説明

クレーンおよびクレーンの分解組立方法

【課題】クレーンの分解組立作業を容易にする。
【解決手段】マスト部材20を作業姿勢から輸送姿勢に姿勢変更した後、マスト部材20にロープ折り返し用のローラ部材26を取り付ける。さらに、第2のロープ支持部材12を移動しながら、ローラ部材26を支点に第1のロープ支持部材13と第2のロープ支持部材12との間でブーム起伏用ロープ6aを折り返す。その後、ブーム起伏用ロープ6aを折り返した状態で、マスト部材20と第1のロープ支持部材13と第2のロープ支持部材12とブーム起伏用ロープ6aとを一体に取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Aフレームを有するクレーンおよびクレーンの分解組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラクレーンをトレーラ等により輸送する場合は、輸送重量および輸送寸法を法令で定められた制限値内に抑える必要があり、そのためにAフレームなどのマスト部材を旋回フレームから取り外して輸送することがある。例えば特許文献1記載のクレーンでは、Aフレームを旋回フレームから取り外す際に、Aフレームに連結されたAフレーム用起伏シリンダをAフレームと一体に取り外すようにしている。
【特許文献1】特許2824033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1記載のものは、輸送の度にAフレームから起伏ロープを離脱しなければならず、クレーンの分解組立の際に多大な労力が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるクレーンは、ブームの後方にて機体フレームに回動可能に取り付けられ、作業姿勢から輸送姿勢へと姿勢変更が可能なマスト部材と、マスト部材に設けられた第1のロープ支持部材と、マスト部材から離間して設けられ、第1のロープ支持部材との間でブーム起伏用ロープが掛け回される第2のロープ支持部材とを備え、マスト部材の作業姿勢時に、起伏ドラムによるブーム起伏用ロープの巻き取りおよび繰り出しによりブームを起伏するクレーンであり、マスト部材に取り付けられるロープ折り返し用のローラ部材をさらに備え、マスト部材の輸送姿勢時には、ブーム起伏用ロープは、第1のロープ支持部材と第2のロープ支持部材との間でローラ部材により折り返されていることを特徴とする。
マスト部材に、ローラ部材を着脱可能に支持するローラ部材取付部を設け、マスト部材の作業姿勢時に、マスト部材からローラ部材を取り外してもよい。
マスト部材の輸送姿勢時に、第2のロープ支持部材をマスト部材に固定するロープ支持部材固定手段を備えることもできる。
マスト部材の輸送姿勢時に、ブーム起伏用ロープの端部をマスト部材に固定するロープ固定手段を備えることもできる。
本発明によるクレーンの分解組立方法は、ブームの後方にて機体フレームに回動可能に取り付けられ、作業姿勢から輸送姿勢へと姿勢変更が可能なマスト部材を有し、このマスト部材に設けられた第1のロープ支持部材とマスト部材から離間して設けられた第2のロープ支持部材との間にブーム起伏用ロープが掛け回され、マスト部材の作業姿勢時にブーム起伏用ロープの巻き取りおよび繰り出しによってブームを起伏するクレーンの分解組立方法であって、マスト部材を作業姿勢から輸送姿勢に姿勢変更した後、マスト部材にロープ折り返し用のローラ部材を取り付ける工程と、第2のロープ支持部材を移動しながら、ローラ部材を支点に第1のロープ支持部材と第2のロープ支持部材との間でブーム起伏用ロープを折り返す工程と、ブーム起伏用ロープを折り返した状態で、マスト部材と第1のロープ支持部材と第2のロープ支持部材とブーム起伏用ロープとを一体に取り外す工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、輸送姿勢時に、第1のロープ支持部材と第2のロープ支持部材との間でローラ部材によってブーム起伏用ロープを折り返すようにしたので、ブーム起伏用ロープをAフレームから離脱する必要がなく、クレーンの分解組立作業が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図1〜図6を参照して本発明によるクレーンの実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るクレーンの外観側面図であり、作業姿勢を示している。このクレーンは、走行体1と、旋回輪を介して走行体上に旋回可能に搭載された旋回フレーム2と、旋回フレーム2に前後方向に起伏可能に軸支されたブーム3とを有する。旋回フレーム2には主巻ロープ4aが巻回された主巻ドラム4、補巻ロープが巻回された補巻ドラム5、および起伏ロープ6aが巻回された起伏ドラム6が搭載され、旋回フレーム2の後端部にはカウンタウエイト7が搭載されている。ブーム3の後方にはAフレーム20(ガントリとも呼ぶ)が立設されている。Aフレーム20は起伏シリンダ10の伸縮により後方に倒回可能である。ブーム3はトップブーム3Aとボトムブーム3Bを連結してなる。
【0007】
主巻ロープ4aはブーム先端部を経由してフック9に接続され、主巻ドラム4の駆動によりフック9が昇降する。ブーム先端部にはペンダントロープ11の一端が接続され、ペンダントロープ11の他端はブライドル12に接続されている。Aフレーム20の頂部には回転可能にシーブ14が軸支されるとともに、このシーブ14の回転軸回りに回動可能にハンガ13が取り付けられている。ブライドル12とハンガ13にはそれぞれシーブが回転可能に軸支され(図4参照)、起伏ロープ7aはシーブ14を経由してブライドル12とハンガ13の間に複数回掛け回されている。この状態で起伏ドラム6を駆動するとハンガ13とブライドル12の間隔が変化し、ペンダントロープ11を介してブーム3が起伏する。
【0008】
このようなクレーンを輸送する際は、通常、旋回フレーム2からブーム3およびカウンタウエイト6を取り外すとともに、Aフレーム20を後方に倒回させ、輸送姿勢(格納姿勢)とする。さらに輸送重量および輸送寸法を法令で定められた制限値内に抑える必要がある場合には、旋回フレーム2からAフレーム20を取り外す。この場合、Aフレーム20を単体で取り外したのでは、輸送の度にAフレーム20およびブライドル12,ハンガ13から起伏ロープ6aを離脱し、輸送終了後、再度Aフレーム20及びブライドル12,ハンガ13に起伏ロープ6aを掛け回さなければならず、多大な労力を要する、また、輸送重量を十分に軽減することもできない。そこで、本実施の形態では、以下のようにブライドル12、ハンガ13、および起伏ロープ6aをAフレーム20と一体に取り外す。
【0009】
図2は、作業姿勢におけるAフレーム20を後方から見た斜視図である。Aフレーム20は、左右一対の前フレーム21と後フレーム22とを有する。前フレーム21の下端部は、ピン21aを支点に旋回フレーム2に回動可能に連結されている。起伏シリンダ10の上下端部は、それぞれ前フレーム21および旋回フレーム2に回動可能に連結されている。作業姿勢においては起伏シリンダ10が伸張し、前フレーム21は起伏シリンダ10により支持されている。
【0010】
後フレーム22は上フレーム部材22Aと下フレーム部材22Bとを有し、上フレーム部材22Aの上端部は前フレーム21の上端部にピン21bを介して回動可能に連結されている。前フレーム21の上端部には、回転軸21cを介してシーブ14が回転可能に軸支されるとともに、ハンガ13が回転軸21c回りに回動可能に軸支されている。下フレーム部材22Bの下端部はブラケット23を介して旋回フレーム2に回動可能に連結され、下フレーム部材22Bの上端部は上フレーム部材22Aの下端部にピン22aを介して回動可能に連結されている。
【0011】
上フレーム部材22Aと下フレーム部材22Bの連結部には、貫通ピン24が挿脱可能である。各フレーム部材22A,22Bに設けた貫通孔に貫通ピン24を挿入すると、下フレーム部材22Bと上フレーム部材22Aとの相対回転が阻止され、Aフレーム20が作業姿勢で固定される。貫通ピン24を抜くと、下フレーム部材22Bに対し上フレーム部材22Aが回動可能となり、この状態で起伏シリンダ10を縮退すると、Aフレーム20が後方に倒回して輸送姿勢となる。
【0012】
図3(a),(b)は、輸送姿勢におけるAフレーム20の平面図および側面図であり、Aフレーム20の倒回直後の状態、すなわちAフレーム20を旋回フレーム2から取り外し可能とする前の状態を示している。なお、図では起伏ロープ6aを省略している。前フレーム21の連結ピン21a側端部には、ローラ取付用のブラケットが設けられ、連結ピン21b側端部には、ブライドル取付用のブラケット211が設けられている。一対の前フレーム21,21の内側にはプレート25が架設され、プレート25の裏側には起伏ロープ固定用のロープ固定具212が設けられている。
【0013】
図4(a),(b)は、Aフレーム20を旋回フレーム2から取り外し可能状態としたときの平面図および側面図である。前フレーム21の各ブラケット210にはそれぞれボルトを介してアーム27が取り付けられ、これら一対のアーム27の内側に回転可能にローラ26が軸支されている。ローラ26は、起伏ドラム6から繰り出された起伏ロープ6aの上側に位置するように取り付けられている。起伏ロープ6aは、ローラ26を経由して折り返された状態で、ハンガ13とブライドル12との間に掛け回されている。この状態では、シーブ14の上方にブライドル12が位置し、ブラケット211によりブライドル12が支持されている。
【0014】
すなわち図4(c)に示すように、ブラケット211にはボルトを介して断面略L字状の支持プレート213が取り付けられ、支持プレート213の上面にボルトを介してブライドル12が固定されている。これによりシーブ14やハンガ13と干渉することなく、Aフレーム20(前フレーム21)にブライドル12を固定できる。なお、ブラケット211自体を略L字状に折り曲げて形成し、支持プレート213を省略してもよい。
【0015】
図4では、起伏ロープ6aが起伏ドラム6から完全に繰り出されて起伏ロープ6aの端部が起伏ドラム6から離脱し、起伏ロープ6aの両端部はそれぞれプレート25の裏側のロープ固定具212に固定されている。ロープ固定具212は、ボルトを介してプレート25の裏側に着脱可能に設けられており、起伏ロープ6aを固定する際は、ボルトを一旦緩めてロープ固定具212とプレート25との間に起伏ロープ6aを挟み込む。ロープ6aの固定方法はこれに限らず、くさび(ウェッジ)を介して起伏ロープ6aの端部をロープ固定具212に固定してもよい。
【0016】
本実施の形態に係るクレーンの分解組立方法について説明する。
図1の作業姿勢から輸送姿勢へと移行する際は、まず、起伏ロープ6aを繰り出してブーム3を倒回し、ブーム先端部を接地させる。この状態からさらに起伏ロープ6aを繰り出し、起伏ロープ6aおよびペンダントロープ11の張力を緩めた状態でブライドル12をブーム3の上面に載置する。次いで、図5に示すように、ペンダントロープ11をブライドル12から取り外すとともに、ボトムブーム3Bに設けられたブライドル固定ラグ3aにブライドル12を連結し、さらにボトムブーム3Bからトップブーム3Aを取り外す。
【0017】
この状態で、補助クレーンを用いて旋回フレーム2からカウンタウエイト7を取り外す。さらにAフレーム20から貫通ピン24を抜いた後、起伏シリンダ10を縮退し、図6に示すようにAフレーム20を後方に倒回する。このとき、起伏ドラム6を同時に駆動し、起伏ロープ6aの張力が張りすぎずおよび緩みすぎないように、ロープ張力を調整する。次いでAフレーム20のブラケット210にアーム27を介してローラ26を取り付ける。そして、ブライドル固定ラグ3aからブライドル12を取り外し、図6(a)に示すように補助クレーンのフック50にブライドル12を連結し、図6(b)に示すようにフック50をローラ26の上方に移動させながらブライドル12を吊り上げる。このとき、起伏ロープ6aはローラ26を支点にして上方に屈曲した状態となる。
【0018】
図6(b)の状態において、起伏ドラム6を駆動して起伏ロープ6aを繰り出しながらフック50を上昇し、起伏ドラム6から起伏ロープ6aを全て取り外す。取り外した起伏ロープ6aの端部は、そのすぐ上方にあるプレート25の裏側のロープ固定具212に固定する。これにより起伏ロープ6aは起伏ドラム6から離脱し、ローラ26を経由してハンガ13とブライドル12の間に張架される。次いで、図6(c)に示すようにフック50を後方に移動させながら下降し、シーブ14の上方にブライドル12を移動する。その後、ブラケット211および支持プレート213を介してAフレーム20にブライドル12を固定する。これによりブライドル12がAフレーム20と一体化する。
【0019】
次いで、起伏シリンダ10の端部をAフレーム20から取り外すとともに、Aフレーム端部の取付用ピン21aを取り外し、補助クレーンによってAフレーム全体を吊り上げ、Aフレーム20をブライドル12、ハンガ13、および起伏ロープ6aと一体に旋回フレーム2から取り外す。なお、起伏シリンダ10の端部を旋回フレーム2から取り外し、起伏シリンダを10Aフレーム20と一体に取り外すようにしてもよい。以上により、Aフレーム20の分解が終了する。その後、ボトムブーム3Bおよび走行体1(クローラ)を旋回フレーム2から取り外し、それぞれをトレーラにより目的地まで輸送する。輸送姿勢から作業姿勢に移行する際は、上述したのとは逆の手順で行えばよい。
【0020】
本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏する。
(1)Aフレーム20に着脱可能にローラ26を設け、輸送姿勢時にローラ26を折り返し点として起伏ロープ6aを折り返し、Aフレーム20の上方に起伏ロープ6aを格納するようにした。これにより起伏ロープ6aをAフレーム20と一体に取り外すことができるので、輸送時に起伏ロープ6aをAフレーム20から取り外す必要がない。そのため、クレーンの分解組立の際に煩雑なロープの掛け回しをする手間が省け、分解組立作業を容易に行うことができる。また、輸送時にAフレーム20と一体にブライドル12,ハンガ13、および起伏ロープ6aを取り外すので、Aフレーム20のみを取り外す場合に比べ、輸送重量を大幅に低減できる。ローラ26はAフレーム20に着脱可能なので、作業時にローラ26は障害とならず、何ら支障なく作業を行うことができる。
【0021】
(2)輸送時にブラケット211を介してAフレーム20にブライドル12を固定するとともに、ロープ固定具212により起伏ロープ6aの端部をAフレーム20に固定するので、Aフレーム20とブライドル12と起伏ロープ6aを安定した状態で輸送できる。
(3)Aフレーム20(前フレーム21)の両端部にそれぞれブラケット210,211を設け、ブラケット210,211によりそれぞれローラ26およびブライドル12を支持するので、ローラ26を経由したハンガ13からブライドル12までの長くなり、Aフレーム20の上方に全ての起伏ロープ6aを格納できる。また、Aフレーム20のプレート25の裏側にロープ固定具212を設けたので、起伏ドラム6から取り外した起伏ロープ6aの端部をAフレーム20に容易に固定できる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、起伏ロープ6aをローラ26により1回だけ折り返すようにしたが、必要に応じて複数回折り返すようにしてもよく、ローラ26を複数個設けるようにしてもよい。ローラ部材としてのローラ26の形状、取り付け箇所は上述したものに限らない。ローラ26をAフレーム20に着脱可能に設けたが、作業時に邪魔にならない場所に設けるのであれば、着脱可能でなくてもよい。ボルトによってAフレーム20にブライドル12を固定するようにしたが、Aフレーム20の取り外し時および輸送時に、Aフレーム20に対するブライドル12の位置をある程度拘束できるのであれば、このような固定を行わなくてもよい。また、ロープ固定具212によって起伏ロープ6aの端部をAフレーム20に固定するようにしたが、Aフレーム20の取り外し時および輸送時にロープ端部の位置をある程度拘束できるのであれば、このような固定を行わなくてもよい。
【0023】
Aフレーム20に設けたハンガ13とAフレーム20から分離して設けたブライドル12の間に起伏ロープ6aを掛け回すようにしたが、第1のロープ支持部材と第2のロープ支持部材の構成は上述したものに限らない。ブラケット211と支持プレート213を介してAフレーム20にブライドル12を固定するようにしたが、ロープ支持部材固定手段はいかなるものでもよい。ロープ固定具212を介して起伏ロープ6aの端部をAフレーム20に固定するようにしたが、ロープ固定手段はいかなるものでもよい。
【0024】
なお、Aフレーム20を作業姿勢から輸送姿勢に姿勢変更した後、Aフレーム20にローラ26を取り付ける工程と、ブライドル12を移動しながら、ローラ26を支点にハンガ13とブライドル12との間で起伏ロープ6aを折り返す工程と、起伏ロープ6aを折り返した状態で、Aフレーム20とハンガ13とブライドル12と起伏ロープ6aとを一体に取り外す工程とを少なくとも含むのであれば、上述した以外の方法によりクレーンを分解および組み立ててもよい。本発明は、Aフレーム以外の他のマスト部材を有するクレーンにも適用可能である。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のクレーンに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るクレーンの外観側面図。
【図2】図1に示したAフレームの斜視図。
【図3】Aフレームの倒回直後における平面図および側面図。
【図4】Aフレームを輸送可能状態とした場合の平面図および側面図。
【図5】本発明の実施の形態に係るクレーンの分解組立時の一動作を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係るクレーンの分解組立時の他の動作を示す図。
【符号の説明】
【0026】
6a 起伏ロープ
12 ブライドル
13 ハンガ
20 Aフレーム
26 ローラ
210,211 ブラケット
212 ロープ固定具
213 支持プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームの後方にて機体フレームに回動可能に取り付けられ、作業姿勢から輸送姿勢へと姿勢変更が可能なマスト部材と、
前記マスト部材に設けられた第1のロープ支持部材と、
前記マスト部材から離間して設けられ、前記第1のロープ支持部材との間でブーム起伏用ロープが掛け回される第2のロープ支持部材とを備え、
前記マスト部材の作業姿勢時に、起伏ドラムによる前記ブーム起伏用ロープの巻き取りおよび繰り出しによりブームを起伏するクレーンにおいて、
前記マスト部材に取り付けられるロープ折り返し用のローラ部材をさらに備え、
前記マスト部材の輸送姿勢時には、前記ブーム起伏用ロープは、前記第1のロープ支持部材と前記第2のロープ支持部材との間で前記ローラ部材により折り返されていることを特徴とするクレーン。
【請求項2】
請求項1に記載のクレーンにおいて、
前記マスト部材には、前記ローラ部材を着脱可能に支持するローラ部材取付部が設けられ、前記マスト部材の作業姿勢時には、前記マスト部材から取り外されていることを特徴とするクレーン。
【請求項3】
請求項1または2に記載のクレーンにおいて、
前記マスト部材の輸送姿勢時に、前記第2のロープ支持部材を前記マスト部材に固定するロープ支持部材固定手段を備えることを特徴とするクレーン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のクレーンにおいて、
前記マスト部材の輸送姿勢時に、前記ブーム起伏用ロープの端部を前記マスト部材に固定するロープ固定手段を備えることを特徴とするクレーン。
【請求項5】
ブームの後方にて機体フレームに回動可能に取り付けられ、作業姿勢から輸送姿勢へと姿勢変更が可能なマスト部材を有し、このマスト部材に設けられた第1のロープ支持部材とマスト部材から離間して設けられた第2のロープ支持部材との間にブーム起伏用ロープが掛け回され、前記マスト部材の作業姿勢時に前記ブーム起伏用ロープの巻き取りおよび繰り出しによって前記ブームを起伏するクレーンの分解組立方法であって、
前記マスト部材を作業姿勢から輸送姿勢に姿勢変更した後、前記マスト部材にロープ折り返し用のローラ部材を取り付ける工程と、
前記第2のロープ支持部材を移動しながら、前記ローラ部材を支点に前記第1のロープ支持部材と前記第2のロープ支持部材との間で前記ブーム起伏用ロープを折り返す工程と、
前記ブーム起伏用ロープを折り返した状態で、前記マスト部材と前記第1のロープ支持部材と前記第2のロープ支持部材と前記ブーム起伏用ロープとを一体に取り外す工程とを含むことを特徴とするクレーンの分解組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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