キャリブレーション方法および情報入力補助シート
【課題】 簡易な方法により、情報入力補助シートと画面または印刷物との縦横比を正確に対応付け、高い入力精度を実現することのできる、情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法を提供する。
【解決手段】 印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートがディスプレイの表示画面上に配置して使用され、情報入力補助シートの一面側の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが設けられており、このマークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの座標系と情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるキャリブレーション方法とした。
【解決手段】 印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートがディスプレイの表示画面上に配置して使用され、情報入力補助シートの一面側の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが設けられており、このマークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの座標系と情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるキャリブレーション方法とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットパターンが印刷されたシートと、当該シートを利用するためのキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ、PDA、ハンディ端末等のオペレーションにおいて、画面に直接指先またはタッチペン等で入力する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
これらの従来技術では、たとえば、タッチペンの操作された座標を感圧式または光学式のタッチパネルで認識して、その制御を制御手段に通知する方法であった。
【0004】
しかし、従来のタッチパネル技術は、使用する部品・材料が高価であり、その殆どがハードウェアと一体に製造されるものであり、そのため、タッチパネルを備えたパーソナルコンピュータやATMなどの装置は、非常に高価なものであった。
【0005】
このような問題を解決するため、ディスプレイの上に着脱可能に装着するためのタッチパネルも一部、開発されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−171600号公報
【特許文献2】特開2001−92595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、既に使用されているハードウェアにタッチパネルを装着する場合、高価であると共に機種や使用条件が限られており、広く簡易に使用することができなかった。しかも、ディスプレイの上に着脱可能に装着するためのタッチパネルにおいても、感圧式のものがほとんどであるため、タッチパネル入力による反応が良好ではなく、かつ、指で直接タッチするためにタッチパネルそのものが汚れて、ディスプレイの認識性が悪くなるという欠点を有していた。
【0008】
さらに、従来の着脱式のタッチパネルは、ディスプレイ上に装着するものしか提案されておらず、それ以外の印刷物あるいは媒体上で用いるものは全く提案されていなかった。
【0009】
そこで本発明者は、簡易で低コストであり、かつ、入力精度ならびに入力効率の極めて高く、装着対象を選ばない情報入力補助シートを提案している。
【0010】
この情報入力補助シートは、例えば既存のディスプレイ画面上に配置される。ユーザが情報入力補助シートを透してディスプレイ画面上の通常のサイズ等のアイコン等をスキャナペンでタッチすると、そのアイコン等に対応した情報が出力される。
【0011】
また、この情報入力補助シートは、例えば既存の印刷物の上に被せて使用される。ユーザが情報入力補助シートを透して印刷物上の文字や図柄をスキャナペンでタッチすると、その文字や図柄に対応した情報が、ディスプレイやスピーカ等から出力される。
【0012】
このように、従来のタッチパネルであれば、指でアイコンをタッチするため、アイコンも大きく設けられており、入力時の誤差の許容範囲が大きく、タッチパネルの入力精度はそれほど高くする必要はなかった。
【0013】
しかし、既存の画面表示や印刷物と共に用いることも想定される情報入力補助シートでは、既存のアイコン表示や印刷物の表示がタッチによる指示を考慮したものではなく、表示が細かいため、表示された画像や印刷された図柄をタッチするときには、高い入力精度が要求されることがある。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡易な方法により、情報入力補助シートと画面または印刷物との縦横比を正確に対応付け、高い入力精度を実現することのできる、情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、前記情報入力補助シートの一面側の2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークが設けられており、前記マークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるキャリブレーション方法である。
【0016】
このように、情報入力補助シートに配置されたマークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの解像度で正確なキャリブレーションを行なうことが可能となり、以後の情報入力補助シート上でのドットパターン読取手段による入力と、ディスプレイ上の画像に対する処理に座標的なずれが生じることを防止することができる。
【0017】
本発明の請求項2は、前記キャリブレーション用マークは、脱着可能な透明シールに形成されており、前記キャリブレーション終了後に当該シールを前記情報入力補助シートから剥離する請求項1記載のキャリブレーション方法である。
【0018】
これにより、キャリブレーション後、情報入力補助シート上のキャリブレーション用マークを排除することができ、ディスプレイの画面表示を損なわないことが可能となる。
【0019】
本発明の請求項3は、前記キャリブレーション用マークは、前記情報入力補助シート上に除去可能な状態で設けられており、前記キャリブレーション終了後に前記情報入力補助シート上から除去される請求項1記載のキャリブレーション方法である。
【0020】
これにより、キャリブレーション後、情報入力補助シート上のキャリブレーション用マークを消去することができ、ディスプレイの画面表示を損なわないことが可能となる。
【0021】
本発明の請求項4は、請求項1〜3のいずれかに記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シートである。
【0022】
本発明の請求項5は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、前記ディスプレイの2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークを少なくとも一時的に表示させ、ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行うキャリブレーション方法である。
【0023】
これによれば、情報入力補助シートにキャリブレーション用マークを印刷する必要がないため、より簡易にキャリブレーションを行なうことが可能となる。
【0024】
本発明の請求項6は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、前記情報入力補助シートおよび前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、双方のキャリブレーション用マークを合致させて、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法である。
【0025】
このように、目視で簡易にキャリブレーションを行ない、以後の情報入力補助シート上でのスキャナによる入力と、印刷物上の画像に対する処理に座標的なずれが生じることを防止することができる。
【0026】
本発明の請求項7は、請求項6に記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シートである。
【0027】
本発明の請求項8は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法である。
である。
【0028】
これによれば、キャリブレーション用マークは印刷物上のみに印刷されていればよく、情報入力補助シートにキャリブレーション用マークを印刷する必要がないため、汎用的に情報入力補助シートを使用できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、汎用のコンピュータ、PDA、携帯電話等、あらゆる表示手段を備えた装置を、きわめて容易にタッチパネル式の入力手段とすることができる。
【0030】
また、書籍やカタログ等の印刷物自体、さらにはあらゆる媒体に装着することが可能で、媒体自体には何らのコードを印刷することなく、きわめて低コストで、媒体の部位に関連したテキスト、イラスト、写真、音声、動画等のマルチメディア情報の出力や、機器のオペレーションを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1〜図2は、本発明に係る情報入力補助シートであるグリッドシートをディスプレイに装着して用いる実施例について示した説明図である。
【0032】
図1は、情報処理装置である汎用的なコンピュータシステムに、グリッドシートを用いた図である。本実施例では、パソコン等の液晶ディスプレイ(LCD)やCRT(ブラウン管)などのディスプレイ画面上に、グリッドシートを貼付する。グリッドシートは、透明フィルムで形成されており、ドットパターンが印刷されている。このドットパターンは、詳細は後述するが、XY座標値および/またはコード値を所定のアルゴリズムでパターン化したものである。コンピュータ本体には、ドットパターン読取手段であるスキャナが接続されている。ユーザは、透視した画面の指示に従って、スキャナでグリッドシートをタッチする。スキャナは、ドットパターンを読み込み、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信し、パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析しグリッドシート上のXY座標値を求め、更にディスプレイ上のxy座標値に変換し、座標値の情報からタッチパネル形式の入力が可能となる。
【0033】
これによれば、本シートによってタッチパネル形式の入力が可能となり、安価で利便性に優れたタッチパネルを提供することが可能となる。また、インターネットのサイトを閲覧しているときに、リンク情報が設定されていない情報であっても、関連情報を検索して参照することも可能となる。
【0034】
なお、図1では情報処理装置としてパーソナルコンピュータを用いたが、本発明はこれに限らず、情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、PDA、テレビ受信装置、フロントおよびリアプロジェクタ、ゲーム装置、カラオケ装置、携帯電話端末装置、POS端末装置、ATM、KIOSK端末、カーナビ、パチンコ、時計、スマートフォン等であってもよい。これらにおいては、タッチパネル形式の入力デバイスとしてディスプレイまたはスクリーンの表示画面上にグリッドシートが配置される。
【0035】
図2は、図1で説明したグリッドシートの内部構造について示した断面図である。
【0036】
同図(a)は、スキャナで、グリッドシートをタッチしている状態を示した縦断面図である。
【0037】
同図に示すように、グリッドシートは、表示装置側から、赤外線反射層、ドットパターン層、保護用透明シート(保護層)が積層された構造となっている。
【0038】
赤外線反射層は、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線を透過する材料で生成された蒸着用透明シートに、赤外線反射材料が蒸着された構成となっている。赤外線反射層は、スキャナの赤外線照射手段から照射し保護用透明シートを透過した赤外線を、スキャナに対して反射させるとともに、可視光を透過させる。それとともに、表示装置からの赤外線を遮断する。これにより、スキャナの赤外線照射手段から照射された赤外線光のみを照射光とすることができ、明るく鮮明なドットパターンのみを撮影でき、ドットコードを正確に解析できる。
【0039】
ドットパターン層には、カーボンインク等の赤外線吸収特性材料からなるドットを後述するような所定の規則に則って配列したドットパターンが印刷されている。
【0040】
保護用透明シートは、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線および赤外線を透過する材料で生成されている。ドットパターンを繰り返しスキャナでタッチすると、ドットが磨耗し、正確にドットパターンを読み取れなくなるという問題が生じる。そこで、保護用透明シートを設けることにより、ドットの磨耗と汚れを防ぎ、シートを長期間使用することが可能となる。
【0041】
スキャナには、赤外線照射手段であるIR−LEDと、その反射光の所定波長成分をカットするIRフィルター、および撮像素子であるC−MOSセンサ、およびレンズが内蔵されている。スキャナは、グリッドシートに照射した照射光の反射光を撮影する。上述したように、ドットパターンは赤外線を吸収する特性を有するインクで印刷されているため、C−MOSセンサでの撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることとなる。
【0042】
この場合、赤外線反射層で鏡面反射された反射層は、同図に示すように、レンズに反射光が入射されず、同図(b)に示すように、中央が真っ黒な状態で撮影されてしまう。そのため、ドットパターンを漏れなく撮影することができない。したがって、赤外線を拡散反射させてレンズに入射させる必要がある。すなわち、図3(a)に示すように、ドットパターン印刷層と赤外線反射層との間に、赤外線拡散層を設ける。この赤外線拡散層は、透明または半透明の材質で形成されている。これによって、同図(b)に示すようにIR−LEDから照射された赤外線は、赤外線反射層で鏡面反射し、赤外線拡散層で拡散し、全ての撮影領域の反射光がレンズに入射する。
【0043】
なお、同図においては、グリッドシートに赤外線拡散層を設けたが、本発明はこれに限らず、スキャナの撮影口に赤外線拡散材料によるフィルターを設けてもよい。
【0044】
図4は、グリッドシートの種々の構造を示した断面図である。
【0045】
同図(a)は、赤外線を反射するとともに、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層と、ドットパターン層と、からなるグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まずドットパターン層のドットが形成されている部分(以下、ドット部という)で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線反射層で鏡面反射し、ドット部を除いてドットパターン層を透過する。
【0046】
同図(b)は、赤外線反射層とドットパターン層との間には、可視光を透過するとともに前記赤外線を拡散させる赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まずドットパターン層のドット部で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線拡散層で拡散した後、赤外線反射層で鏡面反射し、再び赤外線拡散層で拡散してドット部を除いてドットパターン層を透過する。
【0047】
同図(c)は、ドットパターン層の一面側、すなわち、赤外線反射層の逆側には、可視光を透過するとともに赤外線光を拡散させる赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まず赤外線拡散層で拡散した後、ドットパターン層のドット部で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線反射層で鏡面反射し、再びドット部を除いてドットパターン層を透過して赤外線拡散層で拡散する。
【0048】
同図(d)は、一面側からの赤外線を拡散反射するとともに、可視光を透過する特性を有する赤外線拡散反射層と、ドットパターン層と、からなるグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まずドットパターン層のドット部で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線拡散反射層で拡散反射し、ドット部を除いてドットパターン層を透過する。
【0049】
同図(e)は、同図(a)で示したグリッドシートのドットパターン層側の外面に、赤外線光および可視光を透過する特性を有する保護層が設けられているグリッドシートである。このような保護層を設けることにより、ドットの磨耗や汚れを防ぎ、シートを長期間使用することが可能となる。
【0050】
なお、保護層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(d)で示したグリッドシートのドットパターン層側外面に設けられていてもよい。
【0051】
同図(f)は、同図(a)で示したグリッドシートにおいて、ドットパターン層と反対側からの赤外線も反射する特性を有しているグリッドシートである。このような特性を有することにより、本発明のグリッドシートを装着したディスプレイ画面やスクリーンからの赤外線を遮断し、赤外線照射手段から照射された赤外線光のみを照射光とすることができる。そのため、明るく鮮明なドットパターンのみを撮影でき、ドットコードを正確に解析できる。
【0052】
なお、同図(a)のみでなく、(b)〜(e)で示したグリッドシートにおいて、ドットパターン層と反対側(他面側)からの赤外線も反射する特性を有していてもよい。
【0053】
同図(g)は、同図(a)で示したグリッドシートにおいて、赤外線反射層の反ドットパターン層側には、粘着層が設けられているグリッドシートである。粘着層は、取り外し可能な材質で生成されている。当該粘着層は、グリッドシートを表示装置や媒体に貼り付けて使用する場合にのみ必要であり、後述するように、印刷物上に載せたり、はさんだりして使用する場合には必要がない。このような粘着層を設けることにより、グリッドシートをディスプレイ等に容易に貼り付けることが可能となる。
【0054】
なお、粘着層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(e)で示したグリッドシートの、赤外線反射層の反ドットパターン層側に設けられていてもよい。
【0055】
図5は、グリッドシートの他の実施例を示したものである。本実施例においては、シートの両面にドットパターン層を設けたことを特徴とする。
【0056】
同図(a)は、それぞれの面への赤外線をそれぞれの方向に反射するとともに、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層と、赤外線反射層の両面に設けられたドットパターン層と、からなるグリッドシートである。これによって、シートを両面で利用することができるため、利便性が向上する。
【0057】
同図(b)は、赤外線反射層とそれぞれの面のドットパターン層との間には、可視光を透過するとともにそれぞれの方向からの赤外線光を拡散させる赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。
【0058】
同図(c)は、赤外線反射層とそれぞれの面のドットパターン層のさらに外面に赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。
【0059】
同図(d)は、赤外線拡散反射層と、赤外線拡散反射層の両面に設けられたドットパターン層と、からなるグリッドシートである。
【0060】
同図(e)は、同図(a)で示したグリッドシートの外面両面に、それぞれの方向からの赤外線光および可視光を透過する特性を有する保護層が設けられている情報入力補助シートである。
【0061】
なお、保護層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(d)で示したグリッドシートの外面両面に設けられていてもよい。
【0062】
同図(f)は、同図(a)で示したグリッドシートにおいて、赤外線反射層のそれぞれの反ドットパターン層側、すなわち、グリッドシートの外面両面に、粘着層が設けられているグリッドシートである。
【0063】
なお、粘着層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(e)で示したグリッドシートの外面両面に設けられていてもよい。
【0064】
同図(a)〜(f)のグリッドシートにおける各層の説明および反射についての説明は前述したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0065】
なお、同図に示したグリッドシートにおいては、赤外線反射層または赤外線拡散反射層の一面側と他面側のドットパターン層では、異なる座標値および/またはコード値がパターン化されていてもよい。
【0066】
また、図4〜5に示したグリッドシートにおいては、ドットパターン層またはその他の層に、赤外線透過材料または赤外線反射材料からなるインクでテキスト、イラスト、写真等が重畳印刷されていてもよい。
【0067】
<ドットパターンの説明>
このような情報入力補助シートに印刷されたドットパターンについて、図6〜図12を用いて説明する。
【0068】
<ドットパターンの説明 GRID1>
図6〜図11は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0069】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0070】
図6はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図7(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0071】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0072】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、数値情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図6に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図6の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0073】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0074】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0075】
キードット2は、図6に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0076】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図7(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0077】
図7(b)は、図6のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0078】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0079】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0080】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0081】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0082】
図6に示すように、1個のドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、各ブロック内には2ビットの情報ドット3が配置されている。この情報ドット3のドットコードフォーマットを示したものが図8である。
【0083】
図8に示すように、1個のドットパターン中には、パリティチェック、コード値、X座標、Y座標が記録されている。
【0084】
図9は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0085】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0086】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て、情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で28の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0087】
図10は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0088】
図11はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0089】
図6に示すドットパターン1は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0090】
<ドットパターンの説明 ディレクションドット>
次に、ドットパターンの他の形態であるディレクションドットについて図12を用いて説明する。
【0091】
本ドットパターンは、ブロックの形状によって、ドットパターンの方向を定義したものである。図12(a)において、まず基準点48a〜48eが配置されている。この基準点48a〜48eを結ぶ線によってブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義されている。そして、この基準点に基づいて仮想基準点48f、48g、48hが配置され、この仮想基準点を始点として方向と長さを有するベクトル終点に情報ドット3が配置されている。このように、同図では、ブロックの向きを基準点の配置の仕方によって定義することができる。そしてブロックの向きが定義されるディレクションドットによって、ブロック全体の大きさも定義されることになる。
【0092】
なお、図12(a)においては、基準点48a〜48eと情報ドット3は全て同一形状のもので説明したが、基準点48a〜48eを情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、この基準点48a〜48eと情報ドット3とは識別可能であればいかなる形状としてもよく、三角形、四角形それ以上の多角形であってもよい。
【0093】
図12(b)は、ブロックの仮想格子点上に情報ドットがあるか否かによって、情報を定義したものである。
【0094】
なお、図12(c)は、図12(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0095】
図13〜図18は、本発明の他の実施形態について説明する図である。本実施形態では、グリッドシートを印刷物上に被せて使用する。
【0096】
図13は、ドットパターンが片面にのみ印刷されたグリッドシートを使用する場合について示した図である。
【0097】
ユーザは、本や雑誌、新聞等の印刷物上に、グリッドシートを被せて使用する。同図(a)に示すように向かって右側のページに使用する場合であっても、同図(b)に示すように向かって左側のページに使用する場合であっても、ユーザは、シートの表側を上に向けて使用する。
【0098】
図14(a)は、グリッドシートの表面を示した正面図である。グリッドシートは、ほぼ全域にXY座標を意味するドットパターンが印刷されており、下部には、0から9までの数字および「頁入力」「決定」「中止」の文字が記載されたアイコンと、コード値を意味するドットパターンが重畳印刷されている。このアイコンは、印刷物を特定するインデックスをスキャナで入力するためのアイコンである。
【0099】
同図(b)は、グリッドシートの縦断面図である。本グリッドシートは、裏面側から、保護用透明シート、透明赤外線拡散反射層、ドットパターン+グラフィック印刷層、保護用透明シートが層になって構成されている。ここで、グラフィック印刷層とは、可視的な印刷層のことである。
【0100】
図15は、ドットパターンが両面に印刷されたグリッドシートを使用する場合について示した図である。この場合は、グリッドシートを挟み込んだまま使用することが可能である。すなわち、まず右ページにグリッドシートを使用するときは、(a)に示すようにグリッドシートを右ページに被せる。すると、右側にアイコンが印刷されている面が上になる。次に、左頁にグリッドシートを使用するときは、(b)に示すように、グリッドシートを挟み込んだまま、グリッドシートを左側にめくる。すると、左側にアイコンが印刷された面が上になる。なお、アイコンは両面にインクで印刷されている。
【0101】
図16(a)は、グリッドシートの表面を示した正面図、同図(b)は裏面を示した正面図である。グリッドシートの表面は、ほぼ全域にXY座標を意味するドットパターンが印刷されており、右部には、0から9までの数字および「頁入力」「決定」「中止」の文字が記載されたアイコンと、コード値を意味するドットパターンが重畳印刷されている。このアイコンは、印刷物を特定するインデックスをスキャナで入力するためのアイコンである。グリッドシートの裏面は、ほぼ全域にXY座標を意味するドットパターンが印刷されており、左部に、表面と同様のアイコンとドットパターンが重畳印刷されている。
【0102】
同図(c)は、グリッドシートの断面図である。本グリッドシートは、裏面側から、保護用透明シート、ドットパターン+グラフィック印刷層、赤外線拡散反射層、ドットパターン+グラフィック印刷層、保護用透明シートが層になって構成されている。
【0103】
図17は、ユーザがグリッドシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムを示した図である。
【0104】
同図(a)に示すように、ユーザは、印刷物上にグリッドシートを被せ、グリッドシートをスキャナでタッチする。スキャナ内の中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析して、座標値または/およびコード値に変換し、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信する。なお、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置で座標値または/およびコード値に解析・変換してもよい。
【0105】
座標値は、ドット座標系におけるXY座標の値を意味している。また、グリッドシートに印刷されたアイコンにタッチして印刷物紙面を特定するインデクス(ページ、タイトル等)を入力するか、もしくは、キーボードで入力するインデックスのコード値は、例えば、印刷物紙面の頁数を意味している。そこで、n頁が指定されたとする。予め、テキスト、イラスト、写真等の印刷情報をXY座標値で特定するマスクと、当該マスクNo.に対応するマルチメディア情報を設定しておけば、スキャナで読み取ったグリッドシートのドットパターンのXY座標値を基に、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置は、ハードディスク内に格納されているドット座標−マスクNo.対応テーブル(同図(b))を参照する。当該テーブルは、頁ごとに設けられており、本実施例では、n頁のドット座標−マスクNo.対応テーブルを参照する。そして、タッチ位置のマスクNo.を検出する。たとえば、同図(b)に示した十字部分がタッチ位置である場合、マスクNo.は1である。次に、同図(c)に示す頁No.−マスクNo−マルチメディア情報ファイル対応テーブルを参照する。当該テーブルでは、頁No.と、マスクNo.に対応してマルチメディア情報ファイルが登録されるようになっている。たとえば、n頁のマスク1にはWebアドレスが登録されており、n頁のマスク2にはローカルのドライブと実行ファイルが登録されている。当該テーブルから、頁No.とマスクNo.に対応したマルチメディア情報ファイルを検索し出力する。すなわち、頁No.がnでマスクNo.が1であるので、登録されたWebアドレスにおけるWebページが表示される。
【0106】
図18は、ユーザがシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムの他の形態を示した図である。
【0107】
同図では、一例として、文章中に「東京」と記載されている印刷物において、「東京」の文字をタッチした場合について説明する。
【0108】
同図に示すように、グリッドシートに印刷されたアイコンにタッチして印刷物紙面を特定するインデックスを入力するか、もしくは、キーボードでインデックスを入力し印刷物紙面を特定し、ユーザは印刷物上にグリッドシートを被せ、「東京」と記載されている部分のドットパターンをスキャナでタッチする。するとスキャナ内の中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析して、座標値または/およびコード値、ドットXY座標とに変換し、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信する。なお、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置で座標値または/およびコード値に解析・変換してもよい。
【0109】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、上記により得られた印刷物紙面IDとドットXY座標を、印刷情報上のDTPxy座標(印刷物の元データであるDTP面上でのxy座標)に変換する。
【0110】
次にパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ネットワーク(NW)を介してドキュメント管理サーバにアクセスする。ドキュメント管理サーバには、各印刷物紙面に対応したDTPファイルが格納されている。中央処理装置(CPU)は、ドキュメント管理サーバから、該当する印刷物紙面(例えば、ID=n)のDTPファイルを取り出す。そして、ID=nのDTPファイルにおいて、タッチ位置(x、y)に最も近いDTP座標(xt、yt)を選択し「東京」を特定する。DTP座標(xt、yt)はテキスト領域の中心位置の座標である。DTP座標を検索したら、辞書サーバにアクセスし、特定されたテキストやイラスト、写真等を示すデータファイルを検索する。辞書サーバには、テキストやイラスト、写真等を示すデータファイルに対応する説明やURL、マルチメディア情報等の関連情報が格納されている。ドキュメント管理サーバの中央処理装置(CPU)は、プログラムに基づいて辞書サーバから「東京」を検索し、ネットワーク(NW)を介してパーソナルコンピュータに自動的に関連情報を送信する。これにより、パーソナルコンピュータのディスプレイ上に、「東京」に関する説明が出力・表示される。
【0111】
これによれば、印刷物上にグリッドシートを被せてその上にスキャナでタッチするだけで、印刷物上のテキストやイラスト、写真等の詳細な説明を画面に表示させることができる。
【0112】
従来は、印刷物に、テキストやイラスト、写真等とドットパターンを重畳印刷して、ユーザが印刷物をスキャナでタッチすることにより、タッチした文字等に対応する情報を出力させていた。しかし、この方法では、既に印刷された媒体を取り扱うことは出来ず、新たに印刷する必要があった。本発明では、印刷物にシートを被せて使用するため、既存の印刷物を対象とすることができる。また、複数の印刷物を対象に1枚のシートで共通して使用できるため、利便性が高まる。
【0113】
図19は、グリッドシートをディスプレイに貼付して、スキャナでタッチしたコンテンツ特定情報を認識し、関連する情報を自動的に検索し出力する実施例について示した説明図である。
【0114】
同図では、一例として、表示画面上に表示された「東京」の文字をタッチした場合について説明する。
【0115】
同図に示すように、パーソナルコンピュータの表示画面上には、グリッドシートが貼付されている。ユーザは、「東京」と表示されている部分のドットパターンをスキャナでタッチする。するとスキャナ内の中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析してXY座標に変換し、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信する。このXY座標は、ドット座標系におけるタッチ位置のXY座標値である。なお、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置で座標値に解析・変換してもよい。
【0116】
次にパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ネットワーク(NW)を介してディスプレイに表示された各コンテンツのWebサーバにアクセスする。Webサーバには、各コンテンツファイルが格納されている。中央処理装置は、表示されているコンテンツファイル(HTML、XML、フラッシュ等)を取り出す。そして、取り出したコンテンツファイルにおいて、ドット座標系におけるタッチ位置のXY座標値を、HTML、XML、フラッシュ等のコンテンツの書式情報におけるxy座標値に変換する。
【0117】
なお、表示されているコンテンツファイルがパーソナルコンピュータ上にある場合は、Webサーバにアクセスしてコンテンツファイルを取り出す必要はない。
【0118】
次に、タッチ位置座標値(x、y)に最も近い、ディスプレイに表示されたテキスト、イラスト、写真等のコンテンツ特定情報の座標値(xt、yt)を検索する。コンテンツ特定情報の座標値(xt、yt)は、コンテンツ特定情報の中心位置の座標である。コンテンツ特定情報を認識したら、認識されたテキストやイラスト、写真等を示すデータファイル等のコンテンツ特定情報に対応する音声情報、画像情報等の種々のマルチメディア情報を、電子辞書や予め対応するマルチメディア情報を設定したデータベースから検索する。辞書サーバには、テキストやイラスト、写真等を示すデータファイルに対応する説明やURL、マルチメディア情報等のコンテンツ関連情報が格納されている。中央処理装置(CPU)は、辞書サーバから「東京」を検索し、ネットワーク(NW)を介してパーソナルコンピュータに自動的にコンテンツ関連情報を出力する。これにより、パーソナルコンピュータのディスプレイ上に、「東京」に関する説明が表示される。
【0119】
これによれば、ディスプレイ上にグリッドシートを配置するだけで、ディスプレイ上のテキストやイラスト、写真等の詳細な説明を画面に表示させることができる。
【0120】
図20は、このような実施例に用いるグリッドシートの縦断面図である。グリッドシートは、裏面側から、粘着層、赤外線拡散反射層、ドットパターン+グラフィック印刷層、保護用透明シートで構成されている。
【0121】
図21は、グリッドシートをフロントプロジェクタシステムに用いた場合について説明した図である。
【0122】
本実施例では、スクリーン上に、グリッドシートを貼付して用いる。スクリーンには、プロジェクタにより所定の画像が投影表示される。プロジェクタは図示しないパーソナルコンピュータもしくは映像配信システムに接続されており、このパーソナルコンピュータに接続されたスキャナを用いてスクリーンの任意の位置をタッチすると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてパーソナルコンピュータで座標値に変換される。パーソナルコンピュータのハードディスク装置もしくは映像配信サーバでは、座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示が行なわれる。
【0123】
図22は、リアプロジェクタ用パネルを用いた例であり、背後からリアプロジェクタによって映像を投影するシステムになっている。
【0124】
このリアプロジェクタ用パネルの表面には、グリッドシートが貼付されている。グリッドシートの構造は、図20で示したものと同様である。
【0125】
リアプロジェクタ用パネルには、リアプロジェクタにより所定の画像が投影表示される。リアプロジェクタは図示しないパーソナルコンピュータもしくは映像配信システムに接続されており、このパーソナルコンピュータに接続されたスキャナを用いてリアプロジェクタ用パネルの任意の位置をタッチすると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてパーソナルコンピュータで座標値に変換される。パーソナルコンピュータのハードディスク装置もしくは映像配信サーバでは、座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示が行なわれる。
【0126】
図23(a)は、携帯端末にグリッドシートを用いた例である。携帯端末のディスプレイに、グリッドシートを貼付する。そして、無線もしくは、ケーブルで接続されたスキャナで、グリッドシートをタッチする。すると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてスキャナ内もしくは、携帯端末内で座標値に変換される。携帯端末のメモリ内もしくは、携帯用ドットコード管理サーバには、座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルが格納されている。携帯端末内の中央処理装置は、このインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示を行なう。
【0127】
図23(b)は、カーナビゲーション装置にグリッドシートを用いた例である。
【0128】
このようにカーナビゲーション装置に用いる場合には、スキャナとカーナビゲーション装置との通信はブルートゥース等による無線通信で行うことが好ましい。また、スキャナは、携帯端末に接続して、読み取ったドットパターンに対応するデータを携帯端末ネットワークを介してサーバに送信してもよい。
【0129】
また、同図に示したカーナビと、印刷物としてのドットパターンが印刷された観光ガイド等の地図を併用してもよい。
【0130】
図24〜図25は、本発明に係るグリッドシートをシンクライアント方式に利用した実施例について説明した図である。
【0131】
シンクライアントとは、ユーザが使用するクライアント端末に最小限の機能のみを持たせ、サーバ側でアプリケーションソフトやファイルなどの資源を管理するシステムの総称である。
【0132】
図24に示すように、本実施形態では、一つのサーバ(情報処理装置)に、複数のディスプレイがネットワークを介して接続している。このディスプレイには、CPUが内蔵されていない、一般のテレビモニタやパーソナルコンピュータ用ディスプレイの他様々な形態のディスプレイを用いることができる。各ディスプレイの表示画面上には、情報入力補助シートが貼付されている。サーバと各ディスプレイとは、RDP、USB、BNC(Bayonet Neil Concelman)等の有線方式または無線方式で接続されている。また、サーバとスキャナとは、有線方式または無線方式で接続されている。
【0133】
ユーザが、スキャナでグリッドシートのドットパターンをタッチすると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてスキャナ内でXY座標値に変換される。サーバのハードディスク装置内には、XY座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルが格納されている。サーバの中央処理装置は、このインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示を行なう。
【0134】
このように、表示画面上にグリッドシートを貼付することにより、ディスプレイだけの簡易な端末システムでタッチパネル形式の入力が可能である。
【0135】
なお、ドットパターンには、XY座標値とともにコード値が登録されていてもよい。コード値は、各ディスプレイを識別するためのものである。この場合、スキャナは、ドットパターンを読み取ると、コード値およびXY座標値をサーバ(情報処理装置)に送信する。サーバは、コード値からどのディスプレイかを認識する。そして、ディスプレイ個々に対応する、種々のマルチメディア情報および/またはオペレーション指示を認識し、出力情報をディスプレイに表示する。
【0136】
また、ドットパターンには、ディスプレイを一意に識別するXY座標値がドットパターンとして印刷されていてもよい。この場合、シートには予め大きな領域を分割したXY座標が印刷されており、このシートをディスプレイ個々に区別して使用する。すなわち、ディスプレイ毎にXY座標値が異なる。スキャナで読み取ったXY座標値をサーバ(情報処理装置)に送信すると、サーバは、XY座標値からどのディスプレイが操作されたかを特定する。そして、ディスプレイ個々に対応する、種々のマルチメディア情報出力および/またはオペレーション指示を認識し、出力情報をディスプレイに表示する。
【0137】
また、図25に示すように、ディスプレイに、各ディスプレイを識別するコード値をドットパターンとして印刷したシールを貼付してもよい。ユーザは、シールをタッチした後で、グリッドシートをタッチする。シールのドットパターンに登録されたコード値により、サーバは、どのディスプレイが操作されたかを特定する。次に、グリッドシートのドットパターンから送信されたXY座標値から、ユーザのタッチ位置を認識し、ディスプレイ個々に対応する、種々のマルチメディア情報および/またはオペレーション指示を認識し、出力情報を前記ディスプレイに表示する。シールは、通常のドットパターンが印刷された紙の粘着シールまたは本発明のグリッドシートに用いられたものと同じ材質のものであってもよい。
【0138】
このようにシンクライアント方式とすることにより、CPUが内蔵されていない一般のテレビモニタやパーソナルコンピュータ用ディスプレイの他様々な形態のディスプレイを使用することが可能となるため、低コストでシステムを提供することが可能となる。
【0139】
<キャリブレーション>
図26〜図29は、グリッドシートを用いる際に行なうキャリブレーション(calibration)について説明する図である。
【0140】
ユーザがディスプレイまたは印刷物をタッチした際に、タッチ位置に表示されていた指示を正確に反映した情報出力が行なわれるためには、ディスプレイまたは印刷物と、グリッドシートとの位置関係を一致させる必要がある。そこで、ディスプレイまたは印刷物の座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行う。
【0141】
図26〜図27は、ディスプレイの表示画面上でキャリブレーションを行なう場合について説明した図である。
【0142】
図26は、グリッドシートにキャリブレーションマークを設けた場合について説明する図である。
【0143】
同図(a)に示すように、グリッドシートの一面側の四隅近傍には、キャリブレーション用マークが設けられている。なお、キャリブレーション用マークは、必ずしも四隅近傍に設けられている必要はなく、2以上の隅角部に設けられていればよく、あるいは、中央に設けられていてもよい。また、2以上の隅角部と中央の両方に設けられていてもよい。
【0144】
同図(b)に示すように、ユーザは、キャリブレーション用マークにカーソルを移動し、マウスを左クリックする。パーソナルコンピュータの中央処理装置は、クリックされた位置を認識する。そして、ディスプレイの座標系とグリッドシートの座標系とを適正に関連付ける。これによりキャリブレーションが行なわれる。
【0145】
同図においては、キャリブレーション用マークは、脱着可能な透明シールに形成されている。ユーザは、キャリブレーション終了後に、同図(c)に示すように、シールをグリッドシートから剥離する。
【0146】
なお、キャリブレーション用マークは、透明シールに形成されている場合の他、グリッドシートに直接印刷されていてもよい。また、グリッドシート上に除去可能な状態で設けられており、キャリブレーション終了後にグリッドシート上から除去されるようにしてもよい。
【0147】
図27は、ディスプレイの表示画面にキャリブレーション用マークが表示される場合について説明した図である。
【0148】
同図(a)に示すように、ディスプレイの四隅近傍には、キャリブレーション用マークが表示されている。なお、キャリブレーションマークは、必ずしも四隅近傍に表示させる必要はなく、2以上の隅角部に表示させればよく、あるいは、中央に表示させてもよい。また、2以上の隅角部と中央の両方に表示させてもよい。
【0149】
ユーザは、同図(c)に示す如く、キャリブレーション用マークが表示されている位置のグリッドシートをタッチする。スキャナは、グリッドシート上のドットパターンを読み込んで、パーソナルコンピュータに送信する。パーソナルコンピュータの中央処理装置は、送信されたドットパターンからタッチ位置のドットXY座標(X1,Y1)を認識し、ディスプレイの座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行う。
【0150】
なお、キャリブレーション終了後は、キャリブレーション用マークが表示されなくなるようにする。
【0151】
図28〜図29は、印刷物に対してキャリブレーションを行なう場合について説明した図である。
【0152】
図28は、印刷物と、印刷物用のグリッドシートの両方にキャリブレーション用マークを設けた場合について説明した図である。
【0153】
同図(a)に示すように、グリッドシートおよび印刷物の四隅近傍には、それぞれキャリブレーション用マークが印刷されている。なお、キャリブレーション用マークは、必ずしも四隅近傍に印刷されている必要はなく、2以上の隅角部に印刷されていればよい。
【0154】
ユーザは、双方のキャリブレーション用マークを合致させて、グリッドシートを印刷物上に被せる。これにより、印刷物の座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションが行なわれる。
【0155】
図29は、印刷物にのみキャリブレーション用マークが印刷されている場合について説明した図である。
【0156】
同図(a)に示すように、印刷物の四隅近傍には、それぞれキャリブレーション用マークが印刷されている。なお、キャリブレーション用マークは、必ずしも四隅近傍に印刷されている必要はなく、2以上の隅角部に印刷されていればよい。
【0157】
ユーザは、グリッドシートを印刷物上に被せる。そして、スキャナを前記マークに合致させる。スキャナは、グリッドシート上のドットパターンを読み込み、パーソナルコンピュータに送信する。パーソナルコンピュータの中央処理装置は、送信されたドットパターンからタッチ位置のXY座標(X1,Y1)を認識し、印刷物の座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行う。
【0158】
このようなキャリブレーションを行なうことにより、グリッドシートの座標位置と、ディスプレイまたは印刷物の画像との位置関係が一致し、ユーザがタッチした画像や文字に対応した情報の出力が正確に行なわれるようになる。
【0159】
なお、上述した各実施形態において、表示画面等にグリッドシートを用いる場合、粘着剤によって貼付して用いるほか、表示画面上部からグリッドシートを掛けて用いる等、他の方法によって用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、パーソナルコンピュータ、PDA、銀行ATM等、あらゆるディスプレイの画面上に貼付して用いることにより、タッチパネルとして利用することができる。また、印刷物上に被せて、印刷物に記載された情報に関連する情報を画面上に出力することにより、辞書、通信販売のカタログ、学習用教材等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】情報処理装置である汎用的なコンピュータシステムに、本発明に係るグリッドシート(情報入力補助シート)を用いた図である。
【図2】拡散反射について説明する断面図(1)である。
【図3】拡散反射について説明する断面図(2)である。
【図4】グリッドシートの種々の構造を示した断面図である。
【図5】両面にドットパターン層を設けたグリッドシートの構造を示した断面図である。
【図6】GRID1のドットパターンの一例を示す説明図である。
【図7】GRID1におけるドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図8】GRID1におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図9】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図10】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図11】GRID1におけるドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図12】ディレクションドットのドットパターンを示す説明図である。
【図13】片面のみにドットパターン層を有したグリッドシートを印刷物に使用した具体例を示した図である。
【図14】図13で使用するグリッドシートの正面図および断面図である。
【図15】両面にドットパターン層を有したグリッドシートを印刷物に使用した具体例を示した図である。
【図16】図15で使用するグリッドシートの正面図および断面図である。
【図17】ユーザがグリッドシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムを示した図である。
【図18】ユーザがシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムの他の形態を示した図である。
【図19】グリッドシートをディスプレイに貼付して、スキャナでタッチしたコンテンツ特定情報を認識し、関連する情報を自動的に検索し出力する実施例について示した説明図である。
【図20】ディスプレイに貼付して使用するグリッドシートの断面図である。
【図21】グリッドシートをプロジェクタシステムに使用した場合について示した図である。
【図22】グリッドシートをリアプロジェクタシステムに使用した場合について示した図である。
【図23】(a)はグリッドシートを携帯端末に使用した場合について示した図であり、(b)はグリッドシートをカーナビに使用した場合について示した図である。
【図24】グリッドシートを利用したシンクライアントシステムのブロック図である。
【図25】シンクライアントシステムに用いられるディスプレイおよびシールの一例を示した図である。
【図26】ディスプレイに対するキャリブレーション方法およびキャリブレーションに用いるグリッドシートについて説明した図である。
【図27】ディスプレイに対するキャリブレーション方法の他の実施例について説明した図である。
【図28】印刷物に対するキャリブレーション方法およびキャリブレーションに用いるグリッドシートについて説明した図である。
【図29】印刷物に対するキャリブレーション方法の他の実施例について説明した図である。
【符号の説明】
【0162】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点
48a,48b,48c,48d,48e 基準ドット
48f,48g,48h 仮想基準点
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットパターンが印刷されたシートと、当該シートを利用するためのキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ、PDA、ハンディ端末等のオペレーションにおいて、画面に直接指先またはタッチペン等で入力する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
これらの従来技術では、たとえば、タッチペンの操作された座標を感圧式または光学式のタッチパネルで認識して、その制御を制御手段に通知する方法であった。
【0004】
しかし、従来のタッチパネル技術は、使用する部品・材料が高価であり、その殆どがハードウェアと一体に製造されるものであり、そのため、タッチパネルを備えたパーソナルコンピュータやATMなどの装置は、非常に高価なものであった。
【0005】
このような問題を解決するため、ディスプレイの上に着脱可能に装着するためのタッチパネルも一部、開発されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−171600号公報
【特許文献2】特開2001−92595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、既に使用されているハードウェアにタッチパネルを装着する場合、高価であると共に機種や使用条件が限られており、広く簡易に使用することができなかった。しかも、ディスプレイの上に着脱可能に装着するためのタッチパネルにおいても、感圧式のものがほとんどであるため、タッチパネル入力による反応が良好ではなく、かつ、指で直接タッチするためにタッチパネルそのものが汚れて、ディスプレイの認識性が悪くなるという欠点を有していた。
【0008】
さらに、従来の着脱式のタッチパネルは、ディスプレイ上に装着するものしか提案されておらず、それ以外の印刷物あるいは媒体上で用いるものは全く提案されていなかった。
【0009】
そこで本発明者は、簡易で低コストであり、かつ、入力精度ならびに入力効率の極めて高く、装着対象を選ばない情報入力補助シートを提案している。
【0010】
この情報入力補助シートは、例えば既存のディスプレイ画面上に配置される。ユーザが情報入力補助シートを透してディスプレイ画面上の通常のサイズ等のアイコン等をスキャナペンでタッチすると、そのアイコン等に対応した情報が出力される。
【0011】
また、この情報入力補助シートは、例えば既存の印刷物の上に被せて使用される。ユーザが情報入力補助シートを透して印刷物上の文字や図柄をスキャナペンでタッチすると、その文字や図柄に対応した情報が、ディスプレイやスピーカ等から出力される。
【0012】
このように、従来のタッチパネルであれば、指でアイコンをタッチするため、アイコンも大きく設けられており、入力時の誤差の許容範囲が大きく、タッチパネルの入力精度はそれほど高くする必要はなかった。
【0013】
しかし、既存の画面表示や印刷物と共に用いることも想定される情報入力補助シートでは、既存のアイコン表示や印刷物の表示がタッチによる指示を考慮したものではなく、表示が細かいため、表示された画像や印刷された図柄をタッチするときには、高い入力精度が要求されることがある。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡易な方法により、情報入力補助シートと画面または印刷物との縦横比を正確に対応付け、高い入力精度を実現することのできる、情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、前記情報入力補助シートの一面側の2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークが設けられており、前記マークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるキャリブレーション方法である。
【0016】
このように、情報入力補助シートに配置されたマークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの解像度で正確なキャリブレーションを行なうことが可能となり、以後の情報入力補助シート上でのドットパターン読取手段による入力と、ディスプレイ上の画像に対する処理に座標的なずれが生じることを防止することができる。
【0017】
本発明の請求項2は、前記キャリブレーション用マークは、脱着可能な透明シールに形成されており、前記キャリブレーション終了後に当該シールを前記情報入力補助シートから剥離する請求項1記載のキャリブレーション方法である。
【0018】
これにより、キャリブレーション後、情報入力補助シート上のキャリブレーション用マークを排除することができ、ディスプレイの画面表示を損なわないことが可能となる。
【0019】
本発明の請求項3は、前記キャリブレーション用マークは、前記情報入力補助シート上に除去可能な状態で設けられており、前記キャリブレーション終了後に前記情報入力補助シート上から除去される請求項1記載のキャリブレーション方法である。
【0020】
これにより、キャリブレーション後、情報入力補助シート上のキャリブレーション用マークを消去することができ、ディスプレイの画面表示を損なわないことが可能となる。
【0021】
本発明の請求項4は、請求項1〜3のいずれかに記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シートである。
【0022】
本発明の請求項5は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、前記ディスプレイの2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークを少なくとも一時的に表示させ、ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行うキャリブレーション方法である。
【0023】
これによれば、情報入力補助シートにキャリブレーション用マークを印刷する必要がないため、より簡易にキャリブレーションを行なうことが可能となる。
【0024】
本発明の請求項6は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、前記情報入力補助シートおよび前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、双方のキャリブレーション用マークを合致させて、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法である。
【0025】
このように、目視で簡易にキャリブレーションを行ない、以後の情報入力補助シート上でのスキャナによる入力と、印刷物上の画像に対する処理に座標的なずれが生じることを防止することができる。
【0026】
本発明の請求項7は、請求項6に記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シートである。
【0027】
本発明の請求項8は、印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法である。
である。
【0028】
これによれば、キャリブレーション用マークは印刷物上のみに印刷されていればよく、情報入力補助シートにキャリブレーション用マークを印刷する必要がないため、汎用的に情報入力補助シートを使用できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、汎用のコンピュータ、PDA、携帯電話等、あらゆる表示手段を備えた装置を、きわめて容易にタッチパネル式の入力手段とすることができる。
【0030】
また、書籍やカタログ等の印刷物自体、さらにはあらゆる媒体に装着することが可能で、媒体自体には何らのコードを印刷することなく、きわめて低コストで、媒体の部位に関連したテキスト、イラスト、写真、音声、動画等のマルチメディア情報の出力や、機器のオペレーションを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1〜図2は、本発明に係る情報入力補助シートであるグリッドシートをディスプレイに装着して用いる実施例について示した説明図である。
【0032】
図1は、情報処理装置である汎用的なコンピュータシステムに、グリッドシートを用いた図である。本実施例では、パソコン等の液晶ディスプレイ(LCD)やCRT(ブラウン管)などのディスプレイ画面上に、グリッドシートを貼付する。グリッドシートは、透明フィルムで形成されており、ドットパターンが印刷されている。このドットパターンは、詳細は後述するが、XY座標値および/またはコード値を所定のアルゴリズムでパターン化したものである。コンピュータ本体には、ドットパターン読取手段であるスキャナが接続されている。ユーザは、透視した画面の指示に従って、スキャナでグリッドシートをタッチする。スキャナは、ドットパターンを読み込み、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信し、パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析しグリッドシート上のXY座標値を求め、更にディスプレイ上のxy座標値に変換し、座標値の情報からタッチパネル形式の入力が可能となる。
【0033】
これによれば、本シートによってタッチパネル形式の入力が可能となり、安価で利便性に優れたタッチパネルを提供することが可能となる。また、インターネットのサイトを閲覧しているときに、リンク情報が設定されていない情報であっても、関連情報を検索して参照することも可能となる。
【0034】
なお、図1では情報処理装置としてパーソナルコンピュータを用いたが、本発明はこれに限らず、情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、PDA、テレビ受信装置、フロントおよびリアプロジェクタ、ゲーム装置、カラオケ装置、携帯電話端末装置、POS端末装置、ATM、KIOSK端末、カーナビ、パチンコ、時計、スマートフォン等であってもよい。これらにおいては、タッチパネル形式の入力デバイスとしてディスプレイまたはスクリーンの表示画面上にグリッドシートが配置される。
【0035】
図2は、図1で説明したグリッドシートの内部構造について示した断面図である。
【0036】
同図(a)は、スキャナで、グリッドシートをタッチしている状態を示した縦断面図である。
【0037】
同図に示すように、グリッドシートは、表示装置側から、赤外線反射層、ドットパターン層、保護用透明シート(保護層)が積層された構造となっている。
【0038】
赤外線反射層は、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線を透過する材料で生成された蒸着用透明シートに、赤外線反射材料が蒸着された構成となっている。赤外線反射層は、スキャナの赤外線照射手段から照射し保護用透明シートを透過した赤外線を、スキャナに対して反射させるとともに、可視光を透過させる。それとともに、表示装置からの赤外線を遮断する。これにより、スキャナの赤外線照射手段から照射された赤外線光のみを照射光とすることができ、明るく鮮明なドットパターンのみを撮影でき、ドットコードを正確に解析できる。
【0039】
ドットパターン層には、カーボンインク等の赤外線吸収特性材料からなるドットを後述するような所定の規則に則って配列したドットパターンが印刷されている。
【0040】
保護用透明シートは、ビニール、エンビペット、ポリプロピレン等、可視光線および赤外線を透過する材料で生成されている。ドットパターンを繰り返しスキャナでタッチすると、ドットが磨耗し、正確にドットパターンを読み取れなくなるという問題が生じる。そこで、保護用透明シートを設けることにより、ドットの磨耗と汚れを防ぎ、シートを長期間使用することが可能となる。
【0041】
スキャナには、赤外線照射手段であるIR−LEDと、その反射光の所定波長成分をカットするIRフィルター、および撮像素子であるC−MOSセンサ、およびレンズが内蔵されている。スキャナは、グリッドシートに照射した照射光の反射光を撮影する。上述したように、ドットパターンは赤外線を吸収する特性を有するインクで印刷されているため、C−MOSセンサでの撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることとなる。
【0042】
この場合、赤外線反射層で鏡面反射された反射層は、同図に示すように、レンズに反射光が入射されず、同図(b)に示すように、中央が真っ黒な状態で撮影されてしまう。そのため、ドットパターンを漏れなく撮影することができない。したがって、赤外線を拡散反射させてレンズに入射させる必要がある。すなわち、図3(a)に示すように、ドットパターン印刷層と赤外線反射層との間に、赤外線拡散層を設ける。この赤外線拡散層は、透明または半透明の材質で形成されている。これによって、同図(b)に示すようにIR−LEDから照射された赤外線は、赤外線反射層で鏡面反射し、赤外線拡散層で拡散し、全ての撮影領域の反射光がレンズに入射する。
【0043】
なお、同図においては、グリッドシートに赤外線拡散層を設けたが、本発明はこれに限らず、スキャナの撮影口に赤外線拡散材料によるフィルターを設けてもよい。
【0044】
図4は、グリッドシートの種々の構造を示した断面図である。
【0045】
同図(a)は、赤外線を反射するとともに、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層と、ドットパターン層と、からなるグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まずドットパターン層のドットが形成されている部分(以下、ドット部という)で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線反射層で鏡面反射し、ドット部を除いてドットパターン層を透過する。
【0046】
同図(b)は、赤外線反射層とドットパターン層との間には、可視光を透過するとともに前記赤外線を拡散させる赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まずドットパターン層のドット部で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線拡散層で拡散した後、赤外線反射層で鏡面反射し、再び赤外線拡散層で拡散してドット部を除いてドットパターン層を透過する。
【0047】
同図(c)は、ドットパターン層の一面側、すなわち、赤外線反射層の逆側には、可視光を透過するとともに赤外線光を拡散させる赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まず赤外線拡散層で拡散した後、ドットパターン層のドット部で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線反射層で鏡面反射し、再びドット部を除いてドットパターン層を透過して赤外線拡散層で拡散する。
【0048】
同図(d)は、一面側からの赤外線を拡散反射するとともに、可視光を透過する特性を有する赤外線拡散反射層と、ドットパターン層と、からなるグリッドシートである。図に示すように、赤外線照射手段から照射した赤外線は、まずドットパターン層のドット部で吸収され、それ以外の領域では透過する。次に透過した赤外線は赤外線拡散反射層で拡散反射し、ドット部を除いてドットパターン層を透過する。
【0049】
同図(e)は、同図(a)で示したグリッドシートのドットパターン層側の外面に、赤外線光および可視光を透過する特性を有する保護層が設けられているグリッドシートである。このような保護層を設けることにより、ドットの磨耗や汚れを防ぎ、シートを長期間使用することが可能となる。
【0050】
なお、保護層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(d)で示したグリッドシートのドットパターン層側外面に設けられていてもよい。
【0051】
同図(f)は、同図(a)で示したグリッドシートにおいて、ドットパターン層と反対側からの赤外線も反射する特性を有しているグリッドシートである。このような特性を有することにより、本発明のグリッドシートを装着したディスプレイ画面やスクリーンからの赤外線を遮断し、赤外線照射手段から照射された赤外線光のみを照射光とすることができる。そのため、明るく鮮明なドットパターンのみを撮影でき、ドットコードを正確に解析できる。
【0052】
なお、同図(a)のみでなく、(b)〜(e)で示したグリッドシートにおいて、ドットパターン層と反対側(他面側)からの赤外線も反射する特性を有していてもよい。
【0053】
同図(g)は、同図(a)で示したグリッドシートにおいて、赤外線反射層の反ドットパターン層側には、粘着層が設けられているグリッドシートである。粘着層は、取り外し可能な材質で生成されている。当該粘着層は、グリッドシートを表示装置や媒体に貼り付けて使用する場合にのみ必要であり、後述するように、印刷物上に載せたり、はさんだりして使用する場合には必要がない。このような粘着層を設けることにより、グリッドシートをディスプレイ等に容易に貼り付けることが可能となる。
【0054】
なお、粘着層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(e)で示したグリッドシートの、赤外線反射層の反ドットパターン層側に設けられていてもよい。
【0055】
図5は、グリッドシートの他の実施例を示したものである。本実施例においては、シートの両面にドットパターン層を設けたことを特徴とする。
【0056】
同図(a)は、それぞれの面への赤外線をそれぞれの方向に反射するとともに、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層と、赤外線反射層の両面に設けられたドットパターン層と、からなるグリッドシートである。これによって、シートを両面で利用することができるため、利便性が向上する。
【0057】
同図(b)は、赤外線反射層とそれぞれの面のドットパターン層との間には、可視光を透過するとともにそれぞれの方向からの赤外線光を拡散させる赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。
【0058】
同図(c)は、赤外線反射層とそれぞれの面のドットパターン層のさらに外面に赤外線拡散層が設けられているグリッドシートである。
【0059】
同図(d)は、赤外線拡散反射層と、赤外線拡散反射層の両面に設けられたドットパターン層と、からなるグリッドシートである。
【0060】
同図(e)は、同図(a)で示したグリッドシートの外面両面に、それぞれの方向からの赤外線光および可視光を透過する特性を有する保護層が設けられている情報入力補助シートである。
【0061】
なお、保護層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(d)で示したグリッドシートの外面両面に設けられていてもよい。
【0062】
同図(f)は、同図(a)で示したグリッドシートにおいて、赤外線反射層のそれぞれの反ドットパターン層側、すなわち、グリッドシートの外面両面に、粘着層が設けられているグリッドシートである。
【0063】
なお、粘着層は、同図(a)のみでなく、(b)〜(e)で示したグリッドシートの外面両面に設けられていてもよい。
【0064】
同図(a)〜(f)のグリッドシートにおける各層の説明および反射についての説明は前述したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0065】
なお、同図に示したグリッドシートにおいては、赤外線反射層または赤外線拡散反射層の一面側と他面側のドットパターン層では、異なる座標値および/またはコード値がパターン化されていてもよい。
【0066】
また、図4〜5に示したグリッドシートにおいては、ドットパターン層またはその他の層に、赤外線透過材料または赤外線反射材料からなるインクでテキスト、イラスト、写真等が重畳印刷されていてもよい。
【0067】
<ドットパターンの説明>
このような情報入力補助シートに印刷されたドットパターンについて、図6〜図12を用いて説明する。
【0068】
<ドットパターンの説明 GRID1>
図6〜図11は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0069】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0070】
図6はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図7(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0071】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0072】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、数値情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図6に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図6の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0073】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0074】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0075】
キードット2は、図6に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0076】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図7(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0077】
図7(b)は、図6のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0078】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0079】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0080】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0081】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0082】
図6に示すように、1個のドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、各ブロック内には2ビットの情報ドット3が配置されている。この情報ドット3のドットコードフォーマットを示したものが図8である。
【0083】
図8に示すように、1個のドットパターン中には、パリティチェック、コード値、X座標、Y座標が記録されている。
【0084】
図9は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0085】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0086】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て、情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で28の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0087】
図10は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0088】
図11はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0089】
図6に示すドットパターン1は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0090】
<ドットパターンの説明 ディレクションドット>
次に、ドットパターンの他の形態であるディレクションドットについて図12を用いて説明する。
【0091】
本ドットパターンは、ブロックの形状によって、ドットパターンの方向を定義したものである。図12(a)において、まず基準点48a〜48eが配置されている。この基準点48a〜48eを結ぶ線によってブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義されている。そして、この基準点に基づいて仮想基準点48f、48g、48hが配置され、この仮想基準点を始点として方向と長さを有するベクトル終点に情報ドット3が配置されている。このように、同図では、ブロックの向きを基準点の配置の仕方によって定義することができる。そしてブロックの向きが定義されるディレクションドットによって、ブロック全体の大きさも定義されることになる。
【0092】
なお、図12(a)においては、基準点48a〜48eと情報ドット3は全て同一形状のもので説明したが、基準点48a〜48eを情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、この基準点48a〜48eと情報ドット3とは識別可能であればいかなる形状としてもよく、三角形、四角形それ以上の多角形であってもよい。
【0093】
図12(b)は、ブロックの仮想格子点上に情報ドットがあるか否かによって、情報を定義したものである。
【0094】
なお、図12(c)は、図12(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0095】
図13〜図18は、本発明の他の実施形態について説明する図である。本実施形態では、グリッドシートを印刷物上に被せて使用する。
【0096】
図13は、ドットパターンが片面にのみ印刷されたグリッドシートを使用する場合について示した図である。
【0097】
ユーザは、本や雑誌、新聞等の印刷物上に、グリッドシートを被せて使用する。同図(a)に示すように向かって右側のページに使用する場合であっても、同図(b)に示すように向かって左側のページに使用する場合であっても、ユーザは、シートの表側を上に向けて使用する。
【0098】
図14(a)は、グリッドシートの表面を示した正面図である。グリッドシートは、ほぼ全域にXY座標を意味するドットパターンが印刷されており、下部には、0から9までの数字および「頁入力」「決定」「中止」の文字が記載されたアイコンと、コード値を意味するドットパターンが重畳印刷されている。このアイコンは、印刷物を特定するインデックスをスキャナで入力するためのアイコンである。
【0099】
同図(b)は、グリッドシートの縦断面図である。本グリッドシートは、裏面側から、保護用透明シート、透明赤外線拡散反射層、ドットパターン+グラフィック印刷層、保護用透明シートが層になって構成されている。ここで、グラフィック印刷層とは、可視的な印刷層のことである。
【0100】
図15は、ドットパターンが両面に印刷されたグリッドシートを使用する場合について示した図である。この場合は、グリッドシートを挟み込んだまま使用することが可能である。すなわち、まず右ページにグリッドシートを使用するときは、(a)に示すようにグリッドシートを右ページに被せる。すると、右側にアイコンが印刷されている面が上になる。次に、左頁にグリッドシートを使用するときは、(b)に示すように、グリッドシートを挟み込んだまま、グリッドシートを左側にめくる。すると、左側にアイコンが印刷された面が上になる。なお、アイコンは両面にインクで印刷されている。
【0101】
図16(a)は、グリッドシートの表面を示した正面図、同図(b)は裏面を示した正面図である。グリッドシートの表面は、ほぼ全域にXY座標を意味するドットパターンが印刷されており、右部には、0から9までの数字および「頁入力」「決定」「中止」の文字が記載されたアイコンと、コード値を意味するドットパターンが重畳印刷されている。このアイコンは、印刷物を特定するインデックスをスキャナで入力するためのアイコンである。グリッドシートの裏面は、ほぼ全域にXY座標を意味するドットパターンが印刷されており、左部に、表面と同様のアイコンとドットパターンが重畳印刷されている。
【0102】
同図(c)は、グリッドシートの断面図である。本グリッドシートは、裏面側から、保護用透明シート、ドットパターン+グラフィック印刷層、赤外線拡散反射層、ドットパターン+グラフィック印刷層、保護用透明シートが層になって構成されている。
【0103】
図17は、ユーザがグリッドシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムを示した図である。
【0104】
同図(a)に示すように、ユーザは、印刷物上にグリッドシートを被せ、グリッドシートをスキャナでタッチする。スキャナ内の中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析して、座標値または/およびコード値に変換し、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信する。なお、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置で座標値または/およびコード値に解析・変換してもよい。
【0105】
座標値は、ドット座標系におけるXY座標の値を意味している。また、グリッドシートに印刷されたアイコンにタッチして印刷物紙面を特定するインデクス(ページ、タイトル等)を入力するか、もしくは、キーボードで入力するインデックスのコード値は、例えば、印刷物紙面の頁数を意味している。そこで、n頁が指定されたとする。予め、テキスト、イラスト、写真等の印刷情報をXY座標値で特定するマスクと、当該マスクNo.に対応するマルチメディア情報を設定しておけば、スキャナで読み取ったグリッドシートのドットパターンのXY座標値を基に、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置は、ハードディスク内に格納されているドット座標−マスクNo.対応テーブル(同図(b))を参照する。当該テーブルは、頁ごとに設けられており、本実施例では、n頁のドット座標−マスクNo.対応テーブルを参照する。そして、タッチ位置のマスクNo.を検出する。たとえば、同図(b)に示した十字部分がタッチ位置である場合、マスクNo.は1である。次に、同図(c)に示す頁No.−マスクNo−マルチメディア情報ファイル対応テーブルを参照する。当該テーブルでは、頁No.と、マスクNo.に対応してマルチメディア情報ファイルが登録されるようになっている。たとえば、n頁のマスク1にはWebアドレスが登録されており、n頁のマスク2にはローカルのドライブと実行ファイルが登録されている。当該テーブルから、頁No.とマスクNo.に対応したマルチメディア情報ファイルを検索し出力する。すなわち、頁No.がnでマスクNo.が1であるので、登録されたWebアドレスにおけるWebページが表示される。
【0106】
図18は、ユーザがシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムの他の形態を示した図である。
【0107】
同図では、一例として、文章中に「東京」と記載されている印刷物において、「東京」の文字をタッチした場合について説明する。
【0108】
同図に示すように、グリッドシートに印刷されたアイコンにタッチして印刷物紙面を特定するインデックスを入力するか、もしくは、キーボードでインデックスを入力し印刷物紙面を特定し、ユーザは印刷物上にグリッドシートを被せ、「東京」と記載されている部分のドットパターンをスキャナでタッチする。するとスキャナ内の中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析して、座標値または/およびコード値、ドットXY座標とに変換し、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信する。なお、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置で座標値または/およびコード値に解析・変換してもよい。
【0109】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、上記により得られた印刷物紙面IDとドットXY座標を、印刷情報上のDTPxy座標(印刷物の元データであるDTP面上でのxy座標)に変換する。
【0110】
次にパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ネットワーク(NW)を介してドキュメント管理サーバにアクセスする。ドキュメント管理サーバには、各印刷物紙面に対応したDTPファイルが格納されている。中央処理装置(CPU)は、ドキュメント管理サーバから、該当する印刷物紙面(例えば、ID=n)のDTPファイルを取り出す。そして、ID=nのDTPファイルにおいて、タッチ位置(x、y)に最も近いDTP座標(xt、yt)を選択し「東京」を特定する。DTP座標(xt、yt)はテキスト領域の中心位置の座標である。DTP座標を検索したら、辞書サーバにアクセスし、特定されたテキストやイラスト、写真等を示すデータファイルを検索する。辞書サーバには、テキストやイラスト、写真等を示すデータファイルに対応する説明やURL、マルチメディア情報等の関連情報が格納されている。ドキュメント管理サーバの中央処理装置(CPU)は、プログラムに基づいて辞書サーバから「東京」を検索し、ネットワーク(NW)を介してパーソナルコンピュータに自動的に関連情報を送信する。これにより、パーソナルコンピュータのディスプレイ上に、「東京」に関する説明が出力・表示される。
【0111】
これによれば、印刷物上にグリッドシートを被せてその上にスキャナでタッチするだけで、印刷物上のテキストやイラスト、写真等の詳細な説明を画面に表示させることができる。
【0112】
従来は、印刷物に、テキストやイラスト、写真等とドットパターンを重畳印刷して、ユーザが印刷物をスキャナでタッチすることにより、タッチした文字等に対応する情報を出力させていた。しかし、この方法では、既に印刷された媒体を取り扱うことは出来ず、新たに印刷する必要があった。本発明では、印刷物にシートを被せて使用するため、既存の印刷物を対象とすることができる。また、複数の印刷物を対象に1枚のシートで共通して使用できるため、利便性が高まる。
【0113】
図19は、グリッドシートをディスプレイに貼付して、スキャナでタッチしたコンテンツ特定情報を認識し、関連する情報を自動的に検索し出力する実施例について示した説明図である。
【0114】
同図では、一例として、表示画面上に表示された「東京」の文字をタッチした場合について説明する。
【0115】
同図に示すように、パーソナルコンピュータの表示画面上には、グリッドシートが貼付されている。ユーザは、「東京」と表示されている部分のドットパターンをスキャナでタッチする。するとスキャナ内の中央処理装置(CPU)は、ドットパターンを解析してXY座標に変換し、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信する。このXY座標は、ドット座標系におけるタッチ位置のXY座標値である。なお、パーソナルコンピュータ内の中央処理装置で座標値に解析・変換してもよい。
【0116】
次にパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ネットワーク(NW)を介してディスプレイに表示された各コンテンツのWebサーバにアクセスする。Webサーバには、各コンテンツファイルが格納されている。中央処理装置は、表示されているコンテンツファイル(HTML、XML、フラッシュ等)を取り出す。そして、取り出したコンテンツファイルにおいて、ドット座標系におけるタッチ位置のXY座標値を、HTML、XML、フラッシュ等のコンテンツの書式情報におけるxy座標値に変換する。
【0117】
なお、表示されているコンテンツファイルがパーソナルコンピュータ上にある場合は、Webサーバにアクセスしてコンテンツファイルを取り出す必要はない。
【0118】
次に、タッチ位置座標値(x、y)に最も近い、ディスプレイに表示されたテキスト、イラスト、写真等のコンテンツ特定情報の座標値(xt、yt)を検索する。コンテンツ特定情報の座標値(xt、yt)は、コンテンツ特定情報の中心位置の座標である。コンテンツ特定情報を認識したら、認識されたテキストやイラスト、写真等を示すデータファイル等のコンテンツ特定情報に対応する音声情報、画像情報等の種々のマルチメディア情報を、電子辞書や予め対応するマルチメディア情報を設定したデータベースから検索する。辞書サーバには、テキストやイラスト、写真等を示すデータファイルに対応する説明やURL、マルチメディア情報等のコンテンツ関連情報が格納されている。中央処理装置(CPU)は、辞書サーバから「東京」を検索し、ネットワーク(NW)を介してパーソナルコンピュータに自動的にコンテンツ関連情報を出力する。これにより、パーソナルコンピュータのディスプレイ上に、「東京」に関する説明が表示される。
【0119】
これによれば、ディスプレイ上にグリッドシートを配置するだけで、ディスプレイ上のテキストやイラスト、写真等の詳細な説明を画面に表示させることができる。
【0120】
図20は、このような実施例に用いるグリッドシートの縦断面図である。グリッドシートは、裏面側から、粘着層、赤外線拡散反射層、ドットパターン+グラフィック印刷層、保護用透明シートで構成されている。
【0121】
図21は、グリッドシートをフロントプロジェクタシステムに用いた場合について説明した図である。
【0122】
本実施例では、スクリーン上に、グリッドシートを貼付して用いる。スクリーンには、プロジェクタにより所定の画像が投影表示される。プロジェクタは図示しないパーソナルコンピュータもしくは映像配信システムに接続されており、このパーソナルコンピュータに接続されたスキャナを用いてスクリーンの任意の位置をタッチすると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてパーソナルコンピュータで座標値に変換される。パーソナルコンピュータのハードディスク装置もしくは映像配信サーバでは、座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示が行なわれる。
【0123】
図22は、リアプロジェクタ用パネルを用いた例であり、背後からリアプロジェクタによって映像を投影するシステムになっている。
【0124】
このリアプロジェクタ用パネルの表面には、グリッドシートが貼付されている。グリッドシートの構造は、図20で示したものと同様である。
【0125】
リアプロジェクタ用パネルには、リアプロジェクタにより所定の画像が投影表示される。リアプロジェクタは図示しないパーソナルコンピュータもしくは映像配信システムに接続されており、このパーソナルコンピュータに接続されたスキャナを用いてリアプロジェクタ用パネルの任意の位置をタッチすると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてパーソナルコンピュータで座標値に変換される。パーソナルコンピュータのハードディスク装置もしくは映像配信サーバでは、座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示が行なわれる。
【0126】
図23(a)は、携帯端末にグリッドシートを用いた例である。携帯端末のディスプレイに、グリッドシートを貼付する。そして、無線もしくは、ケーブルで接続されたスキャナで、グリッドシートをタッチする。すると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてスキャナ内もしくは、携帯端末内で座標値に変換される。携帯端末のメモリ内もしくは、携帯用ドットコード管理サーバには、座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルが格納されている。携帯端末内の中央処理装置は、このインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示を行なう。
【0127】
図23(b)は、カーナビゲーション装置にグリッドシートを用いた例である。
【0128】
このようにカーナビゲーション装置に用いる場合には、スキャナとカーナビゲーション装置との通信はブルートゥース等による無線通信で行うことが好ましい。また、スキャナは、携帯端末に接続して、読み取ったドットパターンに対応するデータを携帯端末ネットワークを介してサーバに送信してもよい。
【0129】
また、同図に示したカーナビと、印刷物としてのドットパターンが印刷された観光ガイド等の地図を併用してもよい。
【0130】
図24〜図25は、本発明に係るグリッドシートをシンクライアント方式に利用した実施例について説明した図である。
【0131】
シンクライアントとは、ユーザが使用するクライアント端末に最小限の機能のみを持たせ、サーバ側でアプリケーションソフトやファイルなどの資源を管理するシステムの総称である。
【0132】
図24に示すように、本実施形態では、一つのサーバ(情報処理装置)に、複数のディスプレイがネットワークを介して接続している。このディスプレイには、CPUが内蔵されていない、一般のテレビモニタやパーソナルコンピュータ用ディスプレイの他様々な形態のディスプレイを用いることができる。各ディスプレイの表示画面上には、情報入力補助シートが貼付されている。サーバと各ディスプレイとは、RDP、USB、BNC(Bayonet Neil Concelman)等の有線方式または無線方式で接続されている。また、サーバとスキャナとは、有線方式または無線方式で接続されている。
【0133】
ユーザが、スキャナでグリッドシートのドットパターンをタッチすると、その位置のドットパターンがスキャナに読み込まれてスキャナ内でXY座標値に変換される。サーバのハードディスク装置内には、XY座標値と命令またはアドレス等が対応付けられたインデックステーブルが格納されている。サーバの中央処理装置は、このインデックステーブルを参照し、それに対応するアドレスに規定されたマルチメディア情報の出力やオペレーション指示を行なう。
【0134】
このように、表示画面上にグリッドシートを貼付することにより、ディスプレイだけの簡易な端末システムでタッチパネル形式の入力が可能である。
【0135】
なお、ドットパターンには、XY座標値とともにコード値が登録されていてもよい。コード値は、各ディスプレイを識別するためのものである。この場合、スキャナは、ドットパターンを読み取ると、コード値およびXY座標値をサーバ(情報処理装置)に送信する。サーバは、コード値からどのディスプレイかを認識する。そして、ディスプレイ個々に対応する、種々のマルチメディア情報および/またはオペレーション指示を認識し、出力情報をディスプレイに表示する。
【0136】
また、ドットパターンには、ディスプレイを一意に識別するXY座標値がドットパターンとして印刷されていてもよい。この場合、シートには予め大きな領域を分割したXY座標が印刷されており、このシートをディスプレイ個々に区別して使用する。すなわち、ディスプレイ毎にXY座標値が異なる。スキャナで読み取ったXY座標値をサーバ(情報処理装置)に送信すると、サーバは、XY座標値からどのディスプレイが操作されたかを特定する。そして、ディスプレイ個々に対応する、種々のマルチメディア情報出力および/またはオペレーション指示を認識し、出力情報をディスプレイに表示する。
【0137】
また、図25に示すように、ディスプレイに、各ディスプレイを識別するコード値をドットパターンとして印刷したシールを貼付してもよい。ユーザは、シールをタッチした後で、グリッドシートをタッチする。シールのドットパターンに登録されたコード値により、サーバは、どのディスプレイが操作されたかを特定する。次に、グリッドシートのドットパターンから送信されたXY座標値から、ユーザのタッチ位置を認識し、ディスプレイ個々に対応する、種々のマルチメディア情報および/またはオペレーション指示を認識し、出力情報を前記ディスプレイに表示する。シールは、通常のドットパターンが印刷された紙の粘着シールまたは本発明のグリッドシートに用いられたものと同じ材質のものであってもよい。
【0138】
このようにシンクライアント方式とすることにより、CPUが内蔵されていない一般のテレビモニタやパーソナルコンピュータ用ディスプレイの他様々な形態のディスプレイを使用することが可能となるため、低コストでシステムを提供することが可能となる。
【0139】
<キャリブレーション>
図26〜図29は、グリッドシートを用いる際に行なうキャリブレーション(calibration)について説明する図である。
【0140】
ユーザがディスプレイまたは印刷物をタッチした際に、タッチ位置に表示されていた指示を正確に反映した情報出力が行なわれるためには、ディスプレイまたは印刷物と、グリッドシートとの位置関係を一致させる必要がある。そこで、ディスプレイまたは印刷物の座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行う。
【0141】
図26〜図27は、ディスプレイの表示画面上でキャリブレーションを行なう場合について説明した図である。
【0142】
図26は、グリッドシートにキャリブレーションマークを設けた場合について説明する図である。
【0143】
同図(a)に示すように、グリッドシートの一面側の四隅近傍には、キャリブレーション用マークが設けられている。なお、キャリブレーション用マークは、必ずしも四隅近傍に設けられている必要はなく、2以上の隅角部に設けられていればよく、あるいは、中央に設けられていてもよい。また、2以上の隅角部と中央の両方に設けられていてもよい。
【0144】
同図(b)に示すように、ユーザは、キャリブレーション用マークにカーソルを移動し、マウスを左クリックする。パーソナルコンピュータの中央処理装置は、クリックされた位置を認識する。そして、ディスプレイの座標系とグリッドシートの座標系とを適正に関連付ける。これによりキャリブレーションが行なわれる。
【0145】
同図においては、キャリブレーション用マークは、脱着可能な透明シールに形成されている。ユーザは、キャリブレーション終了後に、同図(c)に示すように、シールをグリッドシートから剥離する。
【0146】
なお、キャリブレーション用マークは、透明シールに形成されている場合の他、グリッドシートに直接印刷されていてもよい。また、グリッドシート上に除去可能な状態で設けられており、キャリブレーション終了後にグリッドシート上から除去されるようにしてもよい。
【0147】
図27は、ディスプレイの表示画面にキャリブレーション用マークが表示される場合について説明した図である。
【0148】
同図(a)に示すように、ディスプレイの四隅近傍には、キャリブレーション用マークが表示されている。なお、キャリブレーションマークは、必ずしも四隅近傍に表示させる必要はなく、2以上の隅角部に表示させればよく、あるいは、中央に表示させてもよい。また、2以上の隅角部と中央の両方に表示させてもよい。
【0149】
ユーザは、同図(c)に示す如く、キャリブレーション用マークが表示されている位置のグリッドシートをタッチする。スキャナは、グリッドシート上のドットパターンを読み込んで、パーソナルコンピュータに送信する。パーソナルコンピュータの中央処理装置は、送信されたドットパターンからタッチ位置のドットXY座標(X1,Y1)を認識し、ディスプレイの座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行う。
【0150】
なお、キャリブレーション終了後は、キャリブレーション用マークが表示されなくなるようにする。
【0151】
図28〜図29は、印刷物に対してキャリブレーションを行なう場合について説明した図である。
【0152】
図28は、印刷物と、印刷物用のグリッドシートの両方にキャリブレーション用マークを設けた場合について説明した図である。
【0153】
同図(a)に示すように、グリッドシートおよび印刷物の四隅近傍には、それぞれキャリブレーション用マークが印刷されている。なお、キャリブレーション用マークは、必ずしも四隅近傍に印刷されている必要はなく、2以上の隅角部に印刷されていればよい。
【0154】
ユーザは、双方のキャリブレーション用マークを合致させて、グリッドシートを印刷物上に被せる。これにより、印刷物の座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションが行なわれる。
【0155】
図29は、印刷物にのみキャリブレーション用マークが印刷されている場合について説明した図である。
【0156】
同図(a)に示すように、印刷物の四隅近傍には、それぞれキャリブレーション用マークが印刷されている。なお、キャリブレーション用マークは、必ずしも四隅近傍に印刷されている必要はなく、2以上の隅角部に印刷されていればよい。
【0157】
ユーザは、グリッドシートを印刷物上に被せる。そして、スキャナを前記マークに合致させる。スキャナは、グリッドシート上のドットパターンを読み込み、パーソナルコンピュータに送信する。パーソナルコンピュータの中央処理装置は、送信されたドットパターンからタッチ位置のXY座標(X1,Y1)を認識し、印刷物の座標系とグリッドシートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行う。
【0158】
このようなキャリブレーションを行なうことにより、グリッドシートの座標位置と、ディスプレイまたは印刷物の画像との位置関係が一致し、ユーザがタッチした画像や文字に対応した情報の出力が正確に行なわれるようになる。
【0159】
なお、上述した各実施形態において、表示画面等にグリッドシートを用いる場合、粘着剤によって貼付して用いるほか、表示画面上部からグリッドシートを掛けて用いる等、他の方法によって用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、パーソナルコンピュータ、PDA、銀行ATM等、あらゆるディスプレイの画面上に貼付して用いることにより、タッチパネルとして利用することができる。また、印刷物上に被せて、印刷物に記載された情報に関連する情報を画面上に出力することにより、辞書、通信販売のカタログ、学習用教材等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】情報処理装置である汎用的なコンピュータシステムに、本発明に係るグリッドシート(情報入力補助シート)を用いた図である。
【図2】拡散反射について説明する断面図(1)である。
【図3】拡散反射について説明する断面図(2)である。
【図4】グリッドシートの種々の構造を示した断面図である。
【図5】両面にドットパターン層を設けたグリッドシートの構造を示した断面図である。
【図6】GRID1のドットパターンの一例を示す説明図である。
【図7】GRID1におけるドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図8】GRID1におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図9】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図10】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図11】GRID1におけるドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図12】ディレクションドットのドットパターンを示す説明図である。
【図13】片面のみにドットパターン層を有したグリッドシートを印刷物に使用した具体例を示した図である。
【図14】図13で使用するグリッドシートの正面図および断面図である。
【図15】両面にドットパターン層を有したグリッドシートを印刷物に使用した具体例を示した図である。
【図16】図15で使用するグリッドシートの正面図および断面図である。
【図17】ユーザがグリッドシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムを示した図である。
【図18】ユーザがシートをタッチしてディスプレイ上に情報を表示させるためのシステムの他の形態を示した図である。
【図19】グリッドシートをディスプレイに貼付して、スキャナでタッチしたコンテンツ特定情報を認識し、関連する情報を自動的に検索し出力する実施例について示した説明図である。
【図20】ディスプレイに貼付して使用するグリッドシートの断面図である。
【図21】グリッドシートをプロジェクタシステムに使用した場合について示した図である。
【図22】グリッドシートをリアプロジェクタシステムに使用した場合について示した図である。
【図23】(a)はグリッドシートを携帯端末に使用した場合について示した図であり、(b)はグリッドシートをカーナビに使用した場合について示した図である。
【図24】グリッドシートを利用したシンクライアントシステムのブロック図である。
【図25】シンクライアントシステムに用いられるディスプレイおよびシールの一例を示した図である。
【図26】ディスプレイに対するキャリブレーション方法およびキャリブレーションに用いるグリッドシートについて説明した図である。
【図27】ディスプレイに対するキャリブレーション方法の他の実施例について説明した図である。
【図28】印刷物に対するキャリブレーション方法およびキャリブレーションに用いるグリッドシートについて説明した図である。
【図29】印刷物に対するキャリブレーション方法の他の実施例について説明した図である。
【符号の説明】
【0162】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点
48a,48b,48c,48d,48e 基準ドット
48f,48g,48h 仮想基準点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、
前記情報入力補助シートの一面側の2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークが設けられており、
前記マークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるキャリブレーション方法。
【請求項2】
前記キャリブレーション用マークは、脱着可能な透明シールに形成されており、前記キャリブレーション終了後に当該シールを前記情報入力補助シートから剥離する請求項1記載のキャリブレーション方法。
【請求項3】
前記キャリブレーション用マークは、前記情報入力補助シート上に除去可能な状態で設けられており、
前記キャリブレーション終了後に前記情報入力補助シート上から除去される請求項1記載のキャリブレーション方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シート。
【請求項5】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、
前記ディスプレイの2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークを少なくとも一時的に表示させ、
ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行うキャリブレーション方法。
【請求項6】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、
前記情報入力補助シートおよび前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、
双方のキャリブレーション用マークを合致させて、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法。
【請求項7】
請求項6に記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シート。
【請求項8】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、
前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、
ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法。
【請求項1】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、
前記情報入力補助シートの一面側の2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークが設けられており、
前記マークにカーソルを移動し合致させることにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるキャリブレーション方法。
【請求項2】
前記キャリブレーション用マークは、脱着可能な透明シールに形成されており、前記キャリブレーション終了後に当該シールを前記情報入力補助シートから剥離する請求項1記載のキャリブレーション方法。
【請求項3】
前記キャリブレーション用マークは、前記情報入力補助シート上に除去可能な状態で設けられており、
前記キャリブレーション終了後に前記情報入力補助シート上から除去される請求項1記載のキャリブレーション方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シート。
【請求項5】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、ディスプレイの表示画面上に配置して使用され、
前記ディスプレイの2以上の隅角部および/または中央には、キャリブレーション用マークを少なくとも一時的に表示させ、
ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、ディスプレイの座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーションを行うキャリブレーション方法。
【請求項6】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、
前記情報入力補助シートおよび前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、
双方のキャリブレーション用マークを合致させて、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法。
【請求項7】
請求項6に記載のキャリブレーションに用いられる情報入力補助シート。
【請求項8】
印刷物の印刷面またはディスプレイの表示画面上に配置され、前記印刷物の画像またはディスプレイの表示に関連した情報を出力するために、光学読み取り装置で読み取られるドットパターンが設けられた情報入力補助シートを利用するためのキャリブレーション方法であって、
前記情報入力補助シートは、印刷物の印刷面上に被せて使用され、
前記印刷物の2以上の隅角部には、キャリブレーション用マークが印刷されており、
ドットパターン読み取り手段を前記マークに合致させて、情報入力補助シート上のドットパターンを読み込むことにより、前記印刷物の座標系と前記情報入力補助シートの座標系を適正に関連づけるためのキャリブレーション方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2009−43228(P2009−43228A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76288(P2008−76288)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【分割の表示】特願2007−230776(P2007−230776)の分割
【原出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【分割の表示】特願2007−230776(P2007−230776)の分割
【原出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
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