説明

ガードレール

【課題】 ビーム部分の凹部をふさいで粉塵による汚れを少なくするとともに美観を向上させる。
【解決手段】 支柱(1)の道路側に連続した溝部を有するビーム(3)を取り付けてなる道路用ガードレールにおいて、前記ビーム(3)の溝部に嵌合させて木材製の化粧板(5)を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路に設置されるガードレールに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の辺縁や車道と歩道との境界などに、通行する車両の路外への逸脱防止、転倒、転落防止のための安全設備としてガードレールが設置される。所定間隔で立てられた支柱に、水平方向のビームを取り付けた構造で、ビームには金属パイプやワイヤロープも使用されるが、一般的なのは鋼板を波形断面に加工したものである。図6はその一例を示すガードレールの正面図、図7は一部を断面で示す側面図、図8は図7のBB矢視による水平方向断面図で、1は支柱、2はブラケット、3はビームである。ビーム3は鋼板を波形断面に加工したもので、高さ方向の中間位置に溝部を有し、この部分でブラケット2を介して支柱1にボルトで固定される。なお、道路進行方向に連続する場合、隣接するビーム3は通常重ね合わせて取り付けるので、端部ではビームは2枚になる。
【0003】
ガードレールは、路外へ逸脱した車両を受け止めるだけの強度と、衝突時の衝撃を緩和する靱性を兼ね備えることが必要であり、鋼板製ビームの場合、これに必要な断面性能を付与するため波形断面に加工するのである。
しかし波形断面の鋼板製ビームは、凹部に粉塵が溜まりやすく汚れが見苦しいという問題点があり、ガードレールビームは塗装面積が大きいため存在感が強く周辺景観の中で浮き立つ存在となり易い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のガードレールにおけるビームの凹部を化粧材によってふさぎ、汚れを防止すると同時に美観を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定間隔で立設された支柱の道路側に連続した溝部を有するビームを取り付けてなる道路用ガードレールにおいて、前記ビームの溝部に嵌合させて化粧板を取り付けたことを特徴とする道路用ガードレールであり、望ましくは前記化粧板が木材であるか、あるいは表面に木材調の模様を施したものである前記の道路用ガードレールである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、粉塵のたまりやすい溝部をふさいで汚れを目立たなくすると共にガードレールの美観を向上して周辺景観になじませるという、すぐれた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施例を図面により説明する。図1は実施例のガードレールを示す正面図、図2は一部を断面で示す側面図、図3は図2のAA矢視による水平方向断面図で、符号はこれまでに説明したもののほか、4は補助ブラケット、5は化粧板、6は追って説明する当て金である。
本発明においては、波形断面に加工されたビーム3の溝部に嵌合させて、化粧板5を取り付けたことを特徴とする。化粧板5は、例えば木材から製造される。あるいは樹脂材の表面に木目模様をプリントしてもよい。場合によっては木目模様以外の意匠を施してもよい。化粧板の役割は、第1にビームのよごれやすい部分である溝部をふさぐこと、第2にビームに環境に調和する美観を付与することである。視線誘導機能は上下の白い部分によってこれまでどおり保持される。視線誘導機能を特に必要としない箇所においては、上下の鋼板部分を木材に近い色調に塗装することもできる。
【0008】
ビームは一般に3m、あるいは4mの長さがあるが、化粧板は必ずしもこれと同じ長さでなくともよい。例えば4mのビームに対して2mの化粧板を2枚取り付けてもよい。図3に示すように、化粧板5は補助ブラケット4を介してボルトでビーム3に重ねて取り付けるのがよい。
図4は化粧板5の断面図の例である。a)は外面をフラットにしたもの、b)はアクセントとして外面に3本の水平溝を設けたもの、c)は外面を円弧断面でふくらみを与えたものである。このほかさまざまな形状が考えられるが、美観という観点から適宜選択すればよい。
【0009】
図5はビーム3への取り付け構造の一例を示す化粧板5端部裏面の部分斜視図である。取り付けボルトなどが干渉しないように裏面を若干削った上で当て金6をねじ止めし、中央の孔にボルトを挿入して補助ブラケット4に締め付け、この補助ブラケット4をビーム3に重ね、補助ブラケット4、ビーム3、ビーム用のブラケット2を通しボルトで締め付けるようにする。このようにすればボルトの頭が化粧板5の表面から突出しないばかりでなく、木材の腐食や破損により化粧板が脱落することが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明実施例のガードレールを示す正面図である。
【図2】本発明実施例のガードレールを一部断面で示す側面図である。
【図3】図2のAA矢視による水平方向断面図である。
【図4】本発明実施例の化粧板の断面図である。
【図5】本発明実施例の化粧板端部裏面の部分斜視図である。
【図6】従来の技術におけるガードレールを示す正面図である。
【図7】従来の技術におけるガードレールを一部断面で示す側面図である。
【図8】図7のBB矢視による水平方向断面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 支柱
2 ブラケット
3 ビーム
4 補助ブラケット
5 化粧板
6 当て金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔で立設された支柱(1)の道路側に連続した溝部を有するビーム(3)を取り付けてなる道路用ガードレールにおいて、前記ビーム(3)の溝部に嵌合させて化粧板(5)を取り付けたことを特徴とする道路用ガードレール。
【請求項2】
前記化粧板(5)が木材である請求項1に記載の道路用ガードレール。
【請求項3】
前記化粧板(5)が表面に木材調の模様を施したものである請求項1に記載の道路用ガードレール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−322269(P2006−322269A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148264(P2005−148264)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(591060544)ヒノマル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】