説明

ガバペンチンの調製プロセス

式1:


で表わされるガバペンチンの調製プロセス。このプロセスは1−アリル−シクロヘキサンカルボキサルデヒドを1−アリル−シクロヘキサンカルボニトリルに変換することと、1−アリル−シクロヘキサンカルボニトリルをオゾン処理して1−シアノ−シクロヘキサンアセトアルデヒドを得ることと、1−シアノ−シクロヘキサンアセトアルデヒドを適切なアセタール化剤でアセタール化して対応するアセタールを提供することと、このアセタールをガバペンチンに変換することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なガバペンチンの調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ガバペンチン、即ち1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸(非特許文献1)は抗てんかん活性及び抗痙攣活性を有する公知の薬物であり、特許文献1(ワーナーランバート)において最初に開示された。
【0003】
特許文献2はシクロヘキシル−1,1−二酢酸からのガバペンチンの調製方法を少なくとも3種開示している。これら方法それぞれにおいて、ガバペンチン塩酸塩が生じ、この塩を塩基性イオン交換体で処理し、その後エタノール/エーテル等の溶媒から晶析することにより対応する酸に変換することができる。
【0004】
他のガバペンチンの調製プロセスや中間体数種が文献で報告されている。例えば、特許文献3〜14を参照されたい。
【0005】
前述の方法のほとんどにおいてガバペンチン精製の最終段階として、弱塩基性イオン交換樹脂によるガバペンチン塩(通常塩酸塩)水溶液の処理と、該樹脂から溶離したガバペンチン水溶液からの完全な水分蒸発と、アルコール性溶媒(通常メタノール、メタノール/イソプロパノール混合物又はエタノール/エーテル混合物)からの晶析とを行うことが予定されている。
【0006】
特許文献15(テーヴァ)は、対応する塩酸塩からのガバペンチン調製プロセスであって、有機溶媒中(無機塩は不溶)にガバペンチン塩酸塩を溶解させることにより、合成において生じる無機塩からガバペンチン塩酸塩を精製することと、濾過及び任意的な溶媒蒸発と、溶媒中で塩酸ガバペンチン溶液をアミンで処理し、ガバペンチンIII形と析出させることと、最終的に晶析させてガバペンチンII形を得ることとを含むプロセスを開示している。
【0007】
特許文献16(Bioindustria Laboratorio Italiano Medicinali)は、ガバペンチンから透析濾過により無機塩を分離することを開示している。
【0008】
特許文献17(ザンボン)は、対応する無機塩からの塩酸ガバペンチン精製及び塩酸ガバペンチン水溶液を強カチオン性樹脂により処理してガバペンチンに転化するための単一プロセスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,024,175号明細書
【特許文献2】米国特許第4,024,175号明細書
【特許文献2】米国特許第5,068,413号明細書
【特許文献3】米国特許第5,091,567号明細書
【特許文献4】米国特許第5,132,451号明細書
【特許文献5】米国特許第5,319,135号明細書
【特許文献6】米国特許第5,362,883号明細書
【特許文献7】米国特許第5,693,845号明細書
【特許文献8】米国特許第4,958,044号明細書
【特許文献9】米国特許第4,956,473号明細書
【特許文献10】米国特許第5,130,455号明細書
【特許文献11】米国特許第5,095,148号明細書
【特許文献12】米国特許第5,136,091号明細書
【特許文献13】米国特許第5,149,870号明細書
【特許文献14】国際公開第98/28255号パンフレット
【特許文献15】国際公開第00/58268号パンフレット
【特許文献16】国際公開第02/34709号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】The Merck Index,XII Ed. p.733,rf4343
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、式1:
【0012】
【化1】

【0013】
で表わされるガバペンチンの有利で効率が良く且つ経済的な代替的調製プロセスを見出した。
【0014】
このプロセスは安価な出発物質と試薬から進行し、少量の固体廃棄物で工業的に実施可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
該プロセスは本発明の第一の目的物であり、
段階1:
(i)式2:
【0016】
【化2】

【0017】
で表わされる1−アリル−シクロヘキサンカルボキサルデヒドを式3:
【0018】
【化3】

【0019】
で表わされる1−アリル−シクロヘキサンカルボニトリルに変換し、
(ii)式3で表わされる化合物をオゾン処理して式4:
【0020】
【化4】

【0021】
(式中、角括弧は、望まれる場合にのみ式4で表わされる化合物を反応液から単離することを意味する)で表わされる1−シアノ−シクロヘキサンアセトアルデヒドを得、
【0022】
(iii)式4で表わされる化合物を、C1〜C4アルカノール及びC2〜C4アルカンジオールからなる群から選択される適切なアセタール化剤でアセタール化して式5:
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、RはそれぞれC1〜C4アルキルを表すか、Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を表す)で表わされる対応するアセタールを提供すること;及び
【0025】
段階2
式5で表わされる化合物を式1で表わされるガバペンチンに変換することを含む。
【0026】
本発明において、特に断らない限り「C1〜C4アルキル」とはメチル、エチル、1−プロピル、イソプロピル、1−ブチル、sec−ブチル又はt−ブチルを意味し、メチル及びエチルが好ましい。
【0027】
本発明において、アセタール化剤はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール及び2−メチル−2−プロパノール等のC1〜C4アルカノール及び1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール及び2,3−ブタンジオール等のC2〜C4 アルカンジオールからなる群から選択され、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)が好ましい。
【0028】
好ましい形態において、式4で表わされる化合物は、段階1(ii)に従って式3で表わされる化合物からその場調製され、単離することなく次の反応段階1(iii)に用いられる。然しながら、式4で表わされる化合物を単離してから、段階1(iii)に従う反応に用いることもできることは言うまでもない。
【0029】
本発明は他の好ましい形態において、段階1(iii)で得られた式5:
【0030】
【化6】

【0031】
で表わされる化合物は、式5aで表わされる1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサンカルボニトリルである。
段階2に従う、式5で表わされる化合物の式1で表わされるガバペンチンへの変換は次に示す各種手続きで行うことができる。
【0032】
第一の様相において段階2は、
(iv)上に定義される式5で表わされる化合物を還元して式6:
【0033】
【化7】

【0034】
(式中、Rは上と同様に定義される)で表わされる化合物を提供し、
【0035】
(v)式6で表わされる化合物を、塩酸、リン酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸から選択される酸HAの存在下で酸化剤としてのオゾンと接触させて式7:
【0036】
【化8】

【0037】
(式中、R1はC1〜C4アルキル、1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルであり、HAは上述のように定義される)で表わされる化合物を提供し、
【0038】
(vi)式7で表わされる化合物を式1で表わされるガバペンチンの対応する酸塩に加水分解し、望まれる場合には、
【0039】
(vii)式1で表わされるガバペンチンの酸塩を式1で表わされるガバペンチンに変換することを含む。
【0040】
或いは、段階2は、
(iv′)式5で表わされる化合物を酸化剤としてのオゾンで酸化して式8:
【0041】
【化9】

【0042】
(式中、R1はC1〜C4アルキル、1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルであり、角括弧は、望まれる場合にのみ式8で表わされる化合物を反応液から単離することを意味する)で表わされる化合物を得、
【0043】
(v′)式8で表わされる化合物を加水分解して1−シアノ−シクロヘキサン酢酸を得、
これを式1で表わされるガバペンチンに還元するか、或いは
【0044】
(vi′)式8で表わされる化合物を塩酸、リン酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸から選択
される酸HAの存在下で還元して、上に定義される式7で表わされる化合物を得、式7で表わされる化合物を式1で表わされるガバペンチンの対応する酸塩に加水分解し、望まれる場合には、化合物を式1で表わされるガバペンチンの酸塩を式1で表わされるガバペンチンに変換することを含む。
【0045】
特定の様相においては、式8で表わされる化合物(式中、R1は1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルである)を、前述の次の反応段階2(v′)に付す前に式8で表わ
される化合物(式中、R1はC1〜C4アルキルである)に変換する。
【0046】
好ましい形態において、式8で表わされる化合物は、段階2(iv′)に従って式5で
表わされる化合物からその場調製され、単離することなく次の反応段階2(v′)に用い
られる。然しながら、式8で表わされる化合物を単離してから、段階2(v′)に従う反
応に用いることもできることは言うまでもない。
【0047】
前述のように、酸HAは塩酸、リン酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸からなる群から選択されるが、特にアミノ基が存在する場合にはラクタム化を防止するためにトリフルオロ酢酸が好ましい。
【0048】
本発明の他の目的物は、上に定義される式1で表わされるガバペンチンの調製プロセスであって、上に定義される反応段階2(iv)から反応段階2(vii)までを含むプロセスである。
【0049】
本発明の更なる他の目的物は、上に定義される式1で表わされるガバペンチンの調製プロセスであって、上に定義される反応段階2(iv′)から反応段階2(vi′)までを
含むプロセスである。
【0050】
上に定義される式5で表わされる中間体化合物の調製プロセスであって、上に定義される反応段階1(i)から反応段階1(iii)までを含むプロセスも本発明に包含される。
【0051】
式6で表わされる中間体化合物の調製プロセスであって、上に定義される反応段階1(i)から反応段階2(iv)までを含むプロセスも更に本発明に包含される。
【0052】
式5及び6で表わされる中間体化合物(式中、Rがそれぞれエチル以外である)は新規化合物であるので、これらも本発明の目的物である。
【0053】
式5及び6で表わされる化合物(式中、Rがそれぞれエチルである)は公知の化合物であり、例えば米国特許第4,515,960号の実施例1及び2の記載の手続きに従って調製することができる。
【0054】
本発明は式5:
【0055】
【化10】

【0056】
(式中、基Rはそれぞれメチル又はC3〜C4アルキルを表すか、基Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を表す)で表わされる新規中間体化合物も提供する。式5で表わされる化合物において、基Rの両者は一緒になって非置換のエチレン架橋を形成することが好ましい。
【0057】
本発明は式6:
【0058】
【化11】

【0059】
(式中、基Rはそれぞれメチル又はC3〜C4アルキルを表すか、基Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を表す)で表わされる新規中間体化合物も提供する。式6で表わされる化合物において、基Rの両者は一緒になって非置換のエチレン架橋を形成することが好ましい。
【0060】
上に定義される式8で表わされる中間体化合物の調製プロセスであって、上に定義される反応段階1(i)から反応段階2(v′)までを含むプロセスも更に本発明に包含され
る。
【0061】
式2で表わされる出発化合物は次の公知の方法、例えばJACS 1959,81,3379〜3383又は米国特許第2,947,786号に記載の手続きに従って、シクロヘキサンカルボキサルデヒドとアリルアルコールをp−トルエンスルホン酸の存在下100〜170℃で15時間、ベンゼンやトルエン等の有機溶媒の存在下混合することにより調製することができる。シクロヘキサンカルボキサルデヒド及びアリルアルコール(プロペン−1−オール又は2−プロペニルアルコールとして知られる)は市販品があるが、当業界においてよく知られた手続きに従って調製することができる。
【0062】
反応段階1(i)における式3で表わされる化合物の調製は公知の手続き、例えばSynthesis 1979,112〜114に記載の手続きに従って、式2で表わされる化合物の溶液と塩酸ヒドロキシルアミンを95〜97%のギ酸中で還流温度において、完全転化まで攪拌混合することにより行うことができる。或いは、式3で表わされる化合物は、例えばOrganic Letters 2004,Vol.6,No.4,501〜3に記載の手続き、即ち式9:
【0063】
【化12】

【0064】
(式中、XはBr又はClである)で表わされる化合物とBr−CH2−CH=CH2との反応を含む手続きにより調製することができる。
【0065】
反応段階1(ii)における式4で表わされる化合物の調製は、式3で表わされる化合物の安定溶媒(例えばメタノール)の溶液に−40℃〜60℃、好ましくは−10℃〜20℃で、式4で表わされる化合物への完全転化を達成するのに十分な時間オゾン−酸素混合物をバブリングし、その後過酸化物中間体を常法(例えば反応液へのジメチルスルフィドの添加、或いは好ましくは反応液の接触水添)によって還元することによって行うことができる。必要であれば、式4で表わされる化合物を単離することができるが、通常更に処理して式5で表わされる化合物を得ることができる。有利な方法としては、式4で表わされる化合物の調製とその式5で表わされる化合物への変換とを単一の反応容器において、式4で表わされる中間体化合物を単離することなく行うことができる。式4で表わされる化合物は、JACS 1982,104,6649〜50に記載の手続き、即ちシクロヘキサンアセトアルデヒドをエチルアルミニウムジクロリドの存在下tert−ブチルイソシアニドと反応させることを含む手続きにより調製することができる。
【0066】
反応段階1(iii)における式4で表わされる化合物のアセタール化は、当業者によく知られた次の従来の手続きにより行うことができる。一例において、式4で表わされる化合物のC1〜C4アルカノールによるアセタール化で式5で表わされる化合物(式中、RはそれぞれC1〜C4アルキル)を得るには、メタノールを溶媒として例えばメタンスルホン酸等の適切な触媒の存在下室温においてオルトギ酸メチルを脱水剤として用いて行うことができる。他の例において、式4で表わされる化合物のC2〜C4アルカンジオールによるアセタール化で式5で表わされる化合物(式中、Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を形成する)を得るには、例えばシクロヘキサンやメタンスルホン酸等の適切な溶媒の存在下還流条件下でディーンスターク管を用いて行うことができる。
【0067】
反応段階2(iv)における式5で表わされる化合物の還元による式6で表わされる化合物の提供は、従来の技法により行うことができる。一例において、この還元は米国特許第4,620,012号に開示される方法に従い、式5で表わされる化合物を非プロトン性溶媒(例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン(THF)等)において)LiAlH4等の適切な還元剤と接触させ、その際の温度は0℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃、100mmolスケールで、LiAlH4/ジエチルエーテル混合物への化合物5の滴下開始から約2時間行うことにより達成できる。また、式6で表わされる化合物の調製は、式5で表わされる化合物を接触水添し、例えばHeterocycles 2005,66,385〜403に記載の通常のニトリル還元の手続きにより行うことができる。
【0068】
反応段階2(v)における式6で表わされる化合物の酸化による式7で表わされる化合物の提供は、式6で表わされる化合物を十分に強い酸HA(塩酸、リン酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸から選択され、好ましくはトリフルオロ酢酸)で塩とした後、非プロトン性溶媒(例えばCHCl3、CH3OH、CH2Cl2、酢酸ブチル、酢酸エチル等)中、−20℃〜50℃、好ましくは−10℃〜10℃で行うことにより達成できる。
【0069】
反応段階2(vi)における式7で表わされる化合物の加水分解による式1で表わされるガバペンチンの酸塩の提供は、Chem. Pharm Bull. 1976,24,1050〜1058に記載の手続きを採用して行うことができる。
【0070】
反応段階2(vii)における式1で表わされるガバペンチンの酸塩の対応する遊離アミノ酸提供は、当業界でよく知られた手続きに従って行うことができる。一例において、該ガバペンチンの酸塩が塩酸塩の場合、米国特許第4,024,175号記載の方法に従い塩基性イオン交換体で処理し、その後エタノール/エーテル等の溶媒から晶析することにより該酸塩をガバペンチンに変換することができる。また、国際特許出願WO 02/34709記載の手続きに従って強カチオン性樹脂で処理することにより該酸塩をガバペンチンに変換することができる。
【0071】
反応段階2(iv′)における式5で表わされる化合物の酸化による式8で表わされる
化合物の提供は、カナダ特許第962,264号に記載の、オゾン分解による環状及び非環状アセタールのエステルへの変換手続きに従って行うことができる。一例として、式5で表わされる化合物の式8で表わされる化合物への酸化は、式5で表わされる化合物の例えば酢酸ブチル、酢酸エチル、メタノール等の溶媒の溶液に−10℃〜30℃、好ましくは0℃〜15℃でオゾン−酸素混合物をバブリングすることにより行うことができる。
【0072】
反応段階2(v′)に付す前に式8で表わされる化合物(式中、R1は1個又は2個の
メチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルである)を対応する式8で表わされる化合物(式中、R1はC1〜C4アルキル)に変換することは、例えばTetrahedron 1993,49,10501に記載の方法等、当業界で知られたエステル交換に従って行うことができる。
【0073】
反応段階2(v′)における式8で表わされる化合物の1−シアノ−シクロヘキサン酢
酸への加水分解は、当業者によく知られた通常の手続きに従って行うことができる。それに続く1−シアノ−シクロヘキサン酢酸の還元は、例えばChemicke Listy pro Vedu a Prumysl. 1953,47,1241〜3に従う適切な触媒の存在下における接触水添、又は欧州特許第414,262号に記載の手続きに従って行うことができる。
【0074】
また、反応段階2(vi′)における式8で表わされる化合物の式7で表わされる化合
物の還元は、Heterocycles 2005,66,385〜403に記載の手続きに従い、適切な触媒の存在下酸性条件で接触水添することにより行うことができる。これに続く式7で表わされる化合物のガバペンチンの酸塩への加水分解及び後続の式のガバペンチンへの変換は前述の手続きにより行うことができる。
【実施例】
【0075】
以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0076】
実施例1
1−アリル−シクロヘキサンカルボキサルデヒド(式2化合物)の調製
塔頂にディーンスタークトラップを接続したヴィグロー(Vigreaux)蒸留カラムを用い、シクロヘキサンカルボキサルデヒド(100mL、0.825mol)、アリルアルコール(60mL、純度98%、0.882mol)、ベンゼン(15mL)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.120g、0.63mmol)の混合物を油浴にて130℃〜180℃に加熱した。15時間後、トラップに回収された水15mLに更なる増加が認められなくなった時点で、反応が完結したと判断した。粗反応生成物を蒸留して、98g(収率:78%)の1−アリル−シクロヘキサンカルボキサルデヒドを無色の液体(b.p.69〜71℃/5mmHg)として得た。
【0077】
1H-NMR(200 MHz,CDCl3):δ1.22-1.65(10H,m,-(CH2)5-);2.17(2H,m,-CH2-CH=);4.96-5.07(2H,m,CH=CH2);5.55-5.76(1H,m,CH=CH2);9.44(1H,s,CHO).
13C-NMR(200 MHz,CDCl3):δ22.41(CH2);25.61(CH2);30.73(CH2);40.72(CH2);49.56(CIV);118.21(CH2=);132.64(CH=);206.70(CHO).
IR(film):1730cm-1(C=O);2861cm-1(CHO).
MS(EI 70eV):m/z 152(3%,M+);137(5);134(6);123(18);110(37);108(8);97(29);81(100);55(19);41(28).
【0078】
実施例2
1−アリル-シクロヘキサンカルボニトリル(式3化合物)の調製
化合物2(125g、0.824mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(66g、0.948mol)を95〜97%ギ酸(200mL、6.43mol)で希釈した。激しい発熱反応が起こった後、溶液を計0.5時間加熱して還流を維持した。反応液を冷却した後、濃縮、氷水(20mL)による希釈、NaOH5%による中和、CH2Cl2(3x40mL)による抽出を行った。有機抽出物を合一し減圧蒸留した。粗生成物を蒸留(b.p.88℃/5mmHg)により精製し、99.5gの1−アリル−シクロヘキサンカルボニトリルを無色液体として得た(収率:81%).
【0079】
1H-NMR(200 MHz,CDCl3):δ1.11-1.955(10H,m,-(CH2)5-);2.25(2H,d,J=7.3Hz,-CH2-CH=);5.08-5.19(2H,m,CH=CH2);5.75-5.96(1H,m,CH=CH2).
13C-NMR(200 MHz,CDCl3):δ22.94(CH2);25.26(CH2);35.31(CH2);38.79(CIV);44.54(CH2);119.50(CH2=);123.19(CN);131.92(CH=).
IR(film):2231cm-1(CN).
m/z(EI):m/z 149(100%,M+);134(25);121(34);108(58);94(7);92(11);81(93);67(33);53(16);41(43).
【0080】
実施例3
1−(2,2−ジメトキシエチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(式5化合物、RはそれぞれCH3)の調製
化合物3(45g、0.302mol)をメタノール(60mL)に溶解し、円筒フラスコ中マグネティックスターラーによる攪拌下−10℃に維持した。出発物質が全て転化するまで(9.5h、GCモニタリング)この溶液にオゾン発生機から放出されるO3/O2流(O3:40mmol/h)をバブリングした。次にジメチルスルフィド(22.5mL)を、温度が25℃を超えないように注意深く添加した。1時間後オルトギ酸メチル(50mL)とメタンスルホン酸数滴を反応液に加え、攪拌下室温にて一晩放置した。その後、LiHで中和した。溶媒を留去し、濃縮物を蒸留することにより50gの1−(2,2−ジメトキシエチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(収率:84%)を無色液体として得た(b.p.115℃/1.4mmHg)。
【0081】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.0-2.02(10H,m,C6H10),1.82[2H,d,J=5.6Hz,CH2CH(OCH3)2],3.36(6H,s,2 x OCH3),4.64[1H,t,J=5.6Hz,CH(OCH3)2].
IR(film):2232(CN)cm-1.
m/z(EI):196(1%,M+-1),166(43),108(13),81(13),75(100).
【0082】
実施例4
1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサンカルボニトリル(式5化合物、Rは一緒にエチレン架橋を形成)の調製
化合物3(206g、1,383mol)をエチレングリコール/t−ブタノール(400mL/150mL)中に分散した。得られたエマルジョンを20℃に維持した。その後、出発物質が全て転化するまで(GCモニタリング)、オゾン発生機から放出されるO3/O2流(O3:30mmol/h)をこのエマルジョンに機械攪拌下バブルした。次にジメチルスルフィド(120mL)を、温度が25℃を超えないように注意深く添加した。1時間後溶液を減圧濃縮し、穏やかに加熱してt−ブタノールを全て除去した。更にエチレングリコール(100mL)、シクロヘキサン(100mL)及びメタンスルホン酸(1mL)を残渣に加えた。この混合物を、塔頂にディーンスタークトラップを接続したヴィグロー(Vigreaux)蒸留カラムを用いて、水が留出分離されなくなるまで油浴にて加熱した。続いて反応液を水(1.5L)で希釈し、CH2Cl2(6x100mL)で抽出した。有機相を合一し溶媒を蒸発させた。得られた濃縮物を蒸留することにより202gの1−(1,3−ジオキソラン−2−イル−メチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(収率:75%)を無色液体として得た(b.p.128℃/1.1mmHg)。
【0083】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.0-2.18(10H,m,C6H10),1.92[2H,d,J=4.8Hz,CH2CH(OCH2)2],3.96(4H,s,OCH2CH2O),5.11[1H,t,J=4.8Hz,CH(OCH2)2].
IR(film):2232(CN)cm-1.
m/z(EI):194(1%,M+-1),73(100).
【0084】
実施例5
1−アミノメチル−1−(2,2−ジメトキシエチル)シクロヘキサン(式6化合物、RはそれぞれCH3)の調製
冷却管、CaCl2管及び滴下ロートを備えた500mL丸底フラスコにLiAlH4(9.5g、250mmol)と無水エチルエーテル(180mL)を添加した。激しい攪拌下、1−(2,2−ジメトキシエチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(19.7g、100mmol)の無水エチルエーテル(40mL)溶液を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下した。滴下終了後、穏やかに加熱して更に2時間還流を続けた。イソプロパノール(0.8mol、60mL)及び塩水(50mL)を用いて未反応のLiAlH4を注意深く消滅させ、水酸化アルミニウムの白色沈澱とした。この混合物を濾過し、濾取したケーキはエーテルで洗浄した。濾液とエーテル洗浄液を合一し、減圧濃縮して、19.1gの1−アミノエチル−1−(2,2−ジメトキシエチル)シクロヘキサンを無色油状物として得た(収率95%)。
【0085】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.1-1.5(10H,m,C6H10),1.59[2H,d,J=5.1Hz,CH2CH(OCH3)2],2.52(2H,s,CH2NH2),3.30(6H,s,2 x OCH3),4.42[1H,t,J=5.1Hz,CH(OCH3)2].
IR(film):3401(NH2)cm-1.
m/z(EI):186(12%,M+-15),140(6),138(45),136(100),122(28),111(56),108(98),75(62).
【0086】
実施例6
1−アミノエチル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサン(式6化合物、Rは一緒にエチレン架橋を形成)の調製
冷却管、CaCl2管及び滴下ロートを備えた250mL丸底フラスコにLiAlH4(4.75g、125mmol)と無水エチルエーテル(90mL)を添加した。激しい攪拌下、1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(9.75g、50mmol)の無水エチルエーテル(20mL)溶液を、穏やかな還流を維持するような速度で滴下した。滴下終了後、室温にて更に2時間攪拌を続けた。イソプロパノール(0.45mol、35mL)及び塩水(20mL)を用いて未反応のLiAlH4を注意深く消滅させ、水酸化アルミニウムの白色沈澱とした。この混合物を濾過し、濾取したケーキはエーテルで洗浄した。濾液とエーテル洗浄液を合一し、減圧濃縮して、8.5gの1−アミノエチル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサンを無色油状物として得た(収率85%)。
【0087】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.10-1.60(10H,m,C6H10),1.71[2H,d,J=4.7Hz,CH2CH(OCH2)2],2.62(2H,s,CH2NH2),3.70-4.10(4H,m,CH(OCH2)2),4.89[1H,t,J=4.7Hz,CH(OCH2)2].
IR(film):3394(NH2)cm-1.
m/z(EI):200(<1%,M++1),170(3),136(10),127(7),122(56),108(22),75(100).
【0088】
実施例7
1−アミノメチル−1−(2,2−ジエトキシエチル)シクロヘキサン(式6化合物、Rはそれぞれエチル)(米国特許第4,515,960号)の調製
不活性ガス中、無水ジエチルアミン51.7mL(0.5mol)を312.5mL(0.5mol)の15%n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液に−10℃で滴下した。このバッチを10分間攪拌し、−70℃に冷却した。54.6gのシクロヘキサンカルボニトリルを30分かけて滴下し、更に30分後に98.5gのブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールを1時間かけて添加した。このバッチを24時間低温に維持した後、室温に戻し、100gの氷に乗せた。酢酸エチル(500mLx2)で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、残渣を減圧蒸留した。収率:90g(理論収率:80%)b.p.78〜79℃(8mmHg)。
【0089】
90gの1−(2−ジエトキシエチル)−シクロヘキサンカルボニトリルをエタノール(1L)に溶解し、60gのナトリウムを加えた。この金属が溶解した後、水(100mL)を加え、減圧下で溶媒を実質的に除去した。残渣に水(300mL)を添加し、エーテル(200mLx3)で抽出した。エーテル相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧蒸留した。収率:93g(理論収率:約90%)b.p.69〜72℃(8mmHg)。
【0090】
実施例8
ヒドロキシエチル(1−シアノ−シクロヘキシル)アセテート(式8化合物、R1はヒドロキシエチル)の調製
1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサンカルボニトリル(45g、0.231mol)を酢酸ブチル(60mL)に溶解させた。この溶液を25℃に維持した後、オゾン発生機から放出されるO3/O2流(O3:15mmol/h)のバブリングを開始した。出発物質が全て転化された(GCモニタリング)時点で、O2流のみとしてオゾネーションを中止し、残留するO3を追い出した。次にジメチルスルフィド(20mL)を、温度が35℃を超えないように注意深く添加した。2時間後溶液を減圧濃縮し、62.32gの粗ヒドロキシエチル(1−シアノ−シクロヘキシル)アセテート(含有量約70%(GC分析値))を得た。特性化の目的で、少量のサンプルを蒸留して主にジメチルスホキシドを含む揮発性成分を除去することにより更に精製した。
【0091】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.00-2.20(10H,m,C6H10),2.61(2H,s,CCH2CO),3.86[2H,m,(CO)OCH2CH2O],4.28[2H,m,(CO)OCH2CH2O].
IR(film):3458(OH)cm-1;2235(CN)cm-1;1740(CO)cm-1.
m/z(EI):212(<1%,M+-1),184(6),181(18),150(73),139(20),122(37),108(83),104(58),95(58),94(63),86(38),81(100).
【0092】
実施例9
メチル(1−シアノ−シクロヘキシル)アセテート(式8化合物、R1はメチル)の調製
1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサンカルボニトリル(45g、0.231mol)を実施例8の手続きに従って得た粗ヒドロキシエチル(1−シアノ−シクロヘキシル)アセテートをCH3OH(250mL)で希釈し、K2CO3(13g)を添加した。この混合物を1時間攪拌し、濾過し、回収した濾液を37%HClで中和した。続いて、中和物を水(500mL)で希釈し、CH2Cl2(6x100mL)で抽出した。有機相を合一し蒸発させた。得られた濃縮物を最終的に蒸留することにより31gのメチル(1−シアノ−シクロヘキシル)アセテートを無色液体として得た(収率:57%)(b.p.115℃/1.2mmHg)。
【0093】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.00-2.15(10H,m,C6H10),2.53(2H,s,CCH2CO),3.68[3H,s,(CO)OCH3].
IR(film):2235(CN)cm-1;1742(CO)cm-1.
m/z(EI):182(<1%,M++1),154(6),150(18),108(98),74(58).
【0094】
実施例10
1−シアノ−シクロヘキサン酢酸の調製
1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサンカルボニトリル(10g、0.051mol)を酢酸ブチル(30mL)に溶解した。この溶液を25℃に維持した後、オゾン発生機から放出されるO3/O2流(O3:15mmol/h)のバブリングを開始した。出発物質が全て転化された(GCモニタリング)時点で、O2流のみとしてオゾネーションを中止し、残留するO3を追い出した。次にジメチルスルフィド(5mL)を、温度が35℃を超えないように注意深く添加した。2時間後溶液を減圧濃縮した。残渣をMTBE(40mL)及びH2O(100mL)で希釈した。0℃に維持した後、強い攪拌下で濁りが消失するまでNaOHaq(10g、0.250mol)/H2O(15mL)をゆっくり加えた。水相を分離した後は常に0℃に維持し、注意深く18%HClaqで酸性化した。分離された有機酸を、そのサスペンジョンをCH2Cl2(3x30mL)で洗浄することにより回収した。有機相を合一し、減圧下室温で蒸発させることにより7.05g(収率:82%)の1−シアノ−シクロヘキサン酢酸(純度:>90%、GC)を白色固体として得た(m.p.99−104℃)。
【0095】
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.00-2.23(10H,m,C6H10),2.62(2H,s,CH2COOH).
IR(film):3457(OH)cm-1;2234(CN)cm-1,1702(CO)cm-1.
m/z(EI):167(<1%,M+),140(6),122(11),108(100),81(25),80(26).
【0096】
実施例11
ガバペンチン・HClの調製
1−アミノメチル−1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)シクロヘキサン(1g、5mmol)を酢酸エチル(4mL)に溶解させた。この溶液を−5℃に維持し、トリフルオロ酢酸(0.420mL、5.5mmol)で酸性化した。その後オゾン発生機から放出されるO3/O2流(O3:10mmol/h)のバブリングを開始した。出発物質が全て転化された(約1時間、GCモニタリング)時点で、O2流のみとしてオゾネーションを中止し、残留するO3を追い出した。この溶液を減圧濃縮した。粗生成物のH−NMRスペクトルはヒドロキシエチル[1−(アミノメチル)シクロヘキシル]酢酸・HCl(式7化合物、R1はヒドロキシエチル)と一致した[(1H NMR(CDCl3, 200 MHz): ( 1.20-1.70 (10H, m, C6H10), 2.60 (2H, s, CCH2CO), 3.07 (2H, s, CH2NH3+), 3.83 [2H, m, (CO)OCH2CH2O], 4.26 [2H, m, (CO)OCH2CH2O]]。
【0097】
この未処理のエステルをAcOH(2mL)及び18%HCIH2O(2mL)で希釈し、得られた溶液を加熱還流した。2時間経過後、揮発性化合物減圧下で吸引した。残渣にアセトン(4mL)を加え0℃に冷却してガバペンチン・HClの析出を促した(少量のエチルエーテルの添加によりこの現象が促進される)。固体を濾過により回収し、冷アセトンで洗浄することにより0.645gの白色粉末を得た(m.p.124〜125℃、収率:62%)。
【0098】
an.el., found:C,52.1;H,8.8;N,6.7;C9H18ClNO2 required:52.05;H,8.73;N,6.74.
1H NMR(CDCl3,200 MHz):δ1.00-2.20(10H,m,C6H10),2.61(2H,s,CCH2CO),3.86[2H,m,(CO)OCH2CH2O],4.28[2H,m,(CO)OCH2CH2O].
IR(film):3387(-NH3+)cm-1:1713(C=O)cm-1.
【0099】
実施例12
1−シアノシクロヘキサン酢酸からのガバペンチン調製(米国特許第5,362,883号)
500mLパールボンベに23.5g(0.1mol)の1−シアノシクロヘキサン酢酸(含水量28%)、16gのラネーニッケル#30(含水量50%)、冷(20℃)メチルアルコール(160mL)及び50%水酸化ナトリウム水溶液(8.8g、0.11mol)を添加した。この反応液を22℃〜25℃で21時間、180ポンド/平方インチのゲージ圧(psig)の水素下で攪拌した。21時間後、水素を通気し、還元混合物を窒素で流出させた。
【0100】
この反応溶液をセライトで加圧濾過し、メチルアルコール(100mL)で洗浄した。ロータリーエバポレーターを用い35℃で、体積50mLまで減量した。イソプロピルアルコール(100mL)を添加し、続いて6.6g(0.11mol)の酢酸を滴下した。生成物溶液をロータリーエバポレーターを用いて体積50mLまで減量した。濃縮された生成物溶液にテトラヒドロフラン(125mL)を添加し、得られた溶液を氷浴での冷却、吸引濾過、テトラヒドロフラン(50mL)による洗浄に付した。粗生成物ケーキを45℃で16時間減圧乾燥させた。
【0101】
粗生成物をメチルアルコール、脱イオン(demineralized)水、イソプロピルアルコールから再結晶して、10.3gのガバペンチンを白色結晶固体として得た。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によれば、有機不純物は検出されず、97.2%重量/重量(w/w)の純度を有することがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

で表わされるガバペンチンの調製プロセスであって、
段階1:
(i)式2:
【化2】

で表わされる1−アリル−シクロヘキサンカルボキサルデヒドを式3:
【化3】

で表わされる1−アリル−シクロヘキサンカルボニトリルに変換し、
(ii)式3で表わされる化合物をオゾン処理して式4:
【化4】

で表わされる1−シアノ−シクロヘキサンアセトアルデヒドを得、
(iii)式4で表わされる化合物を、C1〜C4アルカノール及びC2〜C4アルカンジオールからなる群から選択される適切なアセタール化剤でアセタール化して式5:
【化5】

(式中、RはそれぞれC1〜C4アルキルを表すか、Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を表す)で表わされる対応するアセタールを提供すること;及び
段階2
式5で表わされる化合物を式1で表わされるガバペンチンに変換することを含むプロセス。
【請求項2】
式4で表わされる化合物は、段階1(ii)に従って式3で表わされる化合物からその場調製され、単離することなく次の段階1(iii)に用いられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
反応段階2の式5で表わされる化合物の式1で表わされるガバペンチンへの変換は、(iv)上に定義される式5で表わされる化合物を還元して式6:
【化6】

(式中、Rは請求項1と同様に定義される)で表わされる化合物を提供することと、
(v)式6で表わされる化合物を、塩酸、リン酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸から選択される酸HAの存在下で酸化剤としてのオゾンと接触させて式7:
【化7】

(式中、R1はC1〜C4アルキル、1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルであり、HAは上述のように定義される)で表わされる化合物を提供することと、
(vi)式7で表わされる化合物を式1で表わされるガバペンチンの対応する酸塩に加水分解することと、望まれる場合には、
(vii)式1で表わされるガバペンチンの酸塩を式1で表わされるガバペンチンに変換することとを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
反応段階2の式5で表わされる化合物の式1で表わされるガバペンチンへの変換は、
(iv′)式5で表わされる化合物を酸化剤としてのオゾンで酸化して式8:
【化8】

(式中、R1はC1〜C4アルキル、1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルであり、角括弧は、望まれる場合にのみ式8で表わされる化合物を反応液から単離することを意味する)で表わされる化合物を得ることと、
(v′)式8で表わされる化合物を加水分解して1−シアノ−シクロヘキサン酢酸を得、
これを式1で表わされるガバペンチンに還元するか、或いは
(vi′)式8で表わされる化合物を塩酸、リン酸、ギ酸及びトリフルオロ酢酸から選択
される酸HAの存在下で還元して、請求項3に定義される式7で表わされる化合物を得、式7で表わされる化合物を式1で表わされるガバペンチンの対応する酸塩に加水分解し、望まれる場合には、化合物を式1で表わされるガバペンチンの酸塩を式1で表わされるガバペンチンに変換することとを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
式8で表わされる化合物(式中、R1は1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいβ−ヒドロキシエチル又はメチル基で置換されていてもよいγ−ヒドロキシプロピルである)を、次の反応段階2(v′)に付す前に式8で表わされる化合物(式中、R1はC
1〜C4アルキルである)に変換する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
式8で表わされる化合物は、反応段階2(iv′)に従って式5で表わされる化合物か
らその場調製され、単離することなく次の反応段階2(v′)に用いられる、請求項4又
は5に記載のプロセス。
【請求項7】
請求項1に定義される式5で表わされる中間体化合物の調製プロセスであって、請求項1に定義される反応段階1(i)から反応段階(iii)までを含むプロセス。
【請求項8】
請求項3に定義される式6で表わされる中間体化合物の調製プロセスであって、請求項3に定義される反応段階1(i)から反応段階2(iv)までを含むプロセス。
【請求項9】
請求項4に定義される式8で表わされる中間体化合物の調製プロセスであって、請求項4に定義される反応段階1(i)から反応段階2(iv′)までを含むプロセス。
【請求項10】
式5:
【化9】

(式中、基Rはそれぞれメチル又はC3〜C4アルキルを表すか、基Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を表す)で表わされる中間体化合物。
【請求項11】
請求項10に定義される式5で表わされる化合物において、基Rの両者は一緒になって非置換のエチレン架橋を形成する化合物。
【請求項12】
式6:
【化10】

(式中、基Rはそれぞれメチル又はC3〜C4アルキルを表すか、基Rの両者は一緒になって1個又は2個のメチル基で置換されていてもよいエチレン架橋又はメチル基で置換されていてもよいプロピレン架橋を表す)で表わされる中間体化合物。
【請求項13】
請求項12に定義される式6で表わされる化合物において、基Rの両者は一緒になって非置換のエチレン架橋を形成する化合物。
【請求項14】
請求項1に定義される式1で表わされるガバペンチンの調製プロセスであって、請求項3に定義される反応段階2(iv)から反応段階2(vii)までを含むプロセス。
【請求項15】
請求項1に定義される式1で表わされるガバペンチンの調製プロセスであって、請求項4に定義される反応段階2(iv′)から反応段階2(vi′)までを含むプロセス。

【公表番号】特表2009−542617(P2009−542617A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517478(P2009−517478)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/IB2007/001977
【国際公開番号】WO2008/004115
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(307041023)
【氏名又は名称原語表記】ZaCh System S.p.A.
【Fターム(参考)】