説明

キャリア除去ローラ及び電子写真印刷装置

【課題】キャリア除去ローラ及び電子写真印刷装置において、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアを適正に除去可能とする。
【解決手段】中間転写体32の外周部であって印刷ユニット33,34,35,36の下流側に、中間転写体32に対接して回転可能であると共に、印刷ユニット33,34,35,36から中間転写体32に転写された液体トナー中のキャリアを吸引除去するキャリア除去ローラ61,62,63,64を設け、その表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ユニットから転写体に転写された液体トナーからキャリアを除去するキャリア除去ローラ、並びに、このキャリア除去ローラを有する電子写真印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂及び顔料等により構成されたトナーがキャリア内に分散された液体トナーを用いて、感光体に形成された静電潜像に現像し、中間転写体に一次転写し、更に液体トナーを被印刷物の表面に転写し、転写された液体トナー中のトナーを被印刷物に定着させることにより印刷を行う電子写真印刷装置が提案されている。
【0003】
このような電子写真印刷装置では、液体トナーが感光体から中間転写体に転写され、この中間転写体から被印刷物に転写され、この被印刷物を定着する。この場合、液体トナーは、キャリアを含んでトナーを転写するものであるが、最終的にこのキャリアの一部を除去したり、揮発させたりすることで、キャリアとトナーまたはトナーだけを被印刷物に転写させている。従来、液体トナーからのキャリアの除去は、中間転写体の表面上にて、印刷ユニットより下流側で行っている。
【0004】
このようなキャリア除去装置として、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。この特許文献1、2に記載された電子写真装置は、各印刷ユニットのプロセス下流で且つ下流側の印刷ユニットの上流にキャリア除去ユニットを配置し、このキャリア除去ユニットとして、トナー画像保持構造体にトナーを押し付ける方向のバイアス電圧が印加された導電性回収ローラを設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−057913号公報
【特許文献2】特許第4082563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した各特許文献では、キャリア除去ユニットとしての導電性回収ローラをトナー画像保持構造体に当接させて回転させることで、このトナー画像保持構造体にある液体トナーからキャリアを除去するようにしている。この場合、導電性回収ローラは、トナー画像保持構造体に当接し、所定の押圧力で押し付けている。そのため、導電性回収ローラは、トナー画像保持構造体にある液体トナーからキャリアを除去するだけでなく、トナーに対しても押圧力が作用し、画像を傷つけてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアを適正に除去可能とするキャリア除去ローラ及び電子写真印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明のキャリア除去ローラは、転写体に対接して回転可能であると共に、印刷ユニットにより前記転写体に転写された液体トナーからキャリアを吸引除去するキャリア除去ローラであって、表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理が施される、ことを特徴とするものである。
【0009】
従って、印刷ユニットから転写体に液体トナーが転写され、この転写体に対してキャリア除去ローラが対接することで、転写体の表面にある液体トナーからキャリアだけを吸引除去することができ、このとき、キャリア除去ローラは、表面に耐食性処理及び剥離性処理が施されていることから、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアだけを適正に除去することができる。
【0010】
本発明のキャリア除去ローラでは、ローラ本体の表面が平滑処理されて構成されることを特徴としている。
【0011】
従って、キャリア除去ローラの表面が平滑処理されることで、このキャリア除去ローラが転写体に対接するとき、転写体の表面にある液体トナー中のトナー粒子が適正に押し固められることとなり、トナーの平滑性や高い光沢が確保され、高精度なトナー画像を形成することができる。
【0012】
本発明のキャリア除去ローラでは、ローラ本体を金属製とし、その表面にめっき処理がなされて構成されることを特徴としている。
【0013】
従って、金属製ローラの表面にめっき処理を行うことで、簡単な構成で容易に耐食性処理及び剥離性処理が施すことができる。
【0014】
本発明のキャリア除去ローラでは、前記転写体の表面にある液体トナーからキャリアだけを吸引するための液体トナー極性と同極のバイアス電圧が印加されることを特徴としている。
【0015】
従って、簡単な構成で転写体の表面にある液体トナーからキャリアだけを適正に除去することができる。
【0016】
また、本発明の電子写真印刷装置は、被印刷物を1枚ずつ供給可能な給紙装置と、該給紙装置から供給された前記被印刷物に対して液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写する印刷装置と、前記被印刷物に転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着装置と、該定着装置によりトナー画像が定着された前記被印刷物を排紙する排紙装置と、を備える電子写真印刷装置において、前記印刷装置は、液体トナーを静電潜像の形成された感光体上に転写して現像を行う印刷ユニットと、前記1次転写体と接することによりニップ部を形成して前記液体トナーを前記被印刷物に転写するためにバイアス電圧を印加する2次転写体と、前記1次転写体と接することによりニップ部を形成して液体トナーからキャリアだけを吸引するためのバイアス電圧が印加されて表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理が施されるキャリア除去ローラと、を有することを特徴とするとするものである。
【0017】
従って、印刷装置にて、前記被印刷物に転写するために静電潜像の形成された感光体上に液体トナーを転写して現像を行い、この現像された液体トナーは1次転写体に転写され、この1次転写体に対してキャリア除去ローラが対接することで、1次転写体の表面にある液体トナーからキャリアだけが吸引除去され、その後、1次転写体と2次転写体との間を被印刷物が搬送されるとき、1次転写体の液体トナーが被印刷物に転写されて印刷が行われる。このキャリア除去ローラは、表面に耐食性処理及び剥離性処理が施されていることから、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアだけを適正に除去することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のキャリア除去ローラ及び電子写真印刷装置によれば、転写体に対接して液体トナーからキャリアを吸引除去するキャリア除去ローラの表面に、液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理を施すので、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアを適正に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る電子写真印刷装置の概略構成図である。
【図2】図2は、本実施例の電子写真印刷装置における印刷装置を表す概略図である。
【図3】図3は、本実施例の電子写真印刷装置における印刷ユニットを表す概略図である。
【図4】図4は、本実施例のキャリア除去ローラによるキャリア除去作業を表す説明図である。
【図5】図5は、本実施例の電子写真印刷装置における液体トナーの供給経路及び回収経路を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るキャリア除去ローラ及び電子写真印刷装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係る電子写真印刷装置の概略構成図、図2は、本実施例の電子写真印刷装置における印刷装置を表す概略図、図3は、本実施例の電子写真印刷装置における印刷ユニットを表す概略図、図4は、本実施例のキャリア除去ローラによるキャリア除去作業を表す説明図、図5は、本実施例の電子写真印刷装置における液体トナーの供給経路及び回収経路を表す概略図である。
【0022】
本実施例において、図1に示すように、電子写真印刷装置10は、液体現像電子写真方式の両面及び片面印刷機であって、給紙装置11、印刷装置12、定着装置13、搬送装置14、排紙装置15とから構成されている。
【0023】
給紙装置11は、上下一対の給紙ユニット11a,11bを有しており、この各給紙ユニット11a,11bは、それぞれ給紙台21a,21bと、給紙機構としてのセパレータ装置22a,22bとを有している。給紙台21a,21bは、印刷シート(被印刷物)Sを上下に積み重ねて載置するものであり、セパレータ装置22a,22bは、給紙台21a,21b上に積み重ねられた多数の印刷シートSを上から順に1枚ずつ吸着して前方へ送り出すものである。この場合、給紙台21a,21bは、セパレータ装置22a,22bが印刷シートSとほぼ一定の高さの位置関係を維持できるように、印刷シートSの供給に対応して上下に移動可能となっている。
【0024】
印刷装置12は、K(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)のプロセスカラー印刷を行うことが可能となっている。この場合、印刷装置12は、図1及び図2に示すように、給紙装置11から供給された印刷シートSに対して、液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写するものである。即ち、この印刷装置12は、バックアップローラ31(2次転写体)と、中間転写体(1次転写体)32と、各色に対応した4つの印刷ユニット33,34,35,36とを有している。
【0025】
バックアップローラ31と中間転写体32は、同じ外径(周長)を有するローラであり、対接した状態で矢印方向に同期駆動可能となっており、この対接部分に所定の圧力に設定されたニップ部(転写位置)が設定されている。このバックアップローラ31は、外周部に周方向に等間隔でグリッパ31aが設けられている。このグリッパ31aは、給紙装置11から供給された印刷シートSの先端部を把持することができ、バックアップローラ31が回転することで、把持した印刷シートSをニップ部に導くことができる。一方、中間転写体32は、外周面に、例えば、ウレタン系導電性ゴムからなるブランケットが装着されて構成されており、電圧制御または電流制御のバイアスが印加されている。
【0026】
バックアップローラ31は、中間転写体32に対して、上述したニップ部にて、所定の圧力、例えば、1〜13kg/cm程度で圧力を加えるように配設されている。そのため、印刷シートSは、バックアップローラ31により搬送されるとき、中間転写体32との間に形成されたニップ部を通過するとき、所定のニップ圧が付与される。また、バックアップローラ31は、例えば、−1000V程度の転写バイアス(電圧制御の場合)が印加されている。そのため、バックアップローラ31のバイアス電圧(約±1000V)と、中間転写体32のバイアス電圧との差により、後述する液体トナーをバックアップローラ31側へ吸引する力を与え、中間転写体32から印刷シートSへの液体トナーの静電転写を促進することができる。
【0027】
各印刷ユニット33,34,35,36は、中間転写体32の周囲にその回転方向に沿って並設されており、使用する液体トナーの色が異なるだけで、その構成は同様のものとなっている。そのため、以下では、印刷ユニット33について詳細に説明する。
【0028】
印刷ユニット33は、図3に示すように、図示しない制御装置から送信された画像データに基づいて、感光ドラム41上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対応する位置に液体トナーを供給し、感光ドラム41に形成された液体トナーの画像を中間転写体32に転写するものである。
【0029】
ここで、液体トナーは、熱可塑性素材樹脂と顔料などにより形成される粒子状のトナーが液体状のキャリア中に分散されて配合されたものであり、ここでは、キャリアとして、石油系の溶剤(例えば、非極性、パラフィン系溶剤として、ミネラルオイルなど)に、平均粒径1〜3μm程度の粒子状のトナーが重量比で10〜40パーセント程度含有されたものを液体トナーとして用いている。
【0030】
この印刷ユニット33は、感光ドラム(感光体)41、クリーニングユニット42、除電器43、帯電装置44、露光装置45、現像装置46を有して構成されている。感光ドラム41は、周面にアモルファスシリコン(a−Si)もしくは感光性ポリマー(有機感光体)等の感光剤を含んで形成された感光層が形成されている。この感光ドラム41は、中間転写体32との間でニップ部をもって対接しており、感光ドラム41上の液体トナーを中間転写体32側に転写可能となっている。
【0031】
感光ドラム41は、その周囲にこの感光ドラム41の回転方向に沿ってその上流側から、クリーニングユニット42、除電器43、帯電装置44、露光装置45、現像装置46がそれぞれ順に感光ドラム41の表面に形成される感光層に対向して配設されている。
【0032】
クリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを有して構成されており、感光ドラム41の周面に残存している液体トナーを除去して図示しないトナー回収路に排出することができる。即ち、クリーニングブレード42aは、弾性材料で形成された矩形状の板体であり、先端部が感光ドラム41の周面に接触するように支持されており、感光ドラム41の周面の液体トナーを掻き取ることができる。
【0033】
除電器43は、感光ドラム41の感光層に残留する電荷を消去する機能を有している。帯電装置44は、コロトロン型あるいはスコロトロン型等の非接触型放電方式の帯電器が、感光ドラム41の周方向に沿って複数配設されて構成されており、感光ドラム41の感光層を一様に、例えば、500V程度に帯電させる機能を有している。
【0034】
露光装置45は、感光ドラム41の軸方向に沿って発光体(例えば、LED)を棒状に配列した発光装置(LEDアレイ)により構成されており、制御装置から送られてくる画像データに基づいて、各LEDを発光させるようになっている。即ち、帯電装置44により一様に帯電されている感光ドラム41の感光層の表面に露光装置45からの光が照射されることで、光の照射部分では感光層の帯電が解除され、感光層に画像データに基づいた静電潜像を形成することができる。なお、発光装置としては、LEDアレイの代わりに、画像データに基づいて半導体レーザー等を走査して静電潜像を形成するように構成してもよい。
【0035】
現像装置46は、トナー貯留部51、アニロックスローラ52、均しローラ53、現像ローラ54、トナー帯電器55、トナー回収ユニット56,57を有して構成されており、感光ドラム41の静電潜像が形成された部分に液体トナーを転写可能となっている。
【0036】
トナー貯留部51には、液体トナーが貯留されており、アニロックスローラ52の一部が液体トナーに浸されるように、液体トナーが供給、排出可能となっている。このアニロックスローラ52は、例えば、金属製のローラであって、その周面に液体トナーを所望の膜厚で供給するのに適した凹部(セル)が全面にわたって形成されている。このアニロックスローラ52は、感光ドラム41と共に回転駆動可能である。
【0037】
均しローラ53は、例えば、導電性ゴム(ウレタンゴム)で形成されており、アニロックスローラ52と現像ローラ54との間に配設され、周面がこのアニロックスローラ52及び現像ローラ54に接している。また、均しローラ53は、アニロックスローラ52との接点において互いの周面が同じ方向に進む向きに回転可能となっている。
【0038】
現像ローラ54は、例えば、導電性ゴムで形成されており、感光ドラム41と接してニップ部を形成するように配設されており、感光ドラム41の周面と現像ローラ54の周面とが同じ方向に進む向きに回転可能となっている。更に、現像ローラ54は、周面の速度が感光ドラム41の周面の速度と同じ速度に設定されている。また、トナー帯電器55は、現像ローラ54上の液体トナーを一様に帯電させる機能を有している。
【0039】
従って、導電性を有する現像ローラ54と感光ドラム41とがニップ部で接することにより、現像ローラ54の周面から感光ドラム41の静電潜像が形成された部分へ帯電したトナーを含む液体トナーが転写され、現像が行われる。そして、現像された感光ドラム41の周面上の液体トナーは、ニップ部にて中間転写体32に転写され、この中間転写体32の周面にトナーによる画像を含んだ液体トナー層(トナー画像)を形成することができる。
【0040】
トナー回収ユニット56は、現像ローラ54の周面に残留した液体トナーを除去して回収することができる。また、トナー回収ユニット57は、均しローラ53の周面に残留した液体トナーを除去して回収することができる。このトナー回収ユニット56,57は、両者はほぼ同様の構成をなし、均しローラ53、現像ローラ54から剥離した残留トナーを所定の位置まで搬送して後述するトナータンクに回収するものである。
【0041】
また、図2及び図3に示すように、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、中間転写体32の周囲で、各印刷ユニット33,34,35,36より中間転写体32における回転方向の下流側にその回転方向に沿って並設されており、その構成は同様のものとなっている。そして、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、回収ブレード65,66,67,68が設けられている。また、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、電源装置により、例えば、−100V程度の転写バイアスが印加されている。そのため、中間転写体32のバイアス電圧と、キャリア除去ローラ61,62,63,64のバイアス電圧との差により、液体トナーを中間転写体32側へ吸引する力を与えている。なお、この場合、中間転写体32を接地(バイアス電圧=0)とし、キャリア除去ローラ61,62,63,64のバイアス電圧との差を発生させてもよい。
【0042】
但し、この場合、帯電しているのは、液体トナーに含まれる粒子状のトナーだけであり、液体状のキャリアは帯電していない。そのため、図4に示すように、液体トナーが転写されている中間転写体32に対してキャリア除去ローラ61,62,63,64が所定のニップ圧で対接すると、帯電しているトナー粒子は、電圧差により中間転写体32の表面に保持され、表面張力(表面エネルギ)により液体状のキャリアの約半分程度の量がキャリア除去ローラ61,62,63,64の表面に移動する。
【0043】
また、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理が施されている。即ち、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、ローラ本体の表面に耐食性処理及び剥離性処理が施されることで、平滑処理されることとなり、ローラ表面が所定の表面粗さとなっている。この場合、表面粗さ(最大高さ粗さ)Rz(Rzは、日本規格協会の「JIS B 0601:2001 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」で定義される「最大高さ粗さ」のこと)が、Rz≦5μm、となっている。なお、キャリア除去ローラ61,62,63,64における表面粗さRzは、Rz≦3μmが好ましく、この場合、トナーの粒径以下となり、トナーが表面の溝に入り込まずに十分な量のキャリアを除去可能となる。
【0044】
具体的に、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、金属製(例えば、炭素鋼など)のローラ本体の表面にめっき処理がなされている。このめっき処理としては、無電解ニッケルめっき処理が望ましい。但し、電解めっき処理でも良く、ニッケルに代えて、クロムなどとしてもよい。また、耐食性処理、剥離性処理、平滑処理をめっき処理ではなく、バフ仕上げ加工、鏡面仕上げ加工などとしてもよい。更に、金属製ローラに限らず、アルミや樹脂などとしてもよい。
【0045】
図1に示すように、定着装置13は、印刷シートSに転写されたトナー画像を加熱し、印刷シートSの上面に転写された液体トナー層(トナー画像)を定着するものである。この定着装置13は、加熱ローラ71、駆動ローラ72、支持ローラ73、無端の搬送ベルト74とから構成されている。従って、印刷シートSが、加熱ローラ71と駆動ローラ72及び支持ローラ73に掛け回された搬送ベルト74との間を搬送されるとき、加熱ローラ71により液体トナー層(トナー画像)が加熱されることで、印刷シートSにトナー画像を定着することができる。
【0046】
ところで、上述した給紙装置11と印刷装置12との間には、印刷シートSの第1シート搬送経路S1が設けられている。この第1シート搬送経路S1は、基端部側が2つに分岐して各給紙ユニット11a,11bに接続されており、先端部側がバックアップローラ31と中間転写体32とのニップ部に接続されている。そして、第1シート搬送経路S1は、給紙装置11から印刷装置12までの間に、駆動可能な上下一対の搬送ローラ81が所定間隔で複数設けられている。この場合、各搬送ローラ81の間隔は、印刷シートSにおける搬送方向の長さより短い間隔であり、少なくとも2組の搬送ローラ81が印刷シートSを保持して搬送可能となっている。
【0047】
また、定着装置13と排紙装置15との間には、印刷シートSの第2シート搬送経路S2が設けられており、この第2シート搬送経路S2に搬送装置14が設けられている。この第2シート搬送経路S2は、基端部側が定着装置13に接続され、先端部側が搬送装置14を介して排紙装置15に接続されている。そして、第2シート搬送経路S2は、定着装置13から排紙装置15までの間に、駆動可能な上下一対の搬送ローラ82が所定間隔で複数設けられている。この場合、各搬送ローラ82の間隔は、各搬送ローラ81と同様に、印刷シートSにおける搬送方向の長さより短い間隔であり、少なくとも2組の搬送ローラ82が印刷シートSを保持して搬送可能となっている。
【0048】
この第1シート搬送経路S1と第2シート搬送経路S2における搬送装置14の手前との間には、印刷シートSの表裏を反転させる反転装置91が設けられている。この反転装置91は、スイッチ機構92と、シート切替経路93と、搬送ローラ94と、シート反転経路95と、スイッチバックローラ96と、シート戻し経路97と、搬送ローラ98とを有している。この反転装置91は、両面印刷時に使用するものである。
【0049】
スイッチ機構92は、第2シート搬送経路S2を搬送される印刷シートSを搬送装置14またはシート切替経路93へ切替搬送するものであり、搬送ローラ94はシート切替経路93に供給された印刷シートSをシート反転経路95に供給することができる。このシート反転経路95は、印刷シートSを反転させるものであり、スイッチバックローラ96は、正転及び逆転可能であり、シート切替経路93に供給された印刷シートSをシート反転経路95に導き、その後、シート戻し経路97に供給することができる。このシート戻し経路97に供給された印刷シートSは、搬送ローラ98により第1シート搬送経路S1に戻されて再び印刷装置12に供給される。
【0050】
搬送装置14は、第2シート搬送経路S2を搬送中の印刷済の印刷シートSを排紙装置15まで搬送するものであり、循環可能なベルト部材により印刷シートSの下面を支持して水平搬送可能となっている。
【0051】
排紙装置15は、排紙台101と、前後方向位置調整部材102,103と、左右方向位置調整部材104とを有している。即ち、印刷済の印刷シートSが第2シート搬送経路S2に沿って搬送されるとき、搬送装置14は、保持した印刷シートSを排紙装置15の上方で解除して排紙する。このとき、前方向位置調整部材102が作動して印刷シートSの前方位置を位置決めすると共に、後方向位置調整部材103が印刷シートSの後方位置を位置決めする。また、左右方向位置調整部材104が印刷シートSの左右位置を位置決めする。
【0052】
ここで、上述した電子写真印刷装置10における液体トナーの供給経路及び回収経路について説明する。図5に示すように、液体トナー供給装置110は、コンクタンク111とキャリアタンク112とを有している。コンクタンク111は、感光ドラム41に導かれる液体トナーよりも高濃度の液体トナーを溜めるための容器である。コンクタンク111は、高濃度の液体トナーの容量が不足すると、ボトルトナー113から高濃度の液体トナーが補充される。キャリアタンク112は、キャリアを溜めるための容器である。キャリアタンク112は、キャリアの容量が不足すると、キャリア缶114からキャリアが補充される。
【0053】
液体トナー調整装置120は、分散タンク121と、攪拌タンク122を有している。分散タンク121は、トナー貯留部51から回収された液体トナーを溜めるための容器である。攪拌タンク122は、高濃度の液体トナーと、キャリアとの混合液、即ち、液体トナーを溜めるための容器である。分散タンク121内の液体トナーは、例えば、分散タンク121からオーバーフローすることで攪拌タンク122へ導かれる。
【0054】
コンクポンプ131は、コンクタンク111と攪拌タンク122とを繋ぐ通路に設けられており、コンクタンク111内の高濃度の液体トナーを攪拌タンク122に導く。キャリアポンプ132は、キャリアタンク112と攪拌タンク122とを繋ぐ通路に設けられており、キャリアタンク112内のキャリアを攪拌タンク122に導く。液体トナーポンプ133は、攪拌タンク122とトナー貯留部51とを繋ぐ通路に設けられており、攪拌タンク122内の液体トナーをトナー貯留部51に導く。回収ポンプ134は、トナー貯留部51と攪拌タンク122とを繋ぐ通路に設けられており、トナー貯留部51内の余剰な液体トナーTを攪拌タンク122へ戻す。
【0055】
回収ブレード141は、均しローラ53及び現像ローラ54の外周部に接触しており、表面上の余剰な液体トナーを回収する。ここでの余剰な液体トナーとは、感光ドラム41の外周部へ転写されなかった液体トナーである。具体的には、余剰な液体トナーとは、均しローラ53及び現像ローラ54の表面上のうち、非画線部にある液体トナーである。回収ポンプ135は、回収ブレード141と分散タンク121とを繋ぐ通路に設けられており、回収ブレード141が回収した液体トナーを分散タンク121へ導く。
【0056】
濃度センサ151は、例えば、攪拌タンク122とトナー貯留部51とを繋ぐ通路に設けられており、トナー貯留部51に導かれる液体トナーの濃度を検出する。図示しない制御装置は、濃度センサ151から液体トナーの濃度を示す信号を取得し、液体トナーの濃度が所定の濃度(トナーとキャリアとの重量比が例えば10〜40パーセント)になるように、高濃度の液体トナーとキャリアとを混合する。即ち、制御装置は、コンクポンプ131の動作と、キャリアポンプ132の動作とを制御する。
【0057】
なお、コンクタンク111、分散タンク121、攪拌タンク122、コンクポンプ131と、液体トナーポンプ133と、回収ポンプ134と、回収ポンプ135と、回収ブレード141と、濃度センサ151とは、それぞれ、印刷ユニット33,34,35,36ごとに1つずつ設けられる。なお、キャリアタンク112、キャリアポンプ132は、各印刷ユニット33,34,35,36で共用となる。キャリアポンプ132は、キャリアタンク112から、各印刷ユニット用の攪拌タンク122へキャリアを導く。
【0058】
クリーニング装置160は、キャリアノズル161と、キャリアポンプ162と、回収ブレード163とを有している。キャリアノズル161は、中間転写体32の外周面と対向して設けられており、キャリアを吐出して中間転写体32の外周部にキャリアを導く。キャリアポンプ162は、キャリアタンク112とキャリアノズル161とを繋ぐ通路に設けられており、キャリアタンク112内のキャリアをキャリアノズル161へ導く。回収ブレード163は、中間転写体32の外周面と対向して設けられており、キャリアノズル161から吐出されたキャリアによって希釈された液体トナーを回収する。
【0059】
キャリア除去ローラ61,62,63,64は、中間転写体32の外周面に対接して設けられる。キャリア除去ローラ61は、印刷ユニット33より中間転写体32における回転方向の下流側で、この中間転写体32の外周面上の液体トナー(キャリア)の一部を回収する。キャリア除去ローラ62は、印刷ユニット34より中間転写体32における回転方向の下流側で、この中間転写体32の外周面上の液体トナー(キャリア)の一部を回収する。キャリア除去ローラ63は、印刷ユニット35より中間転写体32における回転方向の下流側で、この中間転写体32の外周面上の液体トナー(キャリア)の一部を回収する。キャリア除去ローラ64は、印刷ユニット36より中間転写体32における回転方向の下流側で、この中間転写体32の外周面上の液体トナー(キャリア)の一部を回収する。これにより、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、中間転写体32の外周面上の液体トナーを整える。
【0060】
回収ブレード65,66,67,68は、キャリア除去ローラ61,62,63,64の外周面に対向して設けられており、このキャリア除去ローラ61,62,63,64の外周面上のキャリアを回収する。キャリアを回収したキャリア除去ローラ61,62,63,64は、めっき処理が施されているため、表面からキャリアが離れ易くなり、次に中間転写体32の液体トナー(キャリア)の一部を回収するとき、中間転写体32のキャリアを適正に回収可能となる。
【0061】
液体トナー回収装置170は、液体トナー回収ポンプ171,172,173,174,175を有している。液体トナー回収ポンプ171は、回収ブレード163と固形分分離装置180とを繋ぐ通路に設けられる。液体トナー回収ポンプ172,173,174,175は、回収ブレード65,66,67,68が回収したキャリアを固形分分離装置180へ導く。固形分分離装置180は、導かれた液体トナーやキャリアに含まれる固形分としてのトナーと、キャリアとの分離を促進し、含まれるトナーが低減されたキャリアを回収するものである。リサイクルキャリア供給ポンプ181は、含まれるトナーが固形分分離装置180によって低減されたキャリアをキャリアタンク112へ導く。
【0062】
以下、このように構成された本実施例の電子写真印刷装置10による印刷作業について説明する。
【0063】
本実施例の電子写真印刷装置10において、図1に示すように、給紙装置11では、2つの給紙ユニット11a,11bのうちの一方が作動し、印刷シートSを1枚ずつ送り出す。この給紙装置11から送り出された印刷シートSは、第1シート搬送経路S1にて、複数の搬送ローラ81により印刷装置12まで搬送される。印刷装置12にて、バックアップローラ31は、グリッパ31aの開放状態で印刷シートSの先端部を受け入れ、このグリッパ31aを閉止することで印刷シートSの先端部を把持し、回転することで保持した印刷シートSを搬送する。
【0064】
一方、中間転写体32では、各印刷ユニット33,34,35,36により、印刷シートSの第1面に転写されるべき静電画像が形成された感光ドラム41の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーが転写され、感光ドラム41上に画像が現像され、この感光ドラム41の周面に転写された液体トナーが中間転写体32に転写される。そして、バックアップローラ31に保持された印刷シートSが中間転写体32とのニップ部に至ると、ここで、中間転写体32の周面から印刷シートSにおける中間転写体32と接する側の面(第1面)に対して液体トナー(トナー画像)が転写される。
【0065】
そして、第1面に液体トナーが転写された印刷シートSは、定着装置13に搬送され、印刷シートSの上面(第1面)が加熱されることで、この第1面に転写されている液体トナー層(トナー画像)が定着される。
【0066】
第1面に液体トナーが定着された印刷シートSは、第2シート搬送経路S2にて、複数の搬送ローラ82により搬送される。そして、反転装置91により表裏が反転され、第1シート搬送経路S1により再び印刷装置12に搬送される。
【0067】
再び、印刷装置12に搬送された印刷シートSは、前述と同様に、バックアップローラ31のグリッパ31aにより先端部が把持され、このバックアップローラ31により搬送される。中間転写体32では、各印刷ユニット33,34,35,36により、印刷シートSの第2面に転写されるべき静電画像が形成された感光ドラム41の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーが転写され、感光ドラム41上に画像が現像され、この感光ドラム41の周面に転写された液体トナーが中間転写体32に転写される。そして、バックアップローラ31に保持された印刷シートSが中間転写体32とのニップ部に至ると、ここで、中間転写体32の周面から印刷シートSにおける中間転写体32と接する側の面(第2面)に対して液体トナー(トナー画像)が転写される。
【0068】
そして、第2面に液体トナーが転写された印刷シートSは、定着装置13に搬送され、印刷シートSの上面(第2面)が加熱されることで、この第2面に転写されている液体トナー層(トナー画像)が定着される。
【0069】
第1面及び第2面に液体トナーが定着された印刷シートSは、第2シート搬送経路S2にて、複数の搬送ローラ82により搬送装置14まで搬送され、この搬送装置14により排紙装置15まで伝送され、この排紙装置15により排紙される。
【0070】
ところで、図1及び図3に示すように、印刷装置12にて、各印刷ユニット33,34,35,36は、感光ドラム41上で帯電するトナーを含む液体トナー(画像)が中間転写体32に転写されることで、この中間転写体32の周面にトナーによる画像を含んだ液体トナー層(トナー画像)が形成される。このとき、印刷ユニット33,34,35,36の各感光ドラム41から液体トナーが中間転写体32に転写されるたびに、キャリア除去ローラ61,62,63,64が液体トナーに含まれるキャリアの一部を吸引除去する。この場合、液体トナーの中で帯電しているのは粒子状のトナーだけであり、この帯電しているトナー粒子は、電圧差により中間転写体32の表面に保持され、表面張力により液体状のキャリアの約半分程度の量がキャリア除去ローラ61,62,63,64の表面に移動する。
【0071】
また、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、表面が耐食性処理及び剥離性処理が施されることで平滑となっており、中間転写体32のトナー画像を傷つけることなく、所定量のキャリアだけを中間転写体32から除去できる。そして、このとき、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、中間転写体32との間に所定のニップ圧が設定されていることから、中間転写体32の表面に保持されているトナーを押圧し、その密度を高めることができ、トナー画像の平滑性を上げて高い光沢を確保できる。
【0072】
なお、キャリア除去ローラ61,62,63,64により中間転写体32から除去したキャリアは、回収ブレード65,66,67,68により除去され、リサイクルされる。ここで、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、上述したように、表面が耐食性処理及び剥離性処理が施されることで平滑となっており、回収ブレード65,66,67,68によりキャリアを剥がしやすく、回収性がよい。
【0073】
このように本実施例のキャリア除去ローラにあっては、中間転写体32の外周部であって印刷ユニット33,34,35,36の下流側に、中間転写体32に対接して回転可能であると共に、印刷ユニット33,34,35,36から中間転写体32に転写された液体トナー中のキャリアを吸引除去するキャリア除去ローラ61,62,63,64を設け、その表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理を施している。
【0074】
従って、印刷ユニット33,34,35,36から中間転写体32に液体トナーが転写され、この中間転写体32に対してキャリア除去ローラ61,62,63,64が対接することで、中間転写体32の表面にある液体トナーからキャリアだけを吸引除去することができ、このとき、キャリア除去ローラ61,62,63,64は、表面に耐食性処理及び剥離性処理が施されていることから、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアだけを適正に除去することができる。
【0075】
また、本実施例のキャリア除去ローラではローラ本体の表面を平滑処理している。従って、キャリア除去ローラ61,62,63,64が中間転写体32に対接するとき、中間転写体32の表面にある液体トナー中のトナー粒子が適正に押し固められることとなり、トナーの平滑性や高い光沢が確保され、高精度なトナー画像を形成することができる。
【0076】
また、本実施例のキャリア除去ローラでは、ローラ本体を金属製とし、その表面にめっき処理をなして構成している。従って、金属製ローラの表面にめっき処理を行うことで、簡単な構成で容易に耐食性処理及び剥離性処理が施すことができる。また、めっき処理によりキャリア除去ローラ61,62,63,64は、表面が磨耗しにくいことから、回収ブレード65,66,67,68との間で振動(ビビリ)が発生しにくくなり、トナー画像が乱れずに安定化を可能とすることができる。
【0077】
また、本実施例のキャリア除去ローラでは、中間転写体32の表面にある液体トナーからキャリアだけを吸引するためのバイアス電圧が印加されている。従って、簡単な構成で中間転写体32の表面にある液体トナーからキャリアだけを適正に除去することができる。
【0078】
また、本実施例の電子写真印刷装置にあっては、給紙装置11と、印刷装置12と、定着装置13と、トナー画像が定着された印刷シートSを搬送する搬送装置14と、排紙装置15とを備えて構成し、印刷装置12として、液体トナーを静電潜像の形成された感光ドラム41上に転写して現像を行う印刷ユニット33,34,35,36と、印刷ユニット33,34,35,36により現像された液体トナーを転写する中間転写体32と、中間転写体32と接してニップ部を形成すると共に液体トナーを吸引するためのバイアス電圧が印加されたバックアップローラ31と、中間転写体32と接してニップ部を形成すると共に液体トナーからキャリアだけを吸引するためのバイアス電圧が印加されて表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理が施されるキャリア除去ローラ61,62,63,64とを設けている。
【0079】
従って、印刷装置12にて、印刷ユニット33,34,35,36により静電潜像の形成された感光体41上に液体トナーを転写して現像を行い、この現像された液体トナーは中間転写体32に転写され、この中間転写体32に対してキャリア除去ローラ61,62,63,64が対接することで、中間転写体32の表面にある液体トナーからキャリアだけが吸引除去され、その後、中間転写体32とバックアップローラ31との間を印刷シートSが搬送されるとき、中間転写体32の液体トナーが印刷シートSに転写されて印刷が行われる。このキャリア除去ローラ61,62,63,64は、表面に耐食性処理及び剥離性処理が施されていることから、トナー画像の損傷を抑制しながらキャリアだけを適正に除去することができる。
【0080】
また、上述した実施例では、中間転写体32の外周部に4つの印刷ユニット33,34,35,36を設け、各印刷ユニット33,34,35,36の下流側に対応して4つのキャリア除去ローラ61,62,63,64を設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、印刷ユニット33,35の下流側だけに対応してキャリア除去ローラを設けたり、印刷ユニット33の下流側だけに対応してキャリア除去ローラを設けたりしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 電子写真印刷装置
11 給紙装置
12 印刷装置
13 定着装置
14 搬送装置
15 排紙装置
31 バックアップローラ(2次転写体)
32 中間転写体(1次転写体)
33,34,35,36 印刷ユニット
41 感光ドラム
61,62,63,64 キャリア除去ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写体に対接して回転可能であると共に、印刷ユニットにより前記転写体に転写された液体トナーからキャリアを吸引除去するキャリア除去ローラであって、
表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理が施される、
ことを特徴とするキャリア除去ローラ。
【請求項2】
ローラ本体の表面が平滑処理されて構成されることを特徴とする請求項1に記載のキャリア除去ローラ。
【請求項3】
ローラ本体を金属製とし、その表面にめっき処理がなされて構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア除去ローラ。
【請求項4】
前記転写体の表面にある液体トナーからキャリアだけを吸引するための液体トナー極性と同極のバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のキャリア除去ローラ。
【請求項5】
被印刷物を1枚ずつ供給可能な給紙装置と、
該給紙装置から供給された前記被印刷物に対して液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写する印刷装置と、
前記被印刷物に転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着装置と、
該定着装置によりトナー画像が定着された前記被印刷物を排紙する排紙装置と、
を備える電子写真印刷装置において、
前記印刷装置は、
液体トナーを静電潜像の形成された感光体上に転写して現像を行う印刷ユニットと、
該印刷ユニットにより現像された前記液体トナーを転写する1次転写体と、
前記1次転写体と接することによりニップ部を形成して前記液体トナーを前記被印刷物に転写するためにバイアス電圧を印加する2次転写体と、
前記1次転写体と接することによりニップ部を形成して液体トナーからキャリアだけを吸引するためのバイアス電圧が印加されて表面に液体トナーに対する耐食性処理及び剥離性処理が施されるキャリア除去ローラと、
を有することを特徴とする電子写真印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−150344(P2012−150344A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9843(P2011−9843)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】