説明

キャリヤテープ、及びトップカバーテープ、並びに電子部品の梱包方法

【課題】トップカバーテープのたるみをなくすことができるキャリヤテープを提供する。
【解決手段】エンボスキャリヤテープ11の長手方向に平行な端部の一方の側(送り穴13が設けられた端部の反対側の端部)に、その端部をテープ幅方向に折り曲げるための切り込み17を設け、凹部(ポケット)12に半導体装置14を収納し、トップカバーテープ15を貼り着けた後、切り込み17に沿ってエンボスキャリヤテープ11およびトップカバーテープ15を折り曲げることで、トップカバーテープ15の貼り着け時に凹部12の上方に形成された空間、およびキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてBGA(Ball Grid Array)やLGA(Land Grid Array)等に代表される下面に実装用の端子が配置された薄型の半導体装置などの電子部品を収納するキャリヤテープ、及び電子部品を収納したキャリヤテープの上面に貼着されるトップカバーテープ、並びに電子部品の梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の軽薄短小化に伴い、半導体装置あるいはチップ部品などの電子部品に対してPWB(Printed Wiring Board)等への実装面積の縮小化が要求されている。この要求に応じるため、例えば半導体装置として、下面に実装用の端子が配置されたBGAやLGAタイプの薄型の半導体装置が多く採用されている。
【0003】
一般的に、半導体装置の包装には、取り扱いが容易で電子部品の実装効率が良好な、キャリヤテープを使ったテーピング包装が多く使われており、その中でも、電子部品の保管、輸送、実装に際し電子部品を汚染から保護することができることから、ポケットと呼ばれる電子部品収納用の凹部が列設されたエンボスキャリヤテープを用いたエンボステーピング包装が主流となっている。
【0004】
さらに、薄型化された電子部品の輸送時の吸湿を抑制し、かつ密封性向上や実装時のジャンピング防止を図るため、凹部(ポケット)を覆うようにトップカバーテープをエンボスキャリヤテープ上面に貼着する方法も取られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
図5(a)は従来のエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、図5(b)は図5(a)におけるB−B断面図であり、エンボスキャリヤテープに電子部品として半導体装置が収納された状態を示している。
【0006】
図5(a)、(b)に示すように、エンボスキャリヤテープ51には、複数の電子部品収納用の凹部(ポケット)52が長手方向に沿って列設されている。また、エンボスキャリヤテープ51の長手方向に平行な一方の端部には、送り穴53が長手方向に沿って所定の間隔で貫通形成されている。
【0007】
このエンボスキャリヤテープ51の凹部52内に半導体装置54が収納された後、凹部52を覆うようにトップカバーテープ55がエンボスキャリヤテープ51上面に熱圧着等により貼着される。
【0008】
凹部52は概ね直方体であり、従来のエンボステーピング包装では、半導体装置54を収納した凹部52が輸送時に密閉されるように凹部52の外周部でトップカバーテープ55を接着している。具体的には、図5(a)に示すように、接着部56は、各凹部52間においてX状となっており、凹部52の外周部で六角形状となる。
【0009】
また、通常、エンボステーピング包装では、図6に示すように、トップカバーテープ55が貼着されたエンボスキャリヤテープ51をリール61に巻き取った状態でダンボール等に入れて出荷する。半導体装置の実装時には、送り穴53を利用してエンボスキャリヤテープ51をリール61から送り出しながらトップカバーテープ55を剥がして半導体装置54を取り出し、PWB等に搭載すればよいため、トレイやマガジン包装よりも実装の高速化を図ることができ、近年、エンボステーピング包装は半導体装置の出荷形態として増加してきている。
【0010】
しかしながら、上記従来のエンボステーピング包装では、図5(b)に示すように、凹部52の上方にトップカバーテープ15が浮き上がって凹部52の上方に空間が形成されるとともに、エンボスキャリヤテープ51の上面とトップカバーテープ55との間に隙間が形成されてしまい、電子部品収納後、振動等により電子部品が移動してその隙間に嵌り込み、半導体装置54の電子回路部が損傷するなどの問題があった。また半導体装置54の端子部54aが損傷すると、実装信頼性に影響を及ぼすといった問題もあった。
【特許文献1】特開平5−338617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、キャリヤテープの長手方向に平行な端部の一方の側に、その端部をテープ幅方向に折り曲げるための折り曲げ部を設けることにより、キャリヤテープにトップカバーテープ貼着後、その折り曲げ部に沿ってキャリヤテープおよびトップカバーテープを折り曲げることで、電子部品収納用の凹部の上方に形成された空間、およびキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができ、電子部品を安定した状態で収納できるキャリヤテープ、並びに電子部品の梱包方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、上記問題点に鑑み、キャリヤテープの上面側にトップカバーテープ接着用の溝部を設けることにより、キャリヤテープにトップカバーテープ貼着後、その溝部にトップカバーテープをさらに接着することで、電子部品収納用の凹部の上方に形成された空間、およびキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができ、電子部品を安定した状態で収納できるキャリヤテープ、並びに電子部品の梱包方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、上記問題点に鑑み、トップカバーテープの一部を加熱収縮性の材質で構成することにより、キャリヤテープにトップカバーテープ貼着後、トップカバーテープの一部を加熱収縮させることで、電子部品収納用の凹部の上方に形成された空間、およびキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができ、電子部品を安定した状態で収納できるトップカバーテープ、並びに電子部品の梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1記載のキャリヤテープは、その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープであって、前記長手方向に平行な端部の一方の側に、その端部を前記長手方向に直交するテープ幅方向に折り曲げるための折り曲げ部を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2記載のキャリヤテープは、その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープであって、前記凹部の開口部を覆うトップカバーテープを接着するための溝部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項3記載のトップカバーテープは、その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの上面に、前記凹部の開口部を覆うように貼着されるトップカバーテープであって、少なくともその一部が加熱収縮性の材質で構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4記載の電子部品の梱包方法は、その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの前記凹部に電子部品を収納し、前記凹部の開口部を覆うように前記キャリヤテープの上面にトップカバーテープを貼着した後、前記長手方向に平行な前記キャリヤテープの端部の一方の側に設けられた折り曲げ部に沿って、前記キャリヤテープおよび前記トップカバーテープを前記長手方向に直交するテープ幅方向に折り曲げることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項5記載の電子部品の梱包方法は、その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの前記凹部に電子部品を収納し、前記凹部の開口部を覆うように前記キャリヤテープの上面にトップカバーテープを貼着した後、さらに前記キャリヤテープに設けられた溝部に前記トップカバーテープを接着することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項6記載の電子部品の梱包方法は、請求項5記載の電子部品の梱包方法であって、前記キャリヤテープの上面に前記トップカバーテープが貼着され、かつ前記溝部に前記トップカバーテープが接着された前記キャリヤテープを水平に置いた場合に、前記溝部における前記トップカバーテープの最下部が前記キャリヤテープの上面よりも低い位置となるように、前記溝部に前記トップカバーテープを接着することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項7記載の電子部品の梱包方法は、その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの前記凹部に電子部品を収納し、前記凹部の開口部を覆うように前記キャリヤテープの上面にトップカバーテープを貼着した後、前記トップカバーテープの少なくとも一部を加熱収縮させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電子部品収納用の凹部の上方に形成された空間、およびキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができる。よって、電子部品収納後、振動等により電子部品が移動して隙間に嵌り込むことによる電子部品の損傷(例えば、半導体装置の電子回路部の損傷)を防ぐことができる。また、隙間に嵌り込んだ電子部品が傾いたまま収納されることによる実装時の吸着エラーを防止できる。また、電子部品として半導体装置を収納する場合に、半導体装置の端子部が損傷して、実装信頼性に影響を及ぼすことを回避できる。以上のことから、電子部品の輸送時の信頼性向上や実装時の吸着歩留まり向上を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A断面図、図1(c)は図1(a)におけるB−B断面図であり、エンボスキャリヤテープに電子部品として半導体装置が収納された状態を示している。
【0023】
図1(a)、(b)、(c)に示すように、エンボスキャリヤテープ11には、複数の電子部品収納用の凹部(ポケット)12が長手方向に沿って一定間隔で圧空成型、プレス成型、または真空成形等により列設されている。また、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に平行な一方の端部には、送り穴13が長手方向に沿って所定の間隔で貫通形成されている。
【0024】
また、エンボスキャリヤテープ11には、凹部12内に半導体装置14が収納された後、凹部12を覆うようにトップカバーテープ15がエンボスキャリヤテープ11上面に熱圧着等により貼着される。
【0025】
トップカバーテープ15の接着部16は、図1(a)に示すように、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に平行な両端部に沿って、凹部12の両側に延在させている。なお、接着部16を直線形状で示しているが、無論、形状はこれに限るものではない。また、凹部12の形状は、例えば直方体とするが、無論、直方体に限るものではない。
【0026】
本実施の形態1では、エンボスキャリヤテープ11の送り穴13が設けられた端部と反対側の端部に、その端部を長手方向に直行するテープ幅方向に折り曲げるための折り曲げ部が設けられている。図1(a)に示す例では、折り曲げ部として、一般的にミシン目と呼ばれる一定間隔ごとの切り込み17を設けている。なお、切り込み17はエンボスキャリヤテープ11の上面に設けてもよいし、下面に設けてもよく、また貫通させてもよい。また切り込みに限らず、例えば折り曲げやすいように一部を薄くするような手法で折り曲げ部を設けても構わない。また、切り込み17を連続して延在させるだけでなく、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って所定長の切り込み部(一定間隔の切り込みが連続する部分)を所定の間隔毎に設けるなどしてもよい。また、折り曲げ部は1本に限るものではなく、例えば隣接して2本以上もうけてもよい。
【0027】
続いて、本実施の形態1における電子部品の梱包方法について説明する。
まず、エンボスキャリヤテープ11の凹部12に半導体装置14を収納し、凹部12の開口部を覆うようにエンボスキャリヤテープ11の上面にトップカバーテープ15を貼着した後、送り穴13を利用して図示しないテーピングマシンにより図示しないリールに巻き取る前に、例えばテーピングマシンに設置した図示しない折り曲げ治具により、図1(b)に示すように、切り込み17に沿ってエンボスキャリヤテープ11およびトップカバーテープ15をテープ幅方向に機械的に折り曲げながら、リールに巻き取る。ここで折り曲げ角度は、実装機への装着に影響しないように設定する。
【0028】
このように切り込み17でエンボスキャリヤテープ11およびトップカバーテープ15を折り曲げ、トップカバーテープ15のたるみを引っ張ることにより、先に説明した図5(b)に示すような凹部の上方に形成された空間、およびエンボスキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができる(図1(b)、(c))。
【0029】
エンボスキャリヤテープの材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン等の樹脂にカーボンを練り込んだ樹脂を用いる。エンボスキャリヤテープの作成は、樹脂が熱可塑性樹脂であるため、100°C程度に加熱後、金型を圧接、型抜きし、厚み0.1mm〜0.3mm程度に成型する。次に、このように成型された所定幅のテープ基材を加熱しながら、凸形状または凹形状の金型にエアー等で押し込んでポケット(凹部)12を作成する。また同様にして送り穴13を作成する。機材トップカバーテープはポリエチレンテレフタレート等が一般的であり、接着層等が積層された構造を有する。
【0030】
(実施の形態2)
図2(a)は本発明の実施の形態2におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図であり、エンボスキャリヤテープに電子部品として半導体装置が収納された状態を示している。但し、前述した実施の形態1において説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0031】
本実施の形態2におけるエンボスキャリヤテープ11は、その長手方向に沿ってトップカバーテープ15を接着するための溝部21を有する点に特徴がある。すなわち、図2(a)、(b)に示す例では、エンボスキャリヤテープ11の送り穴13が設けられた側と反対側において、接着部16と凹部12の間にトップカバーテープ接着用の溝部21を設けている。なお、溝を連続して延在させるだけでなく、例えばエンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って所定長の溝部を一定間隔毎に設けるようにしてもよい。また、溝部は1本に限るものではない。
【0032】
続いて、本実施の形態2における電子部品の梱包方法について説明する。
まず、エンボスキャリヤテープ11の凹部12に半導体装置14を収納し、凹部12の開口部を覆うようにエンボスキャリヤテープ11の上面にトップカバーテープ15を貼着した後、送り穴13を利用して図示しないテーピングマシンにより図示しないリールに巻き取る前に、例えばテーピングマシンに設置した図示しない押し付け治具により、図2(b)に示すように、溝部21の底部でトップカバーテープ15をさらに接着してトップカバーテープ15のたるみを溝部21に引き込むんだ後、リールに巻き取る。
【0033】
このように溝部21へトップカバーテープ15を接着することにより、先に説明した図5(b)に示すような凹部の上方に形成された空間、およびエンボスキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができる(図2(b))。
【0034】
なお、ここではエンボスキャリヤテープ11の送り穴13が設けられた側と反対側において、接着部16と凹部12の間に溝部21を設けたが、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って各凹部12の間に溝部21を設けてもよい。この場合のエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図を図3(a)に示す。また、図3(b)は図3(a)におけるA−A断面図、図3(c)は図3(a)におけるB−B断面図である。
【0035】
図3に示すように、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って各凹部12の間に設けられた溝部21の例えば底部にトップカバーテープ15を接着して、トップカバーテープ15のたるみを溝部21に引き込むことにより、先に説明した図5(b)に示すような凹部の上方に形成された空間、およびエンボスキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができる(図3(b))。なお、溝部は1本に限るものではない。
【0036】
このように、本実施の形態2では、エンボスキャリヤテープ11の上面にトップカバーテープ15が貼着され、かつ溝部21にトップカバーテープ15が接着されたエンボスキャリヤテープ11を水平に置いた場合に、溝部21におけるトップカバーテープ15の最下部がエンボスキャリヤテープ11の上面よりも低い位置となるように、溝部21にトップカバーテープ15を接着することにより、トップカバーテープ15のたるみを溝部21に引き込むことで、先に説明した図5(b)に示すような凹部の上方に形成された空間、およびエンボスキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができる。
【0037】
なお、本実施の形態2では、溝部21の底部にのみトップカバーテープ15を接着したが、溝部21における接着部16aを設ける箇所は溝部21の底部に限るものではなく、エンボスキャリヤテープ11を水平に置いた場合に、溝部21におけるトップカバーテープ15の最下部がエンボスキャリヤテープ11の上面よりも低い位置となるように接着できればよい。
【0038】
また、接着部16は、図2(a)、3(a)に示すように、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に延在する形状で凹部12の両側に設ける場合に限らず、例えば凹部12の周縁部を囲むような形状でもよい。
【0039】
また、溝部21についても、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に延在する形状に限るものではなく、トップカバーテープ15を溝部に接着することで、トップカバーテープ15のたるみを引っ張ることができればよい。
【0040】
(実施の形態3)
図4(a)は本発明の実施の形態3におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、図4(b)は図4(a)におけるA−A断面図であり、エンボスキャリヤテープに電子部品として半導体装置が収納された状態を示している。但し、前述した実施の形態1において説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0041】
本実施の形態3におけるトップカバーテープ15は、少なくとも一部が熱収縮する基材(加熱収縮性の材質)で構成されている点に特徴がある。すなわち、図4(a)、(b)に示す例では、トップカバーテープ15の略中央部が、熱収縮する熱収縮部41で構成されており、熱収縮部41は、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って延在している。なお、熱収縮部としては、例えばサラン樹脂(ポリ塩化ビニルデン)を用いる。
【0042】
なお、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って平行に2本以上の熱収縮部41を設けてもよい。また、熱収縮部を連続して延在させるだけでなく、例えばエンボスキャリヤテープ11の長手方向に沿って所定長の熱収縮部を一定間隔毎に設けるようにしてもよい。また、熱収縮部41で構成する部分はトップカバーテープ15の略中央部に限るものではなく、熱収縮部41は両接着部16の間に設けてあればよい。
【0043】
続いて、本実施の形態3における電子部品の梱包方法について説明する。
まず、エンボスキャリヤテープ11の凹部12に半導体装置14を収納し、凹部12の開口部を覆うようにエンボスキャリヤテープ11の上面にトップカバーテープ15を貼着した後、送り穴13を利用して図示しないテーピングマシンにより図示しないリールに巻き取る前に、例えばテーピングマシンに設置した図示しない加熱治具により、熱収縮部41をエンボスキャリヤテープ11に接着しない程度の温度で部分加熱し熱収縮させて(図4(b))、トップカバーテープ15のたるみをなくした後、リールに巻き取る。
【0044】
このようにトップカバーテープ15の少なくとも一部を熱収縮性の材質とすることにより、先に説明した図5(b)に示すような凹部の上方に形成された空間、およびエンボスキャリヤテープの上面とトップカバーテープとの間に形成された隙間をなくすことができる(図4(b))。
【0045】
なお、接着部16は、図4(a)に示すように、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に延在する形状で凹部12の両側に設ける場合に限らず、例えば凹部12の周縁部を囲むような形状でもよい。
【0046】
また、熱収縮部41についても、エンボスキャリヤテープ11の長手方向に延在する形状に限るものではなく、収縮させることで、トップカバーテープ15のたるみを引っ張ることができればよい。
【0047】
なお、本実施の形態1ないし3では、エンボスキャリヤテープとトップカバーテープと半導体装置を一例に取り上げたが、プラスチックや紙などのパンチキャリヤタイプ、あるいは半導体装置以外のチップ部品において実施しても同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかるキャリヤテープ、及びトップカバーテープ、並びに電子部品の梱包方法
は、トップカバーテープのたるみをなくすことができ、電子部品の輸送時の信頼性向上や実装時の吸着歩留まり向上を実現でき、下面に実装用の端子が配置された薄型の半導体装置を包装するエンボステーピング包装に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図
【図2】(a)は本発明の実施の形態2におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図
【図3】(a)は同実施の形態2の他の例におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B断面図
【図4】(a)は本発明の実施の形態3におけるエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図
【図5】(a)は従来のエンボスキャリヤテープの構成を説明するための平面図、(b)は(a)におけるB−B断面図
【図6】従来のエンボステーピング包装の斜視図
【符号の説明】
【0050】
11、51 エンボスキャリヤテープ
12、52 凹部
13、53 送り穴
14、54 半導体装置
15、55 トップカバーテープ
16、56 接着部
17 切り込み
21 溝部
41 熱収縮部
54a 端子部
61 リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープであって、前記長手方向に平行な端部の一方の側に、その端部を前記長手方向に直交するテープ幅方向に折り曲げるための折り曲げ部を有することを特徴とするキャリヤテープ。
【請求項2】
その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープであって、前記凹部の開口部を覆うトップカバーテープを接着するための溝部を有することを特徴とするキャリヤテープ。
【請求項3】
その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの上面に、前記凹部の開口部を覆うように貼着されるトップカバーテープであって、少なくともその一部が加熱収縮性の材質で構成されていることを特徴とするトップカバーテープ。
【請求項4】
その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの前記凹部に電子部品を収納し、前記凹部の開口部を覆うように前記キャリヤテープの上面にトップカバーテープを貼着した後、前記長手方向に平行な前記キャリヤテープの端部の一方の側に設けられた折り曲げ部に沿って、前記キャリヤテープおよび前記トップカバーテープを前記長手方向に直交するテープ幅方向に折り曲げることを特徴とする電子部品の梱包方法。
【請求項5】
その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの前記凹部に電子部品を収納し、前記凹部の開口部を覆うように前記キャリヤテープの上面にトップカバーテープを貼着した後、さらに前記キャリヤテープに設けられた溝部に前記トップカバーテープを接着することを特徴とする電子部品の梱包方法。
【請求項6】
請求項5記載の電子部品の梱包方法であって、前記キャリヤテープの上面に前記トップカバーテープが貼着され、かつ前記溝部に前記トップカバーテープが接着された前記キャリヤテープを水平に置いた場合に、前記溝部における前記トップカバーテープの最下部が前記キャリヤテープの上面よりも低い位置となるように、前記溝部に前記トップカバーテープを接着することを特徴とする電子部品の梱包方法。
【請求項7】
その長手方向に沿って電子部品収納用の凹部が列設されたキャリヤテープの前記凹部に電子部品を収納し、前記凹部の開口部を覆うように前記キャリヤテープの上面にトップカバーテープを貼着した後、前記トップカバーテープの少なくとも一部を加熱収縮させることを特徴とする電子部品の梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−182244(P2007−182244A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1959(P2006−1959)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】