説明

クラッシュ装置及びクラッシュ方法

【課題】ガラス基板等の脆性材料基板の端材を短時間でほぼ同一形状に破断すること。
【解決手段】対のクラッシュギア34,35と51,52を一定間隔隔てて平行に配置する。クラッシュギア34,35,51,52にはヘリカル状の歯を形成し、その歯には稜線上に一定の間隔でV溝を形成する。そして対のクラッシュギアを互いに逆方向に同一速度で回転させることにより、その間に引き込まれるガラス基板等の脆性材料基板の端材を等間隔の打点で打ち砕き、ほぼ同一寸法サイズの破断片とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルで代表されるFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程等において用いられ、ガラス基板等の各種脆性材料基板の端材を破断するためのクラッシュ装置及びクラッシュ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネル等の平面表示体に用いられるパネル基板の製造工程等においては、最終段階でマザー基板から液晶パネル基板を裁断して切り出す。このとき液晶パネル基板が長方形状であることから、その辺に平行な2方向の細長い端材が多数残存する。これらの端材は短時間で砕いて処理する必要がある。
【0003】
従来、廃物を破断する装置としては、特許文献1〜3の装置が知られている。特許文献1の粉砕処理装置は、一対のローラから成る破断部が3段に上下に配列されたものであり、廃物を順次細かく裁断する装置である。又特許文献2には平行な長尺の一対のロールを用いて、その表面にらせん状の断続的な突出部を形成し、細かく破断するようにした破砕装置が示されている。又特許文献3には3組の破断ロールを組み合わせて平行に配置し、各ロールの外周にはねじ状の破砕歯を設けた破砕装置が示されている。
【特許文献1】実公昭55−12921号
【特許文献2】特許第2550135号
【特許文献3】特許第2957544号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこれらのいずれの従来例もガラス基板を対象とするものではなく、又短時間で液晶パネルの端材を細かく一定のサイズに破断することができないという欠点があった。
【0005】
本発明は脆性材料基板の製造工程等において用いられ、脆性材料基板等の端材を短時間で容易にほぼ一定の形状に裁断することができるクラッシュ装置及びそれを用いたクラッシュ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明のクラッシュ装置は、歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、一定間隔を隔てて平行に配置された一対のクラッシュギアと、前記一対のクラッシュギアを互いに逆方向に同一速度で回転駆動する駆動部と、前記クラッシュギアの軸に垂直方向に脆性材料基板の端材を搬入する搬入部と、を具備し、前記クラッシュギアの歯は稜線上に一定の間隔で溝が設けられたものである。
【0007】
この課題を解決するために、本発明のクラッシュ装置は、歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、一定間隔を隔てて平行に配置された第1の対のクラッシュギアを有する第1のクラッシュユニットと、歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、一定間隔を隔てて平行に配置された第2の対のクラッシュギアを有する第2のクラッシュユニットと、前記第1のクラッシュユニットの各対のクラッシュギアを互いに逆方向に駆動すると共に、前記第2のクラッシュユニットの各対のクラッシュギアを互いに逆方向に駆動する駆動部と、を具備し、前記各クラッシュギアの歯は稜線上に一定の間隔で溝が設けられたものである。
【0008】
ここで前記各クラッシュギアの長手方向に沿って配置され、前記各クラッシュギアに噛合する複数のサポートギアを更に具備するようにしてもよい。
【0009】
ここで前記各クラッシュギアの歯の稜線上に形成される溝は、V字状の溝としてもよい。
【0010】
ここで前記各クラッシュギアの歯の稜線上に形成される溝は、その軸に平行なライン状に一定ピッチ間隔で配列してもよい。
【0011】
ここで前記各クラッシュギアの歯の稜線上に形成される溝は、その軸に平行なライン状に一定ピッチ間隔で配列され、各ライン毎に半ピッチずれて配列してもよい。
【0012】
ここで前記第2のクラッシュユニットは、前記第1のクラッシュユニットの下方に配置されたものであるとしてもよい。
【0013】
ここでクラッシュ装置の脆性材料基板の端材の搬入口に設けられたシャッタ、及びクラッシュ装置に搬入される脆性材料基板の端材を検知する検知部を前記シャッタの直前に有し、前記検知部によって脆性材料基板の端材が検知されたときに、検知された脆性材料基板の端材が通過する間だけ前記シャッタを開放する開閉処理部を更に具備するようにしてもよい。
【0014】
この課題を解決するために、本発明のクラッシュ方法は、歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、前記歯は稜線上に一定の間隔で溝が設けられ、一定間隔を隔てて平行に配置された一対のクラッシュギアを互いに逆方向に同一速度で回転駆動し、前記クラッシュギアの軸に垂直方向に脆性材料基板の端材を搬入することにより、脆性材料基板の端材を破断するものである。
【0015】
ここで前記脆性材料基板の端材が搬入されることを検知してクラッシュ装置の脆性材料基板の端材の搬入口に設けられたシャッタを脆性材料基板の端材が通過する間だけ開放するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
このような特徴を有する本発明によれば、脆性材料基板の端材を短時間でほぼ同一のサイズに破断することができ、端材の処理を容易に行うことができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態によるクラッシュ装置の全体構成を示す斜視図、図2はその中央で縦断した斜視図、図3は内部構造を示す断面図である。このクラッシュ装置に搬入される端材は、液晶表示パネルのマザー基板が図示しないガラス基板分断装置で分断され、単個の液晶パネル基板が取り去られた後の端材である。本実施の形態によるクラッシュ装置は、図3において紙面の横方向の端材(以下、これをY端材という)Y1,Y2、及び紙面に垂直な方向の端材(以下、これをX端材という)X1,X2を処理するクラッシュ装置である。これらのX端材及びY端材はコンベア11によって搬送される。ローラ12はコンベア11を駆動するもので、図示しない駆動源によってCW方向に回転駆動される。尚図1ではコンベア11及びローラ12を省略している。
【0018】
さてこれらの図に示すように、このクラッシュ装置20は、上部パネル板21、側板22,23及び左右のカバー24,25によって覆われている。クラッシュ装置20は内側上部に第1のクラッシュユニット30、下部に第2のクラッシュユニット50を有する。上部に配置される第1のクラッシュユニット30はY端材用、下部の第2のクラッシュユニット50はX端材用のクラッシュユニットである。上部のクラッシュユニット30には、図3に示すようにコンベア11によって搬送されるY端材をクラッシュギアに導くためのピンチローラ31,32が一定の間隔を隔てて配置される。ピンチローラ31,32は破断されるガラス材の厚さにほぼ等しい間隔を隔ててX軸に平行となるように配置される。ピンチローラ31,32は、互いに逆方向に駆動されてガラス端材をクラッシュユニットに搬入する搬入部を構成している。
【0019】
そしてこの同一水平面上には、図3に示すように一対のクラッシュギア34,35が上下に一定の間隔を隔てていずれもX軸と平行に配列されている。この間隔もピンチローラ間の間隔と同一とする。クラッシュギア34,35は後述するように、長手方向に沿ってギアの歯がヘリカル状に形成されたヘリカルギアである。クラッシュギア34,35はヘリカルギアのらせんの方向が互いに逆であること以外は同一の構造であり、互いに逆方向に等しい回転速度で駆動される。
【0020】
さてこのクラッシュギア34の上方には、図1〜3に示すように左右に夫々5個のサポートギア36,37が所定間隔で設けられる。サポートギア36,37は、上部パネル21の下部の左右に夫々取付けられる5つの保持部38,39によって回転自在に保持されており、いずれもクラッシュギア34と噛合する。これらのサポートギア36,37は長尺のクラッシュギア34が+Z軸方向に湾曲しないように取付けられたものである。
【0021】
クラッシュギア35の下方にも同様の5個のサポートギア40が等間隔で取付けられている。サポートギア40は保持部41によって夫々回転自在に保持されており、いずれもクラッシュギア35と噛合する。サポートギア40は長尺のクラッシュギア35が−Z軸方向に湾曲しないように取付けられたものである。サポートギア36,37,40の間隔は必ずしも一定間隔である必要はなく、その数も適宜選択することができる。更にクラッシュギア35の下方には、破断したガラス片を導くシュータ42が設けられる。
【0022】
次にX端材用の第2のクラッシュユニット50について説明する。クラッシュユニット50も前述したクラッシュユニット30と同様に、一対のクラッシュギア51,52がいずれもX軸と平行に水平に対向して所定間隔を隔てて配置されている。クラッシュギア51,52もヘリカルギアのらせんの方向が互いに逆であること以外は同一の構造であり、互いに逆方向に等しい回転速度で駆動される。クラッシュギア51,52の間隔もピンチローラ31,32間の間隔と同一とする。クラッシュギア51の側方には上下に夫々5個のサポートギア53,54が所定間隔毎に設けられる。サポートギア53,54は側板に夫々取付けられた保持部55,56によって回転自在に保持されている。サポートギア53,54はクラッシュギア51と噛合しており、クラッシュギア51が+Y方向に湾曲しないように取付けられている。
【0023】
同様にクラッシュギア52の側方には上下に夫々5個の対のサポートギア57,58が等間隔に設けられる。サポートギア57,58は側板22に夫々取付けられた保持部59,60によって回転自在に保持されている。これらのサポートギアはクラッシュギア52と噛合しており、クラッシュギア52が−Y方向に湾曲しないように取付けられている。各サポートギアのY軸方向の位置は調整ねじによって調整可能である。又このクラッシュ装置の最下部には破断された破断片のための回収箱61が設けられる。
【0024】
さて図3及び図4Aに示すように、駆動部70にはモータ71が設けられ、モータ71に減速機構が取付けられる。このモータ71の駆動力はプーリ72及びベルト73を介してプーリ74及びクラッシュギア51に伝えられる。動力伝達ギア75,76はプーリ74の回転力をクラッシュギア52に伝えるものであり、クラッシュギア51,52は互いに逆方向に等速度で駆動される。又同様にしてギア51のシャフトにはプーリ77が設けられ、図4Bに示すようにタイミングベルト78を介してプーリ79が接続される。プーリ79はクラッシュギア35と連結されており、その他端の動力伝達ギア80及び動力伝達ギア81を介してクラッシュギア34に回転力を伝える。これによってクラッシュギア34,35は互いに逆方向に等速度で駆動される。
【0025】
次に各クラッシュギアに設けられる歯とその溝について説明する。各クラッシュギア34と35、51と52はヘリカルギアのらせんの方向が夫々互いに逆であること以外はいずれも同一の構造であるため、クラッシュギア34について図5,図6を参照しつつ以下に詳細に説明する。ここで図5はこのクラッシュギア34を拡大した斜視図であり、図6はその展開図である。クラッシュギア34は歯がヘリカル状に形成されたヘリカルギアであり、ギアのねじれ角αを例えば20°とする。図6において、T1,T2・・・はギアの歯の稜線を示す。ギアの歯に一定間隔で多数の溝を設ける。各溝は例えば深さ2mmのV字形状などの切欠きであり、X軸に沿ったピッチPを30mmとする。図6の展開図において縦の一点鎖線で示すC1,C2・・・は溝を設ける際のカッター位置を示しており、実際にはカッター位置C1,C2・・・とT1,T2・・・が交差する図中黒く塗りつぶした部分に溝が形成される。溝の配列はX軸に平行なライン状にピッチPの間隔で多数配置され、各ライン毎にP/2ピッチ、即ちここでは15mmずれて配列されている。
【0026】
次にこの実施の形態の動作について説明する。ローラ12を回転させコンベア11を搬送状態とし、同時にモータ71を回転させる。ここでガラス基板分断装置を駆動すると、コンベア11上にY端材Y1,Y2、X端材X1,X2が混在してこのクラッシュ装置に搬入される。Y端材Y1,Y2はY軸方向を長手方向としてコンベア11上を搬送され、クラッシュユニット30のピンチローラ31,32の間を通過して、クラッシュギア34,35に加わる。そして端材Y1にはクラッシュギア34,35の稜線が連続して接触するため、振動なく端材をクラッシュギア34,35間に引き込むことができる。クラッシュギア34,35の歯には溝がX軸に平行なラインに沿って配列されているため、クラッシュギア34,35の回転に伴い順次搬送されてくるY端材に溝の角の位置で圧力が加わり、局所的に高圧が加わることによってこの位置からほぼ同時に亀裂が生じる。図7はY端材Y1に亀裂が生じる様子を示しており、一点鎖線はクラッシュギア34,35の各V溝がY端材に当接するラインを示す。Y端材には黒点で示す溝の四方に亀裂がスタークラックとして生じることが多い。このようなスタークラックが一定間隔でほぼ同時に生じるため、この亀裂がつながることとなってY端材をほぼ一定の形状、サイズに破断して破断片とすることができる。破断されたY端材片はシュータ42によってクラッシュユニット50に導かれる。
【0027】
さてX端材X1,X2については、コンベア11とピンチローラ32との隙間からシュータ42に入り、X端材用のクラッシュギア51,52に加わる。この場合にも一対のクラッシュギア51,52の回転によってX端材がクラッシュギア51,52間に引き込まれる。そして溝が端材に当接する際に溝の位置で多数の亀裂がスタークラックとして生じる。そしてこのクラックがつながり、Y端材のクラッシュと同様に、X端材もほぼ同一形状、サイズの破断片とすることができる。これらの破断片は回収箱61に集められる。
【0028】
この実施の形態ではX端材とY端材とをその方向に応じて分離して夫々のクラッシュユニットで破断するようにしている。このため大量の端材を短時間で処理することができる。又クラッシュギアの稜線が連続してガラス端材に接触するために、端材の引き込みによっても振動が生じにくくなる。更にクラッシュギアはサポートギアによって一定間隔ごとに保持されているため、クラッシュギアが長尺のものであっても振動等が生じることがなく、騒音を小さくすることができる。又クラッシュギアを高速回転させることができ、X端材及びY端材を短時間で処理することができる。
【0029】
尚第1の実施の形態では、Y端材用のクラッシュユニット30とX端材用のクラッシュユニット50とを上下に分離して示しているが、端材の形状によってはいずれか一方のクラッシュユニットのみであってもよいことはいうまでもない。又クラッシュギアに付する溝はV字状の溝としているが、他の形状の溝とすることも考えられる。又前述した実施の形態ではY端材用クラッシュユニットで破断された後の破断片も同時にX端材用のクラッシュユニットに加えているが、Y端材用クラッシュユニットで破断した破断片はそのまま回収箱に導くようにしてもよいことはいうまでもない。
【0030】
次に本発明の第2の実施の形態によるクラッシュ装置について説明する。第2の実施の形態は前述した課題に加えて、クラッシュ装置を稼動させたときの騒音や粉塵の発生による環境への悪影響を防ぐようにしたものである。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態では図8に示すように、コンベア11及びローラ12によって搬送され、クラッシュ装置20Aに導入されるガラス端材の搬入口部分に、開閉処理部90を設けたものである。クラッシュ装置20Aは開閉処理部90が入口部分に設けられていることを除いては前述したクラッシュ装置20と同一である。開閉処理部90は、クラッシュ装置20Aのガラス端材の搬入口に設けられるシャッタ91、シャッタとローラ12との間に配置され、その間を通過するガラス端材を検出するための透過型の光電センサ92及びコントローラ93によって構成されている。この実施の形態では光電センサ92はローラ12の端部からクラッシュ装置20Aに導かれる端材を検知するための検知部であり、投光部92aと受光部92bから成り立っている。又この光電センサ92の出力はコントローラ93に与えられる。コントローラ93は通常はシャッタ91を閉鎖状態としておき、光電センサ92からのスイッチ信号に基づいてクラッシュ装置20Aの前面に設けたシャッタ91を開放するものである。即ち光電センサ92の投光部92aより通常受光部92bに入射している光が端材の通過によって遮られると、端材がクラッシュ装置20Aに搬入されるものとしてシャッタ91を開放し、端材が検出されなくなると端材がクラッシュ装置20Aに達するまでの所定の遅延時間後にシャッタ91を閉鎖する。これによって破断処理の際に発生する騒音と粉塵の発生に伴う環境の悪化を低減させることができる。尚ここでは端材の通過を光電センサを用いて検出しているが、近接センサやリミットスイッチ、その他のセンサを検知部とすることも可能である。
【0031】
又前述した第1,第2の実施の形態では、X端材とY端材とを混在させてコンベア上を搬送しているが、あらかじめX端材とY端材とを分離し、X端材用のクラッシュ装置とY端材用とのクラッシュ装置とを設けるようにしてもよい。この場合には夫々のクラッシュ装置に開閉処理部を設けておくことにより、シャッタを閉じている時間を長くすることができ、環境悪化を防ぐことができる。
【0032】
又Y端材はシャッタを通過する時間が長いため、X端材とY端材を分離した後、Y端材をロータを用いて90°回転させることによりX端材とし、全てX端材の状態でクラッシュ装置に投入するようにしてもよい。この場合にはX端材用のクラッシュユニットのみが必要となる。この場合にはシャッタの開放時間を短縮することができ、騒音や粉塵に伴う環境悪化を大幅に低減することができる。
【0033】
更に上述した実施の形態では切り出したX端材やY端材の破断について説明したが、本発明はマザー基板から円形や扇形などの液晶パネル板を切り出した後の端材で形状が長辺の場合はもちろん、2辺の長さがあまり違わない略正方形の形状で中央部付近が開いた形状の端材に対しても本発明を適用することができる。
【0034】
更に上述した各実施の形態では、ガラス基板分断装置で分断されたガラス端材を処理するクラッシュ装置について説明しているが、本発明はこのようなガラス基板分断装置の後段に用いられる場合に限らず、端材を単独で処理するクラッシュ装置として用いることができることはいうまでもない。その場合も、単板はもちろん貼り合わせ基板であっても、又、同種の脆性材料基板を貼り合わせた場合以外に、異種の脆性材料基板を貼り合わせたパネル基板、例えば、ガラス基板と半導体ウエハーを貼り合わせたプロジェクター用表示基板の製造工程で発生するパネル端材の破断処理にも有効に用いることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、液晶表示パネルで代表されるFPDの製造工程等において用いられ、脆性材料基板の端材を短時間でほぼ一定サイズに破断することができる。このため液晶パネル基板の製造の最終工程において有用である。その他、脆性材料の基板を用いて各種表示パネルや発光素子等を製造する過程で排出される端材に対しても、それらの各種形状や大きさに応じて適宜クラッシュユニットの機器構成であるクラッシュギアの仕様を変更することで対応可能である。更に上記の貼り合わせ基板以外に、単板と呼ばれる1枚の基板に対しても破断加工の対象とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるクラッシュ装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】本実施の形態のクラッシュ装置の縦断面を示す斜視図。
【図3】本実施の形態のクラッシュ装置の内部構成を示す断面図。
【図4A】本実施の形態の動力の伝達を示す図。
【図4B】本実施の形態の動力の伝達を示す図。
【図5】本実施の形態のクラッシュギアの斜視図。
【図6】本実施の形態のクラッシュギアの展開図。
【図7】本実施の形態のクラッシュ装置を駆動したときのクラッシュギアによる破断の進行状況を示す概略模式図。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるクラッシュ装置の全体構成を示す概略図。
【符号の説明】
【0037】
11 ベルトコンベア
12 ローラ
20,20A クラッシュ装置
21 天板
22,23 側板
30 第1のクラッシュユニット
31,32 ピンチローラ
34,35,51,52 クラッシュギア
36,37,40,53,54,57,58 サポートギア
38,39,41,55,56,59,60 保持部
50 第2のクラッシュユニット
61 回収箱
90 開閉処理部
91 シャッタ
92 光電センサ
93 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、一定間隔を隔てて平行に配置された一対のクラッシュギアと、
前記一対のクラッシュギアを互いに逆方向に同一速度で回転駆動する駆動部と、
前記クラッシュギアの軸に垂直方向に脆性材料基板の端材を搬入する搬入部と、を具備し、
前記クラッシュギアの歯は稜線上に一定の間隔で溝が設けられたクラッシュ装置。
【請求項2】
歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、一定間隔を隔てて平行に配置された第1の対のクラッシュギアを有する第1のクラッシュユニットと、
歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、一定間隔を隔てて平行に配置された第2の対のクラッシュギアを有する第2のクラッシュユニットと、
前記第1のクラッシュユニットの各対のクラッシュギアを互いに逆方向に駆動すると共に、前記第2のクラッシュユニットの各対のクラッシュギアを互いに逆方向に駆動する駆動部と、を具備し、
前記各クラッシュギアの歯は稜線上に一定の間隔で溝が設けられたクラッシュ装置。
【請求項3】
前記各クラッシュギアの長手方向に沿って配置され、前記各クラッシュギアに噛合する複数のサポートギアを更に具備する請求項1又は2記載のクラッシュ装置。
【請求項4】
前記各クラッシュギアの歯の稜線上に形成される溝は、V字状の溝である請求項1又は2記載のクラッシュ装置。
【請求項5】
前記各クラッシュギアの歯の稜線上に形成される溝は、その軸に平行なライン状に一定ピッチ間隔で配列されている請求項1又は2記載のクラッシュ装置。
【請求項6】
前記各クラッシュギアの歯の稜線上に形成される溝は、その軸に平行なライン状に一定ピッチ間隔で配列され、各ライン毎に半ピッチずれて配列されている請求項1又は2記載のクラッシュ装置。
【請求項7】
前記第2のクラッシュユニットは、前記第1のクラッシュユニットの下方に配置されたものである請求項2記載のクラッシュ装置。
【請求項8】
クラッシュ装置の脆性材料基板の端材の搬入口に設けられたシャッタ、及びクラッシュ装置に搬入される脆性材料基板の端材を検知する検知部を前記シャッタの直前に有し、前記検知部によって脆性材料基板の端材が検知されたときに、検知された脆性材料基板の端材が通過する間だけ前記シャッタを開放する開閉処理部を更に具備する請求項1記載のクラッシュ装置。
【請求項9】
歯が回転軸に沿ってヘリカル状に形成され、前記歯は稜線上に一定の間隔で溝が設けられ、一定間隔を隔てて平行に配置された一対のクラッシュギアを互いに逆方向に同一速度で回転駆動し、
前記クラッシュギアの軸に垂直方向に脆性材料基板の端材を搬入することにより、脆性材料基板の端材を破断するクラッシュ方法。
【請求項10】
前記脆性材料基板の端材が搬入されることを検知してクラッシュ装置の脆性材料基板の端材の搬入口に設けられたシャッタを脆性材料基板の端材が通過する間だけ開放する請求項9記載のクラッシュ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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