説明

ガス流量制御装置、燃料電池システム及びガス流量制御方法

【課題】複数種類のガスを混合させて構成した混合ガスの流量調整を精確に行う。
【解決手段】複数のガス供給源40A〜40Eから供給されるガスを混合させて構成した混合ガスの流量を調整するガス流量制御装置である。各ガス供給源40A〜40Eから供給されるガスの流量を所定量に設定する流量設定手段(構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41E)と、流量設定手段の各々で設定された各ガスの流量を加算した値である総流量を算出する総流量算出手段と、混合ガスの流量を計測する流量計測手段(マスフローメータ42)と、総流量算出手段で算出した総流量と流量計測手段で計測した混合ガスの流量との相関関係を表す特定係数を算出する係数算出手段と、係数算出手段で算出した特定係数を参照して混合ガスの流量を調整する流量調整手段(混合ガス用マスフローコントローラ43及び制御装置)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流量制御装置、燃料電池システム及びガス流量制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムにおいては、燃料電池のアノード電極に燃料ガスを、カソード電極に酸化ガスを、各々供給して発電を行っている。かかる燃料電池システムの燃料電池として固体高分子型燃料電池を採用する場合には、イオン導電性を発揮させるために固体高分子電解質膜を飽和加湿する必要がある。このため、燃料電池に供給される反応ガス(燃料ガス及び/又は酸化ガス)に所定量の水蒸気を含有させる加湿器が設けられる。
【0003】
ところで、燃料電池の発電状態を安定させるためには、反応ガスに含まれる水蒸気の量を適切に調整する必要がある。また、複数種類のガスを所定量混合させて反応ガスを構成する場合においては、各ガスの流量を適切に調整する必要がある。このため、近年においては、マスフローコントローラを用いて各ガス(水蒸気を含む)の流量を調整し、これらガスを混合させて所望の混合ガスを得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−156045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような技術を採用して混合ガスの流量調整を行う場合には、各ガスの流量をマスフローコントローラで調整し、この流量調整した各ガスを混合して所定流量の混合ガスを得るようにしている。
【0005】
しかし、このような従来の技術を採用すると、各ガスを流通させる配管の態様(長さ、圧力損失、断面積等)の差異や各マスフローコントローラの動作時期のずれ等に起因して、混合ガスにおける各ガスの混合比が変化してしまう場合がある。このように流量調整の際にガスの混合比が変化する(例えば反応ガスの流量調整の際に水蒸気の量が変化する)と、混合ガスの供給を受けるシステムが所望の特性を発揮できない(例えば燃料電池の発電状態が不安定となる)おそれがある。
【0006】
一方、流量計測器(マスフローメータ)を用いて混合ガスの流量を計測しながら流量調整を行うことも考えられる。しかし、従来の流量計測器は、既知のガスの流量を計測するように設計されているため、複数種類のガスを所定量混合させて構成した未知の混合ガスの流量を精確に計測することができず、従って、流量調整を的確に行うことが困難となっていた。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、複数種類のガスを混合させて構成した混合ガスの流量調整を精確に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明に係るガス流量制御装置は、複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスの流量を調整するガス流量制御装置であって、各ガス供給源から供給されるガスの流量を所定量に設定する流量設定手段と、流量設定手段の各々で設定された各ガスの流量を加算した値である総流量を算出する総流量算出手段と、混合ガスの流量を計測する流量計測手段と、総流量算出手段で算出した総流量と流量計測手段で計測した混合ガスの流量との相関関係を表す特定係数を算出する係数算出手段と、係数算出手段で算出した特定係数を参照して混合ガスの流量を調整する流量調整手段と、を備えるものである。
【0009】
また、本発明に係るガス流量制御方法は、複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスの流量を調整するガス流量制御方法であって、各ガス供給源から供給されるガスの流量を所定量に設定する第1の工程と、第1の工程で設定された各ガスの流量を加算した値である総流量を算出する第2の工程と、混合ガスの流量を計測する第3の工程と、第2の工程で算出した総流量と第3の工程で計測した混合ガスの流量との相関関係を表す特定係数を算出する第4の工程と、第4の工程で算出した特定係数を参照して混合ガスの流量を調整する第5の工程と、を含むものである。
【0010】
かかる構成及び方法によれば、各ガス供給源から供給される各ガスの流量を加算した値(総流量)と、これら複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスの流量と、の相関関係を表す特定係数を算出し、この特定係数を参照して混合ガスの流量を調整することができる。すなわち、ガスの混合前後における流量の特定相関関係(例えば混合後のガス流量が混合前のガス流量と比較して所定の割合で減少する、というような関係)を特定係数で表現し、この特定係数を用いて混合ガスの流量計測値を補正した状態で流量調整を行うことができる。従って、混合ガスの流量調整を精確に行うことができる。また、ガス混合前の流量調整が不要となるため、ガス混合前の流量調整に起因した混合ガスの質の低下(混合比の不均一性等)を抑制することができる。
【0011】
また、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、この燃料電池にガスを供給するためのガス供給源と、このガス供給源から供給されるガスの流量を制御するガス流量制御装置と、を備える燃料電池システムであって、ガス供給源から供給されるガスは、複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスであり、ガス流量制御装置として、前記ガス流量制御装置を採用したものである。
【0012】
かかる構成によれば、混合ガスの精確な流量調整を実現させるガス流量制御装置を備えているため、燃料電池に供給されるガスに含まれる各種成分(水蒸気等)の割合を安定させることができる。この結果、発電効率を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数種類のガスを混合させて構成した混合ガスの流量調整を精確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るガス流量制御装置を備えた燃料電池システムについて説明する。本実施形態においては、本発明を燃料電池車両の車載発電システムに適用した例について説明することとする。
【0015】
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の構成の概要について説明する。燃料電池システム1は、図1に示すように、燃料電池2を中心として構成され、燃料電池2に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給源3、燃料電池2に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給源4、システム全体を統合制御する図示されていない制御装置等を備えて構成されている。
【0016】
燃料電池2は、単電池(燃料電池セル)を所要数積層した燃料電池スタックを備えている。燃料電池2には、発電された電力を蓄える図示されていない蓄電池や、発電された電力及び/又は蓄電池に蓄えられた電力によって駆動する図示されていないモータ等が接続されている。
【0017】
燃料電池2の水素供給口には水素供給用配管21が接続されており、この水素供給用配管21を介して燃料ガスが燃料ガス供給源3から供給される。本実施形態においては、燃料ガス供給源3として高圧水素タンクを採用している。なお、高圧水素タンクに代えて、いわゆる燃料改質器や水素吸蔵合金等を採用することもできる。水素供給用配管21には、燃料ガス供給源3から水素ガスを供給し又は供給を停止する遮断弁、燃料電池2への水素ガスの供給圧力を減圧して調整する水素調圧弁、燃料電池2の水素供給口と水素供給用配管21間を開閉する遮断弁等が設けられている。なお、各種弁については図示を省略している。
【0018】
燃料電池2の水素排出口には水素循環用配管24が接続されており、燃料電池2で消費されなかった水素ガスは、水素オフガスとして水素循環用配管24に排出されて水素供給用配管21に戻される。水素循環用配管24には、燃料電池2と水素循環用配管24とを連通させ又は遮断する遮断弁、水素オフガスから水分を回収する気液分離器24a、水素オフガスを加圧する水素ポンプ24b、逆止弁24c等が設けられている。水素オフガスは、水素供給用配管21で水素ガスと合流し、燃料電池2に供給されて再利用される。また、水素循環用配管24は、パージ弁及びパージ用配管27を介して空気排出用配管25に接続される。なお、遮断弁及びパージ弁については図示を省略している。
【0019】
燃料電池2の空気供給口には空気供給用配管22が接続されており、この空気供給用配管22を介して酸化ガスが酸化ガス供給源4から供給される。なお、酸化ガス供給源4の構成は、図2を用いて後に詳述する。また、燃料電池2の空気排出口には空気排出用配管25が接続されており、この空気排出用配管25を介して酸化オフガスが外部に放出される。
【0020】
燃料電池2の冷却水供給口には冷却水供給用配管23が接続されており、この冷却水供給用配管23を介して燃料電池2に冷却水が供給される。また、燃料電池2の冷却水排出口には冷却水排出用配管26が接続されており、この冷却水排出用配管26を介して燃料電池2から冷却水が外部に排出される。冷却水排出用配管26と冷却水供給用配管23とは冷却ファン26aを有するラジエータ26bを介して接続されている。冷却水供給用配管23には、燃料電池2に供給される冷却水の温度を検出する温度センサや冷却水を加圧して循環させるポンプ23a等が設けられている。
【0021】
次に、図2を用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の酸化ガス供給源4の構成について説明する。
【0022】
酸化ガス供給源4は、図2に示すように、酸化ガスを構成する複数種類のガスを供給するガス供給源40A〜40E、各ガス供給源40A〜40Eから供給されるガスの流量を所定量に設定する構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41E、各ガス供給源40A〜40Eから供給されるガスを混合させて構成した酸化ガス(混合ガス)の流量を計測するマスフローメータ42、酸化ガスの流量を調整する混合ガス用マスフローコントローラ43等を備えて構成されている。
【0023】
本実施形態においては、図2に示すように、酸素を供給する酸素供給源40A、窒素を供給する窒素供給源40B、二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源40C、水蒸気を供給する水蒸気供給源40D及び一酸化炭素を供給する一酸化炭素供給源40Eをガス供給源として採用している。酸素供給源40A、窒素供給源40B、二酸化炭素供給源40C、一酸化炭素供給源40Eとしては、各ガス(酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素)を充填した高圧水素タンクを採用することができる。また、水蒸気供給源40Dとしては、市販されている水蒸気発生装置等を採用することができる。
【0024】
構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41Eは、流量調整機能を有する小型ガスポンプであり、本発明における流量設定手段の一実施形態である。マスフローメータ42は、混合ガスとしての酸化ガスの流量を計測するものであり、本発明における流量計測手段の一実施形態である。本実施形態におけるマスフローメータ42は、既知のガス(例えば酸素)の流量を正確に計測するための機能を有しているが、未知のガス(例えば複数種類のガスを特定の混合比で混合させて構成した酸化ガス)の流量を正確に計測する機能を有していない。このため、マスフローメータ42で計測された酸化ガスの流量計測値は、後述する方法で補正されることとなる。混合ガス用マスフローコントローラ43は、流量調整機能を有する小型ガスポンプであり、混合ガスとしての酸化ガスの流量を所定量に設定するように機能する。
【0025】
構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41E及び混合ガス用マスフローコントローラ43の動作は、図示されていない制御装置により制御される。また、マスフローメータ42で計測された酸化ガスの流量に係る信号は、制御装置に伝送され、混合ガス用マスフローメータ43の制御に用いられる。
【0026】
制御装置は、構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41Eで設定された各ガスの流量を加算した値(総流量)を算出する。すなわち、制御装置は、本発明における総流量算出手段の一実施形態である。また、制御装置は、算出した総流量と、マスフローメータ42で計測した酸化ガスの流量と、の相関関係を表す特定係数を算出する。すなわち、制御装置は、本発明における係数算出手段の一実施形態である。また、制御装置は、算出した特定係数を参照して混合ガス用マスフローコントローラ43を制御することにより、酸化ガスの流量を調整する。すなわち、制御装置及び混合ガス用マスフローコントローラ43は、本発明における流量調整手段の一実施形態を構成する。
【0027】
なお、構成ガス用マスフローメータ41A〜41E、マスフローメータ42、混合ガス用マスフローコントローラ43及び制御装置により、本発明の実施形態に係るガス流量制御装置が構成されることとなる。
【0028】
続いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の酸化ガス供給源4におけるガス流量制御方法について説明する。
【0029】
まず、制御装置は、構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41Eを制御することにより、各ガス供給源40A〜40Eから供給される各ガス(酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素)の流量を所定量(QA、QB、QC、QD、QE)に設定する(第1の工程)。次いで、制御装置は、構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41Eで設定された各ガスの流量を加算して、総流量Q1(=QA+QB+QC+QD+QE)を算出する(第2の工程)。
【0030】
次いで、制御装置は、マスフローメータ42を介して、混合ガスとしての酸化ガスの流量Q2を計測する(第3の工程)。そして、制御装置は、算出した総流量Q1と計測した酸化ガスの流量Q2との相関関係を表す特定係数Kを算出する(第4の工程)。本実施形態においては、「K=Q1/Q2」なる式を用いて特定係数Kを算出する。マスフローメータ42は未知のガスである酸化ガスを正確に計測する機能を有していないため、その計測値Q2は実際の総流量Q1と異なる値となっている。従って、本実施形態においては、計測値Q2と実際の総流量Q1との関係を特定係数Kで表し、かかる特定係数Kを酸化ガスの流量調整に用いることとしている。
【0031】
第4の工程で算出した特定係数Kを参照して、制御装置は、混合ガス用マスフローコントローラ43を制御することにより、酸化ガスの流量Qを調整する(第5の工程)。本実施形態において、制御装置は、マスフローメータ42における計測値Q2に特定係数Kを乗じることにより、酸化ガスの流量Qを算出(調整)する。このように調整された酸化ガスの流量Qは、
Q=Q2×K=Q2×(Q1/Q2)=Q1
となり、実際の総流量Q1と同一の値となる。
【0032】
また、酸化ガスの流量Qを総流量Q1の1/pに調整しようとする場合には、制御装置は、マスフローメータ42での計測値Q2に「K/p」を乗じることにより、酸化ガスの流量Qを算出する。このように設定された酸化ガスの流量Qは、
Q=Q2×(K/p)=Q2×{(Q1/Q2)/p}=Q1/p
となり、実際の総流量Q1の1/pに調整されることとなる。本実施形態においては、このように酸化ガスの流量Qを低減させる場合においても、構成ガス用マスフローコントローラ41A〜41Eにおいて流量調整を行うことなく、混合ガス用マスフローコントローラ43においてのみ流量調整を行うこととしている。混合ガス用マスフローコントローラ43を通過する酸化ガス以外の余剰ガスは、酸化ガス排出用配管44を介して外部に放出される。
【0033】
以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1の酸化ガス供給源4のガス流量制御装置においては、各ガス供給源40A〜40Eで設定された各ガス(酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素)の流量を加算した値(総流量Q1)と、これら複数のガス供給源40A〜40Eから供給されるガスを混合させて構成した酸化ガスの流量Q2と、の相関関係を表す特定係数Kを算出し、この特定係数Kを参照して酸化ガスの流量Qを調整することができる。すなわち、ガスの混合前後における流量の特定相関関係を特定係数Kで表現し、この特定係数Kを用いて酸化ガスの計測値を補正した状態で流量調整を行うことができる。従って、酸化ガスの流量調整を精確に行うことができる。また、ガス混合前の流量調整が不要となるため、ガス混合前の流量調整に起因した酸化ガスの質の低下(混合比の不均一性等)を抑制することができる。
【0034】
また、以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1は、酸化ガスの精確な流量調整を実現させるガス流量制御装置を備えているため、燃料電池2に供給される酸化ガスに含まれる各種成分(水蒸気等)の割合を安定させることができる。この結果、発電効率を高めることが可能となる。
【0035】
なお、以上の実施形態においては、燃料電池システム1の酸化ガス供給源4に本発明を適用した例を示したが、燃料ガス供給源3に本発明を適用することもできる。
【0036】
例えば、図3に示すように、燃料ガスを構成する複数種類のガスを供給するガス供給源(水素供給源30A、窒素供給源30B、水蒸気供給源30C及び一酸化炭素供給源30D)、各ガス供給源30A〜30Dから供給されるガスの流量を所定量に設定する構成ガス用マスフローコントローラ31A〜31D(流量設定手段)、各ガス供給源30A〜30Dから供給されるガスを混合させて構成した燃料ガスの流量を計測するマスフローメータ32(流量計測手段)、燃料ガスの流量を調整する混合ガス用マスフローコントローラ33等により燃料ガス供給源3を構成することができる。そして、総流量算出手段、係数算出手段及び流量調整手段としての制御装置が、構成ガス用マスフローコントローラ31A〜31Dで設定された各ガスの流量を加算した値(総流量)を算出し、この総流量とマスフローメータ32で計測した燃料ガスの流量との相関関係を表す特定係数を算出し、この特定係数を参照して混合ガス用マスフローコントローラ33を制御することにより、燃料ガスの流量を調整することができる。
【0037】
また、以上の実施形態においては、各構成ガスの総流量Q1と、計測した酸化ガスの流量Q2と、の相関関係を表す特定係数Kとして「K=Q1/Q2」なる式を用いて算出される値を採用したが、特定係数Kはこれに限られるものではなく、各構成ガスの総流量と計測した酸化ガスの流量との相関関係を表すものであればいかなるものでもよい。
【0038】
また、以上の実施形態においては、燃料電池車両に搭載される燃料電池システムに本発明を適用した例について説明したが、燃料電池車両以外の各種構造体(ロボット、船舶、航空機等)に搭載される燃料電池システムについても本発明を適用することができる。また、本発明に係るガス流量制御装置及びガス流量制御方法を、燃料電池システム以外のシステム(例えば半導体製造装置等)に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
【図2】図1に示した燃料電池システムの酸化ガス供給源の構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの燃料ガス供給源の他の構成例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0040】
1…燃料電池システム、2…燃料電池、30A…水素供給源(ガス供給源)、30B…窒素供給源(ガス供給源)、30C…水蒸気供給源(ガス供給源)、30D…一酸化炭素供給源(ガス供給源)、31A〜31D…構成ガス用マスフローコントローラ(流量設定手段)、32…マスフローメータ(流量計測手段)、33…混合ガス用マスフローコントローラ(流量調整手段の一部)、40A…酸素供給源(ガス供給源)、40B…窒素供給源(ガス供給源)、40C…二酸化炭素供給源(ガス供給源)、40D…水蒸気供給源(ガス供給源)、40E…一酸化炭素供給源(ガス供給源)、41A〜41E…構成ガス用マスフローコントローラ(流量設定手段)、42…マスフローメータ(流量計測手段)、43…混合ガス用マスフローコントローラ(流量調整手段の一部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスの流量を調整するガス流量制御装置であって、
前記各ガス供給源から供給されるガスの流量を所定量に設定する流量設定手段と、
前記流量設定手段の各々で設定された各ガスの流量を加算した値である総流量を算出する総流量算出手段と、
前記混合ガスの流量を計測する流量計測手段と、
前記総流量算出手段で算出した前記総流量と前記流量計測手段で計測した前記混合ガスの流量との相関関係を表す特定係数を算出する係数算出手段と、
前記係数算出手段で算出した前記特定係数を参照して前記混合ガスの流量を調整する流量調整手段と、
を備えるガス流量制御装置。
【請求項2】
燃料電池と、この燃料電池にガスを供給するためのガス供給源と、このガス供給源から供給されるガスの流量を制御するガス流量制御装置と、を備える燃料電池システムであって、
前記ガス供給源から供給されるガスは、複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスであり、
前記ガス流量制御装置は、請求項1に記載のガス流量制御装置である燃料電池システム。
【請求項3】
複数のガス供給源から供給されるガスを混合させて構成した混合ガスの流量を調整するガス流量制御方法であって、
前記各ガス供給源から供給されるガスの流量を所定量に設定する第1の工程と、
前記第1の工程で設定された各ガスの流量を加算した値である総流量を算出する第2の工程と、
前記混合ガスの流量を計測する第3の工程と、
前記第2の工程で算出した前記総流量と前記第3の工程で計測した前記混合ガスの流量との相関関係を表す特定係数を算出する第4の工程と、
前記第4の工程で算出した前記特定係数を参照して前記混合ガスの流量を調整する第5の工程と、
を含むガス流量制御方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−265684(P2007−265684A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86430(P2006−86430)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(594207610)株式会社ベスト測器 (13)
【Fターム(参考)】