説明

キー入力装置

【課題】キーボード上のキーに情報を可変的に表示できるキー入力装置を提供する。
【解決手段】POS端末10に複数のメニューを設定可能なモード変換キー14と、複数の押し下げ構造の液晶表示キー11から構成するキーボード13とを設け、前記モード変換キー14により設定したメニューに対応する情報をキーボード13上の液晶表示部12に表示することで、複数のキーを設けることなく店員が所望する業務と対応するキーを設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示キーから構成されたキーボードを有するキー入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば従来の飲食店向けPOS端末としては、入力装置としてタッチパネルを備え、このタッチパネルのスクリーンに複数個のメニューキーを配列した画像を表示し、前記タッチパネルから操作位置記号を取込むとその操作位置信号により入力操作されたメニューキーを判別し、そのメニューキーに設定されたメニュー商品のデータを登録するようにしたものが知られている(特許文献1)。
【0003】
このようなタッチパネルはキー配列画像に表示されたキーを操作入力でき、シフトキーの操作によってキー配列画像を切替えることにより別種のキーを操作入力できるので、限られたスクリーンの領域内で多種類のキーが入力可能となる利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネルが画面を指や専用ペンでタッチすることで入力を認識することができるが、キーを押下した時のクリック感が得られないことから操作したという感覚に乏しく違和感がある。そこで正確にタッチしたことを得るために画面の色を変化させることで視覚的に訴えることで違和感を解消することが考えられる。
【0005】
特許文献2では、タッチパネルの下部にバネを取り付けることでクリック感を得るようにしたポインティングデバイスが記載されているが、キーボードのキーを可変させて表示することが記載されていない。
【0006】
この発明の目的は、キーボード上のキーに情報を可変的に表示できるキー入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るキー入力装置は、固有の情報がそれぞれ割付けられる複数の液晶表示キーを配列してなるキーボードと、前記各液晶表示キーにそれぞれ対応するキー番号別にその液晶表示キーに設定される情報を記憶するキー別設定情報記憶手段と、このキー別設定情報記憶手段を切換え可能な切換手段と、を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、キーボード上のキートップを液晶表示することでモード切換えにより設定されたモードに対応したキー情報が液晶表示キーに表示可能なキー入力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態におけるキー入力装置のブロック図。
【図2】一実施形態におけるキー入力装置のキーボードの配列構成を示す図。
【図3】一実施形態におけるキー入力装置に搭載されたメモリに形成される主要エリアを示す図。
【図4】一実施形態のキー入力装置のキーボードの一例を示す図。
【図5】一実施形態のキー入力装置のキーボードの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるキー入力装置の一形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、この発明にかかるキー入力装置をPOS(Point Of Sale)端末10に適用した例について説明する。
【0011】
図1は、本発明に係るPOS端末10の一例を説明するブロック図であって、押し下げ構造である液晶表示キー11の上部には文字、数値及び記号等を表示する液晶表示部12が設けられており、前記液晶表示キー11を複数設けることでキーボード13を構成している(後述する図4〜図5参照)。POS端末10は、切換手段としてのモード変換キー14が設けられており、設定、登録、精算の各種動作をキーによって変更できる。このモード変換キー14には本発明の特徴部分であるランチメニューキー14a及び会計モードメニューキー14bが付加されている。前記モード変換キー14は文字、数値及び記号等を変更するキー情報を出力するモード変換回路15が接続されている。
【0012】
このモード変換回路15は前記液晶表示キー11における表示を制御する液晶駆動回路16に接続され、この液晶駆動回路16は前記モード変換回路15から出力されるモードの変更を指示する記号に応じて液晶表示キー11の液晶表示部12の表示を変更する。前記液晶表示キー11が複数設けられた集合体としてのキーボード13は図2に示すように、複数の液晶表示キー11から形成されており、液晶表示キー11は、例えば左列から順に固有のキー番号「1」〜「17」が固定的に設定記憶されている。
【0013】
図3は、POS端末10に搭載されたキー別設定情報記憶手段としてのモード別メモリ20に形成される主要エリアを示している。このモード別メモリ20にはモード毎にキー配列が設定可能である。メニューエリア21はモード別にメニューを記憶するメモリであり、キー番号エリア22は図2に示した固有のキー番号を記憶するメモリであり、コード番号エリア23は液晶表示部12に表示する表示データを番号管理したメモリであり、表示項目エリア24は液晶表示部12に表示する内容を記憶したメモリである。
【0014】
例えば、前記モード変換キー14がランチメニューモード14aに設定された場合、メニューエリア21のランチメニューがキーボード13のキー番号「1」〜「17」に割付される。具体的には、前記キー番号「1」と対応する液晶表示部12には「中華定食」が表示され、キー番号「2」と対応する液晶表示部12には「洋定食」、キー番号「3」と対応する液晶表示部12には「和定食」、キー番号「4」と対応する液晶表示部12には「ラーメン定食」が表示される。このように図2のキー(番号)と対応したキー番号エリア22のキー番号と同じキーに割り付けられる。
【0015】
また、前記モード変換キー14が会計メニューモード14bに設定された場合、メニューエリア21の会計メニューがキーボード13のキー番号「1」〜「17」に割付される。具体的には、前記キー番号「1」と対応する液晶表示部12には「+」が表示され、キー番号「2」と対応する液晶表示部12には「−」、キー番号「3」と対応する液晶表示部12には「×」、キー番号「4」と対応する液晶表示部12には「取消」が表示される。
【0016】
このような構成において、先に注文を受け代金を後払いする飲食店のような店舗を用いて実施例を説明する。まず開店時にPOS端末10の電源を立ち上げ、モード変換キー14を「ランチ」とするようランチメニューキー14aを設定する。店舗に顧客が来店するとPOS端末10の前に立ち、食べたいメニューを店員に告げる。店員は顧客の注文メニューと対応する液晶表示キー11を押下すると注文伝票が厨房に設けられたキッチンプリンタ(図示せず)へ情報が送信される。するとPOS端末10のレシートプリンタ(図示せず)から注文伝票が出力され、顧客は受け取り任意にテーブルや座席に座って注文した料理が配膳されるのも待つ。
【0017】
店員は注文した料理出来上がり顧客の待機するテーブルに料理を運び、前記注文伝票と照らし合わせて確認後に配膳を行う。その後、食事が終了すると顧客は前記注文伝票をPOS端末10へ持って行く。POS端末10にいる店員は、前記モード変換キー14を「会計」とするよう会計メニューキー14bを設定する。すると図5に示すようなキーボード13の液晶表示キー11の液晶表示部12が変更される。そして、会計後、注文伝票に付されたバーコードをPOS端末10に接続されたスキャナで読み取り、顧客から現金を受け取ると、受け取った金額を置数キー(キー番号の5〜15のいずれか)を押下し「預/現計キー」(キー番号の「17」)を押下すると釣銭額等を計算してレシートプリンタよりレシートが排出される。
【0018】
このように、押し下げ構造のキーボタンのキートップを液晶表示としてPOS端末上のモードを変換することで、店員が所望する業務体系にあった操作を可能にできることから、複数のキーを設けることがなく、業務にあったキーメニューがキーボード上に表示されることから店員の入力操作の負担を軽減できる。
【0019】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。本実施例ではキー入力装置としてPOS端末を記載したが、ECRや情報端末、銀行等のATMに用いても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0020】
10…POS端末
11…液晶表示キー
12…液晶表示部
13…キーボード
14…モード変換キー
20…モード別メモリ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平07−182560号公報
【特許文献2】特開平10−198507号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の情報がそれぞれ割付られる複数の液晶表示キーを配列してなるキーボードと、
前記各液晶表示キーにそれぞれ対応するキー番号別にその液晶表示キーに設定される情報を記憶するキー別設定情報記憶手段と、
このキー別設定情報記憶手段を切換え可能な切換手段と、
を設けたことを特徴とするキー入力装置。
【請求項2】
前記液晶表示キーは押し下げ構造であることを特徴とする請求項1記載のキー入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−76324(P2011−76324A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226309(P2009−226309)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】