説明

キースイッチ装置

【課題】キートップを押し込んだときに、キートップが真下に向かってスムーズに移動し、かつ、キートップのガタツキをなくす。
【解決手段】キートップ13が押し込まれるとき、キートップ13を保持している大リンク部材15の上端部または下端部が、基板12上面と平行な水平方向へスライドできるように構成し、キートップ13が真下に移動できるようにした。また、キートップ13に設けたリブで、大リンク部材15の左右両側を挟んで押さえ、大リンク部材15に対するキートップ13の左右方向のガタツキを無くすように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はキースイッチ装置に関するものであり、特に、ノートブック型パソコンの薄型キーボード等に好適に用いられるリンク式のキースイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リンク式のキースイッチは、例えば特許文献1等で知られている。この特許文献1で知られるキースイッチ装置は、概略、図6に示すような構造になっている。図6に示すキースイッチ装置は、基板1とキートップ2との間にラバースプリング3を装着し、該キートップ2を昇降自在に形成している。さらに、基板1とキートップ2との間には、相互に接触することがないように、直交して回動する小リンク部材4と大リンク部材5とが設けられている。小リンク部材4は合成樹脂にて形成され、かつ、大リンク部材5は針金をコ字状に折曲して形成している。
【0003】
また、小リンク部材4は、下端部を基板1の上面に設けたスライドガイド(不図示)に摺動自在に装着すると共に、小リンク部材4の上端部に突設した軸支部7をキートップ2の裏面に設けたすり割付軸支部8に軸支している。さらに、大リンク部材5の上端部及び下端部は、基板1の上面及びキートップ2の裏面に形成したすり割付軸支部9及び10にそれぞれ軸支されている。
【0004】
そして、該キートップ2は、小リンク部材4及び大リンク部材5並びにラバースプリング3で保持されることにより、安定した上下方向のストロークを可能にしている。
【特許文献1】特開2001−283675
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例のキースイッチ装置におけるZリンク機構は、大リンク部材5の上下の端部が、基板1及びキートップ2のすり割付軸支部8に回動可能に連結保持されており、大リンク部材5は基板1の軸支部10との軸支部分を中心に回転運動するため、キートップを押し込んだとき、真下には移動せず、寸法Dだけ若干水平方向に移動する構造になっている。したがって、寸法Dの分だけキートップ間隔を確保した設計としなければならず、無駄が生じていた。
【0006】
また、大リンク部材5とキートップ2との間には隙間があり、この隙間がキートップのガタツキを発生させている不具合があった。
【0007】
そこで、キートップを押し込んだときに、キートップが真下に向かってスムーズに移動し、かつ、キートップのガタツキを無くした構造にするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、 基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、前記大リンク部材の上端部を、前記キートップ裏面に設けた軸支部に回動自在に軸支し、前記大リンク部材の下端部を、前記キートップが昇降操作された時に該下端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設けたキースイッチ装
置を提供するものである。
【0009】
この構成によれば、大リンク部材の上端部が、キートップ裏面に設けた軸支部に回動自在に軸支され、かつ、大リンク部材の下端部が、該下端部を基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着されていることにより、キートップが押し込まれると、大リンク部材は、その上端部がキートップとの間で上下方向に回転すると同時に、下端部がスライドガイド部内で水平方向にスライド変位し、押し込まれたキートップは、真下に移動することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記キートップ裏面に設けた上記軸支部の周面に、上記大リンク部材の一部を前記軸支部内に圧入係合させるためのすり割を設けたキースイッチ装置を提供するものである。
【0011】
この構成によれば、大リンク部材の一部をすり割り部分に強く押し付けると、その一部が軸支部内に圧入されて、大リンク部材と軸支部との連結が簡単になる。
【0012】
請求項3記載の発明は、基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、前記大リンク部材の上端部を、前記キートップが昇降操作された時に該上端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設け、かつ、前記大リンク部材の下端部を、前記基板に設けた軸支部に回動自在に軸支して設けたキースイッチ装置を提供するものである。
【0013】
この構成によれば、大リンク部材の上端部が、該上端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着され、かつ、大リンク部材の下端部が、基板に設けた軸支部に回動自在に軸支されていることにより、キートップが押し込まれると、大リンク部材は、その下端部が基板との間で上下方向に回転すると同時に、上端部がスライドガイド部内で水平方向にスライド変位し、キートップが真下に移動できるようになる。
【0014】
請求4記載の発明は、上記基板に設けた上記軸支部の周面に、上記大リンク部材の一部を前記軸支部内に圧入係合させるためのすり割を設けたキースイッチ装置を提供するものである。
【0015】
この構成によれば、大リンク部材の一部をすり割り部分に強く押し付けると、その一部が軸支部内に圧入されて、大リンク部材と軸支部との連結が簡単に図れる。
【0016】
請求項5記載の発明は、基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、前記大リンク部材の上端部を、前記キートップ裏面に設けた軸支部に回動自在に軸支し、かつ前記大リンク部材の下端部を、前記キートップが昇降操作された時に該下端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設けるとともに、前記キートップ裏面の左右両側に、前記大リンク部材を左右両側より挟んで、該大リンク部材の左右方向のガタツキを抑えるリブを一体的に設けているキースイッチ装置を提供するものである。
【0017】
この構成によれば、大リンク部材の上端部が、キートップ裏面に設けた軸支部に回動自在に軸支され、かつ、大リンク部材の下端部が、該下端部を前記基上面と平行な水平方向
にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着されていることにより、キートップが押し込まれると、大リンク部材は、その上端部がキートップとの間で上下方向に回転すると同時に、下端部がスライドガイド部内で水平方向にスライド変位し、押し込まれたキートップは、真下に移動する。また、キートップ裏面の左右両側に、大リンク部材を左右両側より挟んで、該大リンク部材の左右方向のガタツキを抑えるリブが一体的に設けられているので、リブにより、大リンク部材に対するキートップの左右方向へのガタツキをなくす。
【0018】
請求項6記載の発明は、基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、前記大リンク部材の上端部を、前記キートップが昇降操作された時に該上端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設け、かつ、前記大リンク部材の下端部を、前記基板に設けた軸支部に回動自在に軸支して設けているとともに、前記キートップの左右両側に、前記大リンク部材を左右方向より挟んで、該大リンク部材の左右方向のガタツキを抑えるリブを一体的に設けているキースイッチ装置を提供する。
【0019】
この構成によれば、大リンク部材の上端部が、基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着され、かつ、大リンク部材の下端部が、基板に設けた軸支部に回動自在に軸支して設けているので、キートップが押し込まれると、大リンク部材は、その下端部が基板との間で上下方向に回転すると同時に、上端部がスライドガイド部内で水平方向にスライド変位し、キートップが真下に下降して移動する。また、キートップの左右両側に、大リンク部材を左右方向より挟んで、該大リンク部材の左右方向のガタツキを抑えるリブを一体的に設けているので、リブにより、大リンク部材の左右幅方向への動きが抑制される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明は、押し込まれたキートップを真下に移動させることができるので、隣り合うキートップ間の隙間を狭めて密度を高めることが可能になる。これにより、キーボード全体の小形化を図ることができる。また、同じキーボードのスペース内であっても、従来の隙間分だけキートップ自体の平面面積を大きくすることも可能で、キートップ自体の平面面積を大きくして、オペレータによる操作性を向上させることもできる。
【0021】
請求項2記載の発明は、大リンク部材とキートップにおける軸支部との連結が簡単に図れるので、組立の作業性が向上する。
【0022】
請求項3記載の発明は、押し込まれたキートップを真下に移動させることができるので、隣り合うキートップ間の隙間を狭めることができる。これにより、キーボード全体の小形化を図ることができる。また、所定サイズのキーボードのスペース内であっても、従来構造に比べて、前記の隙間分だけキートップ自体の平面面積が大きくなり、オペレータによる操作性が向上する。
【0023】
請求項4記載の発明は、大リンク部材と基板における軸支部との連結が簡単に図れるので、組立の作業性が向上する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、押し込まれたキートップを真下に移動させることができるので、隣り合うキートップ間の隙間を狭めて密度を高めることが可能になる。これにより、キーボード全体の小形化を図ることができる。また、同じキーボードのスペース内であっても、従来の隙間分だけキートップ自体の平面スペースを広くできる。従って、キートッ
プ自体の平面面積を大きくして、オペレータによる操作性を向上させることもでき、キートップの左右方向のガタツキを確実に防止できるだけでなく、キートップの押し込み操作を一層スムーズに実行できるとともに、高級感も得られる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明と同様に、押し込まれたキートップを真下に移動でき、隣り合うキートップ間の隙間が狭められるので、キーボード全体の小形化を図ることができる。また、キートップ自体の平面面積を大きくでき、キー操作安定性が向上し、キートップの押し込み操作感が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係るキースイッチ装置について、好適な実施例をあげて説明する。本発明の最良の形態は、大リンク部材の一端部は、キートップ裏面側の軸支部又は基板側のスライドガイド部に装着され、かつ、大リンク部材の他端部は、基板側のスライドガイド部又はキートップ裏面側の軸支部に装着され、キートップ裏面の左右両側には、大リンク部材を左右方向より挟んで該大リンク部材の左右幅方向のガタツキを抑えるリブ(位置規制部材)を一体的に設けたことを要旨とする。
【0027】
即ち、キートップが真下に向かってスムーズに移動し、かつ、キートップのガタツキを無くした構造にするという目的を達成するために、本発明は、キートップが押し込まれるとき、大リンク部材の上端部または下端部が、基板上面と平行な状態を維持しながら、水平方向にスライドするようにすることにより、キートップが真下に移動できるようにした。また、キートップ裏面に設けたリブによって、大リンク部材の左右両側を挟んで押さえ、大リンク部材に対するキートップの左右幅方向の変位動を規制することを特徴とする。
【実施例】
【0028】
図1(a)及び(b)は本発明に係るキースイッチ装置の一実施の形態を示すものである。図(a)及び(b)において、11は概念図で示したキースイッチ装置であり、該キースイッチ装置11は基板12と、該基板12の上方に設けられたキートップ13とを備える。基板12とキートップ13との間には小リンク部材14と大リンク部材15とが装着され、小リンク部材14と大リンク部材15は、互いに接触することなく、直交して回動するように構成されている。
【0029】
そして、該小リンク部材14の下端部の幅方向X両側部には摺動部14a及び14bが設けられ、摺動部14a及び14bは、基板12に配設されたスライドガイド12a及び12bにそれぞれ摺動自在に係合されている。さらに、小リンク部材14の上端部の幅方向X両側部には、軸支部14c及び14dが突設され、軸支部14c及び14dは、前記キートップ13の裏面に配設されたすり割付軸支部13a及び13bに、それぞれ回動可能に軸着されている。
【0030】
なお、スライドガイド12a及び12bは、キートップ13が昇降操作された時に、小リンク部材14の下端部、すなわち摺動部14a及び14bを、基板12の上面及びキートップ13の下面に沿って水平方向にスライド案内する。また、すり割付軸支部13a及び13bの周面に設けているすり割りは、小リンク部材14の軸支部14c及び14dを、上方から周面のすり割りに対して強く押し付けたときに、そのすり割り部分が一時的に外側に逃げて拡がり、軸支部14c及び14dがすり割り付軸支部13a及び13b内に係合されるのを許容する。この取付構造では、小リンク部材14と基板12におけるすり割付軸支部13a及び13bとの連結を簡単に実行でき、組立作業性の向上に大いに寄与する。
【0031】
一方、前記大リンク部材15の下端部の幅方向Y両側部には、回動部15a及び15b
が設けられ、回動部15a及び15bは、基板12に配設されたすり割付軸支部12c及び12dに、それぞれ回転可能に軸着されている。更に、大リンク部材15の上端部の幅方向Y両側部には摺動部15c及び15dが設けられ、摺動部15c及び15dは、キートップ13の裏面に配設されたスライドガイド13c及び13dに、それぞれ摺動自在に装着されている。
【0032】
なお、スライドガイド13c及び13dは、キートップが昇降操作された時に、大リンク部材15の上端部、すなわち摺動部15c及び15dを基板12上面と平行な水平方向にスライド案内する。また、すり割付軸支部12c及び12dの周面に設けているすり割りは、大リンク部材15の回動部15a及び15bを、上方から周面のすり割りに対して強く押し付けると、そのすり割り部分が一時的に外側に逃げて拡がり、回動部15a及び15bがすり割付軸支部12c及び12d内に係合されるのを許容する。この取付構造では、大リンク部材15と基板12におけるすり割付軸支部12c及び12dとの連結を簡単に実行でき、組立作業性の向上に大いに寄与する。
【0033】
図2は、前記キースイッチ装置11のキートップ13を透視した状態で、キースイッチ装置11の内部構造を示す平面図である。図示のように、該キースイッチ装置11の中央部には、略ドーム状のラバースプリング16が介装され、該ラバースプリング16は基板12上に載設されている。また、キートップ13裏面において、該キートップ13の左右幅方向Yの外周縁部両側にはリブ17,17が、該キートップ13の内側に向かって突出するように、キートップ13と一体に設けられている。このリブ17,17は、キートップ13と連結された大リンク部材15の左右両側に常に当接されて、該大リンク部材15を左右方向より挟んだ状態にあり、キートップ13の大リンク部材15に対する左右方向のガタツキを確実に抑える。
【0034】
図3はキースイッチ装置11の一部切欠側面図、図4はキースイッチ装置11の一部切欠正面図である。図3及び図4において、実線ではキートップ13が押下される前の状態を示しており、前記ラバースプリング16がキートップ13を上方に付勢し、それに伴って、前記小リンク部材14及び大リンク部材15も前記基板12に対して所定角度をなして、立ち上がった状態となっている。
【0035】
いま、この状態でオペレータが前記キートップ13を押下操作すると、該キートップ13は前記ラバースプリング16を押圧して変形させると共に、前記小リンク部材14及び大リンク部材15の上端側を下方に押し下げる。このとき、該小リンク部材14下端側の摺動部14a及び14bは、前記基板12側のスライドガイド12a及び12b内を基板12上面に沿って摺動する。同時に、小リンク部材14上端側の軸支部14c及び14dは、キートップ13裏面側のすり割付軸支部13a及び13b内で回転する。
【0036】
一方、前記大リンク部材15下端側の回動部15a及び15bは、前記基板12上に設けられたすり割付軸支部12c及び12d内で回転する。同時に、大リンク部材15上端側の回動部15c及び15dは、前記キートップ13側のスライドガイド13c及び13d内を基板12上面と平行に水平方向へ摺動する。図3及び図4において、二点鎖線は、キートップ13が押下された状態を示している。
【0037】
従って、前記キートップ13は、小リンク部材14と大リンク部材15のリンク作用により、基板12に対して略平行な状態を維持しながら、真下に向かって押し下げられる。そして、キートップ13が所定位置まで下降変位することにより、前記ラバースプリング16は、基板12上に設けたスイッチ部材18を押圧して電気的に導通する。
【0038】
この後、前記キートップ13が更に最下点まで押し下げられると、キートップ13の下
面が基板12に当接して、該キートップ13の押し下げ動作は停止する。
【0039】
以上のように、この実施例の構成によれば、キートップ13が押し込まれると、大リンク部材15は、その下端部となる回動部15a及び15bがキートップ13との間で上下方向に回動すると同時に、上端部となる摺動部15c及び15dが、スライドガイド13c及び13d内で水平方向にスライド変位し、キートップ13が真下に移動する。
【0040】
かくして、キートップ13が真下に移動することにより、隣り合うキートップ間の隙間を狭めて、多数のキーの配置密度を高めることが可能になり、キーボード全体の小形化を図ることができる。また、一定の寸法形状を有するキーボードのスペース内であっても、従来の隙間分だけキートップ自体の平面面積を大きくすることも可能となるので、総じて、キートップの平面面積を大きくして、オペレータの操作性を向上させることもできる。さらに、キートップ13の左右両側に設けているリブ17,17により、大リンク部材15を左右方向より挟んで抑えるので、従来構造とは異なり、キートップ13が大リンク部材15に対して左右方向にガタ付くことのない、操作フィーリングの良い高級なキースイッチ装置が容易に得られる。
【0041】
なお、上記実施例の構造では、大リンク部材15の下端部に回動部15a及び15b、基板12にすり割付軸支部12c及び12dを設けるとともに、大リンク部材15の上端部に摺動部15c及び15d、キートップ13にスライドガイド13c及び13dを設けた構造を開示したが、この構造に限られるものではない。例えば、図5に示すように、大リンク部材15の上端部に回動部25a及び25bを形成すると共に、キートップ13にすり割付軸支部22c及び22dを設け、かつ、大リンク部材15の下端部に摺動部25c及び25dを形成すると共に、基板12にスライドガイド23c及び23dを設けた構造にしても、上記と同様な効果が得られる。
【0042】
この発明は、この発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、この発明が該改変せられたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)本発明の一実施の形態を示し、キースイッチ装置の概念を示す正面図。
【0044】
(b)本発明の一実施の形態を示し、小リンク部材と大リンク部材の概念を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、キートップを透視した状態で、キースイッチ装置の内部構造を示す平面図。
【図3】本発明の一実施の形態を示し、キースイッチ装置の一部切欠側面図。
【図4】本発明の一実施の形態を示し、キースイッチ装置の一部切欠正面図。
【図5】本発明の一実施の形態の変形例を示し、キースイッチ装置の一部切欠側面図。
【図6】従来のキースイッチにおける構造の問題を説明する図。
【符号の説明】
【0045】
11 スイッチ装置
12 基板
12a スライドガイド
12b スライドガイド
12c すり割付軸支部
12d すり割付軸支部
13 キートップ
13a すり割付軸支部
13b すり割付軸支部
13c スライドガイド
13d スライドガイド
14 小リンク部材
14a 摺動部
14b 摺動部
14c 軸支部
14d 軸支部
15 大リンク部材
15a 回動部
15b 回動部
15c 摺動部
15d 摺動部
16 ラバースプリング
17 リブ
18 スイッチ部材




【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、
前記大リンク部材の上端部を、前記キートップ裏面に設けた軸支部に回動自在に軸支し、前記大リンク部材の下端部を、前記キートップが昇降操作された時に該下端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設けたことを特徴とするキースイッチ装置。
【請求項2】
上記キートップ裏面に設けた上記軸支部の周面に、上記大リンク部材の一部を前記軸支部内に圧入係合させるためのすり割を設けたことを特徴とする請求項1記載のキースイッチ装置。
【請求項3】
基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、
前記大リンク部材の上端部を、前記キートップが昇降操作された時に該上端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設け、かつ、前記大リンク部材の下端部を、前記基板に設けた軸支部に回動自在に軸支して設けたことを特徴とするキースイッチ装置。
【請求項4】
上記基板に設けた上記軸支部の周面に、上記大リンク部材の一部を前記軸支部内に圧入係合させるためのすり割を設けたことを特徴とする請求項3記載のキースイッチ装置。
【請求項5】
基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、
前記大リンク部材の上端部を、前記キートップ裏面に設けた軸支部に回動自在に軸支し、かつ前記大リンク部材の下端部を、前記キートップが昇降操作された時に該下端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設けるとともに、前記キートップ裏面の左右両側に、前記大リンク部材を左右両側より挟んで、該大リンク部材の左右方向のガタツキを抑えるリブを一体的に設けていることを特徴とするキースイッチ装置。
【請求項6】
基板とキートップとの間に相互接触することなく直交して回動する小リンク部材と大リンク部材を有する昇降機構を設け、該昇降機構により前記キートップを昇降自在に保持し、該キートップを押下してスイッチ操作を行うキースイッチ装置において、
前記大リンク部材の上端部を、前記キートップが昇降操作された時に該上端部を前記基板上面と平行な水平方向にスライド案内するスライドガイド部に摺動自在に装着して設け、かつ、前記大リンク部材の下端部を、前記基板に設けた軸支部に回動自在に軸支して設けているとともに、前記キートップの左右両側に、前記大リンク部材を左右方向より挟んで、該大リンク部材の左右方向のガタツキを抑えるリブを一体的に設けていることを特徴とするキースイッチ装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−338961(P2006−338961A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160500(P2005−160500)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】