説明

ガス絶縁機器用光変流器

【課題】簡単な構造で密封容器内の絶縁ガスを排出することなく光ファイバの配置作業が行え、また光ファイバの増減が容易なガス絶縁機器用光変流器を提供する。
【解決手段】絶縁ガスが充填される密封容器10内に少なくとも一つの通電導体を配置し、密封容器10の一部に開口部11を設けて閉鎖板12にて閉鎖しており、密封容器10内の通電導体13を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバ14を配置している。光ファイバ14は、閉鎖板12から密封容器10外に気密に引き出すと共に、引き出し端側に少なくとも光源部と光信号処理部とを設けている。密封容器10内の通電導体13には、所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管30を設け、この端部は閉鎖板12に封止結合手段31により気密に固着し、この内部に光ファイバ14を挿通可能に構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス絶縁機器用光変流器に係り、特に通電導体を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバの配置作業が容易に行えるガス絶縁機器用光変流器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス絶縁式開閉装置やガス絶縁主母線等のガス絶縁機器では、密封容器の内に少なくとも一つの通電導体を配置し、絶縁特性の良好な絶縁ガスを充填して使用している。そして、密封容器の内の通電導体を流れる電流を計測するため、巻線型変流器や光変流器を用いことが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたガス絶縁機器用光変流器は、密封容器内に配置する3本の通電導体の周囲には、それぞれ電流センサとして使用する光ファイバを環状に巻回し、各光ファイバの両端を密封容器から導出している。そして、発光部から光ファイバ内に入射した直線偏光が、光ファイバのファラデー効果により偏光した出射光の偏光角を計測部で検出し、通電電流を計測するガス絶縁機器用光変流器である。
【0004】
このようなガス絶縁機器用光変流器では、光ファイバを密封容器の外に導出するときに、導出部分の気密性を確保し、絶縁ガスの漏れを防止する必要がある。このため、光ファイバを密封容器外に引き出す部分は、例えば特許文献2に記載されているような気密性接合部とすることが提案されている。
【0005】
特許文献2の気密性アダプタと称している気密性接合部は、密封容器の外面に中空円筒状のフランジを突出させて形成して蓋板を着脱自在に固定する際に、蓋板の中心に穿設した貫通孔は、光ファイバの挿通孔が形成された円板状フランジ部で閉鎖すると共に、光ファイバは一部に金属皮膜を形成しておいて挿通孔を挿通させ、金属皮膜と挿通孔間を半田等で密封固着した構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−142265号公報
【特許文献2】特開平8−211232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献2の気密性接合部を使用してガス絶縁機器用光変流器を構成した場合、経年劣化等によって光ファイバを交換する必要が生ずると、密封容器の中空円筒状のフランジから蓋板を取外して交換作業を行うことになる。この場合、まず密封容器内の絶縁ガスのガス処理作業を行い、その後に光ファイバの交換作業を行わなければならないという問題がある。
【0008】
また、気密性接合部として特許文献2の気密性アダプタを用いる場合、光ファイバを一本しか固定できないから、光変流器を用いた保護系統を1系統から2系統へ変換する場合や、光変流器を増加させるため光ファイバの数が変化する時には、気密性アダプタの数を合わせて変更する必要が生じる。しかも、挿通孔を形成した円板状フランジ部の大きさによっては、密封容器の外面に突出させて形成する中空円筒状フランジ及び蓋板の寸法が変わるから、極端なときには密封容器を交換するために、ガス絶縁機器の主回路を解体しなければならないという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、簡単な構造で密封容器内の絶縁ガスを排出することなく光ファイバの配置作業が行え、しかも光ファイバを増減することが容易なガス絶縁機器用光変流器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のガス絶縁機器用光変流器は、絶縁ガスが充填される密封容器内に少なくとも一つの通電導体を配置し、前記密封容器の一部に開口部を設けて閉鎖板にて閉鎖し、前記密封容器内の通電導体を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバを配置し、前記光ファイバは前記開口部を閉鎖する閉鎖板から前記密封容器外に気密に引き出すと共に、引き出し端側に少なくとも光源部と光信号処理部とを設けて構成する際に、前記密封容器内の通電導体には所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設け、前記気密性中空管の端部は前記閉鎖板に封止結合手段により気密に固着し、前記気密性中空管の内部に前記光ファイバを挿通可能に構成したことを特徴としている。
【0011】
好ましくは、前記気密性中空管はその内径が前記光ファイバの外径の2倍以上に形成され、前記気密性中空管内に少なくとも2本の前記光ファイバを挿通して構成した特徴としている。
【0012】
また好ましくは、前記気密性中空管には金属中空管を用い、前記金属中空管の両端は、挿通孔を有する取付板と、前記取付板と金属中空管とを気密に固着する固着部材からなる封止結合手段にて取付けて構成したことを特徴としている。
【0013】
更に好ましくは、前記気密性中空管には絶縁中空管を用い、前記絶縁中空管の両端は、挿通孔を有する取付板と、前記取付板に気密に固着する継手部と、前記継手部に前記絶縁中空管端を着脱自在に気密に固定する結合部材からなる封止結合手段にて取付けて構成したこと特徴としている。
【0014】
また更に好ましくは、各相の前記気密性中空管はそれぞれ個別に樹脂成型体内に埋め込んで構成したこと特徴としている。
【0015】
また本発明のガス絶縁機器用光変流器は、絶縁ガスが充填される密封容器内に三相分の通電導体を配置し、前記密封容器の一部に開口部を設けて閉鎖板にて閉鎖し、前記密封容器内の通電導体を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバを配置し、前記光ファイバは前記開口部を閉鎖する閉鎖板から前記密封容器外に気密に引き出すと共に、引き出し端側に少なくとも光源部と光信号処理部とを設けて構成する際に、前記開口部は密封容器の外周面の一箇所のみに形成し、前記密封容器内の各通電導体には所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設けると共に、前記各気密性中空管の端部は前記開口部側に引き回して前記閉鎖板に封止結合手段により気密に固着し、前記気密性中空管の内部に前記光ファイバを挿通可能に構成したことを特徴としている。
【0016】
好ましくは、各相の前記気密性中空管は樹脂成型体内に一括して埋め込んで構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明のようにガス絶縁機器用光変流器を構成すれば、密封容器内の通電導体には所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設けており、気密性中空管の端部は前記閉鎖板に封止結合手段により気密に固着し、光ファイバを気密性中空管の内部に挿通可能にしたから、気密性中空管と封止結合手段を使用した簡単な構造で気密に構成できる。このため、気密性中空管内に挿通しての光ファイバの交換作業や光ファイバの増減作業を、密封容器内の絶縁ガスを排出することなく容易に行うことができる。
【0018】
また、密封容器の外周面の一箇所のみに開口部を形成しておき、密封容器内の各通電導体には、所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設けると共に、各気密性中空管の端部を一箇所の開口部側に引き回し集中させ、それぞれ閉鎖板に封止結合手段により気密に固着すると、一箇所で各気密性中空管を密封容器内に配置して固定することができ、また各気密性中空管への光ファイバの挿通作業も容易に行えるし、光変流器の保守点検もきわめて容易となる。しかも、気密性中空管を樹脂成型体内に一括して埋め込むようにすれば、閉鎖板に気密に固着し、密封容器内に容易に固定することができるから、気密性中空管の取付けがより一層簡単に行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例であるガス絶縁機器用光変流器を示す概略縦断面図である。
【図2】図1に用いる気密性中空管と封止結合手段との要部の例を示す拡大概略縦断面図である。
【図3】図1に用いる気密性中空管と封止結合手段との要部の別例を示す拡大概略縦断面図である。
【図4】図1のガス絶縁機器用光変流器の変形例を示す概略縦断面図である。
【図5】本発明の他の実施例であるガス絶縁機器用光変流器を示す概略縦断面図である。
【図6】図5のガス絶縁機器用光変流器の変形例を示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のガス絶縁機器用光変流器は、絶縁ガスを充填する密封容器内に少なくとも一つの通電導体を配置しており、この密封容器の一部に開口部を設けて閉鎖板にて閉鎖し、密封容器内の通電導体を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバを配置している。光ファイバは、開口部に設けた閉鎖板から密封容器外に気密に引き出すと共に、引き出し端側に少なくとも光源部と光信号処理部とを設けている。そして、密封容器内の通電導体には、所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設け、この気密性中空管の端部は閉鎖板に封止結合手段により気密に固着しており、気密性中空管の内部に光ファイバを挿通可能にしている。
【実施例1】
【0021】
以下、図1から図3を用いて、本発明のガス絶縁機器用光変流器を詳細に説明する。ガス絶縁式開閉装置やガス絶縁種母線等のガス絶縁機器に適用する密封容器10の内部には、三相分の通電導体13を配置して三相一括型としており、密封容器10内に絶縁ガスを充填して所要の圧力を保っている。密封容器10は、図1の例では外周面の3箇所に開口部11を設けており、これら各開口部11はボルト等の固定手段により取付ける閉鎖板12にて閉鎖される。
【0022】
各通電導体13には、これを取り囲んで閉ループを形成する光変流器の電流センサとなる光ファイバ14が配置されている。光ファイバ14の端部は、開口部11から外部に引き出され、図1では反射型の例であるため、光ファイバ14の一端に反射部15が、また他端には光学部16が設けられ、光学部16に光伝送ファイバ17を介して周知の電子回路部18が連なって、各相の通電導体13に流れる電流をそれぞれ計測する。なお、光ファイバ14を透過型のものに用いる場合は、周知のように光ファイバ14の一方の端部が光源側に至り、他方の端部が電子回路部18に至るように構成される。
【0023】
電子回路部18としては、良く知られているように光変流器用の一般的な電子回路が用いられ、例えばフォトダイオードからなる2個の受光素子19と、半導体レーザーやスーパールミネセントダイオード等からなる光源20と、受光素子19と電気的に接続された信号処理回路21とから構成されている。
【0024】
密封容器10の気密を維持した状態で光ファイバ14を挿通するため、通電導体13に対してそれぞれ所定距離を隔てて周回させる気密性中空管30を配置している。気密性中空管30の両端部は、開口部11側に延びるように設けており、図2や図3に示して後述する如く封止結合手段31によって閉鎖板12を気密に固着し、光ファイバ14を外部から挿通できるようにしている。このため、密封容器10の気密を維持した状態のままで、保守や交換を必要とするときに光ファイバ14の挿通作業が行えるし、閉鎖板12で閉鎖してある開口部11を開放時の絶縁ガスの処理作業が不要になるから、簡単に効率良く行うことができる。
【0025】
上記した気密性中空管30は、中空部を作る内径が光ファイバの外径の2倍以上に形成される。この気密性中空管30内には、少なくとも2本の光ファイバを挿通して使用することができる。保護系統を1系統から2系統へ変換する場合や、光変流器を増減するため光ファイバの数が変わる場合でも、開口部11等の寸法を変えることもなく簡単に対処できる。例えば、2本の光ファイバを挿通する場合は、一方の光ファイバを各相の光変流器に用い、他方の光ファイバを直列接続して零相電流を測定する零相変流器に使用することができる。
【0026】
気密性中空管30としては、密封容器10内に配置する通電導体13周辺の電界の影響を小さくし、通電導体13間の寸法や密封容器10の寸法が大きくならぬように考慮し、加工の容易な金属材料で形成した金属中空管30Aや絶縁中空管30Bが使用可能であり、後述するように閉鎖板12部分に固定することができる。気密性中空管30に金属中空管30Aを用いる場合には、当然のことながら例えば通電導体13との間に絶縁物を介在させて配置し、両者間の絶縁が十分に確保できる構造にする。
【0027】
気密性中空管30が金属中空管30Aのときには、図2に示す構造の封止結合手段31を使用して閉鎖板12を気密に固着する。即ち、この封止結合手段31は、挿通孔33を形成した取付板32と、この取付板32の挿通孔33部分に金属中空管30Aの端部をそれぞれ気密に固着する溶接等の固着部から構成されている。取付板32は、開口12Aを形成した閉鎖板12にOリング等のシールリングを介して取付ボルト等の固着部材により、着脱可能に気密を維持できるように取付けている。
【0028】
そして、図2の封止結合手段31では、金属中空管30Aの内部に光ファイバ14を挿通する作業は、次のようにする。光ファイバ14は、取付板32の一方の挿通孔33から金属中空管30A内に挿通され、金属中空管30Aを通って通電導体13を取り囲んで閉ループを形成するようにしてから、他方の挿通孔33から外部に出るように配置される。
【0029】
気密性中空管30が絶縁中空管30Bのときには、図3に示す構造の封止結合手段31を使用して閉鎖板12を気密に固着する。即ち、挿通孔33を形成した取付板32の内側面に継手部34の下端を溶接等によって固着しておき、継手部34の自由端に絶縁中空管30Bを装着すると共に、袋ナットの如き結合部材35を螺着して固定する。
【0030】
このとき、絶縁中空管30Bと結合部材35間には鋼体のシール部材36を介在させ、絶縁中空管30Bと継手部34の間の面圧を上げ、絶縁ガスが絶縁中空管30Bの固定部分から漏れることのないようにする。この絶縁中空管30Bに使用する図3の封止結合手段31の場合でも、絶縁中空管30B内に光ファイバ14を挿通する作業は、上記と同様にして行うことができる。
【0031】
本発明のガス絶縁機器用光変流器では、気密性中空管30として金属中空管30Aや絶縁中空管30Bを用い、これらの端部は開口部11に取付ける閉鎖板12に、封止結合手段31を用いて気密に固着しているから、密封容器10内に通電導体13を取り囲むように周囲に配置する光ファイバ14を、密封容器10の気密を維持したままで、極めて簡単に短時間に配置作業を完了することができる。
【0032】
三相分の通電導体13を配置した三相一括型の密封容器10の場合、図4に示すように各相の気密性中空管30をそれぞれ個別に、エポキシ樹脂等を用いてモールドする樹脂成型体31内に埋め込んで一体にして使用することができる。当然のことながら、気密性中空管30の使用材料に応じて、図2又は図3或いは他の構造の封止結合手段31を用いて閉鎖板12に気密に固着して使用する。通電導体13に対してそれぞれ所定距離を隔てて周回させることができる。各光ファイバ14には、図1の例と同様に光学部16や電子回路部18等の構成備品を組み合わせて光変流器とすることができる。
【0033】
各相の樹脂成型体31は、密封容器10内の各通電導体13に組み合わせて内部に配置し、閉鎖板12に気密に固着して容易に固定でき、しかも各気密性中空管30内には上記した如く光ファイバ14を簡単に挿通することできる。このため、樹脂成型体31内に埋め込む気密性中空管30の材料が、金属中空管30A又は絶縁中空管30Bのいずれであっても、通電導体13との間の絶縁距離を確保した状態の構造とすることができる。
【実施例2】
【0034】
本発明の他の実施例である図5のガス絶縁機器用光変流器は、密封容器10の外周面の一箇所のみに一つの開口部11を設け、この開口部11を閉鎖板12で閉鎖する構造である。そして、各相の通電導体13に対してそれぞれ所定距離を隔てて周回させる気密性中空管30は、これらの両端部が一箇所にもうけた開口部11側に延びるよう引き回し、共通の閉鎖板12に上記と同様に気密に固着し、それぞれ光ファイバ14を挿通するしたものである。
【0035】
このような構造とすれば、密封容器10の外周面に設ける開口部11が一つで済む構造であるから、各相の気密性中空管30の配置が一ヶ所で集中して行えるため、気密性中空管30の配置作業を効率良く行えるし、密封容器10の開口部11が少ないので閉鎖板12による密封もより確実に行える。
【0036】
図5の例では、密封容器10内への配置及び閉鎖板12への固定を容易にするため、図中の左側及び中央に位置する気密性中空管30の両端部を、下側或いは上側に分散して配置し、全体の端部の引き回し配置を適切にして形成したものであるが、例えば気密性中空管30の両端部を同一側に引き回すこともできる。
【0037】
また、各相分の気密性中空管30は、図6に示すように三相分を一括モールドして樹脂成型体31内に埋め込んで形成し、これを一つの開口部11から密封容器10内に配置し、各相の通電導体13を組合わせることもできる。このように三相分が一括になった樹脂成型体31であると、閉鎖板12に気密に固着して使用する構造では、樹脂成型体31を密封容器10内に配置屋より出し作業が一層容易に行える。
【0038】
一括モールドして一括成型した樹脂成型体31では、密封容器10内の自由端側の支持を工夫し、例えば密封容器10の内面に設ける絶縁上問題のない構造の支持座に係合させるようにしても使用するができ、この場合閉鎖板12側の樹脂成型体31の機械的な固定をより強固にすることができる。
【0039】
なお、上記した本発明のガス絶縁機器用光変流器の各実施例は、三相一括型のガス絶縁機器に適用した例で説明したが、単相型のものに適用しても同様な効果を達成できるし、封止結合手段31の構造も種々変更することができることは明らかである。また、図2及び図3の例では、挿通孔33を形成した取付板32を用いたものであるが、閉鎖板12に挿通孔33を形成して使用することもできる。
【0040】
また、図4及び図6に示す例では、各相の気密性中空管30のみを樹脂成型体31内に埋め込んだもので説明したが、通電導体13の一部となる導体を分割して形成おいて、通電導体13と気密性中空管30とを含めてモールド成型し、密封容器10内に配置した後に、樹脂成型体31に埋め込んだ導体と通電導体13との電気的接続を行って使用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
10…密封容器、11…開口部、12…閉鎖板、13…通電導体、14…光ファイバ、30…気密性中空管、30A…金属中空管、30B…絶縁中空管、31…封止結合手段、32…取付板、33…挿通孔、34…継手部、35…結合部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ガスが充填される密封容器内に少なくとも一つの通電導体を配置し、前記密封容器の一部に開口部を設けて閉鎖板にて閉鎖し、前記密封容器内の通電導体を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバを配置し、前記光ファイバは前記開口部を閉鎖する閉鎖板から前記密封容器外に気密に引き出すと共に、引き出し端側に少なくとも光源部と光信号処理部とを設けたガス絶縁機器用光変流器において、前記密封容器内の通電導体には所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設け、前記気密性中空管の端部は前記閉鎖板に封止結合手段により気密に固着し、前記気密性中空管の内部に前記光ファイバを挿通可能に構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。
【請求項2】
請求項1において、前記気密性中空管はその内径が前記光ファイバの外径の2倍以上に形成され、前記気密性中空管内に少なくとも2本の前記光ファイバを挿通して構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかにおいて、前記気密性中空管には金属中空管を用い、前記金属中空管の両端は、挿通孔を有する取付板と、前記取付板と金属中空管とを気密に固着する固着部材からなる封止結合手段にて取付けて構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれかにおいて、前記気密性中空管には絶縁中空管を用い、前記絶縁中空管の両端は、挿通孔を有する取付板と、前記取付板に気密に固着する継手部と、前記継手部に前記絶縁中空管端を着脱自在に気密に固定する結合部材からなる封止結合手段にて取付けて構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。
【請求項5】
請求項1又は3のいずれかにおいて、各相の前記気密性中空管はそれぞれ個別に樹脂成型体内に埋め込んで構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。
【請求項6】
絶縁ガスが充填される密封容器内に三相分の通電導体を配置し、前記密封容器の一部に開口部を設けて閉鎖板にて閉鎖し、前記密封容器内の通電導体を取り囲んで閉ループを形成する光ファイバを配置し、前記光ファイバは前記開口部を閉鎖する閉鎖板から前記密封容器外に気密に引き出すと共に、引き出し端側に少なくとも光源部と光信号処理部とを設けたガス絶縁機器用光変流器において、前記開口部は密封容器の外周面の一箇所のみに形成し、前記密封容器内の各通電導体には所定距離を隔てて周回させて配置する気密性中空管を設けると共に、前記各気密性中空管の端部は前記開口部側に引き回して前記閉鎖板に封止結合手段により気密に固着し、前記気密性中空管の内部に前記光ファイバを挿通可能に構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。
【請求項7】
請求項6において、各相の前記気密性中空管は樹脂成型体内に一括して埋め込んで構成したことを特徴とするガス絶縁機器用光変流器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−237382(P2011−237382A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111243(P2010−111243)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【出願人】(000220907)東光電気株式会社 (73)
【Fターム(参考)】