クリップ付ナット
【課題】 クリップ付ナットを用いてクリップボルトで、リヤバンパーにライセンスプレートを取り付けるとき、クリップボルトが所定寸法より長いとき、その取付ができないようにして、クリップボルトで車体などにダメージを与えないようにした。
【解決手段】 クリップ本体30には、クリップボルトCBの先端と対峙する保護片40が一体に設けられていて、クリップボルトCBが所定値を超えて長いとき、クリップボルトCBの先端が保護片40を押圧してリヤバンパーRBとライセンスプレートLPとの締結ができないようにした
【解決手段】 クリップ本体30には、クリップボルトCBの先端と対峙する保護片40が一体に設けられていて、クリップボルトCBが所定値を超えて長いとき、クリップボルトCBの先端が保護片40を押圧してリヤバンパーRBとライセンスプレートLPとの締結ができないようにした
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リヤバンパーなどの基材に、ライセンスプレートなどの他の部材を締付け固定するのに用いられるクリップ付ナットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体に固定されるバンパーに、ライセンスプレートを取り付けるのに、クリップ付ナットと、これに螺挿されるクリップボルトを用いて行う取付手段が知られている。たとえば、バンパーに、ライセンスプレートを取り付けるのに、後記特許文献1に開示されるようなクリップ付ナットが用いられる。図12には、このクリップ付ナットを用いて合成樹脂製バンパーにライセンスプレートを取り付ける場合が示されており、クリップ付ナットの断面U字状のクリップ部に、合成樹脂製バンパーを弾発挟持させると共にそのクリップ部の外面の取付面にライセンスプレートを当てがい、バンパーとライセンスプレートに設けたボルト孔に、クリップボルトを挿通してナットに螺挿すれば、バンパーにライセンスプレートが取り付けることができる。
【特許文献1】特許第3554231公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、普通自動車の場合には、ライセンスプレートをバンパーに取り付けた後、クリップボルトに封印がなされ、規定以外の他のクリップボルトが使用されることはないが、軽自動車のように、クリップボルトに封印がなされないときは、規定の長さのクリップボルト(陸運支局で支給)よりも長いクリップボルトを用いてライセンスプレートをバンパーに取り付けてしまう場合があり、かかる場合には、その長いクリップボルトの先端が、クリップ付ナットより突出して、このクリップボルトの先端が車体や、艤装品、電装品などの他物(図12参照)に干渉し、それらにダメージを与えることがあるという問題がある。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、規定長さ以上に長いクリップボルトを用いた場合には、バンパーなどの基材に、ライセンスプレートなどの他の部材を締付けることができないようにして、前記問題を解決できるようにした、新規なクリップ付ナットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本請求項1記載の発明は、基材を弾発挟持すると共にこの基材に取り付けられる他の部材が接合されるクリップ部を有するクリップ本体と、このクリップ本体と一体のナットとを備え、他の部材、クリップ部および基材を貫通したクリップボルトを、ナットに螺挿することにより、基材に、他の部材を締結するクリップ付ナットであって、
クリップ本体には、クリップボルトの先端と対峙する保護片が一体に設けられていて、クリップボルトの長さが所定値を超えて長いとき、そのクリップボルトの先端が保護片を押圧してクリップ部のクリップ間隔を離間させ、基材と他の部材との締結を不能としたことを特徴としている。
【0006】
前記目的を達成するため、本請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記クリップ本体は、前記ナットと一体の内側クリップ片と、この内側クリップ片にクリップ間隔をあけて対峙して前記クリップボルトの挿通されるボルト孔を穿設した外側クリップ片を備え、前記内、外側クリップ片間に、前記基材を弾発挟持するクリップ間隔が形成されると共に外側クリップ片の外面に他の部材の取付面が形成され、内、外側クリップ片の互いに離間する基端には、クリップボルトの先端に向けて延びる一対の脚片を介して前記保護片が一体に連設されていることを特徴としている。
【0007】
前記目的を達成するため、本請求項3記載の発明は、前記請求項2記載のものにおいて、前記クリップ本体は、前記クリップ間隔をあけて対峙する内、外側クリップ片と、それらのクリップ片の互いに離間する基端より屈曲形成されて、相互に近づく方向に延長される前記一対の脚片と、それらの脚片の互いに隣接する端部同士を一体に連結する前記保護片とより、断面台形状に形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本請求項各項記載の発明によれば、基材に、他の部材をナット付クリップおよびこれに螺挿されるクリップボルトを取り付けるにあたり、規定寸法よりも長いクリップボルトを用いた場合には、基材と他の部材との締結を不能とし、前記クリップボルトの先端がナット付クリップよりも外部に突出することがないので、このクリップボルトの先端が他物に干渉することがなくなり、その他物にダメージを与えることがない。
【0009】
また、本請求項3記載の発明によれば、クリップ本体は、その保護片のクリップボルトによる押圧により、そのクリップ間隔を広げる方向に確実に変形させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
本実施例は、本発明にかかるクリップ付ナットを用いて、基材としての自動車のリヤバンパーに、他の部材としてのライセンスプレートを取り付ける場合であって、図1は、本発明クリップ付ナットを用いてリヤバンパーにサイドプレートを取り付けた、自動車の車体後部の斜視図、図2は、図1の2矢視のバンパーの表面図、図3は、図2の3−3線に沿う拡大断面図、図4は、図3の4矢視図、図5は、図2の5矢視仮想線囲い部分の拡大図、図6は、図5の6−6線に沿う拡大断面図、図7は、図5の7−7線に沿う拡大断面図、図8は、図5の8−8線に沿う拡大断面図、図9は、クリップナットおよびクリップボルトの斜視図、図10は、左右側ブラケットの斜視図、図11は、図4の11矢視斜視図である。
【0012】
自動車の車体B後面のリヤパネルRPには、合成樹脂製のリヤバンパーRBが後述の取付手段を介して取り付けられ、さらに、このリヤバンパーRBの後面の左右中央部には、ライセンスプレートLPが本発明にかかる、後述のクリップ付ナットCNを用いてクリップボルトCBにより締め付け固定される。
【0013】
まず、図1〜7を参照して、合成樹脂製リヤバンパーRBの、リヤパネルRPへの取付構造について説明する。
【0014】
合成樹脂製リヤバンパーRBの平坦なバンパーフェイス1の中央部左右には、リヤパネルRPへの対をなす左右膨出部2L,2Rが一体に成形されている。これらの左右膨出部2L,2Rは、いずれも同じ形状に形成され、リヤパネルRP側に向けて上下方向に長い帽状に膨出成形されており、リヤパネルRP側に向かって漸次絞られて、その奥壁に、取付孔3,3を開口した、リヤパネルRPへの平坦な膨出端面4,4がそれぞれ形成されている。図1,5,6に示すように、一方、すなわち左側の膨出部2Lは、リヤパネルRPに設けた,車室内圧を外部に逃がすための開閉弁V付のエアアウトレットOLの下方にあって、この左側膨出部2Lの左右外側面には、そのエアアウトレットOLの下半部を囲むようにL字状の左右リブ片5,6が一体に張り出しており、これらの左右リブ片5,6は、左側の膨出部2Lを補強すると共に後述す左側のブラケット8に設けた庇板8Bと協働してラビリンスパッキンを構成し、車両の走行時に撥ね上げた水や雨水などがエアアウトレットOLを通して車室内に浸入するのを防止するようにされる(図3参照)。
【0015】
リヤバンパーRBの左右の膨出部2L,2Rは、予めスタッドボルト10,10をそれぞれ溶接した対をなす左右側ブラケット8,9(図10参照)を介してリヤパネルRPに固定される。
【0016】
図10に示すように、左右側ブラケット8,9は、金属板によりそれぞれ違う構造に形成されている。左側ブラケット8は、左右方向に長い長方形状の取付板8Aの下縁に庇板8Bが一体に形成されており、取付板8Aの中央部にスタッドボルト10が略水平の溶接されている。前記庇板8Bは、排水溝8Cを形成すべく波状に形成されていて左側膨出部2Lの傾斜下部に沿うように斜め下向きに延びており、この左側ブラケット8に付着する水や撥ね上げた小石などを外部に素早く導くようにされている。一方、右側のブラケット9は四角形状の取付板9Aの上部一側に、ワイヤハーネスWHの係止用の円弧状取付座面9Bが一体に突出形成され、この取付座面9Bに取付孔15が穿設され、さらに前記取付板9Aの一側にスタッドボルト10が略水平の溶接されている。
【0017】
図5〜7に示すように、左側ブラケット8の取付板8Aは、リヤパネルRPの左側のエアアウトレットOLの下方の外面に溶接され、また、右側ブラケット9の取付板9Aは、リヤパネルRPの右側の外面に溶接される。
【0018】
図6,7に示すように左、右側ブラケット8,9の各略水平に延びるスタッドボルト10,10に、リヤバンパーRBの左右膨出部2L,2Rの取付孔3,3を挿通させ、それらのスタッドボルト10,10にナット12,12を螺締することにより、リヤバンパーRBは、リヤパネルRPに左右側ブラケット8,9を介して取り付けられる。
【0019】
しかして、リヤバンパーRBを、リヤパネルRPに取り付けるにあたり、左右のスタットボルト10,10は略水平に延びているので、作業者は楽な姿勢でリヤバンパーRBをリヤパネルRPに取り付けることができ、その取付作業が容易になる。また、図3に示すように、リヤバンパーRBの左側膨出部2Lに一体に設けた左右リブ片5,6は、リヤパネルRPに向かって下り勾配に延長されて、リヤパネルRPとの間に間隙C1(図3参照)が形成され、また、左側ブラケット8に設けた庇板8Bは、リヤバンパーRBに向かって下り勾配に延長されてリヤバンパーRBとの間に間隙C2(図3参照)が形成されることにより、前記左右リブ片5,6と庇板8Bとで、エアアウトレットOLの下方にラビリンスパッキンが形成され、これにより、車両の走行時に飛散した飛沫などが、エアアウトレットOLを通って車室内に進入するのを防止することができる。また、車両の走行時にはエアアウトレットOL側に撥ね上げた小石、砂礫などは、前記間隙C1,C2を通って素早く外部に排出することができる。
【0020】
図4,7,10および11に示すよに、前記右側のブラケット9の上部一側に形成される円弧状の取付座面9BはリヤパネルRPとリヤバンパーRB間の空間部において、それらの何れにも接触しない位置にあって、その中央部に取付孔15が穿設されている。この取付孔15には、締付バンド17一端のハーネスクリップ18が着脱可能に差込係合できるようにされている。図4,11に示すように、リヤパネルRPとリヤバンパーRBとの間に配置されるワイヤハーネスWHの適所を締付バンド17により抱持し、そのハーネスクリップ18を取付孔15に差込係合すれば、そのワイヤハーネスWHの適所をリヤパネルRPに支持させることができる。
【0021】
しかして、前記ワイヤハーネスWHの取付座面9BはリヤパネルRPとリヤバンパーRB間との間で、それらの何れにも接触しない位置にあるので、ワイヤハーネスWHに無理な力をかけることがなく、しかも後突衝撃を吸収することができる。
【0022】
なお、図4に示すように、ワイヤハーネスWHの他の複数箇所は、リヤパネルRPに穿設した取付孔20,20に、他の締付バンド19,19を用いて係止される。
【0023】
図2,3,5〜7に示すように、合成樹脂製のリヤバンパーRBの左右方向の中央部には、リヤバンパーRBのリヤパネルRPへの取付部を覆うようにしてライセンスプレートLPが、後述のクリップ付ナットCNを用いてクリップボルトCBにより取り付けられる。
【0024】
つぎに、前記クリップ付ナットCNの構造を、図8,9を参照して説明する。
【0025】
クリップ付ナットCNは一枚の帯状金属板の巻曲成形により構成されるクリップ本体30と、このクリップ本体30に一体に形成したナット31より構成されている。前記クリップ本体30は、その端部分に、基材としてのリヤバンパーRBを弾発挟持し得るクリップ間隔32をあけて相互に対峙する外側クリップ片33Aおよび内側クリップ片33Bとよりなるクリップ部33を備えている。そして、外側クリップ片33Aの中央部にはボルト孔34が開口されると共に内側クリップ33Bの中央部にボルト孔34と同心の前記ナット31が一体に形成されている。また、外側クリップ片33Aの外面に、他の部材としてのライセンスプレートLPの接合される平坦な取付面35が形成されている。外側および内側クリップ片33A,33Bの互いに離間する基端には、湾曲コーナ部36,37を介して一対の脚片38,39が一体に延長されており、これらの脚片38,39は、外側および内側クリップ片33A,33Bから離れて前記ナット31の中心軸線に近づくように互いに接近する方向に傾斜して延長されており、それらの延長端には、前記ナット31の中心軸線と直交する方向に延びる保護片40が接続されている。そして、ナット31の中心軸線は、保護片40と直交しており、ナット31に螺挿されるクリップボルトCBの先端が保護片40の内面と対面するようにされており、後述するように、クリップボルトCBの長さが規定のものよりも長いとき、該クリップボルトCBの先端が保護片40に当り、この保護片40を外方に押圧するように、ナット31の端面と保護片40の内面間の距離Lが設定されている。
【0026】
リヤバンパーRBに、ライセンスプレートLPを取り付けるために、図5に示すように、リヤバンパーRBには、その中央部の左右に一対の四角形状のプレート取付孔42,42が開口されると共にその取付孔42,42に隣接してプレート取付部43,43が形成され、そこにボルト孔44,44が穿設されている。
【0027】
つぎに、リヤバンパーRBに、ライセンスプレートLPを前記クリップ付ナットCNを用いてクリップボルトCBにより締付け固定する手順について説明する。
【0028】
図8(A)に示すように、プレート取付孔42を通して、前記クリップ付ナットCNを、リヤバンパーRBの内側に進入させ、そのクリップ部33をプレート取付部43に差し込み挟持させる。これにより、クリップ付ナットCNは、リヤバンパーRBのプレート取付部43に仮止めされる。この仮止め状態で、リヤバンパーRBのプレート取付部43のボルト孔44とクリップ部33のボルト孔34とを一致させる。
【0029】
つぎに、図6,7に示すように、リヤバンパーRBに形成した受部45,45に係止させたライセンスプレートLPをリヤバンパーRBの平坦なバンパーフェイス1上に重ね合せ、該ライセンスプレートLPを、クリップ付ナットCNの取付面35に当接させたのち、ボルト孔34,44に、ライセンスプレートLPの外側からクリップボルトCBを挿通して、該ボルトCBをナット31に螺挿すれば、リヤバンパーRBにライセンスプレートLPを締め付け固定することができる。
【0030】
ところで、図8(A)に示すように、前記クリップボルトCNが規定の長さのものである(陸運支局支給)ときは、前述したように、そのクリップボルトCNによるライセンスプレートLPのリヤバンパーRBへの取り付けが可能であるが、図8(B)に示すように、クリップボルトCNの長さが前記規定のものよりも長いと、該クリップボルトCNをナット31に螺挿したとき、該ボルトCBの先端がクリップ付ナットCNの保護片40に干渉するに至り、さらなるクリップボルトCBの締付進行により、該ボルトCBの先端が保護片40を外方に押圧し、この押圧力により、クリップ本体30は、一方の湾曲コーナー部36を基点として外側に広がるように変形し、これによりクリップ部30の内側クリップ片33Bが外側に引っ張られてクリップ間隔32が広がり、クリップ部30とリヤバンパーRBとの締付けが弛緩して、ライセンスプレートLPの、リヤバンパーRBへの締め付けができなくなる。その結果、長いクリップボルトCBの先端が、車体Bや艤装品、電装品などの他物と干渉することが回避され、それらにダメージを与えることがない。
【0031】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0032】
たとえば、前記実施例では、本発明クリップ付ナットを、自動車のリヤバンパーRBに、ライセンスプレートLPを取り付けに用いる場合を説明したが、これを合成樹脂製などの基材に他の部材を取り付けるのに用いることができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明クリップ付ナットを用いてリヤバンパーにサイドプレートを取り付けた、自動車の車体後部の斜視図
【図2】図1の2矢視のバンパーの表面図
【図3】図2の3−3線に沿う拡大断面図
【図4】図3の4矢視図
【図5】図2の5矢視仮想線囲い部分の拡大図
【図6】図5の6−6線に沿う拡大断面図
【図7】図5の7−7線に沿う拡大断面図
【図8】図5の8−8線に沿う拡大断面図
【図9】クリップナットおよびクリップボルトの斜視図
【図10】左右側ブラケットの斜視図
【図11】図4の11矢視斜視図
【図12】従来のクリップ付ナットの断面図
【符号の説明】
【0034】
30・・・・・クリップ本体
31・・・・・ナット
32・・・・・クリップ間隔
33・・・・・クリップ部
33A・・・・・外側クリップ片
33B・・・・・内側クリップ片
34・・・・・・ボルト孔
35・・・・・・取付面
38・・・・・・脚片
39・・・・・・脚片
40・・・・・・保護片
CB・・・・・・クリップボルト
RB・・・・・・基材(リヤバンパー)
LP・・・・・・他の部材(ライセンスプレート)
【技術分野】
【0001】
本発明は、リヤバンパーなどの基材に、ライセンスプレートなどの他の部材を締付け固定するのに用いられるクリップ付ナットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体に固定されるバンパーに、ライセンスプレートを取り付けるのに、クリップ付ナットと、これに螺挿されるクリップボルトを用いて行う取付手段が知られている。たとえば、バンパーに、ライセンスプレートを取り付けるのに、後記特許文献1に開示されるようなクリップ付ナットが用いられる。図12には、このクリップ付ナットを用いて合成樹脂製バンパーにライセンスプレートを取り付ける場合が示されており、クリップ付ナットの断面U字状のクリップ部に、合成樹脂製バンパーを弾発挟持させると共にそのクリップ部の外面の取付面にライセンスプレートを当てがい、バンパーとライセンスプレートに設けたボルト孔に、クリップボルトを挿通してナットに螺挿すれば、バンパーにライセンスプレートが取り付けることができる。
【特許文献1】特許第3554231公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、普通自動車の場合には、ライセンスプレートをバンパーに取り付けた後、クリップボルトに封印がなされ、規定以外の他のクリップボルトが使用されることはないが、軽自動車のように、クリップボルトに封印がなされないときは、規定の長さのクリップボルト(陸運支局で支給)よりも長いクリップボルトを用いてライセンスプレートをバンパーに取り付けてしまう場合があり、かかる場合には、その長いクリップボルトの先端が、クリップ付ナットより突出して、このクリップボルトの先端が車体や、艤装品、電装品などの他物(図12参照)に干渉し、それらにダメージを与えることがあるという問題がある。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、規定長さ以上に長いクリップボルトを用いた場合には、バンパーなどの基材に、ライセンスプレートなどの他の部材を締付けることができないようにして、前記問題を解決できるようにした、新規なクリップ付ナットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本請求項1記載の発明は、基材を弾発挟持すると共にこの基材に取り付けられる他の部材が接合されるクリップ部を有するクリップ本体と、このクリップ本体と一体のナットとを備え、他の部材、クリップ部および基材を貫通したクリップボルトを、ナットに螺挿することにより、基材に、他の部材を締結するクリップ付ナットであって、
クリップ本体には、クリップボルトの先端と対峙する保護片が一体に設けられていて、クリップボルトの長さが所定値を超えて長いとき、そのクリップボルトの先端が保護片を押圧してクリップ部のクリップ間隔を離間させ、基材と他の部材との締結を不能としたことを特徴としている。
【0006】
前記目的を達成するため、本請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記クリップ本体は、前記ナットと一体の内側クリップ片と、この内側クリップ片にクリップ間隔をあけて対峙して前記クリップボルトの挿通されるボルト孔を穿設した外側クリップ片を備え、前記内、外側クリップ片間に、前記基材を弾発挟持するクリップ間隔が形成されると共に外側クリップ片の外面に他の部材の取付面が形成され、内、外側クリップ片の互いに離間する基端には、クリップボルトの先端に向けて延びる一対の脚片を介して前記保護片が一体に連設されていることを特徴としている。
【0007】
前記目的を達成するため、本請求項3記載の発明は、前記請求項2記載のものにおいて、前記クリップ本体は、前記クリップ間隔をあけて対峙する内、外側クリップ片と、それらのクリップ片の互いに離間する基端より屈曲形成されて、相互に近づく方向に延長される前記一対の脚片と、それらの脚片の互いに隣接する端部同士を一体に連結する前記保護片とより、断面台形状に形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本請求項各項記載の発明によれば、基材に、他の部材をナット付クリップおよびこれに螺挿されるクリップボルトを取り付けるにあたり、規定寸法よりも長いクリップボルトを用いた場合には、基材と他の部材との締結を不能とし、前記クリップボルトの先端がナット付クリップよりも外部に突出することがないので、このクリップボルトの先端が他物に干渉することがなくなり、その他物にダメージを与えることがない。
【0009】
また、本請求項3記載の発明によれば、クリップ本体は、その保護片のクリップボルトによる押圧により、そのクリップ間隔を広げる方向に確実に変形させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
本実施例は、本発明にかかるクリップ付ナットを用いて、基材としての自動車のリヤバンパーに、他の部材としてのライセンスプレートを取り付ける場合であって、図1は、本発明クリップ付ナットを用いてリヤバンパーにサイドプレートを取り付けた、自動車の車体後部の斜視図、図2は、図1の2矢視のバンパーの表面図、図3は、図2の3−3線に沿う拡大断面図、図4は、図3の4矢視図、図5は、図2の5矢視仮想線囲い部分の拡大図、図6は、図5の6−6線に沿う拡大断面図、図7は、図5の7−7線に沿う拡大断面図、図8は、図5の8−8線に沿う拡大断面図、図9は、クリップナットおよびクリップボルトの斜視図、図10は、左右側ブラケットの斜視図、図11は、図4の11矢視斜視図である。
【0012】
自動車の車体B後面のリヤパネルRPには、合成樹脂製のリヤバンパーRBが後述の取付手段を介して取り付けられ、さらに、このリヤバンパーRBの後面の左右中央部には、ライセンスプレートLPが本発明にかかる、後述のクリップ付ナットCNを用いてクリップボルトCBにより締め付け固定される。
【0013】
まず、図1〜7を参照して、合成樹脂製リヤバンパーRBの、リヤパネルRPへの取付構造について説明する。
【0014】
合成樹脂製リヤバンパーRBの平坦なバンパーフェイス1の中央部左右には、リヤパネルRPへの対をなす左右膨出部2L,2Rが一体に成形されている。これらの左右膨出部2L,2Rは、いずれも同じ形状に形成され、リヤパネルRP側に向けて上下方向に長い帽状に膨出成形されており、リヤパネルRP側に向かって漸次絞られて、その奥壁に、取付孔3,3を開口した、リヤパネルRPへの平坦な膨出端面4,4がそれぞれ形成されている。図1,5,6に示すように、一方、すなわち左側の膨出部2Lは、リヤパネルRPに設けた,車室内圧を外部に逃がすための開閉弁V付のエアアウトレットOLの下方にあって、この左側膨出部2Lの左右外側面には、そのエアアウトレットOLの下半部を囲むようにL字状の左右リブ片5,6が一体に張り出しており、これらの左右リブ片5,6は、左側の膨出部2Lを補強すると共に後述す左側のブラケット8に設けた庇板8Bと協働してラビリンスパッキンを構成し、車両の走行時に撥ね上げた水や雨水などがエアアウトレットOLを通して車室内に浸入するのを防止するようにされる(図3参照)。
【0015】
リヤバンパーRBの左右の膨出部2L,2Rは、予めスタッドボルト10,10をそれぞれ溶接した対をなす左右側ブラケット8,9(図10参照)を介してリヤパネルRPに固定される。
【0016】
図10に示すように、左右側ブラケット8,9は、金属板によりそれぞれ違う構造に形成されている。左側ブラケット8は、左右方向に長い長方形状の取付板8Aの下縁に庇板8Bが一体に形成されており、取付板8Aの中央部にスタッドボルト10が略水平の溶接されている。前記庇板8Bは、排水溝8Cを形成すべく波状に形成されていて左側膨出部2Lの傾斜下部に沿うように斜め下向きに延びており、この左側ブラケット8に付着する水や撥ね上げた小石などを外部に素早く導くようにされている。一方、右側のブラケット9は四角形状の取付板9Aの上部一側に、ワイヤハーネスWHの係止用の円弧状取付座面9Bが一体に突出形成され、この取付座面9Bに取付孔15が穿設され、さらに前記取付板9Aの一側にスタッドボルト10が略水平の溶接されている。
【0017】
図5〜7に示すように、左側ブラケット8の取付板8Aは、リヤパネルRPの左側のエアアウトレットOLの下方の外面に溶接され、また、右側ブラケット9の取付板9Aは、リヤパネルRPの右側の外面に溶接される。
【0018】
図6,7に示すように左、右側ブラケット8,9の各略水平に延びるスタッドボルト10,10に、リヤバンパーRBの左右膨出部2L,2Rの取付孔3,3を挿通させ、それらのスタッドボルト10,10にナット12,12を螺締することにより、リヤバンパーRBは、リヤパネルRPに左右側ブラケット8,9を介して取り付けられる。
【0019】
しかして、リヤバンパーRBを、リヤパネルRPに取り付けるにあたり、左右のスタットボルト10,10は略水平に延びているので、作業者は楽な姿勢でリヤバンパーRBをリヤパネルRPに取り付けることができ、その取付作業が容易になる。また、図3に示すように、リヤバンパーRBの左側膨出部2Lに一体に設けた左右リブ片5,6は、リヤパネルRPに向かって下り勾配に延長されて、リヤパネルRPとの間に間隙C1(図3参照)が形成され、また、左側ブラケット8に設けた庇板8Bは、リヤバンパーRBに向かって下り勾配に延長されてリヤバンパーRBとの間に間隙C2(図3参照)が形成されることにより、前記左右リブ片5,6と庇板8Bとで、エアアウトレットOLの下方にラビリンスパッキンが形成され、これにより、車両の走行時に飛散した飛沫などが、エアアウトレットOLを通って車室内に進入するのを防止することができる。また、車両の走行時にはエアアウトレットOL側に撥ね上げた小石、砂礫などは、前記間隙C1,C2を通って素早く外部に排出することができる。
【0020】
図4,7,10および11に示すよに、前記右側のブラケット9の上部一側に形成される円弧状の取付座面9BはリヤパネルRPとリヤバンパーRB間の空間部において、それらの何れにも接触しない位置にあって、その中央部に取付孔15が穿設されている。この取付孔15には、締付バンド17一端のハーネスクリップ18が着脱可能に差込係合できるようにされている。図4,11に示すように、リヤパネルRPとリヤバンパーRBとの間に配置されるワイヤハーネスWHの適所を締付バンド17により抱持し、そのハーネスクリップ18を取付孔15に差込係合すれば、そのワイヤハーネスWHの適所をリヤパネルRPに支持させることができる。
【0021】
しかして、前記ワイヤハーネスWHの取付座面9BはリヤパネルRPとリヤバンパーRB間との間で、それらの何れにも接触しない位置にあるので、ワイヤハーネスWHに無理な力をかけることがなく、しかも後突衝撃を吸収することができる。
【0022】
なお、図4に示すように、ワイヤハーネスWHの他の複数箇所は、リヤパネルRPに穿設した取付孔20,20に、他の締付バンド19,19を用いて係止される。
【0023】
図2,3,5〜7に示すように、合成樹脂製のリヤバンパーRBの左右方向の中央部には、リヤバンパーRBのリヤパネルRPへの取付部を覆うようにしてライセンスプレートLPが、後述のクリップ付ナットCNを用いてクリップボルトCBにより取り付けられる。
【0024】
つぎに、前記クリップ付ナットCNの構造を、図8,9を参照して説明する。
【0025】
クリップ付ナットCNは一枚の帯状金属板の巻曲成形により構成されるクリップ本体30と、このクリップ本体30に一体に形成したナット31より構成されている。前記クリップ本体30は、その端部分に、基材としてのリヤバンパーRBを弾発挟持し得るクリップ間隔32をあけて相互に対峙する外側クリップ片33Aおよび内側クリップ片33Bとよりなるクリップ部33を備えている。そして、外側クリップ片33Aの中央部にはボルト孔34が開口されると共に内側クリップ33Bの中央部にボルト孔34と同心の前記ナット31が一体に形成されている。また、外側クリップ片33Aの外面に、他の部材としてのライセンスプレートLPの接合される平坦な取付面35が形成されている。外側および内側クリップ片33A,33Bの互いに離間する基端には、湾曲コーナ部36,37を介して一対の脚片38,39が一体に延長されており、これらの脚片38,39は、外側および内側クリップ片33A,33Bから離れて前記ナット31の中心軸線に近づくように互いに接近する方向に傾斜して延長されており、それらの延長端には、前記ナット31の中心軸線と直交する方向に延びる保護片40が接続されている。そして、ナット31の中心軸線は、保護片40と直交しており、ナット31に螺挿されるクリップボルトCBの先端が保護片40の内面と対面するようにされており、後述するように、クリップボルトCBの長さが規定のものよりも長いとき、該クリップボルトCBの先端が保護片40に当り、この保護片40を外方に押圧するように、ナット31の端面と保護片40の内面間の距離Lが設定されている。
【0026】
リヤバンパーRBに、ライセンスプレートLPを取り付けるために、図5に示すように、リヤバンパーRBには、その中央部の左右に一対の四角形状のプレート取付孔42,42が開口されると共にその取付孔42,42に隣接してプレート取付部43,43が形成され、そこにボルト孔44,44が穿設されている。
【0027】
つぎに、リヤバンパーRBに、ライセンスプレートLPを前記クリップ付ナットCNを用いてクリップボルトCBにより締付け固定する手順について説明する。
【0028】
図8(A)に示すように、プレート取付孔42を通して、前記クリップ付ナットCNを、リヤバンパーRBの内側に進入させ、そのクリップ部33をプレート取付部43に差し込み挟持させる。これにより、クリップ付ナットCNは、リヤバンパーRBのプレート取付部43に仮止めされる。この仮止め状態で、リヤバンパーRBのプレート取付部43のボルト孔44とクリップ部33のボルト孔34とを一致させる。
【0029】
つぎに、図6,7に示すように、リヤバンパーRBに形成した受部45,45に係止させたライセンスプレートLPをリヤバンパーRBの平坦なバンパーフェイス1上に重ね合せ、該ライセンスプレートLPを、クリップ付ナットCNの取付面35に当接させたのち、ボルト孔34,44に、ライセンスプレートLPの外側からクリップボルトCBを挿通して、該ボルトCBをナット31に螺挿すれば、リヤバンパーRBにライセンスプレートLPを締め付け固定することができる。
【0030】
ところで、図8(A)に示すように、前記クリップボルトCNが規定の長さのものである(陸運支局支給)ときは、前述したように、そのクリップボルトCNによるライセンスプレートLPのリヤバンパーRBへの取り付けが可能であるが、図8(B)に示すように、クリップボルトCNの長さが前記規定のものよりも長いと、該クリップボルトCNをナット31に螺挿したとき、該ボルトCBの先端がクリップ付ナットCNの保護片40に干渉するに至り、さらなるクリップボルトCBの締付進行により、該ボルトCBの先端が保護片40を外方に押圧し、この押圧力により、クリップ本体30は、一方の湾曲コーナー部36を基点として外側に広がるように変形し、これによりクリップ部30の内側クリップ片33Bが外側に引っ張られてクリップ間隔32が広がり、クリップ部30とリヤバンパーRBとの締付けが弛緩して、ライセンスプレートLPの、リヤバンパーRBへの締め付けができなくなる。その結果、長いクリップボルトCBの先端が、車体Bや艤装品、電装品などの他物と干渉することが回避され、それらにダメージを与えることがない。
【0031】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0032】
たとえば、前記実施例では、本発明クリップ付ナットを、自動車のリヤバンパーRBに、ライセンスプレートLPを取り付けに用いる場合を説明したが、これを合成樹脂製などの基材に他の部材を取り付けるのに用いることができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明クリップ付ナットを用いてリヤバンパーにサイドプレートを取り付けた、自動車の車体後部の斜視図
【図2】図1の2矢視のバンパーの表面図
【図3】図2の3−3線に沿う拡大断面図
【図4】図3の4矢視図
【図5】図2の5矢視仮想線囲い部分の拡大図
【図6】図5の6−6線に沿う拡大断面図
【図7】図5の7−7線に沿う拡大断面図
【図8】図5の8−8線に沿う拡大断面図
【図9】クリップナットおよびクリップボルトの斜視図
【図10】左右側ブラケットの斜視図
【図11】図4の11矢視斜視図
【図12】従来のクリップ付ナットの断面図
【符号の説明】
【0034】
30・・・・・クリップ本体
31・・・・・ナット
32・・・・・クリップ間隔
33・・・・・クリップ部
33A・・・・・外側クリップ片
33B・・・・・内側クリップ片
34・・・・・・ボルト孔
35・・・・・・取付面
38・・・・・・脚片
39・・・・・・脚片
40・・・・・・保護片
CB・・・・・・クリップボルト
RB・・・・・・基材(リヤバンパー)
LP・・・・・・他の部材(ライセンスプレート)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(RB)を弾発挟持すると共にこの基材(RB)に取り付けられる他の部材(LP)が接合されるクリップ部(33)を有するクリップ本体(30)と、このクリップ本体(30)と一体のナット(31)とを備え、他の部材(LP)、クリップ部(33)および基材(RB)を貫通したクリップボルト(CB)を、ナット(31)に螺挿することにより、基材(RB)に、他の部材(LP)を締結するクリップ付ナットであって、
クリップ本体(30)には、クリップボルト(CB)の先端と対峙する保護片(40)が一体に設けられていて、クリップボルト(CB)の長さが所定値を超えて長いとき、クリップボルト(CB)の先端が保護片(40)を押圧してクリップ部(33)のクリップ間隔(32)を離間させ、基材(RB)と他の部材(LP)との締結を不能としたことを特徴とする、クリップ付ナット。
【請求項2】
前記クリップ本体(30)は、前記ナット(31)と一体の内側クリップ片(33B)と、この内側クリップ片(33B)にクリップ間隔(32)をあけて対峙して前記クリップボルト(CB)の挿通されるボルト孔(34)を穿設した外側クリップ片(33A)を備え、前記内、外側クリップ片(33B,33A)間に、前記基材(RB)を弾発挟持するクリップ間隔(32)が形成されると共に外側クリップ片(33A)の外面に他の部材(LP)の取付面(35)が形成され、内、外側クリップ片(33B,33A)の互いに離間する基端には、クリップボルト(CB)の先端に向けて延びる一対の脚片(38,39)を介して前記保護片(40)が一体に連設されていることを特徴とする、前記請求項1記載のクリップ付ナット。
【請求項3】
前記クリップ本体(30)は、前記クリップ間隔(32)をあけて対峙する内、外側クリップ片(33B,33A)と、それらのクリップ片(33B,33A)の互いに離間する基端より屈曲形成されて、相互に近づく方向に延長される前記一対の脚片(38,39)と、それらの脚片(38,39)の互いに隣接する端部同士を一体に連結する前記保護片(40)とより、断面台形状に形成されることを特徴とする、前記請求項2記載のクリップ付ナット。
【請求項1】
基材(RB)を弾発挟持すると共にこの基材(RB)に取り付けられる他の部材(LP)が接合されるクリップ部(33)を有するクリップ本体(30)と、このクリップ本体(30)と一体のナット(31)とを備え、他の部材(LP)、クリップ部(33)および基材(RB)を貫通したクリップボルト(CB)を、ナット(31)に螺挿することにより、基材(RB)に、他の部材(LP)を締結するクリップ付ナットであって、
クリップ本体(30)には、クリップボルト(CB)の先端と対峙する保護片(40)が一体に設けられていて、クリップボルト(CB)の長さが所定値を超えて長いとき、クリップボルト(CB)の先端が保護片(40)を押圧してクリップ部(33)のクリップ間隔(32)を離間させ、基材(RB)と他の部材(LP)との締結を不能としたことを特徴とする、クリップ付ナット。
【請求項2】
前記クリップ本体(30)は、前記ナット(31)と一体の内側クリップ片(33B)と、この内側クリップ片(33B)にクリップ間隔(32)をあけて対峙して前記クリップボルト(CB)の挿通されるボルト孔(34)を穿設した外側クリップ片(33A)を備え、前記内、外側クリップ片(33B,33A)間に、前記基材(RB)を弾発挟持するクリップ間隔(32)が形成されると共に外側クリップ片(33A)の外面に他の部材(LP)の取付面(35)が形成され、内、外側クリップ片(33B,33A)の互いに離間する基端には、クリップボルト(CB)の先端に向けて延びる一対の脚片(38,39)を介して前記保護片(40)が一体に連設されていることを特徴とする、前記請求項1記載のクリップ付ナット。
【請求項3】
前記クリップ本体(30)は、前記クリップ間隔(32)をあけて対峙する内、外側クリップ片(33B,33A)と、それらのクリップ片(33B,33A)の互いに離間する基端より屈曲形成されて、相互に近づく方向に延長される前記一対の脚片(38,39)と、それらの脚片(38,39)の互いに隣接する端部同士を一体に連結する前記保護片(40)とより、断面台形状に形成されることを特徴とする、前記請求項2記載のクリップ付ナット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−30516(P2010−30516A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196606(P2008−196606)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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