説明

ガラス組成物およびガラス組成物から作製された繊維

本発明の実施態様は、パーライトおよび/または軽石を含む、顕著な量の1つ以上のガラス状鉱物を含むバッチ組成物から形成される繊維化可能なガラス組成物を提供する。一実施態様において、本発明は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を提供し、該ガラス状鉱物は、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年8月3日に出願された通常出願第12/534,490号に対する優先権を主張し、この出願の全開示は参照として援用される。
【0002】
発明の技術
本発明は、ガラス組成物、詳しくは繊維を形成するためのガラス組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ガラス長繊維(E−ガラス型およびC−ガラス型)の大規模な商業生産は、結晶または実質的に結晶の性質の鉱物から主としてなるバッチ材料を溶融させることを含む。これらの結晶性原料をガラス状態に変換するには溶融プロセスにおいてかなりのエネルギーを投入する必要がある。結晶性材料に付随するかなりのエネルギー投資を考慮して、ガラス組成物の製造においてガラス状鉱物または非晶質鉱物が時に用いられてきた。ガラス構造または非晶質構造は、溶融プロセスにおいて消費されるエネルギーの量を低減することができる。例えば、ミネラルウールの製造のための原料のかなりの部分として、玄武岩および黒曜石などのガラス状鉱物が用いられてきた。
【0004】
しかし、ある種のガラス状鉱物に関する欠点は、そのような鉱物の高い鉄含有率である。玄武岩および黒曜石はともに比較的大量の鉄を含み、そのため、得られるそれらの溶融物はエネルギーを非常に吸収するようになる。その結果、これらの鉱物の溶融加工のために従来のガス燃焼炉を用いることは、通常、非現実的となる。高い鉄含有率のガラス状鉱物を加工するために電気溶融法を用いることができるが、これは、多くの場合に、従来のガス燃焼炉技術と比較して高容量ガラス繊維製造における制約となる。一般的に、E−ガラス繊維およびC−ガラス繊維の製造において用いられる原料は鉄含有率が低く、そのため、大規模ガス燃焼炉を用いることが可能になる。
【0005】
パーライト(およびその発泡形の軽石)は、ガラス形で天然に存在する鉱物である。パーライトは、ガラス製造における原料として広く用いられたことはない。その理由の一部はその組成パラメータである。パーライトの主な成分は、SiO、Alおよびアルカリ酸化物(RO)である。SiOは、通常、パーライト中に約70から約75重量パーセントの間の量で存在する。Alは、通常、パーライト中に約12から約15重量パーセントの間の量で存在する。アルカリ酸化物は、通常、パーライト中に約3から約9重量パーセントの間の量で存在する。これらのパラメータは、例えばE−ガラスおよびC−ガラスのガラス組成物を含むいくつかの広く用いられているガラス組成物の組成要件と相容れない。
【0006】
例えば、E−ガラス組成物はガラス繊維を形成するのに適している。その結果、ポリマー強化用途などの強化用途において用いられているガラス繊維の大部分はE−ガラス組成物から形成される。E−ガラス組成物では、一般的にアルカリ酸化物の量は2パーセント以下に限定される。パーライトの高いアルカリ酸化物含有率はこの制約と相容れず、そのためパーライトはE−ガラス組成物の製造のためのバッチ組成物に用いるには概して不適当である。
【0007】
さらに、酸性環境中で腐食に抵抗する繊維を形成するためにC−ガラス組成物も用いられてきた。酸性腐食に耐えるために、C−ガラス組成物は高いSiO含有量と低いAl含有量(<8重量%)とを含む。パーライトの高いAl含有量は、一般的にC−ガラス組成物の製造のためのバッチ組成物におけるパーライトの使用を阻む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
要旨
一局面において、本発明は、パーライトおよび/または軽石を含む、顕著な量の1つ以上のガラス状鉱物を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を提供する。別の局面において、本発明は、本明細書に記載されているガラス組成物から形成されるガラス繊維を提供する。
【0009】
一実施態様において、本発明は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を提供し、該ガラス状鉱物は、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも65重量パーセントのガラス状鉱物を含み、該ガラス状鉱物は、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。一部の実施態様において、SiOとAlとの組み合わせを含むガラス状鉱物は、パーライト、軽石、またはそれらの混合物である。
【0010】
さらに、一部の実施態様において、バッチは少なくとも10重量パーセントのナトリウム源を含む。ナトリウム源は、一部の実施態様において、炭酸ナトリウム(ソーダ)を含む。
【0011】
別の実施態様において、本発明は、53〜64重量パーセントのSiO、8〜12重量パーセントのAl、8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物(RO)成分および金属酸化物(RO)成分を含むガラス組成物を提供し、該金属酸化物成分は、約0.15から約1.5の範囲のRO/ROの質量比を提供する量で存在する。
【0012】
一部の実施態様において、RO成分はNaO、KOもしくはLiO、またはそれらの混合物を含む。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は6.5重量パーセントから約16重量パーセントの範囲の量のNaOを含む。ガラス組成物は、ある実施態様において2重量パーセントから4重量パーセントの範囲の量のKOを含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は、最大2重量パーセントの量のLiOを含む。
【0013】
一部の実施態様において、RO成分はMgO、CaO、SrO、BaOもしくはZnO、またはそれらの混合物を含む。RO成分は、一部の実施態様において本発明のガラス組成物中に7重量パーセントから31重量パーセントの範囲の量で存在する。一実施態様において、ガラス組成物は最大約5重量パーセントの量のMgOを含む。ガラス組成物は、一部の実施態様において7重量パーセントから26重量パーセントの範囲の量のCaOを含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は最大3重量パーセントの量のZnOを含む。
【0014】
本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、ROに加えて、ZrO、TiO、MnOもしくはLa、またはそれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない金属酸化物を含む。
【0015】
別の実施態様において、本発明は、56〜63重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、12〜17重量パーセントのRO(CaO+MgO)、12〜14重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnO、および0〜3重量パーセントのLaを含むガラス組成物を提供する。
【0016】
別の実施態様において、本発明は、60〜64重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、7〜15重量パーセントのRO(CaO+MgO)、13〜15.5重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnO、および0〜3重量パーセントのLaを含むガラス組成物を提供する。
【0017】
別の実施態様において、本発明は、55〜63重量パーセントのSiO、9〜14重量パーセントのAl、11〜16.5重量パーセントのRO(CaO+MgO)、14〜17重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnO、および0〜3重量パーセントのLaを含むガラス組成物を提供する。
【0018】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は1重量パーセント未満のFe含有率を有する。ガラス組成物は、他の実施態様において0.7重量パーセント未満のFeを含んでよい。
【0019】
本発明の一部の実施態様によれば、ガラス組成物は繊維化可能である。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は、1120℃から約1300℃の範囲の形成温度(T)を有する。本明細書において用いられている用語「形成温度」は、ガラス組成物が1000ポアズの粘度を有する温度(または「Log 3温度」)を意味する。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は形成温度において繊維化可能である。さらに、一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は約1020℃から約1240℃の範囲の液相線温度(T)を有する。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物の形成温度と液相線温度との間の差は約45℃から約165℃の範囲である。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物の形成温度と液相線温度との間の差は少なくとも65℃である。
【0020】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は2.35g/cmから2.40g/cmの範囲の形成温度における溶融密度を有する。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は2.36g/cmから2.38g/cmの範囲の溶融密度を有する。
【0021】
本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、約390E−3N/mから400E−3N/mの範囲の形成温度における溶融表面張力を有する。
【0022】
本明細書に提示されているようにガラス繊維は、本発明のガラス組成物の一部の実施態様から形成することができる。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は、約53GPaから約65GPaの範囲のモジュラス(E)を有する。さらに、一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は、1.30〜1.35Emの範囲の比強度を有する。
【0023】
本発明のガラス組成物から形成される繊維は、一部の実施態様において、酸およびアルカリ腐食抵抗性も示す。例えば、一実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は、100℃において1NのHSO(pH0)に1時間曝露されると約0.55から約0.60の範囲の重量減少(重量%)がある。別の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は、100℃において0.1NのNaOH(pH12)に1時間曝露されると、約0.25から0.30の範囲の重量減少(重量%)がある。
【0024】
本発明のガラス組成物から形成されるガラス繊維は、さまざまな強化用途において用いることができる。一部の実施態様において、本発明のガラス繊維は、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーを含むポリマーの強化において用いられる。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成されるガラス繊維は、セメントおよび屋根板などの屋根システムを含むがこれに限定されるものではない建材の強化において用いられる。
【0025】
別の局面において、本発明は、パーライトおよび/または軽石を含む、顕著な量の1つ以上のガラス状鉱物を含むバッチ組成物からガラス組成物を作る方法を提供する。
【0026】
一実施態様において、本発明のガラス組成物を作る方法は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物であって、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含むバッチ組成物を提供するステップ、およびガラス組成物を形成するのに十分な温度にバッチ組成物を加熱するステップを含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は、約1400℃から約1450℃の温度に加熱される。
【0027】
これらの実施態様および他の実施態様は、以下の発明を実施するための形態において、より詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の一実施態様による、微粒パーライトと粗粒パーライトとの固体から液体への変換を比較する高温示差熱分析(DTA)の結果を提示している。
【図2】図2は、本発明の実施態様によるガラス組成物の溶融粘度の測定において用いられる装置を例示している。
【図3】図3は、本発明の実施態様によるガラス組成物の液相線温度(T)の測定において用いられる炉の熱電対の位置および加熱コイルの巻き数を例示している。
【図4】図4は、本発明の一実施態様によるガラス組成物、2つの市販E−ガラス組成物、およびC−ガラス組成物について温度−粘度曲線を提示している。
【図5】図5は、本発明の一実施態様によるガラス組成物、および2つの市販E−ガラス組成物について溶融ガラス表面張力を温度の関数として提示している。
【図6】図6は、本発明の一実施態様によるガラス組成物、および2つの市販E−ガラス組成物についての温度の関数としての融解または溶融ガラス密度のプロットである。
【図7】図7は、本発明の一実施態様によるガラス組成物、ならびにE−ガラスおよびC−ガラス組成物についての温度の関数としての電気伝導率のプロットである。
【図8】図8は、いくつかのバッチ組成物から本発明の一実施態様によるガラス溶融組成物への変換のためのエネルギー所要量を提示している。
【図9】図9は、本発明の一部の実施態様によるさまざまなガラス組成物の繊維強度のワイブル統計解析を要約している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
特に明記されない限り、以下の明細書中に示されている数値パラメータは近似値であり、本発明によって得られるべく求められる所望の特性に応じて変化し得る。少なくとも、かつ均等物の原理の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告されている有意な桁数を考慮するとともに通常の丸め技法を適用することによって解釈するべきである。
【0030】
本発明の広義の範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるが、特定の実施例に示されている数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、いずれの数値もそれらのそれぞれの試験測定において見いだされる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を固有に含んでいる。さらに、本明細書に開示されているすべての範囲は、その中に包含されるありとあらゆる部分範囲を包含すると理解するべきである。例えば、「1から10」の提示範囲は、最小値1と最大値10との間の(1および10を含む)ありとあらゆる部分範囲、すなわち1以上の最小値、例えば1から6.1で始まるものと、10以下の最大値、例えば5.5から10で終るものとのすべての部分範囲を含むとみなすべきである。さらに、「本明細書に組み込まれる」として参照されるいずれの参考文献も、その全体として組み込まれると理解するべきである。
【0031】
さらに、本明細書において用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、明示的にかつ疑念の余地なく1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含む点に注意すること。
【0032】
本発明の特定の実施態様は、ガラス状鉱物によって提供されるさまざまな熱力学上および加工上の利点を使用して望ましい特性を有するガラス組成物を提供することができる。一局面において、本発明は、パーライトおよび/または軽石を含む、顕著な量の1つ以上のガラス状鉱物を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を提供する。本ガラス組成物は、一部の実施態様において、繊維化可能なガラス組成物とすることができる。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成されるガラス繊維は、E−ガラスおよびC−ガラス組成物などの従来の組成物から形成されるガラス繊維以上の機械特性および腐食抵抗特性を含むがこれに限定されるものではない、有利な特性を示すことができる。
【0033】
本発明のさまざまな実施態様は、繊維化可能なガラス組成物を含むがこれに限定されるものではないガラス組成物を提供する。一実施態様において、本発明は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を提供し、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも65重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。別の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも68重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。
【0034】
一部の実施態様において、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含むガラス状鉱物は、パーライト、軽石、またはそれらの混合物である。
【0035】
さらに、一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも10重量パーセントのナトリウム源を含む。別の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも12重量パーセントのナトリウム源を含む。本発明のバッチ組成物において用いられる適当なナトリウム源は、一部の実施態様において、炭酸ナトリウム(ソーダ)を含む。
【0036】
別の実施態様において、本発明は、53〜64重量パーセントのSiO、8〜12重量パーセントのAl、8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物(RO)成分、および金属酸化物(RO)成分を含むガラス組成物を提供し、金属酸化物成分は、約0.15から約1.5の範囲のRO/ROの質量比を提供する量で存在する。
【0037】
一部の実施態様において、RO成分は単一の化合物に限定されず、いくつかの化合物を含んでよい。一部の実施態様において、RO成分はNaO、KOもしくはLiO、またはそれらの混合物を含む。さらに、一部の実施態様において、RO成分は、NaOだけ、KOだけ、LiOだけ、NaOとKOとの組み合わせ、KOとLiOとの組み合わせ、NaOとLiOとの組み合わせ、またはNaO、KOおよびLiOの組み合わせを意味してよいがこれに限定されるものではない。
【0038】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は6.5重量パーセントから約16重量パーセントの範囲の量のNaOを含む。別の実施態様において、ガラス組成物は9重量パーセントから13重量パーセントの範囲の量のNaOを含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は10重量パーセントから12.5重量パーセントの範囲の量のNaOを含む。
【0039】
本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、2重量パーセントから4重量パーセントの範囲の量のKOを含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は2.5重量パーセントから3.5重量パーセントの範囲の量のKOを含む。
【0040】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は、最大2重量パーセントの量のLiOを含む。ガラス組成物は、別の実施態様において、0.5重量パーセントから1.5重量パーセントの範囲の量のLiOを含む。
【0041】
一部の実施態様において、RO成分はMgO、CaO、SrO、BaOもしくはZnO、またはそれらの混合物を含む。一部の実施態様において、RO成分はMgOだけ、CaOだけ、SrOだけ、BaOだけまたはZnOだけを含んでよい。一部の実施態様において、RO成分は、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの2つ以上の金属酸化物のいずれの組み合わせも含んでよい。RO成分は、一部の実施態様において、本発明のガラス組成物中に7重量パーセントから31重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0042】
一実施態様において、本発明のガラス組成物は最大5重量パーセントの量のMgOを含む。ガラス組成物は、別の実施態様において、1重量パーセントから4重量パーセントの範囲の量のMgOを含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は2重量パーセントから3重量パーセントの範囲の量のMgOを含む。
【0043】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は7重量パーセントから26重量パーセントの範囲の量のCaOを含む。ガラス組成物は、別の実施態様において、8重量パーセントから20重量パーセントの範囲の量のCaOを含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は10重量パーセントから14重量パーセントの範囲の量のCaOを含む。
【0044】
一部の実施態様において、ガラス組成物は最大3重量パーセントの量のZnOを含む。
【0045】
本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、ROに加えて、ZrO、TiO、MnOもしくはLa、またはそれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない金属酸化物を含む。一部の実施態様において、ガラス組成物は最大3重量パーセントの量のZrO、最大3重量パーセントの量のTiO、最大3重量パーセントの量のMnOおよび/または最大3重量パーセントの量のLaを含んでよい。
【0046】
別の実施態様において、本発明は56〜63重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、12〜17重量パーセントのRO(CaO+MgO)、12〜14重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含むガラス組成物を提供する。
【0047】
別の実施態様において、本発明は60〜64重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、7〜15重量パーセントのRO(CaO+MgO)、13〜15.5重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含むガラス組成物を提供する。
【0048】
別の実施態様において、本発明は55〜63重量パーセントのSiO、9〜14重量パーセントのAl、11〜16.5重量パーセントのRO(CaO+MgO)、14〜17重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含むガラス組成物を提供する。
【0049】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は1重量パーセント未満のFe含有率を有する。ガラス組成物は、他の実施態様において、0.7重量パーセント未満のFeを含んでよい。
【0050】
本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、約1120℃から約1300℃の範囲の形成温度(T)を有する。別の実施態様において、本発明のガラス組成物は約1150℃から約1250℃の範囲の形成温度を有する。一部の実施態様において、ガラス組成物は約1200℃から約1225℃の範囲の形成温度を有する。
【0051】
本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、約1020℃から約1240℃の範囲の液相線温度を有する。別の実施態様において、本発明のガラス組成物は約1070℃から約1200℃の範囲の液相線温度を有する。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は約1110℃から約1140℃の範囲の液相線温度を有する。
【0052】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物の形成温度と液相線温度との間の差は約45℃から約165℃の範囲である。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物の形成温度と液相線温度との間の差は少なくとも65℃である。
【0053】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は2.35g/cmから2.40g/cmの範囲の形成温度における溶融密度を有する。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物は2.36g/cmから2.38g/cmの範囲の溶融密度を有する。本明細書においてさらに考察されるように、一部の実施態様において、本発明の一部のガラス組成物の溶融密度は、一部のE−ガラス組成物の溶融密度より5%から7%低い。その結果、本発明の一部のガラス組成物から形成されるガラス繊維は、一部のE−ガラス繊維と比較して単位体積あたりで軽い。より軽いガラス繊維は、多くの用途、特にポリマー強化用途などの、多くの場合に軽量化が非常に望ましい材料強化用途において利点とすることができる。さらに、より低い密度の結果として、本発明の一部のガラス組成物から形成されるガラス繊維は、同じ重量の一部のE−ガラス繊維と比較してより大きな直径を有し、それにより、向上した機械特性を提供することができる。
【0054】
さらに、本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、約390E−3N/mから400E−3N/mの範囲の形成温度における溶融表面張力を有する。
【0055】
本明細書に提示されているように、本発明のガラス組成物は、パーライトおよび/または軽石を含む、顕著な量の1つ以上のガラス状鉱物を含むバッチ組成物から製造することができる。顕著な量のガラス状鉱物を含むバッチ組成物から製造される際に、本発明のガラス組成物は、一部の実施態様においてかなり大きな省エネルギーを実現することができる。本明細書においてさらに考察されるように、一部の実施態様において、本発明のガラス組成物の溶融物の製造に必要なエネルギーは、一部のE−ガラス組成物の溶融物を製造するために必要なエネルギーと比較して最大33%少ない。
【0056】
本発明のガラス組成物は、いくつかの方法によって製造することができる。一実施態様において、ガラス組成物を製造する方法は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含むバッチ組成物を提供するステップ、およびガラス組成物の溶融物を形成するのに十分な温度にバッチ組成物を加熱するステップを含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は約1400℃から約1450℃の温度に加熱される。
【0057】
一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも65重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。別の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも68重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。
【0058】
一部の実施態様において、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含むガラス状鉱物は、パーライト、軽石、またはそれらの混合物である。本発明のガラス組成物の製造において用いられるパーライトおよび/または軽石は、一部の実施態様において、微粒子または粉体の形で提供される。一部の実施態様において、微細な粒子サイズを有するパーライトおよび/または軽石組成物を用いることによって、より粗い粒子サイズと対比して追加の省エネルギーを実現することができる。図1は、微粒パーライト(約200メッシュ)と粗粒パーライト(約45メッシュ)との固体から液体への変換を比較する高温示差熱分析(DTA)の結果を例示している。図1に例示されているように、微粒パーライトと粗粒パーライトとはともに室温でガラス状または非晶質であるが、微粒パーライトは粗粒パーライトと比べて固体から液体への変換時に必要なエネルギーが少ない。さらに、微粒パーライトは、粗粒パーライトより低い温度で液体形成を始める。
【0059】
さらに、一部の実施態様において、本発明のバッチ組成物は少なくとも10重量パーセントのナトリウム源を含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも12重量パーセントのナトリウム源を含む。本発明のバッチ組成物に用いられる適当なナトリウム源は、一部の実施態様において、炭酸ナトリウム(ソーダ)を含む。
【0060】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物を製造するために用いられるバッチ組成物は、石灰岩、ドロマイト、またはそれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない他の鉱物をさらに含む。例えば、一実施態様において、バッチ組成物は最大17重量パーセントの石灰岩をさらに含む。別の実施態様において、バッチ組成物は最大13重量パーセントのドロマイトをさらに含む。
【0061】
本明細書に提示されているように、ガラス繊維は、本発明のガラス組成物のいずれからも形成することができる。本発明のさまざまな実施態様によるガラス繊維は、ガラス繊維を形成するために当分野において知られているいずれのプロセス、より望ましくは基本的にガラス長繊維を形成するために当分野において知られているいずれのプロセスを用いても形成することができる。例えば、本明細書において限定するものではないが、本発明の非限定的な実施態様によるガラス繊維は、直接溶融または間接溶融繊維形成方法を用いて形成することができる。これらの方法は当分野において周知であり、それについてのこれ以上の考察は、本開示を考慮すると必要とは思われない。例えば、K.L.Loewensteinの「The Manufacturing Technology of Continuous Glass Fibers」の第3版、Elsevier、N.Y.、1993年の47〜48頁および117〜234頁を参照すること。
【0062】
一実施態様において、本発明は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を含むガラス繊維を提供し、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも65重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。別の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも68重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。
【0063】
別の実施態様において、本発明は、53〜64重量パーセントのSiO、8〜12重量パーセントのAl、8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物(RO)成分および金属酸化物(RO)成分を含み、金属酸化物成分は、約0.15から約1.5の範囲のRO/ROの質量比を提供する量で存在するガラス繊維を提供する。
【0064】
別の実施態様において、本発明は56〜63重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、12〜17重量パーセントのRO(CaO+MgO)、12〜14重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含むガラス繊維を提供する。
【0065】
別の実施態様において、本発明は60〜64重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、7〜15重量パーセントのRO(CaO+MgO)、13〜15.5重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含むガラス繊維を提供する。
【0066】
別の実施態様において、本発明は55〜63重量パーセントのSiO、9〜14重量パーセントのAl、11〜16.5重量パーセントのRO(CaO+MgO)、14〜17重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含むガラス繊維を提供する。
【0067】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は約53.0GPaから約65.0GPaの範囲のモジュラス(E)を有する。別の実施態様において、本発明のガラス組成物から(form)形成される繊維は約56GPaから約62GPaの範囲のモジュラス(E)を有する。さらに、一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は1.30〜1.35Emの範囲の比強度を有する。
【0068】
一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は酸およびアルカリ腐食抵抗性も示す。例えば、一実施態様において、本発明のガラス組成物から形成されるガラス繊維は100℃において1NのHSO(pH0)に1時間曝露されると0.55から0.60の範囲の重量減少(重量%)を有する。別の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成されるガラス繊維は100℃において1NのHSO(pH0)に1時間曝露されると0.60から1.70の範囲の重量減少(重量%)を有する。
【0069】
別の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成される繊維は100℃において0.1NのNaOH(pH12)に1時間曝露されると約0.25から約0.30の範囲の重量減少(重量%)を有する。本発明のガラス組成物から形成される繊維は、一部の実施態様において、100℃において0.1NのNaOH(pH12)に1時間曝露されると0.35から0.85の範囲の重量減少(重量%)を有する。
【0070】
本明細書において限定するものではないが、本発明の一部の実施態様によるガラス繊維は、構造強化用途において有用なものとすることができる。一部の実施態様において、本発明のガラス繊維は熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーを含むポリマーの強化において用いられる。一部の実施態様において、本発明のガラス組成物から形成されるガラス繊維はセメントおよび屋根板などの屋根システムを含むがこれに限定されるものではない建材の強化において用いられる。
【0071】
一実施態様において、本発明は、ポリマー材料とポリマー材料中にある少なくとも1つのガラス繊維とを含むポリマー複合材料を提供し、少なくとも1つのガラス繊維は、少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。一部の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも65重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。別の実施態様において、バッチ組成物は少なくとも68重量パーセントのガラス状鉱物を含み、ガラス状鉱物は少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含む。
【0072】
別の実施態様において、本発明は、ポリマー材料とポリマー材料中にある少なくとも1つのガラス繊維とを含むポリマー複合材料を提供し、少なくとも1つのガラス繊維は53〜64重量パーセントのSiO、8〜12重量パーセントのAl、8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物(RO)成分および金属酸化物(RO)成分を含み、金属酸化物成分は約0.15から約1.5の範囲のRO/ROの質量比を提供する量で存在する。
【0073】
別の実施態様において、本発明は、ポリマー材料とポリマー材料中にある少なくとも1つのガラス繊維とを含むポリマー複合材料を提供し、少なくとも1つのガラス繊維は56〜63重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、12〜17重量パーセントのRO(CaO+MgO)、12〜14重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含む。
【0074】
別の実施態様において、本発明は、ポリマー材料とポリマー材料中にある少なくとも1つのガラス繊維とを含むポリマー複合材料を提供し、少なくとも1つのガラス繊維は60〜64重量パーセントのSiO、9〜12重量パーセントのAl、7〜15重量パーセントのRO(CaO+MgO)、13〜15.5重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含む。
【0075】
別の実施態様において、本発明は、ポリマー材料とポリマー材料中にある少なくとも1つのガラス繊維とを含むポリマー複合材料を提供し、少なくとも1つのガラス繊維は55〜63重量パーセントのSiO、9〜14重量パーセントのAl、11〜16.5重量パーセントのRO(CaO+MgO)、14〜17重量パーセントのRO(NaO+KO)、0〜2重量パーセントのLiO、0〜3重量パーセントのZnO、0〜3重量パーセントのZrO、0〜3重量パーセントのMnOおよび0〜3重量パーセントのLaを含む。
【0076】
本発明のさまざまな実施態様によるポリマー複合体は、ポリマー複合体を作るために当分野において知られているいずれの方法によっても作ることができる。例えば、一実施態様において、本発明によるポリマー複合体は、ガラス繊維の織布または不織布またはマットにポリマー材料を含浸させ、次にポリマー材料を硬化させることによって作ることができる。別の実施態様において、本発明のガラス組成物を含むガラス長繊維および/またはガラス短繊維は、ポリマー材料中に配置することができる。ポリマー材料の素性に応じて、ポリマー材料はガラス長繊維または短繊維を受け入れた後に硬化させることができる。
【0077】
次に、以下の非限定的な実施例において、本発明のさまざまな非限定的な実施態様が例示される。
【実施例】
【0078】
表Iに提示されている本発明のガラス組成物の実施例1から6を、65〜72重量パーセントのパーライト、0〜22重量パーセントのドロマイト、6〜35重量パーセントの石灰岩および0〜8重量パーセントのソーダを含む成分の混合物を提供することによって調製した。実施例1から6を製造するために用いられたパーライト、ドロマイト、石灰岩および/またはソーダの特定の量を、各ガラス組成物の所望の組成パラメータに関して各鉱物の組成パラメータを参照して決定した。続いて、鉱物の混合物を約1400℃の温度に加熱して溶融ガラス組成物を得た。溶融ガラス組成物を冷却して実施例1から6のガラス組成物を提供した。
【0079】
【表1】

表IIに提示されている本発明のガラス組成物の実施例7から13を、69〜71重量パーセントのパーライト、6〜20重量パーセントの石灰岩および7〜10重量パーセントのソーダを含む成分の混合物を提供することによって調製した。実施例7から13を製造するために用いられたパーライト、石灰岩およびソーダの特定の量を、各ガラス組成物の所望の組成パラメータに関して各鉱物の組成パラメータを参照して決定した。続いて、鉱物の混合物を約1400℃の温度に加熱して溶融ガラス組成物を得た。溶融ガラス組成物を冷却して実施例7から13のガラス組成物を提供した。
【0080】
【表2】

ガラス組成物を製造するために用いられたバッチ組成物にZrOおよびTiOを加えた。
【0081】
表IIIに提示されている本発明のガラス組成物の実施例14から19を、69〜72重量パーセントのパーライト、0〜13重量パーセントのドロマイト、3〜17重量パーセントの石灰岩および7〜10重量パーセントのソーダを含む成分の混合物を提供することによって調製した。実施例14から19を製造するために用いられたパーライト、石灰岩、ソーダおよび/またはドロマイトの特定の量を、各ガラス組成物の所望の組成パラメータに関して各鉱物の組成パラメータを参照して決定した。続いて、鉱物の混合物を約1400℃の温度に加熱して溶融ガラス組成物を得た。溶融ガラス組成物を冷却して実施例14から19のガラス組成物を提供した。
【0082】
【表3】

1重量%NaOの代りに1重量%LiO、精製に用いられたSbを除去した
精製にSbを用いた
表IVに提示されている本発明のガラス組成物の実施例20から37を、68〜73重量パーセントのパーライト、0〜13重量パーセントのドロマイト、4〜16重量パーセントの石灰岩および12〜17重量パーセントのソーダを含む成分の混合物を提供することによって調製した。実施例20から37を製造するために用いられたパーライト、石灰岩、ソーダおよび/またはドロマイトの特定の量を、各ガラス組成物の所望の組成パラメータに関して各鉱物の組成パラメータを参照して決定した。続いて、鉱物の混合物を約1400℃の温度に加熱して溶融ガラス組成物を得た。溶融ガラス組成物を冷却して実施例20から37のガラス組成物を提供した。
【0083】
【表4】

添加剤としてBを用いられた
**1重量%NaOおよび1重量%CaOの代りにZnOを使用し、Sbを除去した
表Vに提示されている実施例38のガラス組成物を、1重量%のNaOの代わりに1重量%のLiOを用いたことおよび精製時に用いられたSbをすべて除去したことを除き、上記の実施例12のガラス組成物に従って調製した。表Vの実施例39のガラス組成物を、1重量%のNaOおよび1重量%のCaOの代わりにZnOを用いたことおよび精製時に用いられたSbをすべて除去したことを除き、上記の実施例12のガラス組成物に従って調製した。
【0084】
【表5】

表VIに提示されている本発明のガラス組成物の実施例40から71を、ガラス組成物がLiO、La、MnO、TiO、ZnO、およびZrOのさまざまな組み合わせを含むように設計されたことを除き、上記の実施例12のガラス組成物に従って調製した。さまざまな量のLiCO、La、MnO、TiO、ZnOおよびZrOを実施例12のバッチ組成物に組み込み、実施例39〜70を製造した。さらに、実施例39〜70のガラス組成物のそれぞれは0.09重量%のSO、0.27〜0.28重量%のFおよび0.53〜0.55重量%のFeも含んでいた。
【0085】
【表6】

I.溶融特性
実施例1から71のいくつかのガラス組成物の溶融特性を検討した。本発明のガラス組成物の溶融特性の検討は、さまざまな組成パラメータがガラス組成物の形成温度(T)および液相線(T)温度を含む加工上考慮すべきことにどのように影響を及ぼすかを定める助けとなった。
【0086】
本発明のさまざまなガラス組成物の形成温度を決定するための溶融粘度の測定を、10〜10ポアズの粘度範囲で釣り合いおもり法によって実行した。この方法を実行するために用いられた装置は、NIST標準ガラスを用いて較正された。図2は、この装置の概略を示している。
【0087】
溶融粘度を測定するための装置(1)は、16mmの直径を有する白金球(2)を備えていた。白金球(2)を、分析用天秤の右側秤量部に取り付けられた特別なブラケット/ホルダー(11)の助けを借りて細い白金ワイヤー(6)で吊り下げた。最初に、白金ワイヤー(6)の第一の末端をA点においてブラケット/ホルダーに取り付けた。炉(9)を暖めた後、白金球をるつぼ(3)の内部の試料溶融物の中に置き、ワイヤーの第1の末端をB点においてブラケット/ホルダーに取り付けて、白金球(2)を溶融物の中央に配置した。白金球(2)とるつぼ(3)の壁との間の距離は13〜15mmであった。この距離がこれより小さいと、測定の精度に影響が及ぶであろう。
【0088】
ライダーの重量を変化させることによって溶融物の中の白金球(3)の運動を実行した。溶融物の中のこの球の運動の速度は、天秤秤量部で観測された天秤指針移動の相対数で定義された。天秤指針が零位置から100ポイント両側に動いたとき、溶融物の中の球は中心位置から上下に1.7mm移動した。天秤の感度は100ポイントあたり10mgであった。炉の中のるつぼ(3)の隣にPt/PtRh熱電対を置き、炉の自動温度調節を提供した。Al粉体で満たされたるつぼ(10)の内部に別の熱電対(5)の高温側末端があった。この熱電対は電位差計と接続されて炉の温度を設定点に制御した。温度調節の精度は±1.5℃であった。
【0089】
測定時、白金球(2)はその重力下で溶融物の中の定められた上位置から定められた下位置へ移動し、ストップウォッチを用いて0.1秒以内の精度で移動時間を記録した。溶融物の粘度に応じて20〜60秤量目盛りへの天秤秤量部の移動時間を測定した。白金球(2)運動の速度(秤量目盛りあたり/秒)は6回の測定の平均値として定められた。
【0090】
検討した各ガラス組成物について速度(V)−重量(G)データを用いてV−Gのプロットを作成し、そのすべてがV−G座標の原点を通る直線を示した。各線の勾配kは、
logη=a*log(tgk)+b
の形で溶融粘度と相関し、ここで、a(1.09)およびb(0.87)は、NIST標準ガラス(710A)を用いるセル較正から求められた定数であった。粘度を定める際の相対誤差は、2.5<logη<3.5の粘度範囲で3%以内、logη<2.5およびlogη>3.5の範囲で4〜6%以内であった。
【0091】
ガラス組成物液相線温度(T)の測定を、最大温度1250℃を有する管型傾斜炉の中で行った。炉室の寸法は、長さ480mmおよび直径50mmであった。炉の幾何形状および寸法は、ASTM C829−81によって推薦されているものに近かった。図3は、熱電対の位置および加熱コイルの巻き数を例示している。コイルは、2mmの直径を有するNiCr抵抗合金ワイヤーでできていた。
【0092】
表VIIは、実施例1〜22のガラス組成物について、測定された液相線温度(T)と1000ポアズの溶融粘度によって定められた基準形成温度(T)とをまとめたものである。実施例1〜6のガラス組成物は、傾斜温度炉の設定上限である1240℃より大きな液相線温度を示した。その結果、これらの組成物について形成温度の測定のための粘度測定は行われなかった。さらに、いくつかのガラス組成物は、少なくとも65℃の液相線温度と形成温度との差を維持しながら、より低い液相線温度および形成温度を有することにより、望ましい溶融特性を示した。実施例18、20および21は、それぞれ少なくとも75℃の液相線温度と形成温度との差を維持しながら1222℃未満の形成温度を示した。
【0093】
【表7】

表VIIIは、実施例40から71のガラス組成物について、測定された液相線温度(T)と形成(T)温度とをガラス組成物中のLiOの重量パーセントの関数としてまとめたものである。表VIIIに提示されているように、本発明のガラス組成物の液相線および形成温度を低くする上でLiOが重要な役割を演じ、形成温度および液相線温度の低下の最小値はそれぞれ30℃および43℃である。
【0094】
【表8】

図4は、実施例18のガラス組成物、2つのE−ガラス組成物およびC−ガラス組成物について、温度−粘度曲線を提示している。図4から、実施例18のガラス組成物の温度−粘度特性は、C−ガラス組成物のものと同様である点に注目する。さらに、実施例18のガラス組成物についての粘度変化は、E−ガラス組成物について示されているものほど急激ではない。その結果、請求項18のガラス組成物は「長い」ガラスであることを特徴とすることができ、一方、E−ガラス組成物は「短い」ガラスである。実施例18などのより長いガラスは、原則として、繊維が形成チップから出た直後の形成温度範囲での溶融粘度の低下が遅くなる結果として形成張力が小さくなるために、細いフィラメントの製造形成に有利である。
【0095】
図5は、実施例22のガラス組成物について、温度の関数としての溶融ガラス表面張力を2つのE−ガラス組成物と比較して示すことにより、形成張力の低下をさらに例示している。図5に提示されているように、形成温度における実施例22のガラス組成物の表面張力はE−ガラス組成物より9%および14%低い。
【0096】
図6は、2つのE−ガラス組成物と比較した実施例22のガラス組成物についての融解または溶融ガラス密度の温度の関数としてのプロットである。図6に提示されているように、実施例22のガラス組成物は、E−ガラス組成物と同様な温度依存性(勾配)を示したが、E−ガラス組成物よりそれぞれ5%および7%低い溶融密度を有した。その結果、本発明の一部のガラス組成物から形成されたガラス繊維は、単位体積あたり一部のE−ガラス繊維と比較して軽くなる。より軽いガラス繊維は、軽量化が非常に望ましい多くの用途、特にポリマー強化用途などの材料強化用途において利点とすることができる。さらに、密度低下の結果として、本発明の一部のガラス組成物から形成されたガラス繊維は、同じ重量の一部のE−ガラス繊維と比較して直径を大きくすることができ、それにより、向上した機械的特性を提供することができる。
【0097】
図7は、E−ガラスおよびC−ガラス組成物と比較した実施例25のガラス組成物についての温度の関数としての電気伝導率のプロットである。図7に提示されているように、実施例25のガラス組成物およびC−ガラス組成物は、それらのアルカリ金属含有率が顕著に高くなっているため、E−ガラスよりはるかに高い電気伝導率を示している。無機ガラス組成物の溶融物伝導率は、一般的にナトリウムおよびカリウムの移動性イオンによって支配されている。E−ガラス組成物中のナトリウムおよびカリウムイオン含有率が低いことの結果として、電気融解技術はE−ガラス加工のための補助支援システムとして用いられているだけである。しかし、電気融解技術は、C−ガラス組成物の加工のための主エネルギーとして用いられてきた。本発明のガラス組成物が一部の実施態様において一部のC−ガラス組成物より高い溶融物伝導率を示すことを考えると、電気溶融技術は本発明のガラス組成物の加工に利用され得る。
【0098】
さらに、パーライトおよび/または軽石を含むバッチ組成物から形成される本発明のガラス組成物は、一部の実施態様において、バッチ組成物をガラス融解組成物に変換するために必要なエネルギーが少なくなる。図8は、パーライトを含むバッチ組成物を実施例12のガラス融解組成物に変換するために必要なエネルギーを提示している。図8は、E−ガラスバッチ組成物を関連するガラス溶融物に変換するために必要なエネルギーも示している。図8に示されているように、実施例12のバッチ組成物をガラス融解組成物に変換するために必要なエネルギーは、E−ガラスバッチ組成物をガラス融解組成物に変換するために必要なエネルギーより20%少なかった。第2のE−ガラスバッチ組成物をガラス融解組成物に変換するために必要なエネルギーも、実施例12のバッチ組成物をガラス融解組成物に変換するために必要なエネルギーと比較された。実施例12のバッチ組成物を変換するために必要なエネルギーは、第2のE−ガラスバッチ組成物をガラス融解組成物に変換するエネルギーより約33パーセント(% percent)少なかった。
II.酸およびアルカリ腐食抵抗性
実験室内において単一チップブッシング装置を用いて本発明のガラス組成物から形成される繊維が作られた。同じ試験条件下の市販ガラス繊維腐食抵抗性と比較するために、AR−、C−、ECR−およびE−のガラス繊維もカレットを用いる同じ方法を用いて作られた。
【0099】
浸出試験後の相対試料パーセント重量減少という観点からガラス繊維の腐食への抵抗性を評価した。試験を、さまざまなpH条件で硫酸または水酸化ナトリウム溶液中100℃で繊維の糸を1時間煮沸することによって行った。試験をすべて、試料質量または体積(5,000m)に対する溶液体積の比を一定に保つことによって実行した。各試験のために50mlの溶液および1.375グラム(フィラメント直径22μm)のを用いられた。平均試料重量減少を決定するために3連の試料を試験した。酸およびアルカリ腐食抵抗性試験の結果は、表IXに示されている。
【0100】
【表9】

平均は、3つの個別試験から求め、標準偏差は0.1%以下である。
C−ガラス(重量%):66 SiO、5.5 Al、10.4 CaO、3.6 MgO、0.3 Fe、0.2 KO、12.5 NaO、0.5F、および0.2 SO
AR−ガラス(重量%):57 SiO、3.2 Al、15 ZrO、4.2 CaO、0.1 MgO、0.1 Fe、0.1 KO、12 NaO、0.5 F、および0.23 SO
III.機械的試験
実験室において単一チップブッシングから10μmの直径の繊維を引くことによって、本発明の実施例37のガラス組成物から形成された繊維の引張り強度を測定した。続いて、繊維を繊維形成の同じ日のうちに繊維に両端から引張り力を加えることによって試験した。図9は、57の試料サイズの場合について、平均約3050MPaおよび標準誤差22.4MPaを用いる繊維強度のワイブル統計解析のまとめである。テール部分を除くと、強度は単一ワイブル分布と適合し、単一破壊モードが繊維破壊(fiber failure)を支配していることを明らかに示唆した。
【0101】
実験室において単一チップブッシングから本発明の実施例37のガラス組成物を含む直径30μmの繊維を引くことによって、繊維音響引張りモジュラスを測定した。続いて、繊維を両端から静荷重を加えて繊維の内部を移動する音の速度を測定することによって試験した。繊維密度も測定した。E=ρC、ここでE、ρおよびCはそれぞれモジュラス、密度および音速、を用いて引張りモジュラスを計算した。2つの異なる温度において2組の繊維を形成し、第1の組は1000ポアズの溶融粘度(低T形成)、第2の組は第1の組より50℃高い温度で形成した(高T形成)。表Xは、繊維モジュラスの統計解析のまとめであり、低形成温度の場合および高形成温度の場合について平均はそれぞれ約56.8GPaおよび61.5GPaである。
【0102】
【表10】

本発明の実施態様によって示すことができる望ましい特性は、ガラス状鉱物を利用する新しいガラス組成物の提供、パーライトを利用する新しいガラス組成物の提供、ガラス組成物の溶融物を形成するために必要なエネルギーが少なくなるバッチ組成物の提供、液相線温度と形成温度との顕著な差を示す新しいガラス組成物の提供、機械特性を低下させることなく重量を低下させたガラス繊維の提供、および望ましい酸およびアルカリ腐食抵抗性を示すガラス繊維の提供を含むことができるがこれに限定されるものではない。
【0103】
本記載は、本発明の明快な理解に関連する本発明の局面を例示していることが理解されるべきである。当業者に自明であろう、従って本発明のより良好な理解の助けとならない本発明の特定の局面は、本記載を単純にするために提示されなかった。特定の実施態様と結び付けられて本発明が記載されてきたが、本発明は開示されている特定の実施態様に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の技術思想および範囲内にある変更を包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
53〜64重量パーセントのSiO
8〜12重量パーセントのAl
8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物成分(RO)、および
金属酸化物(RO)成分
を含むガラス組成物であって、前記金属酸化物成分は、約0.15から約1.5の範囲のRO/RO比を提供する量で存在するガラス組成物。
【請求項2】
前記RO成分は、7重量パーセントから31重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項3】
前記RO成分は、金属酸化物の混合物を含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項4】
前記RO成分は、CaOとMgOとの混合物を含む、請求項3に記載のガラス組成物。
【請求項5】
前記RO成分は、7から26重量パーセントの範囲の量のCaOを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項6】
前記RO成分は、最大5重量パーセントの量のMgOを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項7】
前記RO成分は、NaO、KOもしくはLiO、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項8】
前記ROは、6.5から16重量パーセントの範囲の量のNaOを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項9】
Oは、2から4重量パーセントの範囲の量のKOを含む、請求項1の請求項に記載のガラス組成物。
【請求項10】
Oは、最大2重量パーセントの量のLiOを含む、請求項1の請求項に記載のガラス組成物。
【請求項11】
最大8重量パーセントの量のZrOをさらに含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項12】
前記RO成分は、最大3重量パーセントの量のZnOを含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項13】
最大3重量パーセントの量のMnOをさらに含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項14】
最大3重量パーセントの量のTiOをさらに含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項15】
最大3重量パーセントの量のLaをさらに含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項16】
約1120℃から約1300℃の範囲の繊維形成温度を有する、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項17】
前記ガラス組成物の形成温度と液相線温度との間の差は、少なくとも約65℃である、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項18】
前記ガラス組成物の形成温度と液相線温度との間の差は、約45℃から約165℃の範囲である、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項19】
少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物であって、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含むガラス状鉱物、および
少なくとも5重量パーセントのナトリウム源
を含むバッチ組成物から形成されるガラス組成物。
【請求項20】
前記バッチは、少なくとも60重量パーセントの前記ガラス状鉱物を含む、請求項19に記載のガラス組成物。
【請求項21】
前記バッチは、少なくとも65重量パーセントの前記ガラス状鉱物を含む、請求項19に記載のガラス組成物。
【請求項22】
前記バッチは、少なくとも10重量パーセントの前記ナトリウム源を含む、請求項19に記載のガラス組成物。
【請求項23】
前記ガラス状鉱物は、パーライト、軽石、またはそれらの混合物を含む、請求項19に記載のガラス組成物。
【請求項24】
少なくとも50重量パーセントのガラス状鉱物および少なくとも5重量パーセントのナトリウム源を含むバッチ組成物を提供するステップであって、前記ガラス状鉱物は、少なくとも80重量パーセントの量のSiOとAlとの組み合わせを含むステップ、および
前記バッチを加熱して前記ガラス組成物の溶融物を形成させるステップ
を含む、ガラス組成物を製造する方法。
【請求項25】
前記バッチ組成物は、約1120℃から約1300℃の範囲の繊維形成温度に加熱される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ガラス組成物を繊維化するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
56〜63重量パーセントのSiO
9〜12重量パーセントのAl
12〜17重量パーセントのRO(CaO+MgO)、
12〜14重量パーセントのRO(NaO+KO)、
0〜2重量パーセントのLiO、
0〜3重量パーセントのZnO、
0〜3重量パーセントのZrO
0〜3重量パーセントのMnO、および
0〜3重量パーセントのLa
を含むガラス組成物。
【請求項28】
60〜64重量パーセントのSiO
9〜12重量パーセントのAl
7〜15重量パーセントのRO(CaO+MgO)、および
13〜15.5重量パーセントのRO(NaO+KO)、
0〜2重量パーセントのLiO、
0〜3重量パーセントのZnO、
0〜3重量パーセントのZrO
0〜3重量パーセントのMnO、および
0〜3重量パーセントのLa
を含むガラス組成物。
【請求項29】
54〜63重量パーセントのSiO
9〜14重量パーセントのAl
11〜16.5重量パーセントのRO(CaO+MgO)、および
14〜17重量パーセントのRO(NaO+KO)、
0〜2重量パーセントのLiO、
0〜3重量パーセントのZnO、
0〜3重量パーセントのZrO
0〜3重量パーセントのMnO、および
0〜3重量パーセントのLa
を含むガラス組成物。
【請求項30】
前記ガラス組成物は、0.7重量パーセント未満のFeを含む、請求項27から29のいずれか1項に記載のガラス組成物。
【請求項31】
53〜64重量パーセントのSiO
8〜12重量パーセントのAl
8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物(RO)成分、および
金属酸化物(RO)成分
を含み、
前記金属酸化物成分は、約0.15から約1.5の範囲のRO/ROの質量比を提供する量で存在するガラス繊維。
【請求項32】
ポリマー材料、および
前記ポリマー材料の中にある少なくとも1つのガラス繊維であって、
53〜64重量パーセントのSiO
8〜12重量パーセントのAl
8.5〜18重量パーセントのアルカリ酸化物(RO)成分、および
金属酸化物(RO)成分
を含むガラス繊維
を含み、前記金属酸化物成分は、約0.15から約1.5の範囲のRO/ROの質量比を提供する量で存在するポリマー複合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−500938(P2013−500938A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523706(P2012−523706)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044275
【国際公開番号】WO2011/017343
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ,インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】