説明

ガス分解装置

【課題】 小型で、効率よく、電気化学反応を用いてガスを分解しながら、破損要因を除去した安全性の高いガス分解装置を提供する。
【解決手段】 MEA(Membrane Electrode Assembly)と、アノードに接するように位置し、排気ガスが導入される分解室3と、分解室3に連通する排気ガス流路11と、カソードに接するように位置し、空気が導入される空気室5a,5bと、空気室5a,5bに連通する空気流路12a,12bと、分解室の圧力と空気室の圧力差を小さくするための差圧調整機構6,7とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス分解装置であって、より具体的には、特定のガス成分を、小型装置で効率よく分解しながら安全性を向上させたガス分解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンモニアやNOx等の有害ガスを除去する装置は、従来から多く提案されてきた。このような装置のなかで、電気化学的方法によって有毒ガスを分解する方法は、保守コストや装置の小型化の点で有利であり、注目を集めている(特許文献1)。とくにアノード層/電解質層/カソード層で構成されるMEA(Membrane Electrode Assembly)を用いたガス分解装置は、装置の小型化を促進することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−45472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有毒ガスの分解装置には、高度の安全性が要求され、耐久性向上のために、破損に連なる要因はできる限り除去しておくことが望ましい。本発明は、小型で、効率よく、電気化学反応を用いてガスを分解しながら、破損要因を除去した安全性の高いガス分解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のガス分解装置は、第1電極、第1電極と対をなす第2電極、および第1電極と第2電極とに挟まれる電解質で構成されるMEA(Membrane Electrode Assembly)と、第1電極に接するように位置し、該第1電極と電気化学反応する成分を含む第1の気体が導入される第1気体室と、第1気体室に連通する第1流路と、第2電極に接するように位置し、該第2電極と電気化学反応する成分を含む第2の気体が導入される第2気体室と、第2気体室に連通する第2流路と、第1気体室の圧力と第2気体室の圧力差を小さくするための差圧調整機構とを備えることを特徴とする。
【0006】
上記の構成によれば、MEAの両側の第1および第2の気体室の圧力差に起因するMEAの破損を避けることができる。MEAの電解質は脆いものが多く、両側の気体室の圧力差が大きくなると、MEAに歪みが生じて破損にいたるが、上記の圧力調整機構によって圧力差を抑制される。この結果、小型で、効率よく、電気化学反応を用いてガスを分解しながら、破損要因を除去して安全性を向上することができる。上記のガス分解装置では、分解対象のガス成分を含む気体は、第1の気体でも第2の気体でもよい。また、上記のガス分解装置は、燃料電池として用いることもできるし、また、有害ガスを極低濃度まで分解するための除害装置であってもよい。上記の電気化学反応は、高温状態で実用レベルの分解速度を持つことを目的に、通常、ヒータ等により高温に加熱される。加熱される温度範囲としては、たとえば600℃〜950℃の温度範囲である。差力調整機構は、どのようなものでもよい。
【0007】
上記の差圧調整機構を、第1流路と第2流路との差圧を検知する差圧計と、第1流路および第2流路の一方または両方に配置され、差圧計の信号に基づいて、気体流量を調整する流量調整部とで構成することができる。これによって、簡単な構造によって、差圧調整機構を構成することができる。
【0008】
上記のMEAを第1のMEAとして、第2気体室の第1のMEAと反対側に、当該第2気体室を画する第2のMEAをさらに備え、第1のMEAと第2のMEAとは、第2気体室を挟んで、同じ極性の第2電極を対向させており、第2のMEAの第1のMEAと反対側に、第1の気体と同じ気体が導入される第3気体室を備えることができる。この構成によれば、たとえば、上記のガス分解装置を除害装置として、有害ガスを含む排気ガスを第2の気体として第2気体室に導入することで、両側のMEAによって、有害ガスを極低濃度にまで分解することが容易となる。この結果、差圧によるMEAの破損要因を除きながら、有害ガスを容易に極低濃度に除害することができる。上記のように気体室の両側に電極が配置される構造を両側電極構造と呼ぶ場合がある。両側に電極を持つ気体室(第2気体室)は、本ガス分解装置を除害装置として用いる場合、通常、分解対象の有害ガスを含む気体が導入される。その理由は、あとで詳しく説明する。
【0009】
第1の気体を空気とし、第2の気体をアンモニアを含む排気ガスとして、半導体製造装置から排出される排気ガス中のアンモニアを、空気を用いて、25ppm以下に分解するために、上記のガス分解装置を半導体製造装置の排気系統の大気放出部に配置することができる。これによって、差圧によるMEA破損の要因を除きながら、定期点検等のメンテナンスを抑制し、小型で、効率よく極低濃度までアンモニアを分解することができるアンモニア除害装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小型で、効率よく、電気化学反応を用いてガスを分解しながら、破損要因を除去した安全性の高いガス分解装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガス分解装置の構成を示す図である。
【図2】図1のガスガス分解装置のセル部分の断面図である。
【図3】図2のガス分解装置のMEAを含む拡大図である。
【図4】実施の形態1におけるガス分解装置の変形例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるガス分解装置の構成を示す図である。
【図6】実施の形態2におけるガス分解装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のガス分解装置が用いられるガス分解の態様例をいくつか、表1に示す。表1において、番号R1〜R4、およびR6は、ガス分解の結果、電力を生成する電気化学反応であり、いわゆる燃料電池として作動する。また、番号R5、R7、R8は、ガス分解に電力投入を要し、電気分解の電気化学反応である。本発明のガス分解装置は、表1に例示するすべての電気化学反応に用いることができる。
【0013】
【表1】

【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス分解装置10を示す図である。また、図2は、ガス分解装置10のセルCの構造の概略図である。ガス分解装置10は、半導体製造における排気ガス(第2の気体)に含まれるアンモニアを10ppm以下に分解して、そのまま大気に放出するために用いられる。電気化学反応が進行するセルCは、空気(第1の気体)が導入される2つの空気室(第1気体室)5a,5bを有する。空気室5aと分解室(第2気体室)2との間にはMEA1が位置し、また空気室5bと分解室3との間にもMEA2が介在する。このあと説明するように、MEA1,2はアノードを対面させるようにして、分解室3を挟んでいる。このため、分解室3の両側にアノードが位置することになり、上述のように、両側電極構造と呼ぶ。空気室5a,5bには、図示しないカソード集電体である導電多孔体がMEA1,2のカソード1c,2cに接触するように配置され、また分解室3には、同じく図示しないアノード集電体の導電多孔体がアノード1a,2aに接触した状態で配置される。上記の導電多孔体は連続気孔をもつものであり、金属多孔体が用いられるが、金属多孔体である必要はなく、織布、不織布などの繊維状の連続多孔体であってもよい。MEAは、セラミックスの固体電解質を含む積層体が用いられる。固体電解質を構成するセラミックスは比較的脆い。MEAの厚みは1μm〜100μmとするのがよい。
アンモニアを含む排気ガスは、排気流路(第2流路)11を通って、分解室3に導入され、アンモニアを極低濃度にまで分解して、分解後の成分を含めて処理済み排気流路21から、図示しない水トラップ等を経て大気に放出される。また、空気は、空気流路(第1流路)12から流量制御器7を経て分岐され、二本の分岐流路12a,12bから空気室5a,5bに導入される。ここでMEA1,2のカソードにおいて、所定量の酸素から酸素イオンをMEAのアノード側へと供給する反応をして、残りの空気は、やはり水トラップ等を経て放出される。
【0015】
化合物半導体などの半導体製造において、排気ガスは間欠的に発生する。排気ガスが発生しない間も、排気流路11には1SLM〜数十SLMの窒素ガス等が流されているが、排気ガスが発生すると、排気流路11には数十〜数百SLMのアンモニアを含む気体が流れる。
仮に、何の対策もとらない場合を想定する。空気流路12a,12bの流量を一定のレベル、たとえば排気ピークに合わせた空気量を流しておくと、排気ガスが発生しない期間は、空気室5a,5bの圧力は分解室3の圧力を大きく超えて、2枚のMEA1,2に大きな圧力がかかる。排気ガスの発生は間欠的に繰り返されるので、長期間の使用において、繰り返し圧力がMEA1,2にかかる。この結果、終にはMEA1,2が破損にいたる。アンモニアのような有害ガスの分解装置が、上記のような破損要因を内在することは安全上好ましくない。また、排気ガスの発生量と、非発生の時の流量との平均値に合わせた空気量とすると、排気ガス発生時のピーク量の処理をすることができず、所定レベル以下にアンモニアを分解することができない。分解不足は安全上許されない。
【0016】
本実施の形態のガス分解装置10においては、図1に示すように排気流路11と、空気流路12aとの差圧を検知する差圧計6を配置し、制御信号または差圧信号を流量制御器7に送信する。流量制御器7では、その信号に基づいて、流量を制御して差圧を小さくするようにする。差圧計6は、ダイアフラム式など、どのような差圧計であってもよい。また、空気流路12aと、排気流路11とに個別に圧力計を取り付け、それぞれの圧力をマイコン等に送り、差圧を割り出し、流量制御器7の流量を制御してもよい。流量制御器7には 可変バルブ、可変ダンパーなどを用いることができる。
上記の圧力調整機構6,7を用いることで、本実施の形態におけるガス分解装置10は、間欠的に繰り返し発生する排気ガスの流量に合わせて、オンタイムで空気量を流すことができる。このため、セルC内の空気室5a,5bと、分解室3との間に、実質的に圧力差を生じないようにでき、MEA1,2に圧力は加わることが抑制される。この結果、長期間、稼働させても、MEA1,2が破損することがなくなる。また、空気の取り入れに必要な電力についても、必要な量に限定できるので、節約することができる。
【0017】
次に、上記のガス分解反応について、図3を用いて微視的に説明する。分解室3に導入されたアンモニアは、MEA1,2のアノード1a,2aにおいて、2NH+3O2−→N+3HO+6eの反応(アノード反応)をする。酸素イオンO2−は、MEA1,2のカソード1c,2cを経由して空気中の酸素から供給される。反応後の流体であるN+3HOはアノードから、処理済み排気流路21を経て放出される。
また、空気室5a,5bに導入された空気の中の酸素は、MEA1,2のカソード1c,2cにおいて、O+2e→2O2−の反応(カソード反応)をする。酸素イオンは、カソード1c,2cから電解質1b,2bを通って、アノード1a,2aに到達する。アノード1a,2aに到達した酸素イオンは、アンモニアと上記反応をして、アンモニアは分解される。分解されたアンモニアは、窒素ガスおよび水蒸気(HO)となって、放出される。アノード1a,2aで生成した電子eは、アノード集電体13を通り、外部負荷Lを経て、カソード集電体15a,15bからカソード1c,2cへと流れる。上記の反応の結果、アノード1a,2aとカソード1c,2cとの間に電位差が生じ、カソード1c,2cは、アノード1a,2aよりも電位が高くなる。
【0018】
次に、図1に示した両側電極構造の特徴について説明する。図1のように、分解室3が1つで、両側にMEA1,2がある場合(本実施の形態)と、比較例とを比較する。比較例は、分解室が2つで、その分解室は、ともに片側にのみMEAがあり、対面側には絶縁仕切りシートがある、仮の構造を有するものとする。
(1)仮にアンモニアが多量にこれら流路に導入される場合、分解箇所(アノード2)の全面積は、両者、同じであり、分解されるアンモニアの総量は大差がない。このため、たとえば燃料電池の発電効率などを問題にする場合、本実施の形態例と比較例とは、大差ない結果をもたらす。
(2)しかし、極低濃度、たとえばppmオーダーまでアンモニアを除害(分解)する場合、比較例では未反応のまま壁(絶縁仕切りシート)に接触して流れるアンモニアの存在によって、MEAの所要長さは長いものになる。未反応のままの状態を許す壁があるからである。極低濃度まで除害するには、比較例ではその壁から未反応のアンモニアを剥がして反対側の壁(アノード)に接触させる必要がある。未反応のままの状態がある壁はないほうが、アンモニアをその壁の箇所を自由に通り抜けできるので、分解反応を停滞させずに済む。すなわち、本実施の形態例の分解室のように、上壁および下壁ともにアノード1a,2aとされ、ともに分解が進行する場合、未反応のまま壁に接触する箇所はないので、ppmオーダーまで分解するMEAの所要長さは短くなる。
(3)本実施の形態の分解室3は、比較例の絶縁仕切りシートを伴う2つの分解室と比べて、絶縁仕切りシートを配置する必要がないので、圧力損失が小さくしやすい。このため、圧力損失という面でも有利である。
上記(1)および(2)によって、極低濃度レベルまで有害成分を除害する装置において、両側電極構造は装置の小型化、とくに流路長の短縮に大きな効果を奏する。また、(3)圧力損失を抑制しやすい。
なお、ここでの比較例は、あくまで両側電極構造との比較のための例であって、本発明の最も広い構成要件を備えるかぎり、両側電極構造を満たさなくても本発明のガス分解装置に含まれる。
【0019】
本発明における圧力調整機構は、上記の両側電極構造に対して、とくに安全性を高める作用を奏する。すなわち、両側電極構造では、分解室2の両側ともに強度的に弱いMEA1,2が配置されるので、圧力の不均衡を受けて破損しやすい。これに対して、上述のように、上記の圧力調整機構6,7を用いることで、セルC内の空気室5a,5bと、分解室3との間に、実質的に圧力差を生じないようにでき、MEA1,2に圧力は加わることが抑制される。この結果、長期間、稼働させても、MEA1,2が破損することがなくなる。要は、繰り返し圧力を微小欠陥の成長が生じない、しきい応力値以下にすることができる。
【0020】
(実施の形態1の変形例)
図4は、図1または図2の両側電極分解室3を、2組、積層した積層構造の一部分を示す図である。図4の積層構造では、2つの分解室3では、共に、アンモニアが上壁および下壁のアノード1a,2aにおいて分解することは、実施の形態1のものと同じであるが、真ん中の5bにおいて、酸素が上壁および下壁のカソード1c,2cにおいて分解する。すなわち空気室5bも両側電極(カソード)構造となり、酸素は、上壁および下壁のMEA1,2のカソード1c,2cで反応して酸素イオンO2−になる。しかし、最上段および最下段の空気室5a,5aでは、一方はMEAのカソード1c,2cであるが、他方は普通の絶縁壁19である。
【0021】
図4に示すように、両側電極の分解室3を積層した構造では、強度が小さい、または比較的脆いMEA1,2が、4箇所で分解室3と空気室3a,3bの隔壁を構成する。仮に何も対策をとらない場合、4枚のMEA1,2は、両側の室の差圧に応じて圧力を受け、ひずむ。この圧力差の発生は、半導体装置の製造時に大きくなり、したがって繰り返し圧力、および繰り返しひずみが発生する。このため、使用当初は小さな欠陥であっても、繰り返しひずみによって成長して、やがて破損にいたる。図4に示す変形例では、MEAの枚数が多い分、圧力差に起因する破損の発生箇所が多くなる。しかし、図4に示すように、本実施の形態では、分解室3の各々と、隣の空気室5a,5bとの差圧を検知して、差圧を小さくするように、流量調整部7a,7b,7cが空気の流量を調整し、排気ガス流路11の圧力に合うようにすることができる。この結果、セルCの長さを短くし、多量の排気ガスを極低濃度まで下げながら、安全性を確保することができる。
【0022】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるガス分解装置10を示す図である。分解装置10は、MEA1をはさみ空気室5と分解室または燃料室3が配置されている。分解室または燃料室3は、片側のみMEA1の電極(カソードまたはアノード)に接している。この分解装置10は、燃料電池として作動してもよいし、ガス除害装置として作動してもよい。すなわち、表1に示す電気化学反応以外のものであってもよい。本実施の形態では、空気室5と分解室3との差圧を検知する差圧計6を配置して、空気流路12に設けられた吸入ブロア27の吸入量を調整する。このような構成により、実施の形態1と同様に、MEA1の両側の圧力差を抑制して、差圧に起因するMEAの破損を抑止することができる。
【0023】
(実施の形態2の変形例)
図6は、図5に示すガス分解装置10を、複数、積層して燃料電池として用いる場合を示す図である。燃料電池として用いる場合、単位燃料電池30は、電気的に直列に接続され、単位燃料電池の間に絶縁壁19が配置される。電気的接続は、所定の単位燃料電池のアノード集電体13と、隣の単位電池のカソード集電体15とを導電接続することで行われる。このような場合、MEA1は空気室5と、燃料室または分解室3との差圧によって破損しやすい。図6に示すように、単位燃料電池30ごとにMEA1の両側に導入される流路の差圧を検知して、空気流路12の流量を調整することで、MEA1の破損を抑止することができる。
【0024】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、小型で、効率よく、電気化学反応を用いてガスを分解しながら、破損要因を除去した安全性の高いガス分解装置を得ることができる。とくに両側電極構造の分解室をもつ除害装置では、MEAが隔壁を構成しながら両側に位置するため破損リスクが高いが、その破損リスクを抑止しながら、分解室の長さを短くすることができる。
【符号の説明】
【0026】
1,2 MEA、1a,2a アノード、1b,2b 電解質、1c,2c カソード、3 分解室(燃料室)、5,5a,5b 空気室、6,6a,6b,6c,6d
差圧計、7,7a,7b,7c 流量制御器、10 アンモニア分解装置、11 排気ガス流路、12,12a,12b 空気流路、13 アノード集電体、15,15a,15b カソード集電体、19 絶縁壁、21 処理済みガス流路、22,22a,22b 反応後の空気流路、27 吸入ブロア、30 単位燃料電池、C 反応セル部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、前記第1電極と対をなす第2電極、および前記第1電極と第2電極とに挟まれる電解質で構成されるMEA(Membrane Electrode Assembly)と、
前記第1電極に接するように位置し、該第1電極と電気化学反応する成分を含む第1の気体が導入される第1気体室と、
前記第1気体室に連通する第1流路と、
前記第2電極に接するように位置し、該第2電極と電気化学反応する成分を含む第2の気体が導入される第2気体室と、
前記第2気体室に連通する第2流路と、
前記第1気体室の圧力と第2気体室の圧力差を小さくするための差圧調整機構とを備えることを特徴とする、ガス分解装置。
【請求項2】
前記差圧調整機構が、前記第1流路と第2流路との差圧を検知する差圧計と、前記第1流路および第2流路の一方または両方に配置され、前記差圧計の信号に基づいて、気体流量を調整する流量調整部とで構成されることを特徴とする、請求項1に記載のガス分解装置。
【請求項3】
前記MEAを第1のMEAとして、前記第2気体室の前記第1のMEAと反対側に、当該第2気体室を画する第2のMEAをさらに備え、前記第1のMEAと第2のMEAとは、前記第2気体室を挟んで、同じ極性の第2電極を対向させており、前記第2のMEAの前記第1のMEAと反対側に、前記第1の気体と同じ気体が導入される第3気体室を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のガス分解装置。
【請求項4】
前記第1の気体を空気とし、前記第2の気体をアンモニアを含む排気ガスとして、半導体製造装置から排出される排気ガス中のアンモニアを、空気を用いて、25ppm以下に分解するために、前記半導体製造装置の排気系統の大気放出部に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス分解装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−172828(P2010−172828A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18742(P2009−18742)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】