字型をなす。第1流路ブロック10Aの上面には、第1接続ポート24と第2接続ポート25が開設され、コの字形の流路26を介して連通している。
【0030】
第1凸部21は、縦幅と横幅が寸法Aで同一の正方形形状にされ、第1接続ポート24が上面に開設されている。第2凸部22,22は、第1凸部21を挟んで図中上下対称に設けられ、位置決めピン17をきっちりはめ込まれる嵌合孔27が所定間隔Cを空けて下面に形成されている。第2凸部22,22は、位置決めピン17を保持するためのものであり、幅が寸法Aより小幅の寸法Bに設定されている。第3凸部23は、第1凸部21と反対方向に設けられており、第1凸部21と同様に縦幅と横幅が寸法Aで同一の正方形形状に形成され、第2接続ポート25が上面に開設されている。
【0031】
流路26は、第1接続ポート24から同軸上に穿設された孔と、第2接続ポート25から同軸上に穿設された孔とを、第1流路ブロック10Aの側面から水平に穿設された孔により連通させ、側面の開口部28を蓋40で塞いで溶接することにより形成されている。そのため、流路26は、断面コの字形に形成され、V字流路を形成する場合と比べて第1流路ブロック10Aの厚さを薄くして第1流路ブロック10Aを軽量にしている。また、第1接続ポート24には、リーク溝29が連通し、第1流路ブロック10Aに取り付けた流体制御機器のリーク孔に流量計を接続し、流体漏れを検出できるようにされている。
【0032】
図7は、第2流路ブロック10Bの平面図である。図8は、第2流路ブロック10Bの縦断面図である。図9は、第2流路ブロック10Bの右側面図である。図10は、第2流路ブロック10Bの下面図である。
第2流路ブロック10Bは、第1流路ブロック10Aと同様にSUSなどの金属を十字型に形成したものであり、第1凸部31と一対の第2凸部32と第3凸部33とを備える。第2流路ブロック10Bの上面には、第1接続ポート34と第2接続ポート35が開設され、流路36を介して連通している。
【0033】
第1凸部31は、縦幅と横幅が寸法Aで同一の正方形形状に形成され、第1接続ポート34が上面に開設されている。一対の第2凸部32,32は、第1凸部31を挟んで図中上下対称に設けられ、位置決めピン17の端部をきっちりはめ込まれる嵌合孔37が所定間隔Cを空けて下面に形成されている。第2凸部32,32は、位置決めピン17を保持するものであるため、幅が寸法Aより小幅の寸法Bに設定されている。第3凸部33は、第1凸部31と反対側に突き出し、第2接続ポート35が開設されている。第3凸部33は、幅寸法Aを2倍した寸法Eだけ第1凸部31と反対側に突き出し、長方形形状をなす。第2接続ポート35は、第3凸部33の先端部分に設けられ、第1流路ブロック10Aの第2接続ポート25と比べて、接続ポート1個分だけ外側に設けられている。そのため、第2流路ブロックの第1,第2接続ポート34,35間の距離D2は、第1流路ブロック10Aの第1,第2接続ポート24,25間の距離D1より長くなっている。
【0034】
流路36は、第1接続ポート34から同軸上に穿設された孔と、第2接続ポート35から同軸上に穿設された孔とを、第2流路ブロック10Bの側面から水平に穿設された孔により連通させ、側面の開口部38を蓋40で塞いで溶接することにより形成されている。そのため、流路26は、コの字状に形成され、V字流路を形成する場合より第2流路ブロック10Bの厚さを薄くして第2流路ブロック10Bを軽量にしている。また、第1接続ポート34には、リーク溝39が連通し、第2流路ブロック10Bに取り付けた流体制御機器のリーク孔に流量計を接続し、流体漏れを検出できるようにされている。
【0035】
従って、第1,第2流路ブロック10A,10Bは、第1凸部21,31と第2凸部22,32が同一形状をなし、第3凸部23,33の長手方向の長さのみが異なっている。そのため、第1,第2流路ブロック10A,10Bは、形状が異なってもパズルのように自由に組み合わせることができる。図11は、第1,第2流路ブロックの組み合わせ例を示す図である。
【0036】
中心にある第2流路ブロック10Bは、第1凸部31の端面に図中上方から第1流路ブロック10Aの第1凸部31、図中左方向から第1流路ブロック10Aの第3凸部33、図中下方から第2流路ブロック10Bの第3凸部33を当接されているが、いずれも幅が寸法Aで同一であるため、ブロック間に無駄なスペースを生じることなく、接続ポートを1カ所に集めることが可能である。
また、第2流路ブロック10Bは、第3凸部33が接続ポート1個分だけ第1流路ブロック10Aの凸部23より長いため、図中右上の第2流路ブロック10Bのように、第3凸部33の端面に他の第2流路ブロック10Bの第3凸部33の側面と第1流路ブロック10Aの第3凸部23の端面を突き合わせ、ブロック間に無駄なスペースを設けることなく接続ポートを1カ所に集めることが可能である。
【0037】
次にネジブロック15について説明する。図12は、ネジブロック15の抜け止め構造を示す図である。
ネジブロック15は、SUSなどの金属を円筒形状に成形したものであり、第1,第2流路ブロック10A,10Bの高さより若干短くされている。ネジブロック15は、中空孔内にゴム製のストッパ19が装着され、取付ボルト14のネジ部を中心方向に向かって締め付けて取付ボルト14を抜けにくくしている。
【0038】
このようなガス供給集積ユニット1は、流体制御機器を次のようにして取付板9に固定する。図13は、ガス供給集積ユニット1の分解斜視図である。図14は、図13の部分拡大図である。
図13に示すように、取付板9には、複数のボルト孔16と位置決め孔18が流体制御機器2〜8や第1,第2流路ブロック10A,10Bのレイアウトに合わせて形成されている。第1,第2流路ブロック10A,10Bには、位置決めピン17が嵌合孔27,37にはめ込まれて一体化される。
【0039】
図5及び図9に示すように、位置決めピン17は、SUSなどの金属を円筒形状に形成されたものであり、軸方向にジグザグに形成された溝17aによって外力によって径を変更できるようになっている。位置決めピン17は、嵌合孔27,37より若干大きく形成され、溝17aを閉じることにより嵌合孔27,37にはめ込むことができ、嵌合孔27,37にはめ込まれた後には、嵌合孔27,37内で溝17aを開くように変形するため、第1,第2流路ブロック10A,10Bから外れにくい。
【0040】
第1,第2流路ブロック10A,10Bは、図13及び図14に示すように、位置決めピン17を取付板9の位置決め孔18に位置合わせして挿入する。位置決めピン17は、第1,第2流路ブロック10A,10Bと取付板9とを位置決め固定する。このようにして、第1,第2流路ブロック10A,10Bは、作用ガスの供給ラインに沿って並設される。なおこのとき、第1,第2流路ブロック10A,10Bは、ワンタッチで取付板9に着脱可能であり、取扱性がよい。
【0041】
また、取付板9には、ベースプレート11が取り付けられる。ベースプレート11は、長いブロック状をなし、長手方向に長く流路が形成されており、上面に開設された接続ポート20が当該流路に連通している。ベースプレート11の下面にも、位置決めピン17が立設され、その位置決めピン17によりベースプレート11と取付板9を位置決め固定するようにされている。
【0042】
取付板9に取り付けられた第1,第2流路ブロック10A,10Bの周りには、取付板9のボルト孔16が露出しているので、各ボルト孔16に合わせてネジブロック15を配置する。そして、第1,第2流路ブロック10A,10Bの第1,第2接続ポート24,34,25,35に図示しないガスケットをセットし、流体制御機器2〜8を上方から第1,第2流路ブロック10A,10B上に載置する。このとき、流体制御機器2〜8は、第1,第2流路ブロック10A,10Bの第2凸部22,32に支持されるため、水平に保持される。
【0043】
そして、取付ボルト14を流体制御機器2〜8からネジブロック15へと貫き通し、先端部をボルト孔16に締め付けて流体制御機器2〜8を取付板9に固定する。このとき、ネジブロック15が第1,第2流路ブロック10A,10Bより若干高さが低いため、取付ボルト14の締め付け力が流体制御機器2〜8から第1,第2流路ブロック10A,10Bに直接作用し、図示しないガスケットが流体制御機器2〜8と第1,第2流路ブロック10A,10Bとの間で全周を均一な力で押しつぶされる。
【0044】
ここで、ネジブロック15が第1,第2流路ブロック10A,10Bの高さより若干短いため、流体制御機器2〜8とネジブロック15との間には隙間が形成されている。そのため、シール力が不足する場合には、取付ボルト14を増し締めして、シール力を増加させることができる。一方、流体制御機器2〜8がネジブロック15に当接したときには、取付ボルト14をそれ以上締め付けることができないため、取付ボルト14の締め過ぎを防止できる。
【0045】
ところで、作用ガスライン上に流路の分岐箇所があるガス供給集積ユニットでは、直列に流体制御機器を接続するガス供給集積ユニット1より流路構成が複雑になる。そこで、分岐箇所を備えるガス供給集積ユニットの流路構成について説明する。図15は、ガス供給集積ユニット41の回路図の一例である。
【0046】
ガス供給集積ユニット41は、手動弁42、フィルタ43、レギュレータ44、圧力センサ45を直列に接続し、圧力センサ45に対して第1エアオペレイトバルブ46と第2エアオペレイトバルブ48が並列に接続している。第2エアオペレイトバルブ48には、マスフローコントローラ49、第3エアオペレイトバルブ50、フィルタ51が直列に接続している。また、第1エアオペレイトバルブ46は、ニードル弁47を介してマスフローコントローラ49と第3エアオペレイトバルブ50との間に接続している。
【0047】
このようなガス供給集積ユニット41について、従来のマニホールドブロックを使用して流路を構成した場合と、本発明の第1,第2流路ブロック10A,10Bを使用して流路を形成した場合とでは、部品の種類に差が生じる。図16は、図15に示す回路図に対応する流路構造を示す図であって、従来のマニホールドブロックを使用した場合を示す。図17は、図15に示す回路図に対応するガス供給集積ユニットの平面図であって、従来のマニホールドブロックを使用した場合を示す。図18は、図15に示す回路図に対応する流路構造を示す図であって、本発明の流路ブロックを使用した場合を示す。図19は、図15に示す回路図に対応するガス供給集積ユニットの平面図であって、本発明の流路ブロックを使用した場合を示す。
【0048】
図16に示すように、ガス供給集積ユニット41の流路を従来のマニホールドブロックで構成した場合には、6種類のマニホールドブロック121,122,123,124,125,126を使用して、流路を形成する必要がある。手動弁42、フィルタ43、レギュレータ44、圧力センサ45を直列に接続する箇所や、マスフローコントローラ49、第3エアオペレイトバルブ50、フィルタ51を直列に接続する箇所には、従来技術で説明したマニホールドブロック109(図38参照)と同一構造のマニホールドブロック122を連続して接続する。しかし、圧力センサ45に第1,第2エアオペレイトバルブ46,48を並列に接続する分岐箇所には、マニホールドブロック124,126の下面にマニホールドブロック125をはめ込み、マニホールドブロック124,126を連通させる必要がある。また、流路を上向きに切り替える箇所には、マニホールドブロック123を使用する必要がある。さらに、手動弁42やマスフローコントローラ49を支える箇所には、マニホールドブロック121をマニホールドブロック122に接続して、マニホールドブロック122の傾きを防止する必要がある。このように配設されたマニホールドブロック121〜126は、取付板の裏側から挿通される取付ネジで取付板に固定される。
【0049】
そして、図17に示すように、マニホールドブロック121〜126は、流体制御機器42〜51が上方から載置され、取付ボルト114を流体制御機器42〜51から各マニホールドブロック121〜126に挿通して締結し、流体制御機器42〜51を取付板に固定する。このとき、マニホールドブロック124〜126の連結構造が複雑であるため、第1エアオペレイトバルブ46のラインと第2エアオペレイトバルブ48のラインを構成する流体制御機器間に無駄な隙間が形成される。
【0050】
これに対して、図18に示すように、ガス供給集積ユニット41の流路を本発明の流路ブロック10で構成した場合には、第1流路ブロック10Aと第2流路ブロック10Bの2種類だけを使用して流路を形成することができる。すなわち、手動弁42、フィルタ43、レギュレータ44、圧力センサ45を直列に接続する箇所、及び、マスフローコントローラ49、第3エアオペレイトバルブ50、フィルタ51を直列に接続する箇所には、第2流路ブロック10Bの端面を突き合わせて連設する。圧力センサ45に第1,第2エアオペレイトバルブ46,48を並列に接続する分岐箇所には、第2流路ブロック10Bの向きを変えて流路を形成する。また、流路方向を切り替える箇所では、第1流路ブロック10Aを配設し、流路を短くする。このように配設された第1流路ブロック10Aと第2流路ブロック10Bの外側には、ネジブロック15が配設される。
【0051】
図19に示すように、流体制御機器42〜51は、第1,第2流路ブロック10A,10Bの上面に上方から載置され、取付ボルト14を流体制御機器42〜51、ネジブロック15へと貫き通し、取付板9のボルト孔16に締結することにより、流体制御機器42〜51を取付板9に固定する。このとき、第2流路ブロック10Bが分岐部分において接続ポートを無駄なスペースを形成することなく集められているため、第1エアオペレイトバルブ46のラインと第2エアオペレイトバルブ48のラインの間に無駄なスペースが形成されない。
【0052】
従って、本実施の形態のガス供給集積ユニット1によれば、流体制御機器2〜8の下面に開設されたポートの位置や流体制御機器2〜8の下面形状に合わせて第1,第2流路ブロック10A,10Bやネジブロック15の位置を個別に調整できるので、第1,第2流路ブロック10A,10Bの2種類を組み合わせて作用ガスの流路を任意に形成することが可能である。そして、流路26,36を形成するだけの第1,第2流路ブロック10A,10Bと、取付ボルト15を挿通するだけのネジブロック15とを別個にしたため、従来のマニホールドブロックに比べて余分な肉を省くことが可能である。
よって、本実施の形態のガス供給集積ユニット1によれば、流路ブロック10A,10Bの種類が2種類と少ないため、第1,第2流路ブロック10A,10Bを成形するときに用いる金型などの数を削減して製作費を安くしたり、また、第1,第2流路ブロック10A,10Bのストック量を減らして管理費を安くすることが可能なので、安価にすることができる。また、第1,第2流路ブロック10A,10Bとネジブロック15には、従来のマニホールドブロックのように余分な肉がないので、ユニット全体を軽量化することができる。
【0053】
また、本実施の形態のガス供給集積ユニット1は、第1,第2流路ブロック10A,10Bと流体制御機器2〜8との間で図示しないガスケットの全周を均一に押し潰すので、シール性能を確保することができる。
【0054】
また、本実施の形態のガス供給集積ユニット1は、第1,第2流路ブロック10A,10Bの下面に立設した位置決めピン17を取付板9に形成した位置決め孔18に挿通することにより、第1,第2流路ブロック10A,10Bを取付板9に対して位置決めし、取付ボルト14を用いて流体制御機器2〜8を取付板9に固定するときに、第1,第2流路ブロック10A,10Bが位置ずれしないので、流体制御機器2〜8のポートと第1,第2流路ブロック10A,10Bの第1,第2接続ポート24,25,34,35との位置合わせを容易に行うことができ、作業性が良い。
【0055】
また、本実施の形態のガス供給集積ユニット1は、第1,第2流路ブロック10A,10Bの第2凸部22,32に流体制御機器2〜8を載せ、第1,第2流路ブロック10A,10Bの十字部分で流体制御機器2〜8を支持するので、流体制御機器2〜8を水平に保持することができる。
【0056】
(第2実施の形態)
続いて、本発明のガス供給集積ユニットにかかる第2実施の形態について図面を参照して説明する。図20は、流体制御機器の固定構造の一例を示す図である。
本実施の形態では、ネジブロック55を取付板9に直接ねじ込んで固定する点で第1実施の形態と相違する。よって、ここでは、第1実施の形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分については図面に同一符号を付して適宜説明を省略する。
【0057】
ネジブロック55は、SUSなどの金属を円柱形状に形成したものであり、外周面に雄ネジを形成されたボルト部材56が下端面に立設されている。ネジブロック55は、取付板9のボルト孔16にボルト部材56をねじ込むことにより取付板9に固定される。ネジブロック55は、内周に雌ネジを形成されたボルト孔57が開設され、流体制御機器5に挿通した取付ボルト14を締結されるようになっている。
【0058】
従って、本実施の形態のガス供給集積ユニットは、ネジブロック55の下面に立設されたボルト部材56を取付板9に形成したボルト孔16に締結することによりネジブロック55を取付板9に位置決め固定し、そのネジブロック55に対して流体制御機器2〜8に挿通した取付ボルト14を締結するため、流体制御機器2〜8がネジブロック55を介して取付板9に固定される。この場合、取付ボルト14をネジブロック55のボルト孔57に深くねじ込むことができ、流体制御機器2〜8の取付強度を確保することができる。
【0059】
(第3実施の形態)
続いて、本発明のガス供給集積ユニットにかかる第3実施の形態について図面を参照して説明する。図21は、ガス供給集積ユニット61の側面図である。
本実施の形態のガス供給集積ユニット61は、取付レール62に流体制御機器2〜8を取り付ける点で第1実施の形態と相違している。よって、ここでは第1実施の形態と相違する点について詳細に説明し、共通する点については図面に同一符号を付して適宜説明を省略する。
【0060】
図22は、流体制御機器の固定構造を示す図である。図23は、取付レールの平面図である。
ガス供給集積ユニット61は、流体制御機器である入口開閉弁5が、取付レール61上に載置され、取付レール62に固設されたネジブロック65に入口開閉弁5に挿通した取付ボルト14を締結することにより、取付レール62に固定される。このとき、第2流路ブロック10Bは、入口開閉弁5と取付レール61との間で狭持され、図示しないガスケットの全周を均一な力で押しつぶして接続ポート34,35をシールする。
【0061】
取付レール62は、SUSなどの金属を直方体形状のブロックに成形したものであり、一対のレール溝63が略L字状に形成されている。両端部には、爪部64がレール溝63側に突き出すように形成されている。取付レール62の上面には、位置決め孔18が第1,第2流路ブロック10A,10Bの配置に合わせて形成され、第1,第2流路ブロック10A,10Bを位置決めピン17を介して位置決め固定されるようになっている。
【0062】
レール溝63,63には、取付ボルト14を締結されるネジブロック65が摺動可能に保持され、流体制御機器を自由に増設又は改造できるようになっている。そのため、流体制御機器の配置によって取付ボルト14の位置が変わり、その変化に対応すべく数種類のネジブロック65を準備する必要がある。本実施の形態では、3種類のネジブロック65A,65B,65Cを準備している。
【0063】
図24は、第1ネジブロック65Aの平面図である。図25は、第1ネジブロック65Aの側面図である。図26は、第1ネジブロック65Aの縦断面図である。
第1ネジブロック65Aは、SUSなどの金属を断面略L字形に形成したものである。第1流路ブロック65Aは、上面に2個のボルト孔66,66が開設されており、段差を設けられて取付レール62に係合する係合部67を形成されている。係合部67には、位置決めピン17を挿通するための挿通孔68が形成され、取付レール62に対して位置決めされるようになっている。第1ネジブロック65Aの側面には、取付レール62の爪部64に係合する係合溝69が形成され、取付レール62のレール溝63から抜け落ちるのを防止されている。
【0064】
図27は、第2ネジブロック65Bの平面図である。図28は、第2ネジブロック65Bの側面図である。図29は、第2ネジブロック65Bの縦断面図である。
第2流路ブロック65Bは、基本構造が第1流路ブロック65Aと同一であるが、第1ネジブロック65Aより幅広に設けられ、ボルト孔66,66の間隔が第1流路ブロック65Aより広くされている。第2流路ブロック65Bは、挿通孔68が2個設けられ、取付レール62にしっかり取り付けられるようになっている。
【0065】
図30は、第3ネジブロック65Cの平面図である。図31は、第3ネジブロック65Cの側面図である。図32は、第3ネジブロック65Cの縦断面図である。
第3ネジブロック65Cは、基本構造が第1流路ブロック65Aと同一であるが、第1ネジブロック65Aより幅狭に設けられ、ボルト孔66が1個だけ設けられている。また、第3ネジブロック65Cは、ガス供給集積ユニットの末端に配設されるため、第1ネジブロック65Aのように挿通孔68が設けられていない。
【0066】
このようなガス供給集積ユニット61は、次のようにして流体制御機器を取り付けられる。図33は、流路ブロック10及びネジブロック65の配置図である。
ネジブロック65は、係合部67を取付レール62のレール溝63に挿通して所定位置までスライドさせ、挿通孔68を取付レール62の位置決め孔68に位置合わせする。そして、第2流路ブロック10B(第1流路ブロック10A)に立設された位置決めピン17を取付レール62の上方から位置決め孔18、ネジブロック65の挿通孔68へと貫き通し、第2流路ブロック10B(流路ブロック10A)と取付レール62とネジブロック65とを一義的に位置決め固定する。このようにして、取付レール62の所定位置に第1,第2流路ブロック10A,10Bとネジブロック65を配設する。
【0067】
このとき、ネジブロック65は、次のようにして使い分けられる。第1,第2流路ブロック10A(10B)の第1,第2接続ポート24,25(34,35)の片側が、取付ボルト14を締結する位置の中心にきた場合には、ネジブロック65Bを配置する。第1,第2流路ブロック10A(10B)の接続ポート24,25(34,35)の両方が、取付ボルト14の中心にこない場合には、ネジブロック65Aを配置する。さらに、ユニットの端部には、ネジブロック65Cを配置する。
【0068】
そして、第1,第2流路ブロック10A,10Bに流体制御機器2〜8を載置し、取付ボルト14を流体制御機器2〜8側から各ネジブロック65に挿通して締結し、流体制御機器2〜8をネジブロック65を介して取付レール62に固定する。
【0069】
従って、本実施の形態のガス供給集積ユニット61によれば、流体制御機器2〜8のポートの位置や下面形状に合わせて、第1,第2流路ブロック10A,10Bの第1,第2接続ポート24,25,34,35やネジブロック65のボルト孔66の位置を個別に調整できるため、数種類の流路ブロックを組み合わせて作用ガスの流路を形成することが可能である。そして、流路だけを形成する第1,第2流路ブロック10A,10Bとボルト孔77だけを形成するネジブロックとを別個にしたため、従来のマニホールドブロックに比べて余分な肉を省くことが可能である。
よって、本実施の形態のガス供給集積ユニットによれば、第1,第2流路ブロック10A,10Bが2種類と少ないため、第1,第2流路ブロック10A,10Bを成形するときに用いる金型などの数を削減して製作費を安くしたり、また、第1,第2流路ブロック10A,10Bのストック量を減らして管理費を安くすることが可能なので、安価にすることができる。また、第1,第2流路ブロック10A,10Bとネジブロック15には、従来のマニホールドブロックのように余分な肉がないので、ユニット全体を軽量化することができる。
【0070】
尚、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0071】
(1)例えば、上記第1実施の形態では、ネジブロック15を取付板9に対してフリーにしたが、接着剤で固定したり、溶接してもよい。
【0072】
(2)例えば、上記第1実施の形態では、取付板としてアルミ板を使用したが、図34に示すように、アルミ板より厚さの薄いSUSなどの金属板を取付板71として使用し、軽量化を図ってもよい。この場合には、取付板71にネジ孔72を設け、ネジブロック15に挿通した取付ボルト14を締結するようにすれば、流体制御機器5を取付板71に固定することができる。取付板71を薄くすれば軽量化を図りうるが、取付ボルト14や位置決めピン17が裏側に突き出してしまう。この場合には、取付板71の両端をプレス加工などで折り曲げたり、下駄を履かせるようにすればよい。
【0073】
(3)例えば、上記第3実施の形態では、ネジブロック65の係合部67を外周から覆うようにレール62を設けたが、図35に示すように、取付レール73をH型に成形し、軽量化を図ってもよい。この場合には、取付レール73に爪部74を設け、その爪部74に係合する係合溝77をネジブロック75の下面に形成してネジブロック75の脱落を防止するとよい。
【0074】
(4)例えば、上記実施の形態では、ゴム製のストッパ19を用いて取付ボルト14の脱落を防止したが、図36に示すように、樹脂部材78とゴム部材79を組み合わせたストッパをネジブロック15に内蔵し、ゴム部材79を取付ボルト14のネジ山に接触させることにより取付ボルト14の脱落を防止してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施の形態に係り、ガス供給集積ユニットの断面図である。
【図2】同じく、流体制御機器の固定構造を示す図である。
【図3】同じく、第1流路ブロックの平面図である。
【図4】同じく、第1流路ブロックの縦断面図である。
【図5】同じく、第1流路ブロックの右側面図である。
【図6】同じく、第1流路ブロックの下面図である。
【図7】同じく、第2流路ブロックの平面図である。
【図8】同じく、第2流路ブロックの縦断面図である。
【図9】同じく、第2流路ブロックの右側面図である。
【図10】同じく、第2流路ブロックの下面図である。
【図11】同じく、第1,第2流路ブロックの組み合わせ例を示す図である。
【図12】同じく、ネジブロックの抜け止め構造を示す図である。
【図13】同じく、ガス供給集積ユニットの分解斜視図である。
【図14】同じく、図13の部分拡大図である。
【図15】同じく、ガス供給集積ユニットの回路図の一例である。
【図16】同じく、図15に示す回路図に対応する流路構造を示す図であって、従来のマニホールドブロックを使用した場合を示す。
【図17】同じく、図15に示す回路図に対応するガス供給集積ユニットの平面図であって、従来のマニホールドブロックを使用した場合を示す。
【図18】同じく、図15に示す回路図に対応する流路構造を示す図であって、本発明の流路ブロックを使用した場合を示す。
【図19】同じく、図15に示す回路図に対応するガス供給集積ユニットの平面図であって、本発明の流路ブロックを使用した場合を示す。
【図20】本発明の第2実施の形態にかかり、流体制御機器の固定構造の一例を示す図である。
【図21】本発明の第3実施の形態にかかり、ガス供給集積ユニットの側面図である。
【図22】同じく、流体制御機器の固定構造を示す図である。
【図23】同じく、取付レールの平面図である。
【図24】同じく、第1ネジブロックの平面図である。
【図25】同じく、第1ネジブロックの側面図である。
【図26】同じく、第1ネジブロックの縦断面図である。
【図27】同じく、第2ネジブロックの平面図である。
【図28】同じく、第2ネジブロックの側面図である。
【図29】同じく、第2ネジブロックの縦断面図である。
【図30】同じく、第3ネジブロックの平面図である。
【図31】同じく、第3ネジブロックの側面図である。
【図32】同じく、第3ネジブロックの縦断面図である。
【図33】同じく、流路ブロック及びネジブロックの配置図である。
【図34】流体制御機器の固定構造の変形例を示す図である。
【図35】流体制御機器の固定構造の変形例を示す図である。
【図36】ネジブロックの抜け止め構造の変形例である。
【図37】従来のガス供給集積ユニットの断面図である。
【図38】従来のガス供給集積ユニットで使用されるマニホールドブロックの連結構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ガス供給集積ユニット
2〜8 流体制御機器
9 取付板
10A 第1流路ブロック
10B 第2流路ブロック
14 取付ボルト
15 ネジブロック
16 ボルト孔
17 位置決めピン
18 位置決め孔
21 第1凸部
22 第2凸部
23 第3凸部
24 第1接続ポート
25 第2接続ポート
26 流路
31 第1凸部
32 第2凸部
33 第3凸部
34 第1接続ポート
35 第2接続ポート
36 流路
55 ネジブロック
56 ボルト部材
61 ガス供給集積ユニット
62 取付レール
65 ネジブロック
66 ボルト孔
68 挿通孔
71 取付板
72 ボルト孔
73 取付レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体制御機器を取付ボルトを用いて取付板に固定することにより作用ガスの供給ライン上に並設し、作用ガスの供給又は遮断を制御するガス供給集積ユニットにおいて、
前記流体制御機器の下面に開口するポートに接続する接続ポートが上面に開設されるとともに、前記接続ポートに連通する内部流路が形成された流路ブロックと、
前記流路ブロックの外側に配設され、前記取付ボルトを挿通されるネジブロックとを有し、
前記流路ブロックが、前記ネジブロックに挿通した取付ボルトを前記取付板に固定したときに、前記流体制御機器と前記取付板との間で狭持されることを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載するガス供給集積ユニットにおいて、
前記接続ポートと前記流体制御機器のポートとの間に配設されるガスケットが、前記流路ブロックと前記流体制御機器との間で全周が均一に押し潰されていることを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するガス供給集積ユニットにおいて、
前記流路ブロックが位置決め部材を下面に立設され、
前記取付板が前記位置決め部材を挿通される位置決め孔を形成されていることを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載するガス供給集積ユニットにおいて、
前記流路ブロックが、2個の接続ポートを有し、一方の接続ポートを開設される第1凸部と、前記第1凸部を挟んで左右対称に設けられた一対の第2凸部と、前記第1凸部と反対向きに設けられて他方の接続ポートを開設される第3凸部と、を有することを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載するガス供給集積ユニットにおいて、
流路ブロックは、
前記第1凸部が正方形形状に設けられ、前記第3凸部が、前記第1凸部と同一の正方形形状に形成された第1流路ブロックと、
前記第1凸部が前記第1流路ブロックの第1凸部と同一の正方形形状に設けられ、前記第3凸部が長方形形状に形成された第2流路ブロックとからなり、
前記第2流路ブロックの接続ポート間の距離が、前記第1流路ブロックの接続ポート間の距離より長いことを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載するガス供給集積ユニットにおいて、
前記ネジブロックが筒状をなし、前記流路ブロックの高さより短く形成され、
前記取付板に前記取付ボルトを取り付けるためのボルト孔が形成されていることを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載するガス供給集積ユニットにおいて、
前記ネジブロックが、前記取付ボルトを締結されるボルト孔を上面から形成されるとともに、下面にボルト部材が立設され、
前記取付板が前記ボルト部材を締結されるボルト孔を形成されていることを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項8】
複数の流体制御機器を取付レールに固定することにより作用ガスの供給ライン上に並設し、作用ガスの供給又は遮断を制御するガス供給集積ユニットにおいて、
前記流体制御機器の下面に開口するポートに接続する接続ポートが上面に開設されるとともに、前記接続ポートに連通する内部流路が形成された流路ブロックと、
前記取付レールに摺動可能に取り付けられ、前記流体制御機器に挿通した取付ボルトを締結されるボルト孔を上面に形成されたネジブロックと、
前記流路ブロックと前記ネジブロックと前記取付レールとに挿通される位置決め部材とを有し、
前記流路ブロックが、前記取付ボルトを前記ネジブロックに固定することにより、前記流体制御機器と前記取付レールとの間で狭持されることを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載するガス供給集積ユニットにおいて、
前記流路ブロックが、2個の接続ポートを有し、正方形形状に形成されて一方の接続ポートを開設される第1凸部と、前記第1凸部を挟んで対称に設けられた一対の第2凸部と、前記第1凸部と反対向きに設けられて他方の接続ポートを開設される第3凸部とを有することを特徴とするガス供給集積ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載するガス供給集積ユニットにおいて、
流路ブロックは、
前記第3凸部が、前記第1凸部と同一の正方形形状に形成された第1流路ブロックと、 前記第3凸部が、前記第1凸部より先端側への幅が大きい長方形形状に形成された第2流路ブロックとからなり、
前記第2流路ブロックの接続ポート間の距離が、前記第1流路ブロックの接続ポート間の距離より長いことを特徴とするガス供給集積ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2006−100643(P2006−100643A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286038(P2004−286038)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【出願人】(502128800)株式会社オクテック (83)
【Fターム(参考)】