クリアケース用支持部材
【課題】本発明は、構造が簡単で組立てが容易であり、収納作業性が良く、さらに表裏両面が展示可能なクリアケース用支持部材を提案することを目的としたものである。
【解決手段】クリアケースに物品を収納し固定するための支持部材であって、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板を有し、該仕切板は、物品を保持するくりぬき孔を有し、該仕切板の幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、前記背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有することを特徴とするクリアケース用支持部材である。
【解決手段】クリアケースに物品を収納し固定するための支持部材であって、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板を有し、該仕切板は、物品を保持するくりぬき孔を有し、該仕切板の幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、前記背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有することを特徴とするクリアケース用支持部材である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、クリアケース内にあって内容物を支持固定すると共に、優れた展示効果を発現する支持部材に関する。
【背景技術】
【０００２】
商品の展示効果を高め、高級感を演出する目的で、商品を外側から視認可能な透明なケース（クリアケース）に収納することが行われている。クリアケースに商品を収納し、動かないように固定するために、支持部材を用いるのが一般的であるが、支持部材を組立てて、商品を支持部材に挟み込み、クリアケースに収納する作業は、手作業による他なく、煩雑で手間のかかる作業であった。
【０００３】
特許出願人の出願による特許文献１に開示された壜容器用展示函は、正面に窓部を有する平行六面体の外函と、壜容器収納ケースとから構成される壜容器用展示函において、底板にその両側縁に設けられた折り目線を介して正面板と裏面板を連設し、該正面板と裏面板を切り欠いて壜容器仕切り枠を形成し、該正面板と裏面板の片側側縁の位置に台形状の側壁板を対角して設け、前記底板の折り目線から正面板、裏面板を折り立て上方にて係止した側面三角形状の壜容器収納ケースを特徴とする壜容器用展示函である。
【０００４】
ここでいう壜容器収納ケースが商品を支持、固定するための支持部材に相当するが、特許文献１に開示された壜容器収納ケースは、のり貼り工程がなく、組立ても比較的容易にできるものである。しかし、その組立てに当っては、正面板と裏面板を折り立てて上方に設けられた差込みロックにて係止する必要があり、作業性の面で満足できるものではなかった。またこの壜容器収納ケースは、クリアケースに収納することを想定しておらず、正面に窓部を有する外箱に収納するものであり、外箱の窓部から見える部分はごくわずかであることから、あくまで壜容器の保持を主目的としたものであり、壜容器収納ケース自身の展示効果を前提としていないものである。
【０００５】
一方、正月に飾る鏡餅は、鏡餅形に成型したプラスチック容器に餅を充填し、真空包装したいわゆる上下一体パック製品が日持ちも良く、衛生的であるため、広く用いられるようになっている。これらの鏡餅は、長期間の保存性を有するにも拘らず、正月の飾り用に用途が限定されているため、飾ることのできる期間が短く、従って販売期間も年末の短い期間に集中し、製造や流通の面で問題が多かった。
【０００６】
発明者は、鏡餅を始めとする各種物品をクリアケースに収納し、支持固定するとともに、展示効果をも高めるための支持部材について、種々検討した結果、本発明に至ったものである。
【特許文献１】実開平6-12317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、構造が簡単で組立てが容易であり、収納作業性が良く、さらに表裏両面が展示可能なクリアケース用支持部材を提案することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記の課題を解決するための手段として、請求項１に記載の発明は、クリアケースに物品を収納し固定するための支持部材であって、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板を有し、該仕切板は、物品を保持するくりぬき孔を有し、該
仕切板の幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、前記背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有することを特徴とするクリアケース用支持部材である。
【０００９】
また、請求項２に記載の発明は、前記前面板と背面板には、それぞれ異なる絵柄が印刷されており、クリアケース収納体の前面側および背面側は、それぞれ異なる展示効果を発現するものであることを特徴とする請求項１に記載のクリアケース用支持部材である。
【００１０】
また、請求項３に記載の発明は、物品が鏡餅であり、前面板にクリスマスを表す絵柄が印刷されており、背面板に正月を表す絵柄が印刷されていることを特徴とする請求項２に記載のクリアケース用支持部材である。
【発明の効果】
【００１１】
本発明に係るクリアケース用支持部材は、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板とを有し、前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有するのみであるので、構造が極めて単純であり、折線にそって折るだけの簡単な操作で組立てることができる。
【００１２】
また本発明に係るクリアケース用支持部材は、前記前面板と背面板の寸法が等しく、幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しいため、組立てた支持部材は、クリアケースの内側に丁度納まる。また、各折線の戻ろうとする力により、自然にクリアケースの内面に密着しようとするため、クリアケースへの納りが良く、組立てが容易である。
【００１３】
また支持部材を組立てるための差し込みやフックが存在しないため、支持部材に凹凸がなく、平坦であるから、クリアケースの外から見た時の外観がすっきりしており、意匠的にも優れている。
【００１４】
また、前面板と背面板には、それぞれ異なる絵柄が印刷されており、クリアケース収納体の前面側および背面側が、それぞれ異なる展示効果を発現するものである場合には、一つの物品を２つの異なる展示効果に基づいて展示することができるので、利便性も高まり、従来にない商品展開が可能となり、商品価値が高まる。
【００１５】
また、物品が鏡餅であり、前面板にクリスマスを表す絵柄が印刷されており、背面板に正月を表す絵柄が印刷されている場合には、鏡餅を雪だるまに見たてることにより、展示可能期間を従来の正月期間のみから、クリスマス以前から正月にかけての長期間に拡大することができるため、販売可能期間が広がり、商品価値も高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下図面に従って、本発明に係るクリアケース用支持部材について詳細に説明する。
図１は、本発明に係るクリアケース用支持部材の一実施態様を用いたクリアケース収納体を示した斜視図である。また図２は、図１に示したクリアケース収納体の裏面の状態を示した斜視図である。また図３は、図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケース用支持部材の展開図である。また図４は、図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケースの展開図である。
【００１７】
本発明に係るクリアケース用支持部材３は、図３に示した実施態様においては、頂部折線１０を介して背中合せに折られて仕切板４を形成する等しい寸法の前面板１１と背面板
１２とを有し、該仕切板４は、物品を保持するくりぬき孔１３を有し、幅寸法と高さはそれぞれクリアケース２の内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板１１は折線１４を介して等しい長さ（長さ１（１９））に連設された前底面板１５と左右の前側面板１６を有し、前記背面板１２は折線１４を介して等しい長さ（長さ２（２０））に連設された後底面板１７と左右の後側面板１８を有し、前記二つの長さの和（長さ１＋長さ２）はクリアケース２の内法奥行寸法にほぼ等しい。なお図３に示した実施態様においては、長さ１と長さ２は等しく、クリアケース２の内法奥行寸法のほぼ１／２となっている。従って組立てられた支持部材３は、クリアケース２の中に丁度納るものとなる。なお図３において、実線は切断線を示しており、点線は折線を示している。但し絵柄は除く。
【００１８】
前面板１１と背面板１２は、頂部折線１０を１８０度山折りすることにより、背中合せになり、クリアケース内の仕切板４となる。また折線１４をすべて９０度に谷折りすることにより、支持部材３の組立てが完了する。組立てが完了した支持部材３のくりぬき孔１３に物品を載せて、組立てたクリアケース２に挿入するだけの簡単な操作で、製品であるクリアケース収納体が完成する。
【００１９】
支持部材３は、各部の寸法がクリアケース２の内法寸法にほぼ等しいので、クリアケースの内側に丁度納る。また折線１４の元に戻ろうとする力は、支持部材３の各部分をすべてクリアケース２の内側に密着させるような方向に働くので、支持部材３のクリアケース２への納りが良い。なお前面板１１と背面板１２は、裏面同士を接着剤や両面粘着テープで貼り合せることによって、仕切板４を形成してもよく、そうすることにより支持部材３の強度を高めることができる。支持部材３の材質としては、コートボール紙などの厚紙が一般的に用いられるが、段ボールや、合成紙、アルミ箔ラミネート紙等、任意である。
【００２０】
支持部材３の表面および裏面には印刷を施すことによってクリアケース２に収納された後にさまざまな展示効果を発揮させることが可能である。前面板１１と背面板１２に、それぞれ異なる絵柄を印刷した場合には、クリアケース収納体の前面側および背面側は、それぞれ異なる展示効果を発現することができる。
【００２１】
図１は、本発明に係るクリアケース用支持部材の一実施態様を用いたクリアケース収納体を示した斜視図である。この実施態様においては、収納物が上下一体パックの鏡餅１であり、支持部材３の前面板１１には、クリスマスの絵柄５が印刷されており、鏡餅１を雪だるまに見立てた顔の絵やマフラーや手、帽子などの小物に加えて、クリスマスツリーなどのクリスマス飾り６が添えられている。前面板１１に連設された前底面板１５の表面や、左右の前側面板１６の表裏面には、模様や絵柄を印刷することによって、クリアケース収納体の展示効果を高めることが出来る。
【００２２】
図２は、図１に示したクリアケース収納体の裏面の状態を示した斜視図である。この実施態様においては、支持部材３の背面板１２には、正月の絵柄７が印刷されており、鏡餅１を引立てるための橙、御幣、水引、門松等の正月飾り８が添えられている。背面板１２に連設された後底面板１７の表面や、左右の後側面板１８の表裏面には、同様にして模様や絵柄を印刷することによって、クリアケース収納体の展示効果を高めることが出来る。正面板１１と背面板１２とは、頂部折線１０を介してつながっており、背中合せになって仕切板４を形成している。
【００２３】
この実施態様に基づく鏡餅収納体は、表裏いずれの面も展示可能であり、表裏が異なる展示効果を有するので、飾りとして使用可能な期間が長くなり、商品としての価値が高まるものである。
【００２４】
前面板１１に連設された前底面板１５と左右の前側面板１６の長さ（長さ１（１９））
は、前面板１１のクリアケース正面板２２からの距離を決定する。また同様にして背面板１２に連設された後底面板１７と左右の後側面板１８の長さ（長さ２（２０））は、背面板１２のクリアケース背面板２３からの距離を決定する。図１〜図３に示した実施態様においては、この２つの長さ１９、２０は等しくなっているが、一方を長くして他方を短くするようにしてもよい。そうすることにより、前面からの展示効果と背面からの展示効果に顕著な特徴をもたせることが可能となる。例えば図１〜３に示した実施態様の例で、長さ１（１９）＜長さ２（２０）とすると、背面側の鏡餅が、前面側の雪だるまより大きくなり、前面と背面の展示効果の強弱のバランスを変えることができる。
【００２５】
なお、図１〜図３の実施態様における仕切板４は、前面板１１と背面板１２とが背中合せになって形成されているが、必ずしも背中同士全面が合わさった板状である必要はなく、横から見た時に底部が開いた三角形状でも良い。この場合には、前面板または背面板または両方が垂直ではなく傾斜した状態になるので、その分前面板または背面板の高さを長くし、連設した底面板の長さを短くし、連設した側面板を、台形状とすれば良い。
【００２６】
図４は、図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケース２の展開図である。
実線は切断線を示しており、点線は折線を示している。クリアケース２は、特別のものではなく、通常用いられる一般的なものでよい。この実施態様においては、底面板２１を中心として、底面板２１の上下に正面板２２と背面板２３とを折線２８を介して連設し、正面板２２には、折線２８を介して天面板２４、さらに側面板２５を連設している。背面板２３には、天面板２４と把手２６を連設し、その他必要箇所に舌片２７を設けた。
【００２７】
クリアケース２の材質としては、透明なプラスチックが用いられ、具体的にはポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂が一般的に用いられる。
【実施例】
【００２８】
厚さ２００μｍの透明ポリエステル樹脂板を用いて、図４に示した展開図のブランクスを作成し、点線の部分を折曲げて、天面板同士を接着し、クリアケースを作成した。
坪量４００ｇ／ｍ2の両面コートボール紙の表面に、前面板、背面板、底面板の上面、側面板の内側の面に印刷すべき絵柄を印刷し、紙の裏面に底面板の下面と側面板の外側の面に印刷すべき絵柄を印刷した。抜き型を用いて、図３に示した展開図の支持部材となるべきブランクスを作成した。図３において、長さ１（１９）と長さ２（２０）は、等しくし、クリアケースの内法奥行寸法の１／２よりも１ｍｍ短い長さとした。
【００２９】
このブランクスを点線に沿って折曲げて支持部材を組立て、くりぬき孔に上下一体パックの鏡餅をセットしてクリアケースに挿入した。なお鏡餅の直径の最大値は、クリアケースの内法奥行寸法に等しい。支持部材の組立て作業ならびに、クリアケースへの挿入作業は、従来の支持部材に比較して容易であり、作業の能率が上がった。
【００３０】
鏡餅の正面側には、図１に示したような雪だるまの顔シールを貼付け、マフラー、帽子、クリスマスツリー等の飾りを添えた。また裏面側には、図２に示したような橙、御幣、水引、門松等の飾りを添えた。このようにして得られた鏡餅のクリアケース収納体は、展示可能期間がクリスマス前まで遡るため、従来の正月専用の製品に比較してはるかに長くなり、商品価値が高まった。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明に係るクリアケース用支持部材の一実施態様を用いたクリアケース収納体を示した斜視図である。
【図２】図１に示したクリアケース収納体の裏面の状態を示した斜視図である。
【図３】図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケース用支持部材の展開図である。
【図４】図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケースの展開図である。
【符号の説明】
【００３２】
１・・・鏡餅
２・・・クリアケース
３・・・支持部材
４・・・クリスマスの絵柄
５・・・正月の絵柄
６・・・クリスマス飾り
７・・・正月飾り
１０・・・頂部折線
１１・・・前面板
１２・・・背面板
１３・・・くりぬき孔
１４・・・折線
１５・・・前底面板
１６・・・前側面板
１７・・・後底面板
１８・・・後側面板
１９・・・長さ１
２０・・・長さ２
２１・・・底面板
２２・・・正面板
２３・・・背面板
２４・・・天面板
２５・・・側面板
２６・・・把手
２７・・・舌片
２８・・・折線
【技術分野】
【０００１】
本発明は、クリアケース内にあって内容物を支持固定すると共に、優れた展示効果を発現する支持部材に関する。
【背景技術】
【０００２】
商品の展示効果を高め、高級感を演出する目的で、商品を外側から視認可能な透明なケース（クリアケース）に収納することが行われている。クリアケースに商品を収納し、動かないように固定するために、支持部材を用いるのが一般的であるが、支持部材を組立てて、商品を支持部材に挟み込み、クリアケースに収納する作業は、手作業による他なく、煩雑で手間のかかる作業であった。
【０００３】
特許出願人の出願による特許文献１に開示された壜容器用展示函は、正面に窓部を有する平行六面体の外函と、壜容器収納ケースとから構成される壜容器用展示函において、底板にその両側縁に設けられた折り目線を介して正面板と裏面板を連設し、該正面板と裏面板を切り欠いて壜容器仕切り枠を形成し、該正面板と裏面板の片側側縁の位置に台形状の側壁板を対角して設け、前記底板の折り目線から正面板、裏面板を折り立て上方にて係止した側面三角形状の壜容器収納ケースを特徴とする壜容器用展示函である。
【０００４】
ここでいう壜容器収納ケースが商品を支持、固定するための支持部材に相当するが、特許文献１に開示された壜容器収納ケースは、のり貼り工程がなく、組立ても比較的容易にできるものである。しかし、その組立てに当っては、正面板と裏面板を折り立てて上方に設けられた差込みロックにて係止する必要があり、作業性の面で満足できるものではなかった。またこの壜容器収納ケースは、クリアケースに収納することを想定しておらず、正面に窓部を有する外箱に収納するものであり、外箱の窓部から見える部分はごくわずかであることから、あくまで壜容器の保持を主目的としたものであり、壜容器収納ケース自身の展示効果を前提としていないものである。
【０００５】
一方、正月に飾る鏡餅は、鏡餅形に成型したプラスチック容器に餅を充填し、真空包装したいわゆる上下一体パック製品が日持ちも良く、衛生的であるため、広く用いられるようになっている。これらの鏡餅は、長期間の保存性を有するにも拘らず、正月の飾り用に用途が限定されているため、飾ることのできる期間が短く、従って販売期間も年末の短い期間に集中し、製造や流通の面で問題が多かった。
【０００６】
発明者は、鏡餅を始めとする各種物品をクリアケースに収納し、支持固定するとともに、展示効果をも高めるための支持部材について、種々検討した結果、本発明に至ったものである。
【特許文献１】実開平6-12317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、構造が簡単で組立てが容易であり、収納作業性が良く、さらに表裏両面が展示可能なクリアケース用支持部材を提案することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記の課題を解決するための手段として、請求項１に記載の発明は、クリアケースに物品を収納し固定するための支持部材であって、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板を有し、該仕切板は、物品を保持するくりぬき孔を有し、該
仕切板の幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、前記背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有することを特徴とするクリアケース用支持部材である。
【０００９】
また、請求項２に記載の発明は、前記前面板と背面板には、それぞれ異なる絵柄が印刷されており、クリアケース収納体の前面側および背面側は、それぞれ異なる展示効果を発現するものであることを特徴とする請求項１に記載のクリアケース用支持部材である。
【００１０】
また、請求項３に記載の発明は、物品が鏡餅であり、前面板にクリスマスを表す絵柄が印刷されており、背面板に正月を表す絵柄が印刷されていることを特徴とする請求項２に記載のクリアケース用支持部材である。
【発明の効果】
【００１１】
本発明に係るクリアケース用支持部材は、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板とを有し、前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有するのみであるので、構造が極めて単純であり、折線にそって折るだけの簡単な操作で組立てることができる。
【００１２】
また本発明に係るクリアケース用支持部材は、前記前面板と背面板の寸法が等しく、幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しいため、組立てた支持部材は、クリアケースの内側に丁度納まる。また、各折線の戻ろうとする力により、自然にクリアケースの内面に密着しようとするため、クリアケースへの納りが良く、組立てが容易である。
【００１３】
また支持部材を組立てるための差し込みやフックが存在しないため、支持部材に凹凸がなく、平坦であるから、クリアケースの外から見た時の外観がすっきりしており、意匠的にも優れている。
【００１４】
また、前面板と背面板には、それぞれ異なる絵柄が印刷されており、クリアケース収納体の前面側および背面側が、それぞれ異なる展示効果を発現するものである場合には、一つの物品を２つの異なる展示効果に基づいて展示することができるので、利便性も高まり、従来にない商品展開が可能となり、商品価値が高まる。
【００１５】
また、物品が鏡餅であり、前面板にクリスマスを表す絵柄が印刷されており、背面板に正月を表す絵柄が印刷されている場合には、鏡餅を雪だるまに見たてることにより、展示可能期間を従来の正月期間のみから、クリスマス以前から正月にかけての長期間に拡大することができるため、販売可能期間が広がり、商品価値も高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下図面に従って、本発明に係るクリアケース用支持部材について詳細に説明する。
図１は、本発明に係るクリアケース用支持部材の一実施態様を用いたクリアケース収納体を示した斜視図である。また図２は、図１に示したクリアケース収納体の裏面の状態を示した斜視図である。また図３は、図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケース用支持部材の展開図である。また図４は、図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケースの展開図である。
【００１７】
本発明に係るクリアケース用支持部材３は、図３に示した実施態様においては、頂部折線１０を介して背中合せに折られて仕切板４を形成する等しい寸法の前面板１１と背面板
１２とを有し、該仕切板４は、物品を保持するくりぬき孔１３を有し、幅寸法と高さはそれぞれクリアケース２の内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板１１は折線１４を介して等しい長さ（長さ１（１９））に連設された前底面板１５と左右の前側面板１６を有し、前記背面板１２は折線１４を介して等しい長さ（長さ２（２０））に連設された後底面板１７と左右の後側面板１８を有し、前記二つの長さの和（長さ１＋長さ２）はクリアケース２の内法奥行寸法にほぼ等しい。なお図３に示した実施態様においては、長さ１と長さ２は等しく、クリアケース２の内法奥行寸法のほぼ１／２となっている。従って組立てられた支持部材３は、クリアケース２の中に丁度納るものとなる。なお図３において、実線は切断線を示しており、点線は折線を示している。但し絵柄は除く。
【００１８】
前面板１１と背面板１２は、頂部折線１０を１８０度山折りすることにより、背中合せになり、クリアケース内の仕切板４となる。また折線１４をすべて９０度に谷折りすることにより、支持部材３の組立てが完了する。組立てが完了した支持部材３のくりぬき孔１３に物品を載せて、組立てたクリアケース２に挿入するだけの簡単な操作で、製品であるクリアケース収納体が完成する。
【００１９】
支持部材３は、各部の寸法がクリアケース２の内法寸法にほぼ等しいので、クリアケースの内側に丁度納る。また折線１４の元に戻ろうとする力は、支持部材３の各部分をすべてクリアケース２の内側に密着させるような方向に働くので、支持部材３のクリアケース２への納りが良い。なお前面板１１と背面板１２は、裏面同士を接着剤や両面粘着テープで貼り合せることによって、仕切板４を形成してもよく、そうすることにより支持部材３の強度を高めることができる。支持部材３の材質としては、コートボール紙などの厚紙が一般的に用いられるが、段ボールや、合成紙、アルミ箔ラミネート紙等、任意である。
【００２０】
支持部材３の表面および裏面には印刷を施すことによってクリアケース２に収納された後にさまざまな展示効果を発揮させることが可能である。前面板１１と背面板１２に、それぞれ異なる絵柄を印刷した場合には、クリアケース収納体の前面側および背面側は、それぞれ異なる展示効果を発現することができる。
【００２１】
図１は、本発明に係るクリアケース用支持部材の一実施態様を用いたクリアケース収納体を示した斜視図である。この実施態様においては、収納物が上下一体パックの鏡餅１であり、支持部材３の前面板１１には、クリスマスの絵柄５が印刷されており、鏡餅１を雪だるまに見立てた顔の絵やマフラーや手、帽子などの小物に加えて、クリスマスツリーなどのクリスマス飾り６が添えられている。前面板１１に連設された前底面板１５の表面や、左右の前側面板１６の表裏面には、模様や絵柄を印刷することによって、クリアケース収納体の展示効果を高めることが出来る。
【００２２】
図２は、図１に示したクリアケース収納体の裏面の状態を示した斜視図である。この実施態様においては、支持部材３の背面板１２には、正月の絵柄７が印刷されており、鏡餅１を引立てるための橙、御幣、水引、門松等の正月飾り８が添えられている。背面板１２に連設された後底面板１７の表面や、左右の後側面板１８の表裏面には、同様にして模様や絵柄を印刷することによって、クリアケース収納体の展示効果を高めることが出来る。正面板１１と背面板１２とは、頂部折線１０を介してつながっており、背中合せになって仕切板４を形成している。
【００２３】
この実施態様に基づく鏡餅収納体は、表裏いずれの面も展示可能であり、表裏が異なる展示効果を有するので、飾りとして使用可能な期間が長くなり、商品としての価値が高まるものである。
【００２４】
前面板１１に連設された前底面板１５と左右の前側面板１６の長さ（長さ１（１９））
は、前面板１１のクリアケース正面板２２からの距離を決定する。また同様にして背面板１２に連設された後底面板１７と左右の後側面板１８の長さ（長さ２（２０））は、背面板１２のクリアケース背面板２３からの距離を決定する。図１〜図３に示した実施態様においては、この２つの長さ１９、２０は等しくなっているが、一方を長くして他方を短くするようにしてもよい。そうすることにより、前面からの展示効果と背面からの展示効果に顕著な特徴をもたせることが可能となる。例えば図１〜３に示した実施態様の例で、長さ１（１９）＜長さ２（２０）とすると、背面側の鏡餅が、前面側の雪だるまより大きくなり、前面と背面の展示効果の強弱のバランスを変えることができる。
【００２５】
なお、図１〜図３の実施態様における仕切板４は、前面板１１と背面板１２とが背中合せになって形成されているが、必ずしも背中同士全面が合わさった板状である必要はなく、横から見た時に底部が開いた三角形状でも良い。この場合には、前面板または背面板または両方が垂直ではなく傾斜した状態になるので、その分前面板または背面板の高さを長くし、連設した底面板の長さを短くし、連設した側面板を、台形状とすれば良い。
【００２６】
図４は、図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケース２の展開図である。
実線は切断線を示しており、点線は折線を示している。クリアケース２は、特別のものではなく、通常用いられる一般的なものでよい。この実施態様においては、底面板２１を中心として、底面板２１の上下に正面板２２と背面板２３とを折線２８を介して連設し、正面板２２には、折線２８を介して天面板２４、さらに側面板２５を連設している。背面板２３には、天面板２４と把手２６を連設し、その他必要箇所に舌片２７を設けた。
【００２７】
クリアケース２の材質としては、透明なプラスチックが用いられ、具体的にはポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂が一般的に用いられる。
【実施例】
【００２８】
厚さ２００μｍの透明ポリエステル樹脂板を用いて、図４に示した展開図のブランクスを作成し、点線の部分を折曲げて、天面板同士を接着し、クリアケースを作成した。
坪量４００ｇ／ｍ2の両面コートボール紙の表面に、前面板、背面板、底面板の上面、側面板の内側の面に印刷すべき絵柄を印刷し、紙の裏面に底面板の下面と側面板の外側の面に印刷すべき絵柄を印刷した。抜き型を用いて、図３に示した展開図の支持部材となるべきブランクスを作成した。図３において、長さ１（１９）と長さ２（２０）は、等しくし、クリアケースの内法奥行寸法の１／２よりも１ｍｍ短い長さとした。
【００２９】
このブランクスを点線に沿って折曲げて支持部材を組立て、くりぬき孔に上下一体パックの鏡餅をセットしてクリアケースに挿入した。なお鏡餅の直径の最大値は、クリアケースの内法奥行寸法に等しい。支持部材の組立て作業ならびに、クリアケースへの挿入作業は、従来の支持部材に比較して容易であり、作業の能率が上がった。
【００３０】
鏡餅の正面側には、図１に示したような雪だるまの顔シールを貼付け、マフラー、帽子、クリスマスツリー等の飾りを添えた。また裏面側には、図２に示したような橙、御幣、水引、門松等の飾りを添えた。このようにして得られた鏡餅のクリアケース収納体は、展示可能期間がクリスマス前まで遡るため、従来の正月専用の製品に比較してはるかに長くなり、商品価値が高まった。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明に係るクリアケース用支持部材の一実施態様を用いたクリアケース収納体を示した斜視図である。
【図２】図１に示したクリアケース収納体の裏面の状態を示した斜視図である。
【図３】図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケース用支持部材の展開図である。
【図４】図１に示したクリアケース収納体に用いたクリアケースの展開図である。
【符号の説明】
【００３２】
１・・・鏡餅
２・・・クリアケース
３・・・支持部材
４・・・クリスマスの絵柄
５・・・正月の絵柄
６・・・クリスマス飾り
７・・・正月飾り
１０・・・頂部折線
１１・・・前面板
１２・・・背面板
１３・・・くりぬき孔
１４・・・折線
１５・・・前底面板
１６・・・前側面板
１７・・・後底面板
１８・・・後側面板
１９・・・長さ１
２０・・・長さ２
２１・・・底面板
２２・・・正面板
２３・・・背面板
２４・・・天面板
２５・・・側面板
２６・・・把手
２７・・・舌片
２８・・・折線
【特許請求の範囲】
【請求項１】
クリアケースに物品を収納し固定するための支持部材であって、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板を有し、該仕切板は、物品を保持するくりぬき孔を有し、該仕切板の幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、前記背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有することを特徴とするクリアケース用支持部材。
【請求項２】
前記前面板と背面板には、それぞれ異なる絵柄が印刷されており、クリアケース収納体の前面側および背面側は、それぞれ異なる展示効果を発現するものであることを特徴とする請求項１に記載のクリアケース用支持部材。
【請求項３】
物品が鏡餅であり、前面板にクリスマスを表す絵柄が印刷されており、背面板に正月を表す絵柄が印刷されていることを特徴とする請求項２に記載のクリアケース用支持部材。
【請求項１】
クリアケースに物品を収納し固定するための支持部材であって、頂部折線を介して背中合せに折られ、仕切板を形成する前面板と背面板を有し、該仕切板は、物品を保持するくりぬき孔を有し、該仕切板の幅寸法と高さはそれぞれクリアケースの内法幅寸法と内法高さにほぼ等しく、前記前面板は折線を介して連設された前底面板と左右の前側面板を有し、前記背面板は折線を介して連設された後底面板と左右の後側面板を有することを特徴とするクリアケース用支持部材。
【請求項２】
前記前面板と背面板には、それぞれ異なる絵柄が印刷されており、クリアケース収納体の前面側および背面側は、それぞれ異なる展示効果を発現するものであることを特徴とする請求項１に記載のクリアケース用支持部材。
【請求項３】
物品が鏡餅であり、前面板にクリスマスを表す絵柄が印刷されており、背面板に正月を表す絵柄が印刷されていることを特徴とする請求項２に記載のクリアケース用支持部材。
【図４】
【図１】
【図２】
【図３】
【図１】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１０−６４７７７（Ｐ２０１０−６４７７７Ａ）
【公開日】平成２２年３月２５日（２０１０．３．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２３４４８１（Ｐ２００８−２３４４８１）
【出願日】平成２０年９月１２日（２００８．９．１２）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年３月２５日（２０１０．３．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月１２日（２００８．９．１２）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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