説明

ギャザーカーテン

【課題】製造が容易でありながら、機能的に信頼性のあるギャザーカーテンを提供する。
【解決手段】巻シャフト3及び、保持要素13によって巻シャフト3に上端がそれぞれ固定されている複数のプルコード5を有するギャザーカーテン。保持要素13を始点として、プルコード5はそれぞれ巻シャフト3上に巻きつけられる。保持要素13は、プルコード5がそれぞれ巻体4上に偏向することなく直接巻きつけられるように、相互に距離をおいて配置されている2つのガイド部23、23’の間に巻面12を有する、巻体4上に、離脱可能にそれぞれ配置されている。2つのガイド部23、23’は、プルコード5が、それらの間に1つ以上の層を成すように巻きつけられるようにプルコード5を制御する。巻体4は、好ましくは、二枚貝の殻の形状に設計され、巻シャフト3の溝6に離脱可能にラッチされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻シャフト及び、保持要素を始点として巻シャフト上に偏向することなく(deflection)直接巻きつけられるように、保持要素によって巻シャフトに上端がそれぞれ固定されている複数のプルコードを有するギャザーカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
この一般的な種類のギャザーカーテンは、従来技術であるDE4137266Aで公知となった。このギャザーカーテンは、プルコードを巻きつけるための中空の巻シャフトを有している。この巻シャフトは、プルコードが固定される位置において、それぞれ中空部を有しており、この中空部にほぞ形の保持要素が離脱可能に差し込まれている。プルコードは、これら保持要素のそれぞれに固定される。巻シャフトがその長手方向の軸の周りを回転した場合、プルコードは、前記保持要素を始点として、巻シャフトの表面にそれぞれ巻きつけられる。このギャザーカーテンは、カーテン生地を洗濯のために簡単に取り外し、再び簡単に固定できるという利点を有している。
【0003】
類似のギャザーカーテンが、DE4128485Aから公知となった。このカーテンにおいては、プルコードの上端がそれぞれ巻シャフトにタッチ・アンド・クローズ式のストリップによって固定されている。巻シャフトは固定位置のそれぞれにおいて、タッチ・アンド・クローズ式のカバーを有している。これにより、保持要素は巻シャフトから簡単に取り外され、また簡単に固定される。
【0004】
EP0834275Aは、同様に巻シャフトを有するギャザーカーテンを示している。プルコードを巻き上げるため、巻シャフト上には、プルコードコレクタが配置され、プルコードの端部を巻シャフトに固定させる。それぞれのプルコードは、ガイドリングを通ってこのコードコレクタにつながっている。プルコードコレクタに到達する前に、プルコードはそれぞれガイドで偏向する。
【0005】
WO2005/028801には、ドラム型巻体を有する、ギャザーカーテン用巻装置が開示されている。プルコードは、保持要素によってこの巻体に離脱可能に固定されている。この保持要素から離れたところで、巻装置はプルコード用ガイドを有する。この巻装置は、製造、組み立てが比較的複雑である。また、一般的なギャザーカーテンに比較すると、それぞれのプルコードをガイドから離脱させなくてはならないため、プルコードを巻シャフトから取り外すのはかなり大変である。これに応じて、取り付けもまた複雑である。プルコードを巻きつけたり、巻きもどしたりするには、巻体をそれぞれ所定の方向に回転させなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述した一般的な種類のギャザーカーテンであって、製造が容易でありながら、機能的に信頼性のあるギャザーカーテンを提供することにある。
【0007】
一般的なギャザーカーテンにおいて、本発明の目的は、相互に距離をおいて配置されている二つのガイド部分間に巻面を有する巻体に、保持要素がそれぞれ離脱可能に配置され、これによって、直接、前記二つのガイド部の間でプルコードがそれぞれ巻体の巻面に、偏向することなく巻きつけられるようにすることによって達成される。本発明によるギャザーカーテンは、偏向は必要とされず、プルコードはそれぞれ、前記二つのガイド部間に、秩序正しく且つ機能的に信頼性がある方法で、巻きつけられる。カーテン生地を取り外すには、保持要素を外すだけでよい。巻きつけにおいては、巻シャフトは、一方か他方かのいずれかの方向に選択的に回転可能で、これによって、操作が実質的に簡単となる。
【0008】
特に、本発明の一態様により、巻体が貝の形状に設計され、巻シャフト上に放射状に配置、固定された場合、コスト的に有利な製造及び簡単な取り付けが可能となる。
【0009】
本発明の一態様によれば、巻シャフトはその外表面に長手方向に延びる溝を有し、巻体は溝に好ましくは変位可能に固定される。本発明の一態様により、巻体がそれぞれ離脱可能に溝にラッチされた場合、とりわけ単純な巻体の固定が可能となる。溝は、巻体の、ひいては、究極的には全てのプルコードの、簡単ながらも正確な位置決めを可能にする。このような溝は、プロファイル(profile)の場合、中空部等と比較して、かなり簡単に製造できる。巻体の数は、カーテン生地に従って自由に選択してよい。従って、異なった数の巻体を有するギャザーカーテンが、目立った変化を伴わずに可能となる。さらに、巻体は、巻シャフトに沿って自由に配置してよい。
【0010】
本発明の一態様によれば、巻体はそれぞれ、巻面を形成する壁の中に、保持要素を受容するオリフィスを有する。好ましくは、保持要素はそれぞれ皿型で、その外側が、巻面と同一面にある。
【0011】
本発明の一態様によれば、保持要素はそれぞれ、巻シャフトに離脱可能に固定される。好ましくは、巻シャフトの前記溝に、同様に固定される。好ましくは、保持要素はこの溝にラッチされる。これによって、保持要素の非常に簡単な離脱と再固定が可能となる。この結果、巻体及び保持要素は、道具を使用することなく、極めて簡単に取り付け、取り外しが出来る。
【0012】
本発明の一態様によれば、プルコードはそれぞれ保持要素に対し、非対称に固定される。これによって、プルコードのそれぞれを、巻体の中央からより外側に、且つガイド部の1つに近づけて配置することができる。好ましくは、保持要素は、それぞれが巻体の対応するオリフィスに一方向にのみ挿入されるように設計される。
【0013】
本発明の一態様により、巻体が巻シャフトに離脱可能に固定された場合、取り付けはとりわけ簡単である。好ましくは、巻体が巻シャフト上に放射状に位置して固定されるように設計する。好ましくは、巻体は、巻シャフトの溝に固定、好ましくはラッチされる。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記ガイド部は、それぞれ内側にガイド面を有し、前記ガイド面間の距離はそれぞれ外側に向かって増加する。このようにして、ガイド面は、プルコード制御のために最適に設計することができる。
【0015】
本発明のさらなる有利な特徴は、従属項、下記の発明の詳細な説明及び図面から理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1によると、ギャザーカーテン1は少なくとも2つのプルコード5を有している。プルコート5は互いに距離をおいて配置されており、それぞれ、(図示していない)下端でカーテン生地2に結合している。これは、巻シャフト3の回転の結果、カーテン生地2を公知の方法でひだ寄せして上げるためである。図2及び7によると、巻シャフト3は、カーテンレール8のチャネル9に取り付けられる。取り付けのために、カーテンレール8の支持部分19(図7にはその1つのみ示される)の端部に配置される。巻シャフト3を回転させるために、図7に示すように、駆動輪20に連結する。駆動輪20には、ここでは図示していないが、永久的に駆動する部材、例えばビーズ・チェーンが係止されている。しかし、ここで、別の駆動部材、例えば、電動部材なども考えてよい。カーテンレール8は、そのまま、建物の天井に公知の方法で固定される。カーテン生地2は、その上端(ここでは図示していない)で、公知の方法、例えば、タッチ・アンド・クローズ式の留め具を用いて、カーテンレールに取り外し可能に固定される。
【0017】
カーテン生地2が洗濯のために、巻シャフト3から取り外せるように、プルコード5はそれぞれその上端で保持要素13に固定されており、前記保持要素はそれぞれ巻体4のオリフィス11に挿入されている。保持要素13を固定するため、図5によると、保持要素13のそれぞれは、内部16に固定要素14を有しており、前記固定要素14は巻シャフト3の溝6に係止し、離脱可能にラッチされている。明らかであるが、固定要素14は互いに平行なラッチングウェブとして設計されている。これらは、保持要素13上に一体化されて形成されている。図5によれば、これらの固定要素14の間には、溝17がある。溝17は、壁15の弾性を高め、結果として、より簡単な離脱及びラッチングを可能にする。皿型の壁15は、この壁とオリフィス11の間に、少なくとも1つのギャップ21が形成されるように設計されている。このギャップ21においては、保持要素13が横方向に保持され、巻シャフト3から離脱できるようになっている。図2によると、溝6が2つの内側に突出したリブ6aを有し、その背後で、固定要素14がそれぞれ係止している。
【0018】
保持要素13は、それぞれ、プルコード5の一端5aのための通路18を有している。対応する端5aが内側16にノット(ここでは図示しない)を有し、端5aが保持要素13にしっかりと結合する。
【0019】
しかし、保持要素13とプルコード5の間に、別の結合を考えてもよい。例えば、クランプ装置の使用、あるいは溶接などによる固定を考えてもよい。明らかであるが、通路18は、1つの縁22の近傍において、非対称に配置される。図1によると、この配置によって、プルコード5の端5aは、それぞれ、巻体5のガイド部23の近くに配置される。従って、もう1つのガイド部23’は、この端5aから長い距離をおいている。二方向矢印の形をした印26が、巻体4上に、通路18から距離をおいて、それぞれ、ガイド部23,23’のほぼ中央に位置している。これらの印は、それぞれ、垂直方向に延びるプルコード5の上方にある。従って、通路18に到達する前、プルコード5は、垂直線に対し、少しの距離だけ斜めになる。
【0020】
巻面12が、それぞれの巻体4の外側、前記2つのガイド部23,23’の間に位置する。これはそれぞれ保持要素13の外側25と同一面上にある。
【0021】
上述したように、保持要素13を非対照に受容する巻体4は、図4によると、その後ろに、固定要素10を有する。固定要素10は、相互に距離を置いて配置され、ラッチ要素としての固定部14と同一に設計されており、図2によると、それぞれ溝6に離脱可能にラッチされている。貝の形状をした巻体は、巻シャフト3を約180度の角度で囲む。しかし、この角度は360度までならば、180度より小さくても大きくてもよい。囲み角が180度を超える場合でも、巻体4を巻シャフト3上に放射状に置くことができる。そのために、前記巻体は、弾性であるか、又は複数の部品から形成されていてもよい。しかし、好ましくは、上述したように、巻体4は、貝の形状をし、適切なプラスチックから、1部分として製造される。巻面12は好ましくは平滑であるが、プルコード5をガイドするため、例えば、溝又はねじ山が施されていてもよい。保持要素13の外側25も、それぞれ、巻面12の1つの領域である。巻面12はまた、円錐状に設計されてもよい。その場合、最小径が通路18の領域に位置する。好ましくは、2つのガイド部の間にある巻体4の壁15は、比較的小さい壁厚、例えば数ミリメータを有するように設計されている。これによって、巻面12は、隣接する巻シャフト3の表面域7と共に、実質的に連続的な断面を形成する。かくして、巻き上げた状態では、プルコード5は巻体4の巻面12に部分的に支えられ、巻シャフト3の表面域7に部分的に支えられる。
【0022】
図7によると、巻シャフト3はカーテンレール8の中に回転可能に取り付けられる。図7に示す端部では、取り付けのため、支持部19が設けられている。支持部19は、その一端において、カーテンレール8上に位置している。駆動輪20により、巻シャフト3は一回転方向又は他の回転方向に駆動される。この場合、プルコード5はそれぞれ、巻体4に巻きつけられ、その結果、カーテン生地2がひだ寄せられ上がる。通路28のすぐ隣にあって、そしてその結果プルコードの端部5aの隣にあるガイド部23は、内部ガイド面24によって、対応するプルコード5が巻面12上に留まり、プルコード5がこれに巻きつくという状況を防ぐ。巻きつけ中、プルコード5が、もう一方のガイド部23’に達した場合、さらに別のガイド部24’がこの上でプルコードの巻き方向を変更し、これによって、第二の巻層が確実に形成される。その結果、プルコード5は、ガイド面24,24’の上でそれぞれ向きを変え、巻きつけ中、巻シャフト3の長手方向を往復する。カーテン生地2を巻き戻す即ち降ろす間、対応する操作は順番を逆にして行う。
【0023】
巻体4の取り付けは非常に簡単である。巻体4を巻シャフト3上に放射状に位置させ、溝6にラッチさせる。所定の位置に置かれた巻体4は、目的の位置まで、巻シャフト3の長手方向に、連続的に変位できる。上述した印26により、巻体4の正確な位置が簡単に見つけられる。意図した位置において、固定要素10の摩擦によって、巻体4は溝6に十分に保持される。保持要素13も同様に簡単にラッチされる。既に上述したように、カーテン生地2を洗濯するために、保持要素13が簡単に取り外しでき、そして再度簡単に取り付けることができる。上述したように、巻体4の固定及び保持要素13の固定は、好ましくはラッチングによって行われる。しかし、基本的に、その他の固定手段も考えてよい。例えば、マグネット、適当な粘着剤、収縮具(shrink fitting)又はスクリューなどによる固定が可能である。巻シャフト3の断面は、好ましくは実質的に円形・円筒状であるが、その他の断面形状も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ギャザーカーテンの巻シャフトの概略立体図である。
【図2】巻シャフト及びカーテンレールを示す図である。
【図3】巻体の立体概略図である。
【図4】巻体を示すさらなる図である。
【図5】保持要素の立体図である。
【図6】巻体及び保持要素の取り付けの概略図である。
【図7】カーテンレール及び巻体の部分立体図である。
【符号の説明】
【0025】
1 ギャザーカーテン
2 カーテン生地
3 巻シャフト
4 巻体
5 プルコード
5a プルコード端
6 溝
6a リブ
7 表面域
8 カーテンレール
9 チャネル
10 固定要素
11 オリフィス
12 巻面
13 保持要素
14 固定部
15 壁
16 内側
17 溝
18 通路
19 支持部
20 駆動輪
21 ギャップ
22 縁
23 ガイド部
24 ガイド面
25 外部
26 印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻シャフト(3)及び、保持要素(13)から前記巻シャフト(3)上に偏向することなく直接巻きつけられるように、前記保持要素(13)によって前記巻シャフト(3)に上端(5)がそれぞれ固定されている複数のプルコード(5)を有するギャザーカーテンであって、前記プルコード(5)がそれぞれ巻体(4)上に偏向することなく直接巻きつけられるように、前記保持要素(13)が、相互に距離をおいて配置されている2つのガイド部(23、23’)の間に巻面(12)を有する巻体(4)上に、離脱可能にそれぞれ配置されていることを特徴とするギャザーカーテン。
【請求項2】
前記巻体(4)が、貝の形状に設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のギャザーカーテン。
【請求項3】
前記巻シャフト(3)が、長手方向に延びる溝(6)を外側に有し、前記溝(6)に前記巻体(4)が固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のギャザーカーテン。
【請求項4】
前記巻体(4)がそれぞれ前記溝(6)に離脱可能にラッチされていることを特徴とする、請求項3に記載のギャザーカーテン。
【請求項5】
前記巻体(4)がそれぞれ保持要素(13)を受容するためのオリフィス(11)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項6】
前記保持要素(13)が皿状に設計され、好ましくは前面において巻体(4)の巻面(12)と同一面上にあることを特徴とする、請求項5に記載のギャザーカーテン。
【請求項7】
前記保持要素(13)がそれぞれ巻シャフト(3)に離脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項8】
前記保持要素(13)がそれぞれ溝(6)に離脱可能に固定されていることを特徴とする、請求項7に記載のギャザーカーテン。
【請求項9】
前記巻体(4)及び/又は前記保持要素(13)がそれぞれ内側に少なくとも1つの固定要素(10、14)を有し、それによってそれらが巻シャフト(3)に離脱可能に固定され、及び、特に、前記溝(6)に離脱可能及び変位可能にラッチされることを特徴とする、請求項7又は8のいずれかに記載のギャザーカーテン。
【請求項10】
前記巻体(4)がそれぞれ、相互に距離をおいて配置され、前記プルコード(5)を制御するためのガイド面(24、24’)を持つ2つのガイド部(23、23’)を有していることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項11】
前記巻体(4)が、前記巻シャフト(3)の長手方向に連続的に変位可能であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項12】
前記プルコード(5)がそれぞれ非対称に前記保持要素(13)に固定されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項13】
前記プルコード(5)を制御するための前記ガイド面(24、24’)が、相互間の距離がそれぞれ、前記巻シャフト(3)の周辺方向に、外側に向かって増加するように設計されていることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項14】
前記巻体(4)を位置決めするための印(26)が、それぞれ前記巻体(4)上に配置されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載のギャザーカーテン。
【請求項15】
前記印(26)がそれぞれ2つのガイド部(23、23’)の間のほぼ中央に位置していることを特徴とする、請求項14に記載のギャザーカーテン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate