説明

キレート剤存在下で高安定な変異体及び変異体含有組成物

本発明は、キレート剤に対する安定性が親酵素と比べて改善されたα−アミラーゼの変異体、当該変異体を含む組成物、当該変異体をコード化する核酸、当該変異体を製造する方法、及び、当該変異体を使用する方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
親α−アミラーゼの変異体を含む組成物であって、前記変異体が、配列番号6に従う番号付けを用いて195、193、197、198、200、203、206、210、212、213及び243からなる群より選択される1又は2以上の位置に置換を含み、前記組成物が更に少なくとも1のキレート剤を含み、前記キレート剤が10mM未満の濃度で、21℃及びpH8.0で測定した場合に、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、組成物。
【請求項2】
前記キレート剤が10mM未満の濃度で、80mM 塩化カリウム及び49mM EPPS中、21℃及びpH8.0で測定した場合に、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記キレート剤が10mM未満の濃度で、「材料及び方法」に記載のアッセイで測定した場合に、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記キレート剤が、キレート剤濃度8mM未満、好ましくは7mM未満、好ましくは6mM未満、好ましくは5mM未満、好ましくは4mM未満で、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
【請求項5】
親α−アミラーゼの変異体を含む組成物であって、前記変異体が、配列番号6に従う番号付けを用いて195、193、197、198、200、203、206、210、212、213及び243からなる群より選択される1又は2以上の位置に置換を含み、前記組成物が更に少なくとも1のキレート剤を含み、前記キレート剤が、21℃及びpH8で測定した場合に、遊離カルシウムイオン濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得るクエン酸(citrate)濃度の0.9倍未満のキレート剤濃度で、遊離カルシウムイオン濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、組成物。
【請求項6】
前記キレート剤が、遊離カルシウムイオン濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得るクエン酸濃度の0.7倍未満、例えば0.5倍未満、例えば0.3倍未満のキレート剤濃度で、遊離カルシウムイオン濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、請求項1〜5の何れか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記変異体が、配列番号6の成熟ポリペプチドの位置195、193、197、198、200、203、206、210、212、213又は243に対応する1又は2以上の位置に、少なくとも2の置換を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記親α−アミラーゼの配列が、位置193の[G、A、S、T又はM]による;位置195の[F,W,Y,L,I又はV]による置換;位置197の[F,W,Y,L,I又はV]による;位置198の[Q又はN]による;位置200の[F,W,Y,L,I又はV]による;位置203の[F,W,Y,L,I又はV]による;位置206の[F,W,Y,N,L,I,V,H,Q,D又はE]による;位置210の[F,W,Y,L,I又はV]による;位置212の[F,W,Y,L,I又はV]による;位置213の[G,A,S,T又はM];又は位置243の[F,W,Y,L,I又はV]による置換のうち、少なくとも1つの置換により修飾される、請求項1〜7の何れか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記親α−アミラーゼの配列が、位置193のTによる;位置195のF又はYによる;位置197のF又はLによる;位置198のNによる;位置200のFによる;位置203のFによる;位置206のYによる;位置210のYによる;位置212のV、位置213のA又は位置243のFによる置換のうち、少なくとも1の置換により修飾される、請求項1〜8の何れか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記変異体が更に、配列番号6を番号付けに用いて、181、182、183又は184のアミノ酸領域内に、少なくとも1の、少なくとも2の、又は少なくとも3の欠失を含む、請求項1〜9の何れか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記変異体が、配列番号6の成熟ポリペプチドの、位置195、193、197、198、200、203、206、210、212、213又は243に対応する1又は2以上の位置に置換を含むとともに、位置116、118、129、133、142、146、147、149、151、152、169、174、186、235、244、303、320、339、359、418、431、434、447又は458に対応する1又は2以上の位置に置換を含む、請求項1〜10の何れか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記変異体が18時間後、pH8及び31℃で、キレート剤の存在下少なくとも60%の残存活性を有し、前記キレート剤が10mM未満の濃度で、21℃及びpH8.0で、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る請求項1〜11の何れか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記変異体が18時間後、pH8及び31℃で、キレート剤の存在下少なくとも70%の残存活性を有し、前記キレート剤が10mM未満の濃度で、21℃及びpH8.0で、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得るとともに、前記残存活性が「材料及び方法」の記載に従い測定される、請求項1〜12の何れか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記変異体が、「材料及び方法」の記載に従いAMSAで測定した場合に、親α−アミラーゼと比較して改善された洗浄性能を有する、請求項1〜13の何れか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記キレート剤が、EDTA、MGDA、EGTA、DTPA、DTPMP及びHEDPからなる群より選択される、請求項1〜14の何れか一項に記載の組成物。
【請求項16】
ポリペプチドを調製する方法であって、
(a)アミラーゼ活性を有する親ポリペプチドのアミノ酸配列を用意し、
(b)配列番号6の成熟ポリペプチドの位置195、197、198、200、203、206、210、212、213又は243に対応する1又は2以上の位置を占める1又は2以上のアミノ酸を選択すると共に、更に位置116、118、129、133、142、146、147、149、151、152、169、174、186、235、244、303、320、339、359、418、431、434、447又は458に対応する1又は2以上の位置を選択し、
(c)前記選択されたアミノ酸残基の置換若しくは欠失、又は前記選択されたアミノ酸残基に隣接する1又は2以上のアミノ酸残基の挿入により前記配列を修飾し、
(d)前記修飾された配列を有する変異ポリペプチドを生成し、
(e)前記変異ポリペプチドをアミラーゼ活性及び安定性について検証し、
(f)アミラーゼ活性を有すると共に、前記親ポリペプチドと比較してキレート剤存在下の安定性が向上した変異ポリペプチドを選択し、
前記キレート剤が10mM未満の濃度で、21℃及びpH8.0で、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、方法。
【請求項17】
親α−アミラーゼの変異体であって、195、197、198、200、203、206、210、212、213、243からなる群より選択される位置に対応する1又は2以上の位置に改変を含むと共に、更に116、118、129、133、142、146、147、149、151、152、169、174、186、235、244、303、320、339、359、418、431、434、447及び458からなる群より選択される位置に対応する1又は2以上の位置に改変を含み、
(a)前記改変が各々独立に、
(i) 前記位置の下流側に隣接するアミノ酸の挿入、
(ii) 前記位置を占めるアミノ酸の欠失、及び/又は
(iii) 前記位置を占めるアミノ酸の置換であり、
(b)前記変異体がα−アミラーゼ活性を有し、
(c)各位置が、配列番号6のアミノ酸配列を有する酵素のアミノ酸配列の位置に対応する、変異体。
【請求項18】
親α−アミラーゼの変異体であって、181、182、183、又は184のアミノ酸領域内に、少なくとも1の、少なくとも2の、又は少なくとも3の欠失を含み、更に195、197、198、200、203、206、210、212、213及び243からなる群より選択される1又は2以上の位置に改変を含み、更に116、118、129、133、142、146、147、149、151、152、169、174、186、235、244、303、320、339、359、418、431、434、447及び458からなる群より選択される1又は2以上の位置に改変を含み、
(a)前記改変が各々独立に、
(i) 前記位置の下流側に隣接するアミノ酸の挿入、
(ii) 前記位置を占めるアミノ酸の欠失、及び/又は
(iii) 前記位置を占めるアミノ酸の置換であり、
(b)前記変異体がα−アミラーゼ活性を有し、
(c)各位置が、配列番号6のアミノ酸配列を有する酵素のアミノ酸配列の位置に対応する、変異体。
【請求項19】
前記変異体が、キレート剤を含む組成物中で、親α−アミラーゼ又は配列番号6と比較して改善された安定性を有し、前記キレート剤が10mM未満の濃度で、21℃及びpH8.0で、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得る、請求項17又は18に記載の変異体。
【請求項20】
前記変異体が18時間後、pH8で、キレート剤の存在下、少なくとも60%の残存活性をし、前記キレート剤が10mM未満の濃度で、21℃及びpH8.0で、遊離カルシウムイオンの濃度を2.0mMから0.10mMまで低減し得るとともに、前記残存活性が「材料及び方法」の記載に従い測定される、請求項17〜19の何れか1項に記載の変異体。
【請求項21】
前記変異体が、「材料及び方法」の記載に従いAMSAで測定した場合に、親α−アミラーゼと比較して改善された洗浄性能を有する、請求項17〜20の何れか1項に記載の変異体。
【請求項22】
アミロース分解活性を有する前記変異体が、配列番号6、8、10、12、18又は20の成熟ポリペプチドと、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より一層好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列の同一性を有する、請求項17〜21の何れか1項に記載の変異体。
【請求項23】
アミロース分解活性を有する前記変異体が、(i) 配列番号5、7、9又は11、17、19の成熟ポリペプチドコーディング配列、(ii) 配列番号5、7、9、11、17、19の成熟ポリペプチドコーディング配列を含むゲノムDNA配列、又は (iii) (i) 又は (ii) の全長相補鎖と、好ましくは少なくとも低ストリンジェンシー条件、より好ましくは少なくとも中ストリンジェンシー条件、より一層好ましくは少なくとも中ないし高ストリンジェンシー条件、最も好ましくは少なくとも高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコード化される、請求項17〜22の何れか1項に記載の変異体。
【請求項24】
請求項17〜23の何れか1項に記載の変異体をコード化する単離ヌクレオチド配列。
【請求項25】
請求項24に記載のヌクレオチド配列を含む組換宿主細胞。

【公表番号】特表2013−519365(P2013−519365A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552398(P2012−552398)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051982
【国際公開番号】WO2011/098531
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】