説明

クライアント側でマルチメディア・コンテンツをターゲット化するシステム

【課題】 クライアントベースでコンテンツのターゲット化を視聴者に提供する、クライアント側でのマルチメディア・コンテンツをターゲット化するシステムを提供すること。
【解決手段】 クライアント側でマルチメディア・コンテンツをターゲット化するシステムは、クライアント・システム格納デバイス上に、マルチメディア・コンテンツを記録し、格納し、かつ、クライアント・システム格納デバイス上からマルチメディア・コンテンツを削除することを予約する。本発明は、興味があるプログラムが実際に放送されるときを示す、プログラム・ガイド・オブジェクトのデータベースと比較される番組視聴嗜好の優先リストを、入力として受け入れる。視聴者のクライアント・システムは、ローカルに、視聴者の嗜好、および、視聴者が登録しかつサーバによって送信される番組ガイド・オブジェクトに関するターゲット化情報という他の個人情報を保持する。クライアント・システムは、視聴者の嗜好および個人情報を用いることによって、プロファイル内にあるコンテンツを記録するために、ターゲット化情報とともに用いられる、視聴者のプロファイルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント・システムによる、視聴者を、マルチメディア・コンテンツのターゲットとすることに関する。より詳しくは、本発明は、クライアント・システムの視聴者のプロファイルデータ・レジデントを用いて、ターゲット化されたマルチメディア・コンテンツをサーバから検索することに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ・メインフレーム・システムまたはワールドワイド・ウェブのような純粋なクライアント・サーバに基づくシステムと、原子ブラストをモデル化するまたは暗号鍵を壊すような、複雑なコンピューター・トラブルを解決するために使用されるワークステーションのネットワーク(NOWS)のような純粋な分散システムとの間の、自動化データ処理システムの設計には、古典的な緊張が、存在する。
【0003】
クライアント・サーバ・システムは、それらがサーバとクライアントの間の責任を明確に分離することに依存するので、普及している。サーバは、それが計算を実行しまたは多数のクライアントのためのデータを格納するので、しばしば費用が高く、かつ特別に運営される。各クライアントは、システムのユーザと対話するために必要なローカル資源しか有さないので、安価である。合理的なパフォーマンスのネットワークは、サーバとクライアントを接続するものとみなされる。これらのシステムの経済的モデルは、クライアント・システムを配備するために増大する費用を低下させて、管理と制御を中央管理させたモデルである。
【0004】
しかしながら、このモデルは、かなりの経費を考慮する必要がある。例えば、新規なクライアント・システムを加える増分費用は、非常に高くなる場合がある。付加されたネットワーク容量は利用できなければならないし、充分な計算リソースが、格納、メモリ、およびコンピューティング・サイクルを含むそのクライアントをサポートするために利用できなければならず、かつ、付加的な動作オーバーヘッドが、これらの付加的な情報資源のために各クライアントに対して必要となる。中央管理サーバがより大きくかつ複雑になるにつれて、それらの信頼性はより低くなる。最終的に、サーバのシステム故障は、全てのクライアントが事業を失う結果になる。
【0005】
分散システムは、システムの情報資源が各クライアントに分散されるので、普及している。これは、クライアントの範囲内でより複雑な機能性を可能にする。プログラムまたはデータへのアクセスは、それらがクライアントに位置するので、より速くなり、これは、ネットワーク自体の負荷を減らす。このシステムは、ノードの故障がそれにしか影響を及ぼさないので、信頼性がより高くなる。多くの計算作業は、独立して計算することができる部分に容易に分解され、かつ、これらの部分は、関係するシステムに廉価に分配される。このことは、ネットワーク・バンド幅に必要な条件を緩和し、かつ欠陥のあるノードの影響も制限する。
【0006】
一方で、分散システムは管理者にはより複雑であり、かつ、ハードウェアまたはソフトウェアの故障を診断しかつ解決することはより困難となる場合がある。
【0007】
テレビの視聴は、クライアント・サーバ・システムとモデル化することができるが、サーバからクライアントへのネットワーク経路が、全ての目的に対し無限の速度であり、かつクライアントからサーバへの経路が非干渉性でかつ管理されていないモデルである。これは、テレビの放送特性から来る当然の結果である。他の視聴者を加えるためのコストはゼロであり、かつ、配信されるサービスは、全ての他の視聴者へのものと同じである。
【0008】
インターネットのようなコンピュータ・ネットワーク上で、またはネットワークとして作動するローカルケーブル・テレビ設備によりテレビ番組を配信するための多くの試みが為されてきている。コンピュータ・ネットワークのポイント・ツー・ポイントの本質は、付加された情報資源が各々の付加された視聴者のために必要であるので、これらの試みを扱いにくくかつ高価にする。視聴者が、クライアント・セットトップ装置によりビデオ・ストリーミング・バンド幅を、全体的に制御する完全な双方向テレビシステムは、各クライアントに対するサーバ情報資源の献身が、利益を出しかつ管理することができるシステムのサイズを急速に制限するので、経済的ではないことが判明した。
【0009】
しかしながら、テレビ視聴者は、テレビの視聴についての選択と制御に非常に高い興味を示す。適切な分散型データベース管理システムは、上記のアプローチに関する多くの問題に対処し、かつ、下記に記載されていて、本件出願と出願人が同一である、特許文献1に記載されている。分散型データベース管理システムによって、クライアントが、容易にそのローカル・データベースにデータを保持すること、および、そのローカル・データベースをメイン・サーバデータベースに同期させることが可能となる。それは、サーバとそのクライアントとの間の、安全なデータ伝送リンクを提供する。
【0010】
典型的なクライアント・サーバ・システムは、視聴者情報を用いて、視聴者の視聴の習慣をプロファイルする。ウエストミンスター社およびニューヨークのダブルクリック社によって使用されているような、従来のターゲット化メカニズムは、消費者のサーバ側のトラッキングに依存していて、ターゲット化の決定は、中央管理サーバによって行われる。中央管理サーバのアプローチにおける主要な欠点の1つは、視聴者の個人情報が、中央管理サーバで保持されているという点にある。中央管理サーバは、ハッカーの影響を受けやすく、かつ、IDが、盗まれやすい。
【0011】
クライアントベースのコンテンツのターゲット化を視聴者に提供する、クライアント側でのマルチメディア・コンテンツのターゲット化システムを提供することは、利点がある。さらに、視聴者のクライアント・システム内で個人情報を維持することによって視聴者の個人情報を保護する、クライアント側でのマルチメディア・コンテンツのターゲット化システムを提供することは、利点がある。
【0012】
【特許文献1】米国特許出願番号第09/422139号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、クライアント側でのマルチメディア・コンテンツのターゲット化システムを提供する。このシステムは、クライアントベースのコンテンツのターゲット化を視聴者に提供する。加えて、本発明は、視聴者のクライアント・システム内に、その個人情報を維持することによって、視聴者の個人情報を保護する。
【0014】
本出願人が所有する米国特許第6,233,389号に示されるクライアント装置は、典型的には、大量のビデオ・コンテンツの格納のような、中央管理ビデオ・サーバが、要求に基づいてこのコンテンツを選択しかつ再生する能力、および、本出願人が所有する米国特許第6,327,418号に示されるコンテンツの配送を完全に「VCRのように」制御することに関する機能を提供する。
【0015】
本発明の好ましい実施例では、クライアント・システムの格納デバイスのマルチメディア・コンテンツについて記録、格納および削除について予約が行なわれる。本発明は、入力として、番組案内オブジェクトのデータベースと比較される番組視聴嗜好の優先化リストを受け入れる。番組案内オブジェクトは、興味があるコンテンツが実際に放送される時刻を示す。
【0016】
視聴者が明確に好むまたは導出された好ましいコンテンツに対し適切である、利用できる格納空間に対する時間の予約が、生成される。視聴者は、あるコンテンツの取込みを要請することができ、これは、結果としてそれらのコンテンツに対する最高の可能な優先順位になる。
【0017】
視聴者のクライアント・システムは、視聴者の嗜好、および、視聴者が入力した他の個人情報を、ローカルに、保持している。視聴者の情報は、クライアント・システムによって、自分自身の家庭のプライバシー内に保持される。このクライアント・システムは、消費者をターゲットとする手法に関する決定を行う。
【0018】
このクライアント・システムには、サーバによって、番組ガイド・オブジェクトに関するターゲット化情報が送信される。このクライアント・システムは、視聴者の嗜好および個人情報を用いることによって、視聴者のプロファイルを作成する。このクライアント・システムは、視聴者のプロファイルとターゲット化情報とを比較することによって、視聴者プロファイル内にコンテンツを記録する。
【0019】
本発明の、クライアントベースのターゲット化の形態には、無限の順応性がある。それは、TVショー、映画、広告、製品、およびサービス提供、音楽、ラジオ、オーディオ等(これらに限定されるものではないが)の、ほとんどのマルチメディアの状況に適用することができる。
【0020】
本発明の他の態様および利点は、具体例として、本発明の原理を例示する添付の図面と共に以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、クライアント側でのマルチメディア・コンテンツのターゲット化システムで具体化される。本発明によるシステムは、クライアントベースのターゲット化を視聴者に提供する。加えて、本発明は、視聴者のクライアント・システム内に、その個人情報を維持することによって、視聴者の個人情報を保護するシステムを提供する。
【0022】
本発明は、サービス・プロバイダが視聴経験を強化しかつ案内する機会を設ける一方、個々の視聴者がテレビ番組を選択しかつ自動的にタイムシフトさせる能力を改善するテレビ視聴情報伝送および捕集システムにより実施される。本発明は、視聴の習慣、嗜好または購入品に関する情報の信頼性が高い集約演算および伝播を提供する一方、個々の視聴者に対する計算が、ローカルクライアント装置内での個々の視聴者に対して個人的に実行される、完全に分散されているシステムについて記載する。
【0023】
テレビ視聴情報のデータベース
図1は、本発明の図式的な概観を示す。本発明の要部は、中央管理サイト100および極めて多数のクライアント・コンピューティング・システム101のコンピュータ・システムのテレビ視聴情報の分散型データベースを維持するための方法および装置である。データベースの中心のコピーの適切なサブセットを抽出するプロセスは、「スライシング」102と呼ばれ、結果として生じる「スライス」をクライアントに配信することは、「伝送」103と呼ばれ、視聴者についてまたは視聴者に代わって集められた情報を中央管理サイトに配信することは、「収集」104と呼ばれ、かつ、新規なテレビ視聴オブジェクトまたはレポートを生成するために、収集した情報を処理することは、「分析」107と呼ばれる。全ての場合において、他のデータベース内の1つのデータベースからオブジェクトを再現する行為は、「複製」105と呼ばれる。伝送されたまたは収集されたデータ項目は、「オブジェクト」106と呼ばれ、かつ、クライアント装置の範囲内に含まれる中央管理データベースの中央管理データベースおよび各繰り返されたサブセットは、「オブジェクト・ベースの」データベースである。このデータベース内のオブジェクトは、それらの用途を強調するために、しばしば、「テレビ視聴オブジェクト」、「視聴オブジェクト」または単に「オブジェクト」と呼ばれる。しかしながら、当業者は、オブジェクトを、任意のデータのタイプとしても良いことを容易に理解するであろう。
【0024】
視聴オブジェクト・データベースは、本願明細書において記述される複製活動と独立にかつ並列して、それが含むオブジェクトの一貫した抽象的なソフトウェア・アクセス・モデルを提供する。このインタフェースを使用することにより、アプリケーションは、基本的活動を懸念することなく、かつデータベースのオブジェクトおよびそれらの関係の一貫しかつ信頼性が高い観点が、常に維持されることを保証して、データベースにおけるオブジェクトを、創造し、破壊し、読み込み、書込み、かつ、マニュピレートする。
【0025】
テレビ視聴オブジェクトの基本原理
図2を参照すると、テレビ視聴オブジェクトは、「属性」200の集合として構築される。各属性は、タイプ201(例えば、整数、ストリングまたはブーリアン、および値202)を有する。全ての属性タイプは、データベースでサポートされる基本型の固定プールから引き出される。
【0026】
オブジェクトの属性は、2つのグループ、「基本」属性(視聴オブジェクトの作者またはメインテナによって供給される)と、「導出」属性(自動的に作成され、かつデータベース内のメカニズムによって維持される)とに分けられる。基本属性は、オブジェクト自体の特性を記述し、導出属性は、オブジェクトの関係を記述する。基本属性がデータベースの間で自己複製されるのに対し、導出属性は自己複製されない。
【0027】
図3に示されるように、本発明によって規定される小さな組の基本的なオブジェクト・タイプが存在する。各オブジェクト・タイプは、本願明細書では「スキーマ」と呼ばれる、関係する属性300の特定の組として表わされる。スキーマは、タイプ302および属性303の名前を含む各属性タイプ301に対するテンプレートを規定する。実際のテレビ視聴オブジェクトは、情報資源をオブジェクトに割り当て、かつ値がスキーマによって規定される属性に割り当てることによって作成される。たとえば、「番組」スキーマは、プロデューサー、監督または俳優のような属性を、番組、スクリーン上のアイコン、番組コンテンツの複数行記載、番組の編集評価などに含むかもしれない。物理的な番組オブジェクトは、それに対して格納を割り当て、かつ属性を関連したデータによって満たすことによって作成される。
【0028】
スキーマ・タイプと呼ばれる全てのデータベースのためにあらかじめ定義される1つの特別なオブジェクト・タイプが、ある。データベースによってサポートされる各スキーマは、スキーマ・オブジェクトによって表される。これは、アプリケーションが、データベース上の「内観」を実行すること、すなわち、どんなオブジェクト・タイプがサポートされているか、およびそれらのスキーマを、動的に発見することを可能にする。スキーマが変更され、加えられまたは削除されるときには、これは、アプリケーション・ソフトウェアを大きく単純化し、かつアプリケーション・ソフトウェアを変更する必要性を回避する。スキーマ・オブジェクトは、本発明の方法の下では、他の全ての視聴オブジェクトと同様に扱われる。
【0029】
再び図2を参照すると、データベースの各オブジェクトには、データベース内で一意でなければならない「オブジェクトID」203が、割り当てられる。各オブジェクトIDが一意である限り、このオブジェクトIDは多くの形をとることができる。好ましい実施例においては、それが、演算速度と、許される一意のオブジェクトの数との間で役立つトレードオフを供給するので、オブジェクトIDに対し32ビット整数が使用される。各オブジェクトは、現在のオブジェクトを参照するデータベースの他のオブジェクトの数を与える整数である「参照カウント」204も含む。ゼロの参照カウントを有するオブジェクトは、データベースに残存しない(下記参照)。
【0030】
視聴オブジェクトの1つの特定タイプは、「ディレクトリ」オブジェクトである。ディレクトリー・オブジェクトは、オブジェクトに対するオブジェクトIDのリストと関連した単純名とを維持する。ディレクトリー・オブジェクトは、リストの一部として他のディレクトリー・オブジェクトを含むことができ、かつ「ルート」ディレクトリと呼ばれる単一の識別されたオブジェクトが存在する。ルートディレクトリから始まり、かつ興味があるオブジェクトが発見されるまで、続く横断ディレクトリー・オブジェクトのシーケンスは、オブジェクトへの「パス」と呼ばれる。このパスは、したがって、データベースに存在する全てのディレクトリー・オブジェクトの中で作成される階層的な名前空間の中で、特定の位置を示す。オブジェクトは、多数のパスによって参照させることができ、これは、1つのオブジェクトが多くの名前を有することができることを意味する。視聴オブジェクトの参照カウントは、それを指す各ディレクトリに対し1つずつインクリメントされる。
【0031】
データベースの整合性と精度を保守する方法
本発明の好ましい実施例の特徴のうちの1つは、各データベース複製が、いつでも内部的に整合して残留し、かつ、この整合性が、他のデータベースへの参照または中央管理サイトとの結合の必要性なく自動的に維持されることを保証することである。伝送または収集動作が、タイムリな態様でまたは任意の保証された周期で起こることについては、何の保証も無い。例えば、クライアント・システムは、何ヶ月もの間閉鎖されているかもしれないが、システムに対する伝送が最終的に可能になると、例え、中央管理およびクライアント・データベースを完全な同期にもたらすために必要な全てのオブジェクトを伝送することが可能でない場合であっても、オブジェクトの複製は、常に、サーバデータベースの一貫したサブセットと言う結果にならなければならない。
【0032】
さらにより深刻なことは、データベースが使用中または更新されている間に、安定操作環境を保証することができないことである。たとえば、装置への電力が、停止することがある。本発明は、全業務が完了し、またはそれのいずれも完了しないことを意味する、全てのデータベースの更新を「処理」として処理する。選択される特定の技術は、処理の全ての要素が調べられかつ記録され、続いて、実際の更新が実行される「2相コミット」と呼ばれる。従来技術に精通している者は、障害が起こったときに進行中であった部分的更新を繰り返すためにログを使用する前進復帰テクニックと結合した、別個のログに、処理が、展開される標準ジャーナリング・テクニックを理解するであろう。
【0033】
あらゆるオブジェクトの導出属性に必要なものは、オブジェクトへの各変化と共に変化する「バージョン」である。バージョン属性は、バージョンの単調な順位付けを作成する単調に増大する整数または他の表現として表すことができる。自己複製することができる各オブジェクトに対するスキーマは、これが自己複製されたオブジェクトのバージョンを示す「ソース・バージョン」と呼ばれる属性を含む。
【0034】
視聴オブジェクトの伝送については、すべてのクライアントがそのオブジェクトを受信することは保証されない。例えば、オブジェクトが放送されている間、太陽黒点のような外部の要因が伝送シーケンスの一部を破壊することがある。視聴オブジェクトは、これらの問題を解決するために、絶えず再伝送させる(同じオブジェクトを複製のために複数回提示することを意味する)ことができる。変化が実際には発生しなかったがバージョン・ナンバはインクリメントされるので、自己複製されるべきオブジェクトが受信されるたびに、単にデータベース・オブジェクトを更新することは不適切である。加えて、相当なシステム資源が、処理の間、消費されるので、もしそれが不必要であるならば、オブジェクトを更新する処理を始めることを回避することは、望ましい。
【0035】
この問題を解決するために、2つの方法が結合される。第一に、ほとんどのオブジェクトは、「失効」と呼ばれる基本属性を有するであろう。これは、オブジェクトがもはや有効でないであって、かつ廃棄されなければならない日付と経過時間である。新規なオブジェクトが受信されると、失効タイムが点検され、かつ、もしそれが失効しているのであれば、そのオブジェクトは廃棄される。失効は、その伝送が何らかの理由で遅れているオブジェクトを扱うが、それは同じもので期限満了になっていないオブジェクトの多重受信は扱わない。
【0036】
ソース・バージョン属性が、この問題を扱う。視聴オブジェクトが伝送されると、この属性はソースオブジェクトの現在のバージョン属性から複製される。視聴オブジェクトが受信されると、受信されたオブジェクトのソース・バージョンが現在のオブジェクトのソース・バージョンと比較される。新規なオブジェクトがより高いソース・バージョン属性を有する場合には、それは既存のオブジェクトに複製され、それを有しない場合には、そのオブジェクトは廃棄される。
【0037】
極めて多くの視聴オブジェクトが、任意の特定のクライアント・システムに伝送されていると仮定する。たとえば、他のケーブルシステムに属するクライアントは、特定のケーブルシステムのチャンネルを記述する「チャンネル」視聴オブジェクトには、興味がない。オーバーヘッドが新規なオブジェクトをデータベースに取込みかつ加えるので、受信されたオブジェクトが、上記した属性に加えて他の属性にフィルタ処理されることは、有利であろう。本発明は、オブジェクト・タイプおよび属性値に基づいてフィルタ処理を使用することにより、これを達成する。一実施例では、おそらく、さまざまなオブジェクト・タイプおよびそれらがどのようにフィルタ処理されなければならないかという特定の知識によって書込まれた一連の命令として、このフィルタ処理は、ある種の動作中の実行可能なコードに基づいている。
【0038】
本発明の好ましい実施例の場合、「フィルタ」オブジェクトは、どの属性が必要であるか、存在すべきではないか、またはデータベースへの追加を受け入れ可能にする属性に対する値の範囲を示す各オブジェクトのタイプに対し、規定される。当業者は、このフィルタ・オブジェクトが、おそらく一連の実行可能な命令として、何らかの形で実行可能なコードを含むことができることを容易に認識するであろう。これらの命令は、フィルタ処理されているオブジェクトの属性および属性値を調べかつ比較し、この結果このオブジェクトが更なる処理の対象とすべきか否かが示されることになろう。
【0039】
視聴オブジェクトは、他のオブジェクトから独立していることはまれである。たとえば、(特定のチャンネルの特定のタイムを記述する)「表示」オブジェクトは、(特定のテレビ番組を記述する)「番組」オブジェクトに依存している。整合性を維持する一つの重要な点は、全ての従属オブジェクトが、すでにデータベースの中に存在しているか、または新規な視聴オブジェクトを加えることを試みる前に、単一トランザクションの一部として加えられるべきであるかを、保証することである。これは、単純に、新規なオブジェクトが依存するオブジェクトのオブジェクトIDおよびソース・バージョンの一覧を示す、「依存」属性と呼ばれる新規な視聴オブジェクトの基本属性を使用して、達成される。明らかに、新規なバージョンを規定するスキーマが、同じであるまたは元々のスキーマの属性の厳密な上位版を有するという意味で、オブジェクトの新規なバージョンは、互換性を持たなければならない。
【0040】
新規な視聴オブジェクトが受信されると、データベースは、先ず、そのオブジェクトの全ての依存性が、存在するか否かがチェックされ、存在する場合には、そのオブジェクトは、データベースに加えられる。存在しない場合には、その新規なオブジェクトは「ステージされ」、全ての従属オブジェクトも、また、ステージされるまで、それは保持領域に保存される。明らかに、新規な一組の視聴オブジェクトをデータベースに加えるために、従属グラフは、オブジェクトIDおよびソース・バージョンに基づいて、すでにデータベース内に存在している中間領域とオブジェクトの間で閉じていなければならない。閉鎖が実行されると(これは、全ての従属オブジェクトが存在することを意味するが)、新規なオブジェクトが、単一のアトミックトランザクションのデータベースに加えられる。
【0041】
テレビ視聴オブジェクトの命名および発見
ディレクトリー・オブジェクトは、以前に記述されている。図4を参照すると、ディレクトリー・オブジェクトの収集と、ルート・パス400から始め、かつ視聴オブジェクトに全ての可能なパスを列挙することによって形成された有向グラフは、「名前空間」と呼ばれる。特化オブジェクトIDを知らずにオブジェクトを発見するために、この名前空間の一つ以上のパスは、それを参照しなければならない。例えば、アプリケーション・ソフトウェアが、オブジェクトIDにほとんど関心がなく、その代わりに、このソフトウェアが、例えば、「/tvschedule/today」のパスによってオブジェクトを参照することを望む例では、システムの他のいかなる部分における変更も必要とせずに、参照される実際のオブジェクトを、毎日変えることができる。
【0042】
オブジェクトに対するパスを決める一つの方法は、オブジェクト上の「パス名」基本属性を特定することである。オブジェクトはデータベースに加えられ、かつパスのコンポーネントを記述するディレクトリー・オブジェクトが、作成されまたは更新されて、オブジェクトに加えられる。このような命名は、典型的には、複製メカニズムをデバッグすることのみに使用される。各クライアント・システムに自己複製される中央管理データベースの部分が異なり、データベースの全てのレプリカのパス名を管理することが、非常に困難になるので、明確なパスを設定することは行なわれない。
【0043】
オブジェクトをデータベースの名前空間に加えるための好ましい方法は、「インデクシング」と呼ばれる。本発明の好ましい実施例の場合、「インデクサ」オブジェクトは、データベースの名前空間にそれをインデックス付与するときに、どんな属性が使用されるかを示す各オブジェクト・タイプに対して、規定される。当業者は、このインデクサ・オブジェクトが、何らかの形で、おそらく一連の実行可能な命令として、実行可能なコードを含むことができることは、容易に認識するであろう。これらの命令は、インデックスが付けられているオブジェクトの属性および属性値を調べかつ比較する。これは、結果的に、オブジェクトが名前空間で位置すべき場所を示すことになろう。
【0044】
オブジェクト・タイプに基づいて、インデクサは、オブジェクトに付けられている特定の一組の属性を調べる。このような属性が発見されると、インデクサは、データベースのディレクトリのグラフによって表される階層的な名前空間の中で、属性の値に基づいて、自動的にオブジェクトに対し名前を加える。再び図4を参照すると、番組オブジェクトは、値「John Wayne」を有する「俳優」属性と、値「John Ford」401を有する「監督」属性を有することができる。ルートディレクトリは、2つのサブディレクトリ、「byactor」402、および「bydirector」403を示すかもしれない。インデクサは、次いで、その両方が同じオブジェクト401を参照するパス/byactor/John Wayneおよび/bydirector/John Fordをデータベースに加えるであろう。
【0045】
導出属性は、このオブジェクト404を参照するディレクトリー・オブジェクトの一覧を示す各オブジェクトに対し維持される。インデクサが、このオブジェクトに対しパスを名前空間に加えるので、それはパスの最終のディレクトリIDをこのリストに加える。これは、オブジェクトが発見されると、オブジェクトグラフが閉鎖されることを保証し、データベースの範囲内のそのオブジェクトに対する全ての参照も、それらがパスであるか依存であるかに拘わらず、発見される。
【0046】
オブジェクトをデータベースに加えるこの一意のかつ新しい方法には、標準的アプローチに勝る重要な効果がある。インデクサは、それが加えられると、オブジェクトをデータベースにソートする。したがって、特定のパスに関連するオブジェクトの検索は順序リストからの一連の選択であり、これは、技術に精通している者によって効率的に実施することができる。
【0047】
データベースからのオブジェクトの削除
オブジェクトをデータベースに加えるルールは重要であるが、データベースからオブジェクトを除去することに対するルールも、また、整合性および精度を維持する上で重要である。たとえば、もしオブジェクトを除去することに強いルールが存在しないならば、今や使われていないオブジェクトが蓄積するにつれ、データベースは時間とともに無限に増大するかもしれない。
【0048】
データベースからオブジェクトを削除するための基本的なルールは、参照カウントに基づく。参照カウントがゼロに落ちたオブジェクトは、即座に削除される。例えば、これは、オブジェクトが、ディレクトリまたはデータベースに残存するいくつかの他のオブジェクトの何れかによって参照されなければならないことを意味する。このルールは、削除されているオブジェクトに基づいて、閉じた従属グラフの全てのオブジェクトに適用される。したがって、もし(ディレクトリのような)他のオブジェクトを参照するオブジェクトが削除されると、参照される全てのオブジェクト上の参照カウントは、減少し、かつこれらのオブジェクトは、同じようにゼロ・カウントまで削除され続ける。
【0049】
「リーパー」と呼ばれるデータベースからオブジェクトを削除する自動プロセスも、存在する。リーパーは、周期的に、データベースの全てのオブジェクトを調べ、かつもしオブジェクトがデータベースに保持されるべきであるならば、オブジェクト・タイプに従い、更に、さまざまな属性および属性値を調べ、決定する。たとえば、失効属性は、オブジェクトがもはや有効でないことを示すことができ、かつ、リーパーはそのオブジェクトを削除するであろう。
【0050】
好ましい具体例の場合、上述したフィルタリングおよびインデクシング方法に類似した(またはおそらく同一である)方法を使用して、リーパーは、その代わりに、現在のオブジェクトのオブジェクト・タイプに関連するリーパー・オブジェクトにアクセスすることができる。これは、さまざまな種類(おそらく一連の実行可能な命令)の実行可能コードを含むことができる。このコードは、現在のオブジェクトの属性および属性値を調べ、かつオブジェクトが削除されるべきか否かを決定する。
【0051】
参照カウントがゼロまで減らされたあらゆるオブジェクトを個々に削除するオーバーヘッドは、このようなあらゆる削除がデータベースとの処理と言う結果になるので、極めて高くなり得る。フォアグラウンドの動作が最高速度で続行するように、オブジェクトを獲得するパフォーマンス・インパクトを制限することは、有利であろう。好ましい実施例の場合、これは、一般的なガーベジ収集方法に基づく技術を使用して達成される。
【0052】
例えば、参照カウントがゼロまで減らされたオブジェクトを削除する代わりに、リーパーは、他のいかなるアクションも実行しない。周期的に、ガーベジ・コレクタと呼ばれるバックグラウンド・タスクは、データベースの各オブジェクトを調べる。もしオブジェクトがゼロの参照カウントを有するならば、それは削除されるオブジェクトのリストに加えられる。一実施例の場合、ガーベジ・コレクタが全データベースを調べると、それは、一回のトランザクションでこのような全てのオブジェクトを削除するであろう。この技術に精通している者は、オブジェクトが削除されている間にデータベースへの他のアクセスが遅れることがあるので、この方法が、また、重要なパフォーマンス・ペナルティと言う結果になり得ることを認識するであろう。加えて、もし全てのオブジェクトが適切に削除されるべきであるならば、ガーベジ・コレクタが動作中の間に、データベースに対する変更を遅らせなければならないかもしれない。これは、パフォーマンスをより悪くさせることにさえなる。
【0053】
好ましい実施例においては、ガーベジ・コレクタは、一連のパスのデータベースを調べる。オブジェクトの特定の数が集められると、それらは一回のトランザクションで削除される。当該プロセスは、全てのオブジェクトが調べられるまで、続く。この技術は、並列アクティビティが以前調べられたオブジェクトを解放することができるので、全てのゴミ・オブジェクトが、審査プロセスの間に集められることを保証しない。しかしながら、ガーベジ・コレクタが動作する次のとき、これらのオブジェクトは発見されるであろう。各パスにおいて削除されるオブジェクトの数は、他のデータベース活動に対し受け入れ可能なパフォーマンスを成し遂げるよう調整可能である。
【0054】
分散されたテレビ視聴オブジェクト・データベースの動作
分散された視聴オブジェクト・データベースを維持するための考慮
分散型データベースのインスタンスのテレビ視聴オブジェクトの複製は、必然的に、信頼できず、かつ安全でない分散チャネル上のオブジェクトの伝送を必要とする。
【0055】
例えば、オブジェクトが、無線またはテレビ放送のような放送メカニズムにより伝送される場合、データを正確にまたは完全に伝送することを保証することは出来ない。暴風雨のような天候によって、伝送のドロップアウトが生じることがある。混信の他の原因は、他の放送信号、大型装備、家庭内機器などである。
【0056】
当業者は、反復伝送、エラー訂正コード等を含む、信頼できないチャネル上のデータ伝送を管理する、伝送に用いることができる複数の標準技術が、存在し、そして、これらのいずれかまたは全てを、いかなる特定のインスタンスにも使用することができることは、容易に認識するであろう。
【0057】
簡単化のために、本願明細書においては、自己複製されるオブジェクトは、「スライス」と呼ばれる分散パッケージに集められる。スライスは、地理的領域または衛星送信機のサービス地域のような特定領域内でのクライアントに関連するテレビ視聴オブジェクト・データベースのサブセットである。
【0058】
これらのスライスに対するセキュリティは、非常に重要である。スライスは、データベースのユーザに有用なサービスを提供するため、および私的なまたは秘密であると考えることができる情報を蓄積するために使用されるデータベースに、オブジェクトを加えるのに用いられる。スライス伝送の放送による性質から、スライスは、それらが伝送されるときに、第三者によって容易に複製される可能性がある。これらの問題に対する実際的な解決法は、伝送の間、スライスを暗号化することである。本発明で使用される技術に関する最良の参照テキストは、 John Wiley and Sons社, 1995年発行、Bruce Schneier著「応用される暗号:プロトコル、アルゴリズムおよびCにおけるソースコード」である。
【0059】
本発明の好ましい実施例においては、安全な、暗号化された通信路は、しばしば、非対称の鍵暗号化、またはしばしば公開鍵/秘密鍵との対の暗号化として記載されている、米国特許第4,405,829号に記載されている技術に類似した技術を用いて、確立される。当該技術に熟練した実務家は、非対称鍵暗号化に基づくプロトコルが、クライアント・デバイスの認証に対し信頼性が高くかつ効果的な基礎として役立ちかつ情報の分散を確実にすることを認識するであろう。一般に、認証は、クライアントと中央管理システムとの間の符号付きメッセージの交換を使用して、提供される。安全に分散させることは、認証段階の間に送られる短期対称鍵を使用して全ての通信を暗号化することによって行われる。
【0060】
セキュリティを成功させるためには、発信者および受信者が、暗号化のために使用される非対称の鍵対について前もって同意しておくことが必要である。このような鍵の分散は、電子データを保護するためのいかなる暗号システムにおいても最も弱いリンクである。本出願人が所有する、1999年7月19日に出願された、米国特許第6,385,739号「自動テスト電子アセンブリおよびシステム」は、クライアント・デバイスが、製造工程の最終ステップとして、自動的に非対称の鍵対を生成する機構を記載する。このようにして生成された秘密鍵は、この鍵が外部デバイスに決して示されないように、クライアント・デバイス内に埋め込まれている安全なマイクロ・プロセッサ内に格納される。このようにして生成された公開鍵は、ローカル製造システムに伝送され、ここで、安全なデータベースのもとでクライアント・シリアルナンバーとともに鍵が記録される。このデータベースは、後に、中央管理分散システムに安全に伝送され、ここでは、それが、クライアントとの安全な通信を実行するために用いられる。
【0061】
秘密鍵は、クライアントの外部構成要素に決して示されないので、鍵生成のこのユニークでかつ新しい応用は、鍵配送の課題を解決する。ここで、それは、ロジックアナライザのような、特別なツールを使用して識別されるかもしれない。この代わりに、これを、セキュリティ・マイクロ・プロセッサ自体の範囲内で、元々公開鍵によって暗号化されたメッセージを解読する(次いで、その結果を外部構成要素に提供する)ことのみに用いても良い。
【0062】
以下の考察においては、クライアントと中央管理システムとの間の全ての通信が、認証されかつ上述したように暗号化されていると仮定する。
【0063】
クライアント・システムへの視聴オブジェクトの伝送
再び図1に戻ると、本発明の好ましい実施例の場合、以下のステップは、スライスを使用した中央管理データベースからのテレビ視聴オブジェクトの「伝送」を構成する。
【0064】
1. クライアント視聴デバイスの祖集団にスライスを伝送するメカニズムは、多く存在する。例えば、スライスは、電話変調復調器またはケーブルモデム 109を通じて直接ダウンロードさせることができ、または、それらを標準のテレビ放送108の垂直帰線消去期間(VBI)のラインに変調させ、または私的データ・チャネルとしてデジタルテレビ・マルチプレックス信号に追加させることが出来る。当業者は、デジタル情報を伝送することができるいかなるメカニズムも、テレビ視聴オブジェクト・データベースのスライスを伝送するのに用いることができることを容易に認識するであろう。
【0065】
伝送のためにテレビ視聴オブジェクトを準備する際の第一ステップは、この特定インスタンスのために用いられる伝送メカニズムを認識し、かつそのメカニズムのためにカスタマイズされているデータベースのサブセットのスライスを作ることである。例えば、データベースは、国の全ての番組に関するテレビ視聴オブジェクトを含むことができる。しかしながら、もし、テレビ視聴オブジェクトが、ローカル・テレビ信号上のVBI変調を使用して送られる場合には、それらを担持するのに用いられているテレビ放送のサービス地域内で視聴可能な番組に関連するこれらのテレビ視聴オブジェクトのみが、該当するスライスの範囲内に含まれるべきである。これに代えて、いくつかのテレビ視聴オブジェクトが、特定の地理的領域に関連した販促用の材料を含む場合、これらのオブジェクトは、他の地理的領域に伝送されてはならない。
【0066】
本発明の好ましい実施例の場合、データベースを横断しかつ伝送のためのスライスを生成する速度および周期性は、有用なコスト/パフォーマンスのトレードオフを可能にするために任意の形態で調整可能である。例えば、ある伝送方法に対しては、一日おきにまたは毎時スライスを作りさえすれば良いかもしれない。
【0067】
各スライスを準備する際の最終ステップは、短期対称鍵を使用して、スライスを暗号化することである。安全なプロトコルを使用してすでに認証されたクライアント・デバイスのみが、この対称鍵のコピーを有し、これは、それらがこのスライスを解読しかつその中のテレビ視聴オブジェクトにアクセスすることを可能にするであろう。
【0068】
2. 一旦スライスが完全になると、それは、伝送メカニズムがデータ110を取得しかつ送信することができる位置にコピーされる。電話接続に対しては、スライスは、それがコールインするときに、各クライアントにデータを提供する電話通信サーバ111に配置される。テレビ放送が使用される場合には、スライスは、局テレビ送信機と共に常駐する機器に複製され、ここで、それは、信号に変調される。これらおよび類似した放送向けのケースの場合、スライスは、「カルーセルされる」、すなわち、新しいスライスが伝送に提供されるまで、スライスを記述しているデータは、絶えず繰り返される。
【0069】
データを担持する信号が確実に各クライアントに達する保証が無いので、スライスのこの反復放送は、必要である。クライアント・デバイスの電源が入っていないかもしれないし、または、信号の受信に障害があるかもしれない。伝送されたスライスが、高度な確率で、全てのクライアント・デバイスで適切に受信されるということを達成するために、更新されたスライスが伝送で利用可能となるまで、それらは絶えず再放送される。
【0070】
本発明の好ましい実施例は、スライスを伝送するために、テレビ信号のような放送メカニズムを使用する。しかしながら、モデムまたはインターネット接続のような、接続に基づくメカニズムによってダウンロードを提供することが、望ましい。接続に基づくメカニズムを使用することは、通常、タイム使用料金と言う結果となり、このため、スライスの伝送に費やされるタイムは最小化させることが望ましい。
【0071】
これは、二段階プロセスを使用して達成される。接続が確立されると、クライアント・システムは、以前に受信されたスライスの目録を電話通信サーバ111に送る。サーバは、この目録を、そのクライアントによって処理されるべきであったスライスのリストと比較する。処理されなかったスライスは、クライアント・システムに伝送される。
【0072】
3. このスライスは、暗号化されたスライスを、短い番号がつけられた一連のデータパケットに分解することによって伝送される。シーケンスの全てのパケットが存在するまで、これらのパケットは、クライアント・システムによって取込まれかつ中間領域に保持される。パケットは、スライスに再組立てされ、そして、それは次いで解読される。スライスの範囲内のテレビ視聴オブジェクトは、次いで、適用可能性のためにフィルタ処理され、それは、おそらく、ローカル・テレビ視聴オブジェクト・データベースに加えられる。このプロセスは、テレビ視聴オブジェクトの一部の中央管理データベースを確実にクライアントに模写する。
【0073】
本発明は、データパケットが受信されるタイムを追跡し続ける。選択された時間間隔より古いデータパケットは、周期的な基準で、中間領域からパージされる。これは、スライスの全ての部分が送信されるのを待つ一方で、特定されていない間隔に対しスペースを消費することを回避する。
【0074】
特に、放送媒体によりオブジェクトを伝送するとき、さまざまな種類の誤りが、伝送データに起こり得る。各データパケットには、エラー検出コード(たとえば、パリティフィールドまたはCRCコード)がスタンプされる。誤りが検出されると、データパケットは単に廃棄される。この放送カルーセルは、結局データパケットを再伝送し、これは適切に受信される可能性が大きい。この様にして、任意のサイズのスライスも、確実に送ることができる。これは、全ての部分が適切に受信されるまで、クライアント上のオブジェクトの受信された部分を示すことを犠牲にして、達成される。
【0075】
4. サービスに関連するデータ、特に、サービス認可情報を、クライアント・システムに通信する一つ以上の伝送された「特別な」スライスが、存在してもよい。視聴者が彼の請求を支払わない場合、または他の操作上の理由により、サービス・プロバイダが、プレミアム・サービスへのクライアント・システムのアクセスを制御することが可能であることは、重要である。
【0076】
特別なスライスの特定の一タイプは、「認可」オブジェクトを含む。認可オブジェクトは、通常、特定のクライアントに関連している公開鍵/秘密鍵の対に基づいて非対称の鍵暗号化を使用して暗号化される。スライスが、埋め込まれた秘密鍵を用いて、セキュリティ・マイクロ・プロセッサによってうまく解読することができた場合、スライスは、他の認可オブジェクトが受信される前に、許容可能な時間遅延を示すオブジェクト、および短い時間間隔に対する一つ以上の対称鍵を含むであろう。遅延値は、クライアント・システムがサービスの提供を止めるときを示すデータベースのタイム・スタンプをリセットするために用いられる。受信することができる新しいスライスを解読するために用いるために、対称鍵は、ローカル・テレビ視聴オブジェクト・データベースに格納される。
【0077】
クライアントが、データベースにセットされているタイムまでに適切な認証オブジェクトを受信しなかった場合、それは、(サービス・プロバイダによって特定されるように)視聴者への大部分のサービスの拒絶を始めるであろう。伝送されるスライスを解読するために必要である一つ以上の有効期間が限られたダウンロード鍵も、認証オブジェクト中に含まれている。クライアント・システムが、それ自体を認証することができない場合、それはいかなるオブジェクトも解読することが出来ないことは明らかであろう。
【0078】
各々の認可スライスは、個々に、生成されかつ伝送される。同報伝送がスライスのために用いられる場合、全ての関連した認可は、他の全てのスライスと同様に処理されてかつ他の全てのデータと共にカルーセルされる。電話接続を介するような直接の伝送が用いられる場合、そのクライアントのための認証スライスのみが伝送される。
【0079】
5. クライアント・デバイスが完全なデータベース・スライスを受信すると、それは、その中に含まれる新規なオブジェクトをデータベースに加えるために前述した方法を使用する。
【0080】
クライアント・システムからの情報収集
再び図1を参照すると、本発明の好ましい実施例の場合、以下のステップは、各々のクライアント・データベースからのテレビ視聴オブジェクトの「収集」を構成する。
【0081】
1. 視聴者が彼に利用可能なテレビチャンネルを進行させるにつれて、クライアント・システムは、同調されたチャネル、同調のタイム、滞在の持続時間、VCRの様なアクション(例えば、休止、巻戻し)および他の興味深い情報のような、興味深い情報を記録する。このデータは、ローカル・テレビ視聴オブジェクト内に格納される。
【0082】
加えて、視聴者は、利用可能にされる申し込みまたは販売促進に対する関心を示すことができ、または、彼はアイテムを購入したいという願望を示すことができる。この情報は、また、ローカル・テレビ視聴オブジェクトにも記録される。
【0083】
加えて、クライアント・デバイスの作動は、結果として、テレビ視聴オブジェクトに記録されなければならない重要なデータとなるようにすることができる。例えば、誤りは、クライアントのハードディスクドライブから読出し、または、デバイスの内部温度が、動作パラメータを超えるときに、発生する。情報の他の類似したタイプは、適切にオブジェクトをダウンロードすることに失敗し、これにより、さまざまなディスクベースの作動または急速なパワーサイクリングに対するスペースが消費されてしまうことになるかもしれない。
2. 即時のまたは周期的な基準に基づいていてもよい特定のタイムで、クライアント・
【0084】
システムは、直接の接続104を介して(通常、電話および/またはインターネット接続を介して)、中央管理サイトと接触する。クライアント・デバイスは、その秘密鍵によって暗号化されているそれ自体を識別するバイト列を送る。サーバは、データベースからのクライアント・デバイスに対しテレビ視聴オブジェクトをマッチングさせることをフェッチし、かつバイト列を解読するためにそこに格納されている鍵を使用する。同時に、サーバは、その秘密鍵において暗号化されているバイト列をクライアントに送り、これは、セッションに対する新規な1回限りの暗号化鍵をクライアントに与える。
【0085】
両側とも、通信するために、それらの認証メッセージをうまく解読しなければならない。これは、クライアントおよびサーバの両者に、他方が有効であることを保証するので、この双方向ハンドシェイクは重要である。このような認証は、クライアント・システムに発生し得るさまざまな攻撃を回避するために必要である。例えば、通信がこのような形態において認証されない場合、悪意の者は、不正なテレビ視聴オブジェクト・データベースにより「アリアス」中央管理サイトを作成し、かつ、クライアント・システムに悪い情報を提供し、誤操作を引き起こさせるかもしれない。全ての更なる通信は、1回限りのセッション鍵を使用して暗号化される。情報は、インターネットのようなネットワークによって伝えられるので、暗号化された通信が必要である。ここで、データトラフィックは、それが通過する全ての器材による点検に対しオープンである。収集したオブジェクト存在がそうすることができる視聴は私的であると考えられる情報を含むので、情報はいつでも完全に保護されていなければならない。
【0086】
認証段階が成功していると仮定するならば、両当事者は、全二重電話線を2つの一方向の放送型通信路とみなす。新しいスライスがクライアントに配られ、かつ集められるべき視聴データが、送り返される。全てのデータが届けられると、接続は終わる。
【0087】
当業者は、この接続が、標準のTCP/IPプロトコルを走らせているインターネットのような、ネットワークによって、システムの他の全てのソフトウェアに、透過的に、起こることができることを容易に認識するであろう。
【0088】
3. アップロードされた情報は、サーバによって同様に処理される。つまり、中央管理データベースに模写されるべきテレビ視聴オブジェクトを提示することが仮定されている。しかしながら、サービス・プロバイダのクライアントは多く存在することが出来るので、アップロードされた視聴オブジェクトは、多く存在することが出来る。アップロードされたオブジェクトには、従って、それらのソースに関するナビゲート可能な属性を含む情報が割り当てられている。つまり、オブジェクトは、次いで、それが加えられるとき、独自にデータベース名前空間にインデックスされる。
【0089】
アップロードされた視聴オブジェクトは、直ちには、中央管理データベースに加えられない。その代わりに、それらは、データベースへの後の挿入のために待ち行列に入れられる。このステップは、列の処理が、クライアント・デバイスの接続パターンから独立していることを可能にする。例えば、多くのデバイスは、一度に、多数のオブジェクトを生成して、接続することができる。これらのオブジェクトが、直ちに、中央管理データベースに加えられる場合、全ての接続のパフォーマンスは損なわれ、かつ接続タイムは増大するであろう。電話料金は使用時間によって請求されるので、接続タイムがロードの関数として増大するいかなるシステムも受け入れられない。
【0090】
この分離の他の効果は、マシンまたはネットワークの障害に容易に耐えることができることである。加えて、視聴オブジェクトが処理されかつ中央管理データベースに加えられる速度は、コストまたはパフォーマンスの目標を達成するように、コンピュータ・システムおよびそれらの構成を変化させることによって、サービス・プロバイダによって制御させることができる。
【0091】
この分離のもう一つの効果は、それが、個々の視聴者を識別するかもしれないサービス・オペレーションおよびデータを改善するために集められたデータを分離するメカニズムを提供することである。法的理由、および、個人がサービス・プロバイダ内で有する信用を増大させることの理由から、このような識別データを、私的に保つことは重要である。例えば、視聴者の視聴選択の記録を含む視聴オブジェクトに割り当てられるナビゲート可能な属性は、視聴者の郵便番号だけを含むことができる。これは、これらのオブジェクトの更なる処理が、個々の識別へのパスを建設することができないことを意味する。
【0092】
周期的な作業は、サーバに、データベースからこれらのオブジェクトを選別し、かつ、それらを適切に処分することを実行させる。例えば、視聴者の挙動を示すオブジェクトは、全体の視聴者の挙動モデルに集計され、かつ、個々の視聴者を識別するかもしれない情報は廃棄される。運用情報を含むオブジェクトは、分析作業に送り届けられ、これは、潜在的問題に対してカスタマーサービス要員に警戒させることができる。トランザクション情報を含むオブジェクトは、実行するための処理または商業システムに送り届けられる。
【0093】
これらの活動のいずれも、中央管理データベースに加えられている新規なテレビ視聴オブジェクト、または更新されている既存のオブジェクトと言う結果になり得る。これらのオブジェクトは、結局、クライアント・デバイスに伝送されるであろう。したがって、テレビ視聴管理システムは、いかなる数のクライアント・システムもサポートすることができる自己-保守複製されたデータ・ベース・システム105を作成する閉ループである。
【0094】
クライアント・システムによるテレビジョン視聴オブジェクトの処理
テレビジョン視聴オブジェクトは、以下のタイプの情報を含むであろう。すなわち、
テレビジョン番組の説明および表示時間と、
チャネルの番号付けおよび識別といった、ケーブル、衛星または放送信号の発信者情報と、
俳優、ジャンル、表示時間といった視聴者の嗜好情報と、
改良された、データベース・ソフトウェア、アプリケーション・ソフトウェア、オペレーティングシステム・ソフトウェアといったソフトウェアと、
嗜好のベクトル、人口統計学的分析などといった、統計的なモデル化情報と、
デジタルデータとして提示することができる他のいかなる任意の情報とを含む。
【0095】
番組案内オブジェクトに適用される方法
番組案内オブジェクトは、クライアント・システムで動作しているソフトウェアが、データベースの範囲内でオブジェクトによって記述される全ての利用可能な番組およびチャネルの中から選ぶために、クライアント・システムのユーザが興味を持つ番組に同調し、それを受信し、記録しかつ視聴するために必要な全ての情報を含む。
【0096】
この番組案内情報は、サービス・プロバイダによって定期的に更新される。これは、例えば、このような情報の商業的供給者または他の放送予約情報源から、ある方法で、番組案内情報を得ているプロバイダによって扱われる。このデータは、次いで、この情報を相互関係のある視聴オブジェクトの収集に減少させるために、良く理解されているソフトウェア技術を使用して、処理される。
【0097】
再び図4を参照すると、番組案内オブジェクト間の典型的関係が、示されている。テレビ「ネットワーク」オブジェクト407は、その放送が、空中、ケーブル、衛星または他の適切な媒体を介して行われるか否かに関係なく、テレビ番組の予約を入れかつこれを放送する任意の実体である。テレビ「番組」オブジェクト401は、特定の番組、商業的広告、局の販売促進、オープナ、トレーラ、またはテレビ信号の他の任意の囲まれた部分のような、テレビ放送信号の任意の異なったセグメントの記述である。「表示」オブジェクト406は、番組が放送されるネットワークに対する放送予約の一部である。「チャネル・マップ」オブジェクトは、使用されている媒体に対する特定の放送チャネルにネットワーク放送をマップする。例えば、衛星放送サービスのためのチャネル・マップ・オブジェクトは、トランスポンダーおよび放送を含むデータの流れに関する情報を含むであろう。先に述べた方法を使用すると、この番組案内データは、中央管理サイトからクライアント・システムに自己複製される。ここで、クライアント・システムのアプリケーション・ソフトウェアは、このデータを用いて、テレビ視聴を管理する。
【0098】
サービス・プロバイダは、また、ある形態で相互関係を有する一組の番組案内オブジェクトを記述する集積視聴オブジェクトも提供することができる。例えば、「宇宙大作戦 (Star-Trek)」の収集は、この商標名に関連する全ての番組案内オブジェクトの参照を含むことができる。明らかに、任意の一組の番組は、この形態で集計することができる。集積オブジェクトは、ディレクトリに類似している。例えば、宇宙大作戦の収集は、階層的な名前空間に"/showcase/Star Trek"で見いだされるかもしれない。集積オブジェクトは、また、番組案内オブジェクトでもあって、かつ集積オブジェクト等を集計することを含めた同様な形態で、操作することができる。
【0099】
クライアント・システムは、番組オブジェクトの収集を更に洗練することができる。プログラミングを内部記憶装置に取込むことができるシステムの場合、各々の取込まれた番組は、新規な番組案内オブジェクトによって表され、これは、視聴、集積などに利用可能になる。明確な視聴者アクションは、また、番組案内オブジェクトを作成すると言う結果ももたらす。例えば、視聴者は、いくつかの番組を選ぶことができ、かつ新規な集積オブジェクトを作成させるようにすることができる。
【0100】
番組案内オブジェクトのタイプの記述が、含まれていることは、意味しない。本発明の基本的な方法から利益を得ることができる、本願明細書において記述されていない番組案内オブジェクトを生成する、多くの異なった使用法および方法を用いることもできる。番組案内オブジェクトは、5つの方法でアプリケーション・ソフトウェアによって用いられる。
【0101】
1. 最も単純なケースの場合、視聴者は、現在のまたはすぐに利用可能となるであろうプログラミングを識別するためにこれらのオブジェクトを閲覧したい。アプリケーション・ソフトウェアは、視聴者にとって便利でかつ有用である、視覚出来かつ可聴のインタフェースの形態で、データベースによって記述されたオブジェクト関係をマップするであろう。視聴者は、特定の番組に関心があり、それが放送されるときにローカル記憶装置に番組を記録するような、あるアプリケーションに特有のアクションと言う結果になるべきことを、示すことができる。
【0102】
2. アプリケーション・ソフトウェアは、また、視聴者が興味を持つかもしれない番組を選択するために、番組案内オブジェクトを直接処理することができる。このプロセスは、基本的には、統計モデルと組み合わせられた以前に見られた番組の分析に基づいていて、これは、結果的に、利用可能な全ての番組の優先順位付けになる。最高優先度の番組は、それが放送されるときに、ローカル記憶装置に番組を録画するようなアプリケーションに特有な方法で処理することができる。このようにして形成された優先順位付けの部分は、ケース1の場合のように、付加的な選択に対し、視聴者に提示することができる。
【0103】
当業者は、以前の視聴履歴および明確な嗜好に基づいて、視聴者のためにプログラミングを選ぶための方法に集中している多くの従来技術(例えば、米国特許第5,758,257号)が存在することは、容易に認識するであろう。この特許に記載されている方法は、これらの方法が、プログラミングの放送または伝送ではなく、プログラミングの取込みのための優先度を提案し、かつ、プログラミングをいつ放送するかについては時間の制約がないので、これらの技術に比較し、ユニークでかつ新しい。これらの方法に関する更なる詳細は、この説明の後に示される。
【0104】
一般に、視聴者がプログラミングを明確に選択することは、取込みに対する最高優先度を有する。この後には、本願明細書において記述されている嗜好技術を使用して選択されたプログラミングが続く。
【0105】
3. クライアント・システムは、テレビ放送を受信し、またはイントラネットまたはインターネットのようなネットワーク全体のウェブページにアクセスすることができる少数の入力を有する。予約方法は、各々の入力がどのように同調され、かつ結果として取込まれたテレビ信号またはウェブページによって何がなされるかを選択するために用いられる。
【0106】
図6を参照すると、視聴者が興味を持つ番組は、通常、番組案内オブジェクトによって記述される、任意のチャネルに、任意の時間で放送することができる。加えて、興味がある番組は、イントラネットまたはインターネットのような、ネットワーク全体のウェブページUniversal Resource Locators(URL)であってもよい。チャネルメタファーは、また、特定のウェブ・サイトまたはページの場所またはURLを記述するのにも用いられる。
【0107】
視聴者は、例えば、ウェブ・サイトURLをチャネルに指定することによって、サイトをウェブに「同調させることができる」。そのチャネルが選ばれるときはいつでも、ウェブ・サイトが示される。ウェブページは、また、興味がある番組に指定することができ、かつ、ウェブページのスナップショットが、撮られかつ所定時間に記録されるであろう。
【0108】
スケジューラは、おそらく上記のケースに従って生成された番組視聴嗜好603の優先するリストを入力として受け入れる。予約方法601は、次いで、このリストを、興味がある番組が実際に放送されるときを示す番組案内オブジェクト604のデータベースと比較する。それは、次いで、時間607に対する、視聴者の明確なまたは導出された好適な番組に対し最適である利用可能な記憶空間606の予約を生成する。これらの方法に関する更なる詳細は、この説明の後に示される。
【0109】
4. 取込まれた番組が視聴されるときには、マッチング番組案内オブジェクトは、任意の適切な技術(好ましくは、ある形のOn Screen Display(OSD)で)を使用して、ディスプレイにかぶせられた番組についての追加情報を提供するために用いられる。このような情報は、次のものを含むが、番組名、元々の放送番組の時間、チャネルまたはネットワーク、失効時間、実行時間または他の情報に限定されるものではない。
【0110】
5. 有効なプログラミングが見られるときに、アプリケーションはマッチング番組案内オブジェクトを発見するために現在の時刻、チャンネル、およびチャンネル・マップを使用する。このオブジェクトからの情報は、上述したように、任意の適切な技術を使用して示される。視聴者がチャンネルを変更すると、新規な番組が、コマーシャル後に番組が再開されるときに、視聴者により、または他の状況に基づく要求により開始するときに、情報は、自動的に示すことができる。
【0111】
6. ケース2において記述されているものに類似した技術を使用して、アプリケーション・ソフトウェアは、また、視聴者が興味を持つことが出来る販促用のマテリアルも取込むことができる。この情報は、視聴者の要求により提示することができ、また、それは、ある都合のいい位置に出力テレビ信号に自動的に挿入することができる。例えば、放送番組の広告は、より高い嗜好優先度を有する異なる広告と置換されるかもしれない。1998年7月30日に出願された、米国特許番号6,233,389(「マルチメディアの時間ワーピング・システム」と言う発明の名称)に記載されている時間ワーピング装置を使用すると、いかなる位置でも出力テレビ信号に任意のオーバーレイ番組を挿入することが可能になる。オーバーレイ番組が、この作業を行うために挿入される一方で、時間ワーピング装置は、オーバーレイされた番組を遅延させることを可能にする。
【0112】
好みの番組のリストを生成する方法
視聴者嗜好は、多くの方法で得ることができる。視聴者は、特定の番組を取込むよう要請することができる。これは、結果として、それらの番組に対し最も高い優先度となる。これに代えて、視聴者は、おそらく、特定の番組のための販促スポットに応答して、または番組の視聴の間にさえ、視聴者インタフェースで提供される付属物を使用して、嗜好を明確に表すことができる。最後に、嗜好は、過去に見られた番組、視聴されたまたはスキップされた等の商業的な広告等の視聴パターンから推定することができる。
【0113】
いずれの場合においても、このような嗜好は、複製データベースに格納されているテレビ視聴オブジェクトに対応しなければならない。番組オブジェクトは、題名、説明、監督、プロデューサー、俳優、評価等の各特定番組に関する豊かな情報を含む。これらの要素は、番組オブジェクトに付けられた属性として格納される。
【0114】
個々の属性は、結果として、嗜好オブジェクトを生成させることができる。このようなオブジェクトは、以下の情報を格納する。
【0115】
1. 嗜好の俳優または監督のような、嗜好アイテムの種類、
2. 多数回のボタン押圧または他の手段によって示されるかもしれない視聴者によって与えられる嗜好の重み、
3. たとえば、俳優の嗜好が、監督の嗜好より重要であると言うような、他の嗜好に対する嗜好の静的に割り当てられた重要性、
4. 例えば、監督の名前のような嗜好項目の実効値。
【0116】
図5に関して、嗜好オブジェクトは、番組案内オブジェクトに対して記載されているものに類似した階層としてデータベースに格納される。しかしながら、この階層は、嗜好が表されるに連れて500、インクリメンタルに構築される。このように構成された階層は、「直接の」嗜好、例えば、視聴者アクションまたは推定された嗜好から導出されるもの、に基づく。
【0117】
類似した階層は、同じ嗜好オブジェクト501を示している「間接的な」嗜好に基づいて作成される。一般に、間接的な嗜好は、集約オブジェクトのための嗜好が、発生し、かつ直接の嗜好が集計されたオブジェクトの収集によって暗示された更なる重みに使用されるときに、発生する。間接的な嗜好階層によって参照される嗜好オブジェクトは、集約オブジェクト502の部分である利用できる番組オブジェクトを列挙し、かつこのようにして発見された各属性のための嗜好オブジェクトを生成または更新することによって、発生しまたは更新される。
【0118】
特定の嗜好503の重みはゼロから始まり、そして、次に、標準値が、(おそらく多数回のボタン押圧によって)表される嗜好または標準の程度に基づいて、加えられ、またはもし無関心が表明されたならば、標準値は減算される。もし嗜好が集積された視聴オブジェクトに基づいて表されるならば、集計されたオブジェクトに従属する全ての視聴オブジェクトによって、発生する全ての嗜好は、同じように重み付けされる。従って、関連した嗜好要素の新規な重みづけは、以前の重みづけから生成される。このプロセスは、表すことを可能にする嗜好の程度によって、決められ、したがって、全ての重みづけが、限られた範囲に入る。
【0119】
本発明の好ましい実施例の場合、非線形組合せを、嗜好項目を重みづけするために使用することができる。例えば、中央管理サイトによって提供される統計モデルを使用して、クライアントは、3個の属性に対して大きく重みづけされた嗜好が、第4の属性も同様に重みづけされるべきであることを示すことを、推測することが出来る。
【0120】
好ましい番組のリストは、以下のように発生する。
1. テーブル504は、各々可能な番組オブジェクト属性の一覧を示すように構成され、かつ存在するその属性に対する任意の嗜好オブジェクトが、そのエントリにリスト化される。
2. もし嗜好項目が俳優名のようなストリングであるならば、そのストリングに対する32ビット・デジタル署名は、32ビットCRCアルゴリズムを使用して計算され、かつストリング自体よりむしろ、テーブル項目と共に格納される。これは、ストリングの比較が回避されるので、2つの異なるストリングが同じデジタル署名を生成する危険性を低くしたままで、テーブルのより速いスキャンを可能にする。
3. データベースの各番組オブジェクトのため、およびその番組の各属性のために、属性は、テーブルで見られる。存在する場合には、その属性のための嗜好オブジェクトのリストが、現行番組オブジェクトの属性とのマッチのために調べられる。もしマッチが起こると、その嗜好オブジェクトに関連している重みは、この番組に対する単一の重みを生成するために番組オブジェクトに関連している重みづけに加えられる。
4. 最終的に、番組オブジェクトは、各番組のための全体の重みづけに基づいて順位づけされ、これは、結果として、最も好ましい番組から最も好ましくない番組のリストとなる。
【0121】
この最終の優先化リストが与えられると、記録予約が、後述する方法を使用して生成される。これは、結果として、視聴者が最も興味を持つ記録された番組の集まりとなる。
【0122】
利用できる格納空間に対する記録の予約に適用される方法
前述したように、記録された番組は、一般に、記録された番組がクライアントの格納から除去される失効日を有する。視聴者は、番組がより長く保存されるべきことをいつでも示すことができ、これは、視聴者が選択した間隔まで失効を遅延させる。本発明は、番組を記録するための利用できる格納を「キャッシュ」と見る。見られなかった番組は、もし記録の直後に見られなければ、それらは将来も見られないであろうという仮定に基づいて、しばらくして除去される。見られた番組は、それらがもはや興味を持たれないという仮定に基づいて、即座に削除されるべき候補になる。
【0123】
記録の適切な予約および古い番組の削除により、古い番組の進行中のフラッシングおよび新規な番組の追加があるので、より小さい記憶領域をはるかに大きく見せることが、可能となる。加えて、もし情報資源が利用できるならば、記録を、視聴者の推定された嗜好に基づいて、番組の予約に用いることができる。これらは「ファジーな」記録と呼ばれる。これは、結果として、番組記憶領域が、常に、視聴者が興味を持つ「完全な」番組であるシステムになり、他の番組が、その位置に記録されまたは視聴者が明確にそれを削除するまで、番組は除去されない。
【0124】
加えて、視聴者は、記録するための番組を任意の時間に選択することができ、かつ、記録するウインドウは、他の予約された記録と競合するかもしれず、または、番組を記録しなければならないときに入手できるスペースは、充分でない場合がある。本発明は、このような競合を解決する固有でかつ新しい方法を含む。
【0125】
競合は、格納空間の欠如または入力源の欠如と言う2つの理由から起こる。本願明細書において記述されるテレビ視聴システムは、記録ビデオを格納するための有限容量の磁気ディスクのような、ビデオおよび記憶媒体を記録するための固定した数の入力源を含む。任意の有意な期間にわたって全てのテレビ番組放送を記録することは、不可能である。従って、資源限界を原因として起こる競合を解決することは、正しい番組を視聴可能にする鍵となる。
【0126】
再び図6を参照すると、本発明は、2つの予約、Space Schedule 601、およびInput Schedule 602を維持する。Space Scheduleは、現時点で記録済の全ての番組、および将来記録が予約されている番組を追尾する。時間内の任意の所定の時点で利用できるスペースの合計は、全ての占有されたスペース(またはその時間に占有されるであろうスペース)の合計を生成し、かつその番組を格納するために利用できる総容量からそれを減算することによって、見出すことができる。推定された嗜好(「ファジーな」記録)に基づいて記録することが予約されている番組は、この算出においては計数されない。このような番組は、自動的に全ての競合の決定を失う。
【0127】
記録が始まる時とそれが失効する時の間の全ての時点で、それを保持するための充分なスペースが利用できる場合には、番組は、記録することができる603。加えて、番組の間に、それを記録するために使える入力が存在しなければならない。Input Schedule 602は、各入力源に対して空いているおよび占有されたタイムスロットを追尾する。本発明の好ましい実施例の場合、入力源は、同一のサービスに対して使用することはできない。例えば、一方の入力を、ディジタル・テレビ信号とし、他方の入力を、異なるプログラミングを有するアナログ・テレビ信号としてもよい。この場合、所望の番組を記録することができるそれらの入力のみが、予約の間、考察される。
【0128】
図7に関して、フローチャートは、好ましい実施形態で記録を予約するためにとられるステップの記述を示す。先ず、興味がある番組の表示が順序づけされたリストが、生成される701。本発明の好ましい実施例は、記録ができるだけ早く行われるように、時間によってこれらの表示を順序づけるが、任意の特定の順位付けも選択出来る。次いで、このリスト702の各表示が、入力703またはスペース704の競合が上述したように起こる否かを見るために、点検される。もし表示に競合が発見されないならば、この番組は、記録705が予約される。
【0129】
競合が発見された場合には、本発明の好ましい実施例は、入力競合706を有しない番組の表示しか選択しない。再び図6を参照すると、その記録の有効期間にわたって、他の番組が記録されまたは失効するに連れて、空きスペースの量が変化することを、理解することができる。次いで、表示のこのリストは、好ましくは、候補記録の有効期間の間の空きスペースの最小量によって、ソートされる。他の順位付けを、選択することもできる。
【0130】
再び図7を参照すると、各候補の表示に対し、視聴者には、競合する番組708、709の失効日を短くするオプションが与えられる。この順位付けにより、予約された番組に最小から最大までの順位で707、これらを選択することが、視聴者に提示される結果になる。本発明は、この順位付けを、他のものに対して使用する必要性を有しない。
【0131】
視聴者が、失効タイムを短くする全ての機会を拒絶する場合には、最終ステップは、入力競合でこれらの表示を選択し710、かつ第1の競合解決フェーズ内でこれらの表示をソートする711ことを含む。視聴者には、次いで、所望の番組712、713のために各々以前に予約した記録をキャンセルするオプションが、与えられる。もちろん、視聴者は、新規な如何なるものも、記録されない714ことを最終的に決めることもできる。
【0132】
本発明の好ましい実施例の場合、全ての競合は、視聴者に何が記録されるかをより多く制御出来るように、可能な限り早急に解決される。視聴者が、記録する番組の明確な選択を行うときには、図7に記述されるアルゴリズムが、直ちに記録を予約し、かつ生じた如何なる競合も管理するために使用される。
【0133】
明確な選択が行われ、かつ、視聴者が、その記録がなされるであろうことを知らせた場合には、それは視聴者の明確な承認なしにはキャンセルされない。
【0134】
ファジーな記録は、クライアント装置上のバックグラウンド・タスクによって、周期的に予約される。前述したような好ましい番組の優先化リストが与えられる場合には、バックグラウンド・スケジューラは、リストが、使い果たされるまで、または記録する更なる機会が無くなるまで、順番に、各好ましい番組を予約することを試みる。予約済の他の番組と競合がない場合に限り、好ましい番組は、予約される。予約済の好ましい番組は、第一に、それが明確な選択と競合する場合、および第二に、視聴者の嗜好の変化がその時に記録することができるより高い優先順位番組を識別する場合と言う、2つの条件の下で削除することができる。
【0135】
記録が要請される集約視聴オブジェクトを扱うときには、更なる複雑化が起こる。もし競合解決が、このようなオブジェクトに対し上述した方法により扱われるならば、潜在的にかなりの数の競合が、生成されるかもしれない。これは、競合を解決する際の視聴者に、混乱させかつストレスがたまる経験をもたらす。したがって、集約オブジェクトが記録のために選択されると、競合は,既存の予約を生かすように自動的に解決される。
【0136】
本発明の好ましい実施例において、集約オブジェクトの記録から生じる競合は、多数の競合が集約オブジェクト内の特定の番組によって生じる場合には、関係する番組の嗜好の重みづけを使用して解決されるであろう。その嗜好が、全ての競合する番組のそれを越える場合には、それは、記録されるだけであろう。
【0137】
ソフトウェア・オブジェクトに適用される方法
クライアント・システムは、適切な動作のために複雑なソフトウェア環境を必要とする。オペレーティング・システムは、クライアントのハードウェア・デバイスとこれらの装置をマニュピレートするソフトウェア・アプリケーションとの間の対話処理を管理する。テレビ視聴オブジェクト・データベースは、明白なソフトウェア・アプリケーションによって管理される。時間ワーピング・ソフトウェア・アプリケーションは、さらにもう一つのアプリケーションである。
【0138】
クライアント・ハードウェア・デバイスに働くこれらおよび他のソフトウェアサブシステム内に、新規な特徴を加えまたは欠陥を補正することが好ましい。本願明細書において記述される方法を使用して、更新されたソフトウェア・モジュールを含む視聴オブジェクトをクライアント・システムのデータベースに自己複製することは、可能である。クライアント・システムのデータベース内に存在するようになると、更新されたソフトウェアをインストールし、かつクライアント・システムに新規なソフトウェアの実行を開始させるために、以下の固有のかつ新しい方法が、使用される。
【0139】
装置のソフトウェア環境は、電源が装置に最初に印加される際に行われる一連のステップとして、インスタンス化される。ここで、各ステップは、次の工程の適切なアプリケーションをサポートする状態情報を作る。最終工程は、装置を管理しかつ視聴者と対話するアプリケーションを開始する。これらのステップは、以下の通りである。
【0140】
1. 装置の読取り専用または電気的にプログラムすることが可能なメモリは、命令の初期ブート・ストラップ・シークエンスを保持する。これらの命令は、クライアント装置の低レベルのパラメータを初期化する、ディスク記憶システムを初期化し、かつディスクからメモリにブート・ストラップ・ローダをロードし、次いで、メモリが実行される。この初期ブート・ストラップは、もしそれが電気的にプログラム可能なメモリ内にあるならば、変更することができる。
2. 第二段階のブート・ローダは、次いで、ディスク駆動装置のオペレーティング・システムを捜し、オペレーティング・システムをメモリにロードし、そして、オペレーティング・システムを実行させる。このローダーは、イニシャルローダが容易に捜せるように、ディスク上の特定の位置に存在しなければならない。
【0141】
オペレーティング・システムは、必要なハードウェアとソフトウェアの初期化を実行する。それは、次いで、ディスク駆動装置から視聴オブジェクト・データベース・ソフトウェアをロードし、そしてアプリケーションの実行を開始する。時間ワーピング・ソフトウェアおよび視聴者対話処理ソフトウェアのような他のアプリケーション・ソフトウェアも、また、ロードされかつ開始される。このソフトウェアは、通常、オブジェクト・データベースまたは取込まれたテレビ番組からディスク上の別々の領域に置かれる。
【0142】
理想的には、新規なソフトウェアは、単純に、それをディスク駆動装置上の適切な場所にコピーし、かつ装置を再起動することによってインストールされるであろう。この動作は、特に家庭環境で、危険に満ちている。ソフトウェアを複製している間に、パワーがダウンし、その結果ソフトウェア画像が誤ったものとなりかつ潜在的な動作上の問題をもたらすことになるかもしれない。この新規なソフトウェアは、適切な動作を妨げる欠陥を有するかもしれない。障害はディスク駆動装置で起こり、ソフトウェア画像を損なうかもしれない。
【0143】
本発明の方法は、ディスク駆動装置について説明されたが、当業者は、ここで記述される方法が、一般に、任意の持続的な記憶システムに適用することが出来ることを容易に認識するであろう。ディスク駆動装置および他の永続的な記憶システムは、典型的には、一連のセクターと呼ばれる固定サイズのブロックにフォーマットされる。「分割」とは、格納を論理的に独立した領域に分解するこのシーケンスの経時的な、重なり合わないサブセットである。
【0144】
図8に示されるように、本発明は、「ブート・セクタ」804と呼ばれるディスク駆動装置803の固定位置に情報のセクターを維持する。ブート・セクタ804は、ドライブ803の分割を理解し、かつ第二段ブート・ローダ806を捜すために、初期ブート・ストラップ801に対し充分な情報を含む。
【0145】
ディスクは、少なくとも、7つの区画に仕切られる。第二段階ブート・ローダ806のコピーの保持専用の2つの小さい区画、作動するシステム・カーネル807のコピーを保持する2つの区画、アプリケーション・ソフトウェア808のコピーを含む2つの区画、およびスクラッチメモリ809として使用される区画が、存在する。重複する区画に対しては、区画の一つが「第一」とマークされ、かつ第二のものが「バックアップ」とマークされて、指標が、ブート・セクタ805に記録される。
【0146】
当業者は、本願明細書においては冗長性に対し2つの区画しか記述されていないが、3重、4重またはそれ以上の冗長性を、区画をより多く重複させることによって達成することができることは、容易に認識するであろう。
【0147】
図9aおよび9bを参照すると、ブート901で、初期ブート・ストラップ・コードは、ブート・セクタ902を読込み、区画テーブルを走査し、かつ第二段階ブート・ローダに対し「主要な」区画を捜す。それは、次いで、この番組をメモリ903へロードすることを試みる。もし、例えば、ディスク駆動装置の障害のために、それが失敗するならば904、ブート・ローダは「バックアップ」区画の番組をメモリ905へロードすることを試みる。何れかの試みが成功すると、ブート・ローダは、次いで、番組がロードされた区画の指標906とともに、新しくロードされた番組に制御を渡す。
【0148】
同様に、第二段階ブート・ローダは、区画テーブルを読込み、かつ「主要な」作動システム・カーネル907を捜す。カーネルをロードすることができない908場合には、その代わりに、「バックアップ」カーネルがロードされる909。いずれにせよ、上から渡されたソース区画とともに910、制御は、ソース区画の指標とともに、オペレーティング・システムに渡される。
【0149】
最終的に、オペレーティング・システムは、アプリケーション・ソフトウェアを含む「主要な」区画を捜し、かつ初期アプリケーション911をロードすることを試みる。これが失敗すると912、オペレーティング・システムは、「バックアップ」区画を捜し、かつそれから初期アプリケーションをロードする913。ソース区画の指標が、以前のステップからのソース区画情報とともに、初期アプリケーションに渡される。この時点で、アプリケーション・ソフトウェアはクライアント・システムを引き継ぎ、かつ通常の視聴管理動作を開始する914。
【0150】
動作のこのシーケンスは、ディスクのアクセス誤りからの保護に適切なレベルを提供する。これは、また、これらのレベルの何れかで新規なソフトウェアをインストールし、かつ確実に動作させることを可能にする方法を可能にする。
【0151】
オブジェクト・データベースの「インストーラ」視聴オブジェクトは、ソフトウェアのインストールの試みの状態を記録するために使用される。それは、新規なソフトウェアをインストールする試みが進行中である915ことを示す指標を含む、上記各々の3つのレベルに対する分割の状態を記録する。この動作は、データベースの処理の性質から、信頼性が高い。
【0152】
図10を参照すると、3つのレベルの何れかで新規なソフトウェア像をインストールすることが、以下のように扱われる。すなわち、新規なソフトウェア像が、先ず、適切なバックアップ区画1001に複製され、かつ、ソフトウェア・インストールが進行中であることを示す指標が、データベース内に作られる1002。区画テーブルの主要およびバックアップ区画の指標が、次いで交換され1003、かつシステムが再起動される1004。最終的には、制御は、初期アプリケーションに渡されるであろう。
【0153】
再び図9bを参照すると、このアプリケーションの第1の作業は、インストーラ・オブジェクトを更新することである。各レベル921、922に対し、アプリケーションは、インストールが行なわれたか否かをチェックし916、917、そしてレベルが、基本区画の中にロード・オフされたか否かを検証する918。ロード・オフされた場合には、そのレベルでのインストールは成功していて、かつインストーラ・オブジェクトが、そのレベルに対して成功したことを示すために更新される919。ロードされなかった場合には、アプリケーションは、基本区画でそのレベルに対するバックアップ分割を複製し、かつそのレベルに対するインストーラ・オブジェクトの障害を示す920。区画を複製することは、レベルに対する既知の良好なソフトウェアのバックアップコピーが、いつでも利用可能に保持されることを保証する。
【0154】
本発明の好ましい実施例の場合、ソフトウェアの一番上のアプリケーション・レベルに対するインストールの最終化は、アプリケーション環境の全ての部分が首尾よくロードされかつ開始されるまで、遅延させることが出来る。これは、アプリケーション環境の全ての部分が新規なソフトウェアに永久にスイッチングする前に適切に作用することを保証する付加レベルを提供する。
【0155】
動作状況オブジェクトに適用される方法
動作状況オブジェクトは、クライアント・システムの使用法、性能、および動作に関する情報が記録される視聴オブジェクトのクラスである。中央管理サイトとの通信が確立されるときはいつでも、これらのオブジェクトは中央管理サイトによって収集される。
【0156】
以下の動作ステータス・インディケータは、後の収集のためにタイム・スタンプとともに記録される。
【0157】
1. 遠隔制御装置のボタンを押す視聴者のアクションは、基本的には、記録される。各「ボタン押圧」は、現在の時刻とともに記録され、かつ現在の視聴者コンテクストのような他のいかなる前後関係の情報も記録される。中央管理サイトでのこのオブジェクトの後処理は、結果として、各アクションが行なわれるコンテクストを含む、視聴者アクションの完全なトレースとなる。
【0158】
2. 番組の開始または終了の記録、または視聴者嗜好に基づいて記録する番組の選択、のような自動アクションは、記録される。加えて、取込まれた番組の削除も、記録される。中央管理サイトでのこのオブジェクトの後処理は、結果として、何時の時点においても永続的に格納されている番組を含む、クライアント・システムによってなされる番組取込みのアクションの完全なトレースになる。
【0159】
3. 受信、インストール、ポスト・リブートの結果を含むソフトウェア・インストール・アクションは、記録される。
【0160】
4. 電源の異常/再開、装置の内部温度プロフィール、永続的な格納アクセス・エラー、メモリ・パリティ・エラーおよび基本区画障害の、さまざまな種類のハードウェアの除外(但し、これらに限定されない)。
【0161】
全てのアクションがタイム・スタンプとともに記録されるので、線形時間基準順位付けを使用して、クライアント・システムの動作を再構築することが可能である。これは、アクションおよび挙動を相関させるために、手動または自動方法をイベントの順序リストに作用させることを可能にする。例えば、もし、新規なソフトウェアによって再起動したすぐ後に予測された自動アクションが起こらないならば、新規なソフトウェアは不完全であったことを推定することができる。
【0162】
中央管理サイトによるテレビ視聴オブジェクトの処理システム
テレビ視聴オブジェクトのソース
クライアント・システムは、テレビ視聴オブジェクトの単一のソース、中央管理サイトを有する。中央管理サイト・オブジェクト・データベースは、テレビ視聴オブジェクトの多くのソースを有する。
【0163】
1. 外部のソースから得られる番組案内情報は、「番組」、「表示」、「チャンネル」、「ネットワーク」および他の関連オブジェクトを示す一貫した番組案内オブジェクトを作成するために処理される。オブジェクトのこの一組は、依存性(「チャンネル」は、「ネットワーク」に依存し、「表示」は「番組」に依存する)および他の相互関係を有するであろう。オブジェクトの完全な一貫した組が準備ができると、それは、アトミック動作としてデータベースに加えられる。
【0164】
2. 新規なアプリケーションまたは既存のソフトウェアの修正を含む新規なソフトウェアは、先ず、「ソフトウェア」視聴オブジェクトに実装される。上述したように、ソフトウェアは、関係するソフトウェア・オブジェクトの相互関係に反映されなければならない、動的にロードされたライブラリに依存するアプリケーションのような相互依存性を有することができる。他の例では、それぞれが異なるソフトウェア・オブジェクトを必要とする2つのタイプのクライアント・システムを使用してもよい。これらのソフトウェア・オブジェクトは、それらがターゲットとするシステムのタイプを示す属性を有しなければならない。一旦、オブジェクトの一貫した組が利用できるようになると、それは、アトミック動作としてデータベースに加えられる。
【0165】
3. 各クライアント・システムは、それに埋め込まれた固有の、秘密鍵を有する。この秘密鍵にマッチしている公開鍵は、クライアント・タイプ、システムの格納の量などのようなこのクライアントについての他の興味深い情報と共に、「クライアント」管理オブジェクトにロードされる。これらのオブジェクトは、必要に応じて認証オブジェクトを生成するために使用される。
【0166】
4. 集約演算番組案内オブジェクトも、同じように加えられる。この場合、しかしながら、集約演算オブジェクトは、データベースにすでに存在する基本番組案内オブジェクトを参照しなければならない。テキスト説明、スクリーン・ベースのアイコン、および他の情報の属性のような他のオブジェクトも、集約演算オブジェクトに付けられる。一旦集約演算に対する補助オブジェクトの一貫した組が利用できるようになると、それは、アトミック動作としてデータベースに加えられる。
【0167】
5. クライアント・システムから収集されるデータ。
【0168】
視聴オブジェクトのソースはいかなる数でも存在し得、かつこの列挙法は、単に最も基本的な可能なソースを示すことは、明らかであろう。
【0169】
テレビ視聴オブジェクトの動作
中央管理テレビ視聴オブジェクト・データベースには、多数の動作が、可能である。以下の例は、実行することが出来る処理のタイプを示すが、可能性がある動作は、これらの例に限定されない。
【0170】
1. さまざまな視聴オブジェクトを使用して、多くの興味深い統計解析作業を、実行することができる。
1.1. 多数のアップロードされた動作状況オブジェクトを調べることによって、ハードウェアの信頼性の傾向および故障モードの広範囲な分析を実行することが可能になる。例えば、内部温度を、クライアント装置の期待されるMTBF (Mean Time Between Failures)に関連させることが可能である。
1.2. 多数のアップロードされた視聴情報を調べることによって、クライアント装置のさまざまな母集団に関する人口統計学的または心理学的情報を導出することが可能となる。たとえば、最も見られるテレビ番組を、クライアント装置が既存の特定の郵便番号と相関させることも可能である。
1.3. 同様に、多数の視聴情報オブジェクトを調べることによって、既存の番組評価方法とは異なる、完全に自動化された方法で、特定の番組のための「評価」および「共有」値を、生成することも可能である。
1.4. 視聴オブジェクト・データベースに実行されるかもしれない統計解析作業の他の例が、多く存在する。これらの例は、本発明の適用性を制限するものではなく、実行されるかもしれない動作のスペクトルを具体例で例示する。
【0171】
2. 専門集約演算オブジェクトは、全ての利用できる視聴オブジェクトの一つ以上の属性に基づいて、自動的に生成することができる。
【0172】
このような生成は、典型的には、先ず、各視聴オブジェクトからの番組の記述、俳優、監督等のような、興味がある情報を抽出し、かつ番組および属性の単純な表を構成することにより実行される。集約視聴オブジェクトは、次いで、一つ以上の属性を選択し、かつ選ばれたものが何らかの方法でマッチするそれらの番組を集約するために加えることにより生成される。
【0173】
これらのオブジェクトは、この場合、(おそらく、地理的または他の情報に基づく)伝送に対して生成されるスライスに含まれる。つくられるかもしれないいくつかの集計の具体例は、以下の通りである。
【0174】
2.1. 大都市の大リーグ・フットボール・ゲームのようなイベントに基づく集計。この場合、その都市内または周辺でクライアント装置によって視聴可能な全ての番組、および、プレーしているチームの名前、コーチ名、主なプレーヤの名前、球場の名前等に対して検索された番組の記述が、収集される。マッチング番組オブジェクトは、集約に加えられ、それは、次いで、その都市内または周辺でクライアント装置のみに伝送されるようスライスされる。
2.2. 多数の視聴者に共通して興味が持たれる人に基づく集計。例えば、翌週の放送が予約されている"John Wayne"の全ての映画について、集計が、構成されるかもしれない。
2.3. 視聴挙動に基づいて集計を、作成することができる。この場合、アップロードされた視聴オブジェクトは、視聴された番組のタイプ、視聴された実際の番組等のような、一般的な関心の要素に対して、走査される。たとえば、先週の全てのクライアント装置で視聴された番組の『トップ10のリスト』集計は、これらの番組の来週以降の表示を含むように、生成されるかもしれない。
2.4. 視聴者による明確な選択に基づく集計。番組の視聴の間、視聴者には、おそらく、4個の認識された属性(筋書き、作動、監督、映画撮影技術)の基に、現在の番組に「投票する」機会が、与えられるかもしれない。これは、後にアップロードされる視聴オブジェクトを生成する。これらの投票は、次いで、番組の全体の評価を決定するために走査され、それは、それらの閲覧に対して投票をした人々に伝送される。
2.5. 本発明の基本的な機能により、サービスオペレータが、閲覧および選択のためにクライアント装置のユーザに、関連した番組の予めソートされたおよび予め選択された群を提供することが可能になる方法の多くの他の具体例が、存在する。これらの具体例は、本発明の適用性を制限するものでは無く、実行されるかもしれない動作のスペクトルを具体例で例示するものである。
【0175】
3. 手動による方法も、また、集約オブジェクトを生成するために使用することができ、プロセスは、しばしば「オーサリング」と呼ばれる。この場合、集約を作成する人は、集約への明確な追加のために番組を選択する。それは、次いで、上述した方法と同様に伝送される。
【0176】
明らかに、集計演算番組オブジェクトは、また、嗜好の式または他の情報の記録も可能にすることができる。これらの結果は、集約生成または統計解析等の次のラウンドの根拠を形成するために中央管理サイトにアップロードすることができる。
【0177】
このフィードバック・ループは、サービス・プロバイダと、クライアント装置を使用している視聴者の世界との間の回路を閉じる。この固有のかつ新規な方法は、サービス・プロバイダが、信頼性が高くかつ一貫した動作を維持しつつ、個々の人々が興味を持つテレビ番組を視聴することを提示しかつ薦める、固有のかつ強制的な方法を提供することによって、新規な形のテレビ視聴を提供する。
【0178】
クライアント側のメカニズムによる、コンテンツのターゲット化
本発明のクライアント・システムのような「ファットクライアント」デバイスの出現によって、消費者に対し、非常に多くの効率的でかつ選択的なコンテンツのターゲット化を行うことが可能となる。従来のコンテンツのターゲット化メカニズムは、中央管理サーバによって行われるターゲット化の決定による、消費者のサーバ側のトラッキングに依存している。この中央管理方法は、いくつかの問題を提示する:
・スケーラビィティ−消費者の数が増大し、または、各々の消費者に関して保持される情報量が増大するに連れ、中央管理サーバは、その増大とともに、スケールアップする必要がある。これは、非常に高価となるであろう。
・プライバシー−消費者に関する情報は、中央管理位置に保持されている。多くの人は、このようなことを好まない。何人かは、参加を拒み、その結果、メカニズムの効果は、減少する。
・限定的なターゲット化−スケーラビィティとプライバシーとの双方によって課せられる制約は、達成されるであろうターゲットのタイプが限られてしまうことを意味する。いくつかのシステムは、郵便番号にしか依存しない。他のシステムは、獲得された類似の製品に基づいている。すべての情報を追跡し続けることができるシステムは、非常に多くのスペースが占用されるという理由か、消費者が単にそれを支持しないであろうという理由のいずれかにより、存在し得ない。
【0179】
本発明のクライアント・システムは、従来とは異なるアプローチを提供する。中央管理位置が消費者の情報を追跡し続けることに代えて、クライアント・システムが、消費者の情報を、自分自身の家庭のプライバシー内に保持する。このクライアント・システムは、どのような消費者をターゲットとするかについての決定を行う。本発明のアプローチは、中央管理サーバのアプローチとは逆に、多くの利点をもたらす。
【0180】
・スケーラビィティ−新たな消費者が加わると、彼らは、単純に、クライアント・システムを購入する。中央管理サーバを、増大させる必要がない。クライアントは、ファットであるので、それらは、新たな属性が情報を追跡し続けるために、容易に、新たなデータベーススキーマおよびオブジェクトを受け入れることができる。
・プライバシー−消費者に関する全ての事項は、彼らの家庭で、ローカルに格納される。クライアント・デバイスは、電話通信サーバに匿名のレポートデータを送り戻すことができるが、これは、必要条件ではない。
・無制限のターゲット化−クライアント・システムが、メタデータ、新たなデータベーススキーマ、および/または、ソフトウェア・アップグレードを受信することができるので、それらを、容易に、新たなターゲット化アルゴリズムによって再編成することができる。クライアント・システムにおける既存のアルゴリズムは、単に、既存のデータベースの新たなメタデータを送信することによって、または、新たなスキーマにより更新することによって、修正することしかできない。
【0181】
ターゲット化方法の例
本発明の、クライアントベースの形態のターゲット化は、無限の順応性がある。それは、TVショー、映画、広告、製品、およびサービス提供、音楽、ラジオ、オーディオ等の、(しかしながら、これらに限定されるものではない)、ほとんどのマルチメディアの状況に適用することができる。
【0182】
ここで、いくつかの例を挙げる:
【0183】
広告のターゲット化−人口統計学的な方法
図11および図12を参照すると、本発明の分散サーバ1101は、クライアント・システム1103、1104、1105に対して、利用可能な広告に関する情報を分散させている。人口統計学的方法を用いた消費者に対する広告のターゲット化は、以下のように発生する。
・クライアント・システム1103、1104、1105は、クライアント・システム自体の郵便番号しか追跡し続けない。
・分散サーバ1101は、全てのクライアント・システム1103、1104、1105に対して、郵便番号からPRIZMコードへのマッピングを、ダウンロード/放送する(下記参照)。
・クライアント・システム1103、1104、1105は、それから、それに関するPRIZMコードしか追跡し続けない。このクライアント・システムは、その他のコードを廃棄することが出来る。
・分散サーバ1101は、全てのクライアント・システム1103、1104 、1105に対して、各々の広告に適用される重要なPRIZMコード、広告の放送時間、その広告が提示する適切な日時、広告とともに提示する適切なショーを含む、利用可能な広告に関するメタデータを、ダウンロード/放送する。
・クライアント・システム1103、1104、1105は、それから、それ自体に、いずれの広告を取り込むかを決定し、かつ、サービス1101から受信されたメタデータに基づいて消費者に、それらを提示する。たとえば、サービスは、広告A、B、C、D、E、および、Fを含有しているカルーセルされたチャネル1202を送信する。クライアント・システム1 (1203)は、そのPRIZMコードに基づいて、カルーセルされたチャネル1202の、広告Bおよび広告Eをチューニングし、かつ、それらを取り込む。一方、クライアント・システム2 (1204)は、広告Dを取り込み、かつ、クライアント・システムn (1205)は、広告Bを取り込む。
・サービス1101を、一方向の、放送メカニズムとしても、消費者は、完全にターゲット化された広告を得ることに留意されたい。
【0184】
PRIZM (潜在力評価指数:Potential Rating Index for Zip Markets)システムは、米国の各々の郵便番号に対する、特性の標準化された集合を有する、クラスタと称されている、マーケティング領域を提供する。PRIZMでは、各々の郵便番号には、地域の共用される社会経済特性に基づいて、「62」のクラスタのうちの1個またはいくつかが割り当てられる。
【0185】
TV番組のターゲット化 ― 番組データのみの方法
この例は、特定の視聴者の視聴習慣からのデータおよびこれから放送される番組のデータを用いて、どのようにしてテレビ番組をその視聴者のターゲットとすることができるかを示している。視聴者の視聴プロファイルにマッチするこれから放送される番組は、上述したファジーな番組のように、記録される。
・分散サーバ1101は、全てのクライアント・システム1103、1104、1105に対して、番組(俳優、監督、ジャンル、その他)が記載されているメタデータを、放送/ダウンロードする。
・クライアント・システム1103、1104、1105は、記録されかつ視聴された番組、および、これらのショーに対するユーザの嗜好の情報を追跡し続ける。
・クライアント・システムは、クライアント・システムが知っている、各々の俳優、監督、ジャンル等への重み付けまたは評価を与える「嗜好プロファイル」を構築する。
・クライアント・システムは、このプロファイルに基づいて、ユーザの個人的な嗜好に合うであろう番組を選択する。
・サービス・プロバイダが、ユーザの個人的な嗜好については何も知らないことに、いま一度、留意されたい。全ての決定は、クライアントによって、個人的に行われる。
【0186】
TV番組のターゲット化−協調的な方法
この例は、記録される番組または視聴者に対して推奨される番組を選択するために、クライアント・システムが、どのように、協調的な情報、すなわち、ユーザ・ベース全体で収集される情報を用いるかについて例証する。
・分散サーバ1101は、クライアント・システム1103、1104、1105に対して、匿名の帰路データ(すなわち、視聴オブジェクトが、クライアント・システムから収集されているときのデータ)または他の方法(おそらく、編集物から)に基づいて生成された番組の対または組分けが記載されているメタデータを、放送/ダウンロードする。たとえば、「バーニー」を見る/好む家族は、「セサミ・ストリート」を見る/好む傾向を持つので、「バーニー」は、「セサミ・ストリート」と対にされる。
・このクライアント・システムは、この「相関テーブル」を取り出して、かつ、それを、視聴者が記録のために選択した番組、または、視聴者が関心を示した番組と比較する。高い相関がある他の番組が、それから、ファジーな記録として、推奨され、または、記録される。
・これは、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、ネットフリックス・ドット・コム(Netflix.com)等によって用いられている、他の「協調フィルタリング」技術と類似しているが、中央管理サーバが、特定のクライアントについて何も知る必要がないという点、および、推奨がクライアントによって作成されるという点が異なることに留意されたい。
【0187】
本発明は、本明細書では、好ましい実施形態を参照して記述されたが、当業者は、他のアプリケーションを、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本願明細書において記載されているものと置換することができることを、容易に認識するであろう。したがって、本発明は、請求項によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明の分散テレビ視聴管理システムの好ましい実施例のブロック略図である。
【図2】本発明による、番組のアクセスに対する、コンピュータの格納の視聴オブジェクトの構造のブロック略図である。
【図3】視聴オブジェクトのためのスキーマが、本発明によって、番組のアクセスに対し、コンピュータの格納においてどのように構成されるかを示すブロック略図である。
【図4】本発明の番組に関する情報を記述する視聴オブジェクトの間の関係の一例のグラフを示すブロック略図である。
【図5】本発明により興味がある番組を決定するために視聴者嗜好を処理するときに、生成される関係のグラフの一例を示すブロック略図である。
【図6】本発明の記録を作るための入力および格納空間の予約を示すブロック略図である。
【図7】本発明により、図6において表されるメカニズムを使用して記録を予約するためにとられるステップを示すフローチャートである。
【図8】本発明のブート・ストラップ・システム構成の本発明の好ましい実施例を示すブロック略図である。
【図9a】本発明のブート・ストラップ・コンポーネントの決定フローチャートのブロック略図である。
【図9b】本発明のブート・ストラップ・コンポーネントの決定フローチャートのブロック略図である。
【図10】本発明のソフトウェア・インストール手順のための決定フローチャートのブロック略図である。
【図11】本発明による、ローカルな視聴者情報に基づく放送信号から、コンテンツを記録する複数のクライアント・システムに対して、コンテンツ情報を分散させる、本発明の好ましい実施例のブロック略線図である。
【図12】本発明による、ローカルな視聴者情報に基づくカルーセルされた放送信号からコンテンツを記録する、複数のクライアント・システムを示す、ブロック略線図である。
【符号の説明】
【0189】
101 中央管理サイト
102 クライアント・コンピューティング・システム
103 スライシング
104 送信
105 収集
106 複製
107 分析
108 テレビ放送
109 ケーブルモデム
110 データ
111 電話通信サーバ
200 属性
201 タイプ
202 値
203 オブジェクトID
204 参照カウント
300 属性
301 各属性タイプ
302 タイプ
303 属性
401 John Ford
402 byactor
403 bydirector
404 オブジェクト
406 オブジェクト
407 テレビ「ネットワーク」オブジェクト
500 インクリメンタル
501 嗜好オブジェクト
502 集約オブジェクト
503 嗜好
504 テーブル
601 Space Schedule
602 Input Schedule
603 番組視聴嗜好
604 番組案内オブジェクト
800 記憶空間
801 時間
802 初期ブート・ストラップ
803 ディスク駆動装置
804 ブート・セクタ
806 ブート・ローダ
807 システム・カーネル
808 アプリケーション・ソフトウェア
809 スクラッチメモリ
1101 分散/電話通信サーバ
1102 ブロードキャスタ
1103、1104、1105 クライアント・システム
1202 チャネル
1203 クライアント・システム1
1204 クライアント・システム2
1205 クライアント・システムn

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント・システムを提供するステップと、
クライアント・システム上の視聴者の嗜好を追跡するステップとを備え、
クライアント・システムを用いて視聴者にマルチメディア・コンテンツをターゲット化するプロセスであって、
当該クライアント・システムが、当該追跡された嗜好を用いて視聴者をプロファイルするステップと、
将来放送されるコンテンツに関するサーバからの情報を受信するクライアント・システム上の情報受信手段を提供するステップと、
当該視聴者プロファイルを用いて当該受信情報に記載されているコンテンツを選択するクライアント・システム上のコンテンツ記録手段を提供するするステップとを備える、ターゲット化プロセス。
【請求項2】
当該受信された情報は、コンテンツ・ショータイム、コンテンツのタイトル、コンテンツのターゲット化情報、および、チャンネル情報を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
当該コンテンツ記録手段は、コンテンツのターゲット化情報を当該視聴者プロファイルと比較することによってコンテンツを選択し、当該コンテンツのターゲット化情報が当該視聴者プロファイルの特定情報の所定のレンジ内に含まれる場合、当該コンテンツ記録手段は記録のためのコンテンツを予約する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
当該コンテンツは、テレビショー、映画、広告、製品および、サービス提供、および、オーディオコンテンツに限定されない、放送を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
当該コンテンツ記録手段は、指定された時間に特定のチャネルにチューニングし、選択されたコンテンツを記録する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
複数のクライアント・システムを備え、
クライアント・システム上の視聴者の嗜好を追跡する、
クライアント・システムを用いて視聴者にマルチメディア・コンテンツをターゲットにする装置であって、
当該クライアント・システムは、当該追跡された嗜好を用いて視聴者をプロファイルし、
将来放送されるコンテンツに関するサーバから情報を受信するクライアント・システム上の情報受信手段と、
当該視聴者プロファイルを用いて当該受信された情報に記載されているコンテンツを選択するクライアント・システム上のコンテンツ記録手段とを備える装置。
【請求項7】
当該受信された情報は、コンテンツ・ショータイム、コンテンツのタイトル、コンテンツのターゲット化情報、および、チャンネル情報を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
当該コンテンツ記録手段は、コンテンツのターゲット化情報を当該視聴者プロファイルと比較することによってコンテンツを選択し、かつ、当該コンテンツのターゲット化情報が当該視聴者プロファイルの特定情報の所定のレンジ内に含まれる場合、当該コンテンツ記録手段は、記録のためのコンテンツを予約する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
当該コンテンツは、テレビショー、映画、広告、製品、および、サービス提供、および、オーディオコンテンツに限定されない放送を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
当該コンテンツ記録手段は、指定された時間に、特定のチャネルにチューニングし、選択されたコンテンツを記録する、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
複数のクライアント・システムを提供するステップと、
クライアント・システム上の視聴者の嗜好を追跡するステップとを備え、
クライアント・システムを用いて視聴者にマルチメディア・コンテンツをターゲットにする方法ステップを行うコンピュータによって実行可能な命令のプログラムを確実に包含する、コンピュータによって読み込み可能なプログラム格納媒体であって、
当該クライアント・システムは、当該追跡された嗜好を用いて視聴者をプロファイルし、
クライアント・システム上の情報を受信している手段を将来放送されるコンテンツに関するサーバから情報を受信することに提供するステップと、
将来放送されるコンテンツに関するサーバから情報を受信するクライアント・システム上の情報受信手段を提供するステップとを備えるプログラム格納媒体。
【請求項12】
当該受信された情報は、コンテンツ・ショータイム、コンテンツのタイトル、コンテンツのターゲット化情報、および、チャンネル情報を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
当該コンテンツ記録手段は、コンテンツのターゲット化情報を当該視聴者プロファイルと比較することによってコンテンツを選択し、かつ、当該コンテンツのターゲット化情報が当該視聴者プロファイルの特定情報の所定のレンジ内に含まれる場合、当該コンテンツ記録手段は、記録のためのコンテンツを予約する、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
当該コンテンツは、テレビショー、映画、広告、製品、および、サービス提供、および、オーディオコンテンツに限定されない放送を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
当該コンテンツ記録手段は、指定された時間に、特定のチャネルにチューニングし、選択されたコンテンツを記録する、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−536763(P2007−536763A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500885(P2006−500885)
【出願日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/000564
【国際公開番号】WO2004/063892
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(502099382)ティヴォ インク (55)
【Fターム(参考)】