説明

クラッカー用の紐引き装置、クラッカー玩具

【課題】クラッカーの引き紐を円滑に引くことができるクラッカー用の紐引き装置と、クラッカー及び前記クラッカー用の紐引き装置を用いたクラッカー玩具とを提供する。
【解決手段】クラッカー用の紐引き装置2は、火薬体が収容されたクラッカー本体部1aと、前記火薬体に接続されると共に前記クラッカー本体部1aから延出され、引張られて火薬体に摺動して火薬体を爆発させる引き紐1bとを備えるものであって、前記引き紐1bが取り付けられ、前記火薬体が爆発しないように引き紐1bを保持する待機位置と前記火薬体が爆発するように引き紐1bを引張って火薬体に摺動させる爆発位置との間を移動可能な被取付体220と、前記被取付体220を待機位置から爆発位置に向けて付勢する付勢手段230と、前記付勢手段230の付勢力に抗して、前記被取付体220を待機位置で係止する係止部と、前記係止部による係止を解除する解除部260と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッカーの引き紐を引張るクラッカー用の紐引き装置と、クラッカー及び前記クラッカー用の紐引き装置を用いたクラッカー玩具とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クラッカー本体部と、該クラッカー本体部の内部に設けられる火薬体及び被噴出物と、前記火薬体に接続されると共に前記クラッカー本体部から延出され、引張られて火薬体に摺動することで火薬体を爆発させて被噴出物を噴出させる引き紐とを備えるクラッカーの前記引き紐を引張るためのクラッカー用の紐引き装置が知られている(特許文献1)。この装置は、基台と、該基台上に設けられ、回転軸を有して該回転軸を中心に回転する回転体と、該回転体を回転操作するためのハンドルと、前記回転体に設けられて引き紐が連結される連結体とを備えている。
【0003】
具体的には、基台は、略長方形の平板状の平板部と、該平板部の短手方向の両端部に立設された軸受け部とを備えて構成されている。軸受け部には、孔が貫通して設けられている。回転体は、円筒状の円筒部と、該円筒部の外周部に周方向に沿って形成される円弧状の作動溝と、前記円筒部の中心軸に沿って円筒部の一端部外方から他端部外方に亘って設けられて円筒部を中心軸回りに回転させる棒状の回転軸とを備えて構成されている。回転軸の一端部及び他端部は、軸受けの孔に貫通して回動可能に基台に保持されており、回転軸の他端部には、回転軸を回転させるハンドルが設けられている。ハンドルは、把持可能な把持部を備えて構成されている。また、連結体は、板状部と、該板状部の長手方向の一端部側に設けられてクラッカーの引き紐を取付ける紐連結部とを備えて構成されている。この連結体は、板状部の一端部側が前記作動溝から回転体の径外方向に突出して他端部側が回転体内部に収納されている。具体的には、板状部は、回転体の外側に位置する外側部と内側に位置する内側部とに各々ピンを設けて回転体に保持されている。即ち、連結体は、作動溝を周方向に自在に移動できるが、径方向内外には移動できないように、前記ピンで規制されている。
【0004】
かかるクラッカー用の紐引き装置では、クラッカーの引き紐を引くとき、操作者はハンドルを把持して回転操作することによって、回転体を回転させて作動溝を周方向に移動させ、作動溝の周方向の一端部に連結体を当接させる。続けて、操作者は、作動溝の周方向の一端部に連結体が位置する状態から、ハンドルを更に回転操作して、回転体を回転させて作動溝を周方向に移動させると、作動溝の一端部で板状部(連結体)が周方向に押される。この作動溝の一端部による連結体の押動に伴って、紐連結部(連結体)に取り付けられたクラッカーの引き紐は、引張られて火薬体に摺動しながら引き抜かれる。引き紐が火薬体に摺動すると、クラッカーでは、引き紐と火薬体との摩擦によって火薬体が爆発し、被噴出物が噴出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−99657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のクラッカー用の紐引き装置では、クラッカーの引き紐を引く際に、操作者は、ハンドルの回転操作によって、作動溝の一端部に連結体が当接するまで回転体を回転させ、作動溝の一端部で連結体を周方向に押して移動させることを要するので、クラッカーの引き紐を引く操作が煩雑であった。よって、操作に遅延が生じて、クラッカーの引き紐を円滑に引くことができず、操作性の面で改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、クラッカーの引き紐を円滑に引くことができて操作性が良いクラッカー用の紐引き装置と、クラッカー及び前記クラッカー用の紐引き装置を用いたクラッカー玩具とを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るクラッカー用の紐引き装置は、上記課題を解決するためになされたもので、火薬体が収容されたクラッカー本体部と、前記火薬体に接続されると共に前記クラッカー本体部から延出され、引張られて火薬体に摺動することで火薬体を爆発させるように構成される引き紐とを備えるクラッカーの前記引き紐を引張るクラッカー用の紐引き装置であって、前記引き紐が取り付けられる被取付体であって、前記火薬体が爆発しないように引き紐を保持する待機位置と前記火薬体が爆発するように引き紐を引張って火薬体に摺動させる爆発位置との間を移動可能に構成された被取付体と、前記被取付体を待機位置から爆発位置に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記被取付体を待機位置で係止する係止部と、前記係止部による係止を解除する解除部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
かかるクラッカー用の紐引き装置にあっては、待機位置において係止部で係止されている被取付体に引き紐を取り付けることによって、引き紐を引く準備が整う。そして、クラッカーを発射させたい所望のタイミングで、解除部によって係止部による被取付体への係止を解除すると、被取付体は、付勢手段の付勢によって待機位置から爆発位置へと移動する。かかる移動に伴って、被取付体で引き紐は引張られ、火薬体に摺動することで該火薬体が爆発してクラッカーが発射する。このように、解除部によって係止部による被取付体への係止を解除すると、被取付体が付勢手段の付勢によって待機位置から爆発位置へと移動するので、引き紐を円滑に引張ることができて操作性が良い。
【0010】
また、本発明に係るクラッカー用の紐引き装置は、前記係止部が、待機位置に位置する被取付体を、該被取付体よりも爆発位置側から支持する支持部を備え、該支持部には、被取付体が嵌入する嵌入部が形成されるように構成することも可能である。
【0011】
かかるクラッカー用の紐引き装置にあっては、待機位置に位置する被取付体が、該被取付体よりも爆発位置側から支持部で支持されて嵌入部に嵌入しているので、被取付体を付勢手段の付勢力に抗して待機位置に確実に係止することができる。それ故、例えばクラッカーの引き紐を待機位置に位置する被取付体に取付けた状態のクラッカー用の紐引き装置を運搬時等に、係止部による係止が不用意に解除されてしまい、被取付体が付勢手段の付勢によって待機位置から爆発位置へと移動して、クラッカーの引き紐が引張られて火薬体に摺動し、火薬体が爆発(暴発)することを防止することができ、従って安全性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係るクラッカー用の紐引き装置は、前記待機位置と前記爆発位置との間には、前記解除部によって係止部による係止が解除された被取付体の爆発位置への移動の始端となる移動開始位置が設けられており、前記解除部が、待機位置に位置する被取付体を移動開始位置に移動させることで、係止部による係止を解除するように構成することも可能である。
【0013】
かかるクラッカー用の紐引き装置にあっては、解除部が、待機位置に位置する被取付体を待機位置と爆発位置との間に設けられた移動開始位置に移動させることで、係止部による係止が解除されるので、係止部による係止を容易に解除することができる。
【0014】
また、本発明に係るクラッカー用の紐引き装置は、被取付体の移動開始位置から爆発位置までの移動をガイドするガイド部を備えるように構成することも可能である。
【0015】
かかるクラッカー用の紐引き装置にあっては、解除部が待機位置に位置する被取付体を移動開始位置に移動させたとき、被取付体は、ガイド部によって、移動開始位置から爆発位置までガイドされて移動するので、被取付体に取り付けた引き紐を爆発位置まで引張って火薬体を確実に爆発させることができる。
【0016】
また、本発明に係るクラッカー玩具は、火薬体が収容されたクラッカー本体部及び前記火薬体に接続されると共に前記クラッカー本体部から延出され、引張られて火薬体に摺動することで火薬体を爆発させるように構成される引き紐を備えるクラッカーと、前記クラッカー用の紐引き装置と、を備えることを特徴とする。
【0017】
かかるクラッカー玩具にあっては、待機位置において係止部で係止されている被取付体に引き紐を取り付けることによって、引き紐を引く準備が整う。そして、クラッカーを発射させたい所望のタイミングで、解除部によって係止部による被取付体への係止を解除すると、被取付体は、付勢手段の付勢によって待機位置から爆発位置へと移動する。かかる移動に伴って、被取付体で引き紐は引張られ、火薬体に摺動することで該火薬体が爆発してクラッカーが発射する。このように、解除部によって係止部による被取付体への係止を解除すると、被取付体が付勢手段の付勢によって待機位置から爆発位置へと移動するので、引き紐を円滑に引張ることができて操作性が良い。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係るクラッカー用の紐引き装置と、クラッカー及び前記クラッカー用の紐引き装置を用いたクラッカー玩具とによれば、引き紐が取り付けられる被取付体であって、火薬体が爆発しないように引き紐を保持する待機位置と前記火薬体が爆発するように引き紐を引張る爆発位置との間を移動可能に構成された被取付体と、前記被取付体を待機位置から爆発位置に向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記被取付体を待機位置で係止する係止部と、前記係止部による係止を解除する解除部と、を備えるので、解除部によって係止部による被取付体への係止を解除することで、被取付体を付勢手段の付勢によって待機位置から爆発位置へと移動させることができて、引き紐を円滑に引張ることができ、従って、操作性が良いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るクラッカー玩具の一実施形態を示す図であり、(a)はクラッカー玩具の全体図、(b)はクラッカー玩具内の概略外形図を示す。
【図2】本発明に係るクラッカー用の紐引き装置の正面図であって、クラッカーの引き紐を引く前の状態の図を示す。
【図3】同クラッカー用の紐引き装置の側面図であって、同引き紐を引く前の状態の図を示す。
【図4】同クラッカー用の紐引き装置の側面図であって、同引き紐を引いた状態の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るクラッカー用の紐引き装置及びクラッカー玩具の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。尚、以下の説明において、図1(b)の正面図を基準に、上下方向、左右方向を規定し、紙面表裏方向を前後方向と規定する。
【0021】
本実施形態に係るクラッカー玩具は、図1(a)及び(b)に示すように、クラッカー1と、クラッカー用の紐引き装置2と、前記クラッカー用の紐引き装置2が取り付けられ、かつ、前記クラッカー1を収納する収納部3と、クラッカー用の紐引き装置2及び収納部3を収納する樽部4とを備える。
【0022】
クラッカー1は、クラッカー本体部1aと、該クラッカー本体部1aに収納される火薬体及び被噴出物(図示省略)と、クラッカー本体部1a外に延出される引き紐1bとを備える。クラッカー本体部1aは、円筒状をなしており、断面略円形で上下方向に長く形成されている。また、クラッカー本体部1aの上面は閉塞されて、下面は開放されており、クラッカー本体部1aの内部は中空をなしている。火薬体は、赤燐火薬や黒色火薬などで構成される。被噴出物は、メタルテープ、小巻テープ、紙吹雪、メタル吹雪、コットンボール、ぬいぐるみ、パラシュートその他被噴出物のいずれか一つ又はその組合せで構成される。火薬体及び被噴出物は、共にクラッカー本体部1aの内部に設けられる。引き紐1bは、紐状をなして構成されている。また、引き紐1bは、一端部側がクラッカー本体部1aの下面を貫通して内部に収納される火薬体に接続され、他端部側がクラッカー本体部1aの外部に延出されるようにクラッカー本体部1aの下側に設けられている。
【0023】
尚、本実施形態では、クラッカー1は、二つのクラッカー本体部1aと、各クラッカー本体部1aから延出される二本の引き紐1bと、クラッカー本体部1a及び引き紐1bの一部を収納する筒状の外装体1cとが一体で構成されている(図1(b)参照)。また、外装体1cの内側では、ボンドなどの接着剤を用いてクラッカー本体部1aが固着されている。
【0024】
かかるクラッカー1では、引き紐1bの他端部側が引張られて、一端部側が火薬体に摺動すると、引き紐1bと火薬体との摩擦によって、火薬体が爆発し被噴出物がクラッカー本体部1a外に(具体的には、上面の飛出口から)噴出する。
【0025】
また、本実施形態に係るクラッカー用の紐引き装置2は、図1(b)、図2及び図3に示すように、クラッカー1の引き紐1bを引張ってクラッカー1(具体的には、クラッカー本体部1aの内部に収納されている被噴出物)を発射させることができる装置である。このクラッカー用の紐引き装置2は、左右方向に対向する一対の側板212を有し平面視略凹状をなす本体部210と、該本体部210の一対の側板212に保持され、前記クラッカー1の引き紐1bが取付けられる棒状の被取付体220と、該被取付体220の各端部側を本体部210の下部に繋ぐようにして一対設けられ、被取付体220を付勢するコイル状の付勢手段230とを備える。また、クラッカー用の紐引き装置2は、本体部210の上部に設けられて平面視略凹状をなす解除部260と、該解除部260を操作する操作手段270とを備える。
【0026】
本体部210は、奥板211と、該奥板211の左右方向の両端から前方に延設されて対向する一対の側板212と、該側板212の上端から左右方向外向き(奥板211から離れる方向)に設けられる一対の天板213とを有してなる。奥板211は、平板状をなしており、軽量化のための孔214を備える(図2参照)。本実施形態では、奥板211は、正面視略U字形状にくり抜かれており、このくり抜かれた部分が孔214となっている。
【0027】
側板212は、平板状をなしており、側板212の上下方向の長さは、奥板211の上下方向の長さよりも長い。また、側板212は、図3に示すように、奥板211の上下方向の長さよりも長い部分の後方側が略長方形状に切り欠かれている。かかる側板212には、前後方向に沿う長孔A1と、上下方向に沿う長孔A2とがつながって形成される略L字形状の孔Aが形成されている(図3又は図4参照)。具体的には、側板212には、前後方向に沿う長孔A1を形成する周壁である係止部240と、上下方向に沿う長孔A2を形成する周壁であり、前記係止部240の前部から下方に連設されるガイド部250とが形成されている。
【0028】
係止部240は、側板212に貫通して設けられる前後方向に直線状をなす長孔A1を形成する上部と下部と後部との壁部から構成される。上部と下部との壁部は、前後方向に沿って形成されており、上下方向に離間して対向している。また、上部の壁部は、下部の壁部よりも前後方向の長さが長い。この上部と下部との壁部の後方は、後方向に凸の断面略円弧状をなす後部の壁部によって連結されている。
【0029】
ここで、下部の壁部が支持部241であり、支持部241は、後部に下方に凸の断面略円弧状に形成された凹部(切欠き)である嵌入部242を備える(図3参照)。本実施形態では、嵌入部242の深さは、最大5mm程度で構成されている。
【0030】
ガイド部250は、側板212に貫通して設けられる上下方向に直線状をなす長孔A2を形成する上部と下部と前部と後部との壁部から構成される。上部と下部との壁部は、前後方向に沿って形成され、上下方向に離間して対向している。両壁部の前後方向の長さは略等しい。かかる上部と下部との壁部の前方は、前部の壁部によって連結されている。また、下部の壁部の後方からは、後部の壁部が延設されている。前部と後部との壁部は、上下方向に沿って形成され、前後方向に離間して対向している。前部の壁部は、後部の壁部よりも上下方向の長さが長い。
【0031】
かかるガイド部250は、係止部240から連設して側板212に形成されている。具体的には、ガイド部250における上部の壁部の後方は、係止部240における上部の壁部の前方から延設されており、ガイド部250における後部の壁部の上方は、支持部241(係止部240)における下部の壁部の前方から延設されている。尚、ガイド部250の下端よりも下方に、円柱状の突起部280が設けられている(図3参照)。
【0032】
天板213は、平板状をなしており、対向する一対の側板212の各上端から、左右方向外向きに延設されている。
【0033】
被取付体220は、左右方向に沿う円柱状をなしている。被取付体220は、第一円柱体221と、該第一円柱体221の左右方向の両端から外方に延設される第二円柱体222とから構成される(図2参照)。また、第一円柱体221と第二円柱体222とが接続される部分には、周方向に沿って溝部223が形成されている。
【0034】
第一円柱体221は、円柱状(或いは円筒状)をなしている。具体的には、第一円柱体221は、径が略一定の円柱状をなす大径部分と、その両端に設けられ、大径部分よりも径が小径で略一定の円柱状をなす小径部分とから構成されている。この第一円柱体221の大径部分の中央部には、小孔224が貫通して設けられている。小孔224は、断面略円形で、例えば直径が約4mmの孔からなり、本実施形態では、第一円柱体221の左右方向に8mm程度離間して設けられる2つの孔で構成される。
【0035】
第二円柱体222は、小径部225と、該小径部225の一端から連設される大径部226とを有してなる。小径部225は、径が略一定の円筒状をなしており、第一円柱体221(具体的には、大径部分)と略同径もしくは大径である。大径部226は、径が略一定の円柱状をなしており、小径部225よりも大径をなしている。この第二円柱体222は、ネジN0を用いて第一円柱体221の両端部(小径部分)に取付けられ、第二円柱体222と第一円柱体221との間には、溝部223が形成されている。
【0036】
かかる被取付体220は、本体部210の側板212に形成される係止部240又はガイド部250に規制されて移動可能に、本体部210の一対の側板212に保持されている。具体的には、本体部210の一対の側板212に形成される略L字形状の孔A(A1,A2)に係合(嵌入)することで、本体部210に保持されている。詳細には、被取付体220の第一円柱体221は、本体部210の一対の側板212の間に配置され、第二円柱体222の小径部225は側板212の略L字形状の孔A(A1,A2)を貫通して、係止部240又はガイド部250に配置され、第二円柱体222の大径部226は、一対の側板212の外側から該側板212を挟むようにして配置されている(図2参照)。
【0037】
付勢手段230は、上下方向に沿って形成される螺旋状のバネ231と、該バネ231の上端及び下端から各々外方に延設される環状の引掛け部232とから構成される(図2参照)。付勢手段230は、本実施形態では、付勢力を有する引張コイルバネから構成される。
【0038】
かかる付勢手段230は、本体部210に設けられている。具体的には、バネ231の上端から上方に延設される引掛け部232は、被取付体220の溝部223に引掛けられている(係合している)。また、バネ231の下端から下方に延設される引掛け部232は、側部の下部で係止部240及びガイド部250よりも後方に設けられるネジN1に引掛けられている(図2及び図3参照)。即ち、付勢手段230は、係止部240又はガイド部250に配置される被取付体220に対して、下方かつ後方への付勢力を及ぼすようにして本体部210に取り付けられている(図3参照)。
【0039】
解除部260は、係止部240からガイド部250に被取付体220を移動させるための手段であり、平板状の奥面板261と、該奥面板261の左右方向の両端から前方に設けられて対向する一対の側面板262とを備える(図2及び図3参照)。奥面板261は、左右方向に長い正面視略矩形をなしており、奥面板261の左右方向の長さは、奥板211の左右方向の長さより若干短い。側面板262は、略L字形状をなしており、前後方向に沿う第一直線部263と、該第一直線部263の前部の下端から下方に延設される第二直線部264と、該第二直線部264の後部の下端から下方に延設される突片265とを備える(図3参照)。かかる解除部260は、対向する一対の側板212の間に設けられている。具体的には、一対の側面板262(左右の側面板)は、一対の側板212(左右の側板)に対して、ネジN2を左右方向外向きに貫通させボルト止めされることで取付けられている(図2参照)。この解除部260は、本体部210に対してネジN2を固定軸にし、ネジN2の軸回りに旋回(回動)するように構成されている。
【0040】
操作手段270は、解除部260を操作するための手段であり、電磁アクチュエータ271と、電波を送信する送信装置272と、電磁アクチュエータ271に電気的に接続され、前記送信装置272からの電波を受信する受信装置273とを備える(図1(b)及び図3参照)。
【0041】
電磁アクチュエータ271は、いわゆるソレノイドアクチュエータで構成され、本体部271aと、本体部271aの上部に設けられて上下方向に移動可能な可動部271bとを備える。本体部271aは、円柱状体をなしている。可動部271bは、棒状体をなし、可動部271bの上部には、上下方向に沿う隙間が形成されている。かかる電磁アクチュエータ271では、本体部271aに電気が流されると、可動部271bが下動するように構成されている。この電磁アクチュエータ271は、奥板211(本体部210)の後方に設けられている。具体的には、本体部271aは、奥板211の後面に設けられた中空の箱体Hに収納されている。また、可動部271bは、連結具290によって解除部260の奥面板261に連結されている(図3参照)。連結具290は、奥面板261の後面に設けられて平面視略凹状をなす凹形状部291と、平板状の板状部292とを有する。板状部292の下部は、可動部271bの上部の隙間に挿通され、例えば割ピンで軸止めされており、軸回りに回転可能な状態となっている。板状部292の上部は、前記凹形状部291に左右方向に設けられた棒状の軸部293に貫通されている。かかる板状部292は、軸部293の軸回りに回転可能な状態となっている。
【0042】
送信装置272は、電波を受信装置273に送信可能に構成されている。送信装置272は、本実施形態では、押しボタン272aを有するリモコンであって、ボタン272aを押下することで、受信装置273に電波を送信可能に構成される(図1(b)参照)。
【0043】
受信装置273は、筐体状をなしている。この受信装置273は、送信装置272からの電波を受信して、当該受信に基づき、電磁アクチュエータ271の本体部271aに接続されたケーブルCを介して、本体部271aに電気を流すように構成されている。本実施形態では、受信装置273は、例えば電池から電源供給がなされ、電池の寿命が短くなると(電圧が降下すると)、点灯表示するランプと、安定した電気供給(電圧降下防止)をするためのコンデンサとを有する。
【0044】
以上のように構成されるクラッカー用の紐引き装置2の動作について説明しておくと、かかるクラッカー用の紐引き装置2では、送信装置272の操作(ボタン272aの押下操作)によって、図3及び4に示すように、解除部260を回動させる。この回動に伴って、クラッカー1の引き紐1bが取付けられる被取付体220は、クラッカー1の火薬体が爆発しないように引き紐1bを保持する待機位置Sから火薬体が爆発するように引き紐1bを引張る爆発位置Lに移動する。尚、爆発位置Lを経た被取付体220は、移動終端位置Tまで移動する。また、待機位置Sと爆発位置Lとの間には、被取付体220の爆発位置Lへの移動の始端となる移動開始位置Mが設けられている。
【0045】
ここで、待機位置Sは、本実施形態では、被取付体220が付勢手段230の付勢力に抗して係止部240(即ち、支持部241又は嵌入部242)によって係止されている位置を指す(図3参照)。また、爆発位置Lは、移動開始位置Mと移動終端位置Tとの間に位置しており、本実施形態では、被取付体220が付勢手段230によってガイド部250の上下方向の中央部近傍に付勢されている位置を指す(図4参照)。また、移動開始位置Mは、本実施形態では、解除部260によって係止部240による係止が解除された被取付体220が待機位置Sから爆発位置L(又は、移動終端位置T)に移動する始端となる位置であって、係止部240とガイド部250との連結部分の近傍からガイド部250の上端(上部の壁部)近傍に掛けての位置を指す。移動終端位置Tは、本実施形態では、被取付体220が移動開始位置Mから爆発位置Lを経て到達する終端となる位置であって、ガイド部250の下端(下部の壁部)或いは下端近傍の位置を指す。
【0046】
従って、クラッカー用の紐引き装置2の上記構成要素について換言すれば、被取付体220は、待機位置Sと爆発位置L(又は、移動終端位置T)との間を移動可能に構成されている。付勢手段230は、被取付体220を待機位置Sから爆発位置L(又は、移動終端位置T)に向けて付勢するように構成されている。係止部240は、付勢手段230の付勢力に抗して、被取付体220を待機位置Sで係止するように構成されている。この係止部240は、待機位置Sに位置する被取付体220を、該被取付体220よりも爆発位置L側から支持する支持部241を備え、該支持部241には、被取付体220が嵌入する嵌入部242が形成されている。ガイド部250は、被取付体220の移動開始位置Mから爆発位置L(又は、移動終端位置T)への移動をガイドするように構成されている。解除部260は、待機位置Sに位置する被取付体220を移動開始位置Mに移動させることで、係止部240による係止を解除するように構成されている。
【0047】
更に、クラッカー用の紐引き装置2の動作を詳しく説明しておくと、送信装置272の操作(ボタン272aの押下操作)前の準備として、クラッカー1の引き紐1bが取付けられる被取付体220は、付勢手段230の付勢力に抗して、嵌入部242に嵌入されて待機位置Sに係止(待機)される(図1(b)、図2及び図3参照)。このとき、電磁アクチュエータ271の可動部271bは、本体部271aから上方に所定長突出した状態となっている。更に、連結具290を介して可動部271bと連結される突片265(解除部260)は、図3の側面視における投影のように、係止部240より後方に位置している。
【0048】
そして、送信装置272を操作(リモコンのボタン272aを押下)すると、送信装置272から受信装置273に電波が送信される。電波を受信した受信装置273は、ケーブルCを介して電磁アクチュエータ271(本体部271a)に電気を流す。電気が流された電磁アクチュエータ271では、可動部271bが下方に移動する(図4参照)。更に、連結具290を介して可動部271bと連結される解除部260は、ネジN2の軸回りに回動する。この回動に伴って、突片265は、図4の側面視における投影のように、係止部240の後部から中央部程度に及ぶ位置に移動する。即ち、突片265は、嵌入部242に嵌入して係止されていた被取付体220の係止を解除して、係止部240とガイド部250との連結部分の近傍(或いは、ガイド部250の上端近傍)まで、つまり、待機位置Sから移動開始位置Mまで被取付体220を移動させる。移動開始位置Mに移動した被取付体220は、付勢手段230の付勢力によって付勢され、ガイド部250に規制(案内)されながら、ガイド部250の上端近傍から中央部近傍を経て下端まで、即ち、移動開始位置Mから爆発位置Lを経て移動終端位置Tまで移動する(図4参照)。尚、爆発位置Lでは、クラッカー1の火薬体が爆発するように引き紐1bが引張られることになるので、クラッカー1が発射(即ち被噴出物が噴出)される。
【0049】
収納部3は、クラッカー1を収納又は保持する収納体310と、該収納体310を保持する保持台320とを有し、一体的に形成される。収納体310は、径が略一定の円筒状をなし、内側に中空部311が設けられて構成されており、例えば紙管からなる。保持台320は、収納体310の上端に形成される上板321と、収納体310の下端に形成される下板322と、上板321及び下板322の間に設けられる円柱状の支柱323とを有する(図1(b)参照)。上板321は、円形状の薄板をなしており、その中央部には、中空部311と略同径の上板孔が形成されている。かかる上板孔は、収納体310の中空部311の上方と連通している。下板322は、円形状の薄板をなしており、その中央部には、中空部311より小径の下板孔が形成されている。かかる下板孔は、収納体310の中空部311の下方と連通している。
【0050】
かかる収納部3には、クラッカー用の紐引き装置2が取付けられている。具体的には、クラッカー用の紐引き装置2の天板213の上面と保持台320の下板322の下面とを密着させた状態で、ネジN3及びボルトを用いて、クラッカー用の紐引き装置2が保持台320に取付けられている。尚、被取付体220は、係止部240の嵌入部242に嵌入された状態で側板212に保持されている(図1(b)、図2及び図3参照)。
【0051】
また、収納部3には、クラッカー1が収納されている。具体的には、収納体310の中空部311に、クラッカー1(具体的には、クラッカー本体部1aの一部と引き紐1bの一部と外装体1cの一部)が挿入されて、外装体1cの下部が保持台320の下板322に載置されている。また、引き紐1bは、下板322の下板孔から下方に延出されている。この下方に延出された引き紐1bは、嵌入部242に嵌入された被取付体220の第一円柱体221における一つ目の小孔224に対して前方側から後方側に挿通され、更に二つ目の小孔224に対しても前方側から後方側に挿通されている(図1(b)参照)。
【0052】
このようにクラッカー用の紐引き装置2が取付けられ、かつ、クラッカー1が収納された収納部3は、上板321が後述の樽部4の蓋となるようにして、樽部4の上方から嵌め込まれて収納される。
【0053】
樽部4は、側面に複数の孔4aを有する樽であり、前記孔4aには、例えば玩具の剣やスティックなどの挿入体を挿入可能に構成されている(図1(a)参照)。また、樽部4の上面は開口され、樽部4の下面は底部で閉塞されている。かかる樽部4では、上面の開口を閉塞するように、収納部3の上板321が嵌合されて、収納部3、クラッカー用の紐引き装置2、クラッカー1が内部に収納されている。
【0054】
以上のような構成のクラッカーは、例えば、披露宴などの宴会の催し物として用いられる。具体的には、複数のプレーヤ(ゲームに参加した者)は、図1(a)に示す樽部4の孔4aの一つに玩具の剣を順に挿し込んでいく。そして、特定のプレーヤが玩具の剣を孔4aに挿し込んだときに、操作者(例えばゲームの司会者・進行役)が送信装置272を操作して、クラッカーの火薬体を爆発させて被噴出物(メタルテープなど)を噴出させる。
【0055】
詳細には、操作者による送信装置272の操作前におけるクラッカー用の紐引き装置2では、図1(b)及び図2及び図3に示すように、被取付体220は、係止部240の支持部241によって付勢手段230の付勢力に抗して、待機位置Sで係止されるように準備される。このとき、被取付体220は、被取付体220よりも爆発位置L側から支持部241で支持されている。詳細には、被取付体220は、嵌入部242に嵌入しており、また、被取付体220は、クラッカー1の火薬体が爆発しないように引き紐1bを保持している。
【0056】
そして、操作者が任意のタイミングで送信装置272を操作(例えばリモコンのボタン272aを押下)すると、送信装置272から受信装置273に電波が送信される。電波を受信した受信装置273は、ケーブルCを介して電磁アクチュエータ271(本体部271a)に電気を流す。電気が流された電磁アクチュエータ271では、可動部271bが下方に移動する。図4に示すように、可動部271bが下方に動いたとき、可動部271bに連結具290を介して連結された解除部260は、ネジN2の軸回りに回動する。この回動に伴って、突片265によって、被取付体220が嵌入部242から押し出されて、ガイド部250の上端近傍に移動する。換言すれば、被取付体220は、解除部260によって待機位置Sから移動開始位置Mに移動させられ、係止部240による係止が解除される。移動開始位置Mに移動した被取付体220は、付勢手段230に付勢されて、ガイド部250に規制されて中央部近傍の爆発位置Lを経て下端の移動終端位置Tまで案内される(図4参照)。尚、ガイド部250の下端の移動終端位置Tまで案内された被取付体220の第二円柱体222は、突起部280に当接する(図4参照)。即ち、突起部280は、第二円柱体222によるガイド部250の下端への衝撃を吸収している。
【0057】
ここで、被取付体220がガイド部250に規制(案内)されつつ、付勢手段230の付勢力によって付勢されて移動開始位置Mから爆発位置Lに移動すると同時に、被取付体220に取付けられた引き紐1bは、下方向(引張方向)に引張られて火薬体に摺動する。詳細には、クラッカー1では、引き紐1bの一端側が火薬体に摺動し、引き紐1bと火薬体との摩擦によって火薬体が爆発して、被噴出物がクラッカー本体部1a上方及び樽部4上方から噴出する。
【0058】
以上、本実施形態に係るクラッカー用の紐引き装置2及びクラッカー玩具によれば、引き紐1bが取り付けられる被取付体220であって、火薬体が爆発しないように引き紐1bを保持する待機位置Sと前記火薬体が爆発するように引き紐1bを引張って火薬体に摺動させる爆発位置Lとの間を移動可能に構成された被取付体220と、前記被取付体220を待機位置Sから爆発位置Lに向けて付勢する付勢手段230と、前記付勢手段230の付勢力に抗して、前記被取付体220を待機位置Sで係止する係止部240と、前記係止部による係止を解除する解除部260と、を備えるので、解除部260によって係止部240による被取付体220への係止を解除することで、被取付体220を付勢手段230の付勢によって待機位置Sから爆発位置Lへと移動させることができて、引き紐1bを円滑に引張ることができ、従って、操作性が良いという効果を奏する。
【0059】
また、待機位置Sに位置する被取付体220は、該被取付体220よりも爆発位置L側から支持部241で支持されて嵌入部242に嵌入しているので、被取付体220を付勢手段230の付勢力に抗して待機位置Sに確実に係止することができる。それ故、例えばクラッカー1の引き紐1bを待機位置Sに位置する被取付体220に取付けた状態のクラッカー用の紐引き装置2を運搬時等に、係止部240による係止が不用意に解除されてしまい、被取付体220が付勢手段230の付勢によって待機位置Sから爆発位置Lへと移動して、クラッカー1の引き紐1bが引張られて火薬体に摺動し、火薬体が爆発(暴発)することを防止することができ、従って安全性を向上させることができる。
【0060】
また、解除部260は、待機位置Sに位置する被取付体220を待機位置Sと爆発位置Lとの間に設けられた移動開始位置Mに移動させることで、係止部240による係止が解除されるので、係止部240による係止を容易に解除することができる。
【0061】
また、解除部260は、待機位置Sに位置する被取付体220を移動開始位置Mに移動させたとき、被取付体220は、ガイド部250によって、移動開始位置Mから爆発位置Lにガイドされて移動するので、被取付体220に取り付けた引き紐1bを爆発位置Lに引張って火薬体を確実に爆発させることができる。
【0062】
また、爆発位置Lは、ガイド部250の上下方向の中央部近傍に位置しているので、付勢手段230によって、被取付体220がガイド部250の上端近傍から下端(又は、移動開始位置Mから移動終端位置T)に付勢されるとき、被取付体220に取り付けた引き紐1bを爆発位置Lに引張って火薬体を確実に爆発させることができる。
【0063】
また、被取付体220が係止部240で係止されているとき、付勢手段230は、被取付体220に対して、下方かつ後方への付勢力を及ぼしているので、かかる付勢力によって被取付体220を係止部240(支持部241、嵌入部242)に確実に係止できる。
【0064】
また、受信装置273は、電池の寿命が短くなると点灯表示するランプと、安定した電気供給をするためのコンデンサとを有しているので、寿命が短くなった電池を事前に交換できると共に急な電圧降下の防止をでき、受信装置273から電磁アクチュエータ271への安定した電気供給を確保し易い。よって、送信装置272を操作したにも拘らず、受信装置273からの電気供給が足りないため電磁アクチュエータ271が動作せず、クラッカー1が不発となるような不測の事態を防止できる。
【0065】
また、クラッカー1の引き紐1bは、第一円柱体221の左右方向の中央部に設けられた二つの小孔224に挿通されて被取付体220に取付けられているので、引き紐1bを結ぶ又は解く作業を要さず、引き紐1bの取付け及び取り外しが極めて簡単にできる。
【0066】
また、操作手段270は、電磁アクチュエータ271と、電波を送信する送信装置272と、電磁アクチュエータ271に電気的に接続され、前記送信装置272からの電波を受信する受信装置273とを備えるので、無線かつ遠隔的に電磁アクチュエータ271を操作でき、クラッカー用の紐引き装置2の操作性を向上させるという効果を奏する。即ち、送信装置272を操作(リモコンのボタン272aを押下)するだけで、誰もが任意のタイミングで簡単にクラッカー1から被噴出物を噴出させることができる。換言すれば、本実施形態に係るクラッカー玩具では、クラッカー1を発射させたいプレーヤを事前に選任することができる。
【0067】
尚、本発明に係るクラッカー用の紐引き装置2及びクラッカー玩具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、本実施形態では、クラッカー玩具が収納部3と樽部4とを有する場合について説明したが、これに限らず、クラッカー玩具は、収納部3に代えて、クラッカー用の紐引き装置2が取り付けられる被取付部と、クラッカー1のクラッカー本体部1aを固定(又は保持)する固定部とを離間して又は一体的に有することが可能である。また、クラッカー玩具は、樽部4を備えずともよいし、或いは、樽部4に代えて、筒状の砲身に二つの車輪が取り付けられた大砲の玩具など、その他様々な形状の玩具で構成されることができる。
【0069】
また、本実施形態では、クラッカー玩具の収納部3がクラッカー1を収納する場合について説明したが、これに限らず、クラッカー用の紐引き装置2は、クラッカー本体部1aを保持する保持部を備えて構成することも可能である。
【0070】
また、本実施形態では、操作手段270が電磁アクチュエータ271と送信装置272と受信装置273とを備える場合について説明したが、これに限らず、操作手段270は、電磁アクチュエータ271に代えて電動アクチュエータを備えることが可能である。また、操作手段270は、電磁アクチュエータ271と、該電磁アクチュエータ271にケーブルで接続されるリモコンとを備え、リモコンのボタン操作により電磁アクチュエータ271を可動させるように構成してもよい。また、操作手段270は、把持可能なハンドルなどの把持部を用いて、手動で把持部を操作すると、可動部271bが下動するように構成される手動アクチュエータを備えることが可能である。
【0071】
また、本実施形態では、被取付体220の第一円柱体221が小孔224を有する場合について説明したが、これに限らず、第一円柱体221は、引き紐1bを巻き付ける鉤爪状の鉤爪部(フック部)を備えることが可能である。
【0072】
また、本実施形態では、係止部240は、前後方向に沿う直線状の長孔A1を形成する上部と下部と後部との壁部から構成される場合について説明したが、これに限らず、係止部240は、下部と後部との壁部であって、レール状に形成されてもよいし、或いは、後方かつ下方に沿う直線状や曲線状(例えば上方に凸となる曲線)の孔を形成する周壁又はレール状に形成されてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、ガイド部250は、上下方向に沿う直線状の長孔A2を形成する上部と下部と前部と後部との壁部から構成される場合について説明したが、これに限らず、ガイド部250は、下部と後部との壁部であって、レール状に形成されてもよいし、或いは、後方かつ下方に沿う直線状や曲線状(例えば前方に凸となる曲線)の孔を形成する周壁又はレール状に形成されてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、爆発位置Lは、ガイド部250の上下方向の中央部近傍である場合について説明したが、これに限らず、爆発位置Lは、移動開始位置Mと移動終端位置Tとの間に位置していればよく、例えばガイド部250の上部(具体的には、上端近傍から中央部近傍)、又は、下部(中央部近傍から下端近傍)であることも可能である。
【0075】
また、本実施形態では、クラッカー本体部1aは、円筒状をなして構成される場合について説明したが、これに限らず、クラッカー本体部1aは、多角柱状や扁平な多角形状(例えば三角形)をなして構成されてもよい。
【0076】
また、本実施形態では、被取付体がガイド部250で下方向(引張方向)に引張られる場合について説明したが、これに限らず、被取付体は、ガイド部250で引張方向として例えば左右方向に引張られることも可能である。例えば、クラッカー用の紐引き装置2は、図3の態様(少なくとも付勢手段230と係止部240とガイド部250と解除部260)を右に90度回転した状態の態様を採用できる。この場合、係止部240で係止されて待機位置Sにある被取付体220は、解除部260によって、待機位置Sから移動開始位置Mに移動させられると、付勢手段230の付勢力によって、ガイド部250で左方向に引張られて爆発位置Lに移動する(案内される)。
【0077】
また、本実施形態では、クラッカー1は、二つのクラッカー本体部1aを備えて構成される場合について説明したが、これに限らず、クラッカー1が備えるクラッカー本体部1aの数は、一つや三つ以上(例えば四つ)とすることもできる。
【符号の説明】
【0078】
1…クラッカー、1a…クラッカー本体部、1b…引き紐、1c…外装体、2…クラッカー用の紐引き装置、210…本体部、220…被取付体、224…小孔、230…付勢手段、240…係止部、250…ガイド部、260…解除部、270…操作手段、271…電磁アクチュエータ、272…送信装置、272a…ボタン、273…受信装置、3…収納部、310…収納体、311…中空部、320…保持台、321…上板、322…下板、323…支柱、4…樽部、4a…孔、N0〜N3…ネジ、C…ケーブル、H…箱体、S…待機位置、M…移動開始位置、L…爆発位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火薬体が収容されたクラッカー本体部と、前記火薬体に接続されると共に前記クラッカー本体部から延出され、引張られて火薬体に摺動することで火薬体を爆発させるように構成される引き紐とを備えるクラッカーの前記引き紐を引張るクラッカー用の紐引き装置であって、
前記引き紐が取り付けられる被取付体であって、前記火薬体が爆発しないように引き紐を保持する待機位置と前記火薬体が爆発するように引き紐を引張って火薬体に摺動させる爆発位置との間を移動可能に構成された被取付体と、
前記被取付体を待機位置から爆発位置に向けて付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力に抗して、前記被取付体を待機位置で係止する係止部と、
前記係止部による係止を解除する解除部と、
を備えることを特徴とするクラッカー用の紐引き装置。
【請求項2】
前記係止部は、待機位置に位置する被取付体を、該被取付体よりも爆発位置側から支持する支持部を備え、該支持部には、被取付体が嵌入する嵌入部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクラッカー用の紐引き装置。
【請求項3】
前記待機位置と前記爆発位置との間には、前記解除部によって係止部による係止が解除された被取付体の爆発位置への移動の始端となる移動開始位置が設けられており、前記解除部は、待機位置に位置する被取付体を移動開始位置に移動させることで、係止部による係止を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッカー用の紐引き装置。
【請求項4】
被取付体の移動開始位置から爆発位置までの移動をガイドするガイド部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクラッカー用の紐引き装置。
【請求項5】
火薬体が収容されたクラッカー本体部及び前記火薬体に接続されると共に前記クラッカー本体部から延出され、引張られて火薬体に摺動することで火薬体を爆発させるように構成される引き紐を備えるクラッカーと、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクラッカー用の紐引き装置と、を備えるクラッカー玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−100936(P2013−100936A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244625(P2011−244625)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000136365)株式会社フジカ (13)
【Fターム(参考)】