説明

クラフトパルプからの樹脂を低減させるためのパルプ化添加剤

クラフトパルプ化プロセスで処理された木材チップから樹脂を除去するための組成物及び方法が開示されている。この方法はトリテルペン及びトリテルペノイド樹脂を除去するのに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラフト蒸解後、木材の樹皮及びチップに見出されるトリテルペンまたはトリテルペノイド樹脂を低減させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピッチ及び樹脂の除去は、パルプ化プロセスで非常に重要である。ピッチ及び樹脂が効果的に除去されない場合、パルプ化及び洗浄によってまたはその後に、汚れの問題が生じる可能性があり、漂白剤の消費が増大し、かつ/または製紙設備の表面に後で堆積物が形成される可能性がある。
【0003】
クラフトパルプ化でのカバノキ材の脱樹脂は、カバノキが多量の不鹸化成分を含有しているので特に難しく、この場合ベツリンが、主要な不鹸化成分である。ベツリンは、カバノキ材に見出される天然に生ずる五環式トリテルペニルアルコールであり、カバノキの樹皮の最大35%を構成する。ベツリンは、多くのその他のピッチ成分の場合よりも著しく高い、256℃という融点を有する。ベツリンは、水にほとんど溶解せず、化学的に完全に非反応性である。ベツリンは、クラフト消化プロセス中に完全に溶解せず、製紙プロセスに堆積の問題を引き起こす可能性がある。
【0004】
問題を軽減する1つの方法は、クラフト蒸解前にカバノキから樹皮を完全に除去することである。しかし剥皮は、木材の損失及び収量低減をもたらす。したがって、クラフト蒸解後にパルプ中のベツリンを低減させるため、消化剤添加剤を使用することがより望ましい。この手法には、現行の剥皮プロセスに比べ、ベツリンの堆積を減少させかつパルプ収量を増大させるという利点がある。
【0005】
カバノキの脱樹脂の問題は何年にもわたり知られており、スカンジナビアの工場で主に用いられている、パルプ化で唯一確立された方法は、蒸解プロセス前にチップにトール油またはロジン石鹸を添加することである。Blackら、Pitch Control, Wood Resin and Deresination、TAPPI Press、第8章(2000)、及びDunlop-Jonesら、Journal of Wood Chemistry and Technology、9(3)、365〜386頁 (1989)は、トール油で鹸化性物質の量を増大させ、それによって、鹸化性と不鹸化性の木材樹脂の比が上昇し、不鹸化性物質の乳化を助け、黒液にすることを教示している。
【0006】
トール油またはトール油石鹸は、カバノキのクラフトパルプ化においてベツリンを低減させるため、何年にもわたり使用されてきた。しかし、この方法の効果は中程度であり、トール油を10〜30 lb/tのオーブン乾燥(OD)パルプレベルで使用する場合、ベツリンの約50%しか除去できない。トール油の添加は、部分的な木材損失をもたらす効果的な剥皮と共に行われる。
【0007】
合成分散剤の効果についても調査されている。例えば、負荷量0.5%のドデシルベンゼンスルホン酸界面活性剤は、カバノキ材に対して針葉樹トール油3%の場合と同じ脱樹脂効果を発揮する(E.L.Black及びH.Allen「Pitch Control, Wood Resin and Deresination」、TAPPI press、第8章、2000)。しかし、コスト上の制約が、商業的な用途に制限を加えていた。
【0008】
医療用及び化粧品用配合物を目的とした、樹皮からのベツリンの単離に関する教示がある。この関心は、ベツリン及びその誘導体が強力な抗ウイルス、抗癌、及び抗炎症特性を示すという事実から生じ、これらは、その医薬品適用例に向けて大規模に研究されている。例えば、P.A.Krasutsky、「Birch Bark Research and Development」、Natural Product Reports、v.23、2006、919〜942頁;ロシア特許第2291684号明細書;米国特許第6,890,533号明細書、米国特許第6,656,970号明細書、米国特許第7,198,808号明細書、及び米国特許第6,689,767号明細書;及び米国特許出願第2003/0109727号明細書を参照されたい。
【0009】
ピッチ及び樹脂の除去に植物油を使用できることは、以前から公知であり、例えば、英国特許第1,466,502号明細書を参照されたい。しかし、これらはベツリン及びベツリン型成分に対する効果について述べていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ロシア特許第2291684号明細書
【特許文献2】米国特許第6,890,533号明細書
【特許文献3】米国特許第6,656,970号明細書
【特許文献4】米国特許第7,198,808号明細書
【特許文献5】米国特許第6,689,767号明細書
【特許文献6】米国特許出願第2003/0109727号明細書
【特許文献7】英国特許第1,466,502号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Blackら、Pitch Control, Wood Resin and Deresination、TAPPI Press、第8章(2000)
【非特許文献2】Dunlop-Jonesら、Journal of Wood Chemistry and Technology、9(3)、365〜386頁(1989)
【非特許文献3】E.L.Black及びH.Allen「Pitch Control, Wood Resin and Deresination」、TAPPI press、第8章、2000
【非特許文献4】P.A.Krasutsky、「Birch Bark Research and Development」、Natural Product Reports、v.23、2006、919〜942頁
【非特許文献5】Bergelinら、「Evaluation of methods for extraction and analysis of wood resin in birch kraft pulp」、Nordic Pulp and Paper Research Journal、Vol.18、No.2、2003、129-133頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、クラフトパルプ化プロセスで処理された木材チップから、トリテルペン及びトリテルペノイド樹脂を除去するための組成物及び方法に関する。この方法は、木材チップ、クラフトパルプ化液、トリグリセリド油、またはこれらのアルキル誘導体;及びa)ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤、またはb)ロジン石鹸、トール油の少なくとも1種;或いはこれらの混合物を組み合わせるステップと、得られた混合物をクラフトパルプ化プロセスで蒸解するステップとを含む。
【0013】
1つの好ましい実施形態では、本発明は、木材チップ、クラフトパルプ化液、トリグリセリド油、またはそのアルキル誘導体、及びカテゴリーa)またはカテゴリーb)の1種または複数の化合物、またはこれらの混合物を組み合わせるステップであって、カテゴリーa)の化合物がポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤を含み、カテゴリーb)の化合物がロジン、ロジン石鹸、トール油、トール油石鹸、またはこれらの誘導体を含むステップと、得られた混合物をクラフトパルプ化プロセスで蒸解するステップとを含む、クラフトパルプのトリテルペン及びトリテルペノイド樹脂を低減させる方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、クラフトパルプ化プロセスで処理された木材チップから、トリテルペン及びトリテルペノイドなどの樹脂を除去するための、組成物及び方法を開示する。より具体的には、本発明は、木材チップ、クラフトパルプ化液、有効量のトリグリセリド油、またはこれらのアルキル誘導体;及びa)ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤またはb)ロジン石鹸、トール油の少なくとも1種;またはこれらの混合物を組み合わせるステップと、得られた混合物をクラフトパルプ化プロセスで蒸解するステップとを含む方法を開示する。
【0015】
「トリグリセリド油」は、植物源からの油を意味すると定義され、例えば、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、及びこれらの混合物などが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0016】
トリグリセリド油の「アルキル誘導体」は、トリグリセリド油とアルコールとのエステル交換から得られたエステル誘導体を意味すると定義され、例えば、大豆油とメタノールまたはエタノールとのエステル交換から得られた脂肪酸エステルである。トリグリセリド油エステルの例として、大豆油アルキルエステル、トウモロコシ油アルキルエステル、及び菜種油エステルが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0017】
「ロジン石鹸」は、少なくとも1つの不飽和結合を有する直鎖状、分枝状、または環状アルキル鎖と、単一のカルボン酸官能基とを含む、天然に生じる樹脂酸組成物の、中和生成物と定義される。
【0018】
「トール油」は、脂肪酸及び樹脂酸、並びにステロール、脂肪アルコール、及び炭化水素のいくつかの、混合物を含む樹脂の部分集合と定義される。樹脂酸は、典型的には、クラフトパルプ化プロセスから単離された副生成物である。
【0019】
「ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤」とは、組成物の一部が疎水性であり一部が親水性である、アルキレングリコール単位を含む組成物を定義するものである。ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤の例は、ポリ(エチレングリコール)アルキルエステル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドホモ及びコポリマー、またはポリ(エチレンオキシド-co-プロピレンオキシド)アルキルエステルもしくはエーテルである。その他の例には、ドデカノールなどの第1級アルコールのエトキシル化誘導体、第2級アルコール、ポリ[プロピレンオキシド]、これらの誘導体、及びトリデシルアルコールエトキシル化リン酸エステルなどが含まれる。
【0020】
本発明によれば、トリテルペン及びトリテルペノイド低減添加剤または添加剤の組合せを、白液と共にまたは白液及び黒液の組合せと共にチップと合わせる。チップ、液、及び添加剤を添加する順序は重要ではないが、添加剤は、より良好な混合及び分散のためには白液と混合することが望ましい。この方法を使用する結果、剥皮されていない木材チップの使用が可能になることにより、パルプの収量が増加する。
【0021】
本発明で使用されるトリテルペン及びトリテルペノイド低減添加剤の合計累積重量は、典型的には、約2 lb/t(1gm/kg)乾燥パルプから20 lb/t(10gm/kg)乾燥パルプである。この量は、1t当たり約2.5 lb(1.5gm/kg)から10 lb/tであることが好ましい。使用した添加剤は10 lb/t(5gm/kg)未満であることが好ましい。
【0022】
クラフトプロセス蒸解時間、圧力、及び温度は、パルプミルをどのように設定するかに応じて変化する可能性がある。例えば、クラフトミルの典型的な蒸解条件は、硫化度25〜35%、最高蒸解温度160〜170℃、活性アルカリ15〜20%、及び蒸解時間は数時間である可能性もある。クラフトミル内の温度は、140℃から170℃の間であることが好ましい。蒸解時間は、約1から約5時間が好ましい。活性アルカリの%は、オーブン乾燥(OD)木材の質量に対する、硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムとの質量比(Na2Oベースで表す)と定義される。硫化度%は、硫化ナトリウムの質量と水酸化ナトリウムの質量の合計に対する硫化ナトリウムの質量の比と定義され、これら全ての質量は、Na2Oベースで表されるものである。
【0023】
本発明によれば、トリグリセリド油及び/またはそのアルキル誘導体、好ましくは大豆油及び/または大豆油メチルエステルの適用によって、クラフトパルプ化プロセスで木材チップからトリテルペンまたはトリテルペノイド樹脂を効果的に抽出可能になることがわかった。剥皮の部分的なまたは完全な排除によって、パルプ収量は増加する。トリテルペンまたはトリテルペノイドの低減は、トリグリセリド油及び/またはそのアルキル誘導体、好ましくは大豆油及び/または大豆油メチルエステルをロジン石鹸、トール油、界面活性剤、またはこれらの組合せと合わせたときに増強できることも、さらにわかった。
【0024】
本発明の一実施形態では、トリテルペンまたはトリテルペノイドは、カバノキの樹皮から得たベツリンである。
【0025】
本発明によれば、いくつかの添加剤は、クラフト蒸解によって、パルプ中のベツリンなどのトリテルペンまたはトリテルペノイドを減少させる。理論に拘泥するものではないが、本発明の添加剤は、木材チップ中への白液及び添加剤のより良好な浸透、黒液中のトリテルペンまたはトリテルペノイド粒子の安定化、またはこれらの組合せによって機能すると考えられ、したがってパルプ中のトリテルペンまたはトリテルペノイドが低減する。
【0026】
トリテルペンまたはトリテルペノイドの低減は、大豆油または大豆油メチルエステルと、より高い平均分子量の界面活性剤またはより長い鎖のポリエチレングリコール、例えばMAPEG 600 DOT界面活性剤などとブレンドすることによって、著しく増強される。可能な説明には、黒液中での油の溶解度の増強、チップ内への液及び添加剤の浸透の増強、または両方の組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。ポリエチレングリコール鎖の長さは、脱樹脂の重要な因子であり、PEG-600は、低分子量PEGよりもかなり有効である。
【0027】
本発明でポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤を使用する場合、この界面活性剤は、平均して9単位よりも多くのエチレングリコールを、好ましくは平均して10単位よりも多くのエチレングリコールを有することが好ましい。
【0028】
本発明は、カバノキ、ユーカリ、及び熱帯広葉樹などの木材源の脱樹脂を改善するために、使用することができる。これらには、β-シトステロール(融点140℃)、即ちその構造がベツリンに似ているトリテルペンアルコールの別のタイプのレベルを低減するための、ユーカリの脱樹脂が含まれる。
【0029】
本発明は、ダマール樹脂の低減を目的とした、熱帯広葉樹の脱樹脂に使用することができる。ダマール樹脂は、四環式及び五環式骨格を有するトリテルペノイドとセスキテルペンとの複合混合物である。これらトリテルペンのいくつかは酸誘導体として生じ、その他はアルコール、エステル、またはケト誘導体として生じる。ダマール樹脂の一部は、β-レセン(β-resene)として知られている、より高い分子量(1,000から10,000まで)のポリセスキテルペンとして生じる。ダマール成分の融点は、ベツリンの場合のように非常に高く、80℃から始まって320℃程度の高さにまで及ぶ可能性がある。
【0030】
次に本発明について、例示と見なされかつ本発明の範囲を制限するものではないと見なされる、いくつかの特定の実施例を参照しながら記述する。
【0031】
(実施例)
本発明の組成物を、カバノキのチップからベツリンを抽出するその能力に関し、以下の手法により評価した。カバノキ樹皮(0.2g)と混合したカバノキのチップ(19.8g)を、合成により作製した白液(水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウムの水溶液、75g)及び任意選択で本発明の組成物と混合し、Model 4750 Parrボンブで180℃で5時間、硫化度25%及び活性アルカリ負荷20%で蒸解した。その後、Parrボンブの内容物を100℃に冷却し、次いで熱いうちに、中程度のメッシュペイントフィルタ(孔径約120ミクロン)に通して濾過した。
【0032】
パルプと共に残留するベツリンの含量を決定するために、単離したパルプを80℃の水(1,500ml)で2回洗浄し、次いで60℃のオーブンで乾燥し、含水率が5重量%未満になるまで15 CFHS窒素を流した。次いでオーブン乾燥したパルプ(1g)のサンプルを、アセトン(150ml)を4時間還流させながら抽出した。次いでアセトン抽出物の一定分量(2ml)を乾燥し、Bergelinら、「Evaluation of methods for extraction and analysis of wood resin in birch kraft pulp」、Nordic Pulp and Paper Research Journal、Vol.18、No.2、2003、129-133頁の方法に従いガスクロマトグラフィによって分析した。
【0033】
本発明の組成物の効力は、組成物を用いた実験を実施した結果と、本発明のいかなる組成物も含めずに実施したブランク実験の結果とを比較することによって決定した。Table 1(表1)は、これらの実験をまとめたものであり、ロジン石鹸(Dresinate(登録商標)Xロジン石鹸、Hercules Incorporated、Wilmington、DE、USAから入手可能)のベンチマーク処理を、比較のため行った。結果を、パルプ中のベツリンレベルの低減として報告し、0%はブランクに等しい。示されるデータは、1つの実施例当たり4回の蒸解を行った平均である。
【0034】
【表1】

【0035】
データは、本発明の方法を使用した場合、予想されたよりも大量のトリテルペンまたはトリテルペノイドが除去されることを示す。例えば実施例9では、合計で8 lb/tの負荷で16.9%の除去率を示すのに比べ、ロジン石鹸10 lb/tではその結果が6.3%であり、または大豆油5 lb/tではその結果が7.1%であった。ロジン石鹸と大豆油とを、1t当たり8 lbの負荷で組み合わせた場合、約7%以下の結果が予測される。大豆油と、ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤との組合せは、大豆油の脂肪酸誘導体と同様の、予期せぬ結果を示す。
【0036】
本発明について、その特定の実施形態を参照しながら述べてきたが、当業者なら、多数のその他の形及び変形例が当業者に自明となることは明白である。本出願に記述される本発明は、一般に、本発明の真の範囲内にある、全てのそのような明らかな形及び変形例を包含すると解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラフトパルプからの樹脂を低減させる方法であって、
木材チップ、クラフトパルプ化液、及び少なくとも1種のトリグリセリド油またはトリグリセリド油アルキルエステルと、下記カテゴリーa)またはカテゴリーb)の1種もしくは複数の化合物、またはこれらの混合物とを組み合わせるステップであって、
a)ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤、
b)ロジン、ロジン石鹸、トール油、トール油石鹸、またはこれらの誘導体
であるステップと、
得られた混合物をクラフトパルプ化プロセスで蒸解するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記トリグリセリド油またはトリグリセリド油アルキルエステルが、大豆油、大豆油の脂肪酸誘導体、またはこれらの混合物の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリグリセリド油が大豆油である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トリグリセリド油アルキルエステルが大豆油アルキルエステルである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤が、ポリ(エチレングリコール)アルキルエステル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドホモ及びコポリマー、またはポリ(エチレンオキシド-co-プロピレンオキシド)アルキルエステルもしくはエーテルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリ(エチレングリコール)アルキルエステルが、ポリ(エチレングリコール)ジタレートまたはポリ(エチレングリコール)ジオレエートである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリ(エチレングリコール)アルキルエステルが、少なくとも9個のエチレングリコール単位を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記木材チップが、カバノキ、ユーカリ、熱帯広葉樹、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記木材チップが、カバノキの木材チップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
クラフトパルプからの樹脂を低減させる方法であって、
木材チップ、クラフトパルプ化液、及び少なくとも1種のトリグリセリド油またはトリグリセリド油アルキルエステルと、少なくとも1種のポリ(アルキレングリコール)をベースにした界面活性剤とを組み合わせるステップと、
得られた混合物をクラフトパルプ化プロセスで蒸解するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記トリグリセリド油が大豆油である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
クラフトパルプからの樹脂を低減させる方法であって、
木材チップ、クラフトパルプ化液、及び少なくとも1種のトリグリセリド油またはトリグリセリド油アルキルエステルと、ロジン、ロジン石鹸、トール油、トール油石鹸、またはこれらの誘導体からなる群から選択される1種または複数の化合物とを組み合わせるステップと、
得られた混合物をクラフトパルプ化プロセスで蒸解するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
前記トリグリセリド油が大豆油である、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2012−500341(P2012−500341A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523044(P2011−523044)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/052834
【国際公開番号】WO2010/019425
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(591020249)ハーキュリーズ・インコーポレーテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】HERCULES INCORPORATED
【Fターム(参考)】