キャップおよび薬液供給器
【課題】キャップが容易に取り外されることなく、かつ、容器内への水などの浸入を効果的に遮蔽できるキャップおよびこのキャップを備えた薬液供給器を提供する。
【解決手段】胴部3および口部4を有する薬液容器1の口部4に装着されるキャップ2であって、環状の本体部20と、薬液容器1の口部4の開口40を閉塞する底壁部21とを備える。本体部20は、薬液容器1の口部4の内周面と当接する内側壁部22と、薬液容器1の口部4の外周面を覆う外側壁部23と、内側壁部22と外側壁部23とを連結し口部4の頂面と当接するフランジ部24とを備え、内側壁部22に薄肉部25を介して底壁部20が設けられている。外側壁部23は、薬液容器1の口部4の外周面に向けて突き出て口部4の外周面に形成された係合段部41に係合する抜止め部26と、抜止め部26の下方に設けられ薬液容器1の胴部3の上面近くまで達する遮蔽部27とを有している。
【解決手段】胴部3および口部4を有する薬液容器1の口部4に装着されるキャップ2であって、環状の本体部20と、薬液容器1の口部4の開口40を閉塞する底壁部21とを備える。本体部20は、薬液容器1の口部4の内周面と当接する内側壁部22と、薬液容器1の口部4の外周面を覆う外側壁部23と、内側壁部22と外側壁部23とを連結し口部4の頂面と当接するフランジ部24とを備え、内側壁部22に薄肉部25を介して底壁部20が設けられている。外側壁部23は、薬液容器1の口部4の外周面に向けて突き出て口部4の外周面に形成された係合段部41に係合する抜止め部26と、抜止め部26の下方に設けられ薬液容器1の胴部3の上面近くまで達する遮蔽部27とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップおよび薬液供給器に関し、特に、芳香用、便器の洗浄用などに用いられる薬液を供給する薬液供給装置に使用される薬液容器など、容器の口部に取り付けられた状態で、取り外されることなく使用されるキャップおよびこのキャップを用いた薬液供給器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、便器の洗浄や芳香効果を得るための薬液供給装置が水洗トイレにおいて用いられている。この種の薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、貯水タンク上部の手洗い部に薬液供給装置が配置され、このタイプの薬液供給装置では、手洗い部上の給水管から手洗い部に供給される流水とともに、貯水タンク内に薬液容器の薬液が供給されるように構成されている。
【0003】
一方、貯水タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も使用されており、これに対しては、便器のリムに薬液供給装置が直接取り付けられる。このタイプの薬液供給装置は、薬液容器を支持する支持体に設けた可撓性フックを便器のリムに係止することにより、便器内に吊り掛けられる。支持体には薬液容器の下方に薬液受け部が取り付けられており、薬液容器から薬液受け部上に供給される薬液を水洗時の流水によってさらうことで、便器内に薬液が供給されるように構成されている。
【0004】
図11は、上記した貯水タンク上部の手洗い部に取り付けられるタイプの薬液供給装置の基本構造を示している(例えば、特許文献1参照)。薬液供給装置は、薬液容器100(図12に示す)を支持する支持体101を備え、支持体101に装着された薬液の案内部材102の長脚部102Aが貯水タンクの手洗い部の流し孔に挿入されるように配置される。
【0005】
薬液容器100は、図12に示すように、ドーム状の胴部110と胴部110の下面に設けられた口部111とを有しており、口部111には、キャップ112が取り付けられている。このキャップ112は、図13に示すように、環状の本体部113と、その中央の穴を塞ぐ底壁部114とで構成されている。使用に際しては、キャップ112を口部111に取り付け、キャップ112を下にした逆さの状態で、キャップ112の底壁部114に薬液供給装置の供給部103の接続部103Aの先端を差し込む。これにより、薄肉部119が破断し、底壁部114が本体部113から切り離されるため、薬液容器100内の薬液が薬液供給装置に供給されるようになっている。容器の口部111とキャップ112との間には、キャップ112が口部111から抜けない抜止め状態で係合する係合部材115,116がそれぞれ形成されており、使用の際に、使用者が誤ってキャップ112を口部111から取り外すことがないように規制されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
薬液供給装置に供給された薬液は、上下方向に延びた供給部103を通じて、供給部103の下端の導出孔104から案内部材102に供給される。そして、案内部材102に供給された薬液は、水洗時に手洗い部に供給される水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。
【0007】
薬液供給装置の支持体101には、図11に示すように、さらに調整機構が設けられている。この調整機構は、流水への接触などにより薬液容器100の温度が変動したときに、薬液容器100から案内部材102への薬液の余分な流出やその逆流が生じるのを防止するものであり、支持体101に支持された緩衝室Sと、緩衝室Sの上部に設けられた空気流通孔106と、緩衝室Sに連通するように供給部103の下部に設けられた緩衝孔107とを備えている。
【0008】
上記構成の薬液供給装置は、次のように動作する。温度が上昇し、薬液容器100内の圧力が上昇した場合には、薬液容器100内の薬液は、緩衝孔107から流れ出して緩衝室S内に流入する。一方、温度が低下し、薬液容器100内の圧力が低下すると、緩衝室S内の薬液が緩衝孔107を介して薬液容器100内へ引き戻される。このように、特許文献1に記載の薬液供給装置では、温度変化の繰り返しがあっても、緩衝室Sの存在により、薬液の余分な流出が防止される。その結果、薬液容器100から案内部材102へ薬液を正確な量で導出することが可能となり、長期使用が実現される。
【0009】
一方で、特許文献1に記載の薬液供給装置においては、緩衝室Sが、支持体101に支持された底壁および側壁を有する下部部材108に、側壁および上壁を有する上部部材109を上方から嵌合することにより形成されている。上記嵌合構造においては、上部部材109の側壁と下部部材108の側壁との境目105が、緩衝室Sの下方部に位置するようになっているために、手洗い部に供給される水に触れやすくなっている。そうすると、毛管作用などにより、この境目105を介して水が緩衝室S内に浸入するおそれがあり、この浸入した水によって緩衝室S内の薬液が薄められると、薄められた薬液は温度変化により薬液容器100内に吸収され、薬液容器100内の薬液まで希釈されることとなる。これでは、適正な薬液量による薬効が妨げられるばかりか、薬液の本来の粘度が低下し、薬液容器100から薬液が過剰に流出して長期使用を損ねることもある。
【0010】
このように、この種の薬液供給装置では、薬液容器内の薬液の濃度を適正に保つことが、薬液の長期使用を可能にする上で重要であり、薬液供給装置の側において、薬液容器内の薬液の希釈化を防止するための工夫が種々施されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−300861号公報
【特許文献2】特開2009−84803号公報(図2参照)
【特許文献3】特開2006−283540号公報(図8参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記構成の薬液容器は、熱可塑性樹脂製容器の製造方法として広く普及している中空成形法で成形されている。中空成形法は、大別してホットパリソン法とコールドパリソン法とが知られている。ホットパリソン法は、射出成形されたパリソンを、パリソン形成に引き続いてインラインで温調しブロー成形を行う方法である。一方、コールドパリソン法とは、パリソン形成をブロー成形と完全に切り離したものであり、射出成形されたパリソンを一旦取り出してプリフォームとして貯蔵し、次にこのプリフォームを再加熱してから別のブロー成形機で2軸延伸ブロー成形を行う方法である。後者は生産性が高い反面、成形設備費が高く、一方、前者は、省エネルギー的であり、成形安定性・成形設備費の点において後者よりも優れているために、薬液容器の多くは前者の成形法で成形されている。
【0013】
ホットパリソン法で成形される薬液容器100は、図12に示すように、その成形方法の特性上、口部111の基端部(口部111の胴部110との境界部)を部分的に厚い肉厚に形成する必要がある。よって、キャップ112も、この薬液容器100の厚肉部117の形状に応じた形に形成されている。
【0014】
しかしながら、薬液容器の生産性を鑑みると、コールドパリソン法により薬液容器を成形することも望まれているところ、コールドパリソン法で成形される薬液容器100´では、図14に示すように、その成形方法の特性上、ホットパリソン法で成形される薬液容器100とは異なり、口部111の基端部を薄い肉厚に形成する必要がある。
【0015】
このコールドパリソン法により成形された薬液容器100´の口部111を、上記構成のキャップ112により閉じると、キャップ112の係合部材116の先端と薬液容器100´の胴部110との間に隙間118が生じてしまう。これでは、使用者がキャップ112を容器100の口部111から誤って取り外そうとした場合に簡単にキャップ112が取り外されるという問題がある。そのうえ、薬液容器100´を上記した薬液供給装置に使用した時においては、水洗時の手洗い部や便器に供給される水や空気が、上記した隙間118から薬液容器100´内に浸入するおそれがあり、その結果、薬液容器100´内の薬液が希釈化するなどの問題が生じてしまう。このように、薬液容器の側においても、薬液の希釈化など防止するための工夫を施さなければ、薬液容器の有効使用を阻害してしまう。
【0016】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、キャップが容易に取り外されることなく、かつ、容器内への水などの浸入を効果的に遮蔽できるキャップ、および、このキャップを用いた薬液供給器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の上記目的は、液状物を収容する胴部および前記胴部内の液状物を注出する口部を有する容器の前記口部に装着されるキャップであって、環状の本体部と、前記容器の口部の開口を閉塞する前記本体部に分離可能に設けられた底壁部とを備え、前記本体部は、前記容器の口部の外周面を覆う外側壁部を少なくとも含み、前記外側壁部は、前記容器の口部の外周面に向けて突き出て前記口部の外周面に形成された係合段部に係合する抜止め部と、前記抜止め部の下方に設けられ前記容器の胴部の上面近くまで達する遮蔽部とを有しているキャップによって達成される。
【0018】
本発明の好ましい実施態様においては、前記遮蔽部は、前記外側壁部の下部に一体に備えられていることを特徴としている。
【0019】
本発明の他の好ましい実施態様においては、前記遮蔽部は、前記外側壁部に設けられた該キャップの径方向外側に突き出る突出部に一体に備えられていることを特徴としている。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記突出部は、前記外側壁部の下端部に設けられており、前記外側壁部が、前記容器の口部の基端部に設けられた肉厚が厚い厚肉部の上面に当接するとともに、前記遮蔽部が前記容器の厚肉部の周面を覆うように設けられることを特徴としている。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記遮蔽部は、その外周面が下方に向かうに連れて該キャップの径方向内側に向かって傾斜していることを特徴としている。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記本体部は、前記容器の口部の内周面と当接する内側壁部と、前記外側壁部と、前記内側壁部と前記外側壁部とを連結し前記口部の頂面と当接するフランジ部とを備え、前記内側壁部に薄肉部を介して前記底壁部が設けられていることを特徴としている。
【0023】
本発明の上記目的は、薬液を収容する胴部および前記胴部内の薬液を注出する口部を有する薬液容器と、前記薬液容器の口部に装着される上記構成のキャップとからなる薬液供給器によっても達成される。薬液供給器は、水洗トイレの貯水タンクの手洗い部や便器のリムに取り付けられる薬液供給装置に取り付けられて使用されるものである。使用時には、キャップを薬液容器の口部に装着したまま、キャップを下にした逆さの状態で薬液供給装置に取り付けられ、薬液容器内の薬液を水洗時に手洗い部や便器を流れる流水の作用によって便器などに供給することで、便器の洗浄効果や芳香効果を得るものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のキャップおよび薬液供給器によれば、使用者によるキャップの取り外しを防止することができるとともに、容器内への空気や水などの浸入を効果的に遮蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である薬液供給器の外観を示す正面図である。
【図2】図1の要部の内部構造を示す断面図である。
【図3】図2のキャップの一部を拡大して示す断面図である。
【図4】図2の実施形態の薬液供給器を薬液供給装置に取り付けた状態の要部の内部構造を示す図である。
【図5】図4の一部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態である薬液供給器の要部の内部構造を示す断面図である。
【図7】図6のキャップの一部を拡大して示す断面図である。
【図8】図6の実施形態の薬液供給器を薬液供給装置に取り付けた状態の要部の内部構造を示す図である。
【図9】図8の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態である薬液供給器の要部の内部構造を示す断面図である。
【図11】薬液供給装置の構成を示す分解斜視図である。
【図12】ホットパリソン法により成形された薬液容器およびこの薬液容器に装着された従来のキャップの外観を示す正面図である。
【図13】図12の要部の内部構造を示す断面図である。
【図14】コールドパリソン法により成形された薬液容器およびこの薬液容器に装着された従来のキャップの要部の内部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るキャップを、添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。本発明に係るキャップは、例えば薬液、化粧品、香料などの液状物を内部に収容可能な容器の口部に装着されるとともに、容器の口部に装着した状態で、取り外されることなく使用されるものを想定しており、例えば、水洗トイレの貯水タンクの手洗い部や便器のリムに取り付けられて便器などに薬液を供給する薬液供給装置に使用される薬液容器のキャップに好適に用いることができる。なお、本発明に係るキャップは、これに限らず種々の態様の容器のキャップとしても使用可能である。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態であるキャップが用いられた薬液供給器の外観を、図2は、図1の薬液供給器の要部の内部構造を、それぞれ示している。薬液供給器は、薬液を内部に収容する薬液容器1の口部4にキャップ2が装着された構成のものであり、図4に示すように、キャップ2を薬液容器1の口部4に装着したまま、キャップ2を下にした逆さの状態で使用されるものである。この薬液供給器は、貯水タンク上部の手洗い部に取り付けられるタイプのもの、便器のリムに取り付けられるタイプのもの、いずれのタイプの薬液供給装置に対してもその使用が可能である。
【0028】
薬液容器1は、PETその他の硬質の合成樹脂を上記したコールドパリソン法により成形したものであり、液状物を貯留する中空の胴部3と、胴部3に連続して一体形成される円筒状の口部4とを有している。口部4は、胴部3内の薬液を注出するためのものであり、胴部3より小径に形成され、キャップ2により口部4上部の注出口40が密閉されている。薬液容器1は、全体が透明または半透明の材料で形成され、外部から内部に貯留された薬液などの液状物の残量が確認できるようになっている。なお、この薬液容器1の素材としては、合成樹脂に限られるものではなく、その他にガラスなどを好ましく例示することができる。
【0029】
薬液容器1の口部4の外周面には、周面より突き出る係合段部41が一体に一周形成されている。この係合段部41に後述するキャップ2に形成された抜止め部26が引っ掛かって係合することで、キャップ2が口部4に固定されるようになっている。
【0030】
キャップ2は、環状の本体部20と、その中央の穴を塞ぐ円板状の底壁部21とで構成されており、全体が軟質の合成樹脂により形成されている。本体部20は、口部4の内周面と当接する円筒状の内側壁部22と、口部4の外周面を覆う円筒状の外側壁部23と、内側壁部22および外側壁部23の上部同士を連結する輪状のフランジ部24とからなり、フランジ部24は、口部4の頂面と当接している。
【0031】
底壁部21は、薄肉部25を介して内側壁部22の下部に分離可能に連結されており、薬液容器1の口部4の注出口40を閉塞している。使用に際しては、薄肉部25を、図4に示す薬剤供給装置10の供給部11の接続部12の先端に差し込むことで、薄肉部25が破断されて、底壁部21が内側壁部22から分離する結果、薬液容器1内の薬液が口部4の注出口40から薬剤供給装置10に供給される。
【0032】
外側壁部23の内周面には、薬液容器1の口部4の外周面に向けて突き出る先細形状の抜止め部26が一周にわたって一体形成されている。抜止め部26は、本実施形態においては、図3に示すように、平坦面の先端部26aを挟んで外側へ傾斜する傾斜面26b,26cを備えており、上側の傾斜面26bが口部4の係合段部41に面接触している。なお、抜止め部26の形状は、本実施形態のものに限られるものではなく、例えば先端部26aは凸曲面をなしていてもよく、また、傾斜面26b,26cは先端部26aを挟んで鋭角または鈍角のいずれをなしていてもよい。
【0033】
このように、抜止め部26が係合段部41に引っ掛かって係合することで、キャップ2が薬液容器1に固定され、これにより、使用者がキャップ2を誤って薬液容器1から取り外そうとしても、キャップ2が取り外されることがないよう規制されている。また、薬液容器1は、この薬液容器1とキャップ2との係合部、薬液容器1の口部4の頂面と当接するキャップ2のフランジ部24、および、薬液容器1の口部4の内周面と当接するキャップ2の内側壁部22の3つの止栓により、精度良く密閉されており、これにより、薬液容器1内の薬液が外部に漏れたり、薬液容器1内に水や空気が浸入したりして薬液に混ざることが防止されている。
【0034】
外側壁部23は、抜止め部26よりも下方に、遮蔽部27を一体に備えている。この遮蔽部27は、下方に向けて延び、薬液容器1の胴部3の上面近くまで達している。ここで、「外側壁部23の抜止め部26よりも下方」とは、抜止め部26の下側の傾斜面26cと外側壁部23の内周面とが交差する抜止め部26の下端部26dを基準にし、この抜止め部26の下端部26dを境にして下側のことを指している。
【0035】
本実施形態では、外側壁部23の抜止め部26よりも下方に、遮蔽部27を外側壁部23と鉛直方向に連続するように設け、薬液容器1の胴部3の上面との間に使用者の指や爪が入る隙間をほとんど無くすことにより、使用者がキャップ2を薬液容器1から簡単に取り外すことができないようになっている。さらに、使用者が薬液容器1からキャップ2を取り外そうとして遮蔽部27の下端をいじった場合でも、薬液容器1とキャップ2との係合部までの距離が長いために、抜止め部26が拡径して口部4の係合段部41との引っ掛かりが外れにくくなっている。これにより、キャップ2の取り外しが効果的に防止されるうえ、使用者の指や爪により係合部が直接触れられることがないので、係合部が破損したりして抜止め部26と係合段部41との引っ掛かり(係合状態)が弱くなることが防止される。その結果、係合部により、薬液容器1が精度良く密閉されている。なお、遮蔽部27の下端は、胴部3の上面に当接していてもよいし、胴部3の上面との間に僅かであれば隙間(例えば0.3mm程度)が形成されていてもよい。
【0036】
遮蔽部27の外周面は、本実施形態では、その上端から下端にかけてキャップ2の径方向内側に向けて傾斜している。これにより、薬液供給器の使用時、つまり、図4および図5に示すように、薬液供給器を薬液供給装置10に取り付けた状態で薬液供給装置10を貯水タンク上部の手洗い部や便器のリムに取り付けた際、水洗トイレの水洗時に、手洗い部や便器に供給される水が薬液容器1に飛散し、飛散した水が薬液容器1の胴部3を伝って流れ落ちて、キャップ2まで伝わった場合においても、この使用時には、遮蔽部27は下方に向かうに連れて外方へ向けて低く傾斜しているので、キャップ2まで伝わった水は、遮蔽部27を伝って、キャップ2と薬液容器1の胴部3との境目B(図5参照)から離れる方向へ流れ落ちる。また、水洗時に手洗い部や便器に供給される水がキャップ2に直接飛散した場合でも、飛散した水は、遮蔽部27により遮蔽されてキャップ2内部への浸入が阻止される。このように、薬液容器1やキャップ2に飛散した水のキャップ2内部への浸入が阻止される結果、薬液容器1内の薬液が希釈されることが防止される。
【0037】
なお、本実施形態では、遮蔽部27の外周面は、下方に向かうに連れてキャップ2の径方向内側に向かって傾斜していることにより、使用時に最も効果的にキャップ2内部への水の浸入を防止できる傾斜面になっているが、必ずしもこれに限られず、鉛直方向に延びていてもよく、また、下方に向かうに連れてキャップ2の径方向外側に向かって傾斜していてもよい。
【0038】
図6は、本発明の他の実施形態であるキャップ2´が用いられた薬液供給器の要部の内部構造を示す。なお、この実施形態の薬液容器1およびキャップ2´も、基本的な構成は上記した実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成に同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0039】
図示例のキャップ2´では、図6および図7に示すように、遮蔽部27´が外側壁部23の抜止め部26よりも下方に一体に備えられているが、上記実施形態の遮蔽部27と比べて、キャップ2の径方向外側にずれた位置に設けられている。つまり、外側壁部23の下端部の内周面に、口部4の外周面に向けて突き出る先細形状の抜止め部26が一周にわたって一体形成されているとともに、外側壁部23の下端部の外周面が、キャップ2´の径方向外側に突き出ており、この突出部23Aに、遮蔽部27´が一体形成されている。この遮蔽部27´も、下方に向けて延び、容器1の胴部3の上面近くまで達している。なお、上記実施形態と同様に、遮蔽部27´の下端は、胴部3の上面に当接していてもよいし、胴部3の上面との間に僅かな隙間(例えば0.3mm程度)であれば形成されていてもよい。
【0040】
遮蔽部27´の外周面も、その上端から下端にかけて、キャップ2´の径方向内側に向けて傾斜している。これにより、図7および図8に示すように、薬液供給器の使用時には、遮蔽部27´が下方に向かうに連れて外方へ向けて低く傾斜するので、水洗時に薬液容器1やキャップ2´に飛散する水は、キャップ2´と薬液容器1の胴部3との境目B(図8参照)から離れる方向へ流れ落ちるため、キャップ2´内部に浸入するのが効果的に阻止されるようになっている。
【0041】
図6の実施形態においても、遮蔽部27´が薬液容器1の胴部3の上面近くまで達し、胴部3の上面との間に使用者の指や爪が入る隙間を無くしているから、使用者がキャップ2´を薬液容器1から簡単に取り外すことができないように規制されている。さらに、使用者が遮蔽部27´の下端をいじってキャップ2´を取り外そうとしても、薬液容器1とキャップ2´との係合部までの距離が長いために、抜止め部26が拡径して口部4の係合段部41との引っ掛かりが外れにくくなっており、これにより、キャップ2´の取り外しが効果的に防止される。そのうえ、使用者の指や爪により係合部が直接触れられることがないので、係合部が破損したりして抜止め部26と係合段部41との引っ掛かり(係合状態)が弱くなることが防止され、その結果、係合部により、薬液容器1が精度良く密閉される。
【0042】
これに加えて、図6の実施形態のキャップ2´は、上記したホットパリソン法で成形される薬液容器に対しても好適に使用することが可能である。ホットパリソン法で成形される薬液容器1´は、図10に示すように、口部4の基端部(口部4の胴部3との境界部)に部分的に肉厚が厚い厚肉部42が形成される。この厚肉部42の上面に、キャップ2´の外側壁部23の下端部が当接するとともに、厚肉部42の周面に、キャップ2´の遮蔽部27´の内周面が当接するように、薬液容器1´またはキャップ2´の大きさを設定することにより、この薬液容器1´は、薬液容器1´とキャップ2´との係合部、口部4の厚肉部42と当接するキャップ2´の外側壁部23および遮蔽部27´、口部4の頂面と当接するキャップ2´のフランジ部24、および、口部4の内周面と当接するキャップ2´の内側壁部22の4つの止栓により、精度良く密閉される。よって、図6の実施形態のキャップ2´を用いることで、ホットパリソン法で成形される薬液容器1´に対しても、薬液容器1´内の薬液が外部に漏れたり、薬液容器1´内に水や空気が浸入したりすることを効果的に防止できる。
【0043】
このように、図6の実施形態のキャップ2´は、上記したコールドパリソン法で成形される薬液容器1に加えて、上記したホットパリソン法で成形される薬液容器1´にも使用することができ、いずれの薬液容器1,1´に対しても好適に薬液容器1,1´を密閉することができるので、容器の形状に応じてキャップの形状を変更する必要がなく、製造コストを低減できる。
【0044】
上述したとおり、本発明に係るキャップ2,2´によると、薬液容器1,1´の口部4とキャップ2,2´との係合部の下方に、薬液容器1,1´の胴部3の上面まで達する遮蔽部27,27´が設けられることにより、キャップ2,2´と薬液容器1,1´の胴部3の上面との間の隙間がほとんど無くなる。その結果、使用者が簡単にはキャップ2,2´を薬液容器1,1´から取り外すことができないようになっている。
【0045】
また、使用者がキャップ2,2´を取り外そうとして遮蔽部27,27´の下端をいじったとしても、薬液容器1,1´とキャップ2,2´との係合部までの距離が長いために、抜止め部26が拡径せず、抜止め部26と係合段部41との引っ掛かりが外れにくくなっている。よって、キャップ2,2´が薬液容器1,1´から外れにくくなっている。
【0046】
また、使用者の指や爪により係合部が直接触れられることがないので、係合部が破損したりして抜止め部26と係合段部41との引っ掛かり(係合状態)が弱くなることが防止される。その結果、係合部により、薬液容器1,1´が精度良く密閉され、薬液容器1,1´内への空気や水などの異物の浸入を効果的に防止できるようになっている。
【0047】
また、薬液容器1,1´の使用時には、水洗時に手洗い部や便器に供給される流水が、薬液容器1,1´に飛散してキャップ2,2´まで伝わったり、あるいは、キャップ2,2´に直接飛散したりする場合があるが、飛散した水は、遮蔽部27,27´により効果的に遮蔽されてキャップ2,2´から流れ落ちる。よって、飛散した水のキャップ2,2´内部への浸入が阻止される結果、薬液容器1,1´内の薬液が希釈されることを防止できるようになっている。
【符号の説明】
【0048】
1,1´ 薬液容器
2,2´ キャップ
3 胴部
4 口部
20 本体部
21 底壁部
22 内壁部
23 外壁部
23A 突出部
24 フランジ部
25 薄肉部
26 抜止め部
27 遮蔽部
40 注出口
41 係合段部
42 厚肉部
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップおよび薬液供給器に関し、特に、芳香用、便器の洗浄用などに用いられる薬液を供給する薬液供給装置に使用される薬液容器など、容器の口部に取り付けられた状態で、取り外されることなく使用されるキャップおよびこのキャップを用いた薬液供給器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、便器の洗浄や芳香効果を得るための薬液供給装置が水洗トイレにおいて用いられている。この種の薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、貯水タンク上部の手洗い部に薬液供給装置が配置され、このタイプの薬液供給装置では、手洗い部上の給水管から手洗い部に供給される流水とともに、貯水タンク内に薬液容器の薬液が供給されるように構成されている。
【0003】
一方、貯水タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も使用されており、これに対しては、便器のリムに薬液供給装置が直接取り付けられる。このタイプの薬液供給装置は、薬液容器を支持する支持体に設けた可撓性フックを便器のリムに係止することにより、便器内に吊り掛けられる。支持体には薬液容器の下方に薬液受け部が取り付けられており、薬液容器から薬液受け部上に供給される薬液を水洗時の流水によってさらうことで、便器内に薬液が供給されるように構成されている。
【0004】
図11は、上記した貯水タンク上部の手洗い部に取り付けられるタイプの薬液供給装置の基本構造を示している(例えば、特許文献1参照)。薬液供給装置は、薬液容器100(図12に示す)を支持する支持体101を備え、支持体101に装着された薬液の案内部材102の長脚部102Aが貯水タンクの手洗い部の流し孔に挿入されるように配置される。
【0005】
薬液容器100は、図12に示すように、ドーム状の胴部110と胴部110の下面に設けられた口部111とを有しており、口部111には、キャップ112が取り付けられている。このキャップ112は、図13に示すように、環状の本体部113と、その中央の穴を塞ぐ底壁部114とで構成されている。使用に際しては、キャップ112を口部111に取り付け、キャップ112を下にした逆さの状態で、キャップ112の底壁部114に薬液供給装置の供給部103の接続部103Aの先端を差し込む。これにより、薄肉部119が破断し、底壁部114が本体部113から切り離されるため、薬液容器100内の薬液が薬液供給装置に供給されるようになっている。容器の口部111とキャップ112との間には、キャップ112が口部111から抜けない抜止め状態で係合する係合部材115,116がそれぞれ形成されており、使用の際に、使用者が誤ってキャップ112を口部111から取り外すことがないように規制されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
薬液供給装置に供給された薬液は、上下方向に延びた供給部103を通じて、供給部103の下端の導出孔104から案内部材102に供給される。そして、案内部材102に供給された薬液は、水洗時に手洗い部に供給される水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。
【0007】
薬液供給装置の支持体101には、図11に示すように、さらに調整機構が設けられている。この調整機構は、流水への接触などにより薬液容器100の温度が変動したときに、薬液容器100から案内部材102への薬液の余分な流出やその逆流が生じるのを防止するものであり、支持体101に支持された緩衝室Sと、緩衝室Sの上部に設けられた空気流通孔106と、緩衝室Sに連通するように供給部103の下部に設けられた緩衝孔107とを備えている。
【0008】
上記構成の薬液供給装置は、次のように動作する。温度が上昇し、薬液容器100内の圧力が上昇した場合には、薬液容器100内の薬液は、緩衝孔107から流れ出して緩衝室S内に流入する。一方、温度が低下し、薬液容器100内の圧力が低下すると、緩衝室S内の薬液が緩衝孔107を介して薬液容器100内へ引き戻される。このように、特許文献1に記載の薬液供給装置では、温度変化の繰り返しがあっても、緩衝室Sの存在により、薬液の余分な流出が防止される。その結果、薬液容器100から案内部材102へ薬液を正確な量で導出することが可能となり、長期使用が実現される。
【0009】
一方で、特許文献1に記載の薬液供給装置においては、緩衝室Sが、支持体101に支持された底壁および側壁を有する下部部材108に、側壁および上壁を有する上部部材109を上方から嵌合することにより形成されている。上記嵌合構造においては、上部部材109の側壁と下部部材108の側壁との境目105が、緩衝室Sの下方部に位置するようになっているために、手洗い部に供給される水に触れやすくなっている。そうすると、毛管作用などにより、この境目105を介して水が緩衝室S内に浸入するおそれがあり、この浸入した水によって緩衝室S内の薬液が薄められると、薄められた薬液は温度変化により薬液容器100内に吸収され、薬液容器100内の薬液まで希釈されることとなる。これでは、適正な薬液量による薬効が妨げられるばかりか、薬液の本来の粘度が低下し、薬液容器100から薬液が過剰に流出して長期使用を損ねることもある。
【0010】
このように、この種の薬液供給装置では、薬液容器内の薬液の濃度を適正に保つことが、薬液の長期使用を可能にする上で重要であり、薬液供給装置の側において、薬液容器内の薬液の希釈化を防止するための工夫が種々施されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−300861号公報
【特許文献2】特開2009−84803号公報(図2参照)
【特許文献3】特開2006−283540号公報(図8参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記構成の薬液容器は、熱可塑性樹脂製容器の製造方法として広く普及している中空成形法で成形されている。中空成形法は、大別してホットパリソン法とコールドパリソン法とが知られている。ホットパリソン法は、射出成形されたパリソンを、パリソン形成に引き続いてインラインで温調しブロー成形を行う方法である。一方、コールドパリソン法とは、パリソン形成をブロー成形と完全に切り離したものであり、射出成形されたパリソンを一旦取り出してプリフォームとして貯蔵し、次にこのプリフォームを再加熱してから別のブロー成形機で2軸延伸ブロー成形を行う方法である。後者は生産性が高い反面、成形設備費が高く、一方、前者は、省エネルギー的であり、成形安定性・成形設備費の点において後者よりも優れているために、薬液容器の多くは前者の成形法で成形されている。
【0013】
ホットパリソン法で成形される薬液容器100は、図12に示すように、その成形方法の特性上、口部111の基端部(口部111の胴部110との境界部)を部分的に厚い肉厚に形成する必要がある。よって、キャップ112も、この薬液容器100の厚肉部117の形状に応じた形に形成されている。
【0014】
しかしながら、薬液容器の生産性を鑑みると、コールドパリソン法により薬液容器を成形することも望まれているところ、コールドパリソン法で成形される薬液容器100´では、図14に示すように、その成形方法の特性上、ホットパリソン法で成形される薬液容器100とは異なり、口部111の基端部を薄い肉厚に形成する必要がある。
【0015】
このコールドパリソン法により成形された薬液容器100´の口部111を、上記構成のキャップ112により閉じると、キャップ112の係合部材116の先端と薬液容器100´の胴部110との間に隙間118が生じてしまう。これでは、使用者がキャップ112を容器100の口部111から誤って取り外そうとした場合に簡単にキャップ112が取り外されるという問題がある。そのうえ、薬液容器100´を上記した薬液供給装置に使用した時においては、水洗時の手洗い部や便器に供給される水や空気が、上記した隙間118から薬液容器100´内に浸入するおそれがあり、その結果、薬液容器100´内の薬液が希釈化するなどの問題が生じてしまう。このように、薬液容器の側においても、薬液の希釈化など防止するための工夫を施さなければ、薬液容器の有効使用を阻害してしまう。
【0016】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、キャップが容易に取り外されることなく、かつ、容器内への水などの浸入を効果的に遮蔽できるキャップ、および、このキャップを用いた薬液供給器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の上記目的は、液状物を収容する胴部および前記胴部内の液状物を注出する口部を有する容器の前記口部に装着されるキャップであって、環状の本体部と、前記容器の口部の開口を閉塞する前記本体部に分離可能に設けられた底壁部とを備え、前記本体部は、前記容器の口部の外周面を覆う外側壁部を少なくとも含み、前記外側壁部は、前記容器の口部の外周面に向けて突き出て前記口部の外周面に形成された係合段部に係合する抜止め部と、前記抜止め部の下方に設けられ前記容器の胴部の上面近くまで達する遮蔽部とを有しているキャップによって達成される。
【0018】
本発明の好ましい実施態様においては、前記遮蔽部は、前記外側壁部の下部に一体に備えられていることを特徴としている。
【0019】
本発明の他の好ましい実施態様においては、前記遮蔽部は、前記外側壁部に設けられた該キャップの径方向外側に突き出る突出部に一体に備えられていることを特徴としている。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記突出部は、前記外側壁部の下端部に設けられており、前記外側壁部が、前記容器の口部の基端部に設けられた肉厚が厚い厚肉部の上面に当接するとともに、前記遮蔽部が前記容器の厚肉部の周面を覆うように設けられることを特徴としている。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記遮蔽部は、その外周面が下方に向かうに連れて該キャップの径方向内側に向かって傾斜していることを特徴としている。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記本体部は、前記容器の口部の内周面と当接する内側壁部と、前記外側壁部と、前記内側壁部と前記外側壁部とを連結し前記口部の頂面と当接するフランジ部とを備え、前記内側壁部に薄肉部を介して前記底壁部が設けられていることを特徴としている。
【0023】
本発明の上記目的は、薬液を収容する胴部および前記胴部内の薬液を注出する口部を有する薬液容器と、前記薬液容器の口部に装着される上記構成のキャップとからなる薬液供給器によっても達成される。薬液供給器は、水洗トイレの貯水タンクの手洗い部や便器のリムに取り付けられる薬液供給装置に取り付けられて使用されるものである。使用時には、キャップを薬液容器の口部に装着したまま、キャップを下にした逆さの状態で薬液供給装置に取り付けられ、薬液容器内の薬液を水洗時に手洗い部や便器を流れる流水の作用によって便器などに供給することで、便器の洗浄効果や芳香効果を得るものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のキャップおよび薬液供給器によれば、使用者によるキャップの取り外しを防止することができるとともに、容器内への空気や水などの浸入を効果的に遮蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である薬液供給器の外観を示す正面図である。
【図2】図1の要部の内部構造を示す断面図である。
【図3】図2のキャップの一部を拡大して示す断面図である。
【図4】図2の実施形態の薬液供給器を薬液供給装置に取り付けた状態の要部の内部構造を示す図である。
【図5】図4の一部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態である薬液供給器の要部の内部構造を示す断面図である。
【図7】図6のキャップの一部を拡大して示す断面図である。
【図8】図6の実施形態の薬液供給器を薬液供給装置に取り付けた状態の要部の内部構造を示す図である。
【図9】図8の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態である薬液供給器の要部の内部構造を示す断面図である。
【図11】薬液供給装置の構成を示す分解斜視図である。
【図12】ホットパリソン法により成形された薬液容器およびこの薬液容器に装着された従来のキャップの外観を示す正面図である。
【図13】図12の要部の内部構造を示す断面図である。
【図14】コールドパリソン法により成形された薬液容器およびこの薬液容器に装着された従来のキャップの要部の内部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るキャップを、添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。本発明に係るキャップは、例えば薬液、化粧品、香料などの液状物を内部に収容可能な容器の口部に装着されるとともに、容器の口部に装着した状態で、取り外されることなく使用されるものを想定しており、例えば、水洗トイレの貯水タンクの手洗い部や便器のリムに取り付けられて便器などに薬液を供給する薬液供給装置に使用される薬液容器のキャップに好適に用いることができる。なお、本発明に係るキャップは、これに限らず種々の態様の容器のキャップとしても使用可能である。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態であるキャップが用いられた薬液供給器の外観を、図2は、図1の薬液供給器の要部の内部構造を、それぞれ示している。薬液供給器は、薬液を内部に収容する薬液容器1の口部4にキャップ2が装着された構成のものであり、図4に示すように、キャップ2を薬液容器1の口部4に装着したまま、キャップ2を下にした逆さの状態で使用されるものである。この薬液供給器は、貯水タンク上部の手洗い部に取り付けられるタイプのもの、便器のリムに取り付けられるタイプのもの、いずれのタイプの薬液供給装置に対してもその使用が可能である。
【0028】
薬液容器1は、PETその他の硬質の合成樹脂を上記したコールドパリソン法により成形したものであり、液状物を貯留する中空の胴部3と、胴部3に連続して一体形成される円筒状の口部4とを有している。口部4は、胴部3内の薬液を注出するためのものであり、胴部3より小径に形成され、キャップ2により口部4上部の注出口40が密閉されている。薬液容器1は、全体が透明または半透明の材料で形成され、外部から内部に貯留された薬液などの液状物の残量が確認できるようになっている。なお、この薬液容器1の素材としては、合成樹脂に限られるものではなく、その他にガラスなどを好ましく例示することができる。
【0029】
薬液容器1の口部4の外周面には、周面より突き出る係合段部41が一体に一周形成されている。この係合段部41に後述するキャップ2に形成された抜止め部26が引っ掛かって係合することで、キャップ2が口部4に固定されるようになっている。
【0030】
キャップ2は、環状の本体部20と、その中央の穴を塞ぐ円板状の底壁部21とで構成されており、全体が軟質の合成樹脂により形成されている。本体部20は、口部4の内周面と当接する円筒状の内側壁部22と、口部4の外周面を覆う円筒状の外側壁部23と、内側壁部22および外側壁部23の上部同士を連結する輪状のフランジ部24とからなり、フランジ部24は、口部4の頂面と当接している。
【0031】
底壁部21は、薄肉部25を介して内側壁部22の下部に分離可能に連結されており、薬液容器1の口部4の注出口40を閉塞している。使用に際しては、薄肉部25を、図4に示す薬剤供給装置10の供給部11の接続部12の先端に差し込むことで、薄肉部25が破断されて、底壁部21が内側壁部22から分離する結果、薬液容器1内の薬液が口部4の注出口40から薬剤供給装置10に供給される。
【0032】
外側壁部23の内周面には、薬液容器1の口部4の外周面に向けて突き出る先細形状の抜止め部26が一周にわたって一体形成されている。抜止め部26は、本実施形態においては、図3に示すように、平坦面の先端部26aを挟んで外側へ傾斜する傾斜面26b,26cを備えており、上側の傾斜面26bが口部4の係合段部41に面接触している。なお、抜止め部26の形状は、本実施形態のものに限られるものではなく、例えば先端部26aは凸曲面をなしていてもよく、また、傾斜面26b,26cは先端部26aを挟んで鋭角または鈍角のいずれをなしていてもよい。
【0033】
このように、抜止め部26が係合段部41に引っ掛かって係合することで、キャップ2が薬液容器1に固定され、これにより、使用者がキャップ2を誤って薬液容器1から取り外そうとしても、キャップ2が取り外されることがないよう規制されている。また、薬液容器1は、この薬液容器1とキャップ2との係合部、薬液容器1の口部4の頂面と当接するキャップ2のフランジ部24、および、薬液容器1の口部4の内周面と当接するキャップ2の内側壁部22の3つの止栓により、精度良く密閉されており、これにより、薬液容器1内の薬液が外部に漏れたり、薬液容器1内に水や空気が浸入したりして薬液に混ざることが防止されている。
【0034】
外側壁部23は、抜止め部26よりも下方に、遮蔽部27を一体に備えている。この遮蔽部27は、下方に向けて延び、薬液容器1の胴部3の上面近くまで達している。ここで、「外側壁部23の抜止め部26よりも下方」とは、抜止め部26の下側の傾斜面26cと外側壁部23の内周面とが交差する抜止め部26の下端部26dを基準にし、この抜止め部26の下端部26dを境にして下側のことを指している。
【0035】
本実施形態では、外側壁部23の抜止め部26よりも下方に、遮蔽部27を外側壁部23と鉛直方向に連続するように設け、薬液容器1の胴部3の上面との間に使用者の指や爪が入る隙間をほとんど無くすことにより、使用者がキャップ2を薬液容器1から簡単に取り外すことができないようになっている。さらに、使用者が薬液容器1からキャップ2を取り外そうとして遮蔽部27の下端をいじった場合でも、薬液容器1とキャップ2との係合部までの距離が長いために、抜止め部26が拡径して口部4の係合段部41との引っ掛かりが外れにくくなっている。これにより、キャップ2の取り外しが効果的に防止されるうえ、使用者の指や爪により係合部が直接触れられることがないので、係合部が破損したりして抜止め部26と係合段部41との引っ掛かり(係合状態)が弱くなることが防止される。その結果、係合部により、薬液容器1が精度良く密閉されている。なお、遮蔽部27の下端は、胴部3の上面に当接していてもよいし、胴部3の上面との間に僅かであれば隙間(例えば0.3mm程度)が形成されていてもよい。
【0036】
遮蔽部27の外周面は、本実施形態では、その上端から下端にかけてキャップ2の径方向内側に向けて傾斜している。これにより、薬液供給器の使用時、つまり、図4および図5に示すように、薬液供給器を薬液供給装置10に取り付けた状態で薬液供給装置10を貯水タンク上部の手洗い部や便器のリムに取り付けた際、水洗トイレの水洗時に、手洗い部や便器に供給される水が薬液容器1に飛散し、飛散した水が薬液容器1の胴部3を伝って流れ落ちて、キャップ2まで伝わった場合においても、この使用時には、遮蔽部27は下方に向かうに連れて外方へ向けて低く傾斜しているので、キャップ2まで伝わった水は、遮蔽部27を伝って、キャップ2と薬液容器1の胴部3との境目B(図5参照)から離れる方向へ流れ落ちる。また、水洗時に手洗い部や便器に供給される水がキャップ2に直接飛散した場合でも、飛散した水は、遮蔽部27により遮蔽されてキャップ2内部への浸入が阻止される。このように、薬液容器1やキャップ2に飛散した水のキャップ2内部への浸入が阻止される結果、薬液容器1内の薬液が希釈されることが防止される。
【0037】
なお、本実施形態では、遮蔽部27の外周面は、下方に向かうに連れてキャップ2の径方向内側に向かって傾斜していることにより、使用時に最も効果的にキャップ2内部への水の浸入を防止できる傾斜面になっているが、必ずしもこれに限られず、鉛直方向に延びていてもよく、また、下方に向かうに連れてキャップ2の径方向外側に向かって傾斜していてもよい。
【0038】
図6は、本発明の他の実施形態であるキャップ2´が用いられた薬液供給器の要部の内部構造を示す。なお、この実施形態の薬液容器1およびキャップ2´も、基本的な構成は上記した実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成に同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0039】
図示例のキャップ2´では、図6および図7に示すように、遮蔽部27´が外側壁部23の抜止め部26よりも下方に一体に備えられているが、上記実施形態の遮蔽部27と比べて、キャップ2の径方向外側にずれた位置に設けられている。つまり、外側壁部23の下端部の内周面に、口部4の外周面に向けて突き出る先細形状の抜止め部26が一周にわたって一体形成されているとともに、外側壁部23の下端部の外周面が、キャップ2´の径方向外側に突き出ており、この突出部23Aに、遮蔽部27´が一体形成されている。この遮蔽部27´も、下方に向けて延び、容器1の胴部3の上面近くまで達している。なお、上記実施形態と同様に、遮蔽部27´の下端は、胴部3の上面に当接していてもよいし、胴部3の上面との間に僅かな隙間(例えば0.3mm程度)であれば形成されていてもよい。
【0040】
遮蔽部27´の外周面も、その上端から下端にかけて、キャップ2´の径方向内側に向けて傾斜している。これにより、図7および図8に示すように、薬液供給器の使用時には、遮蔽部27´が下方に向かうに連れて外方へ向けて低く傾斜するので、水洗時に薬液容器1やキャップ2´に飛散する水は、キャップ2´と薬液容器1の胴部3との境目B(図8参照)から離れる方向へ流れ落ちるため、キャップ2´内部に浸入するのが効果的に阻止されるようになっている。
【0041】
図6の実施形態においても、遮蔽部27´が薬液容器1の胴部3の上面近くまで達し、胴部3の上面との間に使用者の指や爪が入る隙間を無くしているから、使用者がキャップ2´を薬液容器1から簡単に取り外すことができないように規制されている。さらに、使用者が遮蔽部27´の下端をいじってキャップ2´を取り外そうとしても、薬液容器1とキャップ2´との係合部までの距離が長いために、抜止め部26が拡径して口部4の係合段部41との引っ掛かりが外れにくくなっており、これにより、キャップ2´の取り外しが効果的に防止される。そのうえ、使用者の指や爪により係合部が直接触れられることがないので、係合部が破損したりして抜止め部26と係合段部41との引っ掛かり(係合状態)が弱くなることが防止され、その結果、係合部により、薬液容器1が精度良く密閉される。
【0042】
これに加えて、図6の実施形態のキャップ2´は、上記したホットパリソン法で成形される薬液容器に対しても好適に使用することが可能である。ホットパリソン法で成形される薬液容器1´は、図10に示すように、口部4の基端部(口部4の胴部3との境界部)に部分的に肉厚が厚い厚肉部42が形成される。この厚肉部42の上面に、キャップ2´の外側壁部23の下端部が当接するとともに、厚肉部42の周面に、キャップ2´の遮蔽部27´の内周面が当接するように、薬液容器1´またはキャップ2´の大きさを設定することにより、この薬液容器1´は、薬液容器1´とキャップ2´との係合部、口部4の厚肉部42と当接するキャップ2´の外側壁部23および遮蔽部27´、口部4の頂面と当接するキャップ2´のフランジ部24、および、口部4の内周面と当接するキャップ2´の内側壁部22の4つの止栓により、精度良く密閉される。よって、図6の実施形態のキャップ2´を用いることで、ホットパリソン法で成形される薬液容器1´に対しても、薬液容器1´内の薬液が外部に漏れたり、薬液容器1´内に水や空気が浸入したりすることを効果的に防止できる。
【0043】
このように、図6の実施形態のキャップ2´は、上記したコールドパリソン法で成形される薬液容器1に加えて、上記したホットパリソン法で成形される薬液容器1´にも使用することができ、いずれの薬液容器1,1´に対しても好適に薬液容器1,1´を密閉することができるので、容器の形状に応じてキャップの形状を変更する必要がなく、製造コストを低減できる。
【0044】
上述したとおり、本発明に係るキャップ2,2´によると、薬液容器1,1´の口部4とキャップ2,2´との係合部の下方に、薬液容器1,1´の胴部3の上面まで達する遮蔽部27,27´が設けられることにより、キャップ2,2´と薬液容器1,1´の胴部3の上面との間の隙間がほとんど無くなる。その結果、使用者が簡単にはキャップ2,2´を薬液容器1,1´から取り外すことができないようになっている。
【0045】
また、使用者がキャップ2,2´を取り外そうとして遮蔽部27,27´の下端をいじったとしても、薬液容器1,1´とキャップ2,2´との係合部までの距離が長いために、抜止め部26が拡径せず、抜止め部26と係合段部41との引っ掛かりが外れにくくなっている。よって、キャップ2,2´が薬液容器1,1´から外れにくくなっている。
【0046】
また、使用者の指や爪により係合部が直接触れられることがないので、係合部が破損したりして抜止め部26と係合段部41との引っ掛かり(係合状態)が弱くなることが防止される。その結果、係合部により、薬液容器1,1´が精度良く密閉され、薬液容器1,1´内への空気や水などの異物の浸入を効果的に防止できるようになっている。
【0047】
また、薬液容器1,1´の使用時には、水洗時に手洗い部や便器に供給される流水が、薬液容器1,1´に飛散してキャップ2,2´まで伝わったり、あるいは、キャップ2,2´に直接飛散したりする場合があるが、飛散した水は、遮蔽部27,27´により効果的に遮蔽されてキャップ2,2´から流れ落ちる。よって、飛散した水のキャップ2,2´内部への浸入が阻止される結果、薬液容器1,1´内の薬液が希釈されることを防止できるようになっている。
【符号の説明】
【0048】
1,1´ 薬液容器
2,2´ キャップ
3 胴部
4 口部
20 本体部
21 底壁部
22 内壁部
23 外壁部
23A 突出部
24 フランジ部
25 薄肉部
26 抜止め部
27 遮蔽部
40 注出口
41 係合段部
42 厚肉部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物を収容する胴部および前記胴部内の液状物を注出する口部を有する容器の前記口部に装着されるキャップであって、
環状の本体部と、前記容器の口部の開口を閉塞する前記本体部に分離可能に設けられた底壁部とを備え、
前記本体部は、前記容器の口部の外周面を覆う外側壁部を少なくとも含み、
前記外側壁部は、前記容器の口部の外周面に向けて突き出て前記口部の外周面に形成された係合段部に係合する抜止め部と、前記抜止め部の下方に設けられ前記容器の胴部の上面近くまで達する遮蔽部とを有しているキャップ。
【請求項2】
前記遮蔽部は、前記外側壁部の下部に一体に備えられている請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記遮蔽部は、前記外側壁部に設けられた該キャップの径方向外側に突き出る突出部に一体に備えられている請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
請求項3に記載のキャップであって、
前記突出部は、前記外側壁部の下端部に設けられており、前記外側壁部が、前記容器の口部の基端部に設けられた肉厚が厚い厚肉部の上面に当接するとともに、前記遮蔽部が前記容器の厚肉部の周面を覆うように設けられるキャップ。
【請求項5】
前記遮蔽部は、その外周面が下方に向かうに連れて該キャップの径方向内側に向かって傾斜している請求項1〜4のいずれかに記載のキャップ。
【請求項6】
前記本体部は、前記容器の口部の内周面と当接する内側壁部と、前記外側壁部と、前記内側壁部と前記外側壁部とを連結し前記口部の頂面と当接するフランジ部とを備え、前記内側壁部に薄肉部を介して前記底壁部が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載のキャップ。
【請求項7】
薬液を収容する胴部および前記胴部内の薬液を注出する口部を有する薬液容器と、前記薬液容器の口部に装着される請求項1〜6のいずれかに記載のキャップとからなる薬液供給器。
【請求項1】
液状物を収容する胴部および前記胴部内の液状物を注出する口部を有する容器の前記口部に装着されるキャップであって、
環状の本体部と、前記容器の口部の開口を閉塞する前記本体部に分離可能に設けられた底壁部とを備え、
前記本体部は、前記容器の口部の外周面を覆う外側壁部を少なくとも含み、
前記外側壁部は、前記容器の口部の外周面に向けて突き出て前記口部の外周面に形成された係合段部に係合する抜止め部と、前記抜止め部の下方に設けられ前記容器の胴部の上面近くまで達する遮蔽部とを有しているキャップ。
【請求項2】
前記遮蔽部は、前記外側壁部の下部に一体に備えられている請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記遮蔽部は、前記外側壁部に設けられた該キャップの径方向外側に突き出る突出部に一体に備えられている請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
請求項3に記載のキャップであって、
前記突出部は、前記外側壁部の下端部に設けられており、前記外側壁部が、前記容器の口部の基端部に設けられた肉厚が厚い厚肉部の上面に当接するとともに、前記遮蔽部が前記容器の厚肉部の周面を覆うように設けられるキャップ。
【請求項5】
前記遮蔽部は、その外周面が下方に向かうに連れて該キャップの径方向内側に向かって傾斜している請求項1〜4のいずれかに記載のキャップ。
【請求項6】
前記本体部は、前記容器の口部の内周面と当接する内側壁部と、前記外側壁部と、前記内側壁部と前記外側壁部とを連結し前記口部の頂面と当接するフランジ部とを備え、前記内側壁部に薄肉部を介して前記底壁部が設けられている請求項1〜5のいずれかに記載のキャップ。
【請求項7】
薬液を収容する胴部および前記胴部内の薬液を注出する口部を有する薬液容器と、前記薬液容器の口部に装着される請求項1〜6のいずれかに記載のキャップとからなる薬液供給器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−76755(P2012−76755A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221220(P2010−221220)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
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