説明

クラッチを有する装置およびこれを備えたゼンマイタイマ

【課題】係合爪の係合歯からの外れ、または、係合爪の変形によるクラッチの動作不良を防止する。
【解決手段】一方側から他方側へ動力を断続して伝えるクラッチを有する装置であって、クラッチは、外周に係合爪221を有する第一のクラッチ部材22と、係合爪221が係合された係合歯232を内周に有する嵌合穴231が形成され、成型加工によって係合歯232が嵌合穴231の開口側に拡がるテーパ状に成型された第二のクラッチ部材23と、を備え、嵌合穴231の開口側には、その開口側から見て少なくとも一部が係合爪221と重なり、かつ、第一のクラッチ部材22の軸線方向における係合歯232との間隔が係合爪221の厚みより小さい、係合爪押え部材30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達機構による動力の伝達を「継」状態あるいは「断」状態とするクラッチを有する装置、および、このようなクラッチを有する装置を備え、前記動力伝達機構によって伝達される動力源がゼンマイであるゼンマイタイマに関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機や電子レンジなどの家電製品には、洗濯時間や調理時間を調節するタイマが設けられている(例えば、特許文献1参照)。この種のタイマとしては様々な構成が知られている。例えば、使用者が装置に設けられたつまみを回すことによってゼンマイを巻き上げ、この巻き上げられたゼンマイを駆動源として接点を開閉させるタイマが知られている。また、特許文献1のようにモータを駆動源として接点を開閉させるタイマも知られている。
【0003】
このようなタイマにおいて、駆動源からの動力を伝達する動力伝達機構には、クラッチが設けられることがある。特許文献1に記載の構成は、駆動源であるモータが一方に回転する場合にのみ動力を伝達し(動力の伝達が「継」状態)、他方に回転する場合には動力は伝達しない(動力の伝達が「断」状態)ようにしたクラッチ(一方向クラッチ)を備える。かかる一方向クラッチは、第6歯車に形成された係合歯に、径方向に弾性変形可能な係合爪が係合した構成である。つまり、係合爪が一方向にのみ回転するいわゆるラチェット(爪車)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−188116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の構成には次のような問題がある。係合歯が形成された第6歯車を樹脂成形する場合、金型から成形品をスムーズに抜くため、係合歯は嵌合穴の開口側に向けて拡がるようなテーパ状(いわゆる抜きテーパ)に形成される。テーパ状に形成された係合歯に係合する係合爪は、かかるテーパによって徐々に嵌合穴の開口側に向けて変形したり、このような変形によって係合歯から外れたりするおそれがある。つまり、従来型の装置では、このような原因によりクラッチが機能しなくなってしまうという問題があった。
【0006】
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、テーパ状に形成された係合歯に係合爪が係合したクラッチを有する装置や、このようなクラッチ装置を有するゼンマイタイマにおいて、係合爪の係合歯からの外れ、または、係合爪の変形によるクラッチの動作不良を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、一方側から他方側へ動力を断続して伝えるクラッチを有する装置であって、前記クラッチは、外周に係合爪を有する第一のクラッチ部材と、前記係合爪が係合された係合歯を内周に有する嵌合穴が形成され、成型加工によって前記係合歯が前記嵌合穴の開口側に拡がるテーパ状に成型された第二のクラッチ部材と、を備え、前記嵌合穴の開口側には、その開口側から見て少なくとも一部が前記係合爪と重なり、かつ、前記第一のクラッチ部材の軸線方向における前記係合歯との間隔が前記係合爪の厚みより小さい、係合爪押え部材が設けられていることを要旨とする。
【0008】
このように、第二のクラッチ部材は成型加工によって製造されるため、その係合歯は嵌合穴の開口方向に向けて拡がるテーパ状に形成されている。そのため、係合歯に係合する第一のクラッチ部材の係合爪は、かかるテーパによって嵌合穴の開口方向に力を受け、係合歯から外れやすい。これに対し、本発明では、軸線方向における係合爪押え部材と係合歯との間隔が、係合爪の厚みよりも小さくなるように設定され、係合爪押え部材と係合歯との間を係合爪が通ることができないようになっている。そのため、係合爪が係合歯から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0009】
この場合、前記第一のクラッチ部材は、前記係合爪押え部材側に前記係合爪より小径の歯車部を有し、前記軸線方向における前記係合爪押え部材と前記係合爪との間隔は、前記第一のクラッチ部材の歯車部に噛合する前記動力伝達歯車と前記係合爪との間隔よりも小さければよい。
【0010】
上記動力伝達歯車は、係合爪より小径である第一のクラッチ部材の歯車部に噛合していることから、係合爪の上に位置する。本発明では、係合爪押え部材と係合爪との間隔は、動力伝達歯車と係合爪の間隔よりも小さくなるように設定されているため、仮に係合歯のテーパによって係合爪が上に移動するようなことがあっても、係合爪は動力伝達歯車の前に必ず係合爪押え部材に当接する。したがって、係合爪と動力伝達歯車とが接触することを確実に防止できる。
【0011】
また、前記係合爪は、第一のクラッチ部材に設けられた胴部から突出して形成され、前記係合歯と係合する先端部分を除く根本側の少なくとも一部が弾性を有していればよい。
【0012】
かかる構成では、多くの場合、係合爪は、その爪の先端が径方向外側に向けて付勢された状態でテーパ状に形成された係合歯に係合される。つまり、このような付勢力が働いている分、係合爪が係合歯から外れるおそれが高いが、係合爪押え部材によって、係合爪の外れを確実に防止できる。
【0013】
また、前記係合爪押え部材は、前記係合爪の回転方向で少なくとも一部が切り欠かれ、その切り欠かれた端面の前記係合爪側にテーパが形成されていればよい。
【0014】
このようにすれば、回転する係合爪が上に移動したり、爪の先端が撥ねるように変形した場合であっても、係合爪が係合爪押え部材に引っかかったりすることを防止できる。
【0015】
また、前記係合歯の厚みは、前記係合爪の厚みより大きく設定され、前記係合爪押え部材は、その少なくとも一部が前記係合歯の開口側端面よりも前記係合爪側に位置していればよい。
【0016】
このようにすれば、係合爪が係合爪押え部材の下面よりも上に移動することがないため、係合爪の厚み方向全範囲が常に係合歯と係合した状態を維持できる。
【0017】
また、本発明にかかるゼンマイタイマは、上記いずれかのクラッチを有する装置と、前記ゼンマイを巻き上げる入力軸と、前記クラッチが設けられた前記ゼンマイの付勢力を伝達する動力伝達機構と、前記クラッチが「継」状態にある場合に、前記動力伝達機構による前記ゼンマイの付勢力の伝達速度を調節する調速機構と、を備え、前記クラッチは、前記入力軸によってゼンマイを巻き上げる方向の回転では前記動力伝達機構による動力の伝達を「断」状態とし、前記ゼンマイの付勢力を解放する方向の回転では前記動力伝達機構による動力の伝達を「継」状態とすることを要旨とする。
【0018】
このような構成を有するゼンマイタイマでは、動力の伝達が「継」状態にある場合には、ゼンマイによって係合爪や係合歯に力(付勢力)が掛かり係合歯が係合爪から外れやすいが、それを上記係合爪押え部材によって防止できる。
【0019】
この場合、前記調速機構は、前記ゼンマイの付勢力を解放する方向の回転とは反対方向の負荷を周期的に前記動力伝達機構に与えるものであればよい。
【0020】
このような構成では、ゼンマイによって係合爪や係合歯に掛かる力が調速機構によって周期的に変化(増減)するため、テーパによるすべりが発生しやすく、係合爪が係合歯から外れるおそれが高いが、それを上記係合爪押え部材によって防止できる。
【0021】
また、前記入力軸は、手動で回転させて前記ゼンマイを巻き上げるものであればよい。
【0022】
このように手動でゼンマイを巻き上げるような構成の場合、ゼンマイを巻き上げる方向とは反対の方向に入力軸を回転させてしまうおそれがある。このときには、係合爪や係合歯に大きな力が掛かって係合爪が変形してしまうおそれがあるが、それを上記係合爪押え部材によって防止できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかるクラッチを有する装置やゼンマイタイマによれば、軸線方向における係合爪押え部材と係合歯との間隔が、係合爪の厚みよりも小さくなるように設定されているため、係合爪が係合歯から外れてしまうことがない。したがって、クラッチの動作不良を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態にかかるゼンマイタイマの全体構成(ケースを取り外した状態)を示した図である。
【図2】図1に示したゼンマイタイマのケースを取り外した状態の上面図である。
【図3】図2におけるO−A−B−A−D−E線に沿って輪列を展開した図である。
【図4】クラッチ(第一のクラッチ部材および第二のクラッチ部材)を上から見た図である。
【図5】図1に示したゼンマイタイマの上ケースの内面を示した図である。
【図6】(a)は図2におけるX−X線断面の概略であり、(b)は(a)の変形例である。
【図7】図1に示したゼンマイタイマのケースを取り外した状態をある方向(略側方)から見た斜視図である。
【図8】図1に示したゼンマイタイマのケースを取り外した状態を図7とは異なる方向(斜め上方)から見た斜視図である。
【図9】図1に示したゼンマイタイマのケースを取り外した状態を図7および図8とは異なる方向(斜め下方)から見た斜視図である。
【図10】図1に示したゼンマイタイマのケースを取り外した状態を図7〜図9とは異なる方向(図9とは異なる斜め下方)から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態にかかるゼンマイタイマ1(クラッチを有する装置)について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における上下とは、図3における上下をいい、軸線方向とは、第一のクラッチ部材22や第二のクラッチ部材23の軸線方向(図3における上下方向)をいうものとする。また、各図において、歯車部の歯の詳細な形状は省略してある。
【0026】
(ゼンマイタイマ1の構成)
本実施形態にかかるゼンマイタイマ1は、図示されない洗濯機に搭載され、洗濯機の主電源のオン/オフの切り替えや、洗濯槽の回転方向を制御するために用いられる。ゼンマイタイマ1は、ゼンマイ5と、ゼンマイ5を巻き上げるために用いられる一方、巻き上げられたゼンマイ5が解放されたときの付勢力によって回転する入出力軸10(本発明における入力軸に相当する)と、ゼンマイ5の付勢力(動力)を伝達する動力伝達機構と、動力伝達機構に設けられたクラッチの動作不良を防止する係合爪押え部材30と、ゼンマイ5の付勢力の伝達速度を調節する調速機構と、を備える。これらの構成は、上ケース91および下ケース92からなるケース90に取り付けられるか、もしくは、ケース90と一体的に構成されている。
【0027】
ゼンマイ5は、動力伝達機構を構成する一の歯車である第一の歯車21の外側に取り付けられている。第一の歯車21を介してゼンマイ5と機械的に連結された入出力軸10は、第一の歯車21から下方向に延び、その下端は下ケース92から突出する。突出した下端部分には、洗濯機のつまみが取り付けられ、使用者がそれを手動で一方に回すことによってゼンマイ5が巻き上げられる。ゼンマイ5が巻き上げられ、入出力軸10に負荷が掛かっていない状態となると(使用者が手を離すと)ゼンマイ5の付勢力は解放される。ゼンマイ5の付勢力が解放されると、入出力軸10はゼンマイ5を巻き上げた方向とは反対方向に回転する。
【0028】
動力伝達機構は、第一の歯車21と、第一の歯車21に噛合する第一のクラッチ部材22と、第一のクラッチ部材22に係合する第二のクラッチ部材23と、第二のクラッチ部材23に噛合する第二の歯車24と、第二の歯車24と一体的に回転する正転逆転調節用カム25と、を備える。このうち、第一のクラッチ部材22および第二のクラッチ部材23が、クラッチを構成する。かかるクラッチは、一方向に第一の歯車21が回転する場合には第一の歯車21から第二の歯車24へ動力が伝達される状態(以下「継」状態という)とし、他方向に第一の歯車21が回転する場合には第一の歯車21から第二の歯車24に動力が伝達されない状態(以下「継」状態という)とする一方向クラッチ(ラチェット)である。
【0029】
第一の歯車21(本発明における動力伝達歯車に相当する)は、ゼンマイ5の付勢力を受けた入出力軸10と一体的に回転する。第一の歯車21には、その上方に形成された筒状の突起の周囲に巻き回されてゼンマイ5が固定されている。また、筒状の突起の内側入出力軸10の上端が固定されている。また、第一の歯車21の外周には歯車部211が形成されている。
【0030】
なお、この第一の歯車21と入出力軸10の間には、図示されないトルクリミッタが設けられている。かかるトルクリミッタにより、ゼンマイ5の巻きすぎや、逆回転によるゼンマイ5の付勢力低下や破損が防止されている。
【0031】
第一のクラッチ部材22は、係合爪221と、その係合爪221より小径(軸線方向から見て係合爪221の先端より内側に位置する)歯車部222とを有し、弾性を有する樹脂で形成される。第一のクラッチ部材22の歯車部222は、第一の歯車21の歯車部211に噛合している。そのため、第一の歯車21の回転に伴って第一のクラッチ部材22も回転する。係合爪221は、第一のクラッチ部材22の胴部22aから突出しており、後述する係合歯232に係合する爪の先端部分を除く根本側に略U字状の屈曲部分が形成されている。かかる屈曲部分によって係合爪221は径方向に弾性をもつ。なお、係合爪221の径方向に弾性をもたせたものであれば、その他の構成を採用してもよい。
【0032】
第二のクラッチ部材23には、有底の筒状である嵌合穴231が形成されている。その嵌合穴231の内周には係合歯232(内歯)が形成されている。係合歯232は、歯の山が図4における時計回り方向に傾くように形成されている。かかる係合歯232に、第一のクラッチ部材22の係合爪221が係合している。具体的には、屈曲した爪の先端が図4における反時計回り方向を向くように形成されている。上述したように、係合爪221は、その屈曲部分によって径方向に弾性をもつため、係合歯232に係合されると爪の先端が径方向外側に向けて付勢された状態(爪の先端が係合歯232に押圧された状態)となる。
【0033】
また、第二のクラッチ部材23は、成型加工によって製造される。本実施形態では、合成樹脂の射出成型品である。一般的にこのような成型加工によって製造されるものは、成型後の金型からの脱離(離型)を容易にするため、成型品の抜き方向に向けて拡がるようなテーパ(いわゆる抜きテーパ)が形成される。第二のクラッチ部材23は、有底の筒状に形成されるものであり、嵌合穴231は開口方向に向けて拡がるようなテーパ状に形成されている。つまり、係合歯232は嵌合穴231の開口方向に向けて拡がるテーパ状に形成されている。
【0034】
このような第一のクラッチ部材22と第二のクラッチ部材23とを有するクラッチは、第一歯車21の回転に伴って回転する第一のクラッチ部材22が、図4における反時計回りに回転する場合には動力の伝達が「継」状態となる。係合爪221の先端が、歯の山が時計回り方向に傾いて形成された係合歯232の谷に食い込むからである。したがって、第一のクラッチ部材22の回転に伴って第二のクラッチ部材23が回転する。一方、第一のクラッチ部材22が、図4における時計回りに回転する場合には動力の伝達が「断」状態となる。当該方向に第一のクラッチ部材22を回転させると、係合爪221がその弾性により係合歯232の山を乗り上げながら回転するからである。したがって、第一のクラッチ部材22が回転しても第二のクラッチ部材23は回転しない。
【0035】
また、有底の筒状に形成された第二のクラッチ部材23の外周(筒状部分の外周)には、歯車部233が形成されている。
【0036】
第二の歯車24は、相対的に小径の小径歯車部241と、相対的に大径の大径歯車部242とを有する複合歯車である。第二のクラッチ部材23の歯車部233には、第二の歯車24の小径歯車部241が噛合している。したがって、第二のクラッチ部材23の回転に伴って、第二の歯車24は回転する。
【0037】
正転逆転調節用カム25は、第二の歯車24の下部に固定されている。したがって、第二の歯車24と一体的に回転する。正転逆転調節用カム25の外周には、所定のパターンの凹凸が形成されてなる正転逆転用カム面(第一の正転逆転用カム面251および第二の正転逆転用カム面252)が形成されている。かかる正転逆転用カム面251、252により、正転逆転調節用カム25が回転すると、その外側に設けられた二つの正転逆転用レバー(第一の正転逆転用レバー261および第二の正転逆転用レバー262)が動作する。
【0038】
正転逆転用レバー261、262は、その先端が正転逆転用カム面251、252に係合している。正転逆転用レバー261、262の外側には、正転逆転用切片(第一の正転逆転用切片271および第二の正転逆転用切片272)が設けられている。正転逆転用カム面251、252の凸部に正転逆転用レバー261、262の先端261a、262aが乗り上げると、正転逆転用レバー261、262によって、正転逆転用切片271、272が外側に付勢される。これにより、正転逆転用切片271、272の端部が、共通端子28と非接触の状態(オフ状態)となる。一方、正転逆転用カム面251、252の凹部に正転逆転用レバー261、262の先端が係合した状態では、正転逆転用レバー261、262と正転逆転用切片271、272とは当接せず、正転逆転用切片271、272の端部が、共通端子28と接触した状態(オン状態)となる。
【0039】
本実施形態では、第一の正転逆転用レバー261が係合する第一の正転逆転用カム面251と、第二の正転逆転用レバー262が係合する第二の正転逆転用カム面252の凹凸の位相はずれている。詳しくは、一方の正転逆転用レバー(261or262)が正転逆転用カム面(251or252)の凹部に係合している場合には、他方の正転逆転用レバー(262or261)は正転逆転用カム面(252or251)の凸部に乗り上げる関係となる。つまり、第一の正転逆転用切片271と共通端子28が接触した状態と、第二の正転逆転用切片272と共通端子28が接触した状態が交互に訪れる。
【0040】
図示されない洗濯機の制御手段は、第一の正転逆転用切片271と共通端子28が接触した状態にある場合には、洗濯槽を一方に回転(正転)させ、第二の正転逆転用切片272と共通端子28が接触した状態にある場合には、洗濯槽を他方に回転(逆転)させる。このようにして、洗濯槽の正転・逆転が繰り返される。
【0041】
なお、本実施形態では、洗濯槽の正転・逆転を切り替える時間的な幅を二種類選択することができる。つまり、1)相対的に小刻みに正転・逆転を切り替えるか、2)相対的にゆっくりと正転・逆転を切り替えるか、どちらか一方を選択することができる。かかる切り替えは次のように行う。第一の正転逆転用カム面251および第二の正転逆転用カム面252は、それぞれ軸線方向に二つのカム面を有する。ケース90の外に設けられる切り替えレバー81を回転させると、切り替えレバー81の基端に固定されたスライドカム82が回転する。このスライドカム82の端部には扇形のカム部821が設けられており、そのカム部821に形成された凸部821aが、第一の正転逆転用レバー261および第二の正転逆転用レバー262を、軸線方向に移動させる。これにより、正転逆転用レバー261、262が係合する正転逆転用カム面251、252の種類が上記1)または2)に切り替わる。
【0042】
係合爪押え部材30は、上記構成を有する動力伝達機構のクラッチの動作不良を防止する役割を果たす。この係合爪押え部材30は、上ケース91と一体的に構成されている(図5参照)。つまり、上ケース91と一体成型により形成してもよいし、別部材として上ケース91に固定してもよい。なお、図2、図6〜図8では、かかる係合爪押え部材30の説明のため、上ケース91と分離して係合爪押え部材30を図示している。
【0043】
係合爪押え部材30は、第一のクラッチ部材22の係合爪221の上に位置する。詳しくは、嵌合穴231の開口側(上方)から見て少なくとも一部が係合爪221と重なるように位置する。ただし、回転する係合爪221を上から押さえるための部材であるため、係合爪221と重なる面積が大きいほど好ましい。本実施形態では、第一の歯車21との干渉を回避しつつ、係合爪221と重なる面積を大きくした、略半円筒状に形成されている。
【0044】
かかる係合爪押え部材30は、軸線方向における係合歯232との間隔が、係合爪221の厚みより小さくなるような位置に設けられている。詳しくは図6(a)に示す通り、軸線方向における係合爪押え部材30(の下端)と係合歯232(の上端)との間隔D1が、係合爪221の厚みD2よりも小さい、「D1<D2」の関係が成り立つような位置に設けられている。これにより、厚みD2である係合爪221が、大きさD1の隙間を通ることは不可能となるから、係合歯232から係合爪221が外れてしまうことはない(第一のクラッチ部材22と第二のクラッチ部材23の係合が維持される)。
【0045】
また、上述したように、第一の歯車21の歯車部211は、第一のクラッチ部材22の歯車部222に噛合しており、その第一のクラッチ部材22の歯車部222は係合爪221より小径であるから、第一の歯車21は係合爪221の上に位置する。この第一の歯車21と係合爪押え部材30との位置関係は、図6(a)に示すとおりである。すなわち、係合爪押え部材30(の下端)と係合爪221(の上端)との間隔D3は、第一の歯車21(の下端)と係合爪221(の上端)の間隔D4よりも小さくなる、「D3<D4」の関係が成り立つように設定されている。このような構成とすれば、仮に係合爪221が上に移動したとしても、第一の歯車21の前に必ず係合爪押え部材30に当接するから、係合爪221と第一の歯車21とが接触することはない。
【0046】
また、係合爪押え部材30は、係合爪221の回転方向で一部が切り欠かれた略半円筒状に形成されている。図6(a)に示すように、その切り欠かれた端面の係合爪側(下側)は、テーパ状に形成されている。かかるテーパ31は、回転する係合爪221が上に移動したり、爪の先端が撥ねるように変形した場合であっても、係合爪221が係合爪押え部材30に引っかからないようにするためのものである。
【0047】
また、図6(a)に示した構成の変形例として図6(b)に示すように、係合歯232の厚みD5を係合爪221の厚みD2より大きく設定し、係合爪押え部材30は、その少なくとも一部が係合歯232の開口側端面よりも係合爪221側に位置する(点線Yで示す高さよりも下に位置する)ようにするとよい。このようにすれば、係合爪押え部材30の下面よりも上に移動することがないため、係合爪221の厚み方向全範囲が常に係合歯232と係合した状態を維持できる。
【0048】
動力の伝達速度を調節する調速機構は、ゼンマイ5の負荷によって回転する入出力軸10や、入出力軸10の回転に伴って回転する動力伝達機構を構成する上記歯車等の各伝達部材などの回転速度を調節する機構である。かかる調速機構は、第三の歯車41と、がんぎ車42と、振り子43と、を備える。
【0049】
第三の歯車41は、相対的に小径の小径歯車部411と、相対的に大径の大径歯車部412を有する複合歯車である。第三の歯車41の小径歯車部411は、第二の歯車24の大径歯車部242と噛合している。したがって、第二の歯車24の回転に伴って第三の歯車41が回転する。
【0050】
がんぎ車42は、平歯車である歯車部421と、その歯車部421の下に周方向等間隔に設けられたがんぎ爪422とを有する。がんぎ車42の歯車部421は、第三の歯車41の大径歯車部412と噛合している。
【0051】
振り子43は、振り子支持板432に固定された振り子支持軸433に回動(揺動)自在に支持されており、二つの振り子爪431を有する。かかる振り子爪431ががんぎ車42のがんぎ爪422に係合している。
【0052】
これらがんぎ車42および振り子43による調速機能を簡単に説明する。がんぎ車42が回転すると、それに係合する振り子43が一方向に回動する。そうすると、二つの振り子爪431うち一方の振り子爪431が、複数のがんぎ爪422のうち一つのがんぎ爪422に係合し、がんぎ車42の回転を阻止する方向に負荷を掛ける。この負荷を押し返すようにがんぎ車42がさらに回転すると、振り子43は他方向に回動する。このように、振り子43が揺動しながら、振り子爪431の一方が周方向等間隔に設けられたがんぎ爪422に対して出入りする。これにより、ゼンマイ5の付勢力の強弱によらず、振り子43の揺動の周期に応じてがんぎ車42が等速回転する。
【0053】
このように、がんぎ車42は、振り子43の揺動の周期に応じて回転するように回転速度が調節されているから、当然、がんぎ車42と連動して回転する部材(第三の歯車41、動力伝達機構を構成する各部材、入出力軸10等)も、同じ速度(周速度)で回転する。つまり、調速機構が有するがんぎ車42および振り子43の作用により、ゼンマイ5の付勢力を解放する方向とは反対方向の負荷が周期的に動力伝達機構に与えられ、これらの回転速度が調整されている。
【0054】
次に、このようにして入出力軸10等の回転速度が調節される、ゼンマイタイマ1が備えるその他の構成を説明する。
【0055】
入出力軸10には、同じ中心軸で回転する三つのカムが取り付けられている。下から順に、電源制御用カム51、ブザー制御用カム55、漬け置き制御用カム57が取り付けられている。各カムともに、外周面に所定の形状のカム面(凹凸形状)が形成されている。
【0056】
電源制御用カム51のカム面は、一カ所の凹部511が形成されたものである。かかるカム面には、一方の電源制御用切片53がカム係合部材52を介して係合している。原位置では、カム係合部材52はカム面の凹部511に係合している。このときには、一方の電源制御用切片53と他方の電源制御用切片54とは非接触状態にある。入出力軸10の回転により、電源制御用カム51が回転すると、カム係合部材52が凹部511から外れる(凹部511以外の部分(凸部)に乗り上げる)。このときには、一方の電源制御用切片53が、他方の電源制御用切片54側に付勢され、両者は接触した状態となる。この接触によって生ずる信号を得て、図示されない洗濯機の制御手段が、洗濯機の主電源をオン状態とする(洗濯槽を回転させるモータが駆動する)。
【0057】
ブザー制御用カム55のカム面は、一カ所の凹部551が形成されたものである。かかるカム面には、他方の電源制御用切片54がブザー用レバー56を介して係合している。ブザー用レバー56が凹部551から外れる(凹部551以外の部分(凸部)に乗り上げる)と、他方の電源制御用切片54が一方の電源制御用切片53から離間する方向に付勢され、両者は離間した状態となる。詳細は省略するが、上記電源制御用カム51のカム面の凹部511と、ブザー制御用カム55のカム面の凹部551は位相がずれており、かかる位相のずれを考慮して、図示されない洗濯機の制御手段が、洗濯終了の合図としてのブザーを鳴らす。
【0058】
漬け置き制御用カム57のカム面は、周方向に凹凸が交互に形成されたものである。かかるカム面には、漬け置きレバー571が係合している。漬け置きレバー571の外側には、上述した第一の正転逆転用レバー261および第二の正転逆転用レバー262が位置する。漬け置きレバー571が漬け置き制御用カム57のカム面の凸部に乗り上げる(係合する)と、漬け置きレバー571によって第一の正転逆転用レバー261および第二の正転逆転用レバー262が外側に付勢される。外側に移動した第一の正転逆転用レバー261および第二の正転逆転用レバー262は、第一の正転逆転用切片271および第二の正転逆転用切片272を共通端子28から離間させる方向に付勢する。これにより、第一の正転逆転用切片271および第二の正転逆転用切片272は、いずれも共通端子28とは非接触の状態となる。このような状態では、洗濯槽を回転させるモータへの通電が遮断されるから洗濯槽は回転しない(正転・逆転のいずれの方向にも回転しない)。つまり、停止した洗濯槽内で洗濯物がいわゆる「漬け置き」されることとなる。このように、漬け置き制御用カム57が回転し、漬け置きレバー571がカム面の凸部に乗り上げる度に、モータへの通電が遮断されて洗濯槽が停止する。
【0059】
(ゼンマイタイマ1の動作)
次に、このような構成を有する本実施形態にかかるゼンマイタイマ1の一連の動作(ゼンマイタイマ1が搭載された洗濯機の一連の動作)について、一部上記説明と重複するが説明する。
【0060】
洗濯機使用者が洗濯機に設けられたつまみを一方に回転させると、第一の歯車21に固定されたゼンマイ5が巻き上げられる。このとき、第一のクラッチ部材22と第二のクラッチ部材23による動力の伝達は「断」状態となるから、容易にゼンマイ5を巻き上げることができる。洗濯機使用者がつまみを離すと、ゼンマイ5の付勢力が解放される。ゼンマイ5の付勢力は、動力伝達機構を介して調速機構まで伝達されるため、調速機構によって制御された速度で入出力軸10が回転する(一気にゼンマイ5の付勢力が解放されない)。入出力軸10の回転に伴い、電源制御用カム51が回転する。電源制御用カム51の回転によって洗濯機の主電源がオン状態となり、洗濯機のモータが洗濯槽を回転させる。
【0061】
一方、ゼンマイ5の付勢力は、入出力軸10から第一の歯車21を介して第一のクラッチ部材22に伝わる。このとき、第一のクラッチ部材22と第二のクラッチ部材23による動力の伝達は「継」状態となるから、ゼンマイ5の付勢力は第二のクラッチ部材23に噛合する第二の歯車24まで伝わる。したがって、第二の歯車24に固定された正転逆転調節用カム25が回転する。洗濯機のモータは、第一の正転逆転用切片271と共通端子28が接触した状態にある場合には、洗濯槽を正転させ、第二の正転逆転用切片272と共通端子28が接触した状態にある場合には、洗濯槽を逆転させる。なお、どのような状態であっても、漬け置き制御用カム57のカム面の凸部に漬け置きレバー571が乗り上げている場合には、かかる漬け置きレバー571によって、第一の正転逆転用切片271および第二の正転逆転用切片272のいずれもが、強制的に共通端子28と非接触の状態とされる。そのため、洗濯槽が停止し、いわゆる「漬け置き」状態となる。
【0062】
このように洗濯槽の正転・逆転(および漬け置き)が繰り返され、洗濯が進行する。そして、電源制御用カム51のカム面の凹部511にカム係合部材52が係合する位置まで入出力軸10が回転すると、一方の電源制御用切片53に対する付勢が解かれ、洗濯機の主電源がオフとなる。主電源がオフとなった直後、ブザー制御用カム55の作用により洗濯機から洗濯終了のブザーが発せられる。
【0063】
(本実施形態の効果)
以上説明した本実施形態にかかるゼンマイタイマ1によれば、次のような効果が奏される。
【0064】
本実施形態にかかるゼンマイタイマ1は、第一のクラッチ部材22および第二のクラッチ部材23からなるクラッチを有する。このうち、少なくとも第二のクラッチ部材23は成型加工によって製造されるため、その係合歯232は嵌合穴231の開口方向に向けて拡がるテーパ状に形成されている。そのため、係合歯232に係合する第一のクラッチ部材22の係合爪221は、かかるテーパによって嵌合穴231の開口方向に力を受ける。本実施形態では、かかる嵌合穴231側に係合爪押え部材30を設けている。この係合爪押え部材30は、軸線方向における係合歯232との間隔が、係合爪221の厚みよりも小さくなるように設けられており、係合爪押え部材30と係合歯232との間を係合爪221が通ることはできない。そのため、係合爪221が係合歯232から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0065】
さらに、第一の歯車21の歯車部211は、第一のクラッチ部材22の歯車部222に噛合しており、その第一のクラッチ部材22の歯車部222は係合爪221より小径であるから、第一の歯車21は係合爪221の上に位置する。係合爪押え部材30と係合爪221との間隔は、第一の歯車21と係合爪221の間隔よりも小さくなるように設定されている。このような構成とすれば、仮に係合歯232のテーパによって係合爪221が上に移動するようなことがあっても、係合爪221は第一の歯車21の前に必ず係合爪押え部材30に当接するから、係合爪221と第一の歯車21とが接触することを確実に防止できる。
【0066】
また、係合爪押え部材30は、係合爪221の回転方向で一部が切り欠かれた略半円筒状に形成されており、その切り欠かれた端面の係合爪221側(下側)には、テーパ31が形成されている。したがって、回転する係合爪221が上に移動したり、爪の先端が撥ねるように変形した場合であっても、係合爪221が係合爪押え部材30に引っかかったりすることが少ない。
【0067】
また、図6(b)に示した構成のように、係合爪押え部材30の少なくとも一部を係合歯232の開口側端面よりも係合爪221側に位置させれば、係合爪221が係合爪押え部材30の下面よりも上に移動することがないため、係合爪221の厚み方向全範囲が常に係合歯232と係合した状態を維持できる。
【0068】
特に、本実施形態では、以下の1)〜3)の点で、係合爪221が係合歯232から外れるおそれや係合爪221が変形するおそれが高いことから、上記係合爪押え部材30を設けた意義が大きい。1)第一のクラッチ部材22の係合爪221は、先端部分を除く根本側の少なくとも一部が弾性を有するため、爪の先端が径方向外側に向けて付勢された状態でテーパ状に形成された係合歯232に係合されている。つまり、このような付勢力が働いている分、係合爪221が係合歯232から外れるおそれが高い。2)調速機構が有するがんぎ車42および振り子43の作用により、ゼンマイ5の付勢力を解放する方向とは反対方向の負荷が周期的に動力伝達機構に与えられる。つまり、調速機構の存在により、係合爪221や係合歯232にかかる力が周期的に変化するから、テーパによるすべりが発生しやすく、係合爪221が係合歯232から外れるおそれが高い。3)ゼンマイ5は、入出力軸10を手動で回転させることによって巻き上げられる。したがって、目標値よりも多く入出力軸10を巻き上げた使用者が入出力軸10をゼンマイ5の巻き上げ方向とは反対の方向へ戻すように逆回転させることも考えられる。このような場合、係合爪221に大きな力がかかり変形するおそれが高い。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 ゼンマイタイマ
5 ゼンマイ
10 入出力軸(入力軸)
21 第一の歯車(動力伝達歯車)
22 第一のクラッチ部材
23 第二のクラッチ部材
30 係合爪押え部材
31 (係合爪押え部材に形成された)テーパ
42 がんぎ車
43 振り子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側から他方側へ動力を断続して伝えるクラッチを有する装置であって、
前記クラッチは、
外周に係合爪を有する第一のクラッチ部材と、
前記係合爪が係合された係合歯を内周に有する嵌合穴が形成され、成型加工によって前記係合歯が前記嵌合穴の開口側に拡がるテーパ状に成型された第二のクラッチ部材と、を備え、
前記嵌合穴の開口側には、その開口側から見て少なくとも一部が前記係合爪と重なり、かつ、前記第一のクラッチ部材の軸線方向における前記係合歯との間隔が前記係合爪の厚みより小さい、係合爪押え部材が設けられていることを特徴とするクラッチを有する装置。
【請求項2】
前記第一のクラッチ部材は、前記係合爪押え部材側に前記係合爪より小径の歯車部を有し、
前記軸線方向における前記係合爪押え部材と前記係合爪との間隔は、前記第一のクラッチ部材の歯車部に噛合する動力伝達歯車と前記係合爪との間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のクラッチを有する装置。
【請求項3】
前記係合爪は、第一のクラッチ部材に設けられた胴部から突出して形成され、前記係合歯と係合する先端部分を除く根本側の少なくとも一部が弾性を有することを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチを有する装置。
【請求項4】
前記係合爪押え部材は、前記係合爪の回転方向で少なくとも一部が切り欠かれ、その切り欠かれた端面の前記係合爪側にテーパが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のクラッチを有する装置。
【請求項5】
前記係合歯の厚みは、前記係合爪の厚みより大きく設定され、
前記係合爪押え部材は、その少なくとも一部が前記係合歯の開口側端面よりも前記係合爪側に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のクラッチを有する装置。
【請求項6】
請求項1から5に記載のクラッチを有する装置を備えるゼンマイタイマであって、
前記ゼンマイを巻き上げる入力軸と、
前記クラッチが設けられた前記ゼンマイの付勢力を伝達する動力伝達機構と、
前記クラッチが「継」状態にある場合に、前記動力伝達機構による前記ゼンマイの付勢力の伝達速度を調節する調速機構と、を備え、
前記クラッチは、前記入力軸によってゼンマイを巻き上げる方向の回転では前記動力伝達機構による動力の伝達を「断」状態とし、前記ゼンマイの付勢力を解放する方向の回転では前記動力伝達機構による動力の伝達を「継」状態とすることを特徴とするゼンマイタイマ。
【請求項7】
前記調速機構は、前記ゼンマイの付勢力を解放する方向の回転とは反対方向の負荷を周期的に前記動力伝達機構に与えることを特徴とする請求項6に記載のゼンマイタイマ。
【請求項8】
前記入力軸は、手動で回転させて前記ゼンマイを巻き上げるものであることを特徴とする請求項6または7に記載のゼンマイタイマ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−47275(P2012−47275A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190395(P2010−190395)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】