説明

ガス分析装置及びそれを用いたガス分析方法

【課題】炉立ち上げ時において、炉内ガスに含まれる成分ガスの測定をレーザ式ガス分析計により行うことが可能なガス分析装置及びそれを用いたガス分析方法を提供する。
【解決手段】廃棄物処理炉内で発生する炉内ガスG2にレーザ光を照射して炉内ガスG2に含まれる成分ガスの測定を行うガス分析装置10において、廃棄物処理炉から排出される炉内ガスGを燃焼室に導く配管11の途中に設けられたバイパス管13と、バイパス管13内を流れる炉内ガスG2を加温するヒータ17と、加温された炉内ガスG2に含まれる成分ガスの測定を行うレーザ式ガス分析計18とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理炉内で発生する炉内ガスに含まれる成分ガスを分析するためのガス分析装置及びガス分析方法に関し、特に、レーザ光を炉内ガスに照射して成分ガスの測定を行うガス分析装置及びそれを用いたガス分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融炉や焼却炉などの廃棄物処理炉を安定的に操業するためには、廃棄物処理炉内で発生する炉内ガス(発生ガス)に含まれるOやCOなどの成分ガスの管理が重要となる。そのため、炉内ガスをポンプで吸引して炉内ガスに含まれるタールやダスト等を除去した後、赤外線式の分析計で成分ガスの濃度等を測定している。
しかし、炉内ガスをポンプで吸引して分析する方法は、成分ガスをサンプリングしてから分析するまでに時間(5〜10分)を要し、リアルタイムで炉内状況を把握できないという問題があった。また、ガス採取部のダスト除去フィルタが目詰まりを起こすため、定期的にメンテナンスを行う必要があった。
【0003】
そこで、例えば特許文献1や特許文献2では、レーザ発信器とレーザ受信器からなるレーザ式ガス分析計を炉本体又は煙道に設置してリアルタイムで炉内ガスの分析を行う技術が開示されている。レーザ式ガス分析計は、炉内ガスにレーザ光を照射するため、炉内ガスに含まれるタールやダスト等の影響を受けやすい。そのため、特許文献1記載の炉内ガス測定装置では、炉本体又は煙道にレーザ式ガス分析計を接続する管台の内部にジェットエアブロー装置を設置し、管台内部のダストに対して間欠的に圧縮空気を吹きつけるようにしている。また、特許文献2記載のレーザ式分析計では、パージガスを噴射する噴射ノズルが管台内に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−207892号公報
【特許文献2】特開2006−125848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、炉立ち上げ時(操業開始時)は、炉内ガスの温度が低いため、炉内ガスに含まれるタールがミスト状になって白煙が発生し、レーザ発信器から照射されたレーザ光をレーザ受信器で受信できなくなる、レーザ光の不透過の現象が発生する。そのため、炉立ち上げ時において、成分ガス(特にO)の測定ができないという問題がある。
高濃度ダストを含む炉内ガスに対して、測定光路長を精度限界である200mm程度まで短くすれば、成分ガスの測定ができる可能性があるが、測定光路長が短くなり過ぎると、測定光路に存在する成分ガス量が減少するため、測定精度の低下が避けられなくなる。また、極端に高濃度ダストを含む炉内ガスの場合には、測定光路長を短くしてもレーザ光の不透過が起きるおそれがある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、炉立ち上げ時において、炉内ガスに含まれる成分ガスの測定をレーザ式ガス分析計により行うことが可能なガス分析装置及びそれを用いたガス分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明は、廃棄物処理炉内で発生する炉内ガスにレーザ光を照射して該炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を行うガス分析装置において、
前記廃棄物処理炉から排出される炉内ガスを燃焼室に導く配管の途中に設けられたバイパス管と、前記バイパス管内を流れる前記炉内ガスを加温するヒータと、加温された前記炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を行うレーザ式ガス分析計とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に係るガス分析装置を用いて、廃棄物処理炉内で発生する炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を行うガス分析方法であって、
前記廃棄物処理炉から排出された炉内ガスを前記バイパス管に導いて前記ヒータで加温し、加温された前記炉内ガスに含まれる成分ガスを前記レーザ式ガス分析計で測定することを特徴としている。
【0009】
第1及び第2の発明では、廃棄物処理炉から排出される炉内ガスをバイパス管に導き、ヒータで加温して炉内ガスに含まれるタールを気化(昇華を含む。)させるので、タールがミスト状にならず、レーザ光の不透過を引き起こす白煙が発生することがない。加えて、タールが固化してバイパス管の内面に付着することがないので、バイパス管の閉塞も防止することができる。その結果、炉立ち上げ時において、炉内ガスに含まれる成分ガスの測定をレーザ式ガス分析計により行うことができる。
【0010】
また、第1の発明に係るガス分析装置では、前記配管が、前記廃棄物処理炉から排出される炉内ガスを除塵器に導く第1の配管と、前記除塵器から排出される炉内ガスを前記燃焼室に導く第2の配管とからなり、前記バイパス管が前記第1の配管から分岐し、前記第2の配管に合流していることを好適とする。
【0011】
除塵器(例えばサイクロン)に導入された炉内ガスは、除塵器内で旋回流となって下降する。その際、炉内ガスに含まれるダストが遠心分離される。このような流体運動によって炉内ガスに圧力損失が発生し、除塵器に導入される前の炉内ガスに比べて除塵器から排出される炉内ガスの圧力が低下する。当該構成では、この差圧を利用して、廃棄物処理炉から排出される炉内ガスをバイパス管に導入(吸引)している。
【0012】
また、第1の発明に係るガス分析装置では、前記炉内ガスは、該炉内ガスに含まれるダストを捕集するフィルタを通過した後、前記レーザ式ガス分析計の光路に進入すること好適とする。
当該構成では、バイパス管に導入される炉内ガス中のダストがフィルタで除去されるので、炉内ガスの透過度が向上し、炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を高精度で行うことができる。
【0013】
また、第1の発明に係るガス分析装置では、前記フィルタに不活性ガスを吹き付けて該フィルタに付着したダストを払い落とすブラスタを備えていてもよい。
これにより、フィルタの目詰まりを防止することができる。
【0014】
また、第1の発明に係るガス分析装置では、前記廃棄物処理炉から排出される炉内ガスを前記バイパス管内に吸引するためのエジェクタを前記バイパス管の出口側に備えていてもよい。
【0015】
エジェクタは、不活性ガスなどの流体をノズルから噴流することにより発生する負圧を利用して、他の流体(本発明では炉内ガス)を吸引する装置である。
炉立ち上げ時は、除塵器による差圧が無い若しくは不十分なため、廃棄物処理炉から排出される炉内ガスをバイパス管に導くことができない。そのため、当該構成では、エジェクタを用いて炉内ガスをバイパス管内に吸引することにより、除塵器が十分に作動していない場合でも、炉内ガスをバイパス管に導くことができる。
【0016】
また、第1の発明に係るガス分析装置では、前記レーザ式ガス分析計の先端部に設置された光透過性部材に向けて、加温されたパージガスが噴射されることを好適とする。
レーザ光は、レーザ式ガス分析計の先端部に設置された光透過性部材の中央部から照射される。当該構成では、加温されたパージガスを光透過性部材に噴射することにより、光透過性部材の曇りを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
第1及び第2の発明では、廃棄物処理炉から排出される炉内ガスをバイパス管に導いてヒータで加温して炉内ガスに含まれるタールを気化させるので、タールがミスト状になることがない。そのため、炉立ち上げ時に白煙が発生することがなく、炉内ガスに含まれる成分ガスの測定をレーザ式ガス分析計により行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】廃棄物処理設備の一例を示すプロセスフロー図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るガス分析装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態に付き説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明では、炉内ガスが流れる向きを「後」側、その逆を「前」側と呼ぶことにする。
【0020】
図1は、廃棄物処理設備の一例を示したプロセスフロー図である。本例では、廃棄物処理炉としてシャフト式のガス化溶融炉30を使用している。ガス化溶融炉30では、廃棄物と共に副資材(コークス及び石灰石)が炉上部から投入され、乾燥、熱分解、燃焼、及び溶融の過程を経て生成したスラグが炉底から排出される。一方、炉内で生成した可燃分は、可燃性ダスト及び熱分解ガス(CO、H、CH、CO等)を含む可燃性ガス(炉内ガス)としてガス化溶融炉30上部に設けられた配管11から排出される。配管11は、ガス化溶融炉30とその後段に配置された除塵器31とをつなぐ第1の配管11aと、除塵器31とその後段に配置された燃焼室32とをつなぐ第2の配管11bとから構成されている。
【0021】
ガス化溶融炉30から排出された炉内ガスは、第1の配管11aを介して除塵器31に導入され、炉内ガス中の可燃性ダストが除塵器31で捕集される。捕集された可燃性ダストは、送風羽口30aからガス化溶融炉30内に吹き込まれる。一方、除塵器31から排出された炉内ガスは、第2の配管11bを介して燃焼室32へ導入され完全燃焼される。
燃焼室32から排出された排ガスは、ボイラ33で熱回収された後、ダイオキシン類の再合成抑制等のため、排ガス温度調節器34で150〜170℃に急冷される。排ガス温度調節器34を通過した排ガスは、バグフィルタ35で除塵された後、ダイオキシン類が触媒反応塔36で分解除去され、最終的に煙突37から排出される。
なお、ボイラ33による熱回収により発生した蒸気は、蒸気タービン発電機38その他の熱源として利用される。
【0022】
本発明の一実施の形態に係るガス分析装置10は、図2に示すように、ガス化溶融炉30から排出される炉内ガスGを燃焼室32に導く配管11の途中に設けられたバイパス管13と、バイパス管13内を流れる炉内ガスG2を加温するヒータ17と、加温された炉内ガスG2に含まれる成分ガスの測定を行うレーザ式ガス分析計18とを備えている。
【0023】
バイパス管13は概略門形形状とされ、第1の配管11aと入口弁23を介して接続された縦管からなる第1のバイパス管14と、第2の配管11bと出口弁24を介して接続された縦管からなる第3のバイパス管16と、第1のバイパス管14と第3のバイパス管16とをつなぐ横管からなる第2のバイパス管15とから構成されている。
ガス化溶融炉30から排出される炉内ガスGの一部が、除塵器31の前後で発生する差圧によって、第1の配管11aから第1のバイパス管14へ流入し、第2のバイパス管15を経由した後、第3のバイパス管16から第2の配管11bへ流出する。
【0024】
除塵器31での圧力損失により、第1の配管11a内の炉内ガスGに比べて第2の配管11b内の炉内ガスGの圧力が低下する。因みに、図2における第1の配管11a内の★1地点と第2の配管11b内の★2地点の差圧は1.5kPa程度ある。上述したように、ガス分析装置10では、この差圧を利用して、ガス化溶融炉30から排出される炉内ガスGをバイパス管13に導入して、炉内ガスG2に含まれる成分ガスの測定を行っている。
【0025】
バイパス管13を構成する第1〜第3のバイパス管14、15、16の各外周面には、ほぼ全長に亘ってヒータ17が装着されている。第1のバイパス管14をヒータ17で加熱することにより、第1のバイパス管14を流れる炉内ガスG2が加温され、炉内ガスG2に含まれるタールが気化(昇華)し、白煙が除去される。その際、炉内ガスG2の温度をタールの沸点以上とすることで、タールが気化する。タール製品であるナフタレンの沸点が218℃、アントラセンの沸点が342℃であることから、炉内ガスG2を加温して300℃以上、好ましくは350〜500℃とする。
なお、第2、第3のバイパス管15、16に装着されたヒータ17は、第1のバイパス管14のヒータ17で加温した炉内ガスG2の温度を低下させない温度(300℃)以上として、タールが第2、第3のバイパス管15、16の内面に付着して閉塞するのを防止することを主たる目的とする。
【0026】
縦方向に配置された第1のバイパス管14の後端部には、炉内ガスG2に含まれるダストを捕集するフィルタ20と、窒素などの不活性ガスNをフィルタ20に吹き付けてフィルタ20に付着したダストを払い落とすブラスタ21が設置されている。
本実施の形態では、ヒータ17によって加温された炉内ガスG2がフィルタ20を通過する。そのため、フィルタ20に付着したダストは乾燥しており、フィルタ20に付着したダストをブラスタ21で容易に払い落とすことができる。なお、ブラスタ21は4分間隔程度で作動すればよい。
【0027】
レーザ式ガス分析計18は、横方向に配置された第2のバイパス管15に設置されている。具体的には、レーザ光を照射するレーザ発信器18aが第2のバイパス管15の一方の端部に、レーザ発信器18aから照射されたレーザ光を受信するレーザ受信器18bが第2のバイパス管15の他方の端部にそれぞれ設置されている。
また、窒素などの不活性ガスNからなるパージガスをレーザ式ガス分析計18に供給するパージガス管19が、第2のバイパス管15に沿って配設されている。パージガス管19を流れるパージガスは、第2のバイパス管15に装着されたヒータ17により約300℃に加温され、レーザ式ガス分析計18の先端部に設置された光透過性部材45の中央部に向けて噴射される。なお、光透過性部材45としては、例えば合成石英などのガラス材料を用いることができる。
【0028】
縦方向に配置された第3のバイパス管16の後端部(バイパス管13の出口側)には、ガス化溶融炉30から排出される炉内ガスGをバイパス管13内に吸引するためのエジェクタ22が設置されている。エジェクタ22は、窒素などの不活性ガスNを第3のバイパス管16内に供給する供給管22aと、供給管22aを開閉するエジェクタ弁22bと、供給管22aの先端部から不活性ガスNを噴射するノズル22cとを有している。
除塵器31による差圧が不十分な炉立ち上げ時に、エジェクタ弁22bを開いて不活性ガスNをノズル22cから第3のバイパス管16内に噴射することにより、炉内ガスG2を第1の配管11aからバイパス管13内に吸引することができる。
【0029】
続いて、上記構成を有するガス分析装置10を用いたガス分析方法について説明する。
(1)先ず、炉立ち上げ時について説明する。ヒータ17をONにしてバイパス管13を加熱し、鉄皮温度を500〜550℃にする。
(2)入口弁23と出口弁24を開いて配管11とバイパス管13とを連通させた後、エジェクタ弁22bを開いて不活性ガスNを第3のバイパス管16内に吹き込む。これにより、ガス化溶融炉30から排出された炉内ガスGの一部(除塵器31に送られる炉内ガスG1の1/10程度)が第1のバイパス管14内に吸引される。
(3)第1のバイパス管14内に吸引された炉内ガスG2は、ヒータ17によって加温された後、炉内ガスG(G2)中のダストがフィルタ20によって除去される。
【0030】
(4)フィルタ20を通過した炉内ガスG2は、ヒータ17で300℃以上に加温された状態で、レーザ式ガス分析計18の光路となる第2のバイパス管15を通過する。第2のバイパス管15内が炉内ガスG2で満たされた状態で、レーザ発信器18aからレーザ受信器18bに向けてレーザ光を照射し、第2のバイパス管15内の炉内ガスG2に含まれる成分ガスの測定を行う。炉内ガスG2に含まれる各成分ガスは、特定の波長を有するレーザ光を吸収する特性を有しており、その吸収強度から成分ガスの濃度を知ることができる。従って、測定したい成分ガスの吸収波長を選択することで、他の成分ガスの干渉を受けることなく、当該成分ガスの濃度を測定することができる。
【0031】
(5)また、レーザ式ガス分析計18の先端部に設置された光透過性部材45に向けて、約300℃に加温されたパージガスを噴射し、光透過性部材45の曇りを防止する。なお、パージガスによって炉内ガスG2に含まれている成分ガスが希釈されるので、パージガス量は、極力少ないほうがよい。ガス分析装置10では、レーザ式ガス分析計18の先端部に設置された光透過性部材45の中央部に向けて、加温されたパージガスを噴射することで、パージガス量の削減と、光透過性部材45を300℃以上に維持することで、光透過性部材45の曇り(タールの再ミスト化)防止を図っている。
(6)第2のバイパス管15を通過した炉内ガスG2は、第3のバイパス管16を通過した後、除塵器31から排出された炉内ガスG1と合流して燃焼室32に送られる。
(7)除塵器31による差圧によってバイパス管13内に炉内ガスG2を吸引できるようになった時点で、エジェクタ弁22bを閉じてエジェクタ22を停止する。
【0032】
なお、本実施の形態に係るガス分析装置10では、入口弁23と出口弁24を閉じることにより、炉運転中でも、ガス分析装置10のメンテナンス及びレーザ式ガス分析計18の初期補正を行うことができる。
【0033】
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、バイパス管を直管で構成しているが、レーザ式ガス分析計が設置されていない管は曲管でもよい。また、図2において、レーザ発信器を左側に、レーザ受信器を右側に配置したが、逆でもよいことは言うまでもない。さらにまた、本発明に係るガス分析装置及びそれを用いたガス分析方法は、炉立ち上げ時以降においても成分ガスの測定ができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0034】
10:ガス分析装置、11:配管、11a:第1の配管、11b:第2の配管、13:バイパス管、14:第1のバイパス管、15:第2のバイパス管、16:第3のバイパス管、17:ヒータ、18:レーザ式ガス分析計、18a:レーザ発信器、18b:レーザ受信器、19:パージガス管、20:フィルタ、21:ブラスタ、22:エジェクタ、22a:供給管、22b:エジェクタ弁、22c:ノズル、23:入口弁、24:出口弁、30:ガス化溶融炉(廃棄物処理炉)、30a:送風羽口、31:除塵器、32:燃焼室、33:ボイラ、34:排ガス温度調節器、35:バグフィルタ、36:触媒反応塔、37:煙突、38:蒸気タービン発電機、45:光透過性部材、G、G1、G2:炉内ガス、D:ダスト、N:不活性ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処理炉内で発生する炉内ガスにレーザ光を照射して該炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を行うガス分析装置において、
前記廃棄物処理炉から排出される炉内ガスを燃焼室に導く配管の途中に設けられたバイパス管と、前記バイパス管内を流れる前記炉内ガスを加温するヒータと、加温された前記炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を行うレーザ式ガス分析計とを備えることを特徴とするガス分析装置。
【請求項2】
請求項1記載のガス分析装置において、前記配管が、前記廃棄物処理炉から排出される炉内ガスを除塵器に導く第1の配管と、前記除塵器から排出される炉内ガスを前記燃焼室に導く第2の配管とからなり、前記バイパス管が前記第1の配管から分岐し、前記第2の配管に合流していることを特徴とするガス分析装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のガス分析装置において、前記炉内ガスは、該炉内ガスに含まれるダストを捕集するフィルタを通過した後、前記レーザ式ガス分析計の光路に進入することを特徴とするガス分析装置。
【請求項4】
請求項3記載のガス分析装置において、前記フィルタに不活性ガスを吹き付けて該フィルタに付着したダストを払い落とすブラスタを備えることを特徴とするガス分析装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス分析装置において、前記廃棄物処理炉から排出される炉内ガスを前記バイパス管内に吸引するためのエジェクタを前記バイパス管の出口側に備えることを特徴とするガス分析装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス分析装置において、前記レーザ式ガス分析計の先端部に設置された光透過性部材に向けて、加温されたパージガスが噴射されることを特徴とするガス分析装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分析装置を用いて、廃棄物処理炉内で発生する炉内ガスに含まれる成分ガスの測定を行うガス分析方法であって、
前記廃棄物処理炉から排出された炉内ガスを前記バイパス管に導いて前記ヒータで加温し、加温された前記炉内ガスに含まれる成分ガスを前記レーザ式ガス分析計で測定することを特徴とするガス分析方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−202855(P2012−202855A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68339(P2011−68339)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(390022873)日鐵プラント設計株式会社 (275)
【Fターム(参考)】