説明

ガゼット袋を製造する方法

【課題】帯状フィルムの側部を折り返し、小スペースで設置出来るガゼット袋を製造する方法。
【解決手段】ガゼット袋を、平面部及び底面部を構成する一枚の帯状のメインフィルムと、側面部材を使用して製造する方法で、側面部材を、長手方向に搬送するメインフィルムの幅方向における中央の所定範囲の部位に、該メインフィルムの長手方向の所定間隔毎に上面に順次配置し、該側面部材と該メインフィルムとを両端部で仮シールする工程と、前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程と、折り返し部位とメインフィルムの幅方向における中央の非折り返し部位との境界部分を広げてガゼット袋の底面部として構成される拡開部を形成する工程と、メインフィルムと前記側面部材とを該側面部材の中心線に沿ってシールする工程と、を含むガゼット袋を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋特に側面が折り襞状に折り込まれたガゼット袋を連続的に形成するガゼット袋を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、帯状フィルムを用いてガゼット袋を大量生産することが行われている。この手法によりガゼット袋を形成する場合次のようにしてガゼット袋は製袋されていた。
【0003】
まず、帯状フィルムをその長手方向に搬送させ、その長手方向の所定間隔毎に側面部材用の側面フィルムを配置する。配置される側面フィルムは、帯状のフィルム材の両側部を中心へ折り込んで、側縁同士を突き合わせ、その後に、帯状フィルムの幅の寸法より若干短く形成された部材である。この側面フィルムはその長手方向が帯状フィルムの幅方向に一致させて配置される。
【0004】
次いで、別の帯状フィルムを前記帯状フィルムと対向させるようにして搬送させ、側面フィルムを間に挟み込んで両帯状フィルムを重ね合わせる。そして、一対の帯状フィルムと側面フィルムとを側面フィルムの幅方向の中心部でシールする。
【0005】
次いで、重ね合わされた帯状フィルムの側部を開き、開かれた部位に帯の底面部材を挿入する。挿入された底面部材は、帯状フィルムと側面部材とにシールされる。
【0006】
その後、これらを側面部材の幅方向における中心で帯状フィルムがその長手方向に分離されるようにして順次切断されてガゼット袋が製袋される。
【0007】
かかる手法によりガゼット袋を製袋する製袋装置並びに製袋方法は、特許文献1により既に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−254984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
底面部材を帯状フィルムの側部に送り出し、この底面部材を配設するためには、重ね合わされた帯状フィルムの側部を開く必要がある。しかし、上述の従来手法では、上記特許文献1に記載されているように、単純に帯状フィルムをその長手方向に搬送させた状態で、一方の帯状フィルムについて、その側部を逆側の側部に向けて折り返している。
【0010】
しかしながら、このような手法により、帯状フィルムの側部を開いていたのでは、完全に開いた状態となるまでにかなりの距離をかけて帯状フィルムを搬送させる必要がある。即ち、折り返される部位と、そのまま搬送される部位とでは、その軌跡の距離に差が生ずる。これを短い距離の間で無理に開かせようとすれば、側部が折り返される一方の帯状フィルムとそのまま搬送させている他方のフィルムとの間に、長手方向おけるずれが生じてしまい、適切な開き面を形成させることができない。この誤差の影響を小さくするためには、長い距離をかけて折り返す必要があった。このため、製袋装置を設置するためには非常に大きなスペースを必要としていた。
【0011】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたものであり、短い距離で帯状フィルムの側部を折り返すことができ、小さなスペースでも設置することが可能なガゼット袋を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、上記課題を解決するため、以下のガゼット袋を製造する方法を採用した。
【0013】
ガゼット袋を製造する方法は、平面部、側面部及び底面部を有するガゼット袋を、平面部及び底面部を構成する一枚の帯状のメインフィルムと、側面部を構成する側面部材とを使用して製造する方法であって、前記側面部材を、長手方向に搬送する前記メインフィルムの幅方向における中央の所定範囲の部位に、該メインフィルムの長手方向の所定間隔毎に上面に順次配置し、該側面部材と該メインフィルムとを該側面部材の軸方向における両端部で仮シールする工程と、前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程と、前記折り返し部位とメインフィルムの幅方向における中央の非折り返し部位との境界部分を広げてガゼット袋の底面部として構成される拡開部を形成する工程と、前記メインフィルムと前記側面部材とを該側面部材の中心線に沿ってシールする工程と、を含む。
【0014】
以上のガゼット袋を製造する方法にあって、帯状の側面フィルムの両側部を幅方向の中心へ折り込み、側縁同士を突き合わせ、長手方向に順次切断することにより前記側面部材を形成する工程をさらに含む。
【0015】
前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程において、前記側面部材の長手方向の両端より外側方向へずれた位置を基線として、該基線から前記メインフィルムの側縁までの部位を折り返し部位として折り返している。
【0016】
前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程において、
前記非折り返し部位に、上面から当接する変曲ローラにより、前記メインフィルムの搬送方向を変位させ、両側の折り返し部位を上側へ折り曲げつつ搬送する。
【0017】
前記折り返し部位と前記非折り返し部位との境界部分を広げてガゼット袋の底面部として構成される拡開部を形成する工程は、前記折り返し部位と前記非折り返し部位との境界部分を上下に押し広げて、平坦な拡開部を形成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、帯状のフィルム材をその長手方向に搬送させつつ折り曲げて包装袋の底面部又は側面部を形成する場合に、折り曲げ開始から終了までの、フィルム材の長手方向の距離を大幅に短縮できる。このため、製袋装置を極めてコンパクトに形成できる。また、折り曲げ開始から終了までの距離を短くする一方で、折り曲げられる部分と、折り曲げられない部分の軌跡の距離差をなくすため、フィルムの長手方向における両者の誤差を無くし品質の良い包装袋を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の製袋装置の概要を示す説明図。
【図2】図1の製袋装置に設けられた、側面部材を形成する機構を示す斜視図。
【図3】図2に示す機構とは別の態様により側面フィルムの端縁同士を貼り合わせる手段を示す図。
【図4】さらに別の態様により側面フィルムの端縁同士を貼り合わせる手段を示す図。
【図5】図4に示す態様で端縁同士を貼り合わせる際に使用するシールバーの斜視図。
【図6】さらに別の態様により側面フィルムの端縁同士を貼り合わせる手段を示す図。
【図7】側面部材配置機構、メインフィルム重ね合わせ機構を示す斜視図。
【図8】本発明の折り返し機構を備えた、開き面形成装置を示す斜視図。
【図9】メインフィルムの両側部に開き面が形成され、再び閉鎖されるまでの工程を示す説明図。
【図10】開き面が形成される工程で、側面部材の両端に折り込み面が形成される工程を示す図。
【図11】開き面が閉鎖された後、ガゼット袋が形成されるまでの一連の工程を示す概要図。
【図12】本発明の第二の実施形態にかかる製袋装置の概要を示す図。
【図13】メインフィルムに側面部材が配された後、拡開部が形成され、この拡開部が形成されるまでの一連の工程を示す説明図。
【図14】折り返し機構の説明図。
【図15】拡開部形成装置の概要を示す斜視図。
【図16】図15に示す拡開部形成装置に使用されている拡開ガイドの斜視図。
【図17】図16に示す拡開ガイドとは別の実施形態にかかる拡開ガイドの斜視図。
【図18】図15に示す拡開部形成装置を側方からみた図。
【図19】図15に示す拡開部形成装置により両側部に拡開部が形成されたメインフィルムの態様を示す斜視図。
【図20】拡開部を閉鎖する工程を示す図。
【図21】拡開部を形成する別の実施形態を示す図。
【図22】図21に示す実施形態について、流れの詳細を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1〜図11は、本発明の第一の実施形態を示している。この実施形態では、一対の帯状フィルムからなるメインフィルム1,2と、断面形状が矩形状に形成された筒体を平坦に折り畳むことで形成された複数の側面部材3とを用いてガゼット袋を製造する製袋装置及び製袋方法を示している。メインフィルム1,2は、ガゼット袋の袋本体部の平面部を構成し、側面部材3は袋本体部の側面部を構成する。
【0022】
先ず、図1を参照して、この実施形態にかかる製袋装置並びに製袋方法の概要を説明する。
【0023】
製袋装置は、工程の出発部分に、平面部を構成するメインフィルム1,2が巻き取られた2つのフィルムロール1A,2Aを備えており、これらフィルムロール1A,2Aから各メインフィルム1,2をその長手方向に送り出し、この製袋装置の下工程へ搬送させている。送り出された一方の第1のメインフィルム1には、その長手方向の所定の間隔毎に側面部材3が順次載置される。なお、第1のメインフィルム1上に配置される側面部材3は、その断面形状が矩形状に形成された筒状体が平坦に折り畳まれた部材である。側面部材3は、搬送されている第1のメインフィルム1の長手方向におけける所定の間隔毎に、この側面部材3の軸方向を第1のメインフィルムの幅方向に一致させて、側面部材3がメインフィルム1上に順次配置される。側面部材3が載置された後、第2のメインフィルム2を第1のメインフィルム1に重ね合わせる重ね合わせ機構が設けられており、一対のメインフィルム1,2で側面部材3を挟み込んだ状態でこれらは下工程へ搬送される。
【0024】
重ね合わせ機構により第2のメインフィルム2が重ね合わされた後、側面部材3が各メインフィルム1,2と仮シールされる。その後、第2のメインフィルム2の両側部が所定の幅だけ中心側へ折り返され平坦な開き面10が形成される。この開き面10は、折り返されない第1のメインフィルム1の側部、上側に配された第2のメインフィルム2の折り返し部位、並びに側面部材3の両端部によって、平坦に形成される。そして、開き面10には、ガゼット袋として完成された際、ガゼット袋の底面部となる帯状の底面フィルム9が重ね合わさる。その後、折り返された第2のメインフィルム2の両端が再び閉鎖され、下工程へ搬送される。
【0025】
以下、この製袋装置が行う各工程について、図面を参照しつつ詳細を説明する。
【0026】
図2は、配置される側面部材3を形成する工程を示している。側面部材3は帯状の側面フィルム3Bから形成される。この側面フィルム3Bは、その長手方向に搬送されており、折り返し機構20にて、その両側部が側面フィルム3Bの幅方向の中心へ折り込まれている。
【0027】
折り返し機構20には、この側面部材3の幅方向における中央の所定範囲の部位を、両側部が折り曲げられる方向とは逆方向に変位させる変曲ローラ21と、この変曲ローラ21の下流部にて、側面フィルム3Bの外側方から中心に向けて延び、側面フィルム3Bの両側部を中心に向けて折り返すための折り返しバー22,22とを備えている。さらに、変曲ローラ21の下流側には、側面フィルム3Bの幅方向における中心位置に配置され、側面フィルム3Bの搬送方向に延びる側縁ガイド23が設けられている。
【0028】
変曲ローラ21は、側面フィルム3Bの幅方向における中央の所定範囲の位置にて、その軸方向が側面フィルム3Bの幅方向に延びるようにして配されている。この変曲ローラ21の幅は、後に説明するように折り返されることのない非折り返し部位3bの幅に対応している。なお、変曲ローラ21は、側面フィルム3Bの非折り返し部位3bを下方に変位させると共に、側面フィルム3Bを搬送途中で、搬送方向に変曲点が形成されるようにその搬送方向を変換している。
【0029】
折り返しバー22,22は、丸棒材により形成され、側面フィルム3Bの両側方から中心に向けてそれぞれ延びている。各折り返しバー22,22の先端部22a,22aは、変曲ローラ21の直近から、側面部材3の搬送方向の下流側に向けて湾曲し、円弧状にそれぞれ形成されている。そして、円弧状に形成された先端部22a,22a同士は、側縁ガイド23を間に位置させて、側縁ガイド23の側面とそれぞれ対向している。
【0030】
折り返しバー22,22の間に位置している側縁ガイド23は、所定の厚みに形成された板状のブロックであり、変曲ローラ21と対向する前端面は、鉛直に延びるように形成されている一方で、後端部は斜め後方下側に向けて斜めに傾斜する傾斜面により形成されている。
【0031】
この折り返し機構20は、以下のように、帯状の側面フィルム3Bの両側部に折り返し部位3a,3aを形成する。
【0032】
帯状の側面フィルム3Bが上方から斜め下方に向けて、その長手方向に搬送されて折り返し機構20へ送り込まれる。送り込まれた側面フィルム3Bは、その幅方向における中央の所定範囲の部位が、変曲ローラ21により下方に向け変位される。中央の所定範囲の部位が下方に変位されると、幅方向の両側部は、変曲ローラ21の側面に沿うようにして上側に向けて折り曲げられる。この中央の所定範囲の部位が非折り返し部位3bであり、上側に向けて折り曲げられた部位が折り返し部位3a,3aである。そして、折り返し部位3a,3aの幅は、当該変曲ローラ21を通過することで設定される。
【0033】
この変曲ローラ21を通過した側面部材3は、この変曲ローラ21を境に、搬送方向が水平方向に変換される。そして、変曲ローラ21により上方に向けて折り曲げられた折り返し部位3a,3aは、折り返しバー22,22によって中心側へ押し込まれて、幅方向の中心に向けて折り返される。この際、円弧状に形成された折り返しバー22,22の先端部2a,22aで、側面フィルム3Bの側縁を側縁ガイド23の側面に押し付けるとともに、折り返し部位3a,3aが非折り返し部位3bと重ね合わされるように、折り返し部位3a,3aを下方に向けて押圧する。これらの一連の作用により、側面フィルム3Bは変曲ローラ21の幅に対応する非折り返し部位3bが幅方向の中間部分に形成されると共に、幅方向に両側部には所定幅の折り返し部位3a,3aが形成される。
【0034】
その後、側縁ガイド23を通過した側面フィルム3Bは、側縁同士がこの側面フィルム3Bの幅方向における中心にて突き合わされ、折り返し部位3a,3aと非折り返し部位3bとが互いに重ね合わされて、押圧ローラ24,24によりプレスされる。これら押圧ローラ24,24は、折り返されて筒状に形成された側面フィルム3Bの両側部に配されており、外側方から側面フィルム3Bに向けて延びる回転軸25,25に回転自在に支持されている。プレスされると、両側部には、折り返し部位3a,3aと非折り返し部位との境界を構成する折り線が形成される。
【0035】
この折り返し機構の下流側には突き合わせられた折り返し部位3a,3aの側縁同士を貼り合わせるシール機構が設けられている。図2は、テープ4を使用して側縁同士を貼り合わせる実施の形態を示している。テープ4は搬送方向の上流側の上方から斜め下方に向けて突き合わせ部に向けて送り出される。突き合わされた折り返し部位3a,3aの側縁同士は、テープ4が外面に密着されることにより、一体的に貼り合わされる。なお、突き合わせ部に対応する中心部には、送り出されたテープ4を折り返し部位3a,3aの外面に押圧して密着させるローラ26が設けられている。
【0036】
なお、側縁同士は、図2に示す態様の他、図3〜図6に示す態様で貼り合わせてもよい。
【0037】
図3は、テープ4を折り返し部位3a,3aの内面側に送り込むことで折り返し部位3a,3aの側縁同士を貼り合わせる態様を示している。テープ4は、側面フィルム3Bの搬送方向における上流側の上方から斜め下方に向けて突き合わせ部に向けて送り出される。そして、折り返し部位3a,3aの端縁をテープ4に被せるようにしてプレスして、側縁同士を一体的に貼り合わせている。なお、この図3に示す態様では、テープ4の粘着層が上面に向けられている。
【0038】
図4は、側面フィルム3Bの長手方向において、間欠的に側縁同士をヒートシールする態様を示し、図5は、ヒートシールする際に使用するシールバー6の一実施形態を示している。
【0039】
この態様では、側縁同士が所定の幅だけ長手方向に沿ってオーバーラップされ、このオーバーラップされた部位が長手方向において間欠的にヒートシールされる。図4において、符号5により示された部位がヒートシールされた部位である。ヒートシールに使用されるシールバー6は、細長い矩形状のブロック上に形成されている。そして、シールバー6の下面には、その長手方向において所定の間隔ごとに下方に向けて突出する複数のシール部6a…6aが形成されている。
【0040】
このシールバー6は、折り返し部位3a,3aの側縁同士がオーバーラップされた側面フィルム3Bの幅方向における中央にて、その長手方向を側面フィルム3Bの搬送方向に一致させて配される。そして、オーバーラップされた部位を順次プレスすることで、折り返し部位3a,3aの側縁同士をヒートシールする。なお、搬送されている側面フィルム3Bは、シールバー6によりプレスされる毎に、一時停止される。一時停止された側面フィルム3Bは、シールバー6の上昇と共に再びその長手方向に搬送される。
【0041】
この動作の繰り返しにより、折り返し部位3a,3aの側縁同士が側面フィルム3Bの全長にわたって間欠的にヒートシールされる。
【0042】
図6は、折り返し部位3a,3aの内面にパートコートを施すこと、あるいは接着剤を付着させることにより側縁同士を貼り合わせる態様を示している。
【0043】
折り返し部位3a,3aと非折り返し部位3bの間には、突き合わせ部に対応する位置に搬送方向に延びるバー材7が設けられている。このバー材7の上面には、パートコート用のコーティング剤あるいは接着剤が塗布されている。一方、突き合わせ部の上方には、バー材7と対向するようにしてプレス用バー8が配されている。
【0044】
この図6に示す態様では、折り返し部位3a,3aの側縁同士が、プレス用バー8とバー材7との間に挟み込まれることで、内面にコーティング剤若しくは接着剤が付着され、一体的に貼り合わされる。
【0045】
以上に説明したように側縁同士が貼り合わされた側面フィルム3Bは、その後、図7に示すように、その長手方向に分離されるように順次切断されて、所定の長さの側面部材3が形成される。なお、側面部材3は、袋本体部の平面部として構成されるメインフィルムの幅より若干短い寸法にそれぞれ切断される。その後、所定長さの側面部材3は、第1のメインフィルム1の上面に順次配置される。
【0046】
側面部材3の配置される第1のメインフィルム1は、水平に配されてその長手方向に搬送されており、側面部材3がその上面に配置される。側面部材3は、この第1のメインフィルム1の側方から搬入されて、第1のメインフィルム1の長手方向における所定の間隔毎に、軸方向を第1のメインフィルム1の幅方向に一致させて配置される。この際、長さがAに形成された側面部材3は、その両端が第1のメインフィルム1の側縁より寸法Bだけ内縁側に位置される。
【0047】
側面部材3が配置された後、この図7に示すように、第1のメインフィルム1の上面には、第2のメインフィルム2が重ね合わされる。この第2のメインフィルム2は、第1のメインフィルム1と同一のフィルム材が使用されている。第2のメインフィルム2は、第1のメインフィルム1の上方から案内ローラ31,32により案内されて、第1のメインフィルム1の上面側に送り出される。そして、第2のメインフィルム2は、第1のメインフィルム1と同一方向に搬送され、側面部材3を挟み込んで、両メインフィルム1,2は重ね合わされる。
【0048】
その後、側面部材3は、この側面部材3を挟み込んでいる一対のメインフィルム1,2とそれぞれ仮シールされる。仮シールされる仮シールポイントP,Pは、側面部材3の軸方向における両端部であり、かつ、側面部材3の幅方向における中心線上である。
【0049】
その後、図8〜図10に示すように、メインフィルム1,2の両側部には、折り返し機構40により、平坦な開き面10が形成される。この開き面10は、上側に配置された第2のメインフィルム2の両側部を所定の幅だけ中心側へ折り返すことにより形成される。
【0050】
この実施形態にかかる折り返し機構40には、重ね合わされた一対のメインフィルム1,2の下部に配置され、これらを下工程に向けて案内している案内ローラ41と、この案内ローラ41の下流側にて、上側に配置された第2のメインフィルム2の上面に配された変曲ローラ42と、変曲ローラ42の更に下流側にて、メインフィルム1,2の両側部に配されたプレス用ローラ43,43とが設けられている。
【0051】
案内ローラ41は、その軸方向がメインフィルム1,2の幅方向に延びるようにして配されており、側面部材3を挟み込んでいるメインフィルム1,2を下から支持している。なお、これら一対のメインフィルム1,2は、この案内ローラ41に到達するまでは、水平に維持された搬送される。この案内ローラ41は、第2のメインフィルム2の折り込みが開始される折り込み開始部を構成している。
【0052】
変曲ローラ42は、その軸方向が案内ローラ41の軸方向と平行をなすようにメインフィルム1,2の幅方向に一致させて配されている。この変曲ローラ42は、その全長が、メインフィルム1,2の幅より所定の寸法だけ短く形成され、メインフィルム1,2の幅方向における中央の所定範囲の部位に配されている。
【0053】
メインフィルム1,2の中央部分がこの変曲ローラ42により下方に押し込まれ、案内ローラ41から変曲ローラ42までの区間におけるメインフィルム1,2の搬送方向は斜め下方に向かうように変化される。一方、第2のメインフィルム2の両側部は、変曲ローラ42の側面より外側の部位が、変曲ローラ42の側面に沿って上側に向けて折り曲げられる。さらに、変曲ローラ42は、この変曲ローラ42の前後において、下側に配された第1のメインフィルム1並びに上側に配された第2のメインフィルム2における幅方向中央の非折り込み部位1bの搬送方向を変化させている。即ち、案内ローラ41から斜め下方に搬送されたメインフィルム1,2は、この変曲ローラ42の下流側で再び水平に搬送される。
【0054】
変曲ローラ42の下流側に配されたプレス用ローラ43,43は、第2のメインフィルム2の折り返し部位2a,2aが折り返される位置に対応する位置にそれぞれ配されており、メインフィルム1,2の外側方からメインフィルム1,2の側部に向けて延びる支持軸44,44の先端に回転可能に取り付けられている。これら、プレス用ローラ43,43は、変曲ローラ42により上側に向けて折り曲げられた第2のメインフィルム2の折り返し部位2a,2aを幅方向の中間部分を占める非折り返し部位2bに向けて押圧し、この部位をメインフィルムの中心側に向けて折り返している。
【0055】
このプレス用ローラ43,43により第2のメインフィルム2の折り返し部位2a,2aがプレスされることで、折り返しが終了し、開き面10がメインフィルム1,2の両側にそれぞれ形成される。
【0056】
そして、第2のメインフィルム2に折り返し部位2a,2aを形成するに伴い、メインフィルム1,2の間に挟み込まれた側面部材3の両端部には、以下に説明するように菱形の折り込み面11,11が形成される。
【0057】
側面部材3の両端部は、各メインフィルム1,2と仮シールされているので、側面部材3の両端は、上側に配された第2のメインフィルム2の折り返しに伴い、開かれる。
この際、側面部材3幅方向の両端に形成されている折り線の軸方向の端縁から所定の距離だけ内側に位置する点を基点Q、Qとして、当該側面部材3は、これら各基点Q、Qと、前記側面部材3と前記メインフィルムが仮シールされた、この側面部材3の中心線の端縁に位置する仮シールポイントPとを結ぶ範囲が前記折り線と同方向に山折りされる。そして、側面部材3の端縁が中心位置にて互いに突き合わせられるようにして、側面部材3の端部に平坦な菱形の折り込み面11,11が形成される。この折り込み面11,11が、メインフィルム1,2の開かれた両側部と一体となって、開き面10を構成する。
【0058】
以上に説明した折り返し機構40により、第2のメインフィルム2の両側部に折り返し部位2a,2aを形成すると、折り返し開始部である案内ローラ41の設置位置と、折り返し終了部であるプレス用ローラ43,43の設置位置との間を極めて短い距離に設定できる。
【0059】
従来行われていた方法では、重ね合わされた一対のメインフィルムを単純に水平方向に搬送させた状態で。第1のメインフィルムの側部を中心側へ折り返すことで、平坦な開き面を形成していた。一般に、重ね合わされた帯状のフィルムのうち一方のフィルムのみについて側部を中心に向けて折り返すと、折り返される一方のフィルムの側部と、折り返されない他方のフィルムの側部とが通過する軌跡の距離には大きな差ができる。このため、搬送方向における短い区間で一方のフィルムを折り返すと、距離の差による影響を受け、一方のフィルムの側部と他方のフィルムの側部との間に、長手方向におけるずれが生じてしまう。従来、この不都合を防止するために、一方のフィルムのみを折り返す場合には、搬送方向において長い距離をかけて折り返していた。このため、従来の方法では、開き面10を形成する為の広いスペースが必要であった。
【0060】
これに対し、本実施形態にかかる製造装置では、変曲ローラ42がメインフィルム中央の非折り返し部位2bを下方に向けて変位させている。そして、変曲ローラ42の通過前後にて、メインフィルム1,2の搬送させる方向を変換している。このため、中央の非折り返し部位2b、及び下側に配された第2のメインフィルム2の両側部が通過する軌跡の距離と、第1のメインフィルム1の折り返し部位2a,2aが通過する軌跡の距離とを一致させることができる。このため、短い距離の間で折り返したとしても、ずれが生じることがなく、折り返し開始部である案内ローラ41と、折り返し終了部であるプレス用ローラ43,43との距離を極めて短くすることができる。
【0061】
メインフィルム1,2の両側部に開き面10を形成した後、これら開き面10には、帯状の底面フィルム9が重ね合わされる。この底面フィルム9は、ガゼット袋が完成された際、ガゼット袋の底面を構成する。底面フィルム9の幅は、開き面10の幅とほぼ同寸に形成されており、その両側縁が、第1のメインフィルム1の折り返し部位2a,2aの側縁、及び第2のメインフィルム2の側縁に一致されて重ね合わされる。
【0062】
その後、開き面10は、底面フィルム9が重ね合わされた状態で再び閉じられる。
【0063】
開き面10を閉じる閉鎖機構には、閉鎖開始部に対応する位置に変曲ローラ45が第1のメインフィルム1の上部に設けられ、閉鎖終了部に対応する位置には、重ね合わされた一対のメインフィルム1,2を下から支持しつつ搬送させている案内ローラ46がそれぞれ設けられている。さらに、この閉鎖機構には、メインフィルム1,2の両側部に、第1のメインフィルム1の折り返し部位2a,2aと第2のメインフィルム2との境界線に沿って延びるガイド板47,47が設置されている。側面部材3の両端に形成された平坦な折り込み面11,11の中心はこのガイド板47,47の端縁によって折り線が形成され、開き面10の閉鎖が補助されている。
【0064】
この閉鎖機構を通過した後、図11に示すように、メインフィルム1,2と側面部材3とは、側面部材3の中心線に沿ってそれぞれヒートシールされる。また、メインフィルム1,2と底面フィルム9とは、これらの側縁に沿って互いにヒートシールされる。
【0065】
その後、メインフィルム1,2と側面部材3とは、メインフィルム1,2の幅方向の中心線L1にて左右に分離されるように切断され、次いで、側面部材3の中心線L2の位置で、メインフィルム1,2の長手方向に分離されるように順次切断される。
【0066】
以上の工程を経て、対向する一対の平面部と、折り襞状に形成され、平面部の側縁同士を連結する一対の側面部と、矩形状の底面部とからなるガゼット袋が形成される。
【0067】
次に図12〜図20を参照して、第二の実施形態について説明する。
【0068】
図12は、この第二の実施形態についての製袋装置、並びに製袋方法の概略を示している。この製袋方法では、ガゼット袋を一枚の帯状のメインフィルム50と、複数の側面部材3とを使用して製袋する。なお、側面部材3は、上記の第一の実施形態に使用された部材と同一の部材である。
【0069】
装置の出発点には、平面部並びに底面部として形成される帯状のメインフィルム50が巻き取られたフィルムロール50Aが設置されている。メインフィルム50は、このフィルムロール50Aから送り出されてその長手方向に搬送される。
【0070】
搬送されたメインフィルム50には、側面部材3が長手方向の所定の間隔毎に順次配置され、両者が仮シールさる。なお、側面部材3はメインフィルム50の幅方向における中央の所定範囲の部位に配される。側面部材3が上面に配置されたメインフィルム50は、そのまま下工程へ搬送され、折り返し機構54によりその両側部がメインフィルム50の中心側へ折り返される。この際、メインフィルム50の両側縁は中心部にて互いに突き合わされる。その後、メインフィルム50の折り返し部位50a,50aは側面部材3の上面に仮シールされる。
【0071】
その後、メインフィルム50の両側部に、ガゼット袋の底面部として構成される拡開部12,12が形成される。拡開部12,12が形成された後、適宜シールされると共に、切断されてガゼット袋が形成される。
【0072】
図13は、メインフィルム50に側面部材3が載置されてから、両側部に拡開部12,12が形成され、再び拡開部12,12が閉鎖されるまでの、一連の工程を示している。
【0073】
側面部材3は、この図13に示すように、メインフィルム50の長手方向において、所定の間隔毎に順次配置される。また、これら側面部材3は、メインフィルム50の幅方向における中央の所定範囲の部位H1に、その軸方向をメインフィルム50の幅方向に一致させて配される。
【0074】
側面部材3が配された後、メインフィルム50は、折り返し機構54へ搬送される。この折り返し機構54では、メインフィルム50の両側部を幅方向の中心へ漸次折り返している。折り返される部位は、この図13に示すように、側面部材3の両端よりやや外側方へずれた位置を基線として、この基線からメインフィルム50の側縁までの部位50a,50aである。この部位が折り返し部位50a,50aである。
【0075】
この折り返し機構54は、図14に示すように、搬送されてきたメインフィルム50の上面に配された変曲ローラ57を有し、このメインフィルム50の幅方向における中央の非折り返し部位50bを下方へ向けて変位させている。また、両側の折り返し部位50a,50aを非折り返し部位50bの変位方向とは逆の上側へ向けて折り曲げている。変曲ローラ57の下流側には、メインフィルム50の両外側方からメインフィルム50の中心部に向けて延びる折り返しバー55,55と、折り返し部位50a,50aを非折り返し部位50bに向けてプレスするプレスローラ56,56とが設けられている。折り返しバー55,55は、変曲ローラ57によって上側に折り曲げられた折り返し部位50a,50aを、幅方向の中心側へ押し込むようにして折り返している。一方、プレスローラ56,56は、折り返し部位50a,50aをプレスすることで、非折り返し部位50bとの境界に折り癖を形成せしめ、確実に折り返し状態を維持させている。
【0076】
この折り返し機構54に関しても、変曲ローラ57が、非折り返し部位50bを、折り返し部位50a,50aの折り曲げ方向と逆側に変位させると共に、変曲ローラ57より下流側では再び折り返し部位50a,50aに向かうように搬送方向をコントロールすることで、非折り返し部位50bの軌跡の距離を折り返し部位50a,50aの軌跡の距離に強制的に一致させている。このため、折り返しの開始から折り返しの終了までの距離を極めて短く設定できる。
【0077】
その後、側面部材3の両端は上側の折り返し部位50a,50aとも仮シールされる。
【0078】
そして、メインフィルム50は、ガゼット袋として完成された際に、その底面部となる拡開部12,12がその両側部に形成される。図15〜図19は、拡開部12,12を形成させる拡開部形成装置60の詳細をそれぞれ示している。拡開部形成装置60は、両側部に位置する、折り返し部位50a,50aと非折り返し部位50bとの境界部分を、上下に押し広げる拡開ガイド61,61と、押し広げられたメインフィルム50の両側部を平坦に形成する平坦形成部65とを備えている。
【0079】
拡開ガイド61,61は、三角形状の板材から構成されており、頂点部62,62を上流側に、底辺部64,64を下流側に向けて、両者が対向するようにして配置されている。これら拡開ガイド61,61は、図16に示すように、その頂点部62,62が滑らかな円弧状に形成されているとともに、斜面部63,63がメインフィルム50の中心側に向けて湾曲して円弧状に形成されている。
【0080】
メインフィルム50の両側部は、この拡開ガイド61,61により上下に押し広げられる。上下に押し広げられることに伴い、メインフィルム50は、その幅方向の寸法が縮小される。この寸法の縮小に対応させるために、拡開ガイド61,61は、メインフィルム50の幅方向に関し、下流に向かうに連れ両者の間隔が徐々に狭まるように斜めに傾けて配されている。なお、拡開ガイド61,61の頂点部62,62が円弧状に形成されているため、メインフィルム50は頂点部62,62により傷つけられることなく押し広げが開始される。また、斜辺部63,63の断面形状が円弧状に形成されているので、メインフィルム50がこの拡開ガイド61,61を通過する際に損傷されることがない。
【0081】
なお、この拡開ガイドは、図17に示すように、丸棒により形成してもよい。この図17に示す拡開ガイド61a,61aは、丸棒からなるガイド棒62a,62aを折り曲げてV字状に形成し、このガイド棒62a,62aの間の2ヶ所に補強材63a,64aを配置して形成されている。この図17に示す拡開ガイド61a,61aについても、その頂点部65a,65aは滑らかな円弧状にとなるようにガイド棒62a,62aはそれぞれ湾曲されている。このため、メインフィルム50は、拡開ガイド61a,61aの頂点部65a,65aによって傷つけられることなく拡開が開始される。また、ガイド棒62a,62aとして丸棒が採用されているので、通過するメインフィルム50を破裂してしまうことも防止する。
【0082】
拡開ガイドにより両側部が押し広げられた後、メインフィルム50の両端は、平坦形成部65により、平坦面からなる拡開部12,12に形成される。
【0083】
平坦形成部65は、メインフィルム50の上下に配された一対のブロック材66,66と、押し広げられたメインフィルム50の両側部を、ブロック材66,66の側面に押圧するプレス用ローラ67…67とを備えている。
【0084】
ブロック材66,66は、その幅が、側面部材3の長さより所定の長さだけ短く形成されており、メインフィルム50の幅方向における中央の非折り返し部位50bに対応する位置にて上下に対向するようにして配置されている。また、各ブロック材66,66の側面66a,66aは、平坦に形成されており、拡開ガイド61,61により押し広げられたメインフィルム50の両端がプレスされて拡開部12,12を円滑に形成させている。
【0085】
そして、プレス用ローラ67…67は、図18に示すように、ブロック材66,66の入口に対応する部位にて、これらブロック材66,66の両側部に、それぞれ設けられている。これらプレス用ローラ67…67は、押し広げられたメインフィルム50の両端部分の上縁及び下縁をブロック材66,66の側面66a,66aにプレスして平坦に形成させている。
【0086】
図19は、平坦形成部65を通過した後のメインフィルム50並びに側面部材3の状態を示している。この図19から明らかなように、メインフィルム50の幅方向における中央の所定範囲の部位は、折り返し部位50a,50aと非折り返し部位50bとが上下に重ね合わされて平坦な状態が保たれている。また、この部位では、側面部材3についても、メインフィルム50に上下から挟み込まれるようにして平坦に折り畳まれている。一方、メインフィルム50の両側部は、上下に張り出すように、幅方向の中央部分と直角をなすように平坦に形成されている。この部位が拡開部12,12である。
【0087】
また、メインフィルム50の内側では、側面部材3の両端部が平坦な菱形の折り込み面13,13が形成されている。この折り込み面13,13も側面部材3の軸方向における中央部に対して直角をなすように形成されている。
【0088】
この菱形の折り込み面13,13についても、メインフィルム50と仮シールされているので、側面部材3の両端は、メインフィルム50に拡開部12,12が形成されることに伴い次のようにして形成される。側面部材3幅方向の両端に形成されている折り線の軸方向の端縁から所定の距離だけ内側に位置する点を基点Q,Qとして、側面部材3は、これら各基点Q,Qと、前記側面部材3と前記メインフィルム50がシールされたこの側面部材3の中心線の端縁である仮シールポイントP,Pとを結ぶ範囲が前記折り線と同方向に山折りされる。そして、側面部材3の端縁が中心位置にて互いに突き合わせられるようにして、側面部材3の端部に平坦な菱形の折り込み面13,13が形成される。
【0089】
両側部に拡開部12,12が形成された後、側面部材3に形成された折り込み面13,13とメインフィルム50とが仮シールされる。また、メインフィルム50の両側方に配置された検査機により、拡開部12,12の検査が行われる。この検査機は、拡開部12,12の画像を取り込むCCDカメラと、検査の対象となる部位に光を照射する照明具とを備えている。CCDカメラにはモニタが接続され、拡開部12,12の状態を随時映し出している。これにより、拡開部12,12の状態を離れた位置からでも観測することができる。
【0090】
これらの工程を経た後、拡開部12,12は閉じられる。図20は、拡開部12,12を閉じる閉鎖機構を示している。この閉鎖機構には、拡開部12,12より外側方に配されたガイド板70,70と、閉じられた拡開部12,12をそれぞれ上下にプレスする閉鎖用ローラ71…71が設けられている。
【0091】
ガイド板70,70は平板材から構成されており、拡開部12,12の上下方向における中心位置にて水平に配されている。このガイド板70,70の内縁は、拡開部12,12の外側面の直近に配され、拡開部12,12の閉鎖に伴い、中心位置に折り線を形成させている。
【0092】
一方、閉鎖用ローラ71…71は、メインフィルム50の外側方からメインフィルム50の側部に向けて延びる回転軸72…72の先端に回転自在に支持されており、ガイド板70,70の下流側のメインフィルム50の両側部にて、閉鎖された拡開部12,12の上下に配されている。これら閉鎖用ローラ71…71は、拡開部12,12を上下からプレスし、上流に配されているガイド板70,70を間に挟み込むようにして閉鎖させている。
【0093】
以上の工程を経た後、各側面部材3は、その中心線に沿って、折り返し部位50a,50a並びに非折り返し部位50bにそれぞれヒートシールされると共に、折り込み面13,13と拡開部12,12とを、折り込み面13,13の中心で突き合わされている側面部材3の端縁に沿ってヒートシールされる。その後、折り返し部位50a,50aの側縁同士が突き合わされている、メインフィルム50の中心にてメインフィルム50及び側面部材3を左右に分離するように切断し、さらに、これらを側面部材3の中心線に沿ってメインフィルム50の長手方向に分離するように順次切断する。これにより、平面部、側面部及び底面部から構成されるガゼット袋が複数形成される。
【0094】
図21及び図22は別の実施形態により拡開部14,14を形成する態様を示している。 この実施形態では、メインフィルム50の両側部を幅方向の中心に向けて折畳み、メインフィルム50全体が平坦になるようにして拡開部14,14を形成している。
【0095】
便宜のため、図21及び図22において、折り返し部位50a,50aと非折り返し部との境界線である側縁の折り線部分をX部、側面部材3の側端に対応する位置をY部、起点Qに対応する位置をR部、拡開部14,14が形成された際に側縁をなす位置をZ部として以下に説明する。なお、起点Q及び仮シールポイントPは、上述の実施形態と同様の意味である。
【0096】
メインフィルム50には、この拡開部形成部に到達する前に、側面部材3が、メインフィルム50の幅方向に延びるようにして配されている。また、メインフィルム50の側縁が幅方向の中心で突き合わされるようにして折り返し部位が形成され、側面部材3が、折り返し部位50a,50aと非折り返し部位50bとで上下から挟み込まれている。
【0097】
この拡開部形成部に到達したメインフィルム50は、その両側部が幅方向の中心に向けて折り畳まれる。先ず、X部が側縁部となっている状態(図22(a)の状態)から、両側部は、X部を上側に向けて、非折り返し部位50bについて、Z部が山折りとなるように折り曲げられる。これと同時に、Y部を山折りにして、R部が谷折りとなるようにして、折り返し部位50a,50aを折り曲げられる。かかる作用に対応して、側面部材3は、仮シールポイントP,Pが互いに引き離され、所定の起点Q,Qとこれら仮シールポイントP,Pとを結ぶ線が山折りに折り込まれる(図22(b)の状態)。
【0098】
さらに、非折り返し部位50bについては、Z部を基部としてX部がR部に接近するように折り曲げる。一方、折り返し部位50a,50aについては、R部を起部としてY部を中心側へ移動させる。これにより、側面部材3の端縁同士が、中心位置に向けて移動する(図22(c)の状態)。この作用を進めると、図22(d)に示すように、メインフィルム50の両側部には、平坦な拡開部14,14がそれぞれ形成される。また、拡開部14,14の内部には、側面部材3が菱形に折り込まれた平坦な折り込み面15,15が形成される。
【0099】
以上のようにメインフィルム50の両側部に拡開部14,14を形成した後、適宜にヒートシールがなされると共に、切断されて、平面部、側面部、及び底面部からなるガゼット袋が形成される。
【0100】
以上、帯状のフィルム材についてその両側部を適宜折り返してガゼット袋を形成するものについて説明したが、左右のバランスを良好に取ることができれば、片側の側部についてのみ折り返すことで製袋してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1,2,50 メインフィルム
2a,3a,50a 折り返し部位
2b,3b,50b 非折り返し部位
3B 側面フィルム
3 側面部材
9 底面フィルム
10 開き面
11,13,15 折り込み面
12,14 拡開部
20,40,54 折り返し機構
21,42,57 変曲ローラ
22,55 折り返しバー
23 側縁ガイド
24 押圧ローラ
26 ローラ
31,32 案内ローラ(重ね合わせ機構)
41 案内ローラ
43 プレス用ローラ
47,70 ガイド板
56 プレスローラ
60 拡開部形成装置
61,61a 拡開ガイド
65 平坦形成部
67 プレス用ローラ
P 起点
Q 仮シールポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面部、側面部及び底面部を有するガゼット袋を、平面部及び底面部を構成する一枚の帯状のメインフィルムと、側面部を構成する側面部材とを使用して製造する方法であって、
前記側面部材を、長手方向に搬送する前記メインフィルムの幅方向における中央の所定範囲の部位に、該メインフィルムの長手方向の所定間隔毎に上面に順次配置し、該側面部材と該メインフィルムとを該側面部材の軸方向における両端部で仮シールする工程と、
前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程と、
前記折り返し部位とメインフィルムの幅方向における中央の非折り返し部位との境界部分を広げてガゼット袋の底面部として構成される拡開部を形成する工程と、
前記メインフィルムと前記側面部材とを該側面部材の中心線に沿ってシールする工程と、 を含むガゼット袋を製造する方法。
【請求項2】
帯状の側面フィルムの両側部を幅方向の中心へ折り込み、側縁同士を突き合わせ、長手方向に順次切断することにより前記側面部材を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のガゼット袋を製造する方法。
【請求項3】
前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程において、
前記側面部材の長手方向の両端より外側方向へずれた位置を基線として、該基線から前記メインフィルムの側縁までの部位を折り返し部位として折り返していることを特徴とする請求項1または2に記載のガゼット袋を製造する方法。
【請求項4】
前記側面部材が上面に配置された前記メインフィルムの幅方向の両側部を折り返し部位として中心側へ折り返し、両側縁を中心部にて互いに突き合わせる工程において、
前記非折り返し部位に、上面から当接する変曲ローラにより、前記メインフィルムの搬送方向を変位させ、両側の折り返し部位を上側へ折り曲げつつ搬送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガゼット袋を製造する方法。
【請求項5】
前記折り返し部位と前記非折り返し部位との境界部分を広げてガゼット袋の底面部として構成される拡開部を形成する工程は、
前記折り返し部位と前記非折り返し部位との境界部分を上下に押し広げて、平坦な拡開部を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガゼット袋を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−208332(P2010−208332A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95942(P2010−95942)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【分割の表示】特願2003−344805(P2003−344805)の分割
【原出願日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】