説明

ガス遮断装置

【課題】ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止するガス遮断装置を提供すること。
【解決手段】設置時に事業者等が行う所定操作以降に感震手段50が振動を検知して圧力計測手段32のガス圧力値が所定圧力値以下になると、遮断手段39によりガスを遮断し、外部通信手段34により外部に通信し、復帰手段38による復帰を不可とするとともに、遮断以降は、事業者による所定操作あるいは、事業者による所定操作により外部へ通信し、外部から応答の通信を入力することにより復帰可状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止するガス遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気、ガス、水道などは事業者から供給され、供給量については消費者宅などに設置されたメータにより計量され、管理されている。
【0003】
この種のメータでは、設置後にメータが開封されないようにするとともに、不正等が行われないよう封印装置が設けられており、この封印により不正使用が防止されていた(例えば、特許文献1参照)。以下、その構成について図16ならびに図17を参照しながら説明する。
【0004】
図16は封印装置と端子カバーとの結合方法を示す構成図であり、封印装置2は、メータ本体の裏面に端子カバー3を固定する封印ネジ6を挿入するための封印ネジ嵌合部8と、封印ネジ6から封印ネジ嵌合部8を取り外す際に、封印装置2を割れ易くする為の分割用溝9とを有している。そして、分割用溝9を有する側の側面1に、非接触ICタグ7が接着剤等により貼り付けられるようにしている。そして、封印ネジ嵌合部8に、封印ネジ6を押し込み、封印ネジ嵌合部8と封印ネジ6とを嵌合する。これによって、封印装置2は、メータ本体を封印する。
【0005】
図13は、非接触ICタグ7が側面1に貼り付けられた封印装置2を、端子カバー3から取り外す際の状態を示す構成図であり、封印装置2を、端子カバー3から取り外す場合には、封印装置2を図中矢印方向(上方向)に引っ張ることによって行う。すると、この引っ張り力によって、封印装置2は、分割用溝9から亀裂が生じ、側面1が割れる。したがって、この側面1に貼り付けてある非接触ICタグ7も破壊されることになる。
【0006】
このように、端子カバー3に一度封印装置2を装着すると、この封印装置2、すなわち非接触ICタグ7が破壊されることなくしては、封印ネジ6を回すことができないために、メータ本体の中身を開くことができないようにしている。よって、メータ本体を開くことにより封印装置2が破壊されたり、他の封印装置2にすり替えられた場合には、封印装置2に貼り付けられた非接触ICタグ7から送信された識別情報とメータ本体に記憶された識別情報とが一致しないことにより異常を認識することができる。
【0007】
また、従来のガス遮断装置では、ガス圧力値が異常に低下したと判定した場合にはガスを遮断し、遮断後は安全性を確保して復帰するようになっていた(例えば、特許文献2参照)。その構成について図18を参照しながら説明する。
【0008】
図18は従来のガス遮断装置のブロック図であり、圧力計測手段11、感震器12、遮断判定手段13、遮断手段15、流量計測手段14、流量記憶部16、積算部17、表示部18及び自動復帰判定手段19からなる。遮断判定手段13、流量記憶部16、積算部17および自動復帰判定手段19は、たとえば、マイクロコンピュータによって構成されている。圧力計測手段11は、ガス供給管の圧力を検出するものであり、検出出力信号を遮断判定手段3と自動復帰判定手段19に供給する。感震器12は、地震その他の原因による振動または衝撃を検出し、検出出力信号を遮断判定手段13と自動復帰判定手段19に供給する。流量計測手段14は、ガス流路を流れるガスの流量を計測し、積算部17に供給する。積算部17は、流量計測手段14からの検出出力信号に基づいて瞬間流量を算
出し、算出した瞬間流量を積算して積算流量を算出する。算出された積算流量は、流量記憶部6に記憶されると共に、表示部18によって表示される。
【0009】
ここで、圧力計測手段11により計測したガス圧力値が異常に低下してガス遮断が発生した場合、まず、圧力計測手段11でガスの圧力を計測し、次いで、自動復帰判定手段19で、圧力計測手段11で計測された圧力が、予め設定された圧力以上であるかどうかを判定し、設定圧力以上が確保されていたら、自動復帰判定手段19は、自動的に遮断手段15を開状態に復帰させる。また、遮断事象発生後の圧力計測で、設定圧力が確保されていなかった場合には、ガス遮断装置の設置場所まで行って手動により、復帰スイッチを操作する等の復帰作業を行い、遮断手段15を開状態に復帰させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−250806号公報
【特許文献2】特許第3565552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記従来の構成では、装置本体への不正は防止できるが、配管をバイパスする等の不正には有効な手段ではないという課題があった。
【0012】
また、配管をバイパスする等をおこなった際に、圧力の低下により遮断してもその後の復帰操作により以降正常に使用できるため、ガスの不正取得が発覚しないように検針時には配管を戻し、検針後に配管をバイパスする、といった行為を繰り返すことで、ガスの不正取得のみならず、ガス漏れが発生する可能性があるという課題も有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、配管取り外し等の振動を検出し、圧力が通常の状態ではありえない所定圧力値以下に低下した場合に、ガスを遮断するとともに、以降の復帰操作を不可とする構成とすることにより、不正を防止するガス遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、遮断手段を制御する制御手段と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、振動を検出する感震手段と、遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段と、外部との通信が可能な外部通信手段とを備え、制御手段は、設置時に事業者等が行う所定操作以降に感震手段からの配管取り外し等の振動検出し、所定時間以内に圧力計測手段からの出力により、ガス圧力が通常の状態ではありえない所定圧力値以下になると、遮断手段に出力し、ガスを遮断し、外部通信手段に出力して外部に通信するとともに、復帰手段による復帰を不可とするとともに、遮断以降は、事業者による所定操作あるいは、事業者による所定操作により外部へ通信し、外部から応答の通信を入力することにより復帰可状態とする構成としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のガス遮断装置によると、事業者は配管のバイパス作業等による遮断発生を確実に把握でき、装置の封印だけでは防ぐことのできない、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、また安全性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1〜8におけるガス遮断装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の設置時の処理を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の復帰操作時の処理を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態5におけるガス遮断装置の設置以降の処理を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態6におけるガス遮断装置の設置以降の処理を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態7におけるガス遮断装置の遮断状態からの復帰の処理を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態8におけるガス遮断装置の監視機能遮断解除要求の処理を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態8におけるガス遮断装置の監視機能遮断解除許可の処理を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態9におけるガス遮断装置の設置以降の処理を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態10におけるガス遮断装置の遮断状態からの復帰の処理を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態11におけるガス遮断装置の監視機能遮断解除要求の処理を示すフローチャート
【図12】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態3におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフローチャート
【図15】本発明の実施の形態4におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフローチャート
【図16】従来の封印装置と端子カバーとの結合方法を示す構成図
【図17】従来の封印装置を端子カバーから取り外す際の状態を示す構成図
【図18】従来のガス遮断装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、前記遮断手段を制御する制御手段と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、振動を検出する感震手段と、前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段とを備え、前記制御手段は、設置時に事業者等が行う所定操作以降に前記感震手段で振動を検出した後、所定時間以内に前記圧力計測手段によりガス圧力が所定圧力値以下を検出した場合、前記遮断手段によりガスを遮断すると共に、前記復帰手段による復帰を不可とする構成にしたものである。
【0018】
これによって、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0019】
第2の発明は、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、前記遮断手段を制御する制御手段と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、振動を検出する感震手段と、前記遮断手段によるガス遮断状態をガス
が通る復帰状態にする復帰手段と、外部との通信が可能な外部通信手段とを備え、前記制御手段は、前記圧力計測手段で、ガス圧力が所定圧力値以下を検出した後、所定時間以内に前記感震手段により振動を検知した場合、前記遮断手段に出力し、ガスを遮断すると共に、前記復帰手段による復帰を不可とする構成にしたものである。
【0020】
これによって、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0021】
第3の発明は、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、前記遮断手段を制御する制御手段と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、振動を検出する感震手段と、前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段とを備え、前記制御手段は、前記圧力計測手段でガス圧力が低下して所定圧力値以下を検出した後、所定時間以内に前記感震手段により振動を検知し、その後所定時間以内に、前記圧力計測手段でガス圧力が低下前の圧力に戻った場合、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、前記復帰手段による復帰を不可とする構成にしたものである。
【0022】
これによって、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0023】
第4の発明は、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、前記遮断手段を制御する制御手段と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、振動を検出する感震手段と、前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段とを備え、前記制御手段は、前記感震手段で振動検出した後、所定時間以内に前記圧力計測手段により、ガス圧力が低下し所定圧力値以下になり、その後、前記感震手段により振動を検知した後、所定時間以内に、前記圧力計測手段でガス圧力が低下前の圧力に戻った場合、前記遮断手段でガスを遮断するとともに、前記復帰手段による復帰を不可とする構成にしたものである。
【0024】
これによって、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0025】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、外部との通信が可能な外部通信手段を備え、制御手段は、設置時に事業者等が行う所定操作がなされたときに、前記外部通信手段に出力して設置が完了したことを外部に通信する構成にしたものである。
【0026】
これによって、機能が有効となったことを確実に管理することができ、機能設定忘れを防止できる。
【0027】
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、部との通信が可能な外部通信手段を備え、制御手段は、遮断手段でガスを遮断した後、前記外部通信手段でガスが遮断されたことを外部に通信することを特徴とする構成にしたものである。
【0028】
これによって、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等による遮断発生をすぐに把握でき、迅速な対応が可能となり、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0029】
第7の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による所定操作により復帰可状態とする構成にしたものである。
【0030】
これによって、復帰するためには事業者による現場での点検作業が必要となり、バイパス作業等による不正箇所の適正化ならびに安全性の確保ができる。
【0031】
第8の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、外部との通信が可能な外部通信手段を備え、制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による所定操作により前記外部通信手段で外部と通信し、外部から応答の通信を入力することにより復帰可状態とする構成にしたものである。
【0032】
これによって、事業者が現場での点検作業を完了し、バイパス作業等による不正箇所の適正化が図れたことを確実に管理することができ、記録として残すことができるとともに、外部通信の健全性の確認もできる。
【0033】
第9の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明において、プリペイド式カードの読み書きを行うカード処理手段を備え、制御手段は、設置時に事業者等が行う事業者専用カード挿入による前記カード処理手段からの出力以降に、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、復帰手段による復帰を不可とする構成にしたものである。
【0034】
これによって、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認し、事業者専用カードを挿入するだけで簡単、確実に機能を有効にすることができ、また、配管のバイパス作業等による遮断発生を把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0035】
第10の発明は、特に、第9の発明の制御手段を、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による事業者専用カード挿入によるカード処理手段からの出力により復帰可状態とする構成にしたものである。
【0036】
これによって、復帰するためには事業者による現場での点検作業が必要となり、また、事業者専用カードを挿入するだけで簡単、確実に復帰許可状態にすることができ、バイパス作業等による不正箇所の適正化ならびに安全性の確保ができる。
【0037】
第11の発明は、特に、第9の発明において、外部との通信が可能な外部通信手段を備え、制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による事業者専用カード挿入によるカード処理手段からの出力により前記外部通信手段で外部と通信し、外部から応答の通信を入力することにより復帰可状態とする構成にしたものである。
【0038】
これによって、事業者が現場での点検作業を完了し、バイパス作業等による不正箇所の適正化が図れたことを事業者専用カードを挿入するだけで簡単、確実に管理することができ、記録として残すことができるとともに、外部通信の健全性の確認もできる。
【0039】
第12の発明は、第1〜11のいずれか1つの発明に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラムである。そして、プログラムである
ので汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明のプログラムの少なくとも一部を容易に実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0040】
本発明は、第1の発明から11の発明の要部を実施の形態とすることにより本発明の目的を達成できるので、各請求項に対応する実施の形態の詳細を、以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための形態の説明とする。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態の説明において、同一構成並びに同一作用効果を奏するところには、同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0041】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置のブロック図である。
【0042】
図1において、ガス遮断装置30は、ガス供給管31の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された1台以上のガス器具が接続されている。
【0043】
ガス遮断装置30は、流量計測手段35、遮断手段39、制御手段33、圧力計測手段32、外部通信手段34、宅内通信手段36、カード処理手段37、復帰手段38、感震手段50を有して構成される。
【0044】
流量計測手段35は、ガス供給管31の経路中に接続され、ガス供給管31内のガス流量を計測するものである。
【0045】
遮断手段39は、ガス供給管31の経路中に接続され、制御手段33からの指示に基づいてガス供給管31を閉塞してガスの供給を遮断するものである。
【0046】
圧力計測手段32は、ガス供給管31の経路中に接続され、ガス供給管31内のガス圧力を計測するものである。
【0047】
制御手段33は、ガス遮断装置30内の各部の動作制御の他、各種警告や遮断などの保安処理等をおこなうものである。マイクロコンピュータおよびその周辺回路からなる制御手段33は、所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0048】
外部通信手段34は、有線または無線による通信機能を有し、例えば公衆回線を介して管理センター(図示せず)と接続される。この外部通信手段34は、各種情報及びコマンドや信号を管理センターとの間で授受するものである。
【0049】
管理センターは、コンピュータ等を有して構成され、管理部の機能を実現するもので、コンピュータ等を構成するプロセッサ及び動作プログラムを含み、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0050】
宅内通信手段36は、宅内表示装置40と各種情報通信し、宅内表示装置40に各種表示を行うとともに、宅内表示装置40で操作された情報を入力する。
【0051】
カード処理手段37は、制御手段33からの指示に基づいてプリペイド式カード41へ料金情報等の読み書きをおこなうものである。
【0052】
復帰手段38は、遮断手段39により遮断されたガスを復帰するためのもので、通常は
スイッチで構成され、スイッチが押されると制御手段33へ信号が入力され、制御手段33は遮断手段39へ出力してガスの供給を復帰する。
【0053】
感震手段50は、ガス遮断装置30の振動を検出し制御手段33に出力するもので、感震器や加速度センサー等の振動を検知する手段である。
【0054】
以上のように構成されたガス遮断装置について、以下設置時の処理に関して、その動作について説明する。
【0055】
図2は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の設置時の処理を示すフローチャートである。
【0056】
図2において、制御手段33はステップ(以下、Sと表示する)1で、事業者等による設置時の所定操作があったかどうか判定し、所定操作がなければこの処理を抜け、所定操作があれば、ガスの不正取得をガス圧力値により監視する監視機能有効フラグが0かどうか判定し(S2)、0でなければS4へ進み、0であったらS3で監視機能有効フラグを1にする。S4では、不正工事かどうかを判定し(詳細は後術する)、不正工事と判断すればS5で遮断手段39へ遮断出力をおこない、ガス供給管31を閉塞し、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグを1にする(S6)。
【0057】
ここで、S1で事業者がおこなう所定操作について説明する。所定操作は事業者にしかできない操作であればよく、例えば、所定のインターバル時間を設けた復帰手段38の複数回押しや、宅内表示装置40のスイッチの所定操作でもよく、また、ハンディターミナル(図示せず)を外部通信手段34に接続して所定の操作を実施してもよい。またハンディターミナルは無線式でもよく、ガス遮断装置30と無線通信により実施することも可能である。
【0058】
次に、S4の不正工事の判定を図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0059】
まず、図1に示したように、ガス供給管31にバイパス管42をガス遮断装置30の前後に取り付け、使用するガスをバイパスして流すことにより、流量計測手段35へ流れるガス流量が、実際の使用量よりも少なくなり、ガスを不正取得することが可能となる。しかしながら、この配管はガス遮断装置30設置時には配管の検査等があり、設置以降にバイパス作業がおこなわれることとなる。このときに、ガス遮断装置30はガス供給管31から外されることになることから、ガス遮断装置30の感震手段50により振動を検出する。そこで、図12に示すように、S56の判定で振動を検出した場合はS57の処理をおこない、振動検出しない場合は不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。
【0060】
さらに、ガス遮断装置30はガス供給管31から外されるとガス遮断装置30の圧力計測手段32により計測されるガス圧力値は、大気圧とほぼ等しくなる。そこで、S57、S58では、振動検出後(S56で判定)、第1所定時間以内に、圧力計測手段32により計測されるガス圧力値が所定圧力値以下となっている場合は、ガス遮断装置30がガス供給管31から外されたと判断しS59の処理をおこなう。振動検出後、第1所定時間経過してもガス圧力値が所定圧力値よりも大きい場合は、不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。ここで、比較する所定圧力値は平均的な大気圧に所定の圧力を加算した値とし、通常の圧力変動よりも十分に低い値とすることができる。
【0061】
以上の処理からガス遮断装置30がガス供給管31から外されたことを判定することができ、不正工事を検出することができる。
【0062】
図3は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の復帰操作時の処理を示すフローチャートである。
【0063】
図3において、制御手段33は、復帰手段38からの入力により復帰操作があったかどうか判定し(S7)、S8で復帰操作があれば不正工事を検出して遮断したことを示す監視機能遮断フラグが0かどうか判定し、監視機能遮断フラグが1の場合、すなわち不正工事を検出して遮断している場合にはこの処理を抜け、監視機能遮断フラグが0の場合、S9で遮断手段39へ復帰出力おこない、遮断状態から復帰する。
【0064】
以上のように、本実施の形態においては、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0065】
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図2に示すS1からS6、図3のS7からS9および図13のS60からS63の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0066】
図1に示したように、ガス供給管31にバイパス管42をガス遮断装置30の前後に取り付け、使用するガスをバイパスして流すことにより、流量計測手段35へ流れるガス流量が、実際の使用量よりも少なくなり、ガスを不正取得することが可能となる。しかしながら、この配管はガス遮断装置30設置時には配管の検査等があり、設置以降にバイパス作業がおこなわれることとなる。このときに、ガス遮断装置30はガス供給管31から外されることになり、圧力計測手段32により計測されるガス圧力値は、大気圧とほぼ等しくなる。そこで、S60はガス遮断装置30の圧力計測手段32により計測されるガス圧力値を所定圧力値と比較し、ガス圧力値が所定圧力値以下となっている場合は、ガス遮断装置30がガス供給管31から外されたと判断しS61の処理をおこなう。更に、ガス遮断装置30がガス供給管31から外されると圧力計測手段32の圧力値低下とともに感震手段50が振動を検出する。S61、S62により、第1所定時間以内にS62により感震手段50が振動を検出すると不正工事と判断し、S62で感震手段50が振動を検出しない場合は、不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。以上の処理からガス遮断装置30がガス供給管31から外されたことを判定することができ、不正工事を検出することができる。
【0067】
図3において、制御手段33は、復帰手段38からの入力により復帰操作があったかどうか判定し(S7)、S8で復帰操作があれば不正工事を検出して遮断したことを示す監視機能遮断フラグが0かどうか判定し、監視機能遮断フラグが1の場合、すなわち不正工事を検出して遮断している場合にはこの処理を抜け、監視機能遮断フラグが0の場合、S9で遮断手段39へ復帰出力おこない、遮断状態から復帰する。
【0068】
以上のように、本実施の形態においては、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0069】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフ
ローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図2に示すS1からS6、図3のS7からS9および図13のS64からS69の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0070】
図1に示したように、ガス供給管31にバイパス管42をガス遮断装置30の前後に取り付け、使用するガスをバイパスして流すことにより、流量計測手段35へ流れるガス流量が、実際の使用量よりも少なくなり、ガスを不正取得することが可能となる。しかしながら、この配管はガス遮断装置30設置時には配管の検査等があり、設置以降にバイパス作業がおこなわれることとなる。このときに、ガス遮断装置30はガス供給管31から外されることになり、圧力計測手段32により計測されるガス圧力値は、大気圧とほぼ等しくなる。そこで、S64はガス遮断装置30の圧力計測手段32により計測されるガス圧力値を所定圧力値と比較し、ガス圧力値が所定圧力値以下となっている場合はS65の処理をおこなう。ガス圧力値が所定圧力値よりも大きい場合は、不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。次に、S65、S66では、第1所定時間以内に感震手段50により振動を検出した場合はS67の処理をおこない。振動を検出しない場合は不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。更に、S67、S68では、第2所定時間以内に、圧力計測手段32により計測されるガス圧力値が所定圧力値2以下となっている場合は、ガス遮断装置30がガス供給管31から外されたと判断しS69の処理をおこない、第2所定時間以内に、ガス圧力値が所定圧力値2以下とならない場合は、不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。S69は不正工事と判断しこの処理を抜ける。このように、バイパス作業が終了しガス遮断装置30を再設置されると、ガス遮断装置30の圧力計測手段32により計測されるガス圧力値は、ガス圧力のかかった状態に戻ることを所定圧力値2以上あることで確認することができ(S68)ガス遮断装置30がガス供給管31から外されバイパス工事をおこない、再度、ガス遮断装置30を設置したことを検出することができる。
【0071】
図3において、制御手段33は、復帰手段38からの入力により復帰操作があったかどうか判定し(S7)、S8で復帰操作があれば不正工事を検出して遮断したことを示す監視機能遮断フラグが0かどうか判定し、監視機能遮断フラグが1の場合、すなわち不正工事を検出して遮断している場合にはこの処理を抜け、監視機能遮断フラグが0の場合、S9で遮断手段39へ復帰出力おこない、遮断状態から復帰する。
【0072】
以上のように、本実施の形態においては、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0073】
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4におけるガス遮断装置の不正工事検出の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図2に示すS1からS6、図3のS7からS9および図13のS70からS76の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0074】
図1に示したように、ガス供給管31にバイパス管42をガス遮断装置30の前後に取り付け、使用するガスをバイパスして流すことにより、流量計測手段35へ流れるガス流量が、実際の使用量よりも少なくなり、ガスを不正取得することが可能となる。しかしながら、この配管はガス遮断装置30設置時には配管の検査等があり、設置以降にバイパス作業がおこなわれることとなる。このときガス遮断装置30の感震手段50により振動を検出する。そこで、図15に示すように、S70の判定で振動を検出した場合はS71の
処理をおこない。振動検出しない場合は不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。次に、ガス遮断装置30はガス供給管31から外されるとガス遮断装置30の圧力計測手段32により計測されるガス圧力値は、大気圧とほぼ等しくなることから、S71、S72では、第1所定時間以内に圧力計測手段32により計測されるガス圧力値が所定圧力値所定圧力値以下となっている場合はS73の処理をおこなう。ガス圧力値が所定圧力値よりも大きい場合は、不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。
【0075】
更に、バイパス配管の工事が終了すると一旦取り外したガス遮断装置30をガス供給管31に再度取り付けることからガス遮断装置30の感震手段50が振動を検出するとともにガス遮断装置30の圧力計測手段32による圧力の復帰を検出することができる。従って、S73では感震手段50により振動を検出した場合はS74の処理をおこない。振動検出しない場合は不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。更に、S74、S75では、第2所定時間以内に圧力計測手段32により計測されるガス圧力値が所定圧力値2以下となっている場合は、ガス遮断装置30がガス供給管31から外されたと判断しS76の処理をおこない、第2所定時間以内にガス圧力値が所定圧力値2以下とならない場合は、不正工事と判断せずにこの処理を抜ける。S76は不正工事と判断しこの処理を抜ける。このように、バイパス作業が終了しガス遮断装置30を再設置されると、ガス遮断装置30の圧力計測手段32により計測されるガス圧力値は、ガス圧力のかかった状態に戻ることを所定圧力値2以上あることで確認することができ(S75)ガス遮断装置30がガス供給管31から外されバイパス工事をおこない、再度、ガス遮断装置30を設置したことを検出することができる。
【0076】
図3において、制御手段33は、復帰手段38からの入力により復帰操作があったかどうか判定し(S7)、S8で復帰操作があれば不正工事を検出して遮断したことを示す監視機能遮断フラグが0かどうか判定し、監視機能遮断フラグが1の場合、すなわち不正工事を検出して遮断している場合にはこの処理を抜け、監視機能遮断フラグが0の場合、S9で遮断手段39へ復帰出力おこない、遮断状態から復帰する。
【0077】
以上のように、本実施の形態においては、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等により遮断が発生した場合には復帰を不可とし、少なくとも検針時には把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0078】
(実施の形態5)
図4は、本発明の実施の形態5におけるガス遮断装置の設置以降の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図4に示すS10からS16の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0079】
図4において、制御手段33は、事業者による設置時の所定操作があったかどうか判定し(S10)、所定操作がなければこの処理を抜け、所定操作があれば、ガスの不正取得を感震手段やガス圧力値により監視する監視機能有効フラグが0かどうか判定し(S11)、0でなければS14へ進み、0であったらS12で監視機能有効フラグを1とし、外部通信手段34へ出力して設置完了情報を通信する(S13)。S14では、ガス圧力値が所定圧力値以下かどうかを判定し、所定圧力値以下であればS15で遮断手段39へ遮断出力をおこない、ガス供給管31を閉塞し、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグを1にする(S16)。
【0080】
以上のように、本実施の形態においては、機能が有効となったことを確実に管理することができ、機能設定忘れを防止できる。
【0081】
(実施の形態6)
図5は、本発明の実施の形態6におけるガス遮断装置の設置以降の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図5に示すS17からS24の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0082】
図5において、制御手段33は、事業者による設置時の所定操作があったかどうか判定し(S17)、所定操作がなければこの処理を抜け、所定操作があれば、ガスの不正取得をガス圧力値により監視する監視機能有効フラグが0かどうか判定し(S18)、0でなければS58へ進み、0であったらS19で監視機能有効フラグを1とし、外部通信手段34へ出力して設置完了情報を通信する(S20)。S58では、感震手段50により振動を検出し、S21では、ガス圧力値が所定圧力値以下かどうかを判定し、所定圧力値以下であればS22で遮断手段39へ遮断出力をおこない、ガス供給管31を閉塞し、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグを1にする(S23)。S24では外部通信手段34へ出力して監視機能による遮断発生情報を通信する。
【0083】
以上のように、本実施の形態においては、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認した以降に、配管のバイパス作業等による遮断発生をすぐに把握でき、迅速な対応が可能となり、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0084】
(実施の形態7)
図6は、本発明の実施の形態7におけるガス遮断装置の遮断状態からの復帰の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図6に示すS25からS29の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0085】
図6において、制御手段33は、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグが1かどうか判定し(S25)、監視機能遮断フラグが0の場合はS28へ進み、監視機能遮断フラグが1の場合はS26で事業者による所定操作があったかどうか判定し、所定操作があった場合は監視機能遮断フラグを0にする(S27)。S28では復帰手段38からの入力により復帰操作があったかどうか判定し、復帰操作があった場合は、遮断手段39へ復帰出力をおこないガスの供給を復帰する(S29)。
【0086】
以上のように、本実施の形態においては、復帰するためには事業者による現場での点検作業が必要となり、バイパス作業等による不正箇所の適正化ならびに安全性の確保ができる。
【0087】
(実施の形態8)
図7は、本発明の実施の形態8におけるガス遮断装置の監視機能遮断解除要求の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図7に示すS30からS33の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0088】
図7において、制御手段33は、感震手段50により振動を検出しガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグが1かどうか判定し(S30)、監視機能遮断フラグが1の場合はS31で事業者による所定操作があったかどうか判定し、所
定操作があった場合はS32で外部通信手段34へ出力して監視機能遮断解除要求を通信し、外部応答待ちフラグを1にする(S33)。
【0089】
図8は、本発明の実施の形態5におけるガス遮断装置の監視機能遮断解除許可の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図8に示すS34からS38の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0090】
図8において、制御手段33は、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグが1かどうか判定し(S34)、監視機能遮断フラグが1の場合はS35で外部応答待ちフラグが1かどうか判定し、外部応答待ちフラグが1の場合はS36で外部通信手段34からの入力により解除許可応答があったかどうか判定する。S36で解除許可応答があった場合は、S37で監視機能遮断フラグを0にし、外部応答待ちフラグを0にし(S38)、以降復帰操作により遮断状態から復帰が可能となる。復帰操作に関しては、図3に示したフローチャートと同一のため説明は省略する。
【0091】
以上のように、本実施の形態においては、事業者が現場での点検作業を完了し、バイパス作業等による不正箇所の適正化が図れたことを確実に管理することができ、記録として残すことができるとともに、外部通信の健全性の確認もできる。
【0092】
(実施の形態9)
図9は、本発明の実施の形態9におけるガス遮断装置の設置以降の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図5に示すS39からS46の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0093】
図9において、制御手段33は、カード処理手段37からの入力により、事業者による設置時の事業者専用カードの挿入があったかどうか判定し(S39)、事業者専用カードの挿入がなければこの処理を抜け、事業者専用カードの挿入があれば、ガスの不正取得をガス圧力値により監視する監視機能有効フラグが0かどうか判定し(S40)、0でなければS59へ進み、0であったらS41で監視機能有効フラグを1とし、外部通信手段34へ出力して設置完了情報を通信する(S42)。S59では、感震手段50により振動を検出し、S43では、ガス圧力値が所定圧力値以下かどうかを判定し、所定圧力値以下であればS44で遮断手段39へ遮断出力をおこない、ガス供給管31を閉塞し、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグを1にする(S45)。S46では外部通信手段34へ出力して監視機能による遮断発生情報を通信する。
【0094】
ここで、S39で判定する設置時の事業者専用カードについて説明する。事業者専用カードに格納されている情報として、ガス遮断装置30の設置時の点検完了情報が格納されていて、プリペイド式カード41と同様にカード処理手段37へ挿入することにより、カード処理手段37から制御手段33へ情報が出力される。また、設置時の専用カードとしてもよいが、カードに格納する情報を現場での点検済情報とすることで、後述するガス圧力値が所定圧力値以下で遮断した以降に、事業者が現場での点検作業を完了し、カード処理手段37へ挿入する事業者専用カードと同一のカードとしてもよい。
【0095】
以上のように、本実施の形態においては、設置時の点検時に配管を含め正常であることを事業者が確認し、事業者専用カードを挿入するだけで簡単、確実に機能を有効にすることができ、また、配管のバイパス作業等による遮断発生を把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができ、安全性も確保できる。
【0096】
(実施の形態10)
図10は、本発明の実施の形態10におけるガス遮断装置の遮断状態からの復帰の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図10に示すS47からS51の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0097】
図10において、制御手段33は、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグが1かどうか判定し(S47)、監視機能遮断フラグが0の場合はS50へ進み、監視機能遮断フラグが1の場合はS48でカード処理手段37からの入力により、事業者による事業者専用カードの挿入があったかどうか判定し、事業者専用カードの挿入があった場合は監視機能遮断フラグを0にする(S49)。S50では復帰手段38からの入力により復帰操作があったかどうか判定し、復帰操作があった場合は、遮断手段39へ復帰出力をおこないガスの供給を復帰する(S51)。
【0098】
ここで、S48で判定する事業者専用カードについて説明する。事業者専用カードに格納されている情報として、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断した以降の事業者による点検完了情報が格納されていて、プリペイド式カード41と同様にカード処理手段37へ挿入することにより、カード処理手段37から制御手段33へ情報が出力される。また、復帰のための専用カードとしてもよいが、カードに格納する情報を現場での点検済情報とすることで、前述した設置時の事業者専用カードと同一のカードとしてもよい。
【0099】
以上のように、本実施の形態においては、復帰するためには事業者による現場での点検作業が必要となり、また、事業者専用カードを挿入するだけで簡単、確実に復帰許可状態にすることができ、バイパス作業等による不正箇所の適正化ならびに安全性の確保ができる。
【0100】
(実施の形態11)
図11は、本発明の実施の形態11におけるガス遮断装置の監視機能遮断解除要求の処理を示すフローチャートである。実施の形態1における図1に示す制御手段33とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段33は図11に示すS52からS55の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0101】
図11において、制御手段33は、ガス圧力値が所定圧力値以下で遮断したことを示す監視機能遮断フラグが1かどうか判定し(S52)、監視機能遮断フラグが1の場合はS53でカード処理手段37からの入力により、事業者による事業者専用カードの挿入があったかどうか判定し、事業者専用カードの挿入があった場合はS54で外部通信手段34へ出力して監視機能遮断解除要求を通信し、外部応答待ちフラグを1にする(S55)。
【0102】
なお、外部応答待ちフラグを1にした以降のガス遮断装置の監視機能遮断解除許可の処理については図8と同一のため説明を省略する。
【0103】
以上のように、本実施の形態においては、事業者が現場での点検作業を完了し、バイパス作業等による不正箇所の適正化が図れたことを事業者専用カードを挿入するだけで簡単、確実に管理することができ、記録として残すことができるとともに、外部通信の健全性の確認もできる。
【0104】
以上のように、本実施の形態においては、事業者は配管のバイパス作業等による遮断発
生を確実に把握でき、ガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができる。
【0105】
なお、上記各実施の形態においては制御手段に格納してあるプログラムでマイクロコンピュータを機能させて制御フローを実行しているが、プログラムに代えハードを以って実行することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は、装置の封印だけでは防ぐことのできない、配管のバイパス作業等によるガスの不正取得やガス遮断装置の盗難等による不正利用などを防止することができることから、水道メータに対しても適用できる。
【符号の説明】
【0107】
30 ガス遮断装置
31 ガス供給管
32 圧力計測手段
33 制御手段
34 外部通信手段
35 流量計測手段
36 宅内通信手段
37 カード処理手段
38 復帰手段
39 遮断手段
40 宅内表示装置
41 プリペイド式カード
42 バイパス管
50 感震手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、
前記遮断手段を制御する制御手段と、
ガスの流量を計測する流量計測手段と、
ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、
振動を検出する感震手段と、
前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段と、
を備え、
前記制御手段は、設置時に事業者等が行う所定操作以降に前記感震手段で振動を検出した後、所定時間以内に前記圧力計測手段によりガス圧力が所定圧力値以下を検出した場合、前記遮断手段によりガスを遮断すると共に、前記復帰手段による復帰を不可とする構成とされていること、
を特徴とするガス遮断装置。
【請求項2】
ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、
前記遮断手段を制御する制御手段と、
ガスの流量を計測する流量計測手段と、
ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、
振動を検出する感震手段と、
前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段と、
外部との通信が可能な外部通信手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記圧力計測手段で、ガス圧力が所定圧力値以下を検出した後、所定時間以内に前記感震手段により振動を検知した場合、前記遮断手段に出力し、ガスを遮断すると共に、前記復帰手段による復帰を不可とする構成とされていること、
を特徴とするガス遮断装置。
【請求項3】
ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、
前記遮断手段を制御する制御手段と、
ガスの流量を計測する流量計測手段と、
ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、
振動を検出する感震手段と、
前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記圧力計測手段でガス圧力が低下して所定圧力値以下を検出した後、所定時間以内に前記感震手段により振動を検知し、その後所定時間以内に、前記圧力計測手段でガス圧力が低下前の圧力に戻った場合、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、前記復帰手段による復帰を不可とする構成とされていること、
を特徴とするガス遮断装置。
【請求項4】
ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、
前記遮断手段を制御する制御手段と、
ガスの流量を計測する流量計測手段と、
ガスの圧力を計測する圧力計測手段と、
振動を検出する感震手段と、
前記遮断手段によるガス遮断状態をガスが通る復帰状態にする復帰手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記感震手段で振動検出した後、所定時間以内に前記圧力計測手段により、ガス圧力が低下し所定圧力値以下になり、その後、前記感震手段により振動を検知した後、所定時間以内に、前記圧力計測手段でガス圧力が低下前の圧力に戻った場合、前記遮断手段でガスを遮断するとともに、前記復帰手段による復帰を不可とする構成とされていること、
を特徴とするガス遮断装置。
【請求項5】
外部との通信が可能な外部通信手段を備え、
制御手段は、設置時に事業者等が行う所定操作がなされたときに、前記外部通信手段に出力して設置が完了したことを外部に通信する構成とされていること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス遮断装置。
【請求項6】
外部との通信が可能な外部通信手段を備え、
制御手段は、遮断手段でガスを遮断した後、前記外部通信手段でガスが遮断されたことを外部に通信する構成とされていること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス遮断装置。
【請求項7】
制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による所定操作により復帰可状態とする構成とされていること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス遮断装置。
【請求項8】
外部との通信が可能な外部通信手段を備え、
制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による所定操作により前記外部通信手段で外部と通信し、外部から応答の通信を入力することにより復帰可状態とする構成とされていること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
記載のガス遮断装置。
【請求項9】
プリペイド式カードの読み書きを行うカード処理手段を備え、
制御手段は、設置時に事業者等が行う事業者専用カード挿入による前記カード処理手段からの出力以降に、前記遮断手段でガスを遮断すると共に、復帰手段による復帰を不可とする構成とされていること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス遮断装置。
【請求項10】
制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による事業者専用カード挿入によるカード処理手段からの出力により復帰可状態とする構成とされていること、
を特徴とする請求項9記載のガス遮断装置。
【請求項11】
外部との通信が可能な外部通信手段を備え、
制御手段は、遮断手段でガスを遮断した以降に、事業者による事業者専用カード挿入によるカード処理手段からの出力により前記外部通信手段で外部と通信し、外部から応答の通信を入力することにより復帰可状態とする構成とされていること、
を特徴とする請求項9記載のガス遮断装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−252668(P2011−252668A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127459(P2010−127459)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】