説明

クリーンブース

【課題】作業場内に浮遊する粉塵、ダスト、金属片および加工中に発生する臭気が職場環境を害する。特に作業者が吸引することで健康に与える影響が大きい、また粉塵がコンピューター、精密機械に与える影響も大きく誤動作を招く原因になっている。
【解決手段】本発明の集塵装置により、作業場内に浮遊する粉塵・ダスト、金属片を水盤(上位部から下位部に流れ落ちる水の壁)と吸引装置で水槽内に流し込み、金属片等の比重の大きい物質は水槽内に沈殿させ、比重の小さい粉塵や汚れた空気は噴霧シャワー、浄化フィルターを介して集塵装置外へ排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、製造工場内に浮遊する粉塵、ダストを作業者が体内に吸引することで、作業者が受ける健康上の害を防止するためのものである。
【背景技術】
【0002】
従来の工場内には人体への公害に無防備の作業者が圧倒的に多く、防塵マスクをつける作業者もいるが息苦しく装着は定着しない。乾式集塵装置の設置工場もあるが火花を伴うサンダーがけ、溶接等の熱を帯びた粉塵により集塵装置内で火災が発生することがあり、広く普及せず、工場内に浮遊する粉塵が人体に及ぼす影響は甚大である。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
工場内に潜む粉塵、悪臭対策が中小零細企業では野放しになっており、設備しようとしても設備が高額、乾式防塵装置での火災発生の可能性の問題もあり、工場内環境整備がなされてない。
【0004】
また集塵装置を通して工場外へ排出するためのダクトの設置が必要となり設置スペースにも大きな問題が発生している。本発明は以上の欠点を解決する為のものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、工場内の作業で発生する火花を含む粉塵を水盤(水が装置の上位部から下位部に流れ落ちる)の水流に巻き込むことで高熱を帯びた粉塵から熱を奪い、集塵装置内での火災の発生を防ぐことができる。また本発明の装置内に吸引された空気は3度にわたり水面に叩きつけられ、比重の大きい物質は水槽内に沈殿させ、軽い粉塵、ダストは二重構造の浄化フィルターと脱臭フィルターで浄化され、クリーンになった空気のみを本装置外へ排出する、本装置内では三度にわたる空気の浄化がなされることで排出用ダクトの設備が不要となり、省スペース化が実現されている。
【作用】
【0006】
本発明の集塵装置は水槽を用いることで比重の大きい物質は水槽内に沈殿させ、超微粒子を含んだエアーのみが噴霧シャワー、浄化フィルターに吸い込まれるため、エアーフィルターの目詰まりが大幅に軽減され、定期的メンテナンス期間が大幅に延長される、このことにより、本集塵機の機能が満たされたクリーンブースが常時工場内で稼働、リフレッシュされた空気を工場内に還元でき、工場内に快適空間を用意することができるようになった、クリーンブースを提供することができた。
【実施例】
【0007】
以下、本発明の実施例を図1に基づいて示す。
図1の3の水盤を流れる水は工場内に浮遊する粉塵・ダスト及び火花等の高熱にさらされた物質を巻き込みながら水槽内へ落とし込む。水盤の上位部周辺で水流が巻き込めない軽い粉塵は5の吸引口を通して本装置内フィルターへ吸引される。水槽内16エリア部では3の水盤上を流れる水流に巻き込まれた粉塵・ダストのうち比重の大きい物質は2の水槽内に沈殿、比重の小さいものは強力な吸引力により、水盤3の先端部と水槽2の水面の間を流れ17エリア部へ吸引され噴霧シャワー9で洗浄され、フィルター10,11、脱臭フィルター12に吸い込まれ浄化・脱臭され、18エリア部に流れ、水槽内の水にぶつけられ、これまでの過程では除去できてなかった微細粒子の除去がなされ、完全に洗浄されたクリーンな空気のみが本装置外へ放出される。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、工場内のクリーンな環境を保つことができると共に、作業者の健康管理、また工場内のコンピューター、精密機械の駆動部を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のクリーンブースの斜視図
【図2】本体図1のC斜図
【図3】浄化フィルターと噴霧シャワーの拡大図
【符号の説明】
【0010】
1クリーンブース本体
2水槽
3水盤(エリア16と17の仕切兼)
4仕切板(エリア17と18の仕切)
5吸引口(上部)
6上部タンク
7集塵用ファン
8噴霧シャワー用配管
9噴霧シャワーノズル
10浄化フィルター(下)
11浄化フィルター(中)
12脱臭フィルター
13水盤上の水の流れ
14水槽内の混合水
15集塵受けパネル
16水槽内エリア16
17水槽内エリア17
18水槽内エリア18
19本体ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵装置に水盤(板の全面に沿って装置上部から下部に向かって流れる水の壁)を設け、溶接作業後のサンダー仕上げで発生する火花を水盤上に流れる水で受けて消火し集塵装置内での火災発生を防止する、また工芸品製造や塗装工程等で発生する粉塵も吸引装置と水盤上を流れる水で巻き込むことで飛散を防止し集塵するようにした、クリーンブース。
【請求項2】
粉塵は水盤上の水の流れで発生する微小な浮遊水滴と集塵装置の吸引力で水流に巻き込まれ、水槽の水面に叩きつけられる、叩きつけられた粉塵の中でも比重の大きい物質は水槽内に沈殿し、比重の小さい空気・物質は水盤裏部に設置された噴霧シャワー、浄化フィルターで浄化、脱臭されるようにした、請求項1のクリーンブース。
【請求項3】
水槽内を3つのエリア16、17、18(水槽の水は16、17、18エリア共通)に分割し、16のエリアでは比重の大きい物質を水槽内に沈殿させ、17のエリアでは16のエリアで選別沈殿できなかった微細物質を噴霧シャワーで沈殿させ、更に2枚のフィルターと脱臭フィルターを通して空気の浄化及び脱臭をおこなう、18のエリアでは集塵装置内の空気浄化の最終工程として、空気を水面に叩きつける3度目の作業を実施し、完全にクリーン化された空気のみを放出するようにした、請求項1〜2のクリーンブース。
【請求項4】
本装置の水を受ける部分はステンレス材で構成され、水槽及び集塵装置内で使用される水は腐敗、凍結を防止する混合剤を使用することで長期間の使用が可能となり、かつ集塵装置内で循環使用することで省エネ化がなされた、請求項1〜3のクリーンブース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−67807(P2011−67807A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240844(P2009−240844)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(509289261)
【Fターム(参考)】