説明

グアユール天然ゴムから製品を製造するための配合剤

本発明はエラストマーゴム製品を作製するプロセスに関し、特に、パラゴムノキ天然ゴムラテックス以上の物理的強度特性を示すグアユール天然ゴム等の非パラゴムノキゴムの供給源から上記のような製品を製造するプロセスに関する。一実施の形態において、予備硬化段階において、ジチオカルバミン酸塩、チアゾール、グアニジン、チウラム又はスルフェンアミドの可変の組合せから構成される硬化促進剤組成物を備えている。硬化促進剤組成物は、以下に限られないが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、t−ブチルベンゾチアゾスルフェンアミド(TBBS)及びジフェニルグアニジン(DPG)、並びにジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、n−シクロヘキシルベンゾチアゾスルフェンアミド(CBTS)及びジフェニルグアニジン(DPG)から構成される硬化促進剤組成物から構成されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された本発明はエラストマーゴム製品を作製するプロセスに関し、特に、パラゴムノキ天然ゴムラテックス以上の物理的強度特性を示すグアユール(Parthenium argentatum)天然ゴム等の非パラゴムノキゴムの供給源から製品を製造するプロセスに関する。
(国内優先権の主張)
本願は、2007年8月21日に出願された米国特許出願第11/842,939号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
パラゴムノキ植物に由来する天然ゴムは被覆材、フィルム及び包装材にあるような数多くの工業製品の主要成分である。また天然ゴムは医療機器及び消費財にも広く使用されている。ラテックスは、より具体的には、手袋、カテーテル、実験室検査機器、アッセイ、使い捨てキット、薬剤容器、注射器、バルブ、シール、ポート、プランジャ、ピンセット、スポイト、栓、絆創膏、包帯、検査シート、包装紙、カバー、チップ、シールド、及び内部装置用シース、溶液バッグ、バルーン、温度計、へら、チューブ、結合剤、輸血貯蔵システム、針カバー、止血帯、テープ、マスク、聴診器、医療用接着剤並びにラテックス創傷治癒用品を含む医療用品に使用されている。
【0003】
術後の患者による天然ゴムの使用には、圧縮包帯、タイ及びストラップ、インフレーションシステム、装具、副子、頸椎カラー及びその他の支持具、ベルト、衣料品、並びに車椅子及び松葉杖のパッドが含まれる。また天然ラテックスは、ほんの数例を挙げると、おしゃぶり、輪ゴム、接着剤、コンドーム、紙おむつ、画材、玩具、哺乳瓶、チューインガム及び電子機器等の数多くのその他の一般的な家庭用品にも使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、天然ゴムの使用拡大は様々な理由から問題がある。第一に、パラゴムノキ由来の天然ゴムの圧倒的大部分は、インドネシア、マレーシア及びタイにおいて、労働集約型の収穫活動を用い、限られた数の栽培品種から栽培される。パラゴムノキから作製されたゴム及び製品は、米国を含む世界の他の地域に輸出するにはあまりに高価であり、サプライチェーンが材料の安定供給を制限する恐れがある。更に、この作物の栽培地域及び遺伝的類似性が限定されていることから、植物の胴枯れ病、疾病又は自然災害によって、世界の製造の大部分が短期間に崩壊する恐れがある。第二に、特に医療及び患者のケアの領域において、推定2,000万人のアメリカ人には、東南アジアのパラゴムノキ由来の天然ゴム収穫物に認められるタンパク質に対してアレルギーがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示はエラストマーゴム製品を作製するプロセスを対象としており、特に、パラゴムノキ天然ゴムラテックス以上の物理的強度特性を示すグアユール天然ゴム等の非パラゴムノキゴムの供給源から上記のような製品を製造するプロセスを対象とする。一実施の形態において、前記プロセスは予備硬化段階において、ジチオカルバミン酸塩、チアゾール、グアニジン、チウラム又はスルフェンアミドの可変の組合せから構成される硬化促進剤組成物を備えている。前記硬化促進剤組成物は、以下に限られないが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、t−ブチルベンゾチアゾスルフェンアミド(TBBS)及びジフェニルグアニジン(DPG)、並びにジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、n−シクロヘキシルベンゾチアゾスルフェンアミド(CBTS)及びジフェニルグアニ
ジン(DPG)から構成される硬化促進剤組成物から構成されてもよい。
【0006】
グアユール(Parthenium argentatum)ラテックスは代替のゴムの供給源(Yulex(登録商標)ラテックス)として市販されており、現在米国国内産の唯一の天然ゴムである。またパラゴムノキラテックス抗原タンパク質と交差反応するタンパク質を含まないため、タイプ1ラテックスアレルギー患者にとって安全な世界初の天然ゴムラテックスであり、ASTM規格D1076カテゴリー4の現在の要件を満たす唯一の天然ゴムラテックスである。米国南西部及びメキシコ北部原産の砂漠植物であるグアユールは、パラゴムノキラテックスと比較して基本的に同一の、又はラテックス品質が向上したポリマーイソプレンを産生する。
【0007】
その他の非パラゴムノキ天然ゴムの供給源の例としては、以下に限られないが、ホルトソウ(Euphorbia lathyris)、マリオラ(Parthenium incanum)、ラビットブラッシュ(Chrysothamnus nauseosus)、トウワタ(Asclepias sp.)、アキノキリンソウ(Solidago
sp.)、ペールインディアンプランテン(pale Indian plantain)(Cacalia atripilcifolia)、インドゴムカズラ(Crypstogeia grandiflora)、ゴムタンポポ(Taraxacum sp.及びScorzonera sp.)、マウンテンミント(Pycnanthemum
incanum)、ウッドセージ(Teucreum canadense)並びにトールベルフラワー(Campanula america)等が挙げられる。これら全ての非パラゴムノキ天然ゴムの供給源は、開示された方法に従って評価することにより、開示された非合成、低タンパク、低アレルギー誘発性のラテックス製品における使用に対する適合性を測定することができる。このように、非パラゴムノキ天然ゴムラテックス及びグアユールラテックスという用語は、本開示において互換的に使用される。
【0008】
現在、4万の消費者工業製品でパラゴムノキ天然ゴムラテックス(NRL)及びその他の合成ゴムが利用されている。本明細書に開示されているように、グアユールラテックスの性能はパラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーより優れており、代用品として有効に使用することができる。このように本開示は、開示されたプロセスにより作製される非パラゴムノキ、非合成のエラストマー製品も提供し、具体的に開示する。該製品には、以下に限られないが、手袋、コンドーム、カテーテル、実験室検査機器、アッセイ、使い捨てキット、薬剤容器、注射器、バルブ、シール、ポート、プランジャ、ピンセット、スポイト、栓、絆創膏、包帯、検査シート、包装紙、カバー、チップ、シールド、及び内部装置用シース、溶液バッグ、バルーン、温度計、へら、チューブ、結合剤、輸血貯蔵システム、針カバー、止血帯、テープ、マスク、聴診器、医療用接着剤並びにラテックス創傷治癒用品が含まれる。
【0009】
本開示の一実施の形態によれば、図1により詳細に説明されているように、開示されたプロセスは配合グアユール天然ゴムラテックス(GNRL)組成物の調製から始まる。GNRLを硬化促進剤組成物及び付加成分のいずれかと化合させることにより、本発明に従ってGNRL組成物を調製する。硬化促進剤の機能は、加硫の速度、すなわちGNRLの架橋密度を増加させることにより、プロセスの硬化段階におけるラテックスの硬化特性を向上させることである。本開示の硬化促進剤組成物は、NRLから構成されるエラストマー製品の生産に使用されることが知られている別の材料及び従来の機器と併せて使用することができる。
【0010】
一実施の形態において、本開示の硬化促進剤組成物は少なくとも一つのジチオカルバミン酸塩と、少なくとも一つのチアゾールと、少なくとも一つのグアニジン配合物とを備えている。代替の実施の形態において、前記硬化促進剤組成物は少なくとも一つのジチオカ
ルバミン酸塩と、少なくとも一つのスルフェンアミドと、少なくとも一つのグアニジン配合物とを備えている。更なる実施の形態において、前記硬化促進剤組成物は少なくとも一つのジチオカルバミン酸塩と、少なくとも一つのスルフェンアミド配合物とを備えている。更に別の組成物において、前記硬化促進剤組成物は少なくとも一つのジチオカルバミン酸塩と、少なくとも一つのグアニジン配合物とを備えている。また更に別の実施の形態において、前記硬化促進剤組成物は少なくとも一つのジチオカルバミン酸塩と、少なくとも一つのチウラム配合物とを備えている。
【0011】
好ましくは、本発明で使用されるジチオカルバミン酸塩配合物は、ZDEC又はZDCとしても知られるジエチルジチオカルバミン酸亜鉛である。使用に適したZDECにはBostex.TM.561(アクロンディスパージョンズ社(Akron Dispersions)[米国オハイオ州アクロン(Akron)所在]から市販されている)が含まれる。本発明で使用される好適なチアゾール配合物は、ジメルカプトベンゾチアゾール亜鉛又はZMBTとしても知られる2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛である。使用できる、適したZMBTにはBostex.TM.482A(アクロンディスパージョンズ社(Akron Dispersions)[米国オハイオ州アクロン(Akron)所在]から市販されている)が含まれる。
【0012】
別の実施の形態において、前記硬化促進剤組成物に使用されるグアニジン配合物は、DPGとしても知られるジフェニルグアニジンである。使用できる、適したDPGにはBostex.TM.417(アクロンディスパージョンズ社(Akron Dispersions)[米国オハイオ州アクロン(Akron)所在]から市販されている)が含まれる。好適な実施の形態において、前記硬化促進剤組成物に使用されるスルフェンアミド配合物は、TBBSとしても知られるt−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドである。使用に適したTBBSには50%BBTS(アクロンディスパージョンズ社(Akron Dispersions)[米国オハイオ州アクロン(Akron)所在]から入手できる)が含まれる。
【0013】
前記硬化促進剤組成物に使用される第二のスルフェンアミドは、CBTS又はCBSとしても知られるn−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミドである。使用できる、適したCBSには50%CBS(アクロンディスパージョンズ社(Akron Dispersions)[米国オハイオ州アクロン(Akron)所在]から入手できる)が含まれる。またその他のジチオカルバミン酸塩、チアゾール、スルフェンアミド、チウラム及びグアニジン誘導体も、各々が、使用されている残り2つの硬化促進剤配合物と化学的に相性が良い、すなわち使用されている残り2つの硬化促進剤配合物の機能性を実質的に妨げない限り本発明に従って使用することができる。
【0014】
同様に使用できるジチオカルバミン酸塩誘導体にはジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZMD)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SMD)、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス(BMD)、ジメチルジチオカルバミン酸カルシウム(CAMD)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(CMD)、ジメチルジチオカルバミン酸鉛(LMD)、ジメチルジチオカルバミン酸セレン(SEMD)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDC)、ジエチルジチオカルバミン酸アンモニウム(ADC)、ジエチルジチオカルバミン酸銅(CDC)、ジエチルジチオカルバミン酸鉛(LDC)、ジエチルジチオカルバミン酸セレン(SEDC)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TEDC)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZBUD)、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SBUD)、ジブチルジチオカルバミン酸ジブチルアンモニウム(DBUD)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZBD)、メチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZMPD)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZEPD)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZPD)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸カルシウム(CDPD)、ペンタメ
チレンジチオカルバミン酸鉛(LPD)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム(SPD)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン(PPD)及びロペチジン(lopetidene)ジチオカルバミン酸亜鉛(ZLD)が含まれる。
【0015】
使用できるその他のチアゾール誘導体には2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛(ZMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジメルカプトベンゾチアゾール銅(CMBT)、二硫化ベンゾチアジル(MBTS)及び2−(2’,4’−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール(DMBT)が含まれる。その他のスルフェンアミド誘導体には2−モルホリノチオベンゾチアゾール(MBS)、n−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(DCBS)、n−オキシエチレンチオカルバミル−n−オキシジエチレンスルフェンアミドが含まれる。使用できるチウラム誘導体には二硫化テトラエチルチウラム(TETD)、一硫化テトラメチルチウラム(TMTM)、二硫化テトラメチルチウラム(TMTD)及び二硫化テトラベンジルチウラム(TBzTD)が含まれる。使用できるその他のグアニジン誘導体には酢酸ジフェニルグアニジン(DPGA)、シュウ酸ジフェニルグアニジン(DPGO)、フタル酸ジフェニルグアニジン(DPGP)、ジ−o−トリルグアニジン(DOTG)、フェニル−o−トリルグアニジン(POTG)及びトリフェニルグアニジン(TPG)が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示に係るグアユールラテックスフィルム作製プロセスを示すチャート。
【図2】一定の硫黄における酸化防止剤及び硬化促進剤の様々な組合せの引張結果を表すグラフ。
【図3】様々な量の酸化防止剤、硬化促進剤及び硫黄において硬化したグアユールラテックスフィルムの引張特性を表すグラフ。
【図4】表4に開示された製剤GL9を用いた、周囲温度における未加工ラテックス保管期間の配合フィルム引張強度に対する効果を表すグラフ。
【図5】浸漬前の異なる時間保管した配合ラテックスの性能から製造されたフィルムの物理的特性を表すグラフ。
【図6】23G皮下注射針を用いた、グアユールラテックスフィルム対パラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーの破壊試験比較を表すグラフ。
【図7】グアユールラテックスフィルム対パラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーの引裂試験結果を表すグラフ。
【図8】グアユールラテックスフィルム対パラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーの様々な物理的特性結果を表す棒グラフ。
【図9】本開示に係る配合剤の様々な例を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0017】
浸漬工程及び硬化工程に先立ち、硬化促進剤組成物を含む配合ラテックスを即座に使用してもよいし、浸漬プロセスに使用する前の一定期間保管してもよい。配合GNRL組成物が使用可能な状態、又は次いで保管可能な状態になると、まず、生産対象製品の全体形状を有する浸漬型又は金型を凝着剤組成物内に浸漬することにより該浸漬型上に直接的に凝着剤層を形成する。次に、凝着剤で被覆された前記浸漬型を乾燥させた後、配合GNRL組成物内に浸漬する。
【0018】
次いで、ラテックスで覆われた前記浸漬型に対して硬化工程を施す。高温下でラテックスを浸漬型上で直接的に硬化させることにより、該浸漬型の形状を有する製品を製造する。ラテックス組成物に前加硫を施してもよく、その場合、所望の製剤を混合した後、使用(前加硫)前の一定期間温度制御しながら加熱する。あるいは、ラテックス配合物に後加硫を施してもよく、その場合、ラテックス配合物を使用前の長期間、所望の条件下で保管する。
【0019】
前加硫を施されたラテックスの場合、好適な配合剤を混合し、36〜42℃に加熱し、14〜16時間保持する。通常、ラテックスの撹拌はこの前加硫の間に行われる。必要な時間が経過した後、配合物を15〜25℃に冷却し、濾過すると、使用可能な状態になる。該配合物は、本明細書の実施例2に開示された修飾トルエン吸水膨張試験を利用して必要な硬化状態が達成されていることを確認することにより、使用可能な状態にあることを確認することができる。あるいは、配合物は上述のように混合し、必要な使用時間まで保管してもよい。また修飾トルエン吸水膨張試験はラテックスが必要な硬化状態に達したことを確認するためにも行うべきである。
【0020】
通常、更に水を用いた浸出及びカフビーディング等の工程を同様に施す。これらの技術は当該技術分野で公知である。また、減摩及び被覆、ハロゲン化(例えば、塩素化)並びに滅菌等の付加的な後処理プロセス及び技術工程を同様に施すことが多い。本発明に従って様々なエラストマー製品を作製することができる。このようなエラストマー製品には、以下に限られないが、上述のように医療用手袋、コンドーム、プローブカバー(例えば、超音波又は変換機プローブ用)、デンタルダム、指サック及びカテーテル等が含まれる。本開示は数多くの形で数々の利点及び利益を提供し、GNRLから構成され得るいずれの形態のエラストマー製品も、開示されるプロセスを使用することで恩恵を受けることが可能である。
【0021】
実施例1.酸化防止剤及び硬化促進剤の効果
初めに、硬化促進剤(Vanax PIC)及び酸化防止剤(Vanox SPL)のグアユールラテックスに対する効果を調べた。Vanax PIC及びVanox SPLはアールティーヴァンダービルト社(R.T. Vanderbilt)から入手した。表1は、硫黄量を2.5重量部(ゴム100重量部あたりの配合量)で一定に維持しながら酸化防止剤及び硬化促進剤の量を変えたときのグアユールラテックス配合成分の一覧を示す。
【0022】
【表1】

この例において、グアユールラテックスを配合し、36℃(華氏96.8度)で15時間、炉又は湯浴中で加熱した。前硫化に続いてグアユールラテックス配合物を25℃±2℃に冷却し、以下の実施例2において概要を説明するように修飾トルエン吸水膨張指数試験を実施した。
【0023】
実施例2.修飾トルエン吸水膨張試験
修飾トルエン吸水膨張試験の実施方法に関する二つの異なる例をここ実施例2に開示する。第一例において、5%のCaCo溶液(CaCo及びHO)1.5mlをアルミニウム又はポリプロピレンの秤量皿に流し込み、乾燥するまで65℃の炉又は空気乾燥で乾燥させる。冷却後、配合ラテックス1.5mlを入れ、トレー上に均一に広げ、完全
に乾燥するまで空気乾燥を行う。フィルムの上面をCaCO粉末で被覆することにより、くっつきを回避する。25mの円形ダイを使用して25mmのフィルムを切り抜く。トルエン20〜30mlを入れてあるペトリ皿に入れ、15分間静置する。必要に応じて3〜5分ごとにペトリ皿を手撹拌することによりフィルムの底部がペトリ皿表面に粘着するのを回避する。15分後、フィルムの最終直径を計測する。初期直径25mmを用いて以下の式1により膨張%計算を行う。この第一例によれば、膨張パーセント指数は84%から172%の間にある。
【0024】
式1.膨張%=(最終直径−初期直径)/初期直径×100
第二例において、5%のCaCo水溶液0.75mlをアルミニウム又はポリプロピレンの秤量皿に流し込み、65℃の炉又は周囲温度での空気乾燥で乾燥させる。炉乾燥の場合は室温に冷却し、配合ラテックス1.5mlを添加する。ラテックスを静かに旋回させることにより均一な層を形成し、空気乾燥を行う。フィルムが乳白色から半透明な琥珀色へ変化した場合、完全に乾燥したことが示される。
【0025】
フィルムの上面をCaCO粉末で被覆することにより、フィルムの表面が自身に粘着するのを防止する。フィルムを秤量皿から剥離させる。25mmの円形ダイを使用して25mmのフィルムを切り抜く。トルエン(ペトリ皿の底面から10mmの高さ)の入った、蓋付きのペトリ皿に15分間入れる。3〜5分ごとにペトリ皿を手撹拌することにより、フィルムがペトリ皿底部に粘着するのを防止する。15分後、皿の底面を通してフィルムの最終直径を計測する。
【0026】
膨張指数が最初のフィルム直径(25mm)の110%から172%の間にあることから、熟成グアユールラテックス配合物の予備硬化が良好に行われたことが分かる。これは、良好な予備硬化に対する膨張指数が80%から136%の間にあるパラゴムノキラテックスと対照的である。この違いは、ゴムポリマー鎖エンタングルメントが少ないため、より高い膨張度を可能とする、グアユールポリマー(より低い分岐性及びゲル化無し)のより高い直線性に依る可能性が最も高い。
【0027】
グアユールラテックスフィルムは図1に説明されているプロセスを用いて製造した。物理的特性試験に先立ち24時間デシケーター内で適当な状態にしたものを非熟成製品とした。ASTM規格D573により指定されるように70℃の炉で7日間熟成させたものを熟成製品とした。非熟成及び熟成促進物理的特性の試験をASTM規格D412に従って実施した。
【0028】
我々の張力計(インストロン3343型式、垂直試験距離1067mm)の限界及びグアユールラテックス生来の高い伸び率のため、物理的特性試験用ダンベルの切断にはASTM規格D412ダイ「D」が選択された。ASTM規格D412ダイ「C」ダンベルを使用してもよいが、その場合、1123mmを超える垂直試験距離を有する3345型式が必要となる。
【0029】
図2及び表2に概要を説明するように、配合GL2により、NRL手術用手袋の要件ASTM規格3577を満たす、又は超える、優れた物理的特性を有する非熟成及び加熱熟成フィルムが両方生成される。この実験計画法から、高い非熟成及び加熱熟成物理的特性を維持するためには硬化促進剤の濃度を低めに、また酸化防止剤の量を多めにする必要があることが示される。
【0030】
【表2】

実施例3.硫黄の効果
表1の製剤から生じた結果を分析した後、付加的な実験計画法(表3)を実施することにより、グアユールラテックスフィルムの物理的特性を更に最適化した。硬化促進剤及び酸化防止剤の濃度を夫々1重量部及び2重量部で一定にし、硫黄量を変化させることに依る効果を試験した。
【0031】
【表3】

表4及び図3から、硫黄濃度の増加に伴い非熟成引張特性が向上することが分かる。しかしながら、硫黄濃度の増加に伴い加熱熟成引張特性は低下する。硫黄濃度2.5〜3.0重量部のとき非熟成及び加熱熟成物理的特性は共に最大となる。
【0032】
【表4】

実施例4.マスターバッチ現象及び試験
またマスターバッチ(MB)分散のグアユールラテックスに対する効果も調べた。Yulex(登録商標)MB(ユレックスコーポレーション社(Yulex Corp.)及びアクロンディスパージョンズ社(Akron Dispersions))。表5に示されるように、配合の前に原料のプリミックスを行うMB配合法と、個々の成分を個別に添加して各添加の間に混合する半連続法との間には有意な違いは無かった。このように、MB法は配合プロセスの簡素化及び時間短縮を行いながらグアユールラテックスを配合する代替の方法を提供する。またMB法は、使用する配合材料の全体量も低減し得る。
【0033】
【表5】

実施例5.酸化亜鉛の効果
またZnOの効果も検証することにより、グアユールラテックスフィルムの性能の更なる最大化を図った。硫黄3重量部においてZnOをグアユールラテックス製剤に添合したとき、物理的特性に有意な影響はなかった(表6)。しかしながら、付随研究から、少量の硫黄(1.0〜2.5重量部)を配合に使用したとき、ZnO(0.5〜2.0重量部)はグアユールラテックス内でより高い物理的特性を生むことが実証された。一方、高濃度の硫黄(2.5〜3.5重量部)を使用したとき、ZnO(0.5〜2.0重量部)の使用は低い物理的特性、特に熟成物理的特性を生んだ。
【0034】
【表6】

実施例6.未加工ラテックス熟成対配合ラテックス物理的特性
様々な熟成段階にある、異なる未加工ラテックスバッチを研究に使用した。所望の保管期間の後、表4の製剤GL9を用いて全てのバッチを配合した。グアユールラテックスは生産後20日で浸漬することができ、これはパラゴムノキラテックスに典型的な最短30日と比較すると早い(図4及び表7)。更に、熟成20日を超える、異なる保管期間を経た、異なるラテックスバッチに対する物理的特性結果は、統計的に有意な違いを示さなかった。このデータから、未加工グアユールラテックスは良好な保管状態で最低16カ月間安定であることが実証された。
【0035】
【表7】

実施例7.配合ラテックス可使時間測定
上述の結果に基づいて、表4の製剤GL9(硫黄3重量部、硬化促進剤1重量部及び酸化防止剤2重量部)を選択して配合ラテックスの可使時間の研究を行った。配合グアユールラテックスを用いて13日間にわたって手袋フィルムを製造した。手袋フィルムは1日、2日、3日、7日及び13日後に回収した。配合ラテックスを周囲温度(25〜30℃)で浸漬しながら継続的に混合し続けた。しかしながら、夜間は撹拌又は混合を行わなかった。図5から明らかなように、引張及び伸びは時間とともに低下し、一方、モジュラスは時間とともに増加した。安定度は最初の7日間優れており、このことから、この特定の配合ラテックスバッチの可使時間はおよそ7〜13日の間にあることが分かる。実際、非熟成及び加熱熟成物理的特性は共に手術用ラテックスASTM規格D3577基準を優に満たした。この研究用に設定された膨張指数は102〜172%に及んだ。
【0036】
実施例8.パラゴムノキNRL及び複数の合成エラストマーと比較したグアユールラテックスファイルの性能
グアユールラテックス、パラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーの比較研究を実施することにより、市販のパラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーに混じってグアユールラテックスの製品性能を実証した。グアユールラテックスフィルムは表4の製剤GL9を用いて自家製造し、一方、市販のパラゴムノキNRL及びその他の合成エラストマーは複数の手袋販売源から入手した。物理的特性、引裂及び破壊抵抗試験を実施し、グアユールラテックス、パラゴムノキNRL、脱タンパクNRL、クロロプレン、合成ポリイソプレン、ビニル及びニトリルのフィルム間で比較した。
【0037】
引裂抵抗試験はASTM規格D624に従って実施した。ダイC引裂試験を使用した。破壊抵抗試験はASTM規格F1342に従って実施した。プローブAはゴムフィルムを破壊せず有効なデータが得られなかったため、23ゲージの皮下注射針を使用した。
【0038】
グアユールラテックスフィルムの破壊抵抗はパラゴムノキNRL及び合成ポリイソプレ
ンフィルムと同等であった(図6)。ニトリルラテックスは全ての中で最大の破壊抵抗を示したが、高い引裂抵抗を示さず(図7)、全ての試験サンプルの中で下から三番目となった。グアユールラテックスの引裂抵抗は合成材料より優れていたが、パラゴムノキNRLとの間に有意な違いはなかった。
【0039】
物理的特性試験はASTM規格D412に従って実施した。ASTM規格D412ダイDを用いて物理的特性試験用ダンベルを切断した。グアユールラテックスフィルムの引張強度(24.5MPa)はパラゴムノキNRL、脱タンパクNRL及び合成ポリイソプレンと同等であり、その他より優れていた(図8)。グアユールラテックスフィルムの伸びは平均1015%であり、これは、その他の全ての試験材料より極めて高かった。更に、グアユールラテックスフィルムの500%でのモジュラスは1.6MPaであり、その他の試験材料より極めて低かった。これらの結果から、グアユールラテックスは高い強度を有しているだけでなく、極めてしなやかで軟らかい材料であり、製品着用時の快適性を高めることが分かる。
【0040】
図9は本開示に係る製剤の他の例を示す。本明細書に開示された製剤は十分な結着性を有するフィルムをもたらすグアユール天然ゴムラテックス(GNRL)の配合を容易にし、従来使用されていた製剤は同様の性能状態を達成するのに不十分であった特定の製品規格を簡単に満たすことができる製品の製造を可能にする。グアユールゴムラテックスの希少性を考慮すれば、プロプライエタリの硬化パッケージにあるように、臨界配合成分のために単一供給を続けるには普及に大きな制限がある。これらの製剤は国際的に容易に調達できる主成分に基づいており、事実、パラゴムノキNRL(NRL)に使用される成分と共通の成分を幾つか有する。
【0041】
ポリマー構造と配合剤との組合せの結果、GNRLから製造されるフィルムは、同等に配合されたNRLに対してモジュラスが確実に少なくとも50%低くなる傾向にある。モジュラスとはサンプルを既知の伸び%に伸ばすのに必要な力を測定したものであり、軟度と相関があり、モジュラスが低いほどフィルムは軟らかい。物理的性能及びユーザの快適性、並びにタイプI抗原性交差反応性タンパク質の不足以外の合成ポリイソプレンの性能の低さの観点から、GNRLはNRL間の特定分野に分類されるため、上述の製剤を用いて配合されたGNRLにより、両ゴムタイプの最も優れた側面を組み合わせることが可能になる。
【0042】
開示された方法の別の利点は、従来の生産機器、及び最も簡単に入手できる材料を本発明に従って用いることにより、新たな、又は高価な材料又は機器を追加する必要無く、例えば、手術用手袋を作製できることにある。更に、本発明には複雑な新たなプロセス工程は必要なく、本発明は既存の手袋作製プロセス及びシステムに直ちに取り入れることができる。
【0043】
本発明に従って配合した配合(すなわち、使用できる状態の)GNRL組成物は長期保存安定性を示す。例えば、配合GNRL組成物の予備硬化段階保存安定性(すなわち、浸漬段階及び硬化段階において配合ポリイソプレンラテックス組成物を使用するまでの時間)は、現在の標準的なものが3乃至5日間であるのに対し、最長約7日間に上ることが可能である。ラテックスの貯蔵寿命を延ばすことにより、廃棄するラテックスの量を大幅に低減することができ、またスケジューリング生産プロセスの柔軟性を上げることが可能になる。
【0044】
古典的な硬化促進剤とは異なり、本発明で使用する硬化促進剤は、低ニトロソアミン又は非ニトロソアミン生成物である。ニトロソアミンは潜在性発癌物質である。このように本開示は低発癌性又は非発癌性ラテックス製品を提供する。
【0045】
本発明の様々な実施の形態が上記の「課題を解決するための手段」及び「発明を実施するための形態」に記載されている。これらの記載は上記の実施の形態を直接的に説明しているが、当業者は本明細書に示され記載されている特定の実施の形態に対する変更及び変形、若しくはそのいずれかを想到し得ることが理解される。本明細書の範囲内に含まれる、かかる如何なる変更又は変形も、同様に範囲内に含まれることが意図されている。特に言及されない限りは、明細書及び特許請求の範囲中の語句に、適用技術分野の当業者にとって普通の習慣となっている意味が与えられることが発明者らの意図である。
【0046】
上述の好適な実施の形態及び本願出願時に出願人が知る発明の最良の形態の記載が提示されており、例示及び説明を行うことを意図している。網羅的であること、又は開示された通りの正確な形態に発明を限定することを意図したものではなく、上記の教示を踏まえて数多くの変更及び変形が可能である。実施の形態は、本発明の原理及びその実践的応用を最も良く説明できるように、かつ当業者が本発明を様々な実施の形態において、また予期された特定の使用に適するような様々な変更により、最も良く利用できるようにするために、選択され記載された。従って、本発明は本発明を実施するために開示された特定の実施の形態に限定されないことが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物を調製する工程と、
前記非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物を硬化促進剤組成物と化合させて、配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物を形成することにより、前記ラテックスの硬化特性を前記硬化促進剤組成物により向上させる工程と、
製品の全体形状を有する金型を凝着剤組成物内に浸漬して、前記金型上に凝着剤層を形成する工程と、
凝着剤で被覆された前記金型を乾燥させる工程と、
凝着剤で被覆された前記金型を、前記配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物内に浸漬する工程と、
配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス内に浸漬された前記金型を硬化させることにより、エラストマー製品を製造する工程と
を備える、エラストマー製品を作製する方法。
【請求項2】
前記非パラゴムノキ天然ゴム組成物は、グアユール天然ゴムラテックスを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化促進剤組成物は、ジチオカルバミン酸塩配合物と、チアゾール配合物と、グアニジン配合物とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化促進剤組成物は、ジチオカルバミン酸塩配合物と、スルフェンアミド配合物と、グアニジン配合物とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化促進剤組成物は、ジチオカルバミン酸塩配合物と、スルフェンアミド配合物とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記硬化促進剤組成物は、ジチオカルバミン酸塩配合物と、グアニジン配合物とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化促進剤組成物は、ジチオカルバミン酸塩配合物と、チウラム配合物とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化促進剤組成物は、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチルジチオカルバミン酸カルシウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸アンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸鉛、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ジブチルアンモニウム、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸カルシウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン及びロペチジン(lopetidene)ジチオカルバミン酸亜鉛から成る群から選択されるジチオカルバミン酸塩配合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記硬化促進剤組成物は、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、ジメルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール
、ジメルカプトベンゾチアゾール銅、二硫化ベンゾチアジル及び2−(2’,4’−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾールから成る群から選択されるチアゾール配合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化促進剤組成物は、t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミド、n−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−モルホリノチオベンゾチアゾール、n−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、n−オキシエチレンチオカルバミル−n−オキシジエチレンスルフェンアミドから成る群から選択されるスルフェンアミド配合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記硬化促進剤組成物は、ジフェニルグアニジン、酢酸ジフェニルグアニジン、シュウ酸ジフェニルグアニジン、フタル酸ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、フェニル−o−トリルグアニジン及びトリフェニルグアニジンから成る群から選択されるグアニジン配合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記硬化促進剤組成物は、二硫化テトラエチルチウラム、一硫化テトラメチルチウラム、二硫化テトラメチルチウラム及び二硫化テトラベンジルチウラムから成る群から選択されるチウラム配合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エラストマー製品は、手袋、コンドーム、カテーテル、実験室検査機器、アッセイ、使い捨てキット、薬剤容器、注射器、バルブ、シール、ポート、プランジャ、ピンセット、スポイト、栓、絆創膏、包帯、検査シート、包装紙、カバー、チップ、シールド、内部装置用シース、溶液バッグ、バルーン、温度計、へら、チューブ、結合剤、輸血貯蔵システム、針カバー、止血帯、テープ、マスク、聴診器、医療用接着剤及びラテックス創傷治癒用品から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物に、前硫化を施すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物に、後硫化を施すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ラテックスの硬化特性の向上には、加硫速度の増加が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ラテックスの硬化特性の向上には、前記非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物の架橋密度の増加が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物を調製し、
前記非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物を硬化促進剤組成物と化合させて、配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物を形成することにより、前記ラテックスの硬化特性を前記硬化促進剤組成物により向上させ、
製品の全体形状を有する金型を凝着剤組成物内に浸漬して、前記金型上に凝着剤層を形成し、
凝着剤で被覆された前記金型を乾燥させ、
凝着剤で被覆された前記金型を、前記配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物内に浸漬し、
配合非パラゴムノキ天然ゴムラテックス内に浸漬された前記金型を硬化させることにより、エラストマー製品を製造する
プロセスにより作製されるエラストマー製品。
【請求項19】
前記エラストマー製品は、手袋、コンドーム、カテーテル、実験室検査機器、アッセイ、使い捨てキット、薬剤容器、注射器、バルブ、シール、ポート、プランジャ、ピンセット、スポイト、栓、絆創膏、包帯、検査シート、包装紙、カバー、チップ、シールド、内部装置用シース、溶液バッグ、バルーン、温度計、へら、チューブ、結合剤、輸血貯蔵システム、針カバー、止血帯、テープ、マスク、聴診器、医療用接着剤及びラテックス創傷治癒用品から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のエラストマー製品。
【請求項20】
ジチオカルバミン酸塩配合物と、チアゾール配合物と、グアニジン配合物とを備えており、非パラゴムノキ天然ゴムラテックス組成物の硬化特性を向上させることができる硬化促進剤組成物。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−536987(P2010−536987A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521832(P2010−521832)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/083454
【国際公開番号】WO2009/025675
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(508326699)ユーレックス コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】YULEX CORPORATION
【Fターム(参考)】