説明

ガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカのためのスイッチング・チャンバ

スイッチング・チャンバが、ガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカのために企画される。このスイッチング・チャンバは、軸対称のハウジング(1)と、このハウジング(1)の中に保持され、二つのスイッチング・ピース(3,4)備えたコンタクト装置(2)と、を有し、これらのスイッチング・ピースの内の少なくとも一つ(3)は、前記ハウジングの軸(5)に沿って移動することが可能であるように配置されている。前記スイッチング・チャンバのハウジング(1)は、高電圧に接続されることが可能な導電性材料からなる二つの中空ボディ(7,8)と、これらの中空ボディ(7,8)を軸方向に距離を開けて保持する絶縁チューブ(6)と、を有している。サーキット・ブレーカの動作の際に電気的に遮蔽される分離ゾーン(71,72,81,82)が、前記二つの中空ボディ(7,8)の内の少なくとも一つの表面の中に形成され、前記中空ボディ(7,8)の中で互いに対して異なる表面粗さを有する二つの表面ゾーン(71a,71b;72a,71b;81a,81b;82a,81b)を分離する。前記スイッチング・チャンバのハウジング(1)の表面の不均一性は、スイッチング・チャンバを備えたサーキット・ブレーカの絶縁耐力を減少させることがあるが、その不均一性は、それ故に、何ら影響することがない。この理由のため、このスイッチング・チャンバ及びこのサーキット・ブレーカは、高い動作上の信頼性及び安全性及びシンプルなデザインにより特徴付けられる(図1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前提書き部分に規定されているような、ガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカのためのスイッチング・チャンバに係る。そのようなスイッチング・チャンバは、軸対称のハウジング、及びこのハウジングの中に保持され、二つのスイッチング・ピースを備えたコンタクト装置を有している。これらのスイッチング・ピースの内の一つは、ハウジングの軸に沿って移動することが可能であるように配置されている。このスイッチング・チャンバ・ハウジングは、導電性材料からなる二つの中空ボディ及び絶縁チューブを有し、この絶縁チューブは、二つの中空ボディをハウジングの軸の方向に間隔を開けて保持している。
【0002】
高電圧サーキット・ブレーカの動作の際、スイッチング・チャンバは、高電圧電位にあり、そして特にトリッピングの際には強い電場に曝される。スイッチング・チャンバはまた、スイッチング動作の間に形成される高温のアーク・ガスを収容するので、それは同時にまた、過酷な機械的及び熱的負荷にも曝される。スイッチング・チャンバは、好ましくは、絶縁ガスが充填され且つ電気的ショックに対する保護が設けられたコンテナを備えたガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカの中で使用される。
【背景技術】
【0003】
冒頭に述べたタイプのスイッチング・チャンバが、米国特許第 US 6,495,785 Bl 号の中に記載されている。このスイッチング・チャンバは、絶縁ガスが充填された金属製コンテナの中に配置され、ポスト・インシュレータ50に搭載された軸対称のハウジングを有し、このハウジングの中に、固定スイッチング・ピース及び軸方向に可動なスイッチング・ピースを備えたコンタクト装置が配置されている。このスイッチング・チャンバ・ハウジングは、二つの導電性の中空ボディ43,44により形成されており、チューブ及びフランジ51(中空ボディに固定されている)を取り付けることにより、そして絶縁チューブ50(取り付け部51に固定されている)により、中空ボディを、ハウジングの軸の方向に間隔を開けて保持する。中空ボディ43は、可動スイッチング・ピースに接続され、中空ボディ44は、コンタクト装置の固定スイッチング・ピースに接続されている。
【0004】
電流導体45,47(高電圧に接続されている)は、二つの屋外ブッシング41,42を介してコンテナ40の壁を通って、外側からガイドされる。電流導体45,47の、コンテナの内側に配置された端部は、二つの電気的なプラグ・イン接続を形成するように中空ボディ43,44の中に形成されたドリル孔の中にガイドされている。二つの中空ボディは、過酷な絶縁負荷に曝される絶縁チューブ50及びポスト・インシュレータ50の上の領域を遮蔽し、そして、それらの中空ボディは、高温のアーク・ガスを収容するための排気ボリュームを有している。
【特許文献1】米国特許第 US 6,495,785 Bl 号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特許請求項の中で規定されているように、冒頭に述べたタイプのスイッチング・チャンバ及びこのスイッチング・チャンバを有するガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカを提供する目的に基づいており、それらは、高い動作上の信頼性及び安全性、及びシンプルなデザインによって特徴付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づくスイッチング・チャンバにおいて、分離ゾーン(サーキット・ブレーカの動作の際に電気的に遮蔽される)が、二つの中空ボディの内の少なくとも一つの表面の中に形成され、その分離ゾーンが、中空ボディの中で互いに対して異なる程度の表面粗さを有する二つの表面ゾーンを分離する。そのようなデザインを有するスイッチング・チャンバ、及び前記スイッチング・チャンバを備えた高電圧サーキット・ブレーカは、高い絶縁耐力により、従ってまた、高い動作上の信頼性及び安全性により、特徴付けられる。
【0007】
高い絶縁耐力は、低い表面粗さを有する中空ボディを、前提条件として要求する。中空ボディは、一般的に、鋳造金属部品として製造されるので、そのために、100μm以上の範囲の表面粗さ(peak-to-valley heights)を有することがあり、鋳造部品の外表面は、絶縁的にクリティカルな領域において、金属除去の機械加工により、かなり削除される必要がある。そのような機械加工は、特に旋盤作業、ミリングおよび/または研磨、および/または金属除去を含まない一つまたはそれ以上の機械加工の工程により、特にポリッシング、ショット・ピーニング、サンドブラスティング、ハンマリングおよび/またはポリッシングにより、行われる。これらの領域の中で、表面が、数μmの表面粗さ(peak-to-valley heights)が実現されるまで、部分的に平滑にされる。
【0008】
プロセスの中で、高い表面粗さを有する表面ゾーンと、低い表面粗さを有する表面ゾーンとの間の共通の界面で生ずる不均一性は、今や、電気的に遮蔽された分離ゾーンの中に位置し、最早、スイッチング・チャンバの絶縁耐力、そして、前記スイッチング・チャンバを備えたサーキット・ブレーカの絶縁耐力を減少させることがない。
【0009】
もし、分離ゾーンが、ハウジングの軸の周りを環状に延びる溝部の形態である場合には、特に、絶縁的にクリティカルな遷移領域の効果的な遮蔽が、実現される。もし、中空ボディが鋳造金属部品の形態である場合には、そのような溝部は、適切な鋳型を選択することにより、鋳造の際に直接的に製造されることが可能である。
【0010】
以下の事実のおかげで、スイッチング・チャンバのデザインの単純化が、高い動作上の信頼性及び安全性の維持と同時に、実現される:即ち、絶縁チューブの一端が、その側面で、二つの中空ボディの内の一つの内面の部分(ハウジングの軸の周りでガイドされる)の上に取り付けられ、支持ポイントで中空ボディに接続されることにより、実現される。この場合、接続手段は、好ましくは、分離ゾーンの中に配置される。
【0011】
スイッチング・チャンバの更なる単純化、及びそれと同時の、その動作上の信頼性及び安全性の増大が、その内面にガイド・リングおよび/またはコンタクト・リングが取り付けられた中空ボディにより、実現される。それらのリングは、サーキット・ブレーカ電流をガイドするために使用され、且つ圧縮デバイスのパファー・シリンダの形態の可動スイッチング・ピースの一部の上に支持される。
【0012】
中空ボディは、より大きな表面粗さを有している表面ゾーンから、排出ガスを収容するために設けられた中空ボディの内側へガイドされ、且つ、内側に向いた固定用エッジを有している。 この中空ボディの中に、少なくとも一つ通過開口を形成することにより、更なる機能が中空ボディの中に組み込まれ、その結果として、スイッチング・チャンバのデザインがシンプルにされ、その動作がより安全になり且つより信頼性が高まる。
【0013】
中空ボディに固定されることが可能である電気的接続を支持する目的で、もし、接触面が、少なくとも一つの中空ボディの側面の中に形成されている場合には、スイッチング・チャンバは、シンプルで且つ安全なやり方で、高電圧を移送する電源に接続されることが可能である。製造に関して有利なやり方において、中空ボディの接触面が、より低い表面粗さを有する表面ゾーンの中に組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態の例が、以下においてより詳細に、図面を参照しながら説明される。
【0015】
図1に、ガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカのためのスイッチング・チャンバを示す。このスイッチング・チャンバは、概ね軸対称のハウジング1(例えば、窒素および/または6フッ化硫黄に基づく絶縁ガスが充填されている)と、コンタクト装置2(スイッチング・チャンバ・ハウジング1の中に収容され、同様に概ね軸対称である)とを有している。このコンタクト装置2(閉じられた状態で描かれている)は、二つのスイッチング・ピース3,4を有し、その内のスイッチング・ピース3は、ハウジングの軸5に沿って移動することが可能であるように配置され、他方、スイッチング・ピース4は、ハウジング1の中の固定位置に保持されている。スイッチング・ピース4、必ずしも固定されている必要はなく、これもまた可動であっても良い。
【0016】
ハウジング1は、絶縁チューブ6を介してリジッドに互いに接続された導電性材料からなる二つの中空ボディ7,8により形成される。これらの中空ボディは、一般的に、鋳造金属(例えば、鋼またはアルミニウムに基づく)から作られ、コンタクト装置2の中でのスイッチング動作の場合に形成される排出ガスを収容する。中空ボディ7は、電気的接続9を介して、高電圧に接続されることが可能であり、中空ボディ8は、電気的接続10を介して、高電圧に接続されることが可能である。
【0017】
コンタクト装置2が閉じられたとき、中空ボディ7,8は、電気的接続9,10に導入された電流を、コンタクト装置2へ送る。中空ボディ7は、この電流を、中空ボディ7の内面の部分の中に取り付けられたコンタクト・リング11を介して、金属製のパファー・シリンダ12へ送り、従って、中空シリンダの形態の定格電流コンタクト13へ送り、また、クエンチング・アーキング・コンタクト14へ送る。このクエンチング・アーキング・コンタクトは、スイッチング・ピース3の定格電流コンタクト13を同軸上で通過する。中空ボディ8は、電流を直接に定格電流コンタクト15(同様に中空シリンダの形態である)へ送り、また、スイッチング・ピース4のアーキング・コンタクト16(ピンの形態である)へ送る。
【0018】
パファー・シリンダ12は、圧縮デバイスの一部であり、この圧縮デバイスはまた、パファー・ピストン17(リングの形態である)を有し、スイッチング・チャンバ・ハウジング1に、固定状態で取り付けられている。そしてこの圧縮デバイスは、コンタクト装置2が開放されたときに、フレッシュなクエンチング・ガスを、その開放の際に二つのアーキング・コンタクト14,16の間に形成されるアーキング・ゾーンの中に、吹き込む。パファー・シリンダ12の安全な変位及びそれと同時になされるコンタクト・リング11の保護は、中空ボディ7の内面の接続部分に取り付けられたガイド・リング18によって確保される。
【0019】
絶縁チューブ6の下側の端は、その側面の末端部分で、中空ボディ7の内面の更なる部分に取り付けられ、接続手段19(ネジ、リベットまたはボンディング・ポインなど)を介して、中空ボディ7にリジッドに接続される。絶縁チューブ6の上側の端は、絶縁チューブの中に形成された支持リング20に接続され、その支持リングに、スイッチング・ピース4もまた、導電性を有する状態で取り付けられる。
【0020】
スイッチング・チャンバ・ハウジング1は、中空のポスト・インシュレータ21に取り付けられ、このポスト・インシュレータは、その部分で、絶縁ガスが充填されスイッチング・チャンバを収容する金属製コンテナのフランジ22の上に保持される。絶縁ロッド23は、その上側の端で、中空のアーキング・コンタクト14の下側の端に固定されている。その下側の端(最早、図示されていない)で、絶縁ロッド23は、駆動機構(同様に図1の中に示されていない)に接続されている。
【0021】
中空ボディ7により取り囲まれた排気ボリューム24は、パファー・シリンダ12及びパファー・ピストン17または横断方向の壁25により、軸方向に境界が定められ、そして、アーキング・コンタクト14により、内側に向かって境界が定められる。このアーキング・コンタクトは、気密性を保った状態で、パファー・ピストン17及び横断方向の壁25を貫通する。通過開口26は、アーキング・コンタクト14のチューブ部分の中に形成され、パファー・ピストン17の下側に位置し、アーキング・コンタクト14の内側(底部で金属製インサート31により気密性を保った状態でシールされている)を、排気ボリューム24に接続する。
【0022】
中空ボディ8により取り囲まれた排気ボリューム27は、中空ボディ7の径方向にガイドされた壁により、または可動スイッチング・ピース3に取り付けられた絶縁ノズル28により、軸方向に境界が定められている。中空ボディ7及び8の壁に設けられた通過開口29,30は、それぞれ、排気ボリューム24及び27を、コンテナにより取り囲まれた絶縁ガス・ボリュ−ム(図示せず)に、それぞれ接続する。
【0023】
しかしながら、機械的な支持、電流の伝達、及び高温のガスの収容を含む上記の機能に加えて、中空ボディ7及び8はまた、電場をコントロールする機能をもまた、満足しなければならない。その電場は、コンタクト装置2が閉じられたとき、スイッチング・チャンバ・ハウジング1と周囲の環境(例えば、スイッチング・チャンバ・ハウジングを収容し且つフランジ22を有するコンテナ)との間に生ずるものである。トリッピングの際に、この電場は、追加的にまた、二つの別個のスイッチング・ピース3及び4の間に生ずる。
【0024】
上記の電場のコントロール機能を安全に満足させるために、分離ゾーン71または72または81または82が、二つの中空ボディ7,8の表面の中に形成される。これらの分離ゾーンはそれぞれ、中空ボディ7,8の、互いに対して異なる程度の表面粗さを有する二つの表面ゾーン71aと71b、または72aと71b、または81aと81b、または82aと81bを分離する。これらの分離ゾーンは、高電圧に接続されたサーキット・ブレーカ内でのスイッチング・チャンバの動作の際に、それらの分離ゾーンが電場から遮蔽されるようにデザインされている。このことは、より低い表面粗さを有するスイッチング・チャンバの表面ゾーン71a,72a,81a,82aが、より高い表面粗さを有している表面ゾーン71b,81bと比べて高い電場強度に曝されることが可能であることを、確保する。
【0025】
異なる程度の表面粗さを有している表面ゾーンの間に設けられた、電気的に遮蔽された分離ゾーン71,72,81,82の中で、絶縁的にクリティカルな遷移領域が効果的に遮蔽される。そのような絶縁的にクリティカルな遷移領域は、中空ボディ7,8の、鋳型から取り外された表面ゾーン71a,72a,81a,82aの平滑化によって助けられ、より正確に言えば、平滑にされていない(鋳造)表面と平滑にされた(鋳造)表面との間の界面で、助けられる。
【0026】
低い表面粗さを有する表面ゾーンは、主として、中空ボディ7,8の互いに向かい合う端部側であり、それらの中空ボディは、絶縁チューブ6を介して互いに接続される。しかしまた、スイッチング・チャンバ・ハウジング1の両端、特に、中空ボディ7の、ポスト・インシュレータ21及び絶縁ロッド23に面する端部側も、同様である。
【0027】
分離ゾーン(例えば72または81)は、一般的に、それぞれ、ハウジングの軸5の周りを環状に延びる溝部の形態である。中空ボディ7,8の鋳造の際に直接的に製造される平滑にされていない表面ゾーン71bまたは81bは、この溝部の中で、平滑にされた表面ゾーン(例えば72a及び81a)と結合し、この溝部は、ほぼ電場の効果から遮蔽され、絶縁的にクリティカルな遷移が、平滑にされた表面ゾーンと平滑にされていない表面ゾーンとの間の界面で効果を生ずることが可能になることがない。分離ゾーンに加えて、接続手段19などのようなパーツが、電気的に遮蔽された溝部の中に配置されることも可能である。それらのパーツは、そうでなければ、このポイントで絶縁耐力を減少させることになる。
【0028】
通過開口29及び30は、中空ボディ7及び8の中に、より低い電場強度に曝されることが可能である表面ゾーン71b及び81bで形成される。好ましくない電場の増大を避けるために、これらの通過開口はそれぞれ、排気ボリューム24または27の中に向いた固定用エッジを有している。しかしながら、この固定用エッジは、開口29の中にのみ見えている。
【0029】
それに加えて、二つの接触面(符号が与えられていない)が平らにまたは曲面に設計され、電気的接続9または10を支持するために使用され、これらの電気的接続は、中空ボディ7または8に固定されることが可能であり、中空ボディ7及び8の側面に配置される。結合される接触面(二つの接触面の上に支持されている)は、二つの電気的接続の中に形成される。これらの方策のおかげで、電気的接続9または10からスイッチング・チャンバへの効果的な電流の移送が確保される。
【0030】
中空ボディ7の平滑にされた接触面が、表面ゾーン71aの中に組み込まれているので、製造に関して有利な方法において、この接触面の製造が不要になる。電気的接続10で示されているように、電流の移送は、原則として、中空ボディ(この場合:8)の平滑にされていない表面ゾーン(この場合:81b)に固定されることも可能である。しかし、その場合、接触面は、この表面ゾーンの部分を平滑にすることにより、作られる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に基づく、コンタクト装置を収容する軸対称のハウジングを備えたスイッチング・チャンバの実施形態を軸方向に通過する部分の平面図を示す。
【符号の説明】
【0032】
1…スイッチング・チャンバ・ハウジング、2…コンタクト装置、3,4…スイッチング・ピース、5…ハウジングの軸、6…絶縁チューブ、7,8…中空ボディ、9,10…電気的接続、11…コンタクト・リング、12…パファー・シリンダ、13,15…定格電流コンタクト、14,16…アーキング・コンタクト、17…パファー・ピストン、18…ガイド・リング、19…接続手段、20…支持リング、21…ポスト・インシュレータ、22…フランジ、23…絶縁ロッド、24…排気ボリューム、25…支持リング、27…排気ボリューム、26,29,30…通過開口、28…絶縁ノズル、31…金属製インサート、71,72,81,82…分離ゾーン、71a,72a,81a,82a,71b,81b…表面ゾーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス絶縁式高電圧サーキット・ブレーカのためのスイッチング・チャンバであって:
軸対称のハウジング(1)と、このハウジング(1)の中に保持され、二つのスイッチング・ピース(3,4)を備えたコンタクト装置(2)と、を有し、これらのスイッチング・ピースの内の少なくとも一つは、前記ハウジングの軸(5)に沿って移動することが可能であるように配置されており、
前記スイッチング・チャンバのハウジング(1)は、高電圧に接続されることが可能な導電性材料からなる二つの中空ボディ(7,8)と、これらの中空ボディ(7,8)を軸方向に距離を開けて保持する絶縁チューブ(6)と、を有する、
スイッチング・チャンバにおいて、
サーキット・ブレーカの動作の際に電気的に遮蔽される第一の分離ゾーン(71,72,81,82)が、前記二つの中空ボディ(7,8)の内の少なくとも一つの表面の中に形成され、前記中空ボディ(7,8)の中で互いに対して異なる表面粗さを有する二つの表面ゾーン(71a,71b;72a,71b;81a,81b;82a,81b)を分離すること、
を特徴とするスイッチング・チャンバ。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載のスイッチング・チャンバ:
前記第一の分離ゾーン(71,72,81,82)は、前記ハウジングの軸(5)の周りを環状に延びる溝部の形態である。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1または2に記載のスイッチング・チャンバ:
前記絶縁チューブ(6)の一端には、前記二つの中空ボディ(7,8)の内の第一の中空ボディ(7)の内面の第一の部分であって、前記ハウジングの軸(5)の周りでガイドされる部分の側面が取り付けられ、前記一端は、前記支持ポイントで前記第一の中空ボディ(7)に接続される。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項3に記載のスイッチング・チャンバ:
前記接続手段(19)は、前記第一の分離ゾーン(72)の中に配置される。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項3または4に記載のスイッチング・チャンバ:
ガイド・リング(18)および/またはコンタクト・リング(11)が、前記第一の中空ボディ(7)の内面の第二部分の中に取り付けられ、このガイド・リングおよび/またはコンタクト・リングは、サーキット・ブレーカ電流をガイドするために使用される可動スイッチング・ピース(3)の一部の上に支持され、且つ、圧縮デバイスのパファー・シリンダ(12)の形態である。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項1から5のいずれか1項に記載のスイッチング・チャンバ:
通過開口(29,30)が、前記少なくとも一つの中空ボディ(7,8)の中に形成され、より大きな表面粗さを有する表面ゾーン(71b,81b)から、排出ガスを収容するために設けられた中空ボディ(7,8)の内側へ、ガイドされ、且つ、内側に向いた固定用エッジを有している。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項1から6のいずれか1項に記載のスイッチング・チャンバ:
第二の分離ゾーン(71,72,81,82)が、少なくとも一つの中空ボディ(7,8)の中に形成され、より高い表面粗さ(71,81b)を有する表面ゾーンを、より低い表面粗さを有する表面ゾーン(71a,72a,81a,82a)から、分離する。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項1から7のいずれか1項に記載のスイッチング・チャンバ:
接触面が、前記少なくとも一つの中空ボディ(7,8)の側面の中に、前記中空ボディに固定されることが可能である電気的接続(9,10)を支持する目的で、形成される。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項9に記載のスイッチング・チャンバ:
前記接触面は、より低い表面粗さを有する表面ゾーン(71a)の中に組み込まれる。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のスイッチング・チャンバを有する高電圧サーキット・ブレーカ。

【図1】
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【公表番号】特表2008−530739(P2008−530739A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554409(P2007−554409)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000035
【国際公開番号】WO2006/084398
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(505063441)アーベーベー・テヒノロギー・アーゲー (96)
【Fターム(参考)】