説明

クイズゲーム装置及びプログラム

【課題】今までに無い形態のクイズゲームを楽しむことができると共に、ゲーム参加者が出題されるクイズの問題やジャンルの組合せを変えることが可能なクイズゲーム装置を提供する。
【解決手段】ジャンル群の中からN個のジャンルを抽出する手段と、N×Nマスの各マス内に前記N個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成する手段と、前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記を初期化して前記N個のジャンルを再配置する手段と、前記ビンゴカードの画像を表示する手段と、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなったビンゴ状態が成立したか否かを判定する手段と、前記ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊戯者が参加してクイズゲームを実行するクイズゲーム装置に関し、特に、遊戯施設に配置されたサテライト端末の筐体に設けられている操作部を操作して複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置、及び家庭用のゲーム装置などで実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャンルに分けて出題し、所定数の問題を出題して遊戯者が解答する形式のクイズゲーム装置としては、例えば、画面上に複数のジャンルを表示し、1問毎に複数のジャンルから1つのジャンルを選択するようにし、選択したジャンルの問題を解答して所定の問題数に達したときゲームを終了するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。また、ボタン操作の早押し順に従って、クイズゲームを進行させるようにしたものとしては、例えば、ビデオモニタの前面に複数の操作パネルを並設し、複数の遊戯者によって同時にクイズゲームをできるようにすると共に、1つの問題に対して各遊戯者がそれぞれ番号の相違した解答選択ボタンをオン操作し、出題した問題に対して最も早くボタン操作したものについて解答権を与えるようにしたものや、選択された解答の正否を早押し順に従って順次判定し、最も早く正解した人だけを正解と判定するようにしたものがある(例えば特許文献2参照)。さらに、5×5のパネルの中から正解者が選択したパネルを反転させ、その配列に応じて相手のパネルを自分のパネルとするなど、マトリックス状のパネルを用いたクイズゲームのソフトウェアとしては、「パネルクイズアタック25」と呼ばれるテレビ番組のクイズゲームをシミュレーションしてパーソナルコンピュータで実行できるようにしたものがある(例えば非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−289976号公報
【特許文献2】実用新案登録2576202号公報
【非特許文献1】ゲームソフトウェア「アタック25」(Windows(登録商標)95版)に添付されている解説書,発売元:株式会社富士通パソコンシステムズ,1997年9月,第1〜6頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のクイズゲーム装置は、共通のクイズゲーム画面を見ながらゲームを実行するようにしたものであり、従来のクイズゲームの延長線上にあり、新鮮さや面白みに欠けるという問題がある。また、出題されるクイズは、その問題やジャンルの組合せを遊戯者が変えることができず、単調になり易いなどの問題があった。また、遊戯施設等に設置される屋内設置型のゲーム装置では、ギャラリーは画面を遊戯者の後ろから覗いて楽しむという程度であり、遊戯者同志は楽しめてもギャラリーが一緒にゲームを楽しむことはできなかった。さらに、従来のクイズゲーム装置は、実際の司会者がゲームを進行させていくタイプのものが無く、あたかもテレビ番組に出演しているような雰囲気の中でクイズゲームを楽しめるようものは存在しなかった。
【0004】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、今までに無い形態のクイズゲームを楽しむことができると共に、ゲーム参加者が出題されるクイズの問題やジャンルの組合せを変えることが可能なクイズゲーム装置を提供することにある。さらに、ゲーム参加者があたかもテレビ番組に出演しているような雰囲気を味わえることができると共に、実際の司会者がゲームの進行を制御することが可能なクイズゲーム装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競い合うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置に関するものであり、本発明の上記目的は、クイズゲーム装置に関しては、本体筐体の近傍に配置されたサテライト端末の操作部を操作して複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置であって、出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段と、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段と、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段と、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとして前記サテライト端末の表示部に表示するカード画像表示手段と、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段と、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段とを備えることによって達成される。
【0006】
さらに、実際の司会者よって前記クイズゲームを手動によって進行させる手動進行モードと、映像やコンピュータグラフィックス等での仮想の司会者によってクイズゲームを自動的に進行させる自動進行モードとを有すること、前記実際の司会者用のマイクロフォンと、前記手動進行モードにて前記クイズゲームの進行を制御するための操作手段とを備えること、前記クイズゲームの進行過程において前記実際の司会者の進行指示を待つポイントを複数設定しておき、前記制御手段は、前記手動進行モードの場合は、前記ポイントのいずれかに前記クイズゲームが進行した時に前記進行指示の入力待ちとして前記クイズゲームの進行を停止すると共に、前記進行指示の入力に応じて前記停止したポイントの次の処理を実行し前記クイズゲームの進行を再開すること、前記サテライト端末の筐体は、前記クイズゲームに参加した遊戯者の顔がギャラリー側から見えるように、筐体がギャラリー側に向けて設置されていること、前記クイズゲームの進行状況をギャラリーに対して表示するためのライブ用モニタを備えること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0007】
さらに、司会者用の情報を表示するための司会者用モニタを備え、前記手動進行モードの場合は前記実際の司会者用の情報を前記司会者用モニタに表示すると共に、前記自動進行モードの場合は前記仮想の司会者の姿を含む画像を少なくとも表示すること、前記サテライト端末からの操作に応じて正立状態で回転するルーレット盤で且つ表裏の両面に出題対象のジャンルが表記されたルーレット盤を有するルーレット装置を備え、前記サテライト端末からの操作に応じて前記ルーレット装置を作動させると共に、前記ルーレット盤の停止位置の情報に基づき、出題するジャンルを決定するジャンル決定手段を備えること、前記クイズゲームの出題形態として、出題に対して全ての者が解答する第1の出題形態と、出題に対して前記サテライト端末の筐体の操作部に設けられた押しボタンを一番早く押した者が解答権を得て解答する第2の出題形態とを有し、前記制御手段は、前記クイズゲームの進行状況に応じて前記出題形態を切換えること、前記出題用ビンゴカードのジャンルの配列が前記ゲーム参加者毎に異なること、前記ジャンル抽出手段は、前記N個のジャンルを抽出する際に前記ジャンル群の中から前記ゲーム参加者によって選択された得意ジャンルを付加して抽出すること、前記サテライト端末が読書き可能で着脱自在な記録媒体のリーダライタを備えており、前記制御手段は、遊戯者が所有する前記記録媒体に前記クイズゲームが終了した段階で、本人のゲーム参加者内での順位,優勝回数等の戦歴情報を記録すること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0008】
さらに、クイズゲーム装置に関して、本発明の上記目的は、クイズゲームの全体の進行を制御するメイン制御装置と、そのメイン制御装置とネットワークを介して接続され、前記メイン制御装置の制御の下に動作する複数台のサテライト端末,正立状態で回転し且つ表裏の両面に出題対象のジャンルが表記された出題ジャンル決定用のルーレット盤を有するルーレット装置,司会者用の情報を表示するためのモニタとマイクロフォンの入力部と進行制御ボタンとを有する司会者用モニタ装置,及び前記クイズゲームの進行状況をギャラリーに対して表示するためのライブ用モニタ装置とを備え、前記サテライト端末の操作部を操作して複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行することによって達成される。
【0009】
また、プログラムに関して、本発明の上記目的は、コンピュータを、出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとしてディスプレイ上に表示するカード画像表示手段、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段、として機能させるためのプログラムであることによって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、いわゆるビンゴのカードをクイズゲームに応用して新しい形態のクイズゲームを展開するようにしているので、ゲーム参加者は、今までに無い形態のクイズゲームを楽しむことができる。また、ビンゴカードに表記されるクイズのジャンルの配置を遊戯者の操作によってシャッフルして再配置させる手段を備えているので、ゲーム参加者が、出題されるクイズの問題やジャンルの組合せを変えることが可能となる。さらに、クイズゲームに参加した遊戯者の顔がギャラリー側から見えるようにサテライト端末の筐体を設置する構成としたり、ライブ用モニタを設けてクイズゲームの進行状況を表示する構成としたりすることによって、ゲーム参加者があたかもテレビ番組に出演しているような雰囲気を味わえることができると共に、ギャラリーも一緒にゲームを楽しめることが可能となる。さらに、クイズゲームを手動によって進行させる手動進行モードを備えているので、実際の司会者がゲームの進行を制御することが可能となり、また、遊戯施設に限らず忘年会場等でも活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るクイズゲーム装置は、操作パネルを有するサテライト筐体の前にゲーム参加者が立ち、ギャラリーが見ている中で複数人の遊戯者が各種の出題に対する解答を競い合うことができるようにした屋内設置型のゲーム装置である。クイズゲームの処理形態は、従来のクイズゲームには無かったものであり、本発明においては、N×Nマス(Nは2以上の整数)の各マス内にそれぞれジャンルが表記されたカード(以下、ビンゴカードと言う)を各自のサテライト筐体の表示部に表示し、例えば、正解パネル(正解したマスのパネル)の配列が特定の配列になった状態をビンゴ状態として設定しておき、正解した場合には、正解したことを示す情報(該当色のランプの点灯,正解のシンボル,賞金の表記等の情報)を該当のジャンルのマス内に表示し、ビンゴ状態のカードを一番早く完成した者を優勝者として決定する実行形態としている。また、クイズゲームの進行形態は、実際の司会者よってクイズゲームを手動によって進行させる手動進行モードと、映像やコンピュータグラフィックス等での仮想の司会者によってクイズゲームを自動的に進行させる自動進行モードとの2つの進行モードを設け、手動進行モードにより実際の司会者によって進行させる形態の場合は、ゲームの進行を司会者の操作によって適宜制御できるようにしている。
【0012】
また、クイズゲームの出題形態としては、多肢選択式の問題等の出題を全ての遊戯者が解答する形態と、早押しで一番早く押した者が解答権を得て解答する形態との2形態を設け、これらの出題形態をクイズゲームの進行状況に応じて切換えるようにしている。そして、ルーレットの回転/停止によってクイズのジャンルを決定し、そのジャンルの出題に対して一番早く正解を解答した者に対して次のルーレットの回転・停止を操作する権利を与え、例えばルーレットの停止した位置のジャンルが既に自分が正解しているジャンルであれば、次に出題するクイズとして相手の配列が揃わないジャンルを選択するなど、所望のジャンルを選択できるようにしている。また、クイズの戦歴情報を読書き可能で着脱自在な記録媒体(ICカードはもちろんのこと、メモリスティック(登録商標),フラッシュメモリ,携帯電話,磁気カード等の各種の記録媒体)に記録し、次に参加したときにその記録媒体(以下、ICカードとする)の情報をゲームの実行時に利用できるようにしている。さらに、参加者がいかにもテレビ番組に出演しているような雰囲気の中でクイズゲームを楽しめるように、サテライト端末の筐体の置き方を従来の各種のゲーム装置とは逆にギャラリー側に向けて設置し、後述するルーレット装置やライブ用モニタ、冷陰極管等の演出用機器を用いて、演出効果を高めるようにしている。
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るクイズゲーム装置の全体構成の一例を示すブロック図である。クイズゲーム装置は複数の装置に分散して構成されており、クイズゲームの全体の進行を制御するメイン制御装置40には、LAN(Local Area Network)のHUB(ハブ)2を介して、複数台(本例では4台)のサテライト端末10と、ルーレット装置20と、司会者用モニタ装置30Aと、ライブ用モニタ装置30Bとがそれぞれ接続されている。
【0015】
メイン制御装置40に接続されるサテライト端末10,司会者用モニタ装置30A,及びライブ用モニタ装置30Bの各制御部(11,31)は、CPU1a、メモリ1b、入出力インターフェース1c、サウンド回路1d、及びグラフィック表示回路1eを備えており、メイン制御装置40の指令に従って動作する構成となっている。また、ルーレット装置20の制御部21は、CPU1a、メモリ1b、入出力インターフェース1c、サウンド回路1d、及びドライブ回路1fを備え、メイン制御装置からの直接的な指令に従って動作すると共に、各サテライト端末10からの回転開始/停止の操作信号を受けたメイン制御装置からの指令に従って動作する構成となっている。
【0016】
サテライト端末10は、遊戯者が操作する端末装置であり、ハードウェア構成としては、制御部11と、遊戯者が所有するICカードの情報の読出し及び書込みを行うためのICカードリーダライタ12と、解答に関する情報(例えば出題に対する解答が正解であることを示す情報)を機械的な動作によって表示するための解答表示メカ13と、早押し問題等の操作手段として使用される押しボタン14と、解答者の識別や各種の演出を光の明滅や色によって表示するためのランプ15(本例では冷陰極管)と、解答の正否や各種の演出を音によって表示するための音響機器(サウンドアンプ,スピーカ)16と、出題内容や各遊戯者の解答状況などを表示するためのディスプレイ17とを備えている。
【0017】
各サテライト端末10のメモリ1bには、ディスプレイ17に表示される各種画像データ(ゲームの案内画像やエントリー画像等)及びクイズゲームの実行に係るプログラムや制御データが格納されている。また、ICカードには、遊戯者の名前,戦歴等を登録することができ、遊戯者がそのICカードを持って他の店舗等でも使用することができる。なお、各サテライト端末10のディスプレイ17は、本例ではタッチパネル式の液晶ディスプレイを用いており、各種の画像の表示手段として使用される他に、得意ジャンルの選択や解答などの入力手段として使用される。
【0018】
ルーレット装置20は、出題するクイズのジャンルとして決定するための装置であり、制御部21と、ルーレットホームポジション検出用センサ22と、回転動作等をサウンドで演出するための音響機器23と、ルーレット盤を回転させるためのルーレット回転機構24とを備えており、正立したルーレット盤の両面(正面と背面)には、出題対象のジャンルが表記されている。そして、外部からの指令によって円盤が回転後、ホームポジションの位置で停止したジャンルを、次に出題するクイズのジャンルとして決定するようにしている。本例では、ルーレット装置20は、最初の出題時にはメイン制御装置40からの指令によって動作(回転,停止)し、以降は、サテライト端末10の遊戯者による操作によって動作する。
【0019】
司会者用モニタ装置30A及びライブ用モニタ装置30Bは、制御部31、ゲームの進行操作ボタン等から成る操作パネル32、ランプ33、音響機器35、及び大型ディスプレイ36を備えており、ライブ用モニタ装置30Bの大型ディスプレイ部には、オープニング画像やビンゴカードの状態を示す画像、ゲームの進行状況を示す画像等が表示される。司会者用モニタ装置30Aは、実際の司会者がゲームを進行する手動進行モードの場合と、メイン制御装置14によってゲームを自動的に進行する自動進行モードの場合とで表示内容が異なり、手動進行モードの場合は司会者用のマニュアル等が表示され、自動進行モードの場合には司会者やアシスタントなどの映像や音声が表示される。また、司会者用モニタ装置30Aの制御部31にはマイクロフォン34が接続されており、マイクロフォン34から入力された司会者(又は司会者とアシスタント)の音声は、演出用のサウンドと合成されて音響機器35等の音響出力手段から出力されるようになっている。すなわち、司会者(店員又は忘年会の幹事等)は、手動進行モードの場合、マイクロフォンを用いて音声をゲーム音楽に合成して出力できるようにしてあり、また、ゲームの進行操作ボタン(以下、進行ボタンと言う)を用いてゲームの進行を制御できるようにしている。
【0020】
図2は、図1に示したクイズゲーム装置の主要機器の配置構成の一例を示す概観図であり、図1のサテライト端末10,ルーレット装置20,司会者用モニタ装置30A,及びライブ用モニタ装置30Bの配置をギャラリー側から見た図である。図2の配置例において、中央の奥側には、ライブ用モニタ装置30Bの大型ディスプレイ36Bが設けられており、その両側にサテライト端末10が2台ずつ設置されている。サテライト端末10の方向は、クイズゲームに参加する遊戯者の姿がギャラリー側から見えるように、筐体がギャラリー側に向けて設置されている。そして、サテライト端末10の筐体には、支軸の周りに回動動作する板状のパネル(以下、解答札と言う)が設けられており、例えば、「早押し決勝問題」において出題に対して一番先に押しボタンを押した人が誰であるかを示すために、最初の押しボタンが押された時点で、図2中の右から1番目のサテライト端末10の札13Aで例示するように、その解答者の解答札13Aが立ち上がり、正解をアピールする仕掛となっている。この解答札(パネル)13Aは、図1に示した解答表示メカ13によって動作するパネルであり、メイン制御装置40の指令を受けたサテライト端末10の制御部11の駆動指令によってパネル13Aが水平/垂直の回動動作が制御される。
【0021】
また、中央の前方にはルーレット装置20が設置されている。このルーレット装置20は、サテライト端末からの操作に応じて回転するルーレット盤を備えており、解答者とギャラリーの双方からルーレット盤が見えるように、正立状態で回転するルーレット盤の表裏(正面と背面)の両方に、出題対象のジャンルを表記(本例では15種類のジャンルを扇形の領域内に表記)すると共に、決定したジャンルを指針や光などで示す構成としている。また、ギャラリー側から見て右側(又は左側)には、司会者用モニタ装置30Aの大型ディスプレイ36Aが設置されており、その筐体に接続されるマイクロフォンと筐体上の操作パネル(又は遠隔操作装置)を用いて司会者がゲームを進行できるようになっている。
【0022】
これらの装置10,20,30A及び30Bの筐体には、メイン制御装置40からの指令で発光面の明滅,光の強度等を制御し、光による情報の表示や派手な演出を実行できるように、冷陰極管を用いた所定形状のランプが各位置に配設されている。
【0023】
図3は、サテライト端末10の概観構成の一例を斜視図で示しており、筐体の前方の傾斜面には、タッチパネル式の液晶ディスプレイ17が設けられており、その上方に解答札13A、下方の平面部に押しボタン14がそれぞれ所定の位置に設けられている。また、ディスプレイ17の横側のパネル17Aには、ICカードの挿入口とコイン投入口が設けられている。なお、本例では遊戯者がステップ10Aの位置に立って遊戯する端末装置の例を示しているが、着座式としても良い。
【0024】
上述のような構成において、本発明に係るクイズゲーム装置の動作例をゲームの流れに沿って説明する。なお、以下に説明する各種の表示は、主に静止画像による表示を例として説明するが、状況に応じて、動画像による表示、画像と音(音声やサラウンド),光(色や明滅),司会者のマイクロフォンからの音声との組合せなどにより所定の情報を表示するようにしているが、具体的な説明は省略する。また、出題内容は、何らかの技を競うミニゲーム等も出題として含まれるが、以下、“なぞなぞ”等の問題を例として説明する。さらに、本発明に係るクイズゲーム装置の制御の下に実行されるクイズゲームにおいて、遊戯者は複数人(本例では4人まで)参加可能であるが、実際のゲーム参加者は一人でも良い。その場合は仮想の参加者(コンピュータ)が残りの人の動作をシミュレーションするが、何れの場合も、以下に説明する動作は同じである。
【0025】
ゲームを開始するにあたり、クイズゲームの参加者は、先ず自分のサテライト端末10の筐体の前に立ち、料金(本例ではコイン)をコイン投入口から投入した後、エントリー画面の案内に従ってICカードを使うか否かを決めて、ゲーム参加者としての登録操作を行う。ICカードを使用した場合は、ICカードに記録されている遊戯者名,戦歴等の情報が読み込まれ、自動的に参加者として登録される。ICカードを使用しない場合は、タッチパネルを操作して遊戯者名を入力し、参加者としての登録を完了する。登録が完了すると、募集中の画面に出場が決定した遊戯者名が表示され、他の参加者の登録待ちとなる。所定時間が経過しても参加者の合計が4人にならない場合は、残りの人数分はコンピュータが対戦相手となる。無人による進行形態では、その間、司会者用モニタ装置30Aの大型ディスプレイに「出場者募集中」等のテロップが表示され、ライブ用モニタ装置30Bの大型ディスプレイとサテライト端末10のディスプレイには、遊戯者の参加状況を示すテロップ等が表示される。所定時間が経過した時点、或いは司会者による操作パネルの操作により参加者受付完了の指示がされた時点で、出場者の受付が完了し、ゲームのオープニングモードに移行する。オープニングモードでは、ビンゴカードのN×Nマス(以下、N=5とする)の各マス内に書込まれるジャンルの配列を参加者毎に作成する。
【0026】
本発明の「クイズゲーム装置は、出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からとしてN個(Nは2以上の整数)のジャンルを抽出するジャンル抽出手段と、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に上記ジャンル抽出手段によって抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段と、ゲーム参加者によるビンゴカードのシャッフル操作に応じてビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して上記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段とを備えている。
【0027】
ここで、ビンゴカードの作成処理について、図4のフローチャートの流れに沿って具体例を示して説明する。
メイン制御装置40では、サテライト端末10に指令して、図5に示すような「得意ジャンル選択画面」を夫々のサテライト端末10のディスプレイに表示する(ステップS1)。各参加者は、表示されているジャンル群(本例では15種類のジャンル)の中から自分の得意なジャンルをM個(Mは規定値:本例ではM=1)選択する。サテライト端末10では時間監視をしており、所定時間内にジャンルが選択されたか否かを監視し(ステップS2)、ジャンルが選択された場合は、得意ジャンルを付加して出題するジャンルを決定し(ステップS3)、制限時間内にジャンルが選択されなかった場合は、そのまま出題するジャンルを決定する(ステップS4)。ここで、出題するジャンル(ビンゴカードに書込むジャンル)は、各サテライト端末10(若しくはメイン制御装置40)の制御部が、15種類の中から得意ジャンルを含む複数のジャンルを所定のアルゴリズムによって抽出する。その際、例えば個々のジャンルの数がランダムに設定され、出題するジャンルの合計が25個(ビンゴカードのマスの数)となるように複数のジャンルがランダムに抽出される。なお、ICカードが入力されている場合は、ICカードの戦歴に応じて、得意ジャンルの数を付加せずに逆に減じるようにしても良く、抽出されるジャンルの種類を多くするようにしても良い。また、15種類全てを抽出するようにしても良く、ジャンルの種類と数を各参加者で同一となるようにしても良い。
【0028】
このようにして、ビンゴカードに書込むジャンルが決定されると、メイン制御装置40の制御部では、ビンゴカードを自動的にシャッフルして、ビンゴカードの各マス内にジャンルを配列し(ステップS5)、仮ビンゴカードの画像をサテライト端末10のディスプレイ上に表示する(各サテライト端末10の制御部が独自にシャッフルする形態としても良い)。なお、仮ビンゴカードや、サテライト端末10の筐体、演出や正解表示に用いるランプは、参加者毎に色分けされている(ステップS6)。図6(A)はシャッフル中の画面例で、図6(B)は仮ビンゴカードの表示例を示している。本例では、中央のマス内のジャンル(縦横が偶数の場合は4隅のいずれかのジャンル)は、各参加者の得意ジャンルを配置し、その他の24マスのジャンルを各遊戯者のビンゴカード毎にシャッフルし、例えば乱数を用いてランダムにジャンルを各マス内に配列するか、或いは、1人のビンゴカードを作成した後にその配列を組替えることを順次繰り返すことによって、ビンゴカードのマス内に表示されるジャンルの配列が遊戯者毎に異なるビンゴカードを作成する。その際、ICカードに書込まれている戦歴情報に基づいて優勝回数の多い者やランクの高い者など好成績の遊戯者を判断し、好成績の遊戯者に対しては、列内に同じジャンルが配列されないようにジャンルを配置することによって、ハンディを与えるようにしても良い。なお、メイン制御装置40の制御部でビンゴカードの配列をシャッフルし、遊戯者毎に異なる配列としないで共通の配列のビンゴカードを表示し、そのビンゴカードを用いて出題する形態としても良い。
【0029】
上記ステップS6において、仮ビンゴカードが表示されると、各参加者は、その仮ビンゴカードで了承するか否かを決め(ステップS7)、もう一度シャッフルして仮ビンゴカードを作成し直す場合は、ディスプレイ上で「シャッフル」ボタンを押す。サテライト端末10の制御部ではシャッフルの操作がされたか否かを判定し(ステップS8)、シャッフルの操作がされた場合はステップS5に戻り、再度ビンゴカードの配列をシャッフルして仮ビンゴカードを再作成する。このシャッフルの操作は所定時間内は何度でも行うことができる。そして、上記ステップS7において、仮ビンゴカードの了承を示す「決定」ボタンが押された場合、或いは制限時間内に何もボタンが押されなかった場合(ステップS9)、表示されている仮ビンゴカードを出題用のビンゴカードとして決定し(ステップS10)、ビンゴカードの作成処理を終了する。その際、他の参加者のビンゴカードが決定されていない間は、待機中の画面として、例えばカード使用者の場合はICカードから読み込んだ戦歴情報を表示する。なお、戦歴情報とは、「得点の合計」、「参加者全員内でのランク」、「優勝回数」、「連勝状態」等の履歴情報である。なお、「得点の合計」は、例えば、ビンゴカードの各マスに配置されたジャンル毎に対応付けられている得点に関する情報(本例では獲得賞金及びボーナス情報)を基に算出された今までの得点の累計であり、「参加者全員内でのランク」は、例えば、得点の合計,優勝回数及び連勝数などの記録を基にメイン制御装置又は図示されないホストコンピュータで順位付けされた今迄の参加者内での順位であり、上記情報のうち少なくとも「参加者全員内でのランク」は、メイン制御装置の記憶手段に記憶される。
【0030】
次に、クイズゲーム装置のゲーム開始後の動作例を説明する。
【0031】
クイズゲームの進行形態としては、前述のように、司会者によってクイズゲームを進行させる形態と無人による進行形態とがある。本実施の形態では、クイズゲームの進行過程において実際の司会者の進行指示を待つポイントを複数設定しておき、自動進行モードの場合は、各ポイントのいずれかにクイズゲームが進行した時に司会者の進行指示の入力待ちとしてクイズゲームの進行を停止すると共に、司会者用の操作手段からの進行指示に応じて該当のポイントの次の処理を実行しクイズゲームの進行を再開するようにしている。また、手動進行モードの場合は実際の司会者用の情報を司会者用モニタ装置30Aのディスプレイに表示すると共に、自動進行モードの場合は例えば仮想の司会者の姿を含む画像を少なくとも上記ディスプレイに表示するようにしている。また、クイズゲームの出題形態としては、出題に対して全ての者が解答する出題形態と、出題に対してサテライト端末の筐体の操作部に設けられた押しボタンを一番早く押した者が解答権を得て解答する出題形態とを設け、メイン制御装置40では、クイズゲームの進行状況に応じてそれらの出題形態を切換えるようにしている。また、本実施の形態においては、サテライト端末からの操作に応じてルーレット装置20を作動させると共に、ルーレット盤の停止位置の情報に基づき、出題するジャンルを決定するジャンル決定手段を備え、決定されたジャンルのクイズを出題するようにしている。
【0032】
先ず、司会者によってクイズゲームを進行させる形態での動作例を図7のフローチャートの流れに沿って説明する。
【0033】
司会者によってクイズゲームを進行させる手動進行モードの場合、ゲームの開始は、司会者によるゲームの進行ボタンの操作によって開始される。メイン制御装置40の制御部は、各サテライト端末10のビンゴカードの作成後の待機状態、或いは2問目以降のゲームの出題時において進行ボタンが押されると(ステップSP1)、出題するクイズのジャンルを選択するため、ルーレット盤を回転させる。本例では、最初のゲームは、メイン制御装置40がルーレット装置20に回転開始指令を送信してルーレット盤を自動的に回転させ、所定時間経過後に回転停止指令を送信してルーレット盤の回転を停止させ、クイズのジャンルを決定する。そして、2回目以降のゲームの場合は、出題に対して一番早くボタンを押して正解を解答した者がルーレットの回転を操作する権利を得て、サテライト端末の操作でルーレットの回転開始指令、回転停止指令をメイン制御装置40経由でルーレット装置20に送信する。
【0034】
ルーレット装置20は、回転開始指令を受信すると駆動信号を駆動手段(モータ等)に送出してルーレット盤を回転させ(ステップS11)、回転停止指令を受信すると停止信号を駆動手段に送出してルーレット盤の回転を停止させる。ルーレット盤の回転が停止すると、ルーレット装置20は、ルーレットのホームポジションに位置するジャンルをセンサによって検出し、そのジャンルのID(識別子)をメイン制御装置40に送信する。ジャンルのIDを受信したメイン制御装置40では、最初のゲームの場合は、自動的に回転,停止させたルーレットのホームポジションの位置のジャンルを今回出題するゲームのジャンルとして決定する。一方、2回目以降のゲームの場合には、出題に対して一番早くボタンを押して正解を解答した者のビンゴカードに上記ジャンルが存在するか否かを判定し、ジャンルが存在するが正解済みのケース、或いはジャンルが存在しないケースでは、その正解者にジャンルの選択権を与え、選択されたジャンルを今回出題するゲームのジャンルとして決定する。また、その他のケースでは、ルーレットのホームポジションの位置のジャンルを今回出題するゲームのジャンルとして決定する(ステップS12)。このようにして、今回出題するゲームのジャンルを決定すると、メイン制御装置40は、決定したジャンル名を司会者用モニタ装置30A及びライブ用モニタ装置30Bの大型ディスプレイに表示する。その際、決定したジャンルが各サテライト装置のビンゴカードのマス内に存在するか否かを判定し、決定したジャンルが存在すれば、該当するマス内のジャンルの部分を例えば白点滅させることによって、出題対象のジャンルのパネルがあることを遊戯者に知らせる(ステップS13)。
【0035】
上記ステップS13において決定したジャンル名を表示した後、進行ボタンが押されると(ステップSP2)、メイン制御装置40は、特定の列(例えば縦,横,斜めのいずれかの列)のマスが全て正解パネルとなった状態をビンゴ状態として、もし今回のジャンルの出題で正解すると誰かがビンゴ状態が成立するビンゴカードがあるか否かを各ゲーム参加者のビンゴカードについて判定する(ステップS14)。そして、正解しても誰もビンゴ状態とならないジャンルであれば、例えばそのジャンルの問題文と解答選択肢を各サテライト端末10のディスプレイに表示し、「全員が解答する問題」を出題する。例えば、上記ステップS12において決定したジャンルが“なぞなぞ”であれば、図8に示すような“なぞなぞ”のゲーム画像を表示する。出題内容は、ライブ用モニタ装置30Bにも映像と音声で流される(ステップS15)。ギャラリーは、ライブ用モニタ装置30Bに表示されるゲームの進行状況を見て、解答を声を出して教えることも可能だが、それを聞いて解答するかどうかは各参加者の自由である。
【0036】
答えが判った人は、サテライト端末10の繰作部の押しボタンを押して、タッチパネル式のディスプレイに表示されている解答の選択肢の中から正解と思われる表示に手を触れて解答する。他の遊戯者も各サテライトに表示された選択肢に手を触れて解答する。その際、
メイン制御装置40は、各サテライト端末10から送信される押しボタンの操作信号を受信して誰が一番早く押したかを判定すると共に、遊戯者が選択した選択肢の情報を受信し、その解答が正解であるか否かを判定する(ステップS16)。そして解答時間が終了したのであれば(ステップS17)、ゲームの進行ボタンの押下待ちとし、進行ボタンが押されるまで待機する。
【0037】
その後、司会者によって進行ボタンが押されると(ステップSP3)、メイン制御装置40は、遊戯者が選んだ選択肢が正解であれば正解を示す旨を正解者のサテライト端末10の表示部に表示し(ステップS18,S19)、不正解であれば不正解を示す旨を不正解者のサテライト端末10の表示部に表示する(ステップS20)。その際、図9に示すように、各参加者のビンゴカードのマスの開閉状態と、正解/不正解の情報を示すマークをライブ用モニタ装置30Bのディスプレイ上に表示する。続いて、正解の内容として正解の選択肢(図8の例では「B フライパン」)を各サテライト端末10及びライブ用モニタ装置30Bのディスプレイに表示する(ステップS21)。
【0038】
一方、上記ステップS14において、今回出題するジャンルが、正解すると誰かがビンゴ状態となるジャンルであると判定した場合は、「早押し決勝問題」を出題する。早押し決勝問題の場合は、例えば解答選択肢は表示せずに始めに問題文だけを各サテライト端末10のディスプレイに表示し、押しボタンの操作信号の入力待ちとする(ステップS22)。問題文を見て答えが判った人は、サテライト端末10の繰作部の押しボタンを押す。メイン制御装置40は、各サテライト端末10から送信される押しボタンの操作信号を受信して誰が一番早く押したかを判定し(ステップS23)、一番早く押した人のサテライト端末10の解答表示メカに指令すると共に、音や光による演出を指令し、図3に示した解答札13Aを立上らせ、その人が一番早く押した人であることをメカ的な動作と音及び光等によってアピールする。また、一番早く押した人のサテライト端末10の表示部に「解答権取得」を示す旨を表示し、その問題に対する解答権を与える。そして、その問題の解答選択肢を表示する(ステップS24)。解答権を取得した遊戯者は、タッチパネル式のディスプレイに表示されている解答の選択肢の中から正解と思われる表示に手を触れて解答する。メイン制御装置40では、解答権を取得した遊戯者のサテライト端末10から、遊戯者が選択した選択肢の情報を受信すると(ステップS25)、その情報を一時的に記憶し、進行ボタンが押されるまで待機する。
【0039】
その後、司会者によって進行ボタンが押されると(ステップSP4)、メイン制御装置40は、遊戯者が選んだ選択肢が正解であるか否かを判定(ステップS26)し、正解であれば、正解をした遊戯者のサテライト端末10に対して例えば音や光による演出を指令し、正解を示す旨をディスプレイ上の画像,音及び光等で表示する(ステップS27)。
【0040】
一方、上記ステップS23において早押しボタンが押されずに解答時間が終了し(ステップS28)、その後、司会者によって進行ボタンが押された場合(ステップSP5)、あるいは、上記ステップS25において選択肢が選ばれなかった場合、あるいは、上記ステップS26において選んだ選択肢が正解でなかった場合には、不正解を示す旨をサテライト端末10の表示部に表示する(ステップS29)。続いて、正解の内容として正解の選択肢を各サテライト端末10及びライブ用モニタ装置30Bのディスプレイに表示する(ステップS30)。
【0041】
そして、上記ステップS21又はステップS30で正解の内容を表示した後、正解した遊戯者のサテライト端末10を対象として、ビンゴカードの正解したジャンルのマス目に正解したことを示す情報を表示する。例えば図10(A)のビンゴカードの状態で“なぞなぞ”のジャンルのクイズに正解したのであれば、出題中であることを示すために白点滅していた“なぞなぞ”の位置のパネルを遊戯者の色(区別するための色)で点灯させて正解パネルとして表示すると共に、そのジャンルに対応してビンゴカードのマス毎に設定されている情報(本例では賞金額等)を表示する。その際、あと1マスでビンゴとなる列があれば、例えば該当の列を枠(例えば楕円の枠)で囲う等によって強調して表示する。一方、不正解であれば、図10(B)に示すように、パネルをそのままとし、白点滅していた“なぞなぞ”の位置のパネルを消灯させる(ステップS31)。続いて、ビンゴカードの特定の列(例えば縦,横,斜めのいずれかの列)が正解パネルで埋まったか否か、すなわちビンゴの揃った解答者がいるか否かを判定し(ステップS32)、誰もビンゴが揃っていなければ、規定問題数を全て終了したか否かを判定し(ステップS33)、終了していなければ上記ステップSP1に戻り、司会者の進行ボタンの操作により、次の出題の処理を繰り返す。
【0042】
そして、上記ステップS32において、ビンゴの揃った解答者(本例では1人:早押しで正解した解答者)がいると判定したのであれば、その情報を一時的に記憶して進行ボタンが押されるまで待機し、司会者によって進行ボタンが押されると(ステップSP6)、ビンゴが完成した旨を、ライブ用モニタ装置30Bの映像とサウンド、及び各装置に装飾されている陰極管による光などによって派手に演出する(ステップS34)。そして、ゲームの終了処理として、例えば、ICカードを使用した遊戯者に対しては、ゲームの戦歴を更新すると共に、コンピュータを除く参加者全員の結果をホストコンピュータに送信してランク情報(例えば上位100人の遊戯者の情報)等を更新し、「ゲーム終了」の旨を映像や音声で表示し(ステップS35)、クイズゲームの処理を全て終了する。
【0043】
次に、司会者無しでクイズゲームを自動的に進行させる形態での動作例を図11のフローチャートの流れに沿って説明する。なお、図11のフローチャートは、図7のフローチャート(司会者有りの進行形態のフローチャート)に対応させて示しており、図7中の破線で示すステップSP1〜SP6の「進行ボタンの押下」に関する処理が無いだけであり、全体の流れは有人での進行形態と同様である。ここでは、主要な違いについて説明し、各ステップの処理については説明を省略する。
【0044】
メイン制御装置40におけるクイズゲームの進行制御は、本実施の形態ではコンピュータにより実行されるプログラムで実現されており、司会者によって進行制御する形態では、進行ボタンが押下されるまで次のステップに移行しないように待機状態とする処理を、例えば図7中に例示したSP1〜SP6のポイントに設けているが、クイズゲームを自動的に進行させる形態では、図11のフローチャートに示すようにSP1〜SP6のポイントを設けずに、例えば図7中に示したポイントSP1〜SP6において、司会者の姿と台詞などを映像と音声によって表示する。その場合、そのポイントに応じて予め設定されている表示をする他に、遊戯者の得点状況,出題対象として決定されたジャンル,出題される問題の内容,経過時間,残り時間などを可変要素とし、これらの可変要素に応じて映像と音声によって表示する内容を変えるようにしても良い。また、司会者用モニタ装置は、司会者によって進行制御する形態では、司会者用のマニュアル等がディスプレイに表示されるが、自動的に進行させる形態では、司会者やアシスタントの映像を主に表示する。このような処理形態とし、有人モードと無人モードで相違部分を振り分けることによって、同一のプログラムで実現することができると共に、無人モードにおいても実行する毎に出題内容や表示内容が変化するクイズゲームを実現することが可能となる。
【0045】
なお、上述した実施の形態では、同一の施設内で参加した遊戯者によってゲームを進行させる場合を例として説明したが、各施設に設置されているメイン制御装置をインターネット等の通信ネットワークを介してホストコンピュータと接続し、メイン制御装置の処理をホストコンピュータ側で実行し、異なる施設の参加者を募集して、それらの参加者同士でクイズゲームを実行する形態としても良い。また、クイズゲーム装置は複数の装置に分散して構成した場合を例として説明したが、分散形態は本例に限るものではない。さらに、ルーレット装置,司会者用モニタ装置,ライブ用モニタ装置,サテライト端末の筐体等を設けずに、家庭用ゲーム装置やパーソナルコンピュータで実行する形態としても良い。その場合、上記の機器は、例えばゲーム装置のハードウェア資源を用いてシミュレートされ、コンピュータプログラムとして所定の記録媒体に予め格納(若しくはネットワーク上からダウンロード)されて提供される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るクイズゲーム装置の全体構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るクイズゲーム装置の主要機器の配置構成の一例を示す概観図である。
【図3】本発明に係わるサテライト端末を斜め後方から見た概観構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係わるビンゴカードの作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】得意ジャンル選択画面の一例を示す図である。
【図6】ゲーム開始時の仮ビンゴカードの表示例を示す図である。
【図7】司会者によってクイズゲームを進行させる形態での動作例を説明するためのフローチャートである。
【図8】出題するクイズゲームの画像の一例を示す図である。
【図9】ライブ用モニタ装置に表示される画像の一例を示す図である。
【図10】ゲーム中のビンゴカードの表示例を示す図である。
【図11】司会者無しでクイズゲームを自動的に進行させる形態での動作例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
10 端末装置(サテライト端末)
11 制御部
12 ICカードリーダライタ
13 解答表示メカ
14 押しボタン
15 ランプ
16 音響機器(サウンドアンプ・スピーカ)
17 ディスプレイ
20 ルーレット装置
21 制御部
22 ルーレットホームポジション検出用センサ
23 音響機器(サウンドアンプ・スピーカ)
24 ルーレット回転機構(ルーレット盤・モータ)
30 モニタ装置
30A 司会者用モニタ装置
30B ライブ用モニタ装置
31 制御部
32 操作パネル
33 ランプ
34 マイクロフォン
35 音響機器(サウンドアンプ・スピーカ)
36 大型ディスプレイ
40 メイン制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置であって、
出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段と、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段と、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段と、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとして前記ゲーム参加者の端末の表示部に表示するカード画像表示手段と、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段と、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段と、を備え、更に、
実際の司会者よって前記クイズゲームを手動によって進行させる手動進行モードと、映像やコンピュータグラフィックス等での仮想の司会者によってクイズゲームを自動的に進行させる自動進行モードとを備えたことを特徴とするクイズゲーム装置。
【請求項2】
複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置であって、
出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段と、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段と、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段と、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとして前記ゲーム参加者の端末の表示部に表示するカード画像表示手段と、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段と、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段と、を備え、更に、
前記クイズゲームの出題形態として、出題に対して全ての者が解答する第1の出題形態と、出題に対して前記サテライト端末の筐体の操作部に設けられた押しボタンを一番早く押した者が解答権を得て解答する第2の出題形態とを有し、前記制御手段は、前記クイズゲームの進行状況に応じて前記出題形態を切換えることを特徴とするクイズゲーム装置。
【請求項3】
複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置であって、
出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段と、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段と、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段と、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとして前記ゲーム参加者の端末の表示部に表示するカード画像表示手段と、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段と、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段とを有し、更に、
前記出題用ビンゴカードのジャンルの配列が前記ゲーム参加者毎に異なることを特徴とするクイズゲーム装置。
【請求項4】
複数のゲーム参加者が各種のジャンルのクイズに対する解答を競うクイズゲームを実行するクイズゲーム装置であって、
出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段と、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段と、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段と、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとして前記ゲーム参加者の端末の表示部に表示するカード画像表示手段と、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段と、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段とを有し、更に、
前記ジャンル抽出手段は、前記N個のジャンルを抽出する際に前記ジャンル群の中から前記ゲーム参加者によって選択された得意ジャンルを付加して抽出することを特徴とするクイズゲーム装置。
【請求項5】
コンピュータを、出題するクイズの内容に応じて設定されたジャンル群の中からNを2以上の整数としてN個のジャンルを抽出するジャンル抽出手段、マトリックス状に配列されたN×Nマスの各マス内に前記抽出されたN個のジャンルを配置すると共に配置された各ジャンルを表記したビンゴカードの画像をゲーム参加者毎に作成するビンゴカード作成手段、ゲーム参加者による前記ビンゴカードのシャッフル操作に応じて前記ビンゴカード上のジャンルの表記の一部若しくは全てを初期化して前記N個のジャンルを再配置するシャッフル手段、前記ジャンルが配置又は再配置されたビンゴカードの画像を出題用ビンゴカードとしてディスプレイ上に表示するカード画像表示手段、出題に対して正解したクイズのジャンルに対応する前記出題用ビンゴカードのマスを正解マスとすると共に、特定の列のマスが全て正解パネルとなるビンゴ状態が成立したか否かを前記ゲーム参加者の出題用ビンゴカード毎に判定するビンゴ状態判定手段、前記ビンゴ状態が成立するか又は規定数の出題が完了するまで出題を繰り返して前記出題用ビンゴカードを用いたクイズゲームの進行を制御する制御手段、として機能させるためのプログラムであって、且つ、
前記出題用ビンゴカードのジャンルの配列が前記ゲーム参加者毎に異なり、
前記ジャンル抽出手段としての機能は、前記N個のジャンルを抽出する際に前記ジャンル群の中から前記ゲーム参加者によって選択された得意ジャンルを付加して抽出することを特徴とするクイズゲームのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−34548(P2009−34548A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292915(P2008−292915)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【分割の表示】特願2004−43698(P2004−43698)の分割
【原出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】