説明

キーシートの取付け構造

【課題】キーシートを電子機器などの筐体に貼り付ける構造において、剥がれや脱落を防止することが可能なキーシート取付け構造を提供する。
【解決手段】キーシート10を電子機器の操作パネル50に貼り付けて固定する取付け構造において、キーシート10は少なくとも表面シートとスペーサからなる多層構造であって、スペーサの係合部21bを折り曲げて形成される折り込み部を設け、キーシート10を両面テープ22により操作パネル50の表面に貼り付けると共に、折り込み部を操作パネル50に設けられたキースイッチ孔54から通し、該折り込み部を操作パネル50の突起部55とソフトキープリント回路基板とにより挟持して取付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置など電子機器の操作面に貼り付けられるキーシートの貼り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図16は工作機械を制御する数値制御装置の要部ブロック図である。数値制御装置40は、プロセッサであるCPU41、CPU41とバス46を介して接続される数値制御装置のソフトウェアを格納するためのROM42、数値制御プログラムや各種データなどを記憶しておくRAM43、表示装置51に表示信号を送る表示制御部44、工作機械のサーボモータ(図示せず)に制御信号を送るサーボ制御部45を備えている。
CPU41はプログラム等のからの指令を解釈し各サーボモータに対する移動指令を演算したり、動作指令を解釈して機械との間でON/OFF信号の送受信を行ったりする。また、工作機械を操作するオペレータは、表示装置51を見ながらキーボードのファンクションキー52を用いて各種データや加工用プログラムを数値制御装置40に入力することができる。
【0003】
数値制御装置40の操作パネル50の操作面には図17に示されるように、操作パネル50の中央に表示装置51が配置され、その下部にファンクションキー52が配置されている。表示装置51は例えば液晶表示装置であり、ファンクションキー52に対応する項目が表示される。
数値制御装置40などの電子機器の小型化に伴い、その操作部に用いる押釦スイッチにおいても小型化、薄型化、軽量化が要望されており、キーシート10が使用される場合が多くなってきている。特に、数値制御装置40は工作機械が設置されている工場等の過酷な環境で使用されるため、筐体内部にオイルミストが浸入することを防ぐためにシートタイプのキーシート10を筐体の表に貼り付ける固定が一般的である(図17,図18,図19,図20参照)。
【0004】
図17は操作パネル50の正面図である。操作パネル50にファンクションキー52を配置するため、図18に示される表面シート20、スペーサ21、両面テープ22からなる多層構造体のキーシート10を図19に示されるように操作パネル50の筐体の表面に貼り付ける。また、操作パネル50の筐体の裏面には、操作パネル50に近い方からソフトキープリント回路基板24、補強板金23の順番でオス螺子26を用いて操作パネル50に螺子留めされている。オス螺子26は、補強板金23の孔27、ソフトキープリント回路基板24の孔28を介してメス螺子穴53にねじ込まれる。
図20は、図19に図示されたキースイッチ構造の断面図である。操作パネル50にキースイッチ孔54が設けられることで、キースイッチ25を押圧することができる。そして、表面シート20、スペーサ21、両面テープ22からなる多層構造体のキーシート10を操作パネル50に貼り付けることによって、防水,防塵効果の高いファンクションキー52を形成できる。
上述したキーシートは操作パネル50の筐体に両面テープ22で貼り付けられる。キーシート10を操作パネル50の筐体に取り付ける場合、特許文献1のようにキーシートの周囲を基板と筐体とで挟む構造や、特許文献2のように機器の操作部に両面テープで取り付ける構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−8836号公報
【特許文献2】特開2002−349866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シートタイプのキーシートの電子機器の筐体への固定は両面粘着テープのみによる接着が主であり、接着強度は粘着剤の強度と貼り付け面積に依存している。これらのキーシートは通常の使用において剥がれてはならない。一方で、汚れや破れ等により交換する際には筐体から容易に剥がせることが必要であるため、キーシートを筐体に固着させることはできない。このため、電子機機器などの装置の小型化に伴うキーシートの貼り付け面積の減少やキーシートの押動により繰り返しストレスが加わることにより剥がれやすくなる懸念があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、キーシートを電子機器などの筐体に貼り付ける構造においてキーシートの一部(係合部)を筐体の裏側に折り込み、電子機機器などを構成する他の構造物と係合あるいは挟み込むことにより、両面テープ等による接着に加え、構造的にキーシートを固定することで剥がれや脱落を防止することが可能なキーシート取付け構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1に係る発明は、キーシートを電子機器の筐体の表面に貼り付けて固定するキーシートの取付け構造において、前記キーシートは少なくともキーシート表面層とスペーサからなる多層構造であって、該スペーサの一部を折り曲げて形成される折り込み部を設け、前記キーシートを前記筐体の表面に貼り付けると共に、前記折り込み部を該筐体に設けられた孔部から通し、該折り込み部を該筐体の裏面に対向する部品により挟持したことを特徴とするキーシートの取付け構造である。
請求項2に係る発明は、前記孔部はキースイッチ孔であることを特徴とする請求項1記載のキーシートの取付け構造である。
請求項3に係る発明は、前記筐体の裏面の前記孔部の側部に該筐体の内部方向に延びる突起部を設け、前記突起部と筐体の裏面に対向する部品により前記キーシートの折り込み部を挟持したことを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造である。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記電子機器の筐体の裏面に対向する部品はプリント基板であり、該プリント基板と前記筐体の突起部により前記折り込み部を挟持して固定することを特徴とする請求項2または3のいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造である。
請求項5に係る発明は、キーシートを電子機器の筐体の表面に貼り付けて固定するキーシートの取付け構造において、前記筐体の裏面の前記穴部の側面に筐体の内部方向に延びる突起部を設け、前記キーシートは少なくともキーシート表面層とスペーサからなる多層構造であって、前記スペーサの一部が折り曲げて形成される折り込み部と該折り込み部に係合孔を設け、前記キーシートを前記筐体の表面に貼り付けると共に、前記折り込み部を筐体に設けられた孔部から通し、前記係合孔と前記突起部を係合させて固定したことを特徴とするキーシートの取付け構造である。
請求項6に係る発明は、前記キーシートの両端をくの字に折り曲げ、折り曲げて形成された該くの字の部分の少なくとも端部を前記筐体の裏面に当接して該筐体に固定することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造である。
請求項7に係る発明は、前記キーシートは両面テープを接着層として備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、キーシートを筐体に貼り付ける構造においてキーシートの一部(係合部)を筐体の裏側に折り込み、他の構造物と係合あるいは挟み込むことにより、両面テープ等による接着に加え、構造的にキーシートを固定することで剥がれや脱落を防止することが可能なキーシート取付け構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るキーシートの実施形態を説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態である両面テープを有するキーシートを両面テープ側からみた図である。
【図3】本発明のキーシートに係る固定方法を説明する図である。
【図4】スペーサに設けられた係合部を操作パネルの筐体に設けられた貫通孔に挿入することを説明する図である。
【図5】スペーサに設けられた係合部を操作パネルの筐体に設けられた貫通孔に挿入した状態を説明する図である。
【図6】スペーサに設けられた係合部を折り曲げて操作パネルの筐体に設けられた突起部に引っ掛けた状態を説明する図である。
【図7】操作パネルの筐体に設けられた突起部の形状を説明する図である。
【図8】操作パネルの筐体に設けられたキースイッチ孔の孔形状を説明する図である。
【図9】キーシートの係合部の形状を説明する図である。
【図10】組み立て完了後のキーシートの係合部の構造(係合部を挟持した場合)を説明する図である。
【図11】組み立て完了後のキーシートの係合部の構造(係合部を筐体に引っ掛けた場合)を説明する図である。
【図12】本発明の他の実施形態のキーシートの両端を折り返して筐体に引っ掛ける方式を説明する図である。
【図13】図12の符号100の部分を説明する図である。
【図14】図12の符号110の部分を説明する図である。
【図15】両端部に折り返し部を有するキーシートを筐体に取り付けた状態を説明する図である。
【図16】工作機械を制御する数値制御装置の要部ブロック図である。
【図17】電子機器の操作パネルを説明する図である。
【図18】従来技術であるキーシートの構成を説明する図である。
【図19】従来技術であるキーシートを固定する方法を説明する図である。
【図20】従来技術であるキースイッチの構造断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、従来技術と同一または類似する構成については同じ符号を用いて説明する。
本発明の実施形態のキーシート10は、図1に示されるように、表面シート20、スペーサ21、および両面テープ22とからなる多重構造を有する。本発明の実施形態では、キーシート10のスペーサ21は、キーシートの一部分として強固に接着されており剥がれない構造を採用している。スペーサ21は、キーシート10の剛性を高めるためであり、また、キーシート10を貼り付ける操作パネル50の筐体のキースイッチ孔54などの形状が写り込むことを防止できる。キーシート10を製造する製造業者の製造工程において、表面シート20とスペーサ21とを強力な接着力の両面テープや熱圧着等の手法で一体となるように接着可能である。
【0013】
表面シート20には、キースイッチ25(図20参照)の上部を押すことができるようにキースイッチ表示部20aが設けられている。スペーサ21の孔部21aの位置に係合部21bが設けられる。両面テープ22にもキースイッチ25が貫通可能なように孔部22aが設けられている。
図2は本発明の一実施形態である両面テープを有するキーシートを両面テープ側からみた図である。図1を用いて説明したように、スペーサ21の孔部21aに係合部21bが設けられている。係合部21bは両側部に足部21dを有する門型形状をなしており、足部21dはスペーサ21の孔部21aの内周の縁部に接続し、両側部の足部21d,21dと係合部21bの上部下側縁部と孔部21aの内周縁部で包囲される係合孔21cが形成される。係合部21bは図中の矢印方向に折り曲げることができる。本発明における折り込み部は係合部21bを折り曲げて形成される。
なお、キーシート10を操作パネル50の筐体の表面に貼り付ける手段として両面テープ22を用いることに替えて、スペーサ21に接着剤を塗布することによって、両面テープ22を用いない構造のキーシートとしてもよい。
【0014】
次に、図3を用いて本発明のキーシートに係る固定方法を説明する。図3では操作パネル50に本発明に係るキーシート10を用いたファンクションキー52(図16参照)を取り付ける方法を説明する。操作パネル50の表面側に図1,図2に示される表面シート20,スペーサ21,両面テープ22の多層構造からなるキーシート10を貼り付ける。キーシート10を操作パネル50の筐体の表面の所定箇所に貼り付ける際、スペーサ21に設けられた係合部21bを図に示されるように、キーシート10の表面に直交する方向であって操作パネル50の筐体の表面に貼り合わせる側に折り曲げる。スペーサ21に設けられる係合部21bは、スペーサ21の全ての孔部21aに設ける必要はなく、図示されるように所定孔数毎に設けるようにしてもよい。そして、係合部21bのスペーサ21の孔部21aへの接続方向は図示されるように、いくつかの係合部21bを他と異なる方向としてもよい。図3では、図中左端の係合部21bがその他の係合部21bの方向と異なる。操作パネル50にキーシートを貼り付けた際に、その長手方向の両端部が剥がれ易い。そのため、スペーサ21の両端部の孔部21aに係合部21bを設けることが望ましい。次に、操作パネル50の筐体の内面側の部材の固定方法について説明する。操作パネル50の裏面側から、キースイッチ25が配置されたソフトキープリント回路基板24を、操作パネル50の裏面と補強板金23との間に挟むようにして、操作パネル50の裏面側に設けられたメス螺子穴53にオス螺子26を捻じ込ませることによって固定する。
【0015】
図4は、キーシート10のスペーサ21に設けられた係合部21bを操作パネル50の筐体に設けられたキースイッチ孔54に挿入することを説明する図である。図4では表面シート20,スペーサ21,両面テープ22からなるキーシート10が図示されている側が、操作パネル50の表側である。キーシート10を操作パネル50の筐体の表面に貼り付けるとき、スペーサ21に設けられた係合部21bは2点鎖線の方向に操作パネル50のキースイッチ孔54に挿入される。操作パネル50の筐体には係合部21bと係合する突起部55が設けられている。突起部55は図4に示される例では2つの段差部を備えている。メス螺子穴53にオス螺子26がねじ込まれ、補強板金23とソフトキープリント回路基板24とが操作パネル50の裏面に固定される。
【0016】
図5は、スペーサ21に設けられた係合部21bを操作パネル50の筐体に設けられたキースイッチ孔54に挿入した状態を説明する図である。図4に示されるようにしてキーシート10が操作パネル50の筐体の表面に貼り付けられると、係合部21bが突起部55に係合するようにキースイッチ孔54に挿入される。係合部21bは操作パネル50に設けられた突起部55と係合する。
【0017】
図6は、スペーサ21に設けられた係合部21bを折り曲げて操作パネル50の筐体に設けられた突起部55に引っ掛けた状態を説明する図である。スペーサ21の孔部21aの内周縁と係合部21bとで形成された係合孔21cに突起部55の段差の低い部分が嵌り込み、係合部21bの上部を突起部55の高い部分の上部側方向に折り曲げる。突起部55の上部側方向に折り曲げられた係合部21b(折り込み部)は、突起部55の上部面とオス螺子26で操作パネル50の裏面側から固定されたソフトキープリント回路基板24,補強板金23により挟み込まれる。
【0018】
図7は、操作パネルの筐体に設けられた突起部の形状を説明する図である。操作パネル50の筐体の裏面に設けられた突起部55は、低い段差部と高い段差部の2つの突起から構成される。キースイッチ孔54の内周縁の突起部55の低い段差の両側部には切り欠き54aが設けられている。
図8は、操作パネル50の筐体に設けられたキースイッチ孔54の孔形状を説明する図である。キースイッチ孔54には、スペーサ21に設けられた係合部21bの両足部が嵌り込めるように突起部55の両側部に切り欠き54aが設けられている。
図9は、キーシート10のスペーサ21に設けられた係合部21bの形状を説明する図である。係合部21bは突起部55と係合する係合孔21cを備え、係合部21bの両足部21d,21dはキースイッチ孔54に設けられた切り欠き54aに嵌り込む。係合部21bの両足部21d,21dは、折り曲げる箇所であって折り曲げによる反発を小さくするため例えば1mm程度といったように幅を小さくしてある。
図10は、組み立て完了後のキーシート係合部の構造(係合部を挟持した場合)を説明する図である。キーシート10(表面シート20,スペーサ21,両面テープ22)、補強板金23、および、ソフトキープリント回路基板24と、を操作パネル50に取り付ける際に、スペーサ21の係合部21bは操作パネル50に設けられた突起部55の上部とソフトキープリント回路基板24とで挟持される。
【0019】
図11は、組み立て完了後のキーシートの係合部の構造(係合部を筐体に引っ掛けた場合)を説明する図である。キーシート10(表面シート20,スペーサ21,両面テープ22からなる三層構造)、補強板金23、および、ソフトキープリント回路基板24と、を操作パネル50に取り付ける際に、操作パネル50に設けられた突起部55に係合部21bを引っ掛ける。
なお、スペーサ21の係合部21bに係合孔21cを設ける構成だけでなく、係合孔21bを設けない構成としてもよい。また、操作パネル50に設けられた突起部55についても、第1と第2の段差部を設けることなく一つの段差の突起部としてもよい。
【0020】
図10や図11に示されるように、キーシート10を操作パネル50の筐体に貼り付ける構造において、キーシート10の一部(スペーサ21の係合部21b)を裏側に折り込むことによって、他の構造物である操作パネル50の突起部55とソフトキープリント回路基板24とで挟み込みこむことができ(図10参照)、あるいは、他の構造物である操作パネル50の突起部55に引っ掛けることができ(図11参照)、両面テープ22による接着に加え、構造的にキーシート10を操作パネル50の筐体に固定することで、剥がれ、脱落を防止することができる。なお、図10や図11において、ソフトキープリント回路基板24と補強板金23の端部が揃っていないが、これは、ソフトキープリント回路基板24の両面に回路を配置することができるようにするためである。このような必要性がなければ、補強板金23とソフトキープリント回路基板24の端部を揃えてもよい。
【0021】
以上説明したように、本発明の実施形態のキーシートは、操作パネル50の突起部55に挟み込み(図10参照)あるいは引っ掛ける(図11参照)ための構造を、層構造をなしたキーシート10の一部の層、例えば、スペーサ21のなどの抜き型形状により簡単に形成することができる。これによって、本発明の実施形態のキーシートを作成するための金型や材料に対するコスト面の負担が従来技術との差が少ない。
また、スペーサ21の係合部21bを操作パネル50の裏側へ折り込むための孔として操作パネル50の筐体に設けられたキースイッチ孔54を流用する場合には、スペーサ21の厚み程度の小さな切り欠き54aを付加するだけでよく、係合部21bを挟み込むあるいは引っ掛けるための構成として突起部55と切り欠き54aとを付加すればよく、新たな孔を設ける必要がない。このため、新たに孔をあけることによってキーシート10の操作パネル50の筐体との接着面積も少なくなることがなく、従来技術の接着に対する品質を維持しつつ脱落防止構造を実現可能である。脱落防止構造になす係合部21bはスペーサ21に形成されており、スペーサ21自身は表面シート20の裏面に設けられているため、デザイン性にも影響を及ぼさない。
【0022】
上述した本発明の実施形態では、スペーサ21の係合部21bをキースイッチ25の配置位置に対応して形成される孔21aに設けた。これらの本発明の実施形態と異なり、図12には、キーシート10の両端を折り返して操作パネルの筐体に引っ掛ける本発明の他の実施形態が図示されている。図12(a)は上面図であり、図12(b)は正面図である。図12に示されるように、キーシート10のキースイッチ孔の位置には操作パネル50の筐体との係合部が設けられておらず、一点鎖線100,110に示されるように、キーシート10の両端部にキーシート折り返し部が設けられている。
図13は符号100に示される部位を拡大してキーシート折り返し部を説明する図である。図14は符号100に示される部位を拡大してキーシート折り返し部を説明する図である。図15は、図12,図13,図14に示される両端部に折り返し部を有するキーシート10を操作パネル50の筐体に取り付けた状態を説明する図である。本発明のこの実施形態では、キーシート10の折り返し部は、スペーサ21の端部を係合部として折り返すことによって、くの字型にすることによって形成される。この実施形態では、キーシート10を操作パネル50の筐体に取り付ける場合および貼り換えの場合に取り外す場合に操作パネル50を分解することなく行える。なお、この実施形態では、係合部としてスペーサ21の端部だけでなく、表面シート20、両面テープ22の積層された部位を係合部としてもよい。
【符号の説明】
【0023】
10 キーシート
20 表面シート
20a キースイッチ表示部
21 スペーサ
21a 孔部
21b 係合部
21c 係合孔
21d 足部
22 両面テープ
22a 孔部
23 補強板金
24 ソフトキープリント回路基板
25 キースイッチ
26 オス螺子
27 孔
28 孔

40 数値制御装置
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 表示制御部
45 サーボ制御部
46 バス
47 サーボモータ

50 操作パネル
51 表示装置
52 ファンクションキー
53 メス螺子穴
54 キースイッチ孔
55 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーシートを電子機器の筐体の表面に貼り付けて固定するキーシートの取付け構造において、
前記キーシートは少なくともキーシート表面層とスペーサからなる多層構造であって、該スペーサの一部を折り曲げて形成される折り込み部を設け、
前記キーシートを前記筐体の表面に貼り付けると共に、前記折り込み部を該筐体に設けられた孔部から通し、該折り込み部を該筐体の裏面に対向する部品により挟持したことを特徴とするキーシートの取付け構造。
【請求項2】
前記孔部はキースイッチ孔であることを特徴とする請求項1記載のキーシートの取付け構造。
【請求項3】
前記筐体の裏面の前記孔部の側部に該筐体の内部方向に延びる突起部を設け、前記突起部と筐体の裏面に対向する部品により前記キーシートの折り込み部を挟持したことを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造。
【請求項4】
前記電子機器の筐体の裏面に対向する部品はプリント基板であり、該プリント基板と前記筐体の突起部により前記折り込み部を挟持して固定することを特徴とする請求項2または3のいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造。
【請求項5】
キーシートを電子機器の筐体の表面に貼り付けて固定するキーシートの取付け構造において、
前記筐体の裏面の前記穴部の側面に筐体の内部方向に延びる突起部を設け、
前記キーシートは少なくともキーシート表面層とスペーサからなる多層構造であって、
前記スペーサの一部が折り曲げて形成される折り込み部と該折り込み部に係合孔を設け、
前記キーシートを前記筐体の表面に貼り付けると共に、前記折り込み部を筐体に設けられた孔部から通し、前記係合孔と前記突起部を係合させて固定したことを特徴とするキーシートの取付け構造。
【請求項6】
前記キーシートの両端をくの字に折り曲げ、折り曲げて形成された該くの字の部分の少なくとも端部を前記筐体の裏面に当接して該筐体に固定することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造。
【請求項7】
前記キーシートは両面テープを接着層として備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のキーシートの取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−174651(P2012−174651A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38573(P2011−38573)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】